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銀河帝国攻略戦⑩~Break the Wall

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●グリモアベース
「いえー! 依頼だぞ皆集まれー! 銀河帝国討伐だー!」
 グリモアベース内で騒ぎ立てる、一人の少女が居た。
 彼女はソラ・ツキノ。サイボーグ兵士のグリモア猟兵だ。
「銀河帝国って悪い奴だよな、みんなそう思う? じゃあ決まり、今からレッツゴー!」
 余りにも唐突過ぎる話だ。猟兵たちからは疑問の声が上がる。
「おっとっと、先走り過ぎたね。ごめんごめん。行く場所も目的も伝えてなかったや」
 頬を掻きながら、ソラは恥ずかしそうに微笑んだ。

「それじゃブリーフィング! 今回行ってもらうのは、エンペラーズマインド!」
 ソラはホログラムを表示させた。
 そこに映っているのは、無数の隔壁がある通路と、それを警備する兵士たちだ。
「エンペラーズマインドは、帝国の大要塞だ。本当なら防衛戦力もたっぷりなんだけど、今は解放軍との決戦で別の場所に行っててね。そして~、我々がその隙を見逃すはずもない! 今のうちに潜入して破壊工作を行うんだよ!」
 ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、ソラは言う。
「エンペラーズマインドにはワープドライブを封じるっていう、ちょ~めんどくさい機能があるの。だから破壊しとかないと後々の作戦に支障が出ちゃってさ。それを止めるにはエンペラーズマインド・コアを壊さなきゃいけないんだけど、この作戦は、その一歩手前ってわけ」
 ソラはそう言うと、にんまりと笑った。
「今回の作戦は超シンプル、潜入して隔壁を壊せ! 火力こそ大正義だってことを帝国軍に知らしめるのだ!」
 一人でハイテンションなソラに、再び猟兵から疑問の声が飛んだ。
「……ん? ここに映る兵士たち? あー、警備兵だよ、警備兵。そうそう、潜入って言ったじゃん、警備兵の目を盗みつつの破壊だから、潜入破壊工作なの。楽しいぞ~? うまーく潜入して奥に行けば、超重要な隔壁を壊せるかもしれないからね! もちろん、手前から手当たり次第にぶっ壊してもオッケー! 私たちの目的は『エンペラーズマインド・コアに辿りつく道を開く』ことだからね。ぶっ壊してぶっ壊して、全部の通路を開けちゃえば、最終的に辿りつくはずだからセーフ!」
 余りにも脳筋な作戦だ。ソラの発言ではそうとしか考えられない。
 しかしソラは、ちょっとだけ黙ると、今までとは違った雰囲気で猟兵たちを見た。
「……良いか猟兵たち。今回は潜入しての破壊工作じゃ。火力に自信があれば手当たり次第にぶっ壊せ。潜入に自信があれば、出来るだけ奥へと潜り込んで壊せ。目に自信があれば、出来るだけ重要そうな隔壁を選んで壊せ……そのどれもが、後へと続く道となる。どれも無駄ではないからのう」
 齢を重ねた老兵……というような調子で、ソラは語る。
「儂から言えるのは一つ。得意な事を活かして任務に当たれ……以上!」
 言い終わると、再び子供のように騒がしくなった。
「真面目トーンって疲れるからね。まあとにかく、この作戦は大事だから、気を引き締めてかかってね。
 頑張ってきてね!」
 そう言うと、ソラはくるくると回りながらぺこりと頭を下げた。


苅間 望
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 戦争だ! 破壊工作だ! 潜入ミッションだ!
 初めまして or こんにちは。苅間望です。
 このシナリオは見ての通り銀河帝国攻略戦の一つです。
 内容は簡単、『潜入して隔壁をぶっ壊せ!』です。もう全力でぶっ壊しちゃってください。ユーベルコード以外でも壊せそうなら、全力全壊でレッツゴーです。
 もちろん、潜入でもあるので、うまく潜入するとイイ事があるかも……?

 皆さんの素敵なプレイングをお待ちしております!
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第1章 冒険 『⑩エンペラーズマインド突入戦』

POW   :    密かに潜入し、POWのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

SPD   :    密かに潜入し、SPDのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

WIZ   :    密かに潜入し、WIZのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リグレース・ロディット
【POW】装備の『導きの銀』で入りやすそうな場所探したり壊しやすそうな所を探すね。んっと、とりあえず『闇色に溶ける』にくるまっていくね。多分暗いし、僕小さいし、それなりにばれにくくなると思うんだ!
壊れやすい所があればそこをどっかーん……じゃないじゃない。ばれないようにコツコツしてみるね。使うUCは『サイコキネシス』見えない攻撃だから音以外は大丈夫だと思うんだ!あ、『束縛する黒』で強化して壊すよ。
誰かに見つかったったら、皆が仕事できるようにそいつをおびき寄せれば良いのかな?あ、その時も壁に攻撃しながら移動するね。こっちーこっちだよーだ。ばーか。よし、頑張るね。

(絡み・アドリブ大歓迎)



 エンペラーズマインドの暗く無機質な通路を歩く、一人の少年が居た。
 警備兵といった姿では無く、そもそもスペースシップワールドの住民らしき服では無い。藍色の髪に金色の瞳が、灰色に沈んだ通路の中で少し目立っていた。
 彼はリグレース・ロディット。
「うーん、こっちだな。今のところ、警備兵も見当たらないな」
 彼は右目にかけたモノクル型デバイス、『導きの銀』の情報に従って奥へと進んでいた。
 周りには既に無数に隔壁がある……が、彼はこのデバイスを用いて、特に壊しやすそうな部分を探していた。
 時折、彼の羽織る外套が揺れる。闇の呪詛が籠められた『闇色に溶ける』だ。小柄な彼の体を覆い、名前の通り闇に溶けこませている。
「……ここかな」
 リグレースは一つの隔壁の前で立ち止まった。
 見た目は何の変哲もない隔壁だが、『導きの銀』によれば、内部に亀裂が入っているようだ。
 彼は隔壁から少し離れ、サイキックエナジーを溜めた。腕輪型のサイキックエナジー増幅器、『束縛する黒』が呼応する。
「これを……こうだ!」
 『導きの銀』の情報に従って、リグレースは内部の亀裂にサイキックエナジーを放った。
 ぎぎぎぎ、と金属が軋む音がし……隔壁が歪んでいく。
 【サイコキネシス】。見えないサイキックエナジーで攻撃するユーベルコードだ。不可視ゆえに気付かれにくい……が、流石に音はどうしようもない。
「そこに居るのは誰だ! 何をやってる!」
 音を聞きつけて警備兵がやってくるが、リグレースは特に焦りもしない。
「見ての通りだよー、ほーらこっち、こっちだよーだ。ばーか」
 サイキックエナジーで壁を攻撃しつつも、リグレースは警備兵を煽って逃げ回る。
 警備兵は通信機で人を呼び、リグレースを捕まえようとするが……。
 バゴン! と物凄い音が鳴り響いた。
 サイキックエナジーで隔壁が内部から破壊され、吹き飛んだのだ。
「よし! 隔壁は壊したよ!」
 リグレースはそう言うと、強制転移で離脱した。
「……チクショウ! 取り逃したぞ!」
 後に残された警備兵は、そう唸るだけだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御倉・ウカノ
アドリブ歓迎
判定:POW
潜入ってのはしたことないが…ようするに夜討ち朝駆けと同じようにぎりぎりまで隠れて近づいてけばいいんだろう?精々やつらの隙をつかせてもらおうじゃないか。
『【ダッシュ】技能を使って素早く敵要塞の奥深くまで進みます。また警備兵に発見されそうになった場合には【残像】及び【フェイント】技能によって敵警戒網の混乱を狙います。それらを駆使したうえで発見が免れなくなった場合にはその付近にある障壁を片っ端からUC【一二ノ太刀】を用いて派手に破壊し他の猟兵たちから目を逸らさせます』
「…静かなること林の如く、ってやつかね。星の海にまで出て甲陽軍鑑を実践することになるとは思ってもいなかったよ」



「潜入ってのはしたことないが……ようするに夜討ち朝駆けと同じようにぎりぎりまで隠れて近づいてけばいいんだろう?」
 そんな風に独りごちながら、御倉・ウカノがエンペラーズマインドへと潜り込む通路を歩いていた。
 四尺というかなりの長さの刀を持ち、酒瓶を腰に提げてた妖狐の巫女。それがウカノだ。酔っぱらっているのか、もう顔が赤い……が、足取りはしっかりとしている。
「まあ、精々やつらの隙をつかせてもらおうじゃないか」
 そう言うと……彼女は凄まじい速度で走り始めた。
 夜討ち朝駆け。相手が油断している隙を狙って襲う奇襲攻撃だ……言うは易し行うは難しだが、ウカノはそれを可能にさせるだけの力があった。
 警備兵が居たとしても、彼女にとっては問題にはならなかった。
 残像やフェイントなどで相手を混乱させていき、その付近ではてんでばらばらな指示が飛び交いはじめた。
 ……とはいえ、『誰かが侵入してきた!』という事はバレている。
「……さあてと、騒がしくなり始めたね。早めに事を済ませるか」
 ウカノは大太刀『伊吹』を抜き、にやりと笑った。
「避けて見せろよ? 当たったら終わっちまうからな……なーんてね」
 斬、と刀が振るわれる。
 ゴォン……と重い金属が滑る音と共に、隔壁が真っ二つになった。
「あんたら障壁は避けようがないだろ。さて、結局あたしを捉えた奴はいないか。静かなること林の如く、ってやつかね。星の海にまで出て甲陽軍鑑を実践することになるとは思ってもいなかったよ」
 警備兵が騒ぎを聞きつける前に、ウカノは強制転移で離脱した。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒玻璃・ミコ
◆心情
ふむふむ、中々に難しいミッションですね
ですが、文字通りにこの『壁』を破らねば先が見えないのですから
ミコさん、ちょっと本気を出しますよー

◆行動
【黒竜の恩寵】で攻撃力UP
ふむ、幸い私は不定形なブラックタールです
【第六感】による閃きに従い
警備の薄い要塞の通気孔と言う【地形の利用】をして
可能な限り内部に侵入しましょう
暗くとも【暗視】出来ますし
要塞内部の構造は【世界知識】による【戦闘知識】と
【拠点防御】でおおよそ見当がつきそうですからね
其っぽい所に着いたら
【気合い】を入れて【怪力】を込めて
【毒使い】に拠る腐食毒を塗った蛇腹剣で外壁と言う【鎧を砕き】ますよー

◆補足
アドリブ、他の猟兵さんとの連携大歓迎



(ふむふむ、中々に難しいミッションですね)
 グリモア猟兵の言葉を思い出し、黒玻璃・ミコは少々考えた。
 屠竜の魔女という称号を持つブラックタール、竜を以て新たな竜を際限なく喰らう魔女、それがミコだ。可愛らしいぽよぽよとした姿からは考えつかないほどの、強い力を秘めている。
 彼女の目の前には、エンペラーズマインドに潜り込むための通路がある。その先には、既に幾つかの隔壁が見えている。
「文字通りにこの『壁』を破らねば先が見えないのですから、ミコさん、ちょっと本気を出しますよー。いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第壱の竜よ!」
 詠唱と共に、ミコのユーベルコードが展開される。【黒竜の恩寵】……黒竜の爪、鱗、毒を身に宿す事で自身を強化するものだ。
「準備は出来ました。では行きましょう」
 ミコはぽよぽよと通路に入り……そして警備の薄い要塞の通気孔へと侵入していった。
 不定形なブラックタールならではの潜入だ。暗視出来るので暗くても問題ない。
(ふむ、確かスペースシップワールドの要塞だと……通気孔はこう繋がっていたはずです)
 様々な知識を総動員し、時には第六感の閃きに従いながら、ミコは奥へ、奥へと進んでいく。
 やがて、通気孔から入って来れる最奥までやってきて、ぽよんと外へと飛び出した。
「それっぽいところにつきましたね。では……」
 ミコは人型を取り、蛇腹剣を取り出した。腐食毒を塗り、気合いを入れ怪力を込めて……一閃。
 ゴォン! と物凄い音と共に隔壁がへこみ……そのまま砕けた。
「よし、では人が来る前に……」
 ミコは強制転移で離脱を行い……後には砕けた隔壁しか残らなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジニア・ドグダラ
なるほど、ここまで巨大ですと、人や罠なども多数でしょう……ならば、ここは、私で無い私に頼る方が、効率的なのですが……

【秘術・人格分離】で碌でもない人格たちに切り替えながら【目立たない】よう行動します。出血などは【鎮痛剤】による【医療】で回復しつつ【激痛耐性】で耐えます。
さて、ロクデナシな人格たちですが、文字通り相手が嫌がるようなことに関しては、良ーく知っていて、理解しているはずです。
敵に知られにくい【地形を利用】し、単独行動者を見つけたら鎖による【ロープワーク】で縛り上げ、障壁解除に必要な情報を尋問……教えてもらいましょう。教えてもらったら、【メカニック】で障壁を解除していきましょうか。



「なるほど、ここまで巨大ですと、人や罠なども多数でしょう……ならば、ここは、私でない私に頼る方が、効率的なのですが……」
 エンペラーズマインドの外観を眺めながら、ジニア・ドグダラは呟いた。
 ジニアは肌を出来る限り露出させない灰色の服に、鎖を巻き付けて棺桶を背負っている。フードの中からは、茶色の髪と茶色の瞳が覗いている。
「頭が、割れそうですが、今はこれしか……」
〈さて、それでは始めましょう〉
《すべて騙し切ってみましょう》
[敵対存在を殲滅しましょう]
 一人の口から四人分の言葉が紡がれる。ジニアのユーベルコード、【秘術・人格分離】だ。
 『悪辣たる第三人格』『卑劣な第四人格』『鬼畜外道の第五人格』をその身に宿し、自らを強化する強力なユーベルコードだ。しかし……。
「っ……痛い」
 出血や呪縛という代償を受けるのだ。
 ジニアは『鎮痛剤』を服用して痛みを和らげた。痛みを完治させるわけではないが、しかし激痛に慣れている彼女はそれを耐えた。
《罠は、余りないですね。ここまで来る事を、考えてないのでしょう》
<敵の配置は……ここと、ここでしょうか>
[侵入を防ぐ、位置ならば……]
 ジニアの『ロクデナシな人格たち』は、様々に意見を言う。
 相手が嫌がるようなことに関してはよく知っており、理解している彼女たちは、その知識を用いて推理する。
 そして敵に知られにくい通路を選択して通って行き、単独で動く警備兵を探す……。
 ……やがて彼女は、通路を歩く、一人の警備兵を見つけた。
〈見つけました〉
[尋問、しましょう]
 ジニアは見事な手際で警備兵の後ろに回り、声を出す前にロープで縛りあげた。
「なっ、なん……!?」
[騒がないで、くださいね? 静かに、色々、教えて下さい]
 鬼畜外道の第五人格が、実に楽しそうに微笑んだ。
 彼女は警備兵に尋問を行い……隔壁を開く方法を聞いた。警備兵は恐怖で震えて戦意喪失し、ロープで縛られてその場に放置された。
「……ではこれを、こうして」
 ジニアは隔壁付近のボタンから配線を抜き出し、組み合わせていく……。
 と、ガコンと音を立てて隔壁が開いた。
「これで、完了、ですね」
 そう言うと、ジニアは強制転移で離脱した。
 後にはロープで縛られた、哀れな警備兵だけが残った。

成功 🔵​🔵​🔴​

カタラ・プレケス
【WIZ】
潜入は初めてだけど何とかなるかな~。
とりあえず装備の天動観測のホロスコープを使って重要な障壁や兵隊さんの位置を【呪詛】で占うよ。
占いで分かったら人除けの呪いやスクナを使って睡眠や酔いの液体(毒使い)を作って出会いそうになったらぶちまけて隠れるよ~。
障壁の前まで来たら、霊符をばら撒いて第三禁忌で障壁の周囲ごと腐らせるよ~。
兵隊さんが気づいて近づいてきたら、カタラに炎と呪いを纏わせて出来るだけ被害を拡大させるように動くよ~。
あまりに多いならそのまま兵隊さんを集めてもいいかもねぇ~。
「色々とごめんね~。でもまあ、君たちのたくさん傷つけてたから自業自得だよ~。」
(アドリブ・絡み歓迎)



「潜入は初めてだけど何とかなるかな~」
 エンペラーズマインドに侵入するための通路に潜り込みながら、カタラ・プレケスは呟いた。
 光のヴェールを身に纏い、天使の羽を持つオラトリオである彼は、自分にできる事を考えた。
(とりあえず占おうっと)
 カタラは懐から魔導書を取り出した。『天動観測・アストライオス』と言う名のそれは、世界の星空を集めて記載してある。
 それに刻み込まれたホロスコープを用いて、カタラは重要な隔壁や警備兵の位置を占った。
「……なるほどなるほど。こっちだね」
 占い結果を見ながら、カタラは通路を進んでいった。
 ホロスコープは、運命を見通す羅針盤。過たず、彼に道を指し示したのだ。
 重要な隔壁と、その付近に居る警備兵の位置を把握した彼は、その付近までやってくると、懐から液体を取り出した。
 『清呪神薬・スクナ』。調合によって、万の毒にも薬にもなる特殊な液体だ。
「重要だから守ってる人もそこそこいるね。皆纏めて眠らせちゃおう」
 カタラはスクナを用いて、軽い麻痺作用を持つ液体を作った。一般的な睡眠剤やアルコールなどよりも、はるかに早く、強く昏睡させる薬だ。猟兵でない一般兵が浴びれば即座に酔い、眠る事間違いなし。
「えいっ」
 カタラは物陰から飛び出ると同時に、薬を辺り一面、目に見えた兵士全員にぶちまけた。
 兵士たちは何が起こったかわからないまま、薬を浴びるとふらふらと倒れていった。
「それじゃあ、仕事にとりかかろう」
 懐から霊符を取り出すと、カタラは詠唱を始めた。
「第八の御子たる私が詠う。第三禁忌・構築開始。遍くモノは崩れ落ち、何も為せずに崩れ落ち、怨嗟残して消え去れり」
 霊符がぱらぱらと形を崩し……無数の彼岸花へと変わっていく。
 【第三禁忌・終末狂騒ヒガンバナ】。カタラの作り出したその彼岸花たちは、全てを腐敗させる。
「さて、やるよ~」
 カタラが指示すると、彼岸花の花びらが舞い、隔壁へと殺到した。
 全てを腐敗させる彼岸花たちは……隔壁の周囲ごと、ぐずぐずに腐敗させていった。
 ……少し経つと、その隔壁は地面の染みとなり、影も形も残らなかった。
「こんなものかな。気付かれなくてよかった~……っと、まだ起きない方がいいよ、辛いだろうから」
 もにゃもにゃと何かを呟きながら起きようとする兵隊を見て、カタラはそう言った。
 彼らは、中々に辛い二日酔いの症状に悩まされるだろう。しかしそれは仕方ない。
「君たちもたくさん傷つけてたから自業自得だよ~。じゃあね~」
 シュン、とカタラは強制転移し、離脱した。
 後には酔っぱらって死屍累々となった兵士たちが残った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラザロ・マリーノ
【POW】
マスカレイド・マスクで幻影をまとって要塞内部でも【目立たない】警備兵に【変装】、堂々と内部に潜入するぜ。

内部では、肉眼とエコーロケーションで得られた情報を組み合わせて(【視力】【聞き耳】)、
できるだけ他の警備兵に出会わないようなルートで、奥に侵入。
重要そうな隔壁に、ユーベルコード「グラウンドクラッシャー」で拳を叩き込むぜ。



 エンペラーズマインドの中を、一人の警備兵が歩いていた。
 多少背が高い事を除けば、至って普通の警備兵にしか見えない。
 至って普通の、警備兵の巡回だ。
 ……しかし、実際はそうではなかった。
「あえて音を立てた方が、目立たない事もあるんだぜ」
 警備兵の正体は、一人のドラゴニアンの猟兵だった。
 彼はラザロ・マリーノ。本来は二足歩行するトカゲという見た目で、どう見てもスペースシップワールドの警備兵には見えないのだが……彼には特殊な装備があった。
 『マスカレイド・マスク』。全身に幻影を纏い、その場に相応しい種族・服装に変装することが出来る優れものだ。流石にサイズを変えきる事は出来ないので、一般警備兵にしては若干背が高いが、違和感があったとしてもそこだけだろう。
 ラザロは視覚と聴覚を集中させ、できるだけ他の警備兵に出会わないようにしつつ奥へと進んでいく。流石に完全に隠れながら、という訳にはいかないので、時折他の警備兵と出会うのだが、怪しまれることは無かった。
「……ふむ、これが良さそうだな」
 ラザロは一つの隔壁の前で立ち止まった。
 中々奥にあり、色の違う重要そうな隔壁だ。
 彼は身につけている『格闘用ガントレット』の具合を確かめ、しっかりと構えた。
 集中し、力を溜める。そして、拳が放たれる。
 握りこぶしによる一撃。実にシンプルだ。それ故に、力の強さが顕わになる。
 ドゴォン! と物凄い音が響き渡る。
 周りの壁や床を巻き込みながら隔壁が吹き飛んだ。
「中々硬いが、竜の鱗ほどじゃないな」
 ラザロはにやりと笑い……強制転移で離脱した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エメラ・アーヴェスピア
コレも先へとつなぐ為、猟兵として仕事、頑張りましょうか

ただ、困ったことに私は潜入技術をもってないのよね…
精々この小ささで潜入できる所が多そう…位かしら
とりあえず痕跡を隠しつつ排気口にでも潜んでハッキング
重要そうな隔壁とそこまでの侵入経路を情報収集
そして関係ない遠い場所に遠隔で騒ぎを起こしつつ移動
ついでに重要そうなところを電脳的に破壊工作してもいいわね
移動後、目標を物理破壊力に長けた『戦陣穿つは我が砲雷』で攻撃、破壊
その場を離れて再び情報収集…の繰り返しね

慣れない仕事だけど、出来る事を頑張りましょうか

※アドリブ・絡み歓迎



「慣れない仕事だけど、コレも先へとつなぐため」
 エンペラーズマインドへの潜入通路を歩きながら、少女が一人呟いた。
 人形のような服装をした、サイボーグの猟兵……エメラ・アーヴェスピアだ。幼いころに体を機械化して、それ以降成長が止まっている。そのため見た目は少女だが、実際は既に幾つもの依頼を解決しているベテランの猟兵だ。
「猟兵として仕事、頑張りましょうか」
 エメラはそう呟いて、電脳魔術士として空間投影を始めた。
 彼女は潜入技術を余り持ってはいない……が、情報収集能力は非常に高かった。そのため、ハッキングを行って内部の地図を探しながら、重要そうな隔壁と侵入経路を探すことにした。
 ……やがてエメラは、自分で辿りつける中で重要そうな隔壁を見つけた。
「……なるほど。ちょっと遠いけれど、これくらいなら行けそうね」
 行動を起こす前に、エメラは隔壁から離れた場所をクラックし、少し騒ぎを起こした。ついでに、警備兵の通信網をかき乱していく。
 警備兵の通信網は混乱し始めた。てんでばらばらな方向へ行ったり来たり、秩序や統率はどこかへ飛んでいった。
「これで大丈夫かしらね」
 カメラをハッキングして、目的の隔壁付近に警備兵が居なくなったことを確かめたうえで、エメラは通路を進んでいった。
 彼女の策は功を奏し、奥へ入っていっても誰にも出会わなかった。
 やがて彼女は、色の違う隔壁の前へと到着した。
「これね。その障害物ごと爆砕してあげるわ」
 エメラはユーベルコードを展開していく。
 【戦陣穿つは我が砲雷】。榴弾を使用した浮遊型の魔導蒸気グレネード砲を作り出し、強大な一撃を与える。
 エメラはゆっくりと隔壁へと照準を合わせた。
「発射!」
 ドゴォン! と物凄い音が辺りに響き渡る。
 エメラの一撃は、隔壁どころか周囲の壁や床を丸ごと吹き飛ばしたのだ。
「さて次……と行きたいところだけど。流石に人が集まって来たわね」
 辺りに響く足音と、警備兵の怒号を聞き、エメラは肩を竦めた。
 そして警備兵が辿りつく前に彼女は強制転移で離脱し……後には何も残らなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月06日


挿絵イラスト