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大祓百鬼夜行㉕〜オペレーション・スペキュラム

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行 #プロジェクト・トライポッド #プレイング締切

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●東京都墨田区にて
 スカイツリーの麓では、続々と現れる大祓骸魂の分身体が溢れ出す。

「さぁ、私とともに遊びましょう?」

 次々と現れる大祓骸魂の分身体は、手には様々な遊び道具を握っている。デュエリストブレイドや懐かしの玩具、駄菓子兵器などなど……それを用いて、次々と通行人に襲いかからんとしていた。

「……待てっ!!」

 そこに現れたのは、デュエリストブレイドのプロチーム「Creepy Pros.」に所属するプロプレイヤー、全米オープン覇者の「アンデッドの夏を終わらせた英雄」スレンダーマン。その後ろには彼のチームメイトである「女流最強コントロール」八尺様と「アグロ使いの白き殺し屋」ジェフ・ディヴィアンツ。そして他のチームからもカマイタチやスケルトン、雪女など、競技シーンで活躍するデュエリストブレイドプレイヤーたちが続々と集結する。

「デュエリストブレイドは、私達にとってはコミュニケーションツールの一つ。それを用いて危害を加えるなどあってはならない! 行くぞプレイヤー諸君、私達のデュエリストブレイドを守るのだ!」
「えぇ、行きましょう、スレンディ! やれるわね、ジェフ!?」
「トーゼンですよ八尺先輩! さぁて、速攻で寝かしつけてやるとしますかぁ!!」

 なんと、次々にデュエリストブレイドプレイヤーたちが大祓骸魂に試合を申し込み始めた。その手には練り上げられた最強のデッキ。スレンダーマンが手にした【13 Samurai】や八尺様の【チャイルドロック】、ジェフの【白単アグロファントム】などといった、対戦環境で一時代を作ったデッキ達が次々と大祓骸魂に牙をむきはじめる。

 しかし、それで終わりではなかった。

「いっけぇーっ! バーニングコカトリス!! 締め撃ちで一気に決めるぜ!!」

 ビーダマ玩具、「ビーダマ野郎」を手にした子供達が。

「スリー、ツー、ワン、シュート!! 頼むぞ、オレのレッドグリフォンF!!」

 ベーゴマバトルホビー「ベイスピナー」を勢いよく回すベイスピナーバトラーたちが。

「かっ飛べぇーっ! タイフーンセイバーっ!!」

 四輪駆動レース玩具「プラ四駆」を走らせるプラ四レーサーたちが。

「駄菓子兵器は負けねぇ!! ラムネミサイル発射ァーッ!!」

 駄菓子兵器を手にした妖怪たちが。

「俺たちを忘れてもらっちゃ困るぜ!! 出血大サービスだ、新幹線0系持ってきた!!」

 カクリヨファンタズムで電車バトルに興じていたスピード狂たちが。

 カクリヨファンタズムの妖怪テレビ番組の司会やパネラーが、俳優や芸人たちが、団地闘法の使い手達が、びっくり身体能力自慢達が、続々と集まってくる。

 彼らは、自分たちなりの戦いで、大祓骸魂を蹴散らそうとしているのだ。

 大祓骸魂はそれを見て、笑みを深める。なんと愛おしいことか。彼らはこの世界を愛するがために、自らが愛するものを手に自分に立ち向かう。だが、自分のほうが愛が大きいのだ。ならばその愛を見せつけてやるまで。

 名もなき市井の人々と、大祓骸魂の戦いが幕を開けた。

●オペレーション・スペキュラム
「ついに最終決戦ね! 時間が限られているけど、最後までしっかり戦いましょう」

 グリモアベースにて、グリモア猟兵ベルゼ・アール(怪盗"R"・f32590)が猟兵達を集めてミッションブリーフィングを開始する。大祓骸魂は現在、スカイツリーの上部に設置されたゲイン塔を占拠。麓に分身体を続々と出現させている。

「各親分の呼びかけに応えたり、自発的に危機を察知したカクリヨファンタズムとUDCアースの市井の人々が次々と立ち上がったわ。自分たちに出来る戦い方で大祓骸魂の分身体に次々と立ち向かっているわね」

 TCG「デュエリストブレイド」や懐かし遊び、団地闘法、電車バトルなど、闘い方は千差万別。しかし思いは唯一つ、2つの世界を守るという一点であった。

「これを黙ってみている私達猟兵じゃないわ。彼らの思いを無駄にしては駄目。市井の人々と一緒に、大祓骸魂に立ち向かいましょう。特にカクリヨファンタズムの妖怪たちは骸魂を飲み込んでまで私達に大祓骸魂を見つけるための手助けをしてくれた……今こそ恩義に報いるときよ!」

 戦い方は猟兵達それぞれに任せる、という。普通に戦ってもいいし、TCGや懐かし遊びでの勝負を仕掛けても良い。団地闘法を繰り出す妖怪を引き連れて戦ってもいいし、テレビ番組企画に乗っかる形で大祓骸魂に戦いを仕掛けても良い。

「重要なのは、市井の人たちと思いを一つにすること! この世界を真に愛するのはどちらなのか、見せつけてやりましょう!」

 ベルゼはポータルを開くと、猟兵達を送り出した。

  大祓百鬼夜行最終決戦計画「プロジェクト・トライポッド」構成作戦、作戦コード「オペレーション・スペキュラム」、開始。
 作戦目標──大祓骸魂の撃滅。
 交戦規定──全員生還。


バートレット
 どうも、バートレットです。

 いよいよ大祓骸魂との最終決戦です。6月1日を気持ちよく迎えるためにも頑張って倒しましょう。

 今回のプレイングボーナスは以下のとおりです。

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 プレイングボーナス……(全ての戦場のプレイングボーナスから好きなものを選び、使用できます)
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 大祓百鬼夜行におけるすべての戦場のプレイングボーナスから、どれか一つ好きなものを選択してください。それがプレイングボーナスになります。どのようなプレイングボーナスがあるかは、戦争概要ページをご確認ください。
 また、本シナリオに限り、以下の行動からいずれかひとつを選択して行うと追加ボーナスを獲得できます。
・デュエリストブレイドプレイヤーたちと共にカードゲーム勝負を仕掛ける。
・懐かし遊びと現代ホビーを手に戦う子供達や妖怪と共に、懐かし遊びで立ち向かう。
・団地闘法やびっくり身体能力、電車バトルなどの一風変わった戦いを仕掛ける妖怪たちと共に、彼らの戦い方を真似て戦いを仕掛ける。
・妖怪テレビ番組の報道班に、自分の戦いを中継してもらう。

 OP公開後、即プレイング受付を開始します。締め切りは5/29 21:00とさせてください。募集状況はタグでも確認できるようにしますので、合わせてご確認をお願いします。

 それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『大祓骸魂』

POW   :    大祓百鬼夜行
【骸魂によってオブリビオン化した妖怪達】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[骸魂によってオブリビオン化した妖怪達]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    生と死を繋ぐもの
自身が装備する【懐刀「生と死を繋ぐもの」】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    虞神彼岸花
【神智を越えた虞(おそれ)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を狂気じみた愛を宿すヒガンバナで満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:菱伊

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

ハーイ、ベルゼ殿! こちら現場のバルタンデース!
マイクを持って、カメラに中継報道班デース!
ワタシも突撃しマスガ、先にこの世界の危機に集まってくれたゲストを紹介しマース!

カモン! 女傑・カップウーメン!
塩味(RYOKO)! 醤油味(SAORI)! AKKO(カレー味)!
それぞれジュードー、レスリング、カヨーカイのキングオブクイーン!
そして彼女たちに追従する、オオサカのオバチャンたち!
オバ●リアンたちが群れを成してやってきマシタヨー!

皆の想いを一つに。派手に元気に、各々の構えてアタックデース!
準備はOK? OK!
世界の命運は我らが掌中にあり! 皆の者、突撃! ニャー!


隠神・華蘭
㉓の『バズる事で、より多くのハートを集める』でいきます
連れて行くのは妖怪テレビ番組の報道班の皆様です

ふ、これだけは二度と使うまいと思っていたんですけどねぇ……!

大祓の攻撃を化術で一度木の葉に変化し攻撃の風圧でひらひら舞って逃げ足よろしく回避しまして
連続変化です、手持ちの葉っぱ小判をばらまきつつUCを使用!
大祓の様々ないらすとが描かれた痛茶釜に変化です!
同時にばらまいた葉っぱも似たような痛茶釜に次々変化させます!

てれび含めてだっさ!とかあいたた……なんて言われるでしょうもう何度も受けましたよその反応!!
羞恥心を代償に虚舟召喚!はーとも頂いてぱわーまっくすです!
怪光線で大祓をぶち抜いてあげなさい!



●チャンネルはそのままで!
「ハーイ、ベルゼ殿! こちら現場のバルタンデース!」

 マイクを持ったバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が妖怪テレビ番組の報道班が構えるカメラの前で手を振る。

「これから私は大祓骸魂の下に突撃しマスガ、先にこの世界の危機に集まってくれたゲストを紹介しマース!」

 バルタンが自分の背後にばっ、と手を広げれば、そこには屈強な女性の身体を備えたカップヌードル頭の妖怪が3人。

「塩味(RYOKO)! 醤油味(SAORI)! カレー味(AKKO)! それぞれジュードー、レスリング、カヨーカイのキングオブクイーン!」
「いやいやきんぐおぶくいーんって、言わんとしてることはわかりますけど……というかそれ以前に各方面大丈夫なんですかぁこれぇ!? なんか色々ぎりぎりを攻め過ぎでは!?」

 思わずツッコミを入れてしまったのは猟兵のどろんバケラー、隠神・華蘭(八百八の末席・f30198)。ちなみにこれをグリモア猟兵と別戦線で戦っている東方親分・新し親分は各々通信の向こう側で冷や汗を滝のように流した後震え声を揃えて「「「よよよ良し通れ!!」」」と絶叫したとかしてないとか。

「そして彼女たちに追従する、オオサカのオバチャンたち! オバ●リアンたちが群れを成してやってきマシタヨー!」

 バルタンの舌鋒は止まらない。色々と危ない3人組の後方に目を向ければ、そこには虎柄やヒョウ柄の服を着て天然パーマの髪型をバッチリキメた中年女性の数々が。

「ここ東京ォォォォ!! 東日本!! なんで糸魚川静岡構造線挟んで逆側の人達わざわざ呼んだんですかぁ!!」

 あまりのことにツッコミをさらに重ねる華蘭だが、ふと見れば電車バトラーの妖怪が親指を立ててやり遂げた顔。そう言えば彼が何を持ってきたのか、ここで作戦開始時点の彼の言動を見てみよう。

「俺たちを忘れてもらっちゃ困るぜ!! 出血大サービスだ、新幹線0系持ってきた!!」

 リピート。

「新幹線0系持ってきた!!」

 スロー再生。

「新 幹 線 0 系 持 っ て き た ! !」

「オマエノ シワザ ダタノカ」

 思わずカタコトになる華蘭。そう、なんとこの妖怪、わざわざ新大阪~東京間を0系によるノンストップ輸送で連れてきていたのだ。ちなみにUDC組織もこの件を感知していたが、鉄ヲタの上級エージェントの強い働きかけによりカバーストーリー「サプライズ臨時列車イベント」が適用された。即ちこの件についてはUDC組織もグルである。なんて奴らだ。

 そんなわけで、バルタンは女傑・カップウーメンと浪花のオバちゃんたちを引き連れて猛然と大祓骸魂の分身体目掛けて突撃していく。

「皆の想いを一つに。派手に元気に、各々の構えてアタックデース! 準備はOK?」

 びしり、とバルタンが指を構えれば返ってくるのは同意の声。ド迫力の女性陣の勢いに、バルタンは満足気に頷く。

「OK! 世界の命運は我らが掌中にあり! 皆の者、突撃! ニャー!」

 後にその様子を見ていた妖怪が語るところによれば、その勢いはまさに破竹の、否、デパートのバーゲンセール時の開店ダッシュが如し。カップウーメンがその圧倒的覇気で道を切り開き、オバちゃん達が浪花仕込みのパワフルさで追随する。骸魂によってオブリビオン化した妖怪達に、大祓骸魂の分身体もこの猛き集団の前には成すすべもなく潰走するしかない。

 その一方で、カメラは回り続ける。君は何を見せてくれるのかと言いたげにレンズが光っているのを見て、華蘭はゴクリ、と唾を飲み込んだ。

「これだけは……これだけは二度と使うまいと思っていたんですけどねぇ……!」

 脳裏に浮かぶのは新し親分戦でのこと。主に命じられるがままに参加したその依頼において、凄まじい羞恥心と引き換えに放った禁断の化術。だが、今この状況での有効打は間違いなくこれだと自分の理性が告げている。

 まごついている間にも、大祓骸魂から放たれた無数の懐刀が飛んでくる。迷っている暇すら与えてくれないのか、と舌打ちをひとつしながら木の葉に身を変じる。懐刀が起こす風圧が、ふわりと木の葉姿の華蘭を舞い上げた。

(やるしかないっ!)

 華蘭、決意とともに怒涛の連続変化。自らの姿を覆い隠すように木の葉をばら撒く。木の葉が舞い散った次の瞬間、そこには1つの茶釜があった。しかしその茶釜には不審な点がいくつもあったことに大祓骸魂分身体の一人は気づく。

「……っ!? これは……!?」

 そこに描かれていたのは、極度にデフォルメされた大祓骸魂の絵姿が。茶釜らしく、お茶を飲む姿や茶漬けに舌鼓を打つ姿、囲炉裏に当たる姿が可愛らしく描かれている。

 そして、大祓骸魂は周囲を見回し、気づいてしまった。自分が描かれた茶釜に……囲まれている!!

「おい、カメラ回ってるか!? しっかり収めろ!!」

 同行していた妖怪テレビのカメラもしっかりと無数の大祓骸魂茶釜を激写。たちまち電波に乗ってお茶の間に届けられるわけだが、その瞬間SNSや実況掲示板では「アバンギャルドが過ぎる」「カオスwwwwww」「出た! 華蘭さんの痛茶釜化術だ!!」などと大盛りあがりである。ハートも大量にゲットしたが当人は羞恥心マックスである。慣れないものだ。

 しかしその羞恥心を力に変えて、痛茶釜の中で彼女は咆哮する。

「いっけぇぇぇぇぇぇっ、ゆーえふおぉぉぉぉぉぉぉぉっ」

 無数の痛茶釜の正体は先程ばら撒いた木の葉。それが一斉に浮き上がり、次々と稲妻のような怪光線で大祓骸魂を攻撃し始めたのである。

 あまりのことに理解が追いつかない大祓骸魂は、この攻撃をしたたかに受ける。その隙を見逃すこと無く殺到するカップウーメン&関西のオバちゃんズ。大祓骸魂の分身体たちや骸魂を飲み込んだ妖怪たちは為すすべもなく、怪光線とパワフル女性陣が発生させる土煙の中に飲み込まれていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エインセル・ティアシュピス
【アドリブ連携歓迎】
にゃーん!ぼくすごくおこってるよ!ぷんすこぷんのぷくぷくぷーだよ!
ようかいさんたちをきけんなめにあわせたおーはらえむくろだまはぜったいゆるさないんだからー!

でんしゃレースしてたようかいさん!
あのね、にゃんげいざーをのせておもっきしまたでんしゃをはしらせてほしいの!【不意打ち】できそうなとこから!
みんなでたたかって、いっしょにかつにゃーん!!

ぼくが【結界術・オーラ防御】でまもれるようにしたようかいさんのでんしゃでにゃんげいざーをのせて【ダッシュ】してもらうよ!
それから【多重詠唱】で【破魔・浄化】の【全力魔法】と【指定UC】の【神罰】【レーザー射撃】でたたみかけにゃーん!!



●その名は「ゼロ」
 エインセル・ティアシュピス(生命育む白羽の猫・f29333)は憤っていた。

「にゃーん! ぼくすごくおこってるよ! ぷんすこぷんのぷくぷくぷーだよ!」

 そもそも、妖怪たちが骸魂を飲み込み、大祓骸魂の軍門に下ったのは、通常は見えない大祓骸魂を見えるようにするためという目的があった。逆説的に、大祓骸魂が妖怪たちを危険な状況に陥れたも同義であるのだ。もちろん幼いエインセルにはそんな理屈はわからないが、全ての元凶が大祓骸魂であることは直感的に把握しているし、周囲の猟兵も、四大親分も「大祓骸魂を倒す」ために尽力していることは理解している。

 だからこそ、大祓骸魂を倒すためにはエインセルもあらゆる手を尽くすつもりだった。そんな彼が戦場にやって来れば、見覚えのある妖怪が一人。オペレーション・レイルロードで知り合った電車バトラーの妖怪である。彼は名古屋を始めとする東海道一帯の電車を好んでおり、今回は奮発して0系新幹線を用意してきたという。

「でんしゃレースしてたようかいさん!」
「おっ、久しぶりだなエインセル! あの時はありがとうな、不敗神話にあやかって正解だったぜ!」

 へーい、と軽くハイタッチ。

「こんかいはあのあかいでんしゃじゃないんだね?」
「あぁ、今回はすげぇぞ、なんてったって新幹線だ。この0系は一番最初に走った新幹線なんだぜ」
「しんかんせん! りょーやがいってたはやいでんしゃだ!」

 0系新幹線。

 遡ること1964年、東海道新幹線の開通と同時に営業運転を行った世界初の高速鉄道だ。200km/hというスピードは、当時世界で最も速く、戦後の日本の高度経済成長時代の象徴として親しまれてきた。その丸い先頭部は「地上を走る旅客機」に喩えられ、ブルーとホワイトで色分けされた車体は初期の新幹線のイメージを確立したという。13年前の2008年に営業運転を終了、翌年に全車が廃車となり、骸の海を超えてカクリヨファンタズムへと流れ着いたのである。

 この0系が流れ着いた当時、カクリヨファンタズムにおける電車バトル界隈が騒然となったことは言うまでもない。以降のカスタムチューンやドライビングテクニックでは「如何に新幹線に勝つか」を重要視するようになったことも、電車バトルシーンに与えたインパクトの大きさが伺えるというものだ。

 エインセルはそんな0系新幹線を見てひとしきり目を輝かせた後、妖怪にあるお願いをする。

「あのね、にゃんげいざーをのせておもっきしこのしんかんせんをはしらせてほしいの!」
「あのロボットか! 構わないぜ、またカッコいいとこ見せてくれよ!」

 電車バトラーの妖怪は二つ返事で請け負うと、エインセルを運転席に、ニャンゲイザーを車体の上に載せて0系を発進させる。

「守りは任せた! 今、仲間が不意討ちできそうなところに線路を敷いてくれている。そこに突っ込むぞ!」
「にゃーん! まっかせてー!」

 すぐにトップスピードに達する0系。エインセルはオーラ防御で守りを固めることに専念する。その一方で相棒のニャンゲイザーはしっかりと0系に捕まりながら襲い来る妖怪たちを片っ端から荷電粒子レーザーで追い払っていった。

 と、その時である。

「……妖怪殿、この0系はさらなる力を隠し持っているようだ」
「なんだって? ……そうか、もしかしてこいつは!」

 あることに気がついたニャンゲイザー。その言葉に妖怪は頷くと、新幹線を性能の限界まで加速させる。

「こいつの潜在能力を引き出すには……! エインセル、手伝ってくれ!」
「わかった!」

 エインセルが破魔の力を0系へと込めていけば、次の瞬間、信じられないことが起きた。新幹線が突如線路から飛び出したかと思うと、次々に各部位が変形を始め──人型ロボットの姿へとその身を変えたのだ!

「そうだよな、お前だって元は東京の住人だったもんな……! 東京を、この世界を守るためにエインセルの浄化の力と共鳴して奇跡を起こしたんだ……!」
「すごーい! にゃんげいざーみたーい!」

 エインセルの破魔と浄化の力を宿した0系ロボと、ニャンゲイザーが並び立つ。アニメだったら確実に作画がバリッバリに決まっていることだろう。

「エインセル! ここから先はお前の番だ!」
「うん! いけー! にゃんげいざー! ぜろかいざー!」

 操縦を交代したエインセルによってその場でゼロカイザーと名付けられた0系ロボは、ニャンゲイザーと共に凄まじい出力のレーザービームを放出する。

「馬鹿な……!? 最早役目を終えて幽世に渡った鉄の塊が、故郷への愛に目覚めたとでも……ッ!?」

 あまりのことに驚愕する大祓骸魂。エインセルはコックピットの操縦席から勝利のVサインを大祓骸魂に向ける。

「せいぎはかーつ!!」

 あまりにも、あまりにもシンプルな世の理をエインセルは叫び。
 大祓骸魂は、信じられないといった表情のまま、2機の鋼鉄の巨神が放った光の奔流の中に飲み込まれていく。

 そして、着弾地点で発生した大爆発にスカイツリーが煌々と照らされる光景を背に、ニャンゲイザーとゼロカイザーは力強い握手を交わしてそれぞれの健闘を讃えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
へぇい
皆さん未だに続く懐かしくも新しいベイスピナーを知っていますか
私も日々最強を求め、ゴーッシュー!しております
という訳で、今回は子ども達とベイスピナーで戦っていきたいと思います

私の使用するスピナーはこれ
未だに最弱の名を掴んで離さないクソザコフリスビー!
確かにそのままでは弱い…弱いが私のUDC『メカニック』としての技術を応用すれば最強のクソザコフリスビーが完成するはず!
改造してるから、その間子ども達に間を繋いで貰おう!

出来ましたクソザコフリスビーにブースターくっ付けたスーパーフリスビー!
回転と同時にブースターオン!
敵のスピナーをブースターの風圧で吹き飛ばした後、自身も空の星になる!

すまんかった



●空へと舞い上がれベイスピナー
「へぇい! 皆さん未だに続く懐かしくも新しいベイスピナーを知っていますか!」

 割と序盤からテンションを振り切った状態でスカイツリーへとやってきたのは月夜・玲(頂の探究者・f01605)。

「私も日々最強を求め、ゴーッシュー!しております。という訳で、今回は子ども達とベイスピナーで戦っていきたいと思います!」

 報道班のカメラに向けてそう語りかけると、早速ツールボックスから1台のベイスピナーを取り出した。

「私の使用するスピナーはこれ! 未だに最弱の名を掴んで離さないクソザコフリスビーこと、スタースコーピオン!」
「なっ、なんだってー!?」

 そのベイスピナーの姿に子供達が驚愕する。それもそのはず、スタースコーピオンは「歴代最弱のベイスピナー」「伝説のネタスピナー」と名高い代物だったのである。

 プロペラ状になっている巨大なトップパーツは通常のスピナーの2倍近いサイズを誇る。このトップパーツが生み出すダウンフォースによりスピナーを接地面に押し付けることで安定性を向上し、高い防御力を生み出すという設計思想だったのだが、その大きすぎるサイズが仇となり、ある時は下に潜り込まれて攻撃を受け、逆サイドがすり鉢状のスタジアムを擦って回転を止めてしまったり、自分が下から潜り込む形になってもやはり地面を擦って自滅してしまったりと、とかく防御面が脆弱だったのである。しかもダウンフォースが仇となり、地面に押し付けられていることで回転力が急激に失われるという本末転倒ぶりが発覚したことで、その最弱ぶりは不動のものとして後世まで語り継がれる伝説となった。

 だが、しかし。その最弱でこれから大祓骸魂を倒すと宣言したのである。しかしそのためには一手足りないことを玲は認めた。

「確かにそのままでは弱い……弱いが私のメカニックとしての技術を応用すれば最強のクソザコフリスビーが完成するはず!」
「ホントかなぁ?」
「信じて! こいつの弱点を潰してみせるから!」

 トラスト・ミーと子供たちに訴えかけ、渋々ながらも彼らの承諾を得た玲は早速様々な工具を手に改造を始めた。素材の見直しによる剛性の強化や超小型ロケットモーターの装着、空気力学的に回転を邪魔せずにダウンフォースによる安定性の向上を行える形状変更など、最早再設計と言っていいレベルで改造を進めていく。

「出来ましたっ!!」

 かくして匠の技によって……何ということでしょう。「クソザコフリスビー」の異名をほしいままにしていたあの伝説級の最弱スピナーから超小型ロケットブースターが生み出す回転力とプロペラによって周囲全てのスピナーを風圧で沈黙させるスーパーフリスビーに生まれ変わったではありませんか。

 シューターにスピナーをセットし勢いよくワインダーを引けば、回転と同時にブースターが点火、ねずみ花火もかくやの勢いで火花を撒き散らして回転しながら空気に渦を起こし始める。

「す、すげぇなんか強そう!」
「これが玲さん謹製スーパーフリスビーことコメットスコーピオン! 巻き起こせトルネード! 唸れダウンフォース!」

 子供たちも目を奪われる中、大祓骸魂がコントロールしていたスピナーも巻き込まれていく。

「ぐっ……! これではあのスピナーによって風圧で回転を止められてしまう……っ!」

 ぎりっ、と奥歯を鳴らす大祓骸魂。だが、その時子供たちのうち一人が異変に気がついた。

「……待ってください! 何か……何か変だ!」

 気づいたのは如何にも聡明そうな、メガネをかけた少年だった。彼はこの場にいるベイスピナーバトラー達の中でも最も知識を有している、クラスに一人はいるであろう博士ポジションの少年である。

「まずいっ、このスピナーには、ダウンフォースがありません……!」
「嘘、そんなはずは……あっ!?」

 その言葉に玲も気づいてしまった。大祓骸魂のスピナーが「吸い寄せられている」ことに。

 そも、ダウンフォースとは「下向きの揚力」を言い換えたものに過ぎない。揚力が重力と同方向にかかることで、揚力のかかった物体は下に押し付けられる形になるのだ。即ち、その逆は上向きの揚力。飛行機が飛ぶのと同じ理屈で重力に逆らい空中に浮き上がる力となるのだ。そして、右回転を想定して作られたスタースコーピオンのトップパーツは、逆回転させると上向きの揚力を生む。本来は上から空気を吸い込んでダウンフォースを発生させるため、その際に機体下部より発生した風圧で他のスピナーが近寄れなくなるはずなのだが、今コメットスコーピオンは下から周囲の空気を取り込んで上から吐き出しているため、周囲のスピナーを吸い寄せている。

「しまった! 左回転シューターで回してた……! ってことは!!」

 手元のシューターを見て、玲の額に冷や汗が浮かぶ。
 ロケットモーターはご丁寧にも両方向の回転に対応する形で装着されていたため、左回転をさらに強化する形で作動していた。それが空気の渦を目に見える形で発生させるほどの勢いで回転していたとなると。

 周囲のスピナーを巻き込みながら、コメットスコーピオンはふわりと浮き上がった。そのままぐんぐん上昇していくコメットスコーピオン。下は他のスピナーが次々と空気の渦に巻き込まれて大渋滞、一部は釣られて宙を舞う。大祓骸魂も、子供たちも、玲本人も口をあんぐり開けながら、コメットスコーピオンの飛翔とその下で発生している大惨事をただただ見守るしか無かった。

 竜巻を発生させながら、天高く昇るコメットスコーピオン。どこまでもどこまでも高く飛び、地上からは見えなくなってしまった。

「あー……」

 もちろん下は地獄絵図である。ひっくり返るスピナーの数々、大祓骸魂のスピナーも、子供たちのスピナーも等しく無残に転がっているのを見て、玲は周囲を見回す。敵味方問わず絶対零度の視線が突き刺さっているのを感じ、うん、とひとつ頷いて。

「すまんかった」

 全力の土下座を披露するのであった。

 なお、その後大祓骸魂と子供たちの双方から「放置しておくと色々とマズいので回収してきなさい」と命じられ、平謝りしながらスカイツリーのゲイン塔を目指すことになったそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水鏡・多摘
⑬ユーベルコードを増幅する「駄菓子兵器」で戦う

遊びであの邪神と戦うとは酔狂な。
だが悪くはない。恐ろしいものには力を合わせて戦う事が大切と知っておるから。
ならば彼らを全力で助けるも我の役目。

妖怪煙を駄菓子屋から引っ張り出し合流。
移動はUCで市井の人々へと転移。
懐刀の複製による攻撃には結界宝珠と妖怪煙で結界を張りつつ他の者の元へ結界内の味方ごと転移し回避。
攻撃は任せる。防御は考えず仕掛けるといい。
…何、炎のブレスを吐いて欲しい?
成程、そのような遊びもあるのか。カードを操っている者達のようにたまには悪くないじゃろう。
炎のブレスで敵の視界を潰し、そこに全力で仕掛けるて貰おうか。

※アドリブ絡み等お任せ



●遊びだからこそ、本気になれる
 古き竜神、水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)は東京スカイツリーに集まった様々な人々を見てふむ、と顎を撫でる。

「遊びであの邪神と戦うとは酔狂な……」

 しかも実のところ、かなり押している。その理由はカクリヨファンタズムとUDCアースの境界が曖昧になっているからこそであった。現世たるUDCアース、幽世たるカクリヨファンタズムの境界が薄れた時、そこには祝祭や儀礼と同様の「ハレ」の気が強まる。ハレとはすなわち非日常。その瞬間、玩具は通常以上のパワーを持ち、妖怪と人間は互いを認識できるようになる。

 そして、何より、この場の人々は皆、この瞬間を全力で楽しんでいる。世界の終焉の瀬戸際だと言うのに、皆が自らの愛用する玩具を手に真剣に遊んでいるのだ。そう、遊びだからこそ、人は本気になれる。20世紀を代表する歴史学者、ヨハン・ホイジンガに曰く、「人間とはホモ・ルーデンス(遊ぶ人)である」。文化の前に遊びがあり、遊びこそが文化を、文明を、歴史を動かしてきたのだという。そして、今この瞬間、それは正しかった。

 悪くない、と多摘は思う。恐ろしいものには力を合わせて戦う事が大切と知っているからだ。ならば、本気で遊ぶ彼らに助力することこそ、かつて邪神を滅ぼし、人々を守り慈しんできた竜神としての務めではないか。多摘は決意とともにカクリヨファンタズムの武器庫たる駄菓子屋へと向かい、数ある武器の中から「妖怪煙を出す綿菓子」を入手して戦場へと向かう。

「竜神の本分、御覧じよ!」

 綿菓子を散布すれば、たちまち付近に煙が立ち込める。さらに結界宝珠を使い、大祓骸魂から放たれる懐刀の群れから戦場の人々を守り切りつつ、より多くの人を守れるように別の味方の場所へと転移を繰り返す。

「攻撃は任せる。防御は考えず仕掛けるといい」
「助かる! 皆、ここが踏ん張りどころだ! 化け物共をここに釘付けにするぞ!」

 ベイスピナーを、ビーダマ野郎を、デュエリストブレイドを、その他数々の玩具を使い本気で遊びながら世界を守ろうとしている人々の盾となる。それが今回、多摘が自らに課した使命であった。

「だが、あんたも自衛のために何か攻撃をしておいた方が良いだろう」

 デュエリストブレイドプレイヤーの一人がそんな事を言う。然り、懐に入られないとも限らない。そのための自衛手段といえば、と多摘は周囲を見回せば、デュエリストブレイドで戦う者の一人がちょうど火竜を召喚するのが見えた。炎のブレスで大祓骸魂の分身体のひとつを焼き尽くしている。

「あんな感じの……あんたも竜なら出来るだろう?」
「我に炎のブレスを吐けと? ふむ、そのような遊びもあるのか。カードを操っている者達のようにたまには悪くないじゃろう」

 炎を吐けばさらに敵の目を眩ませることにも繋がるだろう。それに、自分もたまには本気で遊んでみるのも悪くない。

 多摘は求められるまま、炎のブレスを勢いよく吐いた。後に彼はこう述懐する。

 なかなか心地よかった、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャムロック・ダンタリオン


(バトルに臨む民衆を眺めて)
ふん、無謀とわかっていながら、世界の危機に敢然と立ち向かう――これだから人類とは面白いものよ。

しかしまさか、あの時(オペレーション・リバイバル)作ったコイツを、また使うことになるとはな。ゆくぞ、「シャドウエレメントW」!

そしてさらなる【武器改造】を施し、攻撃力と命中精度を強化する――ああ、できればアップグレードパーツを提供できれば助かるな。
そして「虞知らず」の魔力を込めたビー玉を放ち、配下の妖怪ともども撃破していこう。(【属性攻撃・スナイパー・クイックドロウ・破魔】)

※アドリブ・連携歓迎



●フルアーマード・シャドウエレメントW
「ふん、無謀とわかっていながら、世界の危機に敢然と立ち向かう――これだから人類とは面白いものよ」

 シャムロック・ダンタリオン(図書館の悪魔・f28206)は戦線が徐々に勝利へと向かっていることを察知しながら、戦う人々を眺めていた。

 本来、彼らは何の力も持たぬ市井の人々である。いつもどおりの日常を謳歌し、時に少しだけの喜びと、少しだけの悲しみを感じながらも、日々の生活を送っている。だが、彼らはこの場においては戦士と化している。世界を救うための力が、自分が親しむ遊びに宿っていた。ならば今は全力で遊び、世界を守り抜くのみ。それは誰にも知られない戦いであった。無謀でもあった。しかし勝算も、覚悟も、そして何より自信もあったのだ。

「良いだろう、この僕も本気で遊びに行くとしよう……しかしまさか、あの時作ったコイツを、また使うことになるとはな」

 そうひとりごちるシャムロックの手には1機のビーダマ野郎。それは、先のオペレーション・リバイバルにおいて彼自らが作り上げたフルスクラッチモデルのオリジナル機体、「シャドウエレメントW」。

「……また、世話になるぞ。シャドウエレメントW!」

 シャムロックは愛機に呼びかけながらも、彼はさらなる改造を施していく。精霊魔術を利用し、より攻撃性能と命中性能を強化。そうして戦場にやって来れば、あの時共に戦ったビーダマファイターの子供たちを見つけた。彼らもまた、導かれるようにこの決戦の地へとやってきていたのだ。

「あ! お前はシャドウエレメントWの……!」
「貴様らはあの時の……いや、今は思い出に浸っている暇はないな」
「あぁ、手を貸してくれ!」

 子供たちは強力な助っ人が来たと喜んでいる。シャドウエレメントWの実力は彼ら自身がしっかりと見届けていた。

「ならば、アップグレードパーツを貸してもらえるだろうか。できれば万全の状態で戦いたいのだ」
「いくらでもどうぞ! 最高の状態に仕上げます!」

 眼鏡をかけた少年が持ち込んでいたツールボックスを開くと、シャドウエレメントWにアップグレードパーツを次々と装着していく。照準パーツや締め撃ち補強スプリング、ビーダマのマガジンに持ちやすくなるホールドパーツ。シャドウエレメントWを中心に、さながら鎧がつけられていくように強化が施されていく。

「完成しました! 名付けて、フルアーマード・シャドウエレメントWです!」

 そうして強化を施されたフルアーマード・シャドウエレメントWは、それまで以上の攻撃力、命中性能、連射性能を発揮。後はこれを手に、一気に虞を祓っていくだけである。

「助かる、この恩は働きで返してみせよう! さぁ、放て、シャドウエレメント!」

 まるで速射砲のようにビーダマを吐き出し続けるフルアーマード・シャドウエレメントW。「虞知らず」の魔力を込められたビーダマが、虞を纏った妖怪たちから次々と骸魂を手放させ、大祓骸魂の分身体を消滅させていく。

「さぁ、我こそはと思うものはかかってくるがいい! このシャムロック・ダンタリオンとフルアーマード・シャドウエレメントWが相手になろう!」

 ビーダマファイターの子供たちを引き連れて、シャムロックは戦場を駆ける。自身もまた、世界の危機に完全と立ち向かう一人の戦士となって。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
「あら理解出来てしまうのだわ」
凄く共感するし心苦しいわねぇ
私も好きな相手は殺したくなる口だから
理解も納得出来ても受け入れるかは別問題だし仕舞われる趣味はないけどね

此度は他の人格より思考トレースしやすそうという事で私(女性人格)が行かせて貰うわ

デュエリストブレイドを挑むわ
「…デュエ!」

ここまで愛が強いならコントロール奪取とか使ってきそうな気がするのだわ

「その地形効果は通さないわ
チェーンしてフラワーガーデンで上書きするわ」

1つ2つのクリーチャーを奪った所でどうにもならない植物軍団で圧殺しましょう
ミントテロを引き起こしすわ

地形によりトークン呼んでトークンコストに上位を呼んで
効果で仲間を強化するのだわ


夜刀神・鏡介
大祓骸魂とカードで勝負……。ゲームで負けたら世界が滅ぶって何の冗談だろうとか言いたくなるが、これも一つの戦いか……なら、俺も一緒に戦おう
そういえばこのゲームには多人数戦っていうのがあるんだろ?
これだけの人数が集まったんだし、折角ならそっちで決めようじゃないか

……とは言ったものの、実はこのゲームにはあまり詳しくない。そもそもこの戦争で初めて知ったくらいだし、実力はプロに及ぶべくもない
故に、下手に細かい事を考えるよりは攻撃あるのみと考えよう。細かいボードコントロールは仲間に任せて攻撃重視
高速でモンスターを展開からの一斉攻撃を主軸に、追加で火力呪文を叩き込みにかかる

――良い連携だった、ありがとう



●世界を守るためのレイドデュエル
 尾守・夜野(墓守・f05352)は女性人格を表出させて戦場にやってきていた。

「あら、理解出来てしまうのだわ」

 大祓骸魂の思想には共感できるものがある上、そんな相手を倒してしまうのは心苦しさを覚える。彼女もも好きな相手は殺したくなってしまう節があるのだ。

 しかし、そんな共感と世界の危機を天秤にかけてしまえば、やはり世界の危機に傾くのが彼女の性分でもある。何しろ今回はこちらが殺される側なのだ。共感してもその結果自分たちが滅ぼされてしまってはたまったものではない。

 共感できるということは、思考のトレースが可能ということ。即ち、夜野の中でも特別に共感度の高い女性人格にとっては最適な戦場であったのだ。

「最早後がない……ならばデュエリストブレイドにて決着をつけるまで!」

 追い込まれた大祓骸魂、デュエリストブレイドのデッキを取り出す。いよいよ本丸が近いと、デュエリストブレイドプレイヤーたちは次々とデッキを構えた。

「このゲームには多人数戦っていうのがあるんだろ? これだけの人数が集まったんだし、折角ならそっちで決めようじゃないか」

 そう提案するのはサクラミラージュ出身の猟兵、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)。自分も組んだばかりのデッキを取り出し、構える。とは言え、彼自身はTCGの経験が浅い。

「良いでしょう、まとめて消し炭にして差し上げます!」

 大祓骸魂はそう言うと、レイドデュエル形式での勝負を受ける。特別ルールにより、大祓骸魂の初期ライフは対戦相手の人数分増加し、使用マナを3倍、初期手札と手札上限を3倍としてゲームをスタートさせる。

「ボードコントロールやアドバンテージの確保は我々プロプレイヤーに任せろ! 初心者プレイヤーはとにかく攻撃することだけを考えるんだ!」

 プロプレイヤーを代表して、スレンダーマンが告げる。その言葉の通り、プロプレイヤー達は大祓骸魂が繰り出す手を次々と打ち消し、厄介なクリーチャーを除去し、味方全体にアドバンテージが稼げるようなプレイを行っていく。

 大祓骸魂は特殊ルールによって増加したマナを使い、強力なクリーチャー《世界を侵すもの》を召喚。対戦相手全てに対して攻撃が可能な大型クリーチャーだ。さらに、相手クリーチャーのコントロールを奪取するフィールド《裏切りの彼岸花畑》をキャスト。

「それをさせるわけにはいかないわ」

 と、ここでプロプレイヤーと共にボードコントロールを担当していた夜野が対応。相手ターン中に展開可能なフィールド「フラワーガーデン」を展開し、地形効果を上書きした。

「なっ……!」
「数こそが正義よ!」

 1体のクリーチャーではどうにもならないほどの物量が、夜野の盤面に次々とトークンという形で投下されていく。さらには鏡介の展開力に優れた兵士クリーチャーも続々と展開が始まっていく。1体1体のステータスこそ低いものの、展開力に優れた兵士クリーチャーたちはたちまち夜野の植物トークンと相まって、大祓骸魂の処理能力を超えて殺到していく。

「そんな、まさか、この私がっ──」

 大祓骸魂目掛けて襲いかかる、デュエリストブレイドプレイヤーたちの綺羅星の如き切り札。13人の侍が、亡霊たちが、竜や巨神といった大型クリーチャーたちが、植物の群れが、屈強な兵士たちが、大祓骸魂のライフを削り取り、そして──。

 ライフカウンターが0を刻むと共に、大祓骸魂の分身体は東京スカイツリーの麓より消失した。

「我々の勝利だ!」

 勝利の雄叫びを上げるスレンダーマン、それに呼応する市井の人々と妖怪、猟兵達。ここに、名もなき民衆による力を結集した大規模作戦、オペレーション・スペキュラムは完遂したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月02日


挿絵イラスト