大祓百鬼夜行㉓〜笑う門にはバズ来たる
●本当にうっせぇわ
ここはUDCアースの虚空に生み出された宮殿、「バズリトレンディ御殿」。
その内部は超大型の円形ステージとなっており、更にステージ全体を全方位から撮影できるようにと、壁や天井に設置された無数のビデオカメラやスマホが取り囲んでいた。
「いええええええええええええええええい
!!!!」
瞬間、突如として絶叫が轟く。
「空前絶後のおおおお! 超絶怒涛の大妖怪!! 流行を愛しぃ、流行に愛された女ぁ!」
スポットライトを浴びながら、喉が張り裂けんばかりに叫ぶネズミ耳の少女。
彼女は独特の中腰姿勢のまま、その右腕を突き上げた。
「よう○べ! イン○タ! TikT○k! すべてのバズりの生みの親ぁ!」
なんというビッグマウス。……ネズミだけに。
そして、そんな彼女の前に置かれた配信受信用PCには『誰だお前は!』などのノリのいいコメント群が波打っている。
「そう我こそはああ! 身長ぅ……158㎝(自己申告)!」
『いや言わんのかい!』『ダリナンダアンタイッタイ!』
「体重ゥ……ひ・み・つ! 長所! 明るいところ! 短所! コミュニケーション能力の欠如おおおお!」
『だろうな』『知ってた』『もっとあるやろ』
「そう我こそはああ! バ! ズ! リ! トレンディィィィイイイイイ!! いええええええええええええええええい!! ジャアアスティ」
●ピシュン(モニターを切る音)
「……というわけで、大祓百鬼夜行もいよいよ最後の親分の登場だ」
いや、どういうわけですか。
グリモア猟兵―枯井戸・マックス(マスターピーベリー・f03382)が、沈黙したモニターを背に猟兵達を見回した。
「今回の敵は『新し親分・バズリトレンディ』。カクリヨファンタズムの新しい妖怪たちの頭目だ」
先ほどまでのやかましい叫びをあげていた少女が、きっとそうなのだろう。
特に説明がないので、集まった猟兵たちはそう解釈し、そしてそれは正しかった。
新し親分・バズリトレンディ。
彼女が待つバズリトレンディ御殿は今まさに生配信の真っ最中であり、オーディエンスからの評価がハートとして宮殿内に出現する妖術が仕込まれている。
このハートはオーディエンスの喜び、熱狂、あるいは怒りを煽るような行動……つまり「バズる」ような行動をすればするほどに数を増し、ハートを出現させた者を強化してくれるようだ。
「バズリトレンディはこうしている間にもバズりパワーを着々と溜めている。ちなみにバズリトレンディは自分のユーベルコードと連携させたり、バズり集めの支援をしてくれる支援ユニット『バズリ戦闘態』をひとつ使役しているようだ」
そして今回彼女が選択したのは『お笑い芸人』のバズリ戦闘態。
過去数年で流行した芸人のネタ魂をその身に降ろし、千変万化の行動を見せるという。
「しかし、諸君らにも勝機はある。そう、君らも彼女に負けないくらい、バズればいい!」
マックスは高らかに言い放つと、猟兵達の前に群青色に煌めく転移ゲートを出現させた。
ゲートの向こうからはうっすらとバズリトレンディの絶叫が聞こえてくる。
「どうやってバズるかは諸君らに任せるが……既に彼女の芸人力でオーディエンスは温まっている頃だろう。ここは敢えて芸人空間に乗っかって、舞台を乗っ取っちまうのも手だな。さあ、バズリトレンディが力を溜め切る前に、奴の配信をひっくり返してやろうぜ!」
Naranji
イェーガー♪ イェーガー♪
伝説の戦士達よ♪
イェーガー♪ イェーガー♪
時をかける希望~♪
芸人戦隊~♪ イェーガー♪
……だれが芸人やねん。
はい、遅ればせながら大祓百鬼夜行に参戦いたしました、MSのNaranjiと申します。
初めましての方は初めまして。
以前も参加して頂いた方は、本当にありがとうございます。
今回のシナリオは難易度やや難の頭目戦。
プレイングボーナスはこちら!
●【プレイングボーナス……バズリトレンディよりもバズる事で、より多くのハートを集める】
バズる内容はOPにもある通り、喜ばせる、笑わせる、怒らせる、炎上するなど、方法は様々です。(ただし公序良俗に反する内容は受付いたしません)
また今シナリオでのバズリトレンディは、過去数年で流行ったお笑い芸人の能力をその身に宿して襲い掛かってきます。
猟兵の皆さんは必ずしも芸人的行動で対抗する必要はありませんが、お笑いへのリスペクトを込めた行動であれば、今視聴しているオーディエンスへの受けは良い傾向にあるようです。
最後に、今回もプレイング募集期間など諸情報はタグの方でもお知らせしていければと思っていますので、そちらの方も注目していただければ幸いです。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております!
第1章 ボス戦
『新し親分『バズリトレンディ』バズリ形態』
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POW : HPAH
単純で重い【ハンマーパイナッポー&アッポーハンマー】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : タピオカボディ
自身の肉体を【もちもちのタピオカ】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : いいねストーム
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【ハートマーク】で包囲攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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バルタン・ノーヴェ
SPD アドリブ諸々歓迎デース!
ここはワタシだけの力では突破できマセンネ。
偉大なる先達の御力をお借りしマース!
カモン! 女傑・三大闘神!
床が割れて、迫り上る3名の御姿。
RYOKO! SAORI! AKKO!
(※実在の人物とは何ら関係はありません、ご安心ください)
彼女たちのバズった輝きを照覧しマショー!
巴投げが! 低空タックルが! ツッコミのビンタが!
バズリトレンディ殿とワタシを襲う!?
ズシャーッと、二人仲良くヤンチャしやがってポーズで伏すといたしマショー……。
戦いが終わったらダチデスヨ、と人を食ったような笑顔で食事を差し出しマス。
やっぱこれデスネ、ロ●テのチョコレート味のまぜそば。
「……アアスティス!!」
バズリトレンディの雄たけびにも似た名乗りが空気を震わせる。
それと同時に、宮殿のいたる所からハートが湧き出し、空間を埋め尽くしていった。
「高評価ありがとーーう! ワイちゃんのバズりパワーも高まってきたぜーい! じゃあ次のネタは……んあ?」
バズリトレンディが次なるお笑い魂を降ろそうとした、その時である。
ステージ上に出現したのは群青色の波紋(ゲート)。
そしてそれをくぐり、メイド服姿の少女が堂々たる足取りで歩み出る。
「ハロー! 楽しそうなことしてますネー。ワタシもまぜてくだサーイ!」
現れたメイド少女―バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は、バルタンを見止めると人懐こい笑みを浮かべた。
「おっと外人さん? ワイちゃんはコラボネタもメニメニ歓迎でナイチューミーチューよ!」
それに対し、バズリトレンディは恐れ知らずな英語でお茶の間を沸かせる芸人魂を身に纏い臨戦態勢に入る。
その貫禄は歴戦の勇者を思わせるもので、さしものバルタンも駆け出そうとした足取りが鈍ってしまった。
「この覇気……まさしくベテランのパワーを感じマスネ。こんな時は、ワタシも偉大なる先達の御力をお借りしマース!」
まずは場の空気を支配することこそ戦場の鉄則。
そして、この宮殿内は様々な事象が(放送コードに引っかからないレベルで)許されるバズリトレンディ時空であると即座に見抜いたバルタンは、恐れることなく空間への干渉を開始した。
「カモン! 女傑・三大闘神! RYOKO!」
バルタンが指をパチンと鳴らす。
開く床板。せりあがる奈落。
おお、なんという事か。そこに立っていたのは伝説の女性柔道選手ではないか。ママでも金のキャッチフレーズは十数年たった今でも記憶に新しい。
「SAORI!」
次の瞬間、凄まじい闘気を察知したバズリトレンディが宮殿の天井へと目を向ける。
そこに張り付いていたのは霊長類最強女子の名を欲しいままにする、これまた伝説級の女性アスリート。
指と足の力だけで壁に張り付き無表情に階下を見下ろすその御姿は、気の弱い者ならば見た瞬間卒倒は免れなかっただろう。
「そして……AKKO!」
バルタンによる三度目のフィンガースナップに合わせ、スポットライトがステージ中央に設置された階段に集中する。
豪快に焚かれたスモークの向こうからゆっくりと階段を歩み降りてきたのは、準2m級の女型の巨人……否、女性歌謡界にその名を轟かすゴッドその人であった。
黄金に煌めくスパンコールドレス姿を目にした瞬間、バズリトレンディはその身に降ろしていた芸人魂が恐怖におののくのを感じる。
(AAAA、AKKOさん!?)
「あ、アカンて! そのキャスティングはアカンて!」
「※実在の人物とは何ら関係はありません、ご安心ください……っと。ほら、配信に注釈いれといたから一安心デスヨ♪」
「そういうプロブレムじゃノー!!」
一対一でも勝てる気がしない女傑が、しかも3人。というか最後の一人は格闘家ですらない。でも一番勝てる気がしない。不思議!
「これはさすがのワイちゃんも逃げの一手……」
「おっとそうはいきまセーン! さあ、彼女たちのバズった輝きを照覧しマショー!」
バルタンの号令と同時に駆け出す三大闘神たち。
その剛腕が……手始めにバルタンを吹き飛ばした。
「ホワイッ!?」
続いて、矛先が向いたのはバズリトレンディ。
既に逃げ腰のバズリトレンディへRYOKOの巴投げが!
「タニでも金!」
「うわ、こっちにも来た!」
SAORIの低空タックルが!
「霊長類最強女子ってなんなん」
「こっちが聞きたい!」
AKKOのツッコミのビンタが!
「デ○゛ワ!」
「名前出すのはさすがにノー!!」
神殺しの連撃が次々と叩きこまれ、哀れバズリトレンディは地に転がった。ついでにバルタンも転がった。
「へ、へへ、さすがのワタシも悪乗りが過ぎた……みたいデース」
「なんで、制御できないモンスターを、降臨させたんや……」
ズシャーッと地に伏したまま顔を見合わせる2人。
だが、嵐は去った。彼女たちは共に苦難を乗り越えたのだ。
ふらふらと立ち上がったバルタンは、優し気な笑みを浮かべ、そっとバズリトレンディに手を差し伸べる。
「戦いが終わったらダチデスヨ」
差し出された手をバズリトレンディは真ん丸な目で見つめ、そして、満更ではないといった表情でその手を掴んだ。
嵐が過ぎ去った後には、友情が芽生えるもの。
配信画面も『イイハナシダナー』の弾幕で埋め尽くされている。
「ところで、同じ釜の飯を食うのがUDCアースの友情のシキタリだそうデスネ! ということで、出来上がったものがこちらになりマス!」
とその時、バルタンの笑顔が邪悪なそれに変わる。
そして取り出したるは甘ったるい焦げ茶色の餡がからんだ冒涜的な麺類のような何か。
「やっぱこれデスネ、ロ●テのチョコレート味のまぜそば」
「なんでやねん!!」
バルタンが笑顔で差し出す暗黒物質に、思わずバズリトレンディは身をよじる。
しかし片方の手は尚も固くバルタンに握られており、逃走も許されない。
それならば、と皿を弾き飛ばそうとしたその時、バズリトレンディが降ろした芸人魂が叫びをあげた。
(逃げるな。食せ。……それが、リアクション芸人の生きる道だ)
そう、芸人にとって『不味い』は『オイシイ』なのだ。
拒絶を覆すほどに膨れ上がった衝動は、バズリトレンディに無意識のうちに箸を握らせていた。
そして……。
「オロロロロロrrrrrrr」
「ワーオ! 泣く程美味しかったですか? それじゃあ御後がよろしいようなので、ワタシは退却しマース。それ食べきったらお相手よろしくデスネー!」
成功
🔵🔵🔴
鵜飼・章
僕はUDCアース人の鵜飼章
浮世離れしているからお笑いはわからない…
(キャラ設定上は)本当にわからないんだ
でも【受け流し】が特技なんだ
ムーディな感じで笛を吹くとバズりそうって本当かな
右から…右から…
タピオカが来ているよ
僕はそれを左へ受け流すんだ…
右からいきなりやってきているよ…(タピオカが
なんか不意にやってきたよね…(タピオカが
僕は全部左へ受け流して避ける
~ちゃらちゃっちゃっちゃららーみたいな感じのオカリナの演奏~
もしもこのネタが伝わらなかったら
右から左へプレイングを受け流してほしい…
バズトレさんは超絶怒涛で空前絶後なようだけど
このネタなら相性有利な筈だ…何となく
出す動物?麒麟です(すごくいい声
「僕はUDCアース人の鵜飼章。僕にはお笑いは分からない」
続いて、ゆっくりとした足取りで登壇したのは伏し目がちな青年、鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)。
先ほどまでのハイテンションバトルとは打って変わったそのダウナーな様子に、画面の前のオーディンス達は困惑していた。
「いぇええええええい、お兄ちゃあん! お客さんの前に立つからにはそんなんじゃだめやでぇ! BA・ZU・RI・TO・RE・N・D! どうもしあわせな王子さまです。金箔ぺりぺりぺりー! あーデトックス。デトックスぺりぺり」
対するは、どこから持ち出したのか、巨大な大剣を肩に担いだバズリトレンディ。
先のダメージを感じさせないハイテンションで、西洋妖怪一門に見られたら炎上間違いなしの自己紹介物真似で配信を盛り上げている。
しかし、それを眺める章の表情はピクリとも動かない。ただ、淡々とステージ中央に歩みを進めていく。
「……本当に分からないんだ。今の、普通なら笑うところだったんだよね。ごめん」
『大丈夫! スベってたよ!』『今のは笑うところじゃなかったwww』『君は悪くないよ!』
章が落ち込んでいると思ったのか、配信に寄せられるコメントもどこか彼に対してフォロー気味だ。
「ちょっとー! ワイちゃんリスナーホストに厳しいぃ! ゲストも大事だけどホストも大事にしなあかんで!」
『バズちゃんキレてる?』
「キレてないっすよ」
そんな迅速なコメント拾いで着々とハートを増やし、力を高めていくバズリトレンディ。
一方の章はというと、同じ画面に映っていながら、存在が掻き消えてしまいそうなテンション差である。
しかし彼には秘策があった。
「僕は笑いが分からないけど、でもね、受け流すのは得意なんだ」
そう言って取り出したのは黒いオカリナ。章はそれを口元にあてがうと、深く息を吸い込み……。
♪ちゃらちゃっちゃっちゃららー♪ ♪ちゃらちゃっちゃっちゃららー♪
「こ、この演奏は……! 2006年頃にブレークした……っ!」
章の背後に白いスーツを着たチョビ髭の男のオーラが重なる。
尚も続く演奏に、コメントは『懐かしっ!』『たまに音外すの可愛いwww』『あれから15年とかウソやろ……』など大盛り上がり。着々と章の側にもハートが出現しいていく。
「こりゃワイちゃんもウカウカしてられんでぇ! こうなりゃ先手必勝!」
これ以上ハート量に差をつけられてなるものかと、バズリトレンディは大剣を床に置き(ハリボテだからね)、伸縮自在のタピオカボディで殴りかかる。
しかし、対する章は回避の素振りもなく演奏を続けていた。唯一したことと言えば、バズリトレンディに脇面を見せるように立ち位置を変えただけ。
それなのに、である。
「な、なんでや! なんで当たらへんのや!」
びよんびよんと伸びるパンチは、まるで見えない力に逸らされるかの如く不自然に軌道を変え、章の紙一重のところを通り過ぎていく。
「ま、まさか! ええい猪口才な……タピタピの~ガトリング!!」
尚も伸びる連続パンチを放つバズリトレンディ。
だが結果は変わらない。
しかも気づけば、誰が仕込んだのか配信画面には、歌詞まで表示されていて。
「タピオカを右から左へ受け流すの歌」 演奏:鵜飼・章
右から……右から……
タピオカが来ているよ
僕はそれを左へ受け流すんだ……
右からいきなりやってきているよ……(タピオカが)
なんか不意にやってきたよね……(タピオカが)
僕は全部左へ受け流して避ける……♪
「ムーディな感じで笛を吹くとバズりそうって本当だったんだね」
ひとしきり演奏が終わった後、ステージ上にあったのはあふれんばかりのハートを背負った章と、肩で息をするバズリトレンディの姿。
「ま、マジで当たらん。さすがは紅白の舞台で1人で3分も尺とったネタだけのことはあるで……」
「紅白? よく分からないけど、今度は僕の番だよ」
再度オカリナを演奏し始める章。しかし、今度は受け流すための曲ではない。
音色を聞いた者の動きを止め、獣の幻で追撃するユーベルコード、【無神論】。
上手でも下手でもない、配信的に最も映えない独奏は、バズリトレンディののよく回る口すらも縛り上げる。
そして魔力を帯びた笛の音に呼応するように章の懐から生物図鑑が浮かび上がり、とある獣が描かれた頁を開いた。
その獣は……。
「麒麟です(低音イケボ)」
「麒麟が来た!」
そして図鑑から飛び出した幻獣がバズリトレンディを弾き飛ばす。
最後の最後でリアクションをとることができたのは、バズリトレンディの降ろした芸人魂のなせる業か。
しかし、まともに受け身もとれず跳ね飛ばされた彼女はそのまま沈黙。
「うん、やっぱり僕にはお笑いは難しいみたいだね。でも、高評価をくれた皆、ありがとう」
こうして配信のバトル第2戦はなんとも言えない空気のまま、静かに幕を閉じたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
卜一・アンリ
(【大声】張り上げ)
こんなのがUDCアースに、カクリヨファンタズムにいるか!?(※探せばいそう)
人が夢見た浪漫がここにある!
クロムキャバリアからやってきたスゥパアロボットォォ!(※サイキックキャバリアです)
ボ・タ・ンンンンン!!!『ヴォオオオオ!!』(牡丹に乗りステージ後方を【地形破壊】でぶち抜きながら登場)
バズリトレンディ!この御殿のステージを賭けて勝負よ!(セットを【踏みつけ】ながら)
UC【奮い立て、私の鋼鉄巨人】!
小細工(やらせ)一切なし!敵UC諸共【重量攻撃】で叩き潰しなさい!
(カメラを引っ掴んで)
ほら皆、ウチの牡丹を応援してあげて!
エブリバディセーイ!「がんばえぇーぼたぁーん!!」
空亡・劔
この最強の大妖怪を差し置いての大異変!
もうトレンディに生意気よ!
というかこのシリアスで最強の大妖怪がお笑いをやらねばならないですって…!(戦慄
上等よ!お笑いでも最強であることを示してやる!
あのね…(画面に向けて恋愛ゲーム風に頬を赤らめて…もじもじと
エッチな女の子は…好き、ですか?
なんか好きとかいろいろ流れてトレンディも同じ事を言った所で
そう…うれしいっ!
(笑顔で…目をカッと見開いて
二刀を構えてトレンディに襲い掛かる
エッチはエッチでもHellの方だがなぁぁぁっ!!(何か〇子のテーマが流れる
所で世界で最も美しい都市は?
返答に対し激おこ
境港にきまってるだろうがぁぁぁぁ!!(不条理!
時刻みですぱーん
「おまんら……好き勝手してくれたのぅ……」
ふらふらとした足取りで立ち上がるバズリトレンディ。
猟兵たちからもらったダメージは深い。主に精神的に。
「ならばオーディエンスからハートを補給するまでよ。時を戻そう」
と、トレンディは再び大きく息を吸い込み……。
「いえ」
「いええええええええええええええええい
!!!!」
突如として響いたスピーカー越しの大声が、ステージを震わせた。
「こんなのがUDCアースに、カクリヨファンタズムにいるか!?(※探せばいそう) 人が夢見た浪漫がここにある!」
「な、なにごっちゃ!? 誰や一体!!」
自身の大声芸が掻き消され、困惑するバズリトレンディ。宮殿内をきょろきょろ見渡すも、しかしその乱入者は影も形もない。
「クロムキャバリアからやってきたスゥパアロボットォォ!」
だが尚もその大声は配信に乗り続けていた。
しかも丁寧に配信画面には(※サイキックキャバリアです)と注釈まで付くご丁寧っぷり。
「いやだから誰やねん! 姿を見せい!」
「期待に応えて即参戦! ボ・タ・ンンンンン!!!」
『ヴォオオオオ!!』
直後、ドガッシャアアアアアン!! という破壊音と共に、巨大な黒鉄のキャバリアがステージの床を突き破って急速浮上! 派手なエフェクトを背負いながら、中空でジャスティスなポーズを決める。
そして、そのキャバリアの肩に乗っていた少女―卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)はマイク片手に、茫然とこちらを見上げるバズリトレンディに指差しびしぃっ!
「バズリトレンディ! この御殿のステージを賭けて勝負よ!」
「いや、たった今半壊したけども!?」
「勝負よ!」
『ヴォオ!』
「言葉のキャッチボール下手くそか!」
着地の衝撃で瓦礫と化したステージを踏みしめて、アンリとサイキックキャバリア『牡丹』は堂々たるエントリーを果たした。
掴みばっちりの登場シーンに高評価のハートも着々と溜まっていく。
「こうなれば、ワイちゃんもフォルムチェンジで勝負や……ゲストに話が通じない! ハイ! ハイ! ハイハイハイ! あるある探検隊! あるある探検隊!」
こうして猟兵とバズリトレンディの熾烈な第3ステージは幕を開けたのであった。
……所変わって、ここはバズリトレンディ御殿の入り口。
そこでは少女が一人、肩を戦慄かせていた。
「この最強の大妖怪を差し置いての大異変! もうトレンディに生意気よ! それなのに……このシリアスで最強の大妖怪がお笑いをやらねばならないですって……!」
少女の名は空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)。
新しい妖怪の剣豪にして強豪。それでいて『最強の大妖怪』を自負する女傑でもあった。
「ええ、上等よ! お笑いでも最強であることを示してやる!」
先ほどまでの動揺を涅槃の彼方に振り切って、劔はずんずんとステージに向かっていく。
「なになに、まーた飛び入りゲストかいな? もうここまでやられたらなんでもありや! ユーの渾身の一発、出てこいやぁ!」
それを見止めたるバズリトレンディ。ステージを壊されたショックからか半ばやけくそ状態であった彼女は、最早お笑いですらないネタで劔を煽り立てる。
対する劔はというと、悩まし気に肩をくねらせ、配信用のメインカメラに向かって熱っぽい視線を向けていた。
「あのね……エッチな女の子は……好き、ですか?」
顔を真っ赤に染めた上目遣い。
そんな劔に視聴者たちも『お、新しい芸風(期待)』『あれヤらしい系の広告踏んだ?』『うん大好きさ!』などと困惑と期待を込めたコメントを寄せている。
しかしバズリトレンディはというと、劔の反則的な飛び道具に冷や汗を流していた。
「いやいや、そりゃ別嬪さんからそげな事聞かれたら好きって言っちゃうやん! コメントしちゃうやん! ワイちゃんも好きやけども! エッチぃ系広告は飛ばさず見る派やけども!」
「そう……うれしいっ!」
男を殺すはにかみで視聴者のハートを搔っ攫う劔。
しかし次の瞬間、その目がカッと見開かれた。
「エッチはエッチでもHellの方だがなぁぁぁっ!!」(謎に緊迫感あるBGM)
突如として劔の二振りの刀が過剰なまでのエフェクト共にバズリトレンディを滅多打ちにする。
惜しむらくはチェーンソーを所持していなかったことか。
「痛ああああっ!? はあ! 急展開すぎひん!?」
「これでも原作を忠実再現よ!」
このあんまりな急展開にコメント群もざわつく中、『やっぱりな』『懐かしwww』などのネット古参勢が密かに劔に向けて高評価を投げていたとか。
「むむ、折角インパクト重視で登場したのに、主導権を持っていかれるのは尺ね。だったら……」
ここで危うく背景になりかけていたアンリ、動きます。
アンリは牡丹の肩から飛び降りるとすかさずダッシュし、カメラを引っ掴む。
そして自分の顔がドアップになるように画角をグイっと無理やり捻じ曲げて。
「ほら皆、ウチの牡丹を応援してあげて!」
ヒーローショーの司会のお姉さん然とした口調で、画面の向こうの大きなお友達に向けて声を投げかけた。
「エブリバディセーイ! がんばえぇーぼたぁーん!」
『『『がんばえぇーぼたぁーん
!!』』』
ここの視聴者たち、基本的にノリが良すぎる。
しかし、急展開の連続こそ、飽きの来ない動画作りの基本なのも実際真理。
その基本を踏まえた行動の甲斐あってか、アンリと牡丹の背後にも次々とハートが湧き出し、彼女たちに力を与えていった。
「よし、ここからは小細工やらせ一切なし! 叩き潰しなさい!」
『ヴォオオォォォ!!!』
アンリの号令を受けて、突進を始めた牡丹。
その重量級の巨体は一歩進むごとにステージに新たな亀裂を走らせながら、バズリトレンディへと迫る。
「あーもう忙しい! でもここで逃げたらワイちゃんの名が廃る。見事撃退してワイちゃんの武勇伝ベスト10に刻ませてもらうで! レッツゴー!」
対するバズリトレンディもまた、ハンマーパイナッポー&アッポーハンマーを手に牡丹に跳躍。
正面からぶつかり合った二者は、轟音を響かせ、
『ヴォオォッ!?』
「のわあっ!」
そして同時に後方へと吹き飛んだ。
「ったたた……アイアムパーフェクトヒューマンとはいかんか」
力は互角。ならば、ここからは手数と機転がものを言う。
そう判断したバズリトレンディは粉々に砕けたハンマーパイナッポー&アッポーハンマーを投げ捨て、体勢を立て直そうと藻掻く牡丹に詰め寄った。
そ、その時。
「所で世界で最も美しい都市は?」
彼女の背後に音もなく立つ影。言わずと知れた空亡・劔である。
「むむっ!」
なにが「所で」なのか一切合切意味不明。だがこういった唐突な質問は、答えないのが一番不味い。バズリトレンディの本能がそう叫んでいた。
「えっと、舞浜?」
トレンディの脊髄、否、ネズミ耳が反射的に告げた答え。
それは劔のお眼鏡に、
「境港にきまってるだろうがぁぁぁぁ!!」
「ぐああああ! やりたい放題かあああ!!」
……敵わなかったようだ。
劔の放った時空ごと敵を切り裂く斬撃が、バズリトレンディを容赦なく吹き飛ばす。
そして落下地点に待っていたのは、腕を高らかに振り上げる黒鉄の巨人。
「いけぇぇぇー! 牡丹ーっ!!」
『ヴォオオォォォ!!!』
真上から振り下ろされた鉄拳は自由落下に身を任せるバズリトレンディの脳天を直撃し。
「ダメーー!!」
バズリトレンディごと深々と地面に突き刺さり、粉々になったステージに最後のトドメを刺したのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
楠葉・狐徹
「俺はリアクション芸をやるぜ!おい、押すなよ?絶対に押すなよ?」と熱湯のバスタブに褌姿で跨り、敵を煽る
押してきた場合はそのまま落ち、押して来なかった場合は「押せよ!」とツッコミながら自分で落ちる
「あっつ!あっつー!!」とリアクションしてから「最後に謎かけやるぜ。熱湯リアクションかけてSNSでバズる人と解く。そのこころはどちらも『ユニーク』(湯に行く)でしょう。お後がよろしいようで!」
しかし終わったと見せかけて追撃。鬼神力と【グラップル】で敵を熱湯に引きずり込む
「せっかくだからお前もやれ!ただし、お前と混浴する気はないから1人でな!」
バスタブから抜け出し熱湯の中に敵を【怪力】で強制的に押し込む
猟兵達が去った後も、配信画面には半壊したステージが映り続けていた。
そう、カメラが生きている限り配信は続いているのだ。
現に昭和のアニメめいたガニ股で頭から地面に突き刺さるバズリトレンディの姿に、視聴者達からは。
『放送事故www』『やられてるのに芸人根性が強すぎる』『バズちゃんがんばれ』
などのコメントを寄せられている。彼女は破れてもなおハートを獲得し続けていたのだ。
と、その時。
「よう、お楽しみはこれからだぜ」
ステージ上に群青色のゲートが開き、新たな猟兵が現れる。
男の名は楠葉・狐徹(表裏一体の刃・f17109)。
切れ長の瞳と狐耳が特徴的な美しい容貌の男であったが、なぜかその姿は褌一丁。
しかも背後には湯気が立つお湯が張られた透明な風呂桶まで登場する始末。
こ、これはまさか!
「俺はリアクション芸をやるぜ!」
「伝説の熱々熱湯風呂!?」
死んだふりをしながら力を蓄えていたバズリトレンディも、これには驚愕。
思わず地面からズボォっと顔を引き抜いてしまう。
「や、やめとき! それはお笑い三柱神の鉄板芸! 一般人が真似したら命はないで!」
バズリトレンディの必死の静止もどこ吹く風。狐徹は透明な風呂桶の淵に両手両足で器用に跨り、バズリトレンディに必死の眼を向けた。
「おい押すなよ! 絶対に押すなよ!?」
「や、やりおった……こいつやりおったでえ!」
最早こうなってしまったら、この儀式(?)は止められない。
傍観者である彼女にできる事といえば。
(こ、ここは押してやるのがお笑いに生きる者の使命……いやしかしそんな惨いこと、ワイちゃんには、とても)
バズリトレンディ、痛恨の逡巡。
そうこうしているうちに、風呂桶に跨った狐徹の両手両足はプルプルと震えだし、そして。
「押せよっ!!」
ばっしゃ――ンという盛大な飛沫を上げて、煮え立つ湯にその身を投げた。
「あっつ! あっつー!!」
おお、なんということか。湯に飛び込んだ狐徹の白い肌は、瞬時に茹蛸めいた赤に変色。
藻掻くふりをしながら最大限お湯の中でリアクションを見せ続ける彼のお笑い根性に、コメント欄は大いに盛り上がりを見せた。
「さ、最後に謎かけを……。熱湯リアクションとかけてSNSでバズる人と解く。そのこころは」
しかもである。虎徹は唐突にカメラ目線になり、茹で上がった赤い指先をピンと伸ばした。
「どちらも『ユニーク』(湯に行く)でしょう。お後がよろしいようで!」
『『『誰がうまい事言えとwww』』』
瞬間、爆発的な勢いで虎徹の元に湧き出すハート、ハート、ハート。
オーディエンスの心を掴んだ彼の体に、並々ならぬ力が満たされていく。
「ふっ……完敗や。猟兵ちん達のお笑い根性、ワイちゃんの胸にしかと刻みつけたで」
一方のバズリトレンディは、尚もお湯の中でリアクションを見せ続ける虎徹に静かに賛辞の拍手を送る。
敗者は去るのみ。
目元に浮かんだ涙を拭った彼女は、そっと表舞台に背を向けて……瞬間、その肩がガシっと掴まれた。
「せっかくだからお前もやれ!」
「だと思った! だからワイちゃんいい話し風にして逃げようと思ったのに!」
ユーベルコード【鬼神力】。
いつの間にか風呂桶から抜け出していた虎徹は、獲得したハートの力も相まって軽々とバズリトレンディを背負いあげる。
「ただし、お前と混浴する気はないから1人でな!」
そして勢いよく投げ放った先に待ち受けるは、濛々と湯気が昇る風呂桶。
「あかあああああああん!!」
哀れバズリトレンディはそのままお風呂にダイブ。
最後の最後までお笑いにその身を殉じることとなったのであった。
※猟兵もバズリトレンディも特殊な訓練を受けております。良い子の皆は真似しないでね。
大成功
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