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銀河帝国攻略戦⑨~テンタクルスを撃破せよ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 漆黒の宇宙を、無数の宇宙バイクが駆け抜けていく。
「俺たちの走りにゃ、誰もついて来れないぜ!」
 宇宙バイクの集団の後方を陣取る、黒い革のジャケットを着込んだスキンヘッドの男―――リーダーの言葉に、仲間たちは「おう!」と応える。
「解放軍だか何だかしらないが、俺たちに敵うわけがないさ! 野郎ども、暴れるぞ!」


「みなさま、お集まりいただき、ありがとうございます」
 グリモアベースに集まった猟兵たちに向かって、グリモア猟兵である譲葉・秀幸(アストロフェル・f03775)はそう切り出した。
「みなさまにお願いがあります。
 至急、スペースシップワールドへ向かっていただきたいのです」

 秀幸の話によると、エンペライダーズという特殊部隊が、解放軍に攻撃をしかけてきているのだという。
「ご存じの方も多いと思いますが……スペースシップワールドでは現在、全戦力を糾合して、銀河帝国に対抗しようとしています。
 しかし、銀河帝国側も黙ってみているわけではありません。対抗策として、宇宙バイク乗り達の部隊を送り込んできたのです」
 宇宙バイク乗り達の部隊はエンペライダーズといい、集団による高速かつ一撃離脱の攻撃を繰り返すことで、解放軍に損害を与えようとしている。
 解放軍側にも警備部隊は存在するが、エンペライダーズの戦いぶりには耐えられず、迎撃してもあっという間に撃破されてしまうと推測される。
 エンペライダーズを迎撃できるのは、猟兵たちだけなのだ。
「エンペライダーズの部隊には、それぞれ部隊長がいるようです。その部隊長を撃破できれば、あとは烏合の衆となり、逃走することもあるかと」
 もし敵が逃走した場合は、深追いはしなくてかまいません、と秀幸は言う。
「僕が捕捉できたのは、スキンヘッドの大男が率いる部隊ですね。仲間からは、テンタクスルと呼ばれているようです」
 ある程度宇宙バイク乗り達を蹴散らしたあと、テンタクルスを戦闘不能に追い込めば、残りは戦意を失って逃げていくという。


「どうか、エンペライダーズの魔の手から、解放軍を救い出してください。よろしくお願いします」
 そう言うと、秀幸は猟兵たちに向かって、頭を下げたのだった。


坂本リサ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。


 どうも。坂本リサと申します。
 まだ色々と手探りな部分が多く、至らぬ点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 この依頼は、襲い来るエンペライダーズを撃破することが目的となっています。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『クローン重騎兵』

POW   :    インペリアル・フルバースト
【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    コズミックスナイプ
【味方との相互情報支援】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【狙撃用ビームライフル】で攻撃する。
WIZ   :    サイキッカー拘束用ワイヤー
【アームドフォートから射出した特殊ワイヤー】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レド・ダークライト
【他の方との絡み歓迎】
テンタクルスだかなんだか知らないが、統率者について行くことしかできん脳無しに負けるつもりはさらさら無いな。

集団で数が多い、バイクもあって動きも速いかもしれないが、そんなものは俺には関係がない。
「来いよ、脳無し共。」
相手を挑発しこちらに「おびき寄せ」る。
もちろん攻撃をくらっては元も子も無いので、よく動きを「見切り」奴らが集まったところを「範囲攻撃」の技術を生かした【殲滅の血肉】で動きを止めさせてもらおうか!

動きが止まりさえすれば雑魚に興味はない。
リーダーを叩き斬るのみだ。


揚羽・王子
あら、嫌だわ。怖いお兄ちゃま方ね。
あたくし、怖い方って苦手よ?

エレクトロレギオンで、回避を第一目的にした機械兵器を最大数召喚するわ。
これをエンぺライダーズの部隊にけしかければ、隙を作ったり時間を稼いだり、上手くいけば部隊進行方向の誘導も出来ると思うの。
無視されたりするようなら、第二目的の攻撃をさせるわ。
攻撃されるのに、放っておくなんてできないでしょう?

あたくし自身は他の方とご一緒に、拷問具で集団を撃破するように動くのよ。
サイキッカー拘束用ワイヤーに狙われた時は、咎力封じで放った手枷・猿轡・拘束ロープをぶつけて、狙いを逸らすわ。

リーダーの方の隙が見られれば、咎力封じで拘束するわ。


金剛・狂
エンペライダーズですか、ちょっとカッコイイと思っちゃったっす
でも悪の帝国の手先なら蹴散らすまでですよ
テンタクルスとかいうのが率いてるから、きっと触手系ですね(決めつけ
とりあえず、ぶっ飛ばしましょう!
【Stand By Me】で背後霊のヒシガタさんを召喚
光り輝く筋肉でとにかく[力溜め][なぎ払い]からの[吹き飛ばし]
群がる宇宙バイク乗りを、こう、まとめてどかすことによって
仲間がテンタクルスへ突撃できるよう血路を開くっす

ここはヒシガタさんに任せて先に行け!
つまり主に頑張るのはヒシガタさん!


カノン・クロウェル
宇宙バイク!カッコイイなー
だけど悪い人たちなんだよね、残念
少年らしくバイクへの憧れはありつつも悪辣な銀河帝国は
【猟兵】として許すわけにはいかない

「さあ、じゃあ蹴散らしちゃおうか!」
普段仕舞っている竜の尻尾や翼をバサリと出して
戦闘への高揚で輝く瞳で勝気な笑顔を浮かべる

どれだけ高速で動いてたって、光の速さに敵うかな?
【ジャッジメント・クルセイド】を使用
エレメンタルロッドを掲げて光の精霊に呼びかける
「さあ来い!悪い子におしおきの時間だよ!」
敵に狙いを定め指先向けると光の精霊が対象に向けて裁きの光を落とす

解放軍へ攻撃を仕掛けようとする敵がいればそちらを優先して狙う


イレーネ・ノヴァリス
品性の欠片も感じない敵ですこと。
解放軍の犠牲を最小限に抑えるためにも可及的速やかに排除しますわ。

それにしても宇宙戦というのは慣れませんわね。

・攻撃
使用ユーベルコードはエレメンタル・ファンタジア

宇宙バイクを空間ごと凍結させて身動きを封じる。
「わたくし歩行者ですので止まっていただけます?」

止めた後は上を指差す。上には巨大な氷柱が浮かんでおり、敵に目掛けて落下させる。
「頭上注意、ですわ。お気をつけあそばせ」

・防御
使用ユーベルコードはエレメンタル・ファンタジア

突進してくるバイクに対して、味方や解放軍警備部隊の前に氷の壁を作って守る。
「させませんわ!」

協力・アドリブはご随意にどうぞ


朧・紅
表人格のお嬢様が《紅》
裏人格の殺人鬼が《朧》


ふにゃーん!来ないでくださいですー!

僕は泣きながら逃げ惑って敵を誘導するですよ
デブリや戦艦の狭い「隙間」へ

追って抜けようとする敵を隙間に仕掛けたギロチン刃のロープで通せんぼ
バイクから敵を落とすです

ふえぇたすけてぇ……っなぁんてなぁ?

敵が落ちたら逃げるのをやめて
別人格の朧とバトンタッチ
雰囲気を一変
殺人鬼の朧は狂喜的な表情で敵に襲い掛かる

バイクで走り回られたら面倒なんでなぁ
走れないエンペライダーズはただの…ただの…えんぺらー?
(いい文句が思いつかなかった
まぁいい
結末はみぃんな一緒サ…

蛇のようにロープとギロチン刃を操り
ニタリと笑って敵の首を刎ねに行く



 漆黒の宇宙空間を光速で駆け抜ける宇宙バイク部隊、エンペライダーズ。
 解放軍の宇宙船のうち、比較的大型のものを見つけると、リーダーであるテンタクルスが声を上げた。
「よし、コイツを沈めるぞ!」
「おう!」
 テンタクルスが引き連れている宇宙バイク乗りたちは、思考はとても短絡的だが、スピードと戦闘力は一品。何より、戦い慣れしている。
 そのような部隊に狙われてしまえば、実戦経験の浅い解放軍の宇宙船などひとたまりもない。



 しかし、レド・ダークライト(紅き閃光・f01284)は、エンペライダーズの動きを一瞥すると、冷ややかに判断をくだした。
(テンタクルスだかなんだか知らないが……統率者について行くことしかできんような脳無しに、負けるつもりはさらさら無いな)
 猟兵として幾つも依頼をこなしてきた自分を相手に、このような能無したちが敵うわけがない、と。
「来いよ、脳無し共。」
 レドはニヤリと笑って挑発する。その声に気づいた先頭集団が、顔を赤らめた。
「誰が能無しだって!?」
「貴様、俺たちはエンペライダーズだぞ!」
 エンペライダーズの判で押したような反応に、レドは内心苦笑しながら黒剣を構えてみせる。
 分かりやすい動きをした方が、こういう手合いには効く。
 事実、カッとなった者たちが、レドをひき殺そうと宇宙バイクのアクセルを全開にした。
 確かにそのスピードは折り紙付き。だが、逆上した者の動きは単純で推測しやすい。
 レドは無駄のない動きでステップを踏み、紙一重で猛攻を交わしていく。
「くそ、コイツ、ちょことまかと……!」
「おい! お前邪魔だぞ!」
 先頭集団を自らの周りに充分に引きつけたところで、レドは殲滅の血肉を発動させる。
「我が障害を殲滅せよ!」
 レドから放たれた衝撃波が、先頭集団に襲いかかる。
 ある者は腹に受けて血反吐を吐き、ある者は頭を揺さぶられて気を失い、またある者は宇宙バイクごと派手に吹き飛ばされた。
「だから言っただろう? お前らは脳無しだ、とな」



「俺らエンペライダーズの邪魔をするなんて、命が惜しくないようだな!」
「あら、嫌だわ。怖いお兄ちゃま方ね」
 憤るエンペライダーズを見て、揚羽・王子(今日は昨日の夢を見て・f02885)は、あどけない少女のようにそう言ってみせた。
 しかし、エレクトロレギオンを発動させる準備は怠らない。
「お願い、あのお兄ちゃま方をかく乱してきてね」
 王子は、召還された小型の戦闘用機械兵器たちにそう命令……いや、お願いをした。
 騎士が姫へと出陣の挨拶をするかのように、機械兵器たちは王子の周りをクルリと回ったあと、エンペライダーズの元へと飛んでいった。
「うわ、何だコイツ!」
「ちょこまかと! 進路妨害するんじゃねぇ!」
 機械兵器たちは、解放軍への道を塞ぐようにして展開。エンペライダーズの宇宙バイクに体当たりするなどして、その進みを妨害しはじめた。
「おい、女! 邪魔してんじゃねぇよ!」
 機械兵器の召還主が誰であるか気づいたエンペライダーズのひとりが、王子を拘束しようと特殊ワイヤーを射出してきた。
「あたくし、怖い方って苦手よ?」
 嫌だわとつぶやきながらも、王子は乾いて皺の目立つ指先で素早く拘束ロープを放つ。
 ロープは宙でワイヤーとぶつりかり、はじき返した。
「わたくしを抱擁していいのは、ただひとりだけなの。そして、それはあなたではないわ」



「クソッ! あっちはダメだ! サブルートで進め!」
 先頭集団がやられたと気づいたテンタクルスが、エンペライダーズに指示を飛ばした。
 リーダーである彼の指示に従い、エンペライダーズは部隊を転進させる。



「わああ! 何でこっち来るですか!?」
 エンペライダーズが己の方に来るのを見て、朧・紅(多重人格者の咎人殺し・f01176)は悲鳴を上げた。
「ふにゃーん! こっち来ないでくださいですー!」
 そう言うと、紅は長い髪を揺らして逃げ出した。
「あぁん? ずいぶんとカワイイお嬢ちゃんじゃねぇか」
 紅に気づいたエンペライダーズの数人が「良い獲物を見つけた」と言わんばかりに彼女を追い回し始めた。
「ノコノコ出てきたは良いが、怖じ気づいたか、お嬢ちゃん?」
 精神的になぶりたいのか、紅を追うエンペライダーズは蛇行運転をし、すぐに紅を捕らえようとはしない。
「こ、ここなら隠れられるです!」
 スペースデブリがひしめく空間に、紅は身を投じた。
「は! 俺らのテクニックがあれば、こんな狭いところだって、通り抜けられ……」
 紅を探し出そうと、エンペライダーズもデブリとデブリの空間に乗り込む。
 しかし、彼らの命運はそこで尽きた。
 デブリとデブリの間には、ロープがピンと張られていたのだ。
「ゲエッ!?」
 慌ててブレーキをかける。ロープでスッパリ切断されるという悲劇こそ回避したものの、宇宙バイクからは転げ落ちてしまった。
「ふえぇたすけてぇ……っなぁんてなぁ?」
 紅の雰囲気が、ガラリと変わった。
 それまでの小動物めいたかわいさはどこへやら。その顔に浮かんでいたのは、早く咎人を殺したくてたまらないという狂喜的な笑み。
 彼女は今、お嬢様的な人格である紅から、殺人鬼的な人格である朧へとスイッチしたのだ。
 その手には、ギロチン刃をくくりつけたロープがある。先ほど、エンペライダーズを宇宙バイクから落としたロープだ。
「さぁ、裁きの時間だぜ!」
 朧はギロチン刃をくくりつけたロープを器用に操り、エンペライダーズを刎ねていく。
「結末はみぃんな一緒サ……」
 返り血を浴びた朧の姿は、宵闇に浮かび上がる彼岸花のようであった。



「ヤバい! オレら、押されてるぞ!?」
「リーダー、どうしやしょう!?」
 向かうところ敵なしだという思いをくじかれたエンペライダーズに、動揺の色が広がる。
 しかし、テンタクルスは違った。
「これくらいのことで動じるな!」
 毅然とした態度で、率いている宇宙バイク乗りたちを一喝する。
「俺たちは帝国最速の集団と謳われたエンペライダーズだろうが!
 いいか、タイマンに持ち込もうと思うな! いつもどおり、集団で対処しろ!」
 テンタクルスの指示が飛ぶと、エンペライダーズは落ち着きを取り戻していく。
「そ、そのとおりだ」
「リーダーはいつもオレたちを鼓舞してくれる……!」
「なんとしても、リーダーを守り抜くぞ!」
 エンペライダーズは、テンタクルスを守るように、四方八方に展開した。



 退路を塞ぐため、エンペライダーズの後方に陣取った猟兵たちがいた。
 それは、金剛・狂(は砕けない・f09749)や、カノン・クロウェル(ドラゴニアンの精霊術士・f01889)たちだ。
「エンペライダーズですか、ちょっとカッコイイと思っちゃったっす」
「あ、狂さんもそう思う? 宇宙バイクって、カッコイイよなー」
 狂の言葉に、カノンは相づちを打つ。
 ふたりは以前、とある依頼で共闘したことがあり、軽口をたたきあえる仲であった。
「だけど悪い人たちなんだよね、残念」
「うん。悪の帝国の手先なら蹴散らすまでですよ」
「そうですわね。解放軍の犠牲を最小限に抑えるためにも。可及的速やかに排除しますわよ」
 そして、その依頼を切欠に狂やカノンと親交を深めた、イレーネ・ノヴァリス(Schneewalzer・f01072)がふたりの会話に合流した。
「わたくしは後衛に回ります。前衛は、おふたりにお任せしますわね」
「オッケー! じゃあ、蹴散らしちゃおうか!」
「とりあえず、ぶっ飛ばしましょう!」
 狂とカノンがエンペライダーズに向かって突撃していく。
(宇宙戦というのは、なかなか慣れるものではありませんわね)
 心の中でそうつぶやきつつも、イレーネはエレメンタルロッドを掲げて、エレメンタル・ファンタジアを発動させる。
「わたくしは歩行者ですので、止まっていただけます?」
 エレメンタルロッドを構成していたのは、氷の精霊たち。精霊たちが吹雪かせる冷気がエンペライダーズの宇宙バイクにまとわりついて、宇宙バイクそのものを凍結させていく。
「オレの超イカしたバイクが!?」
「バイクだけじゃねぇ! 脚が、脚がぁ!」
 エレメンタルロッドは再び精霊に姿を変え、イレーネの周りを誇らしげに飛び交った。
 イレーネは女性貴族御用達の扇子―――微笑のヴェールで口元を隠すと、エンペライダーズに向かって声をかけた。
「凍結注意、ですわ。お気をつけあそばせ」
 ご自慢の宇宙バイクを凍結させられたエンペライダーズは、慌てふためいている。宇宙バイクがなくては、ご自慢の機動力も生み出せないからだ。
「あなたたちの悪行……私は許そう」
 金剛のボディをきらめかせながら、狂は宇宙空間を突き進む。
「だが私の背後に立ってるコイツが許すかな!」
 狂はそう叫ぶと、【Stand By Me】を発動させる。彼女の背後に、ドォォンと筋肉質の背後霊―――ヒシガタさんが出現した。
「退路を確保してるつもりですか? 甘いっすよ!」
 ヒシガタさんはエンペライダーズに突っ込んでいくと、大きく腕を振るった。
 隆々の筋肉は伊達ではない。まるで強力なハリケーンであるかのように、エンペライダーズを次々と吹き飛ばしていく。
「あなたたちはヒシガタさんを怒らせたようですね」
 狂の言葉に同意するかのように、ヒシガタさんはモスト・マスキュラーポーズを決めた。
「ここはヒシガタさんに任せて、みんなはテンタクルスを叩きに行け!」
「狂さん、それは『死亡フラグ』というヤツですからね!?」
 狂の言葉に、カノンはツッコミを入れた。
「な、何なんだ、コイツら!?」
「一旦体勢を整えて……」
 ヒシガタさんの猛攻から辛うじて逃げることができた数人が、這々の体で狂たちから距離を取ろうとした。
 しかし、そんなエンペライダーズ数人の前に、カノンが立ちふさがる。
 カノンは、戦闘への高揚に瞳を輝かせ、勝ち気な笑みを浮かべていた。
「俺も猟兵だからね。キミたちのことは、許すわけにはいかないんだ」
 普段はしまっている竜の尻尾や翼をバサリと出す。
 カノンはエレメンタルロッドを掲げると、光の精霊に呼びかけ、ジャッジメント・クルセイドを発動させた。
「さあ来い! 悪い子におしおきの時間だよ!」
 生み出されたのは、目を焼くようなまばゆい光。
 光は瞬時に宇宙空間を伝播し、エンペライダーズに1ミリ動く間さえ与えずに、その身体を貫いた。
 悲鳴すら上げぬまま崩れ落ちたエンペライダーズに、カノンは諭すように声をかける。
「悪いことをした人には、天罰がくだるんだよ……って、聞こえてないかな」
 もちろん、カノンの言葉に返答はない。
「カノンさん、やるじゃないっすか」
「狂さんこそ」
 カノンは近づいて来た狂とハイタッチを交わすと、互いの健闘をたたえ合ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニィ・ハンブルビー
呼ばれて飛び出てボク登場ー!
戦線もぐいぐいと押し上がってきて、解放軍さまさまって感じだね!
お返しってわけでもないけれど、強敵はボクら猟兵に任せろー!

さて!テンタクルスの討伐だったね!
速さが自慢のようだけど、攻撃の瞬間はこっちに近寄らざるを得ないはず!
ここは【カウンター】で一撃必殺を狙うよ!
『ウェポンエンジン』や『マシンベルト』の推進装置で回避しつつ【力溜め】!
当たりそうな攻撃を『ビームシールド』で弾きながら、敵の接近を待つよ!
そんでもって、相手が射程に入った瞬間に【ズバズバの魔法】!
命中重視で、バイクごと相手を叩き切る!

それにしても…アンタ、ヘルメット被らないの?色々危なくない?
宇宙線とかさ


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携歓迎】
テンタクルス…タコかイカの化け物…なるほどハゲでタコか!
気色悪い、タコなら赤くなってろっての!

ここに来る連中なら自前の相棒を連れて来てるだろうけど、
もし希望者がいたらタンデムできるよ。
とにかくアタシは取り巻きを沈めてやるよ!
宇宙カブを高速航行形態にしながらサイキックブラストをばら撒く!
雑魚どもの動きはこれでだいぶ縛れるだろうね。
そのまま落とせたらもっと良いんだけどね!
さて、そうして網を張ったら漁の時間さ。
網に嵌まったタコ野郎に【黄泉送る檻】を発動!
あとは皆、ボッコボコにしてやんな!


明石・真多子
ちょっと~!ハゲだからってテンタクルスはないんじゃない!?
アタシはちゃんと生えてるよ!…おじいちゃんはツルツルだけど。
でもこのままタコの風評被害を放置する気はないんだからね!

って息巻いて突撃してきたけどアタシ乗り物ないや。
ちょっと誰かに頼んでニケツさせてもらおう。
大丈夫大丈夫、アタシは自前の触手シートベルトあるからね!

味方の防御や援護にまわるよ。
射撃が飛んで来たら、アタシの触手を【アシキリダコ】で身代わりにして防いでいこう。
どうせタコの触手はすぐ生えてくるからね。

ついでに隙を見て【タコスミケン】を投げて「目潰し」していこう。
あのスキンヘッドには絶対当ててやるからね!覚悟しろ!



「ちょっと~! ハゲだからってテンタクルスはないんじゃない!?
 アタシはちゃんと生えてるよ! ……おじいちゃんはツルツルだけど」
 明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)は怒り心頭だった。
 タコやイカのあしを指す名詞(複数形)であるテンタクルスを異名として使うエンペライダーズリーダーのせいで、タコへと風評被害が及びかねない。
 そんなのは、軟体魔忍の末裔として、許すわけにはいかなかった。
「誰か、ニケツさせてもらってもいい?」
「いいよ。アタシの相棒に乗りな」
 真多子の言葉に、数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)は相棒である宇宙バイク―――宇宙カブJD-1725のうしろを指した。
「ありがとう! じゃ、遠慮無く」
「スピード出すからね。振り落とされるんじゃないよ?」
「自前の触手シートベルトあるから大丈夫!」
「そうかい」
 真多子を後ろに乗せて、多喜は宇宙カブを走らせる。
 辛うじて生き残ったエンペライダーズ数名が追いすがろうとしたが、高速航行形態になった宇宙カブを捕らえることはできなかった。
「コイツ、速いぞ!」
「嘘だろ!? 宇宙最速は俺らじゃ……」
「そうやって、苦労もせずに名声の上にあぐらをかいてるから抜かされるんだよ!」
 多喜の言葉に、エンペライダーズは逆上した。
「うるさい! てめぇを落とせばいいってことだろ!」
 エンペライダーズは多喜を捕縛しようと、特殊ワイヤーを次々と放つ。
 しかし、特殊ワイヤーは宇宙カブをかすめることすらできなかった。
「バイクで追いつけてないんだ。武器を使ったところで、追いつけっこないんだよ」
 多喜はよりスピードを上げ、エンペライダーズを完全に振り切る。
 最終目的地は無論、テンタクルスだ。



 自分を守っていたエンペライダーズが次々とやられていく様を見て、テンタクルスは舌打ちをした。
「ちっ、俺のところまで来るヤツが現れるとは」
 テンタクルスは「俺だけ逃げるなんて無様な真似はできねぇしな」と言うと、宇宙バイクに仕込んでいた全武装を解放。近づいて来た多喜たちに向け、一斉に発射した。
「インペリアル・フルバースト」
 多喜たちの頭上から、ビームやワイヤーが雨のように降り注いでくる。
 しかし、真多子の触手がシュルリと素早く動いた。
「させないよ!」
 触手は降り注ぐ攻撃を代わりに受け、ボロボロになっていく。
 しかし、真多子は平然とした顔で、ボロボロになってしまった触手を切り離した。
「軟体忍法、変わり身の術! 切っても生えてくるから平気だよ!」
 テンタクルスが息を呑んだ。その隙に多喜は黄泉送る檻を発動させる。
「ashes to ashes,dust to dust,past to past……収束せよ、サイキネティック・プリズン!」
 素早く聖句を唱えて高圧電流の檻を完成させる。その檻でテンタクルスを閉じ込め、感電させて行動を封じた。
「さあ、網にかかったよ! 漁の時間だ。ボッコボコにしてやんな!」
「うん! ……軟体忍法、蛸墨手裏剣の術! 悪は倒すべし、イヤーッ!」
 真多子は軟体忍法蛸墨手裏剣の術を発動させる。
「ぐうっ!」
 水圧カッターとなったタコスミ手裏剣がテンタクルスの腹を切り裂いた。



「くそ……だが、まだだ。まだ戦える」
 流血で腹を赤く染めながら、テンタクルスはユラリと立ち上がる。その手にはビームライフル。まだ、戦意は失っていないようだ。
「おら、かかって来いよ!」
「呼ばれて飛び出てボク登場ー!」
 ニィ・ハンブルビー(怪力フェアリー・f04621)が緑色の瞳を輝かせながらピョンと現れた。
 自分の背丈の半分もないような、小さなフェアリーを見て、テンタクルスは馬鹿にしたような笑みを浮かべる。
「そんなちっぽけな身体で何ができる!」
 テンタクルスはビームライフルを連射し、ニィを打ち落とそうとしてくる。
「そういう風な言い方はよくないと思うな」
 ニィはウェポンエンジンやマシンベルトの推進装置を有効に活用し、攻撃を回避しながら自らの勢いを増していく。
 テンタクルスがビームライフルを捨て、武器を特殊ワイヤーに切り替えようとした、その瞬間。
 ニィはズバズバの魔法を発動させた。
 彼女の身の丈の何倍もあるような、巨大な剣が宇宙空間に出現する。
「ぶった切っちゃうよー!」
 勢いを殺さぬままニィはその柄を掴み、思い切り振るった。
 巨大な剣の重さに、ニィがため込んできた勢いが乗算された一撃。
 爆発的な力によって、テンタクルスは宇宙バイクごと切り伏せられた。
「それにしても……アンタ、ヘルメット被らないの? 色々危なくない?
 ……って、もう答えられないかー」
 完全に沈黙したテンタクルスを見て、ニィは苦笑したのだった。



 テンタクルス率いるエンペライダーズの部隊は、猟兵たちの活躍によって壊滅した。
 しかし、銀河帝国攻略戦はまだ半ば。
 助けを求める多くの声に応じ、猟兵たちは次なる戦場へと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト