大祓百鬼夜行②〜一撃必殺、竜の大親分
「大祓百鬼夜行の攻略に参戦していただき感謝します。リムは戦況を報告します」
グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は戦場を現す大きなマップを広げると、淡々とした口調で語りだした。
「全ての戦場の制圧及び攻略が開始され、戦況は大詰めとなっています。百鬼夜行妖怪の中心人物である妖怪親分の1人、竜神親分『碎輝』の所在も判明しました」
東方妖怪、西洋妖怪、新しい妖怪、竜神。幽世に住まう四種族の顔役たる大妖怪達も、愛する世界の命運を猟兵に託してオブリビオンと化した。全ての元凶である『大祓骸魂』に至る雲の道を繋ぐためには、彼らを倒す事が最大の試練となる。
「碎輝親分は竜神の親分と呼ばれていますが、生まれたばかりの竜神にも負ける、自他ともに認める最弱の竜神です。しかし彼と、彼のユーベルコードは『無限に成長する』という、非常に危険な能力を有しています」
であるが故に彼の存在は『大祓骸魂』のような神智を越えた虞を打ち破る切り札の一つになる。そもそも、かの究極妖怪に「大祓」の名を与え、その身に成長し続ける祝祭を纏わせ力を弱めたのも彼だという。最弱を号していても、やはり大親分たる器の持ち主だ。
「彼は幽世の最深層にある『最弱封印の祠』にて猟兵を待っています。骸魂に取り憑かれても自我は残っている様子で、かつ全力で戦いを挑んできます」
彼の望みは単純明快。無限に成長する自分と戦い、そして超えてもらうこと。昨日より今日、今日より明日――今よりもっと、自分よりずっと強くなれる可能性を猟兵に見出した彼は、猟兵をより「成長」させるための試練として立ちはだかる。
「碎輝親分は無限進化型の『成長電流形態』か、一撃必殺型の『超電竜撃滅形態』になって戦いを挑んできますが、今回皆様に戦ってもらうのは『超電竜撃滅形態』の親分です」
超電竜撃滅形態における碎輝は膨大な虞を身にまとい、無限進化の力を一撃必殺の力に変えて襲ってくる。この形態から繰り出される攻撃はいずれも絶大な威力を誇り、生半可な手段ではまず耐えられない。まさに「一撃必殺」だ。
「戦闘が長引くにつれて脅威度の増す成長電流形態と比較して、短期決戦型の形態と言えるでしょう。厄介には違いありませんが、この形態にはこちらにも有利な点があります」
親分のまとう膨大な虞の影響により、この戦いでは猟兵は窮地になくても「真の姿」に変身して戦うことができる。普段は秘めている、あるいは封じられている各自の真なる力を発揮して、碎輝の一撃必殺を攻略するのだ。
「戦いに勝利すればオブリビオン化した碎輝親分も元に戻るはずです……そもそも戦闘中は配慮している余裕はないでしょう。ただ全力で勝つことのみに集中して下さい」
それが碎輝親分の望みでもあり、またそれだけ危険な戦いになるということだ。碎輝は手加減などまったくしないし、猟兵が自分より「成長」してくれると信じているが故に、本気の全力で文字通り一撃必殺のつもりで攻撃してくる。気を抜く余裕などない相手だ。
どうか親分の期待に応えてください――リミティアはそう言って手のひらにグリモアを浮かべ、カクリヨファンタズムの最深層にある最弱封印の祠までの道を開く。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」
戌
こんにちは、戌です。
大祓百鬼夜行との戦いも大詰めとなってきました。今回の依頼は妖怪親分が1人、竜神親分『碎輝』超電竜撃滅形態との戦いです。
このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。
プレイングボーナス……真の姿を晒して戦う(🔴は不要)。
超電竜撃滅形態の碎輝親分の攻撃はどれも一撃必殺の威力を誇ります。対抗するには、虞の影響で解禁される真の姿の能力を駆使して立ち向かいましょう。
そもそも攻撃させない、全力で耐えて反撃する、互いの一撃必殺をぶつけあう――対処法自体は色々あると思いますので、自分にあった方法でどうぞ。
碎輝親分は無限に成長する自分さえも超える「成長」の兆しを猟兵が見せてくれることを期待しています。なればこそ手加減はしませんし、こちらも加減するのは野暮でしょう。どうか全力で挑んでくだされば幸いです。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『竜神親分『碎輝』超電竜撃滅形態』
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POW : 撃滅放電槍
【紫電を帯びた槍】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : サンダーエンブレム
【加速度的に数を増す紫電の放射】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 滅びの光
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【雷】属性の【瞬時に成長し、自ら増殖するドラゴンブレス】を、レベル×5mの直線上に放つ。
イラスト:108
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ナイ・デス
ただ倒し救うだけなら、色々と手を思いつかなくも、ですが
試練となれば、私のとる手は一つですね
真の姿は「光」
私も、とても弱かった
多くの敵が、弱い私にとって必殺必中の攻撃を持っていて
何度も倒され、再生して
だいぶ強くなった今も、上には上がいると思えて
だから
必殺必中が、私の仮想敵です
「光」が黒剣、彫像と融合し、更に変身する
帝竜ダイウルゴスのような姿
私は死なない、死ねない
『いつか壊れるその日まで』
【覚悟、激痛耐性、継戦能力】滅びの光に、再生の光で対抗してみせる
消滅と再生の繰り返しで輝きは強く
【生命力吸収】ダイウルゴスのように、雷も取り込んで、押し返す
救うため、守るため
私は、倒れない。超えます!
【浄化】の光
「ただ倒し救うだけなら、色々と手を思いつかなくも、ですが」
今目の前にいる男が望んでいるのはそうではないのだろうと、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)には分かっていた。最弱にして無限の可能性を秘めた、竜神親分『碎輝』――かの者は猟兵の「成長」を求めている。この戦いはそのための試練なのだ。
「試練となれば、私のとる手は一つですね」
超電竜撃滅形態となった碎輝がまとう膨大な虞が、稲妻のごとく最弱封印の祠に迸る。
その影響を受けてナイの姿も変わっていく。かりそめの人の姿からまったき『光』に。この純白なる光輝こそが、彼の真の姿である。
「うおっ、まぶしっ! いいぞ坊主、その調子だ!」
碎輝は真の姿となったナイをまっすぐに直視しながら、自らもより強い虞を纏いだす。
封印から目覚めた今、最弱の竜神はこの瞬間も「成長」している。ほとばしる力を雷に変えてチャージする、それは全てを灼き尽くす【滅びの光】の構えだった。
「昨日より今日! 今日より明日! お前達は、今よりもっと強くなれる。無論、俺よりもずっと……!!」
大祓骸魂に勝つためにはそうでなくてはならないと、碎輝は全力を以て猟兵達を試す。
その言葉に同意するように、光のナイはこくりと頷いた。一撃必殺の威力を秘めた相手のユーベルコードにも動じた様子はない。それは彼が何度も体験してきたことだから。
「私も、とても弱かった。多くの敵が、弱い私にとって必殺必中の攻撃を持っていて」
本体が行方知れずとなったヤドリガミという特殊な境遇がなければ、どこかで死んでもおかしく無かった過酷な戦いの日々。その経験はナイを精神的に成長させる糧となった。
「何度も倒され、再生して。だいぶ強くなった今も、上には上がいると思えて。だから」
今もまた、絶大な虞を放つ強敵を前にして、世界の広さと自分の小ささを実感しつつ。
それでも「負けない」という不屈の覚悟をもって、彼は最弱なる竜神親分に宣言する。
「必殺必中が、私の仮想敵です」
「光」となったナイの肉体が、手足を覆う黒剣鎧と、黒い帝竜の彫像と融合していく。
真の姿からもう一段階の変身。全身を黒き装甲で鎧ったようなその姿は、群竜大陸にて対峙した『帝竜ダイウルゴス』に似ていた。
「いいな、カッコいいぜお前……さあ、超えてみせろ、この俺を!」
黒き威容に笑みを浮かべ、碎輝が高らかに【滅びの光】を放つ。それは瞬時に成長し、自ら増殖するドラゴンブレス。成長にかけた時間だけ無限に威力が増大する、一撃必殺のユーベルコードがナイを直撃した。
「私は死なない、死ねない。『いつか壊れるその日まで』」
魂魄まで灼かれるような激痛を味わいながら、ナイは再生の光で滅びの光に対抗する。
たとえ即死級のダメージを負っても、彼の体内からあふれる光は瞬時に体を再生させ、戦闘を継続させる。心が折れない限り、この少年が真の敗北を喫することは決して無い。
「やるじゃねえか……!」
消滅と再生の繰り返しを続けるなかで聖なる輝きはより強くなり、遂には碎輝の雷をも取り込んで、押し返していく。それは森羅万象を己と同化させるダイウルゴスのように。それはドラゴンブレスの成長速度すら上回る、無限の成長と救済の力。
「救うため、守るため。私は、倒れない。超えます!」
滅びの光を全て取り込んだナイは、覚悟をこめた力強い宣言とともに浄化の光を放つ。
その燦然たる無限の輝きは骸魂と合体した碎輝の肉体を灼き、虞を消し飛ばしていく。
「ぐおおおおッ……いいぞ、その調子だ!」
自身の大技を真っ向から受け止めたうえで返され、最弱の竜神親分はにやりと笑った。
猟兵が持つ成長の可能性。大祓骸魂を祓う希望を、この聖なる光の中に彼は見出した。
大成功
🔵🔵🔵
蛇塚・レモン
真の姿は『旭日の竜神』
竜神対決だよっ!
負けない!
全力魔法+属性攻撃(水)+呪殺弾+衝撃波をブレスへぶつけて
水蒸気爆発で目潰し
マヒ攻撃+呪詛の濃霧で捕縛
催眠術+残像で標的を誤認させるよ
即UCで高次元の幻影化した真の姿へ変身!
第六感と学習力+情報収集でブレスの方向を読み解いて
時速520kmで空中戦で回避!
高次元の幻影と化したあたいに、三次元の滅びの光は透過しちゃうよっ!
でも慢心はしないっ!
鏡盾を媒介に黄金色の結界術とオーラ防御と全力魔法の三重壁!
盾受けで受け流す!
即座にカウンター+咄嗟の一撃!
一気に念動力で操る槍で貫通攻撃+不意打ち!
神罰で骸魂だけを壊すっ!
世界を守るために、あたいも成長するよっ!
「竜神対決だよっ! 負けない!」
竜神の大親分たる『碎輝』に立ち向かうにあたり、その身に蛇神オロチヒメを宿す娘、蛇塚・レモン(白き蛇神憑きの金色巫女・f05152)は気合いを入れていた。たとえ相手が最弱であれ最強であれ、絶対に自分"達"は勝ってみせるという強い決意を抱いて。
「いいな! だが俺もハナから負けてやるつもりは無いぜ!」
大祓骸魂を倒すつもりなら、全力の自分くらい超えてもらわないと困る。手加減抜きで猟兵をブッ殺すつもりの虞(おそれ)を込めて、碎輝は再び【滅びの光】の準備に入る。超電竜撃滅形態の彼が操るユーベルコードは、誇張抜きで全てが一撃必殺級の威力だ。
「流石にあれは当たったらまずいねっ!」
碎輝の元に膨大な虞と雷が集束していくのを見て、レモンは水気を込めた呪弾を放つ。
それは発射準備中のブレスにぶつかり、雷に反応して瞬時に蒸発――水蒸気爆発を引き起こす。ダメージを与えるのではなく相手の視界を封じ、攻撃を逸らさせるのが狙いだ。
「うおっ、なんだこりゃ!」
碎輝の目前でパチンと爆ぜた呪弾は、マヒ効果のある呪詛の濃霧となり周囲を満たす。さらにレモンは催眠術と残像による偽装と幻惑を重ね、徹底的に敵が標的を誤認するように努める。
「全然見えやしねえ……そこかっ!?」
もうもうと立ち込める霧の中、碎輝はかすかに見えた影に向けて【滅びの光】を放つ。
その照準はレモンがいる本当の場所からは大きくズレていたが、瞬時に成長し増殖する雷光のドラゴンブレスは、直撃せずとも余波だけで十分過ぎるほどの威力を持っている。
「乙姫様へのお触りは厳禁なんだからねっ!?」
そこでレモンは【超霊装顕現術式・幻影に揺らぎし綿津見の乙姫】を発動、碎輝が放つ虞の影響も利用して真の姿である『旭日の竜神』に変身すると、猛烈な速度で飛翔する。そして迸る稲妻の奔流をすり抜けるように、ブレスの方向を読み解いての回避を試みる。
「高次元の幻影と化したあたいに、三次元の滅びの光は透過しちゃうよっ!」
水面に映る月を攻撃しても、夜空に浮かぶ月には傷ひとつ付かないように、今のレモンは低次元からの攻撃を全て回避する。たとえ竜神親分の攻撃でも例外はない――はずだ。
「でも慢心はしないっ!」
碎輝の「成長」が次元の違いすら超えてくる可能性を考慮して、彼女は「白蛇の鏡盾」を媒介とした防御壁を展開。黄金色の結界とオーラと魔法、三重の備えで守りを固める。
果たして、旭日の竜神を焼き尽くさんとした稲妻のブレスは回避され、あるいは神鏡の護りに受け流され、届くことはなかった。
「しくじったか……やるじゃねえかっ!」
必殺の一撃を躱されたと碎輝が察した時にはもう、レモンは反撃の構えを取っていた。
操るのは神鏡と並んで蛇塚家に伝わる神器がひとつ「蛇腹剣クサナギ」が変化した海神の黒槍。霊力を込めたその矛先を念動力で操作し、濃霧の中からの不意打ちを仕掛ける。
「世界を守るために、あたいも成長するよっ!」
「がは……ッ、そうだ、それでいい……!」
突けば必ず敵の弱点を穿つという神罰の槍は、竜神親分と同化した骸魂だけを貫いた。
高次元の奇襲を受けた碎輝は、強き「成長」を見せたレモンを見事と称えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
亞東・霧亥
※真の姿になる
数多の『残像』で敵を包囲後、自分の得意とする『暗殺』の技術や『忍び足』と『足場習熟』で足音を消音し、『目立たない』様に距離を取る。
『武器改造』で吹き矢の針を極小の槍に変形、吹き矢に仕込む。
敵の死角に移動し、宙界の瞳とリンクして狙撃支援を受けつつ『スナイパー』で敵の肌の露出部分を狙う。
【UC】
針の様な槍だが、それは立派に槍だ。
「碎輝に命じる。一撃必殺の攻撃を放ってはならない。」
「やるじゃないか、猟兵。それでこそ俺達親分が認めた可能性だ!」
無限の成長を一撃必殺に変えた超電竜撃滅の力でも、まったく引けを取らない猟兵に、竜神親分『碎輝』は心から称賛を送る。とはいえ彼の虞(おそれ)も弱まる気配はなく、まだまだ「成長」の余地を残しているのは確実。戦いはさらに激化するかと思われた。
「……って、うおっ?! なんだお前達は?」
だが彼が他の猟兵との戦いに興じているうちに、周りはいつの間にか包囲されていた。
朧月が作る影のように正体定まらぬその人影は、亞東・霧亥(夢幻の剣誓・f05789)が生じさせた残像であった。
「次は俺が相手だ、碎輝」
既に真の姿になっていた霧亥は威圧的な態度で言い捨てると、自身の得意とする暗殺の技法で敵を惑わす。緩急自在の歩法は幻を生み、黒装束と覆面に包まれた身は闇に溶け、足音ひとつ立てず、気配すら感じない。発された声すらもまるで幻聴のように響く。
「これは幻か……どれが本物なんだ?」
碎輝がどれだけ目を凝らしても、虚像と実像の区別はつかない。どれから攻撃すべきか彼が迷っているうちに、本物の霧亥は目立たないよう距離を取り、敵の死角に回り込む。
「あー、こういうのはニガテだ! 全部消し飛ばしてやる!」
業を煮やした碎輝は紫電を帯びた【撃滅放電槍】を振るい、数多の残像に襲い掛かる。
一撃一撃が必殺の威力を誇る彼の攻撃を受ければ、幻など何体いてもすぐに消え去る。本人とユーベルコードの成長を加味すれば、本物が炙り出されるのも時間の問題だろう。
(だが、それだけの猶予があれば十分だ)
霧亥は改造を施した針を吹き矢の筒に仕込み、祠上空に飛ばした七機の「宙界の瞳」とリンクした情報を元に照準を合わせる。狙いは敵の肌の露出部分、呼吸を同調させ意識を研ぎ澄ませて――視覚と意識の両面から死角となる位置より【不和】の一射を放つ。
「脆い」
「いでッ?!」
音もなく飛んでいった吹き矢の針は、霧亥が狙い澄ましたとおりの部位に突き刺さる。
完全なる不意打ちに碎輝はビクッと肩を跳ね上げたが、受けたダメージ自体は微々たるもの。いくら彼が最弱を号していようとも、毒もない針一本では致命傷にはほど遠い。
「なんだこりゃ? こんなちっぽけな針じゃ俺は倒せないぞ!」
「針の様な槍だが、それは立派に槍だ」
フンと鼻を鳴らして意気込む竜神の親分に、霧亥はあくまで冷淡な調子で返す。確かに碎輝の肌に刺さった針は、よくよく見れば槍のような形状に加工がされている。さしたる差ではないように思えるが、これが彼のユーベルコードを発動させる条件なのだ。
「碎輝に命じる。一撃必殺の攻撃を放ってはならない」
「は? そんな命令、従うわけ……いでぇっ?!」
霧亥の宣告に構わず槍を振るおうとした瞬間、碎輝の身体に激痛が走った。その痛みは吹き矢で射たれた時よりずっと強い。宣告したルールを対象が破るとダメージを与える、それが【不和】の効果である。
「いでっ、いでででっ! こんなのどうしろってんだ!」
超電竜撃滅形態の碎輝は、あらゆる攻撃が一撃必殺級の威力を誇る。言い換えるなら、どんな攻撃でも一撃必殺になってしまう。性格的にも、無限に成長を続ける能力的にも、手加減がニガテな彼にとってこの命令は非常にクリティカルな内容であった。
「俺の成長を逆手に取るとは、なかなかやるな……っ痛え!!」
攻撃のたびにダメージを負う宿痾を負わされた碎輝は、霧亥の作戦を悔しげに称える。
彼の一刺しは決して必殺ではないが、最弱の竜神をじわじわと蝕み死に至らしめる毒を与えることに成功したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎
真の姿:ゴスロリ服に身を包み、金色の豊かな髪を三つ編みにした琥珀色の瞳を持つ少女
自分を超えると信じているから全力で立ち塞がる…とても素敵ね
なら私も、その想いに応えましょう…
デゼス・ポアと融合、真の姿に変身するわ
同時に無貌の人形達を召喚
親分さんの槍を受け止め、その動きを抑える壁にしましょう
人形達が崩されたら再度召喚をして動きを牽制するわ
その殺意から、とても深い信頼と友愛を感じるわ…
フフ…誓いましょう、その槍で私が斃れる事はないと
攻撃を防いだらカウンターで人形達と切り込み
広い攻撃範囲を持つ人形の鉤爪と私の刃で連携して攻撃を行いましょう
貴方の献身に心からの敬意を
―ありがとう、親分さん
「自分を超えると信じているから全力で立ち塞がる……とても素敵ね」
猟兵をより高みに「成長」させようとする碎輝の意志を受け取り、キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)は優雅に微笑む。妖怪親分が放つ膨大な虞の影響を受けた彼女の姿は、ゴスロリ服に身を包み、豊かな金髪を三つ編みにした少女に変わっていた。
「なら私も、その想いに応えましょう……」
琥珀色の瞳でまっすぐに相手を見据えながら少女は語る。いつも連れている呪いの人形「デゼス・ポア」と融合したこの姿が彼女の真の姿。外見こそ幼くはあっても、凄まじい呪力と剣呑な凶気を放っているのは、人形の性質が色濃く現れた結果だろう。
「いいな、燃えてきたぜ。見せてくれよ、お前の力!」
猟兵が持つ力をさらに引き出させようと、紫電を帯びた【撃滅放電槍】を振るう碎輝。対するキリカ――あるいは【désespoir(デゼスポア)】は自らの周囲に無謀の人形達を召喚し、竜神親分の槍を受け止め、その動きを抑える壁にする。
「強い殺意……本気で私を殺すつもりで攻撃しているわね」
超電竜撃滅形態の碎輝が繰り出す攻撃は、全て文字通りの「一撃必殺」。雷槍に突き穿たれた人形達はチリ一つ残さず破壊されるが、キリカはすぐさま新たな人形を再召喚し、崩れた壁を立て直して相手の動きを牽制する。
「その殺意から、とても深い信頼と友愛を感じるわ……」
心の臓まで突き刺さるような殺気を向けられているのに、不思議と不快感を覚えない。
それは彼が、自分を超える「成長」の可能性を猟兵に見いだしているからだと察して、キリカは幼い顔立ちに笑みを深めた。
「フフ……誓いましょう、その槍で私が斃れる事はないと」
「その意気だ! 期待外れなマネだけはしないでくれよ!」
碎輝もまた楽しげに槍を振るい、人形の壁を突き崩す。どれほどの数を放電で焼いても貫いても、人形の召喚が途絶えることはないが、むしろ痛快でたまらないと言いたげに。
そして彼のラッシュが途切れれば、今度はこちらの番とばかりにキリカが反撃に移る。無貌の人形達を従えて、身体の各部からは錆びた刃を生やして。
「貴方の献身に心からの敬意を」
人形達の長くて鋭い鉤爪が、広い攻撃範囲を活かして竜神親分を切り裂く。見えない糸を繰るように彼らを操りながら、キリカ自身もまた身体から生えた刃で追撃を仕掛ける。
その様子はさながら人形と少女のダンス。近寄るもの全てを切り刻む凶悪であっても、思わず見惚れてしまうほどに華麗。成長の力を一撃に込めるためか、守備に関して余力のない碎輝は彼女のダンスに付いていくことができなかった。
「――ありがとう、親分さん」
「いいってことさ……!」
無数の刃に切り裂かれ、その身を鮮血に染めながら、碎輝はなおも満足そうに笑った。
期待通り――あるいはそれ以上の「成長」を見られたなら、それで本望だとばかりに。妖怪親分の莫大なる虞が少しずつ弱まっていくのが、刃越しにキリカにも伝わってきた。
大成功
🔵🔵🔵
ルパート・ブラックスミス
時間も余裕も無く、そして問答も無用だろう。
往くぞ、竜神親分。
UC【神・黒風鎧装】で真の姿と青く燃える鉛の翼を展開し【空中戦】。
敵を【挑発】する為にも真っ向から後先考えない加速での【限界突破】超音速【空中機動】【ダッシュ】で【捨て身の一撃】。
このUCの【呪詛】は無意識からの行動、言い換えれば咄嗟の反応を封じる。
予め【誘導弾】として放っていたニクス(爆槍フェニックス)での死角からの【だまし討ち】。敵UCの槍を【武器落とし】。
攻撃【体勢を崩す】一瞬を【見切り】黄金魔剣で【串刺し】にする!
二つの世界の明日の為に!今日、此処で!貴様は墜ちろ!
「時間も余裕も無く、そして問答も無用だろう」
生真面目さゆえの淡々とした態度で、ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)は剣を取る。互いに為すべきことは明確であり、遺恨も敵愾心もなく、大祓骸魂を討つという最終的な目標も一致しているのなら、語るべきことは何もない。
「往くぞ、竜神親分」
「来いよ、猟兵!」
【神・黒風鎧装】で真の姿に変身した黒騎士は青く燃える鉛の翼を展開し、漆黒の旋風をまとって空に舞い上がる。対する碎輝は紫電を帯びた【撃滅放電槍】を構え、彼の気迫に応えるようにニヤリと笑みを浮かべた。
「我が魂にもはや栄光なく。されど……されど。未だ闇夜に灯り続ける!」
煌々と燃える鉛翼の青い炎が、カクリヨファンタズムの最深層を照らす。神・黒風鎧装の効果で高い空中機動力を獲得したルパートは、後先考えない急加速でスピードの限界を超え、超音速の突撃で真っ向から碎輝に迫る。
「やるってのか……面白い!」
明らかに減速も防御も考えていない捨て身の攻撃態勢を、碎輝は挑発だと受け取った。
ここで退けば仮にも親分の名が泣こう。全力の一撃には自分も必殺の一撃で報いんと、両手で握った雷槍に全身全霊を込め、こちらも真っ向から相手を撃滅する構えを取る。
(貴様の目的と気質から考えれば、必ず挑発に乗ってくると思っていた)
超音速で目標に接近する刹那の間に、ルパートは思考を巡らせる。たとえ真の姿を解放した今でも、超電竜撃滅形態の碎輝が放つ必殺の攻撃を正面から超えられるかは不明だ。
だからこそ彼は誘いの特攻を仕掛け、相手がそれに意識を集中させるのを狙った。予め放っておいた「爆槍フェニックス」が、自らの突撃より先に到達するよう仕組んだ上で。
「さあ来……ぐおぉッ!!?」
誘導弾のように死角から飛んできた炎の槍を、碎輝はまったく無防備な状態で受けた。
いかに攻撃に意識を集中している状態だとしても、咄嗟に身構える程度の反応はできたはず――しかし神・黒風鎧装を発動中のルパートは、その「咄嗟の反応」こそを封じる。戦場の敵全てに絶え間なく放たれる呪詛が、弱い意思や無意識からの行動を禁ずるのだ。
「野郎、真っ向勝負を仕掛けてきたのはこれが狙いかよ……ッ!」
爆槍の騙し討ちを受けた碎輝は、今まさに突き放つはずだった槍を手から取り落とす。
敵が攻撃体勢を崩す一瞬を見逃さず、ルパートは再加速。翼から青い炎の尾を引いて、彗星のように天を翔け――主とともに真の力に目覚めた「黄金魔剣ルパート」を振るう。
「二つの世界の明日の為に! 今日、此処で! 貴様は墜ちろ!」
最速にして全力の一撃。呪いを帯びた黄金の大剣が、竜神親分の身体を串刺しにする。
奇策で隙を作ったうえで渾身を叩き込むルパートの作戦は、最弱の竜神が耐えうるものではなく。青い炎に生命力を奪われながら、碎輝は苦しげに、だが愉快そうに呻く。
「ああ……お前なら、大祓骸魂が相手でも、やってくれるよな」
血の滲んだ口元に笑みを浮かべ、地に膝を屈する。この形態の自分が不覚を取るほどの黒騎士の実力と策を讃え、その剣が次に討つものが百鬼夜行の首魁であることを願って。
大成功
🔵🔵🔵
黒川・闇慈
「私も魔術の真理を探求する身。この身が無限の成長にどこまで迫れるのか……試させていただきましょう。クックック」
【行動】
wizで対抗です。
私の真の姿はそう普段と変わりませんよ。魔力の増大は著しいですがね。
相手に詠唱時間を与えると危険ですので、高速詠唱の技能で先手を取ります。
属性攻撃、全力魔法、一斉発射、範囲攻撃の技能を用い、増大した魔力を併せてUCを使用します。全ての力を注ぎ込み、文字通り全力をもって挑ませていただきますよ。
「私の叡智と魔力、未だ途上ではありますがどうかご堪能下さい。無限の雷すらも焼き払って見せましょう。クックック」
【アドリブ歓迎】
「私も魔術の真理を探求する身。この身が無限の成長にどこまで迫れるのか……試させていただきましょう。クックック」
魔術を愛し、魔術を追い求め、果てしない研究の道を歩む黒川・闇慈(魔術の探求者・f00672)にとっては竜神親分との戦いもまた、己の研究成果を試す良い機会であった。
その強烈な探究心と知識欲は「成長」の糧にもなり、碎輝にとっても好ましいものだ。目的がどうであれ、その強い意思が大祓骸魂の打倒に通じるのならば何も文句はない。
「いいぜ、魔術でも何でも思う存分使えばいい。俺の成長も見せてやる!」
凄まじい虞を身にまとい、雷をチャージする碎輝。常に成長を続ける膨大なエネルギーは全てを消し去る【滅びの光】となり、超電竜撃滅形態の名に恥じぬ威容を示す。
「相手に詠唱時間を与えると危険ですね。先手を取らせていただきましょう」
竜神親分の虞にあてられても闇慈は慌てることなく、冷静かつ迅速に術の詠唱を行う。
彼の真の姿はそう普段と変わりはないが、魔力の増大は著しい。全身から溢れんばかりに湧き上がる力を意思と呪文によって制御し、増幅し、灼熱なる炎獄として具現化する。
「戦場を満たすは灼炎の王威なり。一切全て灰に帰せ、インフェルノ・アーティラリ」
発動するのは【炎獄砲軍】。百に迫ろうかという数の炎が現れ、今だ詠唱の真っ最中の碎輝目掛けて飛んでいく。それはまさに戦場を統べる砲兵による蹂躙と征伐の嵐だった。
「私の叡智と魔力、未だ途上ではありますがどうかご堪能下さい」
「う、おおおおおおッ!? とんでもない火力だな!」
戦場を焼き尽くすさんが如き業火に、さしもの碎輝も驚きを口にする。それは増大した魔力だけでなく、その力を効率よく運用するために闇慈が学んだ技能を併せての効果だ。
彼は全ての力をこのユーベルコードに注ぎ込み、文字通りの全力をもって碎輝に挑む。それは本人の能力だけでなく武装も含めてだ。魔杖「メイガスアンプリファイア」が増大した魔力をさらに増幅し、試製19式魔導杖「リトルワイズマン」が術式範囲を制御する。
「無限の雷すらも焼き払って見せましょう。クックック」
巧妙にコントロールされた灼炎の王威が敵に着弾するたび、激しい爆発が巻き起こる。
自信に違わぬその威力と破壊規模。碎輝も詠唱途中だった【滅びの光】で応戦するが、妖力のチャージにかけた時間が十分でなかったため、その本来の性能は発揮しきれない。
「これがお前の力か……竜神のブレスよりも熱いなんてな!」
瞬時に成長し増殖する雷のドラゴンブレスを、絶え間なき爆炎の禍が焼き払っていく。
天には雷鳴が轟き、地には業火が燃え盛る、それはまさに地獄を想起させる光景だった――それでも、最後に制するのは闇慈の叡智と魔力であった。
「いかがでしたでしょうか?」
「ははっ……最高だ……!!」
爆音と雷が鳴り止んだ後、そこには変わらぬ笑みを浮かべる闇慈と、肩で息をする碎輝がいた。若者風のパンクな服装はあちこちが焼け焦げ、体にも重度の火傷を負っている。
これが知の探究心がもたらす「成長」の可能性。ただの武勇とは異なる力で自身の力を上回られた最弱の竜神は、蓄積するダメージにふらつきながらも満足げに笑うのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
よし、いいよ。それなら全力だ。
真の姿(リスのような猫。真の姿JC参照)に変身して、攻撃を全部避けるよ。この姿は小さくて当てにくいっていうのもあるけど、ユーベルコードを全力で使える。あたりそうになったら、量子テレポートで避けるよ。普段なら連続使用には限界があるけど、今日のぼくは全力だ。避けきってみせるよ。
「よし、いいよ。それなら全力だ」
最弱ながら無限に成長を続ける自分を、それ以上の成長で上回ってみせろという碎輝の期待に応えるため、アリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)は真の姿に変身する。物語を糧として生き、情報を操る妖精である彼女の真の姿とは――。
「……え、マジ? ずいぶんかわいいカッコになったな……」
ふさふさの毛並みにもこもこの尻尾。つぶらな瞳に三角のお耳、そしてヒゲ。頭に装着したゴーグルがなければ、一瞬誰なのか分からなかったかもしれない。このリスのような猫こそがアリスの真の姿である。
「猟兵にも色々いるんだなー……まあいいか、かわいくても手加減はしないぜ!」
愛くるしい小動物の姿に若干毒気を抜かれながらも、碎輝はすぐに攻撃の構えを取る。
彼が金色の槍をかざすと、その周りに魔法円が浮かび上がり、激しい紫電を放射する。本人の成長に伴って加速度的に数を増す、超高速連続攻撃【サンダーエンブレム】だ。
「喰らえっ!」
逃げ場もないほどの規模と密度で、雨霰と降り注ぐ紫電の嵐。だが、その中をアリスはぴょこぴょこと軽快に走り回る。一発でも命中すれば大ダメージになるはずだが、まるで怯えた様子もない鮮やかな動きだった。
「この姿は小さくて当てにくいっていうのもあるけど、ユーベルコードを全力で使える」
アリスは猫の体躯と身のこなしをフル活用して紫電を避けながら【ファデエフ・ポポフゴースト】で敵の攻撃動作を予想する。情報の分析は彼女が最も得意とする分野であり、どれだけ速かろうが一定のパターンに則った動きであれば、容易に対応する事ができる。
「くそっ、ちょこまかすばしっこいな、このリス!」
「リスじゃなくて猫だけどね」
何発撃っても当たらない標的に、碎輝はムキになって攻撃を継続する。百発でダメなら千発、千発でダメなら一万発――無限に成長を続けるユーベルコードとはやはり厄介で、紫電の嵐は収まるどころかさらに規模を増していく。
「これでどうだッ!」
本気と意地で成長を遂げた碎輝の猛攻は、逃げ回るアリスをついに捉えたかに見えた。
小さな猫に無数の紫電が矢のように突き刺さる――だが、彼女の体には傷ひとつ無い。
「それは残像だよ」
「マジかよっ?!」
ファデエフ・ポポフゴーストのもうひとつの効果、量子テレポート。攻撃が当たる瞬間に身体を量子化して回避する情報妖精ならではの技だ。現実と量子の世界を自在に行き来する彼女を捉えることは、ただ攻撃の密度を増やすだけでは不可能だ。
「普段なら連続使用には限界があるけど、今日のぼくは全力だ。避けきってみせるよ」
猫の姿では表情は分かりづらいが、アリスの瞳はキラキラと自信に満ちて輝いていた。
どんなに可愛らしい外見でも、真の姿を見せた猟兵を侮ってはいけない。地獄のような紫電の嵐の中を散歩でもするように駆ける彼女を見れば、碎輝もそれを理解しただろう。
「やっぱり凄いな、猟兵ってやつは……お前達ならきっと……っ!」
とうとう息が切れて【サンダーエンブレム】を終了せざるを得なくなった彼は、がくりと膝を突いてアリスを称える。無限の「成長」をもってしても捉えきれなかった事実は、彼に敗北感を味わわせるのに十分過ぎるものであった。
大成功
🔵🔵🔵
カビパン・カピパン
プロジェクト押し売り〜カレー屋の愉快な仲間たち〜
プロデューサー戌MS(統括)制作 悩み聞くカレー屋
出演者結希 カビパン 碎輝 常連妖怪
ナレーター 結希
オープニング カビパン
「カレー屋の夜明け」
その番組は大祓百鬼夜行の始まりからカクリヨ支店がこれまでの様々なギャグをどのように押し固め押し切り、押し売りに至ったかを紹介するドキュメントである。店主カビパンとCEO結希、それに従い支えた多くの妖怪達による営業、今までの成果がテーマ。
カビパンは泣いた。泣いていた。
感動できる要素なんてないのに碎輝も釣られて泣いた。
そしてつい流れで親分が食べてしまったカレーうどんは本気の全力で文字通り一撃必殺の味だった。
春乃・結希
引き連れた百鬼夜行も泣いた
客を倒す為だけに作られた、一撃必殺カレー
それが今、完成したのだ
『なによりも不味いカレーをお客様に提供する』
それがカレー屋のコンセプトだ
当然口コミは最低。『金を貰っても食いたくない』『罰ゲームの気分』『店が廃墟同然』
しかしそれは店長にとって褒め言葉だった
誤って究極至高の味を作り出した際はとことん原因を探った
世界を渡り支店を増やし、客の味覚のデータを集め
材料や調理法に吟味を重ねた
その努力がようやく、実を結ぼうとしている…
--その様子を私、白春乃は、冷めた目で眺めていた
結希(真の姿)「…店長が『凍らせるぞ働け』と脅してくるので…。冷めないように温めておきました。どうぞ」
「くっ……思ったよりも猟兵達は成長が速いな……ちょっとキツいか……」
一撃一撃に必殺の威力を振り絞りながら、猟兵達と激闘を繰り広げる竜神親分・碎輝。
だんだん疲労もダメージも蓄積してきたようで、少し休憩を取りたいなと思いだした頃――絶妙に音程の外れた謎の音痴歌が、どこからともなく聞こえてきた。
「悩み聞くよ~♪ カレーあるよ~♪」
「え、なんだお前? 猟兵……だよな?」
歌声の主はカビパン・カピパン(女教皇 ただし貧乏性・f24111)。この歌は彼女が運営する旅団、悩み聞くカレー屋にまつわる特別番組「プロジェクト押し売り~カレー屋の愉快な仲間たち~」のオープニングテーマ「カレー屋の夜明け」だ。
「この番組は大祓百鬼夜行の始まりからカクリヨ支店がこれまでの様々なギャグをどのように押し固め押し切り、押し売りに至ったかを紹介するドキュメントである……」
「えっ、お前も誰? なんの話?」
一緒にやって来た春乃・結希(withと歩む旅人・f24164)は、カビパンの後ろで棒読みがちに台本のナレーションを読み上げる。その周りには【寒風にも負けぬモノ】で召喚されたカビパン劇場の観客達が席に座り、開演までお行儀よくスタンバイしている。
「制作、悩み聞くカレー屋。出演者、結希、カビパン、碎輝、常連妖怪」
「えっ俺も参加すんの?」
碎輝が状況を理解できないうちにあれよあれよと番組は進行する。これは店主カビパンとCEO結希、それに従い支えた多くの妖怪達による営業、今までの成果をテーマとした、笑いあり涙(?)ありの超大作である。
(以下、ナレーターは結希女史)
『なによりも不味いカレーをお客様に提供する』
それがカレー屋のコンセプトだ。
当然口コミは最低。
『金を貰っても食いたくない』『罰ゲームの気分』『店が廃墟同然』
しかしそれは店長にとって褒め言葉だった。
「この世で最も不味いカレーを作る……それなのに、この味は……!」(カビパン)
誤って究極至高の味を作り出した際はとことん原因を探った。
世界を渡り支店を増やし、客の味覚のデータを集め、材料や調理法に吟味を重ねた。
「ダメ……どうしても美味しくなってしまう……このままじゃ……!」(カビパン)
「諦めないで、店長!」(常連妖怪A)
「俺たちがついてる!」(常連妖怪B)
「はあ、まあ、がんばってください」(結希)
「昨日よりも今日、今日よりも明日!」(碎輝)
長い長い試行錯誤、積み重なる成功という名の失敗作。折れかける心、励ます仲間達。
終わりの見えないトンネルを抜け、その努力がようやく、実を結ぼうとしている……。
「できた……完成よ!」(カビパン)
「「やったぁーーっ!!」」(常連妖怪全員)
「成長したな、お前……!」(碎輝)
カビパンは泣いた。泣いていた。感動できる要素とかないのに碎輝も釣られて泣いた。
引き連れた百鬼夜行も泣いた。客を倒す為だけに作られた、一撃必殺カレー。それが今、完成したのだ。
「「おめでとう、おめでとう……!」」(碎輝&常連妖怪)
「ありがとう、ありがとう!」(カビパン)
――その様子を私(碎輝の虞で真の姿に変身した)白春乃は、冷めた目で眺めていた。
私の背中で燃え盛る【緋色の翼】は今、完成したカレーを保温するのに使われている。
まさか真の力をこんな事に使うとは思わなかったし、できれば二度とないように祈る。
「……店長が『凍らせるぞ働け』と脅してくるので……。冷めないように温めておきました。どうぞ」(結希・真の姿ver)
「おぉ、ありがとな……!」(碎輝)
そしてつい流れで親分が食べてしまったカレーうどんは本気の全力で文字通り一撃必殺の味だった。カレー屋の夜明けを告げる究極至高の不味さが、親分の口の中で炸裂した。
「まっっっっっっっっっっっっず!!!!!!!!」(碎輝)
親分は倒れた。カビパンと常連妖怪達(と観客ロボット)はまだおいおい泣いている。
そして私はやっぱり、その様子を冷めた目で眺めていた――あの店長、そろそろ帰っていいです? ちゃんと仕事はしたんで……えっ、おかわり? うっ、急に腹痛が……!
(暗転)
――何が起こったのかよく分からないが、たぶんこれも猟兵の可能性だろう。たぶん。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月夜・玲
さあ親分1つ私の成長の為に付き合ってもらうよ
虞のお陰でこっちも普段出来ない戦い方が出来るしね
●
外装解凍
神器四刀抜刀
真の姿解放
そして一旦碎輝と距離を取り【Overdrive I.S.T】起動
召喚した雷の剣と蒼炎の剣を2本1組で運用
これで此処には私が100人居るって事だよ
詠唱をさせると厄介なんでね、そんな暇取らせるつもりは無いよ
100組のうち90組を前線へ
残り10組は私の護衛に
護衛は『オーラ防御』でシールドを展開私に傷が行かないように
私も同様に守りの体勢
残り90組を30組毎に分割
それぞれ『斬撃波』組、『なぎ払い』組、『串刺し』組として3組ずつ同時攻撃&途切れないよう波状攻撃
どう?
嫌がらせ戦法はさ!
「さあ親分1つ私の成長の為に付き合ってもらうよ」
決戦に向けてさらなる成長を得るために、月夜・玲(頂の探究者・f01605)は碎輝との戦いに挑む。放置すれば無限に成長を続け、一撃必殺の大技を繰り出してくる相手を、全力をもって凌駕する――やるべき事はこの上なくシンプルな戦闘だ。
「虞のお陰でこっちも普段出来ない戦い方が出来るしね」
妖怪親分がまとう膨大な虞が、普段は秘められている猟兵の真の姿と力を呼び覚ます。
それは彼女の場合、自らが開発したガジェットの真価を引き出すことでもある。UDCの力の再現を目指して製造された4振りの「模造神器」――その力を、ここに解き放つ。
「外装解凍。神器四刀抜刀」
背部に装着したガジェットが展開し、二本の腕のように変形する。本人の腕と合わせて計四本。その全てに1振りずつ機械的なデザインの刀を握り、阿修羅の如く構えを取る。
「その力……昔戦った邪神どもと似た匂いを感じるぜ」
その武装から放たれる、限定的ながら人の技術で再現されたUDCの力に、かつて邪神との大戦を繰り広げた竜神の大親分も反応する。旧き宿敵の気配は彼の闘志を目覚めさせ、さらなる成長を促す――超えられる事が前提とはいえ、自ら負けてやるつもりはない。
「面白い、さあ行くぜ……っておい! 退くのかよ!」
「こっちにも準備ってものがあってね」
いざ勝負とばかりに前に出た碎輝とは対照的に、玲は彼から遠のくように距離を取る。
そして【Overdrive I.S.T】を起動。負荷を完全無視したシステムの多重起動により、雷を纏った百振りの剣と、蒼炎を纏った百振りの剣を召喚する。
「これで此処には私が100人居るって事だよ」
「うおっ、なんだこりゃあ!?」
2本1組で運用される雷剣と炎剣の全てに、彼女が開発した疑似邪神の力が宿っている。模造なれどもこれだけの数があれば、いにしえの竜神に太刀打ちするにも十分だろう。
「だったら纏めて吹き飛ばしてやるよ……!」
百対一の物量の不利を悟った碎輝は、全身に稲妻を纏い【滅びの光】の詠唱を始める。
昨日よりも今日、今日よりも明日。彼の信念を体現するように、瞬時に成長し自ら増殖するドラゴンブレスならば、一撃必殺の破壊力で模造神器を一掃することも可能だろう。
「詠唱をさせると厄介なんでね、そんな暇取らせるつもりは無いよ」
ただしそれば十分な「成長」の時間があればの話。玲は100組の剣のうち10組を護衛に使い、自らの周りにオーラシールドを展開。残り90組を30組毎に分割し、詠唱中の碎輝に同時攻撃を仕掛けた。
「さあ、暴れ狂え!」
玲の指揮のもと戦場を飛び交う180本の疑似邪神。一振りすれば灼熱と稲妻の衝撃波を巻き起こし、なぎ払えばどんな金属の刃よりも鋭く、突けば竜神の鱗さえ串刺しにする。真なる邪神にもゆめゆめ劣らぬその力に迫られ、碎輝はたまらず詠唱を中断した。
「うえっ、こいつはヤベえ!」
一本一本が脅威なだけでなく、統制が取れている。三組に分かれたそれぞれが異なる技を繰り出し、一切途切れることのない波状攻撃を仕掛けるさまは、まるで軍隊のようだ。
碎輝に勝機があるとすれば、この軍を統率する者を倒すことだろう。しかしその玲は、後方でしっかりと防御の体勢を固め、決して傷つかないように護衛に守られている。
「どう? 嫌がらせ戦法はさ!」
「悔しいが、これはちょっとやそっとの『成長』じゃどうしようもないな……!」
反撃する隙すら与えてくれない神器の猛攻に、碎輝は悔しさと喜びで複雑な顔をした。
玲としても、これほど全開で疑似邪神の力を運用するのはよくある機会ではない。この経験は彼女を成長させ、新たな疑似邪神を開発するための貴重なデータになる事だろう。
さらなる技術の研鑽と収集を目指し続ける、頂の研究者の瞳はキラキラと輝いていた。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクティム・ウィンターミュート
最弱だが、無限の可能性を秘めてるか
なるほど、確かにな…簡単に勝てると思えちまう
だが感じるぜ、こいつは「ヤバイ」ってな
いいだろう、超えてやる
お前の雷と俺の雷、どっちがより『悪辣』か…検証してみようぜ
Void Link Start
幾らでも力を籠めて構わないぜ
代わりにこっちも同じことをするからな
さぁ来い、漆黒の虚無──過去より来たりて、過去を殺せ
外法も外法だが、まぁ許せよ
大祓骸魂を殺すのにだって、役に立つからよ
こっちのチャージ中に攻撃するほど、無粋じゃないだろ
だから演算も、リソースも全部これに割いてる
頃合いか──『Tonitrus』
全部消してやるんだよ
百でも千でも万でも億でも、全部消して…俺が勝つ
「最弱だが、無限の可能性を秘めてるか。なるほど、確かにな……簡単に勝てると思えちまう」
ヴィクティム・ウィンターミュート(Winter is Reborn・f01172)の目線から見て、その竜神はこれまでに戦ってきた怪物どもに比べれば、いささか劣るように感じられた。
「だが感じるぜ、こいつは『ヤバイ』」ってな」
妖怪親分の一人でありながら自他共に認める最弱、されど無限に成長する竜神、碎輝。
こんな場所で念入りに封印されていたのも納得だ。たとえ今はこちらの方が強くても、気を抜けば驚異的な成長速度で追い抜かれる。こちらも成長なくして勝つことは不可能。
「いいだろう、超えてやる」
そう言ってヴィクティムはサイバーデッキを操り、ユーベルコードのプログラム起動。
デバイスに詠唱を行わせながら、これ見よがしな笑みを浮かべて竜神親分を挑発する。
「お前の雷と俺の雷、どっちがより『悪辣』か……検証してみようぜ」
「面白え! 燃えるじゃないか!」
これを受けて立たない相手ではない。碎輝は全身より膨大な虞と稲妻をほとばしらせ、【滅びの光】の詠唱を開始する。全ての技が一撃必殺を誇る超電竜撃滅形態においても、かけた時間に応じて無限に威力が上昇するこの技は、彼の能力を体現するものであった。
「幾らでも力を籠めて構わないぜ。代わりにこっちも同じことをするからな」
Void Link Start.ユーベルコードの起動に合わせてヴィクティムの身体は漆黒の虚無に覆われ、半獣の如き異形に変ずる。これが彼の真の姿にして秘められし深淵の力の顕現。
「さぁ来い、漆黒の虚無──過去より来たりて、過去を殺せ」
『過去』を削り取る性質を持つ虚無の力を、彼は黒い雷に変換してチャージしていく。
【Void Blast『Tonitrus』】――虚ろの雷霆と称されるこのユーベルコードも、碎輝の滅びの光と同様に詠唱時間に応じて威力を増す。奇しくも双方雷による真っ向勝負だ。
「こっちのチャージ中に攻撃するほど、無粋じゃないだろ」
「当然!」
成長する自分を超えられる者が碎輝の望み。猟兵の成長を途中で妨げる真似はしない。
だからヴィクティムは演算も、リソースも全部これに割いている。サイバネ化した体に内蔵した全デバイスを並列でフル回転させ、さらなる虚無の力を骸の海から汲み上げる。
「外法も外法だが、まぁ許せよ。大祓骸魂を殺すのにだって、役に立つからよ」
「ああ。期待してるぜ、お前の力! あいつを倒すにはその位やらまいとな!」
かの究極妖怪の虞を身をもって知るからこそ、碎輝には理解できた。彼の力は極まればあの大いなる邪神にも届きうる。無限すら凌駕する零、この世の全てを消し去る虚無だ。
「頃合いか──『Tonitrus』」
「喰らいな――【滅びの光】」
示し合わせたかのように、ヴィクティムと碎輝はチャージした力を同時に解き放った。
紫電と漆黒――ふたつの雷が正面から激突し、互いを喰らいあうかの如くせめぎ合う。
竜神の稲妻は瞬時に成長と増殖を行うことで虚無さえも滅ぼさんとするが、漆黒の雷霆はそのユーベルコードがもたらす全てを消し去り、虚無に還さんとする。
「全部消してやるんだよ。百でも千でも万でも億でも、全部消して……俺が勝つ」
双方全力を注ぎ込んだ『一撃必殺』の対決を制したのは、勝利にかけるヴィクティムの執念だった。無限の増殖すらも凌駕する勢いで、虚無の雷は滅びの光を喰らい尽くし――射線上にある全てを消し去りながら、驚嘆する碎輝を捉えた。
「はは……流石だ……!」
口元に恐怖でなく歓喜の笑みを浮かべ、碎輝は避けようともせずに虚無の雷を受けた。
消滅こそは免れたものの身にまとう虞は大幅に弱まり、骸魂の気配も薄くなっていく。これほどの力であれば、必ずや『大祓骸魂』にも――彼はその確信を深めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
カタリナ・エスペランサ
【天魔】
親分だけあって話が分かるね
ああ、アタシたちはどこまでも強くなって未来を掴んでみせる!
相手UCに対してはアタシもカイムさんにオール・イン。
折角の共演、一蓮托生も悪くない
カイムさんと同時に真の姿を解放し《限界突破》、【天災輪舞】発動して加速
《捨て身+切り込み》で有利な間合いまで飛び込み《早業+怪力》の連撃を放つよ
攻撃に纏わせ刻み込む蒼雷は《属性攻撃+継続ダメージ+マヒ攻撃+焼却》、
敵を滅ぼすまで焼き続ける屠神の粛清権能さ
相手が立て直す動きの要を《見切り》刻んだ蒼雷を《封印を解く+破壊工作》の要領で解放・爆破
これで《体勢を崩す》事で仕上げの合図
《武器改造》で錬成した《神罰》の大剣を叩き込む!
カイム・クローバー
【天魔】
未来だけじゃねぇさ。妖怪たちの命も。この世界も。俺達の手で掴んで見せるぜ。
碎輝の視線と注意を俺に引き付ける為に【挑発】。二丁銃を持った両手を広げて、【悪目立ち】。
――見たいんだろ?成長を。俺達はアンタを越えるぜ。(真の姿解放)
紫電の放射に銃口向けて銃弾のUC込みの【クイックドロウ】で撃ち落としていく。クソ高い銀の銃弾の大判振る舞い。報酬は絶望的に期待できなくなるが――美人の相棒の命がチップに乗ってると思うと、安く感じるモンだ。
カタリナが碎輝に到達次第、援護しながら合図待ち。
体勢が崩れた碎輝を前に、神罰の大剣に合わせて増幅させた紫雷の【属性攻撃】と【焼却】の銃弾を挟撃の形で叩き込む。
「素晴らしいな、猟兵……だが、もっとだ! お前達の成長をもっと見せてくれ!」
成長こそが『大祓骸魂』を倒すために必要な事だと、竜神親分・碎輝は高らかに叫ぶ。
激闘によりその身体には幾つもの傷が刻まれ、表情にも疲労の色は濃いが、その気迫はいや増すばかり。これもまた常に成長を続けるという、彼の能力のなせる業だろう。
「親分だけあって話が分かるね」
そんな最弱にして無限なる竜神を超えるために、最弱封印の祠を訪れたのはカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)。世界を守るために猟兵の成長の糧となるのが彼の望みなら、こちらも全力をもって応えるのが礼儀だろう。
「ああ、アタシたちはどこまでも強くなって未来を掴んでみせる!」
「未来だけじゃねぇさ。妖怪たちの命も。この世界も。俺達の手で掴んで見せるぜ」
カタリナと共にやって来たカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)も、ニヤリと余裕の笑みを浮かべて言う。その表情は自信に溢れ、自分達の勝利を微塵も疑わない。
「その意気だ! 昨日よりも今日、今日よりも明日! お前達の成長が未来を作る!」
彼らが幽世と地球の命運を託すに足ると認めながら、碎輝は紫電の魔法陣を展開する。
無限の成長を一撃必殺の力に変えた紫電の放射【サンダーエンブレム】。薄闇に満ちたカクリヨファンタズムの最深層を真昼のごとく照らしながら、稲妻の嵐が猟兵を襲う。
「ここは俺に任せて貰おうか――見たいんだろ? 成長を。俺達はアンタを越えるぜ」
碎輝の注意を引き付けるために、カイムは双魔銃「オルトロス」を持った両手を広げ、あえて悪目立ちする。同時に解放された彼の真の姿は、全身を黒い装甲で覆い、背中には黒翼を生やした、まるで悪魔のような姿であった。
「アタシもカイムさんにオール・イン。折角の共演、一蓮托生も悪くない」
ともに真の姿を解放し、虹色の翼と光輪と大剣を備えた女神の姿となったカタリナは、頼れる相棒に守備を託す。この便利屋の男は賭ける代償が多ければ多いほど力を発揮し、時に天運さえ味方につけてあらゆる困難を乗り越えることを、彼女はよく知っていた。
「さぁ、準備は良いかい? Heads or Tails?」
【表か裏か】の大勝負に臨んだカイムは、紫電の放射に銃口を向けてトリガーを引く。
獣の咆哮にも似た銃声を上げて、放たれた弾丸が紫電を弾く。稲妻の速さで飛んでくる攻撃をクイックドロウで撃ち落とす、まさに神業と呼ぶに値する芸当。
「いいな! だが、お前達ならもっとやれるだろう?」
碎輝はその業前にいたく感心しつつも、攻撃の手を緩めない。放射される紫電の本数は加速度的に増加し、標的に容赦なく降り注ぐ。息を吐く間もない程の超高速連続攻撃に、カイムは全身全霊と惜しみないリソースの投入で食らいついていく。
(クソ高い銀の銃弾の大判振る舞い。報酬は絶望的に期待できなくなるが――美人の相棒の命がチップに乗ってると思うと、安く感じるモンだ)
どだい出し惜しみして勝てる相手ではないし、勝てたところで誰も満足しないだろう。
相棒からの信頼を裏切らないためにも、カイムは素寒貧覚悟で銀弾をばら撒いていく。まあ正直ちっとばかり懐は痛いが、ここで見栄を張らずしていつ張るというのか。
「そら行けよ、カタリナ」
「ああ、最っ高のパフォーマンスで魅せてあげるよ!」
カイムと碎輝の攻防が拮抗している間に、カタリナは【天災輪舞】を発動。自身と同化した魔神"暁の主"の権能がひとつ、神殺しの蒼雷をその身に纏い、全速力で翔けだした。
「そっちも来たか!」
限界を超えた加速を見せる魔神の娘を、碎輝は紫電の連続放射で撃墜しようとするが、カイムの銃撃がそれを許さない。銀色の弾幕に守られながら有利な間合いまで飛び込んだカタリナは、蒼い雷を纏った羽を散弾のように上空から放った。
「この蒼雷は敵を滅ぼすまで焼き続ける、屠神の粛清権能さ」
彼女に憑いた唯我独尊なる神は、己と異なる体系に属する神々を断じて神と認めない。
竜神の大親分に襲い掛かる蒼雷の羽弾は、そんな魔神の怒りを示すように触れたものを焼き焦がす。神を冠する(魔神にとっては僭称者だが)者にとっては痛恨のダメージだ。
「異世界の神の力か……これはちと、ヤバいな!」
神殺しの蒼雷の危険性を察した碎輝だが【サンダーエンブレム】には途中で攻撃を中止できない弱点がある。なんとか紫電の放射の矛先を変え、体勢を立て直そうとするが――上空にいるカタリナはその動きの要を見切り、彼に刻んだ蒼雷の魔力を解放する。
「さぁ、仕上げの合図だよ」
「ぐわッ?!」
直後、碎輝に突き刺さった羽が一斉に爆発し、蒼雷と炎熱と爆風で彼の体勢を崩した。
それは今まで守備に徹していたカイムには待ち望んでいた合図。脅威となる紫電の放射が止んだ絶好の機会に乗じるべく、双魔銃に雷と炎の魔力を込める。
「こいつでショーダウンだ」
「格好良く決めるよ!」
吼え猛る魔銃より紫電と焼却の銃弾が放たれ、神罰の大剣を構えた魔神が天を翔ける。
【天魔】を号する二人の挟撃は、寸刻の狂いもないタイミングで標的に叩き込まれ――炎よりも赤い鮮血が、碎輝の体から散った。
「が、は……ッ! 最ッ高だぜ、お前達……!!」
熱量と感電、銃撃と斬撃、神罰と魔障。その全てのダメージを同時に受けては竜神とて堪るまい。自らの「成長」と未来の可能性をしかと示してみせた二人の猟兵達に、碎輝は惜しみない称賛を送るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
【真祖の吸血姫】を発動し、真の姿を解放。
敵の紫電の槍を【見切り】と真の姿による超速飛行、【念動力】による牽制で回避し、一撃に全てを賭けて真祖の魔力と力の全てを魔槍に限界を超えて超圧縮【限界突破】【力溜め】。
敵の攻撃に合わせ、全速力の超高速で突っ込みながら、相打ち覚悟で真正面・零距離から自身の限界を超えた最大の一撃を放って【神槍グングニル】を碎輝に叩き込むわ!
貴方の成長は確かに脅威…。だけど、わたし達にもこれまで培ってきた力と心がある!
その全てを貴方に叩き込んであげる!
※元々真の姿はUCで解放するのと同じ
「我に眠る全ての力……真祖の姫たる我が真の力を今ここに!」
超電竜撃滅形態と化した竜神親分の放つ膨大な虞。フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)はその影響も利用し【真祖の吸血姫】の真の姿を解放する。
莫大な魔力があふれ出し、背中には四対の真紅の翼が生え、背丈も伸びて17~8歳ほどの外見まで成長を遂げる。真祖の血統に連なる姫君として、より美しさと妖艶さを増したその姿からは、誰も目を離すことができないであろう。
「吸血鬼か……すげぇ力だ……!」
西洋妖怪の中にも吸血鬼を称する者はいる。だがこれほどの力を持つ者と出会った事は碎輝も無いだろう。異世界の吸血姫にして猟兵の力は、彼を期待させるのに十分だった。
「いいな! 見せてくれよ、お前の力を!」
【撃滅放電槍】を発動し、紫電を帯びた槍で突き掛かる碎輝。無限の成長を一撃必殺の力に変えた今の彼の攻撃は、ただの一突きでも敵を屠る力を持っている。真の姿となった猟兵であろうとも、まともに受けるのは危険だろう。
「貴方の成長は確かに脅威……。だけど、わたし達にもこれまで培ってきた力と心がある!」
フレミアは紫電の槍が描く軌跡を見切り、瞬間移動かと見紛う速さで上空に身を躱す。
全ての力を解放した今、彼女の膂力、飛翔力、速度等の戦闘力は爆発的に増している。資質や才に恵まれただけでは届かない高み。数多の研鑽と経験あればこそ引き出せる力。
「その全てを貴方に叩き込んであげる!」
固い決意を念動力に変えて、敵を牽制するフレミア。彼女が握りしめる真紅の槍に膨大な魔力が集束していくのを感じた碎輝は、それが己と同じ一撃必殺の構えであると悟る。
「そう来なくちゃな……最ッ高だぜ!!」
ただ一撃に全てを賭けて、真祖の魔力と力の全てを魔槍に込める吸血姫。対する碎輝は望むところだと言わんばかりに、成長を続ける自らの虞と紫電を撃滅放電槍に集中する。どちらも小細工を使うつもりは一切ない。互いの"成長"と"力"を賭けた一発勝負だ。
「全てを滅ぼせ、神殺しの槍……!」
フレミアは限界を超えて圧縮された魔力が形成する【神槍グングニル】を構え、碎輝が攻撃体勢を取るのに合わせて全速力の超高速で突っ込んだ。相打ち覚悟の真正面、護りを捨てた特攻に、敵も受けて立つと不退転の構え。
「昨日よりも今日、今日よりも明日……俺の今日を超えてみせろッ、猟兵!!」
渾身の力で繰り出された撃滅放電槍が、飛び込んできたフレミアの胴体に突き刺さり、雷霆にも勝る紫電が骨の髄まで伝わる。だが同時にフレミアも自身の限界を超えた最大の一撃を、防ぎようのない零距離から叩き込む。
「……この一撃が、わたしの全力よ!」
力、技、そして心。持てる全てを賭して放った神槍が、最弱の竜神親分・碎輝を穿つ。
最弱ゆえにどこまでも成長を続けるかの者をもってしても、吸血姫が培ってきた全てを超えることはできなかった――結果は相打ち。だが膝を突いたのは一方のみ。
「すげえぜ……お前。そのまま、超えていけ……!」
彼女はこれから先も、ずっと果てしない高みに登れる。腹に穿たれた傷を押さえながら碎輝は確信していた。それこそが『大祓骸魂』にも持ち得ない未来の可能性なのだから。
大成功
🔵🔵🔵
雛菊・璃奈
貴方の期待、必ず応える…!
真の姿解放し、更に【九尾化・天照】封印解放…!
雷の速度は秒速200km程…確かに早いけど、光速には及ばない…!
光速で動き回り、攻撃を回避しながら【力溜め、鎧砕き、呪詛、切断】竜殺しのバルムンクで攻撃…。
回避しきれない攻撃はアンサラーで反射【呪詛、オーラ防御、武器受け、カウンター】(アンサラーでも受けきれない場合は最低限受け流し)して敵の隙を伺い戦闘…。
更に加速度的に増加する碎輝の雷光の光を天照の力で収束…!
バルムンクに力を集束させ、バルムンクに魔剣と光の最大級の力を込めた【ultimate】の一撃を碎輝に叩き込むよ…!
※真の姿
濃密な呪力のオーラを纏い、尻尾が九尾に変化
「貴方の期待、必ず応える……!」
無限の成長さえも超える「成長」を猟兵に望む竜神親分に、雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)は毅然と応じた。膨大な虞の影響を受けた彼女の尻尾は九尾に変化し、濃密な呪力のオーラを纏っている。これが妖狐たる彼女の真の姿なのだ。
「我らに仇成す全ての敵に太陽の裁きを……封印解放……!」
さらに彼女は【九尾化・天照】の封印を解き、大いなる太陽神の名を冠する力を得る。
銀色だった髪と尾は黄金に染まり、呪力と共にあふれ出す光が幽世の最深層を照らす。それは百鬼夜行の終わりを告げる、夜明けの太陽を暗示するかのようだった。
「ああ、お前達なら絶対にやれる。頼んだぜ!」
猟兵に絶大な信頼を寄せるがゆえに、碎輝は一切手心を加えない。本気の殺意を込めた【サンダーエンブレム】を発動し、紫電の放射による超高速の連続攻撃を仕掛けてくる。
だが。真の姿と天照の力を解放した璃奈は、目にも止まらぬスピードでこれを避ける。戦場を馳せる稲妻さえも追いつけない驚異的な速さ。それが今の彼女の戦闘速度だ。
「雷の速度は秒速200km程……確かに早いけど、光速には及ばない……!」
1秒で地球を7周半するという光の速さをもって、加速度的に数を増す紫電を避けまくる金髪金毛の妖狐。そのまま碎輝との間合いを詰めた彼女は、竜殺しの魔剣「バルムンク」に呪力を溜め、渾身の力で振り下ろした。
「ぐっ……メチャクチャ速え! しかも、この剣は……!」
屠竜の呪詛を宿した魔剣バルムンクは、竜神の鱗だろうと凄まじい切れ味で切断する。自分とは相性最悪の武器で攻撃された碎輝は顔をしかめ、紫電の放射速度を加速させた。
璃奈は一太刀見舞うと即座に離脱し、光速のまま戦場を動き回る。このままスピードで相手を圧倒できれば理想的だが、そう上手くいくほど容易い相手ではないだろう。
「紫電の放射……まだ増え続けるんだね……」
膨大な数と密度でそもそもの避けるスペースが失われてしまうと、たとえ光の速さでも回避しきれなくなる。その場合は逆手に構えた報復の魔剣「アンサラー」で跳ね返すが、無限に成長する紫電がいずれ魔剣でも受けきれない威力となるのは明白であった。
「俺は光よりも速く成長する……お前はどうだ!」
持てる手札を尽くして隙を伺う魔剣の巫女に対し、碎輝はなおも紫電を放射し続ける。
サンダーエンブレムによる連続攻撃は途中で止められない。相手に紫電を反射されても回避できないのだが、彼は自らの雷を浴びながらも愉快そうに笑って猛攻を加速させる。
これが最弱と謳われながらも最も危険視された妖怪親分の力。だが、増え続ける紫電の輝きが戦場に満ちる時、それは璃奈にとって反撃の好機であった。
「ならわたしは、貴方の光を糧にする……!」
光を自在に操る天照の力で、碎輝が放つ雷光を収束。バルムンクに集束させることで、竜殺しの魔剣は光の魔剣と化す。何万何億という数の紫電をひとつに束ねたその輝きは、戦場を真っ白に染め上げ――あまりの眩さに碎輝の目がくらむ。
「全ての呪われし剣達…わたしに、力を……。その力を一つに束ね、無限を超える究極の終焉を齎せ……!」
碎輝の視線が外れた一瞬の隙を突いて、璃奈は【ultimate one cars blade】を発動。
魔剣の巫女の一族が祀る全ての魔剣・妖刀の力を一つに集束し、バルムンクに乗せる。雷光と重ねがけされたその刀身に宿るのは、間違いなく今の彼女に可能な最大級の力。
「これで……!」
期待に応えんとする強い意志のもと、叩き込まれた渾身の一撃は過たず碎輝を捉える。
ただ一太刀に集約された絶大な魔と光の力を受け、竜神親分の身体から鮮血が迸った。
「よく、やった……! 期待以上だ……!」
斬り伏せられた碎輝は血溜まりに屈し、肩で息をしつつも会心の表情で璃奈を讃える。
これほどの力であれば、あの『大祓骸魂』にも彼女の魔剣は必ず届く。期待した可能性がそれ以上だった喜びに比べれば、深手を負った身体の痛みすら些細なものであった。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
最弱封印の祠…碎輝様はご自身を、危険な切り札と仰られましたね
此度の戦が勝利に終わっても、未来の危機の為に再びお眠りになるのですか
不遜な仮定ですが
戦機の騎士として貴方と同じ選択をするでしょう
ですが
…悔しいのです
明日を得たカクリヨに、貴方の姿が無い事が…!
真の姿
騎士甲冑模した装甲外れ黒いフレーム剥き出し
私は人の業が生みし機械
何時か頭打ちが訪れるでしょう
それでも、新たな命が紡ぐ未来の礎に…
貴方の力が不要となる明日へ繋ぐことは出来ます!
その為に…今この時、貴方を越えます
咆哮
当たれば敗北
滅びの光潜り抜け接近
剣…己が膂力で一振りで折れ
盾も割れ
振るう拳も二の腕まで砕け
残る腕で捕まえて、放った頭突きも砕け散り
「最弱封印の祠……碎輝様はご自身を、危険な切り札と仰られましたね」
猟兵と竜神、両者の「成長」に伴い激化する戦闘の最中に、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)はひとつの懸念から問いを発した。どこまでも再現なく成長を続ける存在とは、確かに危険視され封印されるのも納得ではあるが――。
「此度の戦が勝利に終わっても、未来の危機の為に再びお眠りになるのですか」
「さて。どうだろうな」
ひょいと肩をすくめて、返答を濁す碎輝。自身の能力が一歩誤ればそれこそ世界を脅かしかねない危険な可能性であることは、本人がよく分かっている。今回のような事件でも無ければ、彼は再び星辰が揃い、大いなる戦いが始まる時まで眠り続けていたのだろう。
「不遜な仮定ですが、戦機の騎士として貴方と同じ選択をするでしょう」
平和になった世界において、過剰な力は逆に不安定をもたらしかねない。自らも戦うために開発された種族であるトリテレイアは「封印」という措置に合理性を認めながらも、ですが、と感情のままの言葉を口にする。
「……悔しいのです。明日を得たカクリヨに、貴方の姿が無い事が……!」
居た堪れない想いに打ち震える彼の機体から騎士甲冑を模した装甲が外れ、内部の黒いフレームが剥き出しになる。これが彼の真の姿――どれだけ外装を取り繕おうとも、本性は冷たい機械兵器。だが、その電脳に宿った魂と信念に偽りはなかった。
「猟兵ってのはお人好しが多いんだな」
騎士の心情を聞いた碎輝はふとそれまでとは違う穏やかな表情を浮かべ、笑いかける。
眠りから目覚め、大祓百鬼夜行の一員となった時点で死ぬ覚悟はとっくにできている。だが、こんな形で自分の行く末を案じられるとは思わなかったし、新鮮な喜びがあった。
「まあ、後の事は後で考えればいいいのさ。今日を全力で成長しないやつに、明日の成長はないんだぜ!」
無限成長の能力者らしい前向きな考えのもと、竜神親分は【滅びの光】の構えを取る。
どの道この戦争に勝利しなければ、眠りにつくだの考える余地もないのだ。彼の意志が固いことを改めて理解し、トリテレイアも剣と盾を構えた。
「私は人の業が生みし機械、何時か頭打ちが訪れるでしょう。それでも、新たな命が紡ぐ未来の礎に……貴方の力が不要となる明日へ繋ぐことは出来ます!」
規格化された兵器としての限界を感じながら、それは「今」ではないと決意を表明するトリテレイア。ふたつの世界に破滅をもたらさんとする『大祓骸魂』を必ずや討ち祓い、妖怪や親分達のためにも幽世に平和をもたらしてみせよう。
「その為に……今この時、貴方を越えます」
膨大な虞と雷をまとう竜神の大親分の元へ、臆さず前進する。超電竜撃滅形態と化した彼が放つドラゴンブレスは一撃必殺の大技だ。もしも当たれば敗北は免れないだろう――なればこそ彼の期待に応えるためには、正面から越えてみせねばならないのだ。
「ああ……見せてみろ、お前の成長を! これが俺の、全力だッ!!」
解き放たれる雷の吐息。瞬時に成長し自ら増殖する稲妻の奔流が、巨大な光芒となってトリテレイアに迫る。威力、速度、規模、いずれも絶大。直撃は不可避かと思われた刹那――彼は、吼えた。
「遘√?鬨主」ォ縺ァ縺ゅj縺溘>窶ヲ窶ー!」
【焦がれるは御伽の騎士】。絶叫のような言葉にならぬ電子音の咆哮が、戦場に轟く。
それは決定的に不利な状況を覆す最後の手段。御伽の様に輝けぬなら、我が身を薪に。炉心を燃やして駆動、演算速度、出力向上。限界を越えた速さで滅びの光を潜り抜ける。
「越えたか……!!」
手加減抜きの必殺技を突破された碎輝は、犬歯を剥き出しにして満足げな笑みを見せ。そんな彼の元に剛速で接近したトリテレイアは、手にした儀礼剣を力任せに振り下ろす。
「縺願ヲ壽ぁ繧!」
暴走にも等しい膂力で叩きつけられた剣は一振りで折れ、乾いた金属の悲鳴を上げる。
焦がれし戦機は過剰運転する炉心の唸りを響かせ、武装の破損にも構わず追撃を行う。盾も割れ、振るう拳も二の腕まで砕け、それでも心が燃えている間は痛みすら感じない。
「が、はっ……すげぇぜ、お前」
圧倒的な暴威に晒されよろめく碎輝。深手を負った彼の体を戦機の残る腕が捕まえる。
剣も盾も、殴りつける拳さえも破損した彼は、頭部のカメラアイを爛々と輝かせながら渾身の頭突きを放つ――。
「蜈ア縺ォ譛ェ譚・縺ョ遉弱→縺ェ繧翫∪縺励g縺」
ぐしゃり、と鈍い音を立てて、碎輝の頭蓋とトリテレイアの頭部は双方ともに砕けた。
それを最後に、糸が切れたように倒れ込む両者――文字通り精根尽き果てるような戦いを見せたトリテレイアに、碎輝は頭から血を流しながらも「やるじゃねえか」と笑った。
大成功
🔵🔵🔵
エルス・クロウディス
懐かしい名前に、懐かしい姿で挑むことになるな。
まぁ、黒髪青眼に戻って、服装が若干都会っぺくなっても、あちらさんには覚えがないだろうが。
さて。
「……昔失敗したあれ、いってみるか」
体勢低く、左手は大地を掴み、右手は槍を抱え込むように。
片手のクラウチングスタートに近い構え。
ただ一撃のための、前準備。
真の姿があるなら、
「回帰顕現――――久々の出番だ、相棒!」
自動防御する外套、召喚獣ダークネスクロークを呼べる。
ま、全部は防げないだろうけど、<激痛耐性>で耐えられるだけ攻撃を弾き、同時にその残滓を攻撃の充填に利用。
<カウンター>として収束、先鋭した最大出力の<属性攻撃>、雷槍の<投擲>をお見舞いしてやる!
「懐かしい名前に、懐かしい姿で挑むことになるな」
今や過日の思い出となった記憶を刺激する「碎輝」という名に、エルス・クロウディス(昔日の残響・f11252)は懐かしむような表情を見せた。虞の影響によって彼の外見は真の姿である黒髪青眼に戻り、服装も若干都会的になっている。
「まぁ、あちらさんには覚えがないだろうが」
「おう……? どっかで会ったか、お前?」
幽世の最深層で眠りについていたこの世界の碎輝には、エルスとの面識は記憶にない。
それも仕方のない事だろう。今は自分も猟兵として、ふたつの世界を守るのが最優先。そのために「成長」の必要があるのなら――過去の自分を越えてみせよう。
「さて。……昔失敗したあれ、いってみるか」
体勢低く、左手は大地を掴み、右手は槍の形をした「骸装:闇套」を抱え込むように。
片手のクラウチングスタートに近い構えを取り、エルスは正面にいる敵を狙い定める。これはただ一撃のための、前準備。
「面白え……どんな技を使うのか、見せてもらおうか!」
並々ならぬ気魄が彼の総身に漲っているのを、碎輝も感じ取ったらしい。負けじと己も【サンダーエンブレム】を発動、超高速連続攻撃の構えを取る。超電竜撃滅形態となった竜神の大技、食らえば無事では済まないことは、彼もよくよく知っているだろう。
(真の姿があるなら、こいつを呼べる)
碎輝の周りに展開された魔法円から、無数の紫電が放射された瞬間。エルスは己の魂の中にある回廊にて眠るもの呼びかけ、自らの半身、あるいは眷属、もしくは武具を喚ぶ。
「回帰顕現――――久々の出番だ、相棒!」
自動防御する外套、召喚獣ダークネスクロークと彼は呼ぶ。影の中から出現したそれはエルスのすぐ後ろに位置し、闇色のマントを広げて紫電を弾き返した。正面からだろうと死角からだろうと関係なく、その召喚獣はあらゆる角度と種類の攻撃に対応する。
「へえ、すげえじゃねえか!」
本気の攻撃が弾かれたことに感心しながらも、碎輝はサンダーエンブレムを続行する。
紫電の放射量は加速度的に増え、避けられても中断されることはない。いかにエルスの召喚獣が防御に秀でていても、いずれは防ぎきれなくなるだろう。
(ま、全部は防げないだろうけど)
そのことは彼も織り込み済みで、防御の隙から漏れてくる紫電を耐えられるだけ弾き、同時にその残滓を攻撃の充填に利用。構えを崩さずに収束させた力を黒槍の矛先に集め、一気に最大出力まで持っていくと――全身のバネと筋力を駆使して、投げ放つ。
「ぃいっけえッ!」
【聿氣統穿】の溜めに要した時間は十分。碎輝の紫電を収束することで完成した雷槍の投擲は、本物の稲妻もかくやという勢いで戦場を翔け抜けていき、黄金色の軌跡を残す。
「マジかよ……ッ、がはあっ!!!!?」
自分の力を利用されたこと、それを上回る「成長」を見せつけられたこと。二重の驚きに打ちのめされながら、碎輝は骸装の雷槍に貫かれた。稲妻に打たれるよりも遥かに強い衝撃が全身を巡り――流石だぜ、とエルスを讃える言葉を残して、彼は膝を屈した。
大成功
🔵🔵🔵
メリー・ブラックマンデー
(アドリブ連携歓迎)
親分だけあって滅茶苦茶ね…!でもこの全力は私達が乗り越えると信じるが故の全力。
猟兵として、カクリヨの住民として…いつか訪れる時の名を持つ竜神として、応えぬ訳にはいかないわ!
真の姿…翼持つ蛇竜の姿となり、<第六感>で紫電攻撃を読むわ。
数と速度で攻めてくるでしょうし、一筋縄とはいかないでしょうけど…
起点となる点さえ捉えたなら、『竜眼』で電流の流れを予測することはできるはず!
翼の<空中浮遊>、『ラケシス』の加速効果も駆使して振り切ってみせるわ!
『アルテミス』!我が頭上遥かで光輝きなさい!
今の姿なら巨影と言える影が地に落ちるでしょう…さあ、今度は貴方が雷の<神罰>を落とされる番よ!
「親分だけあって滅茶苦茶ね……!」
遠慮も容赦も手加減もなく、ひたすら全力で猟兵と激闘を繰り広げる竜神親分・碎輝。
成長を続けるその力も滅茶苦茶なら、これを越えて勝ってくれというのも相当無茶振りだとメリー・ブラックマンデー("月曜日"がやって来る・f27975)は思う。
「でもこの全力は私達が乗り越えると信じるが故の全力。猟兵として、カクリヨの住民として……いつか訪れる時の名を持つ竜神として、応えぬ訳にはいかないわ!」
「おう、その通りだ! 来いよ同胞、俺に"明日"を見せてみろ!」
真の姿たる翼持つ蛇竜の姿となり、堂々たる決意を示す"月曜日"の竜神に、碎輝も残された力を振り絞って応じる。激戦により体力も虞も相当に消耗しているはずだ。恐らくはこれが決着をつける最後の激突になるだろう。
「いくぜ……俺の全力、避けられるものなら避けてみろッ!」
虚空に描かれた【サンダーエンブレム】より、放射される無数の紫電。さながら雷の嵐と呼ぶべき超高速連続攻撃を、メリーは第六感を研ぎ澄ませて読み解き、回避を試みる。
(数と速度で攻めてくるでしょうし、一筋縄とはいかないでしょうけど……起点となる点さえ捉えたなら、電流の流れを予測することはできるはず!)
人々が一日の大切さを忘れてしまったせいで、時の竜神の力は見る影もなく衰えた――だが彼女の「竜眼」はまだ曇ってはいない。時の流れさえも見極めるその眼力をもって、電流を見切り、回避する。紫色の翼を広げ、まるで宙を舞うように優雅に、鮮やかに。
「まだまだいくぞッ!」
「来なさい! 全て振り切ってみせるわ!」
加速度的に数を増す紫電の放射に、メリーは神器『ラケシス』の効果を駆使して対抗。
自らの刻を加速させることで稲妻すらも追いつけないスピードに達し、蛇体をうねらせ紫電の隙間を縫う。親分の力を実感しつつも、決して譲らないプライドがそこにあった。
「そうだ、もっと速く、もっと強く! この俺にも追いつけないほどにッ!」
一瞬たりとて停滞しない時の竜神の飛翔を、碎輝は歓喜の笑みをもって見つめていた。
弛まず進み続ける時の流れのように、ヒトも、妖怪も、神さえも進歩する。それは彼が求める「成長」の可能性そのものだ。大いなる邪神を討つにはその力こそが必要なのだ。
「『アルテミス』! 我が頭上遥かで光輝きなさい!」
絶え間なく継続される紫電の放射の中、メリーは空中にて翼と身体を大きく広げると、月光珠『アルテミス』に照らせと命じる。その輝きは"月曜日"の竜の力を増すとともに、巨影と言える大きさの影を地に落とす。
「首を垂れて地を見なさい、貴方はもう私の領域に足を踏み入れているのよ」
「うお……ッ!?」
普段の少女の姿でなく今の姿なら、碎輝をすっぽりと影の範囲に入れることができる。
影を見よ、時を知れ、【晷針示すは我が威光】。かつて誰もが虞れ敬った時を司る竜、その神威の一端がここに再演される。
「さあ、今度は貴方が雷の神罰を落とされる番よ!」
メリーが高らかに吼えた瞬間、それまでの紫電すらかき消すような雷が天より落ちる。
それは地上にいる碎輝の元に一直線に降り注ぎ――戦いに終わりの刻を告げる雷鳴が、最弱封印の祠に響き渡った。
「ああ……最ッ高だ、お前達……後は、任せた、ぜ……」
神雷に打たれた碎輝はその言葉を最後に残し、ふっと全身から力を抜いて倒れ込んだ。
生きているようだが、激戦で文字通り精も根も尽き果てたようだ。取り憑いていた骸魂の気配も消えており、しばらくは戦えるような状態ではなかろう。
――かくして最弱にして無限の可能性を持った竜神親分に勝ち、成長を遂げた猟兵達。
碎輝から信頼と力を託された彼らは、雲の道をたどって次なる戦場に向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵