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大祓百鬼夜行㉑〜その名は“Null(ミエザルモノ)”

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行 #UDC-Null

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#大祓百鬼夜行
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 識別コード『UDC-Null』……すなわち骸魂と合体した妖怪を指し示す。
 今までは“存在しないもの”として語られ続けてきた。
 何故ならば、UDCアースでは“姿が見えない”からだ。
 視認できない、認識できない、つまり存在しない。
 そう言われ続けてきたし、それを疑いもしなかった。
 だが実際は、それが忘れ去られた存在である『妖怪』という種族だったということ。
 故に、UDCアースに舞い戻った『UDC-Null』の集団は、怒りに満ちていた。
「オラは此処にいるど!」
「誰も気付かないとは失礼だぞ!」
「もう怒ったどー!」
 何をトチ狂ったのか、『UDC-Null』の集団は人類防衛組織『UDC(アンダーグラウンド・ディフェンス・コープ)』の支部のひとつへ忍び込み、姿が見えないことを良いことに悪事を働き続けだしたのだ。
「一体、何が起きてるのだ? グワーッ!」
 男性職員が“見えない塊”に弾き飛ばされ、壁に減り込んで意識を手放してしまう!
「いやァァァ! アッ、ンアーッ! ごめんなさい、ごめんなさい!」
 なぶられ痛めつけられる女性職員の悲鳴が轟く!
 なんて下劣な『UDC-Null』の所業か!
「グヘヘヘ! 今のオラは無敵だど!」
「もっとこっちの奴らに復讐するど!」
「飯も美味いど! 今日からここを、オラ達のアジトにするど!」
 調子に乗って、どんどん悪事がエスカレートしてゆく!
 見えざる脅威に、UDC組織は為す術もなく壊滅するのだった……。

「可及的速やかに、この外道妖怪をぶん殴って来て下さいませ。ASAPですわ」
 笑顔を引き攣らせる蛇塚・ライム(その罪名は『憤怒』/IGNITE POP DiVA・f30196)は、グリモアから投影された凄惨な事件の一部始終を猟兵達へ見せ終わると、早速、今回の任務内容の説明を始めた。
「場所はUDCアースの某所にある、UDC組織の支部ですわ。大祓百鬼夜行の大異変が、ここまで被害が及んでいるようですの」
 猟兵は妖怪を視認できるが、UDCアースの職員や戦闘員は『UDC-Null』を目視できない。だから、猟兵が彼らに指示を出して対抗せねばならない。
「数が多いのが厄介ですけど、上手く職員や戦闘員の方々へ猟兵の皆様が指示を出せば、あっさりと誘導されて一網打尽にできると、予知で判明してますわ。ですので、思う存分、調子に乗ってる外道妖怪達にお灸を据えて下さいまし!」
 幸いにも『UDC-Null』は個体としての実力はかなり下、つまり、駆け出しの猟兵でもワンパンチで骸魂を破壊できてしまう。
 更に今、転送すれば、UDC組織が襲撃された直後に間に合うのだという。
 組織内の人員への最適な指示を行いながら、監視カメラ等を活用して『UDC-Null』を発見してもらいたい。
「この騒動を完全に抑えられたら、集積したデータでメカニック達が超常光線砲『U.D.C(アンリミテッド・ディヴァイン・キャリアー)』を作ってくださるそうですわ! ぜひとも頑張りましょうね!」
 ライムがグリモアを起動させ、猟兵達をUDC組織へ転送してゆく。
 猟兵達よ! 妖怪達の悪事を阻止して、大祓最終決戦を有利にするのだ!


七転 十五起
 姿が見えない敵って怖いですね。
 ラビットプロトコ……じゃなかった、猟兵~早く来てくれ~!
 なぎてんはねおきです。

●プレイングボーナス
 UDCエージェント達に指示を出し、妖怪を誘導する。

 妖怪は全部で4体います。
 基本的にひとつの集団で行動してますので、猟兵側が分断しなければ常に一緒です。
 更に、それぞれの個体が最弱に等しいため、一網打尽が可能です。
 ただし、逃げ足は疾風迅雷の如く速いです。
 上手く職員や戦闘員の方へ指示を出して、一箇所へ追い込んでゆきましょう。

●その他
 早期完結を目指しております。
 採用人数は必要最低限とさせていただきます。
 御了承下さいませ。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 冒険 『UDC組織での戦い』

POW   :    直接戦闘要員に指示を出す

SPD   :    施設の管理要員に指示を出す

WIZ   :    エージェントやメカニックに指示を出す

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

純・あやめ
警告します!今すぐに無駄な抵抗は止めなさい!
さもなくば不法侵入と暴行および傷害の現行犯で強制調伏を執行します!
『まぁ、降伏しても調伏はするんだけどね』
【カキツバタ】、余計な事は言わない!

『で、やっぱり抵抗するみたいだけど?』
なら「緊急事態空域」で妖怪たちだけを行動阻害するよ
砂塵が積もればUDC職員さんたちでも敵の場所は大まかに分かるでしょ
あとはリフレクターコインで立体跳躍を繰り返して敵を攪乱しつつ追い込もうか

『砂塵の後片付けが大変な事になりそうねぇ』
怪我したり施設が破壊されるよりはいいでしょ?
みんなでやればあっという間に終わるだろうし
『みんなって私も含まれるのね…やれやれだわ』



 UDC組織に侵入した妖怪4体は、姿が見えないことをいいことに職員へ襲い掛かっていた。
「フィーヒヒヒ! ニンゲンの女は美味そうな匂いだ、フィーヒヒヒ!」
「いやーっ! 服が、勝手にっ!?」
 妖怪に服の裾を破かれる女性職員!
「何が起きてるんだ? とにかく、早くこっちへ!」
 男性職員が救助に向かおうとするが……。
「邪魔するんじゃないど!」
 妖怪の蹴りが男性職員の脇腹に炸裂!
「がはッ!?」
 肝臓を強打された男性職員は、身体がくの字に折れ曲がったまま真横へ吹っ飛んでいった。
「グヘヘヘ! オラ達が見えないなら、存在感を示すまでだど!」
「まずはニンゲンの女をボロボロになるまで弄くりまわすど!」
「オラは色々壊して回るど!」
「じゃあオラは男を殺すど!」
 下品な笑い声さえも、UDC職員へは聞こえない。
 このまま、無音の殺戮が始まるかと思った、その時だった。
「とうっ!」
 バリーンッ!と唐突に割れる窓ガラス!
 そこから飛び込んできた猟兵の名は正義の味方こと純・あやめ(砂塵の衛士・f26963)!
「な、なんだど!?」
「窓から侵入してきたどっ!」
「大丈夫だど! きっとあいつもオラ達のことは見えてな……」
「警告します!今すぐに無駄な抵抗は止めなさい! さもなくば不法侵入と暴行および傷害の現行犯で強制調伏を執行します!」
「「見えてたどーっ!?」」
 あやめの言葉で、妖怪達は目の前の女が猟兵だと悟った。
 狼狽する妖怪達へ、あやめは再度警告を発した。
「繰り返します! そこの妖怪4体へ警告します! わたしは猟兵です! 無駄な抵抗をやめなければ、このまま強制調伏を執行します!」
『まぁ、降伏しても調伏はするんだけどね』
「カキツバタ! 余計な事は言わない!」
 黒のクイーンピースに宿る女悪魔カキツバタが、悪びれもなくしれっと言葉を漏らした。
 これに妖怪達は顔を青ざめ、くるりと踵を返す。
「「逃げるどーッ!!」」
「あ、待なさい! カキツバタ! 余計なことを言うから!」
『知らないって。で、やっぱり妖怪共は抵抗するみたいだけど?』
「……なら『緊急事態空域』で妖怪たちだけを行動阻害するよ」
 あやめは突風と砂塵を建物の中で発生させると、逃げる妖怪達だけを包み込んでゆく。
「な、なんだど?」
「頭がふらふらするど……」
「今度は頭上から強風がすごいど!?」
「前へ進めないど~!?」
 吹き荒れる砂塵には、浴びせられた対象の平衡感覚を狂わせる効果が籠められている。
 妖怪達は強風と砂塵に混乱し、その場をぐるぐると慌ただしく駆け回り、逃げ道を失っていた。
「UDC職員の皆さん、見て下さい! 降り注がれた砂が妖怪達の輪郭を浮き上がらせています!」
「な、なんと! もしかして、あれが『UDC-Null』なのか!?」
 存在しないと言われていた存在が実在していたことに驚くUDC職員たち。
 妖怪達を足止めしているあやめは、すぐに職員たちへ指示を出す。
「今すぐ、この先の区画を閉鎖して追い込んで下さい!」
「わかりました。聞こえたか? 3番から7番の通路を閉鎖してくれ!」
 施設区画の閉鎖命令がされると、遠くでガシャガシャと防壁が閉ざされる音が幾重にも響いていた。
「これでしばらくは一本道です!」
「ありがとうございます。いくよ、カキツバタ?」
『砂塵の後片付けが大変な事になりそうねぇ』
 ボヤく悪魔に、あやめがすかさず小言を漏らす。
「怪我したり施設が破壊されるよりはいいでしょ? みんなでやればあっという間に終わるだろうし」
『みんなって私も含まれるのね……やれやれだわ』
 逃げてゆく妖怪の背を、反発力場を発生させるクリーピングコイン亜種の群体であるリフレクターコインで足場を生み出して三次元立体駆動で追い掛けてゆくあやめとカキツバタ。妖怪達の最後尾へ目掛けて、スピリチュアル投げ手錠(ワッパ)を投擲!
「大人しくお縄に付きなさい!」
「アンギャーッ!?」
 右手首に掛けられた手錠が、ノロマな妖怪の捕縛に成功した!
「これで1体、と……」
「ゴベッ!?」
 特殊警棒で脳天を殴られた妖怪は、骸魂が砕かれて気絶してしまった。

 ……残る妖怪は、あと3体。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

ふむ、姿が見えない事を良い事に悪逆非道の行いをしているのか…
それは猟兵として懲らしめてやらないとな…

【結界術】で妖怪のみに反応する【破魔】の結界(壁)を形成しておこう
UDCの皆さんはそのまま素通り出来る(けれど、妖怪は素通りできない)形なら良さそうか
UDCの皆さんに声を掛けて、その結界を通過する形で逃げてもらえば、その壁の所で妖怪の侵攻は阻止出来るんじゃないかな?

もし結界の壁に妖怪がぶつかったら、その段階で破邪顕正を発動させよう
結界にぶつかった妖怪を行動不能に陥らせてそこをお仕置きだ!
【破魔】の刀でぶっ叩いて骸魂を除去してやる!
歯、食いしばれっ!これからお仕置きタイムだっ!



 混乱するUDC組織の施設内に駆け付けた鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は、砂まみれの廊下の感触を確かめながら、現在の状況をエージェントから聴取していた。
「……なるほど、だからこんなに砂まみれでしたか」
「ええ、おかげで多少は我々も姿を捉えられていたのですが……」
 言葉を濁すエージェント。
「砂を完全に払い落とした『UDC-Null』が、再び何処かへ逃げ込んでしまいまして……」
 その被害内容は、器物損壊、職員への暴行、食堂の食材を食い荒らす等、本能のまま暴れまわっているらしい。
 鳳凰院は表情を険しく、眉間にしわ寄せて腕を組む。
「ふむ、姿が見えない事を良い事に悪逆非道の行いをしているのか……それは猟兵として懲らしめてやらないとな……」
「ですが、奴らをどうやって見付ければいいのでしょうか?」
 エージェンのと疑問に、鳳凰院は首を横に振った。
「探すんじゃなくて、誘き寄せましょう。そのために、御協力いただきたいのですが……」

 準備を終えた鳳凰院は、協力してくれる3名のエージェントに頭を下げた。
「危険なことをお願いして、申し訳ありません。ですが、助かります」
「平気ですよー、いつも任務で正気を削られそうなことばっかしてますし……ははは……」
 乾いた笑いで視線を宙に浮かせる女性エージェント。
「我々は対UDCの捕獲プロトコルを習得しているUDC、エージェントです。自分の身くらい守れますので」
 ガタイの良い大男のエージェントが表情を引き締めた。
「自分、悪口と逃げ足だけは、ガキの頃から得意だったっス!」
 金髪のチャラ男エージェントはヘラヘラ笑いながらも、その目の奥は使命感に燃えている。
 鳳凰院は物陰に潜み、いよいよ作戦が決行された。
「おーい、妖怪ども~? 姿見えねーからってチョーシ来いてんじゃねーゾ、雑魚が! かかってこいやオラぁッ!」
 金髪チャラ男の罵声が、廊下にこだまする。
「お、女を取って食らうなんてサイテー! あ、あたしが、とっちめてやる……!」
 女性エージェントは腰が引けている。
「UDC-Nullに告ぐ。君達は包囲されている。大人しく投降すれば、これ以上の危害は与えない」
 冷静に周囲へ語りかける大男エージェント。
 その刹那、右奥の部屋の扉が勝手に開いた。
「そこに、いるのか?」
 大男が尋ねた、その時だった。
 熊のような巨体を誇る大男が、軽々と後方へ吹っ飛ばされたではないか!
「ゲヘヘへ! 生意気だど!」
「チョーシ乗ってるのはどっちだど?」
「グチャグチャにしてやるど!」
 妖怪達の怨嗟の声は、エージェント達には聞こえない。
 だが、得体の知れない殺意は、彼らにとっては日常茶飯事で感じ取っている気配だ。
「やっべぇッス! 先輩、逃げるっスよ!」
「え、ちょっと! 主任、起きてくださいよ、早く!」
「うぅ……くそ、今は退くぞ!」
 3人は鳳凰院の指示通り、全速力で逃げ帰ってゆく。
 それを追い掛ける妖怪達。
「待て待て! その柔らかそうな女の肉を置いていくど!」
「逃げても無駄だど!」
 エージェント3人は、袋小路の通路へ追い込まれてしまう。
 ジリジリと詰め寄る妖怪達!
「此処までだど! いくど、みんな!」
「全員、ブチブチと肉を引きちぎってやるど!」
「一気にやるんじゃないど、一人ずつ怖がらせながら……って、なんだど?」
 妖怪達は、唐突に見えない壁にぶつかって前に進むことができなくなっていた。
「お、おかしいど? 動けないど!」
「後ろにも退けないど!」
「これ、ひょっとして、罠じゃないかど!?」
「その通りだ……!」
 憤怒の形相で物陰から現れた鳳凰院が、仕込み杖のタイプの破魔刀の刀身を引き抜いて見せ付ける。
「エージェントの方々には、始めから此処にお前達を誘き寄せてもらうよう頼んでおいた。此処には妖怪だけを絡め取る、見えない霊力の結界壁を生成しておいた。今、お前達は蜘蛛の巣のように絡め取られて身動きが取れないはずだ!」
 鳳凰院は懐から精霊の護符を取り出すと、不可視の結界へ向けてそれらを放り投げた。
「幾多の精霊よ、かの者に裁きを……破邪顕正(セイナルイマシメ)!」
 張り巡らされた不可視の破魔の結界壁から、退魔の力を帯びた拡散波動が放出される。
 途端、妖怪達はもがき苦しみ、毒と戦意喪失を与え、そして行動不能と三者三様の状態異常を与えた。
「まずいど! 此処は逃げるど!」
 戦意喪失した妖怪が一目散に逃げてゆけば、毒を撃ち込まれた妖怪が千鳥足で追い掛ける
「ま、まってくれだど……! ぜぇ……はぁ……苦しいんだど……」
 そしてひとり、結界にとらわれて身動きが出来ない妖怪が、鳳凰院と対峙する。
「あ、ああ……オ、オラ、あいつらに付き添ってただけだど……! 此処で何もしてないど……!」
「この期に及んで、まだシラを切るのか……!」
 怒り心頭の鳳凰院は、衝撃の事実を突き付けた。
「俺は見ていたぞ! この隣の部屋は施設内の監視カメラを確認できるんだ! そこで、お前がエージェントの一人を殴ったじゃないか!」
「げぇっ!」
 全て筒抜けだった事に、焦る妖怪。
 鳳凰院は破魔刀を最上段に振り上げた。
「歯、食いしばれっ! これからお仕置きタイムだっ! この破魔刀の峰でぶっ叩いて骸魂を除去してやる!」
「ギャーァースッ!」
 峰打ちで額を数回叩き割られた妖怪は、仰向けになって気絶してしまった。
 骸魂が妖怪の身体から煙のように消失してゆくのを感じると、鳳凰院は協力してくれたエージェント3人に感謝の言葉を述べたのだった。

 残る妖怪は、あと2体……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
随分悪さしてるじゃねえか。
確かにUDCアースに住む殆どの連中はお前さんらの事は忘れちまっている。だがな・・・。
「・・・私達『退魔師』は貴方達のような悪しき妖怪を決して忘れていません。勿論その祓い方も。」
と、言う訳だ。覚悟しな、俺達はお前らにとってまさに天敵だぜ。

職員に見えないなら見える奴にサポートさせればいいんだ。
「・・・式、召喚【捜し鼠】」
職員にそれぞれ【捜し鼠】を付けて応援や助言などの支援をさせて見えない妖怪に対処できるようにするぜ。

更に通路に『結界霊符』を貼り破魔の結界を展開して逃げ場を塞ぎながら追い詰めていくぜ。
そうして追い詰めたら後は霊鋼の薙刀で斬り祓ってやるぜ。


【アドリブ歓迎】


カシム・ディーン
さて…こういう相手とか面倒ですが手がないわけじゃねーですね

「姿消しはメルシーたちの十八番なのにね☆」
【戦闘知識・情報収集・視力】
組織の構造と妖怪の逃走経路を把握
特に逃げ場の無いのと追い込みやすい場所をエージェント達にも確認
更にレシーバーなど連絡手段を確保

【属性攻撃・迷彩】
光学迷彩で存在を隠して迫る
お前らも一つ見えない相手に襲われるっていう気分を楽しむといい

メルシーとやエージェントと連携しての追跡開始
高速で迫り追いかけながら
連絡しどの位置にいるかをデータと共に常に伝達
行き止まりに追い込めば
隔壁降ろして!
さぁって

お仕置きタイムですよ
「ひゃっはー☆」
とても酷い事が起きるのであった…!!!



 追い詰められた妖怪2体は、施設内を手当り次第破壊し始めた。
 一刻も早く事態を収集せねば、と朱塗りの鬼面の神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)とカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)が対応に当たる。
「げげっ! また猟兵だど!」
「お、おお落ち着くど! これだけ間合いがあれば逃げられるど!」
 完全に人類側をナメきった態度を取る妖怪達に、凶津は怒気を言葉に織り交ぜる。
「こりゃまた随分と悪さしてるじゃねえか。確かにUDCアースに住む殆どの連中は、お前さんらの事は忘れちまっているから、その姿を認識出来ねぇ。だがな……?」
「……私達『退魔師』は貴方達のような悪しき妖怪を決して忘れていません。勿論、その祓い方も」
 凶津の装着者であり相棒の巫女こと神代・桜が、結界霊符を携えながら決意を露わにする。
「と、言う訳だ。覚悟しな、俺達はお前らにとって、まさに天敵だぜッ! こんな感じになッ?」
 桜の身体を借りて、凶津は結界霊符を通路に貼り付けた。
 途端、見えない力場が辺り一帯に発生!
 妖怪達は感電したかのように身体を大きく痙攣させた。
「うぎぎッ!? こっちの道はビリビリくるど!」
「こっちは大丈夫だど! 逃げるど!」
 慌てて別の通路へ逃げてゆく妖怪達の背を、カシムと相棒のメルシーが見送っていた。
「あれ、追わなくていいんです?」
「見失っちゃったよ~?」
 カシム達の疑問の声に、凶津は余裕の態度で答えた。
「問題ないぜ、この先はまだ閉鎖していない空間だそうだ。つまり……」
「……このまま追い込めば、袋の鼠です」
 凶津と桜の言葉を確かめるように、カシム達は職員から借り受けた施設内の地図を改めた。
「今、僕達がいるのはここですから、ここをこう行って……」
「こっちへ誘い込めば、やたら大きな空間に出るね? そこまで追い込めばオッケーかな? って、ここは何のスペース?」
 メルシーの疑問に、職員曰く、UDCメカニックのラボの一部らしい。
 凶暴なUDCを鎮圧する機能が備わっているらしく、そこへ追い込めれば一網打尽にできるそうだ。
「そういうことなら……面倒ですが、透明ですばしっこい相手への手がないわけじゃねーですね」
「姿消しはメルシーたちの十八番なのにね☆」
 カシム達は自信満々に言い放つと、自身に光学迷彩魔法で透明化を果たす。
 そしてユーベルコードで飛翔しながら、目的の地点へ先回りを始めた。
「あ、そうでした、このトランシーバーで合図を送って下さい。透明化からの奇襲攻撃は、僕達に一日の長があることを知らしめてあげましょう」
 そう神代コンビに伝えると、姿をくらませるカシム達。
「相変わらず、あちらさんは予想外の事をしてくれやがるぜ。ま、こっちは正攻法で追い詰めてゆくとしようぜ、相棒?」
「……ええ。式神を使う?」
「そうだな、職員に見えないなら見える奴にサポートさせればいいんだ」
 凶津は桜の提案を許諾し、ユーベルコードの術式を編み上げてゆく。
「……式、召喚【捜し鼠】」
 何処からともなく、チュウチュウとネズミの群れが現れると、職員の肩に乗っかっていった。
「うわっ! このネズミ、喋ってる!?」
「なんかカーナビっぽい事務的な口調だけど……これなら!」
 職員たちは対UDCスタンガンを装備すると、鼠の式神の助言に従って施設の奥へと突き進み始めた。
 式神は妖怪の姿を認識しているので、職員たちの耳元で助言をして捜索の補助が可能なのだ。
「俺達も急ごうぜッ!」
「……これ以上、好き勝手はさせません」
 神代コンビも、施設の奥へと急行する。
 逃げ場を封じるかのように、霊符をあちこちに貼りながら。

「こ、ここまでくれば大丈夫だど!」
「けんど、出口から遠退いたど……」
 妖怪コンビは、まんまと目的の地点へ誘導されていった。
 その背後で、息を潜めているのはカシムとメルシーだ。
 既に先回りして、妖怪コンビが来るのを待ち侘びていたのだ。
(お前らも一つ見えない相手に襲われるっていう気分を楽しむといい……!)
 カシムとメルシーは左右二手に分かれる。
 まずはカシムは万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』で念動光弾を放った。
 ガラ空きの妖怪の背後へ、光弾がクリーンヒット!
「アダッ!? 襲われたぞ!」
「でも姿が見えないど!」
 周囲を見渡すが、誰もいない空間に妖怪達は恐怖に慄く。
「どういう事だど!?」
「オラに聞かれても知らねぇ、どぉっ!?」
 首を振った妖怪の背中が、突如バックリと割かれてしまった!
「ひゃっはー☆ 骸魂だけみじん切りだー☆」
 メルシーは鎌剣ハルペーで妖怪の背中を引っ掻くように斬り付けての奇襲攻撃!
「よしメルシー! そいつにお仕置きだ!」
「オッケーだよ、ご主人サマ!」
 メルシーは斬り付けた妖怪の頭をガシッと鷲掴みにすると、コンプライアンスに抵触するような凄惨な行為で妖怪を陵辱蹂躙してゆく!
「ほらほら、もっと頑張れるでしょ?☆ あ、これが尻子玉かな? えいっ☆」
「もごごごォー!」
 なんという拷問行為!
 妖怪は頑丈とはいえ、心を丁寧に折ってく様はカシムも震え上がる。
「うわぁ……お前サイテーだな……」
 カシムはせめてもの良心からか、“浄化中”のメルシーと妖怪をモザイク魔法で覆ってやった。
 そこへ現れた神代コンビ、蠢くモザイクの塊にドン引きする。
「……何をすればそうなるんだよ?」
「正直、僕も知りたいです、ハイ……」
 カシムは視線を部屋の天井の隅へと移して溜息を吐いた。
「とにかく、隔壁を今すぐ作動して下さい。残りは1体です!」
 カシムの要請に、職員たちはすぐに部屋中の対UDC機能を作動させる。
 赤外線レーザーに強化防壁、電磁柵など、あらゆる障害物で残った妖怪を部屋の隅へ追い込んでいった。
 仕上げに職員たちのスタンガンが一斉に放たれ、遂に妖怪は身動きが取れなくなった。
「ったく、手間かけさせやがってッ!」
「……今、祓います!」
 神代コンビが霊鋼の薙刀に桜色の霊力を通わせると、最上段から一思いに妖怪の脳天へ穂先を叩き付けた。
 破魔の権能が、妖怪が内包していた骸魂を破砕し、ようやく妖怪達は全員正気を取り戻したのであった……。

 かくして、UDC組織の壊滅は免れた。
 だが、スカイツリーの上空が歪み、カクリヨ世界のような異空間が出現している。
 UDC職員たちが歪んだ上空を見て、一般市民への隠匿方法について頭を抱える一方、猟兵達は最終決戦に望むべくスカイツリーへと急行する。
 世界滅亡まで、刻一刻と期限が迫っていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月31日


挿絵イラスト