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銀河帝国攻略戦⑩~影に咲く猟犬

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「帝国軍の動向についてと、次なる作戦についての報告です」
 プルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)はグリモアベースに設置してある机をトントンと叩き、猟兵達の視線を集める。
「皆さんの活躍によって『解放軍』の戦力が整った結果、帝国軍が定めた最終防衛ラインとして定められた『エンペラーズマインド』と決戦を行う事となりました」
 プルミエールの宣言に、血気盛んなタイプの猟兵が盛り上がりかける。しかし、それに待ったをかけるようにプルミエールは言う。
「――とはいえ、『エンペラーズマインド』含め強固な防衛ラインを敷く帝国軍相手に、真っ向からぶつかっていくような愚を犯す訳にもいきません」
 そのための策は……ある。
 プルミエールはモニターに、『エンペラーズマインド』を模したグラフィックを表示する。
「この帝国大要塞『エンペラーズマインド』は遺失技術の一つで、ワープドライブを妨害するという厄介な性質を有しているようです。そのためか、皆さんを直接『エンペラーズマインド』内部へ送り届けることはできないのです」
 だが、その特性ゆえ生まれただろう隙もある。
「どうも帝国軍の防衛戦力は、『解放軍』のスペースシップとの決戦に注力していて、『エンペラーズマインド』周辺宙域の警戒が疎になっているよう。そこを狙わない手はなありません。皆さんには敵の哨戒にかからない少人数で『エンペラーズマインド』内部に潜入して、破壊工作をお願いしたいのです」
 と、いうのも、『エンペラーズマインド』の攻略には、『⑪エンペラーズマインド・コア』の破壊が必要不可欠という事情がある。
「『エンペラーズマインド』内部には、そのコアを守るために数百以上の『巨大隔壁』があります。それらは、極めて厳重に守護されているという情報を入手しております」
 おまけに、現状どれがコアに通じる道であるかも定かではない。
 そのため、猟兵は秘密裏に『エンペラーズマインド』に突入した後、要塞内を巡回する警備兵の目を盗み、出来るだけ重要そうな『巨大隔壁』の破壊を一つでも多く行う必要がある。
 また、警備兵に発見されずに要塞の奥まで移動できれば、より重要な『巨大隔壁』を破壊する事も不可能ではないだろう。
「……しかし正直、数百以上の『巨大隔壁』と聞いて、私も……そして皆さんも眩暈がしていると思います。ですが、近道はありません。一つ一つ潰していくしかないのです。根気のいる作戦ですが、どうかお力をお貸しください!」


ハル
 皆様、お世話になっております、ハルです。
 今シナリオは、一連の銀河帝国攻略戦、その関連シナリオとなっております。


 また、以下の内容について、よくご確認ください。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================

 求められる事は、とにかく哨戒、警備兵に見つからないよう、隠密行動に徹する事。忍者の如く影の存在となって、秘密裏に暗躍するのです!

 また、隔壁の破壊後は、大量の警備兵が集結してきます。当然通常の方法では撤退できません。しかし、突入時は直接の転移は行えませんが、撤退時に関しては強制撤退を行えますので、撤退方法についてはご心配されなくても大丈夫です。

 それでは、皆さんの格好いいプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『⑩エンペラーズマインド突入戦』

POW   :    密かに潜入し、POWのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

SPD   :    密かに潜入し、SPDのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

WIZ   :    密かに潜入し、WIZのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セゲル・スヴェアボルグ
このなりで隠密と言われてもな……まぁ忍び足ぐらいならできなくはないが。最悪、気合いで何とかすればいい。
要は発見されて敵に潜入がばれなければいいのだろう?
ならば話は簡単だ。もし見つかったのなら、狭路に引き込んで速やかに眠ってもらうとしよう。再び目を覚ますかどうかは知らんがな。

可能な限り奥の隔壁まで行きたいところではあるが、進めなければあきらめるしかないか。
隔壁破壊の際は遠慮なくいかせてもらうぞ。俺の錨斧で狂飆の王を盛大にぶち込んでやろう。多少揺れるかもしれんが、そこはまぁ許容範囲だな。


ハル・パイアー
「潜入工作、私の本領だ。一人でも良いが、可能ならば隠密の不得手な者をサポートし戦果を広げたい所だな。」

小官は電子戦を併用した潜入工作を開始。
まずは[迷彩]と[忍び足]を合わせ姿を隠して[暗視]を作動し侵入。この際隠密に不慣れな者が居れば先導を請け負いましょう。
そして《サイバーナビ=サポートシステム》にて[ハッキング]し、カメラやセンサー類の有無を[情報収集]。入手した情報を友軍と共有しつつ網の目を潜り抜け、深部へと浸透。
警備が多少密になったエリアで隔壁を発見したら、隔壁のロック機構にAIナビを送り込み解除。
もしくは物理的なロック位置を把握して熱ブレードの[破壊工作]にてストッパーを破壊します。


五十嵐・達也
隠密行動は得意ではないが、やるだけやってみせよう
此処を突破しなくては次に進めないのだからな

狩人の目を用いて、周囲の状況を把握しながら進んでいく
「我が従者達よ、私の目となり翼となれ」
敵が近い時は素直に迂回したり隠れてやり過ごす
どうしてもやり過ごせない時は、天井に咎抉りの鑷子を突き立て、天井に張り付いて見つからない様に祈る
うまく到達したら、手持ちの拷問具達で巨大隔壁を攻撃し離脱だ
「さて、どうなるか……!」
見つかったら素直に撤退だ、無理をする場面ではない



「――こちらの区画は異常なし、だな」
 エンペラーズマインド内部の通路を、数人の警備兵が辺りを警戒しながら通り過ぎていく。
 ふいに、端末を覗き込んでいた警備兵が首を横に振る。
 すると、最新鋭の無線通信機を手にした警備兵が、どこかに連絡を始めた。
「本部へ、こちら警備A班。該当区画に異常なし。繰り返す、該当区画に異常なし」
『……本部了解。ただちに持ち場へと帰還されたし』
「警備A班了解」
 端的な応答を終え、通信がプツッと切れる。やがて、警備兵は警戒心を緩めぬままに、通路の奥へと進んでいった。
「ふむ、一先ずは撒いたか。お前さんがいなければ、早速見つかっていた所だ。なにせ俺は、隠密といっても忍び足くらいしかできん。加えてこのナリだ」
 電脳魔術士なれど、昔取った杵柄と呼ぶには程遠いものだと、青の竜燐が目を引くセゲル・スヴェアボルグ(ドラパラ・f00533)はハル・パイアー(スペースノイドのブラスターガンナー・f00443)の背中を叩いて賞賛する。
「お気になさらず。小官にとっては、潜入工作こそが本領ですので」
「そう言わず、礼は素直に受け取っておくものだ、パイアーくん。サイバーナビ=サポートシステムといったか、実に見事だった」
「……貴殿方のサポートができていたなら、小官は本望であります」
 謙遜するハルであったが、五十嵐・達也(血濡れの咎狩人・f00485)がセゲルに加勢。さすがに、年長者二人に囲まれては分が悪い。ハルは早々に彼らの謝意を受け入れると、年齢や見た目にそぐわぬ軍人然とした鋭い瞳をスッと通路の先に向け、変わらず先導役を引き受ける。
 ハルのした事――それは、警備兵の操っていた端末をハッキングした事だ。それによって彼ら三人は警備兵の目を逸らし、隙を見て忍び足なども用いて巡回の網を掻い潜る事ができた。
「さて、私もやれるだけやってみせよう。足手まといになるつもりはないからな」
「では、小官もその間にこの辺りを調べてみます」
 しばらく先に進むと、先ほどまでより明らかに警備兵の数が増えてくる。
「我が従者達よ、私の目となり翼となれ」
 警戒した達也が、己と魔術的な知覚を共有する血塗れの羽を複数放つと、通路の先を斥候させる。
 と。
「問題が発生したようです」
 カメラやセンサー類の有無を調べていたハルが、振り返った。
 セゲルも周囲に何らかの気配を感じた事で瞬時にその意図を察すると、自分たちを逆に付け回し、存在を本部に知らせようと端末を弄っている警備兵を発見し――錨斧を一閃させて瞬時にその意識を刈り取った。
「お前さんはそこで眠っていろ。……最も、再び目を覚ますかどうかは知らんがな」
 セゲルはピクリとも動かなくなった警備兵を、手近な狭路へと放り込んでおく。
 やがて三人は、一つの巨大隔壁へと到達。極めて頑健そうな見た目は威圧感を伴い、まるで猟兵達を拒絶しているかのよう。
「警備も厳しくなってきましたし、そろそろ潮時でしょうか」
「無理をする場面ではない。確実に破壊する事を優先するとしようか」
 ハルの言葉に、達也が頷く。
「では――ノーマッド、情報処理支援を要請する」
 ハルはナビAIと五感を共有し、巨大隔壁のロック機構に潜り込んだ。途端、隔壁の挙動がおかしくなり、物理的なロック位置が割り出される。
「そこをぶち壊せ、という訳だな。遠慮なくいかせてもらうぞ」
 もう隠密の意味が半ばなくなり、セゲルが破壊の高揚感からかGAHAHAHA! と笑う。
「俺の錨斧で狂飆の王を盛大にぶち込んでやろう!」
 斧とは名ばかりの鎚が叩き込まれると、通路を吹き飛ばされそうな突風、暴風が吹き荒れる。巨大隔壁は周辺の機構を巻き込んで、激しく拉げていった。
「私の拷問器具の味を教えてやれないのは残念だ。しかし、刻んでやる事はできるぞ」
 濃密な血臭を漂わせ、赤黒いオーラを纏った達也が、血のこびりついた鉈を、鑷子を突き刺していく。
 さらに、ハルも熱ブレードにて加勢する。
 足元がグラグラと揺れ、警報が鳴り響いた。
 そうした中でも三人は怯む事なく苛烈な攻撃を続行させると、間もなく――。
 ロック位置にみならず、隔壁全体が飴細工のように砕け散った。
「さて、どうなるか……!」 
 達也が見届けようと、狩人の目を走らせる。
 しかし、さしたる変化はなく、通路はどこまでも続いていた。
「撤退するぞ!」
 今までとは比べ物にならない大勢の足音が聞こえる。セゲルが告げ、ハルが要請すると、強制撤退が作動する。
 三人は巨大隔壁の破壊という戦果を手に、撤退を果たすのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

霑国・永一
【SPD】
さてさて、今回のお宝はコアというわけだ。盗むんじゃなく壊さなきゃだけどねぇ

とりあえず可能な限り警備兵の服装に【変装】するかな。保険ってやつだ。
道中は【迷彩】と【忍び足】活用しながら【視力】で先を確認しつつ慎重に敵を迂回してやり過ごすよ。
どうしても邪魔な警備兵は「なんか妙なものが」とか言って道の影から【誘き寄せ】、オルタナティブ・ダブル使って死角からダガーで【暗殺】してしまおう。【だまし討ち】も併用するかな。
バレたりして逃げる際は【逃げ足】【ダッシュ】で素早くだ。

隔壁は分身と一緒にダガーでなるべく脆そうな箇所を丹念に突いて行くかな。
他の猟兵居るなら協力は惜しまない
「さて、力仕事だねぇ」


マリアドール・シュシュ
アドリブ歓迎
同じ旅館に泊まる【霑国・永一】ともし絡めたら嬉しい

「警備の人の目を盗んでたくさん壁を壊すのだわ!
そっと、そーっとマリアも行くのよ(唇に指当てて)
他の猟兵達と合流出来るならマリア協力したいのだわ」

白のケープ羽織り竪琴持って潜入
【クリスタライズ】で透明化
重要そうな『巨大隔壁』には他の壁とは違う特徴(色や壁の素材など)や目印があるか見比べて、
重要そうな壁を演奏攻撃で多く破壊

疲労回復のため身を隠し適度に休憩
敵に遭ったら【おびき寄せ】で敵を一か所へ集め演奏で一網打尽
可能なら透明化で要塞の奥まで向かい壁を破壊

「地道で途方もないけれど、これが希望の光を掴む足掛かりになるとマリアは信じているのよ」



「警備の人の目を盗んでたくさん壁を壊すのだわ! そっと、そーっとマリアも行くのよ?」
 唇に指を立てながらも、マリアドール・シュシュ(無邪気な華水晶・f03102)の表情に緊張感は欠片も感じられない、むしろ、白いケープを揺らし、黄金律の竪琴を抱く様は、どこかこの状況を楽しんでいるかのよう。
「そういえば、今回は盗むんじゃなく、壊さなきゃいけないんだったね。さてさて、今回の目玉であるコアは、一体どこにあるかな」
 そんなマリアドールの様子を、霑国・永一は微笑を浮かべて見守っている。
「でもでも永一。あなたそんな服、どこで調達してきたの? マリア、とーっても不思議なのよ?」
 ふと、マリアドールが首を傾げた。彼女が指摘したのは、永一が着用しているエンペラーズマインド警備員の、警備服であった。
「普段から隠れ潜む必要がある人間は、探す者の思考も読み取れる――蛇の道は蛇……とは少し違うけれど、まぁ似たようなものかな。保険ってやつだ」
「むむっ、よく分からないのよ」
 永一は好奇心旺盛なマリアドールに対し、胡乱な表情と言葉で煙に巻こうとする。するとマリアドールは可愛らしく口を窄めたので、永一は苦笑を浮かべ、先程彼女がそうしていたように唇に指を当てた。
(「なに?」)
 マルアドールは、そう問いかけるよりも先に、その音を聞く。
 永一と視線を合わせると、高い視力を持つ彼は通路の先を見つめ、静かに頷いた。
 足音が聞こえたのだ。永一の目は、ハッキリと警備員の姿を捉えている。
 瞬間――「ここはマリアに任せて!」そうマリアドールは悪戯っぽい笑みを浮かべると、永一の腰元に抱き着いた。
 永一はさしたる動揺も見せず、場の趨勢を見守る。
 すると、警備員は永一とマリアドールに気付く素振りもなく、通り過ぎて行こうとする。彼には二人の姿が見えないのだ。透明化している。
「……ん?」
 途中、疲労によって僅かにマリアドールの息が乱れ、その音によって疑念を与えてしまうが。
「……気のせいか」
 最終的には警備員を欺く事に成功した。

「……困ったな」
 特に困った様子を感じさせない声色で、永一は呟いた。永一達は無事に、忍び足で音を殺し、巨大隔壁……その一つを発見したのだが、その前には警備員の姿があった。
「警備の人がいるって事は、きっとあの隔壁は少し重要な場所のだわ!」
「かもしれないね」
 マリアドールは目を凝らして隔壁を見渡すが、しかし特にこれといった特徴や目印は見られない。
「さて、力仕事を始める前に、マリアドールは一つ協力してくれるかい?」
「もちろんなのだわ1」
 どんな楽しいことが始まるのかと瞳の星を煌めかせるマリアドールに、やはり永一は苦笑して、彼女に後ろを向いてもらうのであった。

「なんか妙な女がいるぞ!」 
 永一は通路の影、死角からあえて大声を出し、警備員を呼び出す。途端、駆ける音と共に、気配が永一の真後ろに迫った。
「そいつ一人か?」
「ああ」
 警備服の永一の背中に、警備員は何ら警戒を示さない。
 永一は、警備員が自身の間合いに入った事を確認すると、「頼んだよ?」自身の内側に語り掛ける。
「なんで俺様が!」
 瞬間、粗暴そうな男の苛立ち交じりの喚きが辺りに響くも、警備員の背後を取った男――もう一人の永一によって警備員はタガーで暗殺される。騙し討ちにあった警備員は、反撃も叶わない。
「マリア、役に立ったの?」
「もちろんだよ」
 パチパチと拍手を送るマリアドールの瞳に、血塗れで倒れる警備員の姿はすでに入ってはいなかった。
 
 黄昏色に眩くハープの音色が、マリアドール自身の歌声が、巨大隔壁を揺るがし、震わせていた。
「もう一度頼むよ」
「ふざけんじゃねぇ!!」
 けたたましく警報が鳴り響く中、永一ともうひとりの彼が、マリアドールの演奏によって脆くなっている部位を狙って丹念に繰り返し突いた。
 それにより、巨大隔壁が轟音と共に崩れ去る。
 しかし同時に、大量の警備兵も到着していた。
「さぁ、逃げるよ!」
 永一が、持ち前の逃げ足で駆け抜ける。
 マリアドールは警備員を一か所におびき寄せ、演奏によって一網打尽に。
 だが、一向に警備員の数は減らない。
 その時――撤退の準備が整い、二人の視界が白んでいく。
「地道で途方もないけれど、これが希望の光を掴む足掛かりになるとマリアは信じているのよ」
 コアに辿り着けずとも、やがてこの行動が意味を持つ日が来る。マリアドールはそう信じ、エンペラーズマインドを脱した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

胡・翠蘭
「久しぶりの隠密行動ね……ふふ、燃えるわね」
【SPD】
忍び足で行動しましょう
第六感、野生の勘を駆使して敵に気づかれないように気をつけて隠密行動しましょう
巨大隔壁は……ふふ、シンプルに【ガジェットショータイム】でハンマーにガジェットを変形させて、思いっきり攻撃していきましょう
「んんっ……硬くて大きいわね……ふふ、イカせ甲斐がある、わね?」
打撃がダメなら剣型に変えたり、槍型に変えたり……色々試して見たいわね

ふふ、動かないもの相手、と言うのは少し興が乗らないけれど……この後のお楽しみのために、頑張りましょうか


ナーシャ・シャワーズ
隠密行動ね。
ま、そういうのも必要になる稼業だ。
何より、余計な戦いはせずに目的だけを果たすのが一番スマートだろ?

無重力の空間とはいえ、何者も頭上ってのは死角になるもんだ。
上下左右が入り混じるわけだから簡単じゃあないが
そこにワイヤーガンの機動性で隙をついて移動していこう。
天井や壁に張り付くのもお手の物、ってね。

セキュリティやロックの類はこの煙管で何とかするとして…
要塞内部は完全に真空って事もなかろう。
耳は良い方なんでね。音だって大事だ。
それは警備の奴らにも言える…うまくやれば隙を作れるはずだ。

脱出の事を考える必要がないなら
最後は目的を果たす事だけを考えよう。
頼りにしてるぞ、スペースサーファー。


ヴォルフガング・エアレーザー
※他猟兵との絡み、アドリブ歓迎

この壁の向こうに、敵の本丸がある……是が非でも通させてもらうぞ!

移動時は「忍び足」で「目立たない」よう気配を消して進む。
敵の気配は「野生の勘」で察知し、身を潜めてやりすごす。
警備兵の動きをよく観察し、進行ルートのパターンを把握したら、そのルートを避けて通る

巨大隔壁粉砕時は【獄狼の軍団】使用
召喚した炎の狼たちに「鎧砕き」の力を込め、隔壁の継ぎ目などのような脆い箇所を狙って集中攻撃させ焼き尽くす



「久しぶりの隠密行動ね……ふふ、燃えるわね」
 猫のような金と緑の瞳に軽い邪気を滲ませ、胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)は妖艶な仕草で、流れた濡れ羽色の黒髪を耳にかける。
「まっ、私はいろいろとあって状況には慣れてる。あんたはどうだい?」
「俺とて、人生のほとんどを戦場で過ごした身。遅れを取るつもりはない」
 ナーシャ・シャワーズ(復活の宇宙海賊【スペースパイレーツ】・f00252)が興味深く辺りを観察しながらヴォルフガング・エアレーザーを見やると、当のヴォルフガングは表情を変えず、淡々と答えた。しかし、表面的には淡々としながらも、ヴォルフガングの青の瞳の奥には、やり遂げるという強靭な意思が透けて見え――。
「二人とも頼りになりそうで何よりだわ」
「あんたこそ、ね」
 翠蘭が、フッと微笑む。するとナーシャが飄々と切り返してきた言葉に、二人は一頻り、声を殺して笑った。

 ナーシャが煙管型マルチツールを操作すると、セキュリティが解除され、ロックがかかっていた扉が開く。
 翠蘭とヴォルフガングが先行し、三人は忍び足でゆっくりと前進した。すぐ前方には曲がり角があり、猟兵達は依然として物音を立てぬよう気を配り、その角を曲がろうとする。
「この先に巨大隔壁があるはずだよ」
 ナーシャはツールを操作しながら、事も無げに告げた。既にマップは取得しており、後は道なりに進むだけ。
「今までに見かけた既存の警備兵ならば、この先のルートにはいないはずだ」
 が、その時――。
(「……ん?」)
 ヴォルフガングが、違和感を覚える。そしてその違和感を覚えたのは彼だけでなく、
(「まずいわ!」)
 翠蘭も同様のようだ。一人だけならともかく、猟兵の内二人も本能的な気付きを得たなら、それは最早必然とすら呼べるもの。
 翠蘭はナーシャに合図を出すと、できるだけ死角となる位置に身を隠す。ヴォルフガングも、身を潜めてやり過ごそうとしていた。
(「……危なかったね、助かったよ、あんた達。でも、やっぱ頭上っていうのは何者からしても死角になるもんだからね」)
 ナーシャは腕輪からワイヤーを天井部位に射出し、その短縮延長を利用して天井に張り付いていた。
 それは、まさに瞬きの間。
 瞬間――翠蘭とヴォルフガングの勘を証明するように、進行方向先……エンペラーズマインド内部の一室から、警備兵が出てくる。ワイヤーガンの着弾音は、ドアの開閉音と警備兵の声に掻き消された。
「侵入者は確認できず、だな」
「油断せず、警戒を続けよう」
 会話の内容が、猟兵達の耳に届く。
 目立たぬようにヴォルフガングが通路を覗き込むと、そこには複数人の警備兵の姿。
「……どうやら、警戒が厳しくなっているみたいね。この辺りに目ぼしい隔壁があるのか、もしくは別の理由があるのかは分からないけれど」
「そのようだ」
 おまけに、警備兵達は猟犬の進みたい方向へと向かおうとしている。
 翠蘭の言葉に頷きながら、ヴォルフガングは視線を天井に向ける。
 そこにいたナーシャの青い瞳と視線が交錯すると、合図は行動となってすぐに返ってきた。
(「音っていうのは、存外大事なもんさ。警備のあんたらにとってもね」)
 ナーシャが再度ツールを操作すると、離れた地点から開閉音が響く。その音を聞きつけた警備兵は、慌ててそちらに向けて駆け出して行った。
「余計な戦いはせずに、目的だけを果たすのが一番スマートだろ?」
「それには同意するが、急ぐぞ。長くは持たない! 忌まわしき魍魎共よ、己があるべき場所へと還れ! 何者も地獄の番犬の顎門から逃れる術は無いと知れ!」
 巨大隔壁に相対し、ヴォルフガングが地獄の炎を纏う狼犬を広範囲に解き放つ。飢えた地獄の番犬は障壁に喰らい付き、その電子部品を喰らっては燃やし尽くす。
「大丈夫だよ、最後は目的を果たすだけってね! ――頼りにしてるぞ、スペースサーファー」
 それまで飄々としたナーシャの表情が、真剣なものへと変貌した。スペースサーファーに騎乗した彼女は、猛烈なスピードで障壁周辺を駆け巡り、ワイヤーガンと大口径拳銃によって凄まじい破壊を齎している。
「……動かない相手、と言うのは少し興が乗らないけれど……それはこの後のお楽しみね」
 その際に邂逅する相手が、いい声で鳴いてくれる肉の存在である事を願いながら、翠蘭は魔導蒸気を噴出させるガジェットをハンマーの形状に変形させ、叩きつけた。
「んんっ……硬くて大きいわね……ふふ、イカせ甲斐がある、わね?」
 なかなか果てない隔壁に、翠蘭は魅惑的だと自負する唇をペロリと舐めた。
 しかし時間はないようで、誘導されたと気づいたらしい警備兵が鬼の形相でこちらに向かって来ている。
 ナーシャとヴォルフガングがラッシュをかけ、さらに攻勢を強める。
 やげて、翠蘭はガジェットが隔壁を破壊しやすいよう最適化。槍の形状として突くと、隔壁に風穴が空く。
「是が非でも通させてもらうぞ!」
 その風穴を中心にヴォルフガングの狼犬が隔壁を貪ると、ようやく隔壁は完全破壊に至った。
「さぁ、おさらばだ!」
 ナーシャが告げると、どうやら強制撤退の準備も整ったようだ。
「ふふ、遅かったわね、警備兵の皆様方。でも、少し遅いぐらいならいいけれど、遅すぎる男は嫌われるわよ?」
 最後に翠蘭のそんな言葉をその場に残し、猟兵たちは撤退したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト