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限定販売の特別なお菓子

#UDCアース

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#UDCアース


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 UDCアースにある、とある町の噂話。
 子供たちの間でまことしやかに囁かれる、ちょっとした噂話があった。
 『ちょうど放課後の時間帯にだけ開いている、とびきりかわいくておいしいお菓子を売っているお店がある』という、ささやかでかわいらしい噂話。
 『そのお菓子には、ちょっとした秘密がある』という、よくあるはずの、噂話。

『お菓子を食べた子供たちは、特別な世界に連れていかれる』という、触れてはならない真実に近づいてしまった、噂話があった。


「みんなは限定販売のお菓子って好き?」
 依頼の説明をするからと猟兵たちを集めた指矩・在真(クリエイトボーイ・f13191)は、チョコ菓子をもごもごと口いっぱいに頬張りながら尋ねる。
 彼の後方にある机の上、机の近くにあるごみ箱の中、その他あちらこちらに直前に食べていたであろうお菓子のパッケージや未開封のそれが山積みになっていた。
「むぐ…ぷはっ!実は今回の事件、限られた時間、限られた場所でしか売られてないって子供たちの間だけで噂になっているお菓子がカギになってるんなんだよね」
 在真の説明を聞いてもう一度お菓子のパッケージを確認すると、たしかに『期間限定』『数量限定』といった一部の層の購買意欲を掻き立てるようなワードが躍っているものばかりである。
 まさか、その超限定お菓子を買って来いという依頼じゃないだろうなと誰かが疑いのまなざしを向けると、在真は慌てたように宙にウィンドウを展開し、とある街中の風景を映し出した。
 猟兵たちは、ビルや歩行者の服装などから映された世界がUDCアースであることがわかるだろう。
「実はね、UDCアースのこの町で小中学生が何人か行方不明になってるんだけど、さっきのお菓子の噂が流れたのも同時期なんだ。…ぼくの予知だとね、その特別お菓子、邪神復活を目論む連中お手製のお菓子なんだって」
 どうやら特製お菓子には眷属を呼び出す術が施されており、最後の材料である贄の体液がそこに加わってしまったら最後。
 狙われてしまった子供たちは食べる側から食べられる側に立場が変わってしまうのだ。
「眷属を集めてから復活に取り掛からないといけないような、危険な神様なんだと思う」
 新しい箱のお菓子を開け、中の袋を取り出す…かと見せかけて在真はその箱を手で弄ぶ。
 お菓子を利用する作戦が気に入らないことは膨れた頬が証明していた。

「今は販売量が少ないおかげでこの程度で済んでるけど…このままだと被害はこの町だけじゃ収まらなくなっちゃう。だから、きみたちに2つやってほしいことがあるんだ」
 言葉が切れるとともに、在真の両隣にウィンドウが突如現れる。
「1つ目、眷属召喚紋付きお菓子を売っているお店を特定すること」
 右手側のウィンドウに、かわいらしいお店のイラストが映し出される。
 今回の敵のターゲットは放課後の時間帯に活動する小学生から高校生だ。
 噂話からアプローチするなら彼らがカギを握っている可能性は高い。
 また、行方不明事件から被害者の行動や共通点を探すことができれば店舗特定の役に立つかもしれない。
「2つ目、眷属と店主を撃破して、行方不明者の発生を食い止めること」
 左手側のウィンドウでは、やたらと丸っこい鳥と怪しい笑みを浮かべたおじさん(絵柄のせいで恐ろしい雰囲気は完全に消失している)のイラストに大きく赤で×印がつけられていた。
 また、イラストをよく見ると鳥の方には小さく同系色の楕円もいくつか描かれており、おじさんの方にはややわかりにくいが銃のようなイラストも近くに添えられている。

「お菓子は大人も子供も関係なく、みんなをハッピーにさせるものじゃなとね!」
 よろしくお願いしまーす!と、在真はとびきりの笑顔で猟兵たちを送り出すのであった。


灰猫
 ご覧いただきありがとうございます。灰猫と申します。
 今回の舞台はUDCアースです。

●第一章:冒険
 眷属召喚紋付きお菓子を売るお店の情報を集めてください。
 冒頭の『噂話』に関しては基本的に子供たちの間でしか広がっていないため、その点に関しては注意が必要です。

●第二章:集団戦
 眷属であるセキセイインコ型オブリビオン『セキセイさま』を撃破してください。
 かわいらしい見た目をしていますが、直接行方不明者に手を下したオブリビオンです。

●第三章:ボス戦
 眷属召喚紋付きお菓子を販売するお店に突撃し、店主である『邪神エージェント』を撃破してください。
 他に従業員等の姿はなく、彼を倒すことで今回事件はひとまず終息します。

 それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております。
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第1章 冒険 『消える子供たち』

POW   :    多くの人から聞き込みをする

SPD   :    行方不明になった現場周辺を調べる

WIZ   :    行方不明になる条件を考察する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴェル・ラルフ
お菓子には抗えない魅力があるよね。限定って言われると、僕も心惹かれるなぁ。


僕は被害にあった子どもたちと年齢も近いだろうから、普通の学生のふりしておこう

下校時刻に合わせて、現場周辺をぶらぶらしてればそれっぽい噂を聞いたり、怪しい店に遭遇できるかな。

違う世界の同年代って、どんなことしてるんだろう。ちょっと興味津々。

話しかけられても、話しかけるときも、いつも通り笑顔で対応しよう。得意だからね(にこ)
コミュ力はこういうときに生かすものかな。



 あどけなさが残る少年少女が学業を終えて帰路に就く中。
 一人で、あるいは集団でそこの住民たちが思い思いに歩く街中をヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)は練り歩いていた。
 彼の服装は黒くシンプルな詰襟…自身と被害にあっている子供たちの年齢が近いことを意識し、学生のふりをしようと取り寄せたものだ。
 見慣れぬ衣装に身を包み、この世界の学生に思いをはせてどこかふわふわとした気持ちになりながらも、猟兵としての役目を果たすべく景色の中に溶け込む。
「え、アンタあの噂知らないの!?」
 ヴェルの耳にそんな甲高い声が届いたのは、自販機のすぐそばで小休止をしているタイミングであった。
 不自然にならないよう視線だけ走らせると、どうやら声の主はセーラー服を着た二人組らしい。
「噂…?」
「そう!なんでもね、すっごいかわいい鳥のドーナツ売ってるんだって。開店時間が今くらいなんだけど、すぐ閉まっちゃうんだって。やばくない!?」
「そんなにおいしいのかなぁ…?」
 そんな会話をしながら二人組はヴェルの前を通り過ぎていく。
「……鳥の、ドーナツみたいだね」
 彼女の言葉を繰り返す。
 『かわいいお菓子』『放課後の時間に開店』。予知の内容と符合が一致することを踏まえると、おそらく今回の噂のお菓子だろう。
「お菓子には抗えない魅力があるからね」
 空になった缶をゴミ箱の中に捨て、1人伸びをする。
 限定のお菓子に心惹かれるのはヴェルも同じ。
 情報収集を続けようと、ヴェルは再び人好きのする笑顔を浮かべて歩き出すのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレキサンドラ・ミルキーウェイ
ふーむ、確かにお菓子を粗末にするのは頂けませんね
食べ物の恨みは、それはそれは恐ろしいものなのですよ

とりあえずは行方不明現場付近の調査からやっていきましょう
まずは大雑把に現場を見回って【情報収集】
現場の位置や残されているものに共通点が無いか探ってみましょう
それと、不審な痕跡などあれば痕跡の【追跡】を試みるのです

また、これまでの行方不明現場の位置から大まかに対象の店があるエリアを絞り込んでみるのですよ
大体こういうものは複数ある現場の中心付近に手掛かりがあるものなのです

……お菓子の店など探していたらこちらもお腹が空いてくるのです
終わったら牛丼でも食べたいのです



 どこか人気の少ない公園。
 事件の情報を求める張り紙を、アレキサンドラ・ミルキーウェイ(強欲の貧者・f13015)は静かに見つめていた。
 そう、この公園はある被害者が最後に目撃された場所だった。
 さすがに『人がいなくなった』という情報は伏せることができず、近くの住民もこの場所を気味悪がって避けているらしい。
「……ここ、ですね」
 アレキサンドラの手元には小さな紙…事件が起きた場所をまとめたものだ。
 そして、『複数ある現場の中心付近に手掛かりがある』という推測のもとたどり着いたのがこの公園であった。
 何か情報が残されていないかと公園の中を見てまわる。
 すると、花壇の中に何やら気になるものを見つけ、それを手に取る。
 草の影に隠れるように落ちていたのは、少し大きめの箱型の容器のようだ。
 土で汚れているうえに時間がたっているのであろう、ところどころ破れてしまっている。
 ゴミかとその場に捨てようとするが、アレキサンドラはふとこの公園に立ち寄る前に寄った事件現場のことを思い出す。
「そういえば、あそこにもフォークみたいなのが落ちてましたね」
 それは持ち運びやすく細身にしたのであろう、二股のプラスチック製のフォーク。
 この容器に入るくらいの大きさのスイーツを刺すには、ちょうどよさそうな大きさだったことを思い出す。
 まさかとより注意深く周囲を探せば、少し離れた所に同じフォークが見つかった。
「なら、これは例のお店のパッケージと見てよさげですね」
 アレキサンドラは犯人に近づいたと確信する。
「……お菓子の店など探していたらこちらもお腹が空いてくるのです」
 ふうとため息1つ。
 フォークとパッケージはお腹を膨らませてくれないのだから、正直不満だ。
 終わったら牛丼でも食べたいのです、と女子にしてはがっつりした食べ物を思い浮かべながらアレキサンドラは公園を立ち去るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

楠瀬・亜夜
甘い物……菓子はいいものです。人類の英知の賜ですね……
そんなお菓子をそんな事に利用するなんて許しがたいですね。
いいでしょう、菓子の番人(適当)の名の元に成敗してくれよう

(SPD)
まずは店について情報を集めなければですね
店に実際に足を運べるならそれに越した事はないですけど。

スイーツとくれば女子高生の出番です。
下校時刻の学校付近で【聞き耳】で女子高生達の会話を盗み聞き
件のお菓子屋の情報を調査します。
もし、店に向かう人物がいるのであれば
こっそり【追跡】技能を駆使して尾行してみましょう。

あまよくば今回の事件とは関係ないお菓子の情報も……



 キーンコーンカーンコーン。
 UDCアースの世界ではありふれた、授業終了を告げる学校のチャイムが鳴り響く。
 もうしばらくすれば学校を後にする生徒で賑やかになるであろうその場所に楠瀬・亜夜(追憶の断片・f03907)は佇んでいた。
「甘い物……菓子はいいものです」
 まだ目的の人物が現れていないのをいいことに、お菓子に思いをはせる楠瀬。
 お菓子。それは人類の英知の賜ともいえる代物である。
 しかし、今回の事件ではその英知が世界を滅ぼしかねない願いのために利用されてしまっている。
 ―なんとも許しがたい。
 ―いいでしょう。菓子を愛する者…否、『菓子の番人』の名の元に成敗してくれよう…!
 いまだ顔の知れぬ敵に怒りを覚え、断罪の方法を考えていると、すぐ近くで女性の声が複数する。
 姿はまだ見えない。声のする方向からして、ここの女子生徒のようだ。
「…だからさー、噂のお菓子を買いに行ってみよーよー」
 それも噂を知る女子高生四人組…楠瀬が求めていた人物だ。
 不審者と間違われないように少し距離を置きながらも、彼女たちを尾行し会話を盗み聞く。
「でもすぐ売り切れちゃうんだっけ?」
「鳥さんの鳴き声が聞こえないと辿り着けないって噂もありますよねぇー」
「そーそー。しかもお店、ここからだとちょっと遠いうえにほっそい路地にはいっていくんじゃなかったー?」
「えっ、遠いとか聞いてないんだけどぉ!?じゃあ走る!!」
「却下だよお馬鹿」
「だったら最近新しいクレープ屋さん行ってみますぅー?」
 賑やかな会話。この他愛のなさも女子高生らしいと言えるかもしれない。
 しかし、噂に隠れた真実を求める猟兵にとっては貴重な情報も混ざっていた。
 細い路地の店にあり、どうやら辿り着くための条件もあるらしい。
「……クレープもいいですね」
 この情報もまた、『菓子の番人』たる楠瀬にとっては実に有意義なものであった。
 事件とは一切関係ない情報も手にしつつ、楠瀬はクレープ屋に向かう女子高生に背を向けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

幻武・極
放課後の時間帯だけに開いているなんて完全に子供たちだけを狙っているみたいだね。
噂話も子供たちだけに広まるようになっているみたいだから、大人には内緒ってことになっているかもしれないね。

とびきり『かわいく』ておいしいお菓子ということだから、こういうのにも目がないんじゃないかな。
もふぐるみ(モフィンクス)を触らせてあげるからボクにもそのお菓子を売っているお店を教えてよ。と言って子供たちから情報収集していくよ。

モフィンクスは前に行った学園で大人気だったキャラクターということで地域限定推しをするよ。ネットにすら載っていないレア中のレアだよ。



 幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)はその手で秘密兵器を抱えながら町で噂を知っていそうな子供を探していた。
 すれ違う大人たちも幻武の持つ秘密兵器をちらりと気にする様子を見せているが、例の噂は大人には内緒という扱いになっている可能性を踏まえ、その視線をスルーしていく。
 そうして歩いていると、ランドセルを背負った少女と目が合った。
 髪をおさげにしている彼女の視線は幻武と秘密兵器の間を忙しなく行き来している。
 ニコリと笑みを浮かべて幻武は少女に近づき、声をかける。
「こんにちは!ボクが持ってるこれ、気になる?」
「っ!こ、こんにちは…」
 大人しそうな少女は一瞬身体を大きく跳ねさせるも、控えめな声であいさつを返す。
「これね、モフィンクスって言うんだ!出かけたときに買ったんだけど、そこでしか会えないキャラクターみたいでね、ネットにすら載ってないレア中のレアだよ」
 秘密兵器…宿敵を模したもふぐるみのモフィンクスを少女に見せつけるかのように差し出す。
 遺跡の置物のような雰囲気を残しつつもどこか独特のゆるさを感じる表情に、掴んでいる幻武の指を優しくふんわりと包むもふもふ感。
 いまだ夜はぬいぐるみと布団に入っている少女にとって、モフィンクスはこの上なく魅力的なもふもふ様と化していた。
「触ってもいいよ。…でも、教えてほしいことがあるんだ」
「何について知りたいの!?」
 若干食い気味である。恐るべし、もふぐるみ。
「実は噂でかわいいお菓子を売っているお店があるって聞いたんだけど、そのお店を知っていたら教えてほしいんだ」
「噂…あ、放課後のドーナツ屋さんかな。ごめんなさい、場所は知らないの」
「そっかぁ…残念だなぁ」
 少女も幻武も肩を落とす。
 しかし、はっと何かを思い出したかのように少女は言葉を続ける。
「でもねでもね!ドーナツ屋さんを探してこの辺に来ている人は多いみたいなの。実は近くにあるのかも?」
 同じ目的を持つ人間が集まるということは、そういう事なのかもしれない。
 期待の眼差しを向ける少女に、幻武は少し困ったような笑みを浮かべてもふぐるみを差し出すのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

佐々・真子
限定販売のお菓子ですか!!
そういえば、クラスでちょっと噂を聞いたことありますね!!!


……えー
事件ですかー(´・ω・`)

はい、はい……調査……わかりましたよぅ
知ってる人が犠牲にならないとも限りませんし、調べますよぅ

【POW】
ですから情報のバックアップはお願いしますねー
行方不明になった人の情報と分析結果ください

そんな感じでUDC組織に情報を送ってもらいつつ、自分でも条件の絞り込みやクラスメイトへの聞き込みを行います

積極的に「ねぇ、限定販売のお菓子のうわさ、聞いた? あれってねー」
と話を広げて<情報収集>し、その中で行方不明になる話も噂に紛れ込ませましょう

やっぱ、身近な人には無事でいて欲しいのですよ



 現役女子高生、佐々・真子(無個性派女子(主張)・f12501)は自身が通う学校の教室でスマホを操作していた。
 確認していたのは所属するUDC組織に送信してもらった行方不明になった人の基礎情報とそのまとめである。
 ついと指を動かしそれらを眺めていた佐々であったが、最後まで読み切ったところでふととあることに気が付く。
「なんか女子生徒が目立ちますねー…?」
 もちろん、男子生徒も被害にあっているが比重で言えば女子生徒に偏っている。
 それも中学生、高校生の年齢層になるとぐっとその数は減っていた。
 その原因は何だろうか、ともう一度最初から確認し直そうとしたときだ。
「真子ー、何見てんの?ライン?」
 ずしりと肩に重みを感じる。
 この声は普段から親しくしているクラスメイトだ。
 少し頭の悪いところがあるけれど、友人は多く明るくて根はいい子であると佐々は感じている。
「あぁ、ちょっとした小説だよー」
 さすがにUDCの存在を漏らすわけにはいかないと適当にごまかすと、活字が苦手なクラスメイトは理解できないと言わんばかりに重みを掛けていた肩から退く。
「げー…そういうの読むと、眠くならない?」
「そんなことないよー。それに、小説を読みながらのお菓子は格別だよ?」
「小説なんて読まなくてもお菓子はおいしいもん!あー、噂のお菓子が食べたいっ!!」
「噂のお菓子?」
 偶然にもこぼれてきた言葉を聞き返す佐々に、クラスメイトは答える。
「あ、話してないっけ?少し離れた所に中学校があるじゃん。なんでもそこにめっちゃ可愛いお菓子を売るお店があるらしいんだよねー」
 でも狙っている人多いみたいで売り切れになるのも早いみたいでさー、と話し続ける中佐々はそこが件の店なのではないかと思い当たる。
 そして女子生徒が多い理由もきっと『とにかくかわいいから』。
 かわいいものに惹かれる女子は多く、女子のネットワークを利用すれば大きく宣伝しなくても贄となる存在を呼び寄せることはできるかもしれない。
「…そっかぁ。でもあのお菓子屋には裏があるーなんて噂もありますし、パクっと食べられないようにね?」
 冗談めかしい警告。今はそれしかできない。
 噂を知り興味を持っている以上、彼女がこの事件に巻き込まれる可能性は否定できないのだ。
「言ってくれるねー!そうなったら、こうやって返り討ちだっ!!」
 クラスメイトはふふふといやらしい笑みを浮かべて佐々の脇をくすぐろうとする。
 こんな彼女も身近な存在であり、無事であってほしい。
 脇を狙う手から逃げながら、早いところ解決してしまおうと改めて決意するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

チガヤ・シフレット
お菓子、お菓子はいいな。甘くてうまいからなぁ。
限定販売となれば、また魅力も増すだろう。
それでガキをどうこうしようってのは許されないがな。

さて、きっちり解決して、ほんとにうまいお菓子でも食べに行くとするかぁ。

【SPD】

流石に学生に混ざって話を聞くのはなかなかな……いや、イケる、イケるんだが、な??
ということで、噂や情報を集めつつ、それらしい店に向かってみるとするか。
放課後で細い路地の方、だったか……?
上手く辿り着ければいいが。
辿り着ければ、一応身を隠しながら様子を見てみよう。
他の猟兵にもすぐに連絡できるようにはしておくかな。
幸い知り合いもこの件について調べてるようだしな。



 ―お菓子は甘くてうまくて、いいものだ。
 チガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)はお菓子のことを考えながら、ピンクのポニーテールを揺らして歩く。
 ―限定販売となれば、また魅力も増すだろう。
 解決したらお菓子を食べると決めればどこか心が弾むような気さえした。
 しかし、本来の目的を忘れてもいない。
「それでガキをどうこうしようってのは許されないがな」

 チガヤが辿り着いたのは、猟兵たちの調査によって割り出されたとある裏道。
 候補を絞るために街を歩いて得た噂や猟兵たちが集めた情報をもとにそれらしい場所を考えた結果、辿り着いたのがここであったのだ。
 本当は学生に混ざって話を聞く案もあったのだが、チガヤは女性としては魅力的ではあるものの学生と言い張るには少々厳しいものがあるプロポーションの持ち主である。
 もし話しかけるとしたら、『大人』として噂を追いかける何かしらの理由をつける必要があっただろう。
 決して年齢の問題ではない。女性として成熟しているが故の問題である。
 泣く泣く断念し、その足でもって情報を集めることにしたのだ。
 その路地裏には人気はない。
 しかしチガヤは念を入れて怪しげな建物の近くでは電柱や木庭木の影から覗き込むようにしてその通りにある建物を確認していく。
 すると、ちょうど真ん中あたりまで進んだところで古ぼけた木の看板が目に飛び込んでくる。
 その看板に描かれていたのは、やたらまるっこい鳥。
 その絵にチガヤは見覚えがあった。
 どこで見たのかと必死で思い出そうとすると、ふと調査の報告がまとめられたレポートのことを思い出す。
 問題のお菓子のパッケージと思われる箱に描かれていた絵と、目の前の看板の絵はよく似ていた。
「……ってことは、当たりか」
 目の前の建物が敵の本拠地だと気が付いた瞬間、肌が粟立つのを感じる。
 何者かがこちらを見ているような、そんな気配だ。
 それも1人2人で済む数でもない。
 舌打ちをこぼしつつ、チガヤは一旦その場から離れすぐさま仲間に店を発見したと連絡を入れるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『セキセイさま』

POW   :    ガブリジャス
【嘴で噛み付くこと】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    あわだまおいしい
戦闘中に食べた【あわだま】の量と質に応じて【全身の羽毛】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    セキセイまみれ
【沢山のセキセイインコ】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 問題の店を特定したとの連絡を受け、猟兵たちはその店の前に集い出す。
「ツイニキタカ……」
「シカシ、コノレンサハトメラレマイテ……」
「コヤツラヲワレラノカテニスルノモ、マタイッキョウヨ……」
 小洒落たアーチの向こうから、地を這うかのようなおぞましい声での会話聞こえてくる。
 その向こうで待ち構えていたのは、ふわふわ真ん丸でカラフルな愛らしい鳥のような生き物たちだった。
 猟兵たちがアーチを越えると同時に、会話は止み、視線が集まる。
 気が付けば店の前だけでなく、屋根の上、周囲の塀のそば、ありとあらゆる方向から漆黒の瞳が猟兵たちを捉えていた。
「サァ、ショクン。リョウヘイドモノアジミトイコウカ!」
 饅頭のような体を揺らし、愛らしくも残酷なセキセイインコ型オブリビオン『セキセイさま』は猟兵たちに敵意をむき出しにして羽ばたき始めた。
 失踪事件の実行犯を根絶やしにするのは、今、この瞬間からだ。
佐々・真子
一番乗り、ですかね

あ、これ無理です無理無理
絶対近寄っちゃいけない奴ですね

追跡者を呼んで視界確保をして私自身は絶対に近寄らないようにして狩人を送り込みましょう

大丈夫、先に発見することは得意なのです(第六感、視力、情報収集、目立たない)
私は隠れたまま猟兵の皆さんが来るまで牽制しましょう……!!

え、あ、こっち来てます?
息を殺してステンバーイステンバーイ

せ、戦術的撤退は躊躇いませんよ!!

もしも近寄られた場合は噛みつかれそうになったなら近寄らなければいけないという弱点を指摘して影の手で捕えます(愛でることの呪縛)



 薄い黄色と黄緑の羽毛の塊が、少しさびれた雰囲気の漂う店の前にぴょこぴょこと跳ねるようにして集まり出す。
 彼らがこの世界に害をなすオブリビオンだということを除けば、餌に呼び寄せられた小鳥たちに紛れ込んだかのような、平和で夢のある光景に思えたかもしれない。
 真実を知らなければかわいい、知っていれば恐ろしい存在の1つが、突如断末魔の叫びをあげ、粒子となって消滅した。
 ポップな色合いの中では異質な、胸にクラブのマークを持つ影が、群れの中にいた一体を影の弾丸で撃ち抜いたのだ。
カラフルなインコと黒い影が交錯する光景を佐々・真子(無個性派女子(主張)・f12501)は少し離れたところにある木の陰から見つめていた。

 佐々がこの場所に辿り着いたのは戦闘が始まるほんの少し前。
息を殺し、自身の気配を景色に溶け込ませながら周囲に視線を走らせるも、猟兵どころか一般人の姿も捉えることは叶わなかった。 
 ―友達があれに襲われるなんて嫌です。何とかしなくちゃ。
 ―でも、一調査員の私が戦うのは…あ、無理です無理無理。絶対近寄っちゃいけない奴ですね!
 思考の結果たどり着いたのが、『隠れたまま牽制』という結論である。
 切った張ったの大立ち回りをするのは召喚する狩人に一任することにしたのだ。

 自身の周囲を激しく飛び交うセキセイインコを影でいなし、インコを呼び出した『セキセイさま』に弾丸を見舞う影を佐々は陰ながら応援する。
 しかし、調査員として鍛え上げられた勘が警鐘を鳴らしだした。
 影から逃れるべく距離を取ったのだろう。
隠れていた木の枝に1体の『セキレイさま』がとまり、目が合ってしまう。
 佐々を射貫く漆黒の視線。服の下で汗が背中を伝う。
 偶然とはいえ近づかれてしまったのだ。この間合いは佐々にとって非常に危険である。
「せ、戦術的撤退はためらいませんよ!!近寄ればどうということはないんですからー!」
 悲鳴とは釣り合わない鮮やかな離脱。
 影の手に抱かれた『セキレイさま』は、ほどなくしてその頭に弾丸が打ち込まれることになった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴェル・ラルフ
可愛らしい見た目だけど…このオブリビオンが子供たちを集めたんだよね?
じゃ、許せないな。

直接手を下すやつって、恨みを買う覚悟はしてもらわないとね。

SPD
今回の武器は【残光】を使おう
如意棒のまま、[見切り][だまし討ち][なぎ払い]

UCは【残照回転脚】
その愛らしいふわふわを燃してあげようかな。
真っ黒な炎に焼かれて、焼き鳥になっちゃえばいいよ。食べないけど。


子供を狙うのが気にくわない。
ほんと、在真の言う通り、お菓子は人を幸せにするものでなくちゃね。



 愛らしい見た目とは裏腹に、そのもふもふと嘴とで凶悪な攻撃を繰り出す『セキセイさま』。
 戦闘により地面が抉れたことで地中に仕込まれていたあわだまが表に出できたのだろう。
 地面をついばむような動きをした『セキセイさま』は、すでに十分柔らかそうであった羽毛の密度が高まり、暴力的なまでのもふもふを持つ個体へと変貌し始めた。
 一部の人間は興奮のあまり気が狂いそうな展開の中、ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)は深紅の如意棒『残紅』で絶え間なく襲う鳥をなぎ払いながら笑みを浮かべてそれを視界に捉えていた。
 この店の店長は人を幸せにするべきお菓子で子供を狙った。
 この鳥は子供を集め、手をかけた。
 本当に気にくわない。
「許せないな」
 ぽつりと言葉が漏れるとともに、ヴェルの両足に黒い炎がともる。
 羽毛でさらにふっくらとした『セキセイさま』は足を延ばしたくらいでは届かない距離にいるが、特に気にすることもなくヴェルは身を宙に舞わせ、駒のように旋回する。
「染まる緋、灰と化せ」
 刹那。
 地獄を彷彿させるに黒い炎と爆風が吹き荒れ、周囲にあるものすべてを飲み込んだ。
 攻撃対象を選ばぬ蹴りの威力は絶大で、単純な蹴りであれば安全圏にいた『セキセイさま』までもがその餌食となり、ふわふわ感を失っていた。
 その姿には愛らしさなど微塵もなく、むしろ火力調節を失敗した焼き鳥と称するのがふさわしい有様である。
 地面を転がる『セキセイさま』に向けて、ヴェルは穏やかに微笑む。
「直接手を下したんだ。恨みを買う覚悟はできたかな?」
 その瞳には、慈悲の色はなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

田中・香織
見た目は可愛らしくても中身が完全な邪神の手下で助かったわ。
そういう中身の相手ならこっちも遠慮なく攻撃できるから。
こういう見た目の相手は敵意や危険性がなくて、攻撃するのに気が引けることが多いから。
数が多い上、空を飛んでくる相手なので、アームドフォートの対空砲で攻撃するわ。
(二回攻撃や一斉発射を使って連射するわ)
撃ち漏らして近寄られたらアサルトウェポン(拳銃タイプ)のクイックドロウで迎撃するわ。
数が多かったりして危ない場合はフルバースト・マキシマムで蹴散らすわ。
もし、他の人が一緒にいたら積極的にその人と協力するようにするわ。


幻武・極
へえ、早速のお出迎えとはここで間違いなさそうだね。

ボクはオーラ防御でセキセイさまの攻撃を耐えながら模倣武術を発動させるよ。
なんだかセキセイインコだらけになっているけど、大丈夫。
ゲームで鍛えた勘で味方攻撃はオフだよ。



「へえ、早速のお出迎えとはここでまちがいなさそうだね」
 幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)はニヤリと笑みを浮かべて正面を見据える。
 眼前に広がる色鮮やかなもふもふの海。
 幻武を出迎えた『セキセイさま』の群れは地に足を付け、その頭上で羽ばたくグリーンやブルー、イエローとカラフルなセキセイインコと共に無言でにらみつけていた。
「見た目は可愛らしくても中身が完全な邪神の手下で助かったわ」
 そう素直に言葉にしたのは、幻武の隣に並び立つ田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)だ。
 田中の経験上、かわいらしい見た目の相手は敵意や危険性を感じ取るのが難しい。
 そのような相手を攻撃するのは気が引けることが多いが、『セキセイさま』はわかりやすく敵として存在していた。
 敵だと判断できれば、こちらも迷うことなく全力に攻撃を行える。
「ボクが前に出るよ」
「背中はあたしに任せて」
 短いやり取りを終えるや否や、田中は大きく後方へ飛びのき、幻武は『セキセイさま』の群れの中へ飛び込んでいく。
 『セキセイさま』は単身で飛び込む幻武なら数の力で容易に押し切れると判断したのだろう。
 空を支配せんとばかりに数を増やしたセキセイインコが、幻武めがけて急降下して間合いを詰める。
 小さな彼女の姿はすぐさまインコの群れの向こう側に飲み込まれてしまった。
 しかし手足が届く範囲は彼女の領域。
 インコの嘴は幻武を守るオーラに阻まれてその肌に傷一つ付けることも叶わない。
「キミの武術は覚えさせてもらったよ」
 笑みを浮かべるとともに、超至近距離で記録が保存されている鍵型のメモリをデバイスに突き刺す。
 それを読み取ったかのようにデバイスの画面が光ると、そこから鳥があふれるようにして飛び出し始めた。
 黄色から青色へとにじむように色が移り変わっている画面から飛び出したインコは、幻武を取り囲むインコの羽をむしり、嘴を突き立てる。
 幻武の操るインコは、確実にその包囲網を崩していった。
 じわじわと手下の数を減らされ、『セキセイさま』も焦ったのだろう。
 ついにインコを突撃させていた個体まで幻武の襲撃に加わろうと動き出した。
 直後。
 砲弾…それも1発ではなく2発3発とそれが『セキセイさま』めがけて連続で撃ち込まれたのだ。
 無警戒だった方向からの攻撃に数十羽の『セキセイさま』が吹き飛ばされ、その身を粒子へと変えていく。
 砲弾が飛んできた方向を確認すれば、まっすぐアームドフォートの口をこちらに伸ばしている田中の姿がそこにはあった。
 彼女の足元には無数の羽が散らばっていた。
 羽先は煤けており、ちぎれ飛んだものも少なくはないが、美しい色合いは紛れもなく『セキセイさま』のものだ。
 彼女を狙った『セキセイさま』はその身を食いちぎろうと、その短い嘴がとどく距離まで近づくためにまっすぐ羽ばたいていった。
 一方田中の得物は空を支配する遠い敵を撃ち落とすための対空砲だ。
 自身を狙う1つの群れに向かって全武装の一斉掃射―『フルバースト・マキシマム』を撃ち込まれてしまい、その時点でほぼ壊滅に近い状態へと陥ってしまっていたのだ。
 田中のユーベルコードを堪え、砲撃可能な圏内を抜けられたとしても、次の瞬間には拳銃型アサルトウェポンによる早撃ちの餌食だ。

 インコと砲弾で空を制した2人の前に、『セキセイさま』はただ逃げ惑うことしか許されなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チガヤ・シフレット
おっと、いきなりのお出ましだな!
モフモフっと可愛い奴らかと思えば、声は可愛くないな……。

私を食べると腹を下すぞ?
まぁ、その前に、こっちが喰らってやるとしよう。焼き鳥の時間だ!

ガジェットを使ってやっていくか!
【属性攻撃】で炎の属性でも付与して、こんがり焼いてやろうか!
【二回攻撃】で手数を増やしつつ、一気に攻めていこう。
敵の数も多いようだから、まとまってるところにぶち込んでやれば上々か!

【援護射撃】で他の猟兵たちのサポートもしつつ、ちょっと離れたところから一気に攻撃していこう。

ハハハ!
食う側から喰われる側へ、だ! 残念だったなぁ!



「オノレリョウヘイ…!」
 戦闘が始まってからは終始無言であった『セキセイさま』だったが、猟兵たちの猛攻を受け、ついに苦しげな声を上げる。
「モフモフっと可愛い奴らかと思えば、声は可愛くないな……」
 チガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)は不満げに呟き、足元に転がるそれを軽く蹴り上げる。
 もう体力の限界だったのだろう。恨み事を吐き捨てた『セキセイさま』はボールのように2、3回跳ね、何とか燃やされずに残っていた羽を散らしながら霧散する。
 しかし、『セキセイさま』とて黙ってやられるつもりはない。
 残ったあわだまを喰らい、その身を威嚇するように巨大化させチガヤをにらみつける。
 すでに相当な数を撃破しているが、数が減った分1羽あたりの取り分が増えた…あるいはより強くなるためにあわだまを飲み込んだのだろうか。
 その威圧感は追い詰められた敵が放ったものとしては非常に強い。
「ほう、まだ私を食べようとするか。腹を下すぞ?」
 食べれるものならやってみろと言わんばかりに笑みを深くする。
「まぁ、その前に、こっちが喰らってやるとしよう」
 チガヤの手元に現れたのは巨大な筒に銃のようにトリガーのついた細い筒が付いたガジェット。
 よくよく見れば、それは大きささえ無視すればトーチバーナーとよく似ていた。
「はははっ、こいつはいい!焼き鳥の時間だ!」
 トリガーを引けば細い筒から真っ赤な炎が噴き出し、ふわふわと増量した『セキセイさま』の羽を焦がした。
 バタバタと黄色と緑のコントラストに鮮やかな赤も加えられた羽をばたつかせる『セキセイさま』を無視し、まだ赤の足りない群れをめがけて炎を噴出する。
 距離をとっても決死の覚悟で迫っても、ガジェットから吹き荒れる炎は逃げることを許さない。
 自慢の羽がすっかり焼け落ち、黒くなった鳥肌を晒して地面に転がる姿が憫笑を買い、チガヤの高笑いが戦場となった店先に響き渡る。
「ハハハ!食う側から喰われる側へ、だ!残念だったなぁ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

蛇塚・レモン
助っ人参上っ!
蛇神様、ご飯の時間だよ~っ♪
(爬虫類ガチ勢は鳥=餌の認識)

先制攻撃でユーベルコード使用
猟兵のみんなを強化して敵の攻撃から守る結界を張るよっ!
(先制攻撃+範囲攻撃+オーラ防御+拠点防御)
攻撃を凌いだら反撃開始っ
あたいは結界内から蛇腹剣クサナギを振り回すよっ!
(範囲攻撃+生命力吸収+ロープワーク+なぎ払い)
餌が浮足立ってる今がチャンス!
餌たちを睨み付けて、恐怖と念動力で心臓へダメージ!
心臓麻痺させちゃうよ!
餌たちは何が起こったか判らないかもねっ?
(視力+範囲攻撃+念動力+衝撃波+だまし討ち+マヒ攻撃+鎧無視攻撃+気絶攻撃+呪詛)

味見されるのは君達の方だよ!(蛇神様、餌を次々と丸呑み)


アレキサンドラ・ミルキーウェイ
※アドリブ連携歓迎

露骨なフラグ立て、お疲れ様なのです
では早速、回収の時間といくのですよ

基本的にに後方支援をメインに立ち回るのです
星の鎖を使って流星鎖を複製、操作して敵の拘束を狙っていきます
拘束した敵からは流星鎖を通じて【生命力吸収】と【情報収集】を行いつつ、【ロープワーク】の技術も駆使して、敵の攻撃から自分や仲間を守る盾のように引きずり回してやるのです

少し情報収集した所、攻撃手段は無差別か超近距離しかない様子
であれば、【敵を盾にする】様に立ち回れば攻撃を防ぐことも容易なのです
まぁ、後方の私をわざわざ狙ってくる可能性は薄いと思いますが(フラグ)



「露骨なフラグ立て、お疲れ様なのです」
 アレキサンドラ・ミルキーウェイ(強欲の貧者・f13015)が転送される頃には、無傷な『セキセイさま』は数えるほどしかおらず、この眷属は打ち止めであることがうかがえた。
 しかし戦意はどの個体を見ても失っておらず、むしろその目玉をついばんでやろうと鬼気迫る勢いであった。
「シカシ……コムスメヒトリゴトキ!!」
 なけなしの力で空を埋め尽くさんとする数のセキセイインコを呼び出し、アレキサンドラへと躍りかかる。
 当の本人は動く気配がなく、『取った』と確信したその時であった。
「助っ人参上!」
 フラグとは重なるもの。
 アレキサンドラが飲み込まれる直前、偶然そのすぐそばに転送された蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は素早く自身とアレキサンドラを強化する。
 うっすら金色に輝くオーラによって小鳥の嘴は完全に受け止められ、インコたちはなすすべなく2人の周囲を飛び回ることしかできなかった。
状況は無傷の猟兵2人対消耗の激しい『セキセイさま』多数。
『セキセイさま』にとっては、絶望的な状況ともいえるものだった。
「助っ人も来たところで、残りのフラグも回収といくのですよ」
 どこかやる気の感じられない声が、残酷に現実を突きつけた。

「蛇神様、ご飯の時間だよーっ!今日は鶏肉食べ放題っ!」
 蛇塚がそう叫んで巨大な白蛇を召喚してまだ時間がたっていないにもかかわらず、多くの『セキセイさま』が文字通り『餌』としてその腹に収められていた。
 『セキセイさま』が猟兵たちより優位に立てるとしたら、それは数の利を活かせる場合だ。
 しかし、蛇塚が幼いころから心を通わせてきた蛇神の邪眼は半端な数の利程度であれば容易に覆すほどに凶悪なもので、睨まれた『セキセイさま』はその心臓を見えない手に掴まれたような錯覚にとらわれ、蛇に睨まれた蛙のごとく動きを止めてしまう。
 そこまで追い詰められてしまえば、あとは蛇塚が操る蛇腹剣クサナギの錆になるのが先か邪神の糧になるのが先かという些細な問題しか残らなかった。

「前で頑張ってくれているおかげで、ちょっとは楽ができます」
 そのころ、アレキサンドラといえば少し後ろに離れたところで敵の挙動を観察していた。
 大剣にまとわせているものとはまた別の、先端に小さな刃の付いた鎖―流星鎖サンドラを複製し、1人と1匹の死角を取ろうと飛び回る個体を中心に拘束していく。
 自由を奪った『セキセイさま』を武器のように振り回していると、流星鎖を通じて一つの情報が流れ込んできた。
「なるほど、そういうことですか」
 一人納得するアレキサンドラの背後に、3つの影が忍び寄る。
 それはいずれも最後に残されたあわだまで強化を施した『セキセイさま』であった。
 気づかれる前に3羽がかりで襲い掛かれば。そんな発想であろう。
 すっかり土まみれになってくすんだ羽を震わせての突撃。
 それは見事になされ、3つの嘴は肉体に食い込み、飛び退くと同時に赤い血がぱっと飛び散った。
「気づいていないとでも思いましたか?」
 もっとも、その嘴が食い込んだのはアレキサンドラが盾として手繰り寄せた鎖に拘束された『セキセイさま』の肉体であったが。 
 
 戦場を鎖と蛇が這いまわり、それらはすべてを捕らえ、喰らいつくす。
 それらが腹を満たし帰るころには、鳥のさえずりなど聞こえない、静かな路地裏としての空気が戻りつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『邪神エージェント』

POW   :    ハイペリア重殺術・獅子噛
【無拍子の踏み込みによる崩し技 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【重力加重付加の柔術の当身や投げ、関節技】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    銃声はただ一つ
レベル分の1秒で【6発の超高濃度UDC因子の刻印弾 】を発射できる。
WIZ   :    冥鏡死水(ダーククリアマインド)
【死に絶えた水面に冥月の影を映すように 】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は才堂・紅葉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 『セキセイさま』を倒し、猟兵たちは店の中へと突入していく。
 店の中はウッディな内装で落ち着いた雰囲気を醸し出しそうなものであったが、猟兵たちが感じていたのは落ち着きとは程遠い圧迫感。
 人気がないからか。違う。
 敵の居城だから。事実ではあるが、それだけではない。
 数は少ないが、先ほどとは比べ物にならない『何か』が、ここにいる。
 そう確信するには、十分すぎるほどの殺気だ。
「あぁ、お客さんかな?」
 空っぽのショーケースの奥の扉から現れたのは、一人の男性。
 スーツを着込み禍々しいオーラをまとうその姿はまともな料理人のものではない。
「猟兵でも結構。さぁ、我が神のための特別なお菓子はいかがかな?」
チガヤ・シフレット
佐々真子(f12501)の影と連携しよう!

黒幕のお出ましか!
お菓子で釣って悪さしようとするやつとかは、鉛玉をぶち込んでやるしかないよなぁ!?
さぁ、覚悟して思いっきり喰らっていけ!

両腕の兵器を起動、まずは銃弾をの雨霰だ。
真子の位置を確認して、連携取れるようにしつつ、手数を増やして一気に鉛玉叩き込んでいこう。

機を窺い、ブレードも起動。両脚のブースターも使って高速機動でさらに攻撃の速度を上げていくぞ!
多少のダメージなどは気にしない。
真子に攻撃が行きそうになったらきちんと庇うさ。

「よし来た、グッドタイミングだ!!」
真子の掛け声に合わせて一気に突撃。
刃を叩き込み、そして零距離で銃弾もぶつけてやろう!


佐々・真子
同行:f04538

ふえーん、銃持ってるじゃないですかやだー!

って、チガヤさんも来ていたのですね……よーし、もう少し頑張りましょう!!

前には出ませんけどね!
絶対!!

追跡者を呼んで自分は物陰に隠れたまま探索する視点を確保します
その上で影の狩人を呼んで把握した状況に介入させるのです(視力、情報収集、目立たない)

チガヤさんと邪神エージェントが交錯する時まず狩人を見せ警戒させます
警戒が狩人に向いた機に追跡者に忍び寄らせて拘束を試みさせます
その機に私が隠れ場所から飛び出て何をするのかと情報を飽和させ、そこをチガヤさんと狩人に攻撃してもらいます(第六感、勇気)

「チガヤさん、今です!!」

攻撃直後にまた隠れます



 コツリと靴底を鳴らしながら、店主―邪神エージェントはショーケースの前へと歩み出る。
 口元こそ穏やかな笑みを浮かべているが、その目には禍々しい光をたたえていた。
「黒幕のお出ましか!」
「ふぇーん、銃持ってるじゃないですかーやだー!」
 その容貌を見てなおまったくひるむ気配を見せないチガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)と彼女の服の裾をつかみ涙目になっている佐々・真子(無個性派女子(主張)・f12501)。
 2人の目に宿るのは闘志または恐怖と似ても似つかぬ感情の色。
 しかし、どちらの目も隙なくエージェントの挙動を捕らえていた。

 戦いの火蓋を切ったのは意外にも佐々だった。
 勢いよくエージェントから目を離したかと思えば、イートインスペースの仕切りにしてあるパーテーションめがけて走り出した。
 エージェントの視線も彼女の動きにつられるが、その一瞬の間にチガヤは両の前腕に取り付けられた兵器を起動する。
 重い音を上げて放たれたあいさつ代わりの1撃はエージェントの頬に一筋の赤い筋を刻み付けた。
「お菓子で釣って悪さしようとするやつとかは、鉛玉をぶち込んでやるしかないよなぁ!?」
「どうやら、こちらのお客さんを先にお相手した方がいいみたいだね」
 猟兵とオブリビオン、2つの威嚇の色が濃い笑顔が交錯する。

 入口付近で激しい銃撃戦が繰り広げられる中、イートインスペースへ飛び込んだ佐々はと言えば木目の美しいテーブルをバリケードのように倒していた。
 倒したテーブルが1つではないのは隠れている場所を特定されないようにだろう。
「これで良しっと。チガヤさんは…」
 最後に倒し終えたテーブルの盾に身を隠したため直接姿を確認することはできなかったが、発砲音と破壊音が2人の戦況を物語る。
 慣れていない者であれば絶え間なきその音はもはや一続きになっているようにさえ感じられるかもしれない。
 絶対に前に出るまいと決意するには十分すぎる材料だった。
 それに前に出なくとも、佐々には別の『目』があるのだから。

「店内ではあまり走り回らないでいただきたいのですがね…!」
「はんっ、あいにくとぶっ壊れるまで止まれないなぁ!」
 時はほんの少し遡り、佐々がバリケードづくりに励んでいるころ。
 両足に備え付けられたブーストを起動したチガヤとエージェントは互角の勝負を繰り広げていた。
 指先を軽く曲げて挑発する姿に銃口をむけ、ほぼ同時に放たれた6発の刻印弾がチガヤの髪を数本切り裂くと同時にコートの一部が切り裂かれる。
 もしかしたらお互いに攻撃の軌道は見極められていないのかもしれない、まさに高速の攻防とも言えよう。
「水面を乱す者が増えましたか」
 ふいにエージェントがイートインスペース側に向けて銃弾を放つ。
 チガヤは脳天を射貫かれた見覚えのある影―佐々の操る狩人が射抜かれたのを目の当たりにし、エージェントの意識がチガヤに集中していたにも関わらずその奇襲を阻止したことへの驚きを隠せなかった。
「あのお嬢さんも猟兵なのでしょう?ならば、警戒を解く理由はありませんね」
「……ああ、そういう事か」
「仲間外れはよろしくない。そろそろこちらに…っ!?」
 ふいにエージェントの言葉が途切れる。
 よく見れば、エージェントの纏うコートやスーツには何かが絡みついているかのような不自然なしわが浮かび上がっている。
 狩人が立てた波紋が新たな影を映すことを阻止したのだ。
「チガヤさん、今です!」
 震える足を奮い立たせ、佐々が死に絶えた水面を震わせる。
「よし来た、グッドタイミングだ!!」
 ブーストの出力を極限まで上げ肉薄。
刃、銃弾、熱線、ガジェット。チガヤに内蔵されたあらゆる武器が身動きのとれぬエージェントを蹂躙する。
 命を削るその一撃をもろに受けたエージェントはすでにガラスの割れ落ちたショーケースを巻き込んで扉に叩きつけられた。
 ゴボリと血が零れ落ちる。
 しかし、エージェントの闘志の炎は尽きていない。
「活きのよすぎる材料も考えものですね…」
 にたりと浮かべるその笑顔は、禍々しさが残るものだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

幻武・極
特別なお菓子ねぇ、それは楽しみだね。
それじゃあ、ボクからもたっぷりお返しをあげるよ。

あれ?ボクのお返しが当たらないね。
へえ、それが冥鏡死水の境地か。
なら、これでどうかな?
属性攻撃を水にして、衝撃波を加えた幻武百裂拳を撃ち込むよ。
無数の水の流れによって生じた波紋の中で死水の水面は冥月の影を映し続けられるかな?



 エージェントは体に走る痛みをこらえ、一歩歩み出る。
 しかし、目の前から猟兵の姿は消え失せていた。
「特別なお菓子ねぇ、それは楽しみだね」
 耳元でちょうど贄として選んできた年頃の子供のような、あどけなさの残る声が耳を打つ。
 地を蹴って距離を取り振り返れば、幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)が笑みを浮かべて立っていた。
 幻武は表情を変えずゆっくりと腰を落とし、構えを取る。
「それじゃあ、ボクからもたっぷりお返しをあげるよ」

 しかし、そこからが困難の始まりだった。
 幻武の放つ拳や蹴りがまるでそうくることがわかっていたかのように躱されてしまうのだ。
 幻武とて最高の武術を追い求める者。
 躱される原因が己の動きにはないと見抜いておりエージェントの反撃はさばききっている。
 しかし互いに攻め手に欠けるこの状況が長時間続けば、膝を折るのは体力に限りのある幻武の方であろう。
 一度大きく後方に飛び、一つ大きく息を吐く。
「それが冥鏡死水の境地か」
「その通り。影を捕らえてしまえば、あとは赤子の手をひねるようなものです」
 にこりと、表情だけであれば子供たちに慕われる店主のように微笑むエージェントだったが、その手に握られた拳銃は隙なく幻武の動きを伺っている。
 形勢はエージェント側に傾いたかと思われた。
「なら」
 エージェントを見据える幻武の目は、いまだ強い意志の色をたたえていた。
「これでどうかな?」
 再び幻武は足に力をこめ、エージェントの懐をめがけて飛び込む。
 早さこそ段違いであるものの大きな差のない動きに、エージェントは同じように死に絶えた水面へと意識を走らせた。
 しかし、そこには影が映っていなかった…否、幻武が打ち込んだ水の奔流に静まり返った水面が乱され、影を映せる状態になかったのだ。
 躱すための術を奪われたエージェントを、百を超える拳が翻弄し、肉体を穿つ。
 ラッシュが終わった後のエージェントの姿は、無傷とまではいかないが武術を極める者の拳を受けた後にしては想像以上にしっかりとしたものだった。
 というのも彼の素体はかつて邪神に肉薄した凄腕の工作員。
 致命傷になり得る一撃を見抜き、それだけに限定すれば防御できるだけの心得と経験は持っていたのだ。
 口の中にたまった血を吐き捨てたエージェントは、にたりと、今度は世界を滅亡に導く怪物にふさわしい暗い笑みを浮かべてみせた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

蛇塚・レモン
あれ、待って?
さっきのファンシーな小鳥たちをイケ渋おじ様な邪神が使役してたってこと?
なにそれオイシイんだけど……っ!?(捕食者の目)

性癖を解放したあたいはもはや無敵……!
イケおじを(蛇神様が)食べるために、あたいは寿命を削ってもいい!

水面の乱れとやらで攻撃を読むのならッ!
あたいの煩悩で乱し切ってしまえばいいよねっ!
左目(アイテム)の神通力、全開っ!
精神攻撃は任せろーっ!(催眠術+気合+コミュ力+恐怖を与える)
イケおじサイコー!

おじ様が混乱したら、蛇神様をその背後へ召喚
蛇神様、おじ様をお仕置きしちゃってっ!
(念動力+衝撃波+鎧無視攻撃+だまし討ち)

最後は蛇神様が邪神を締め上げて
いただきまぁ~す!



「あれ、待って?」
 蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)の開口一番の台詞はまさかの状況を確認するための言葉だった。
 先ほど店先で倒したのはもふもふ愛らしいセキセイインコ型オブリビオン。
 今目の前にいるのはスーツとコートを着こなしたミドル世代と思われる容姿の男性。
 つまり、イケ渋おじ様がファンシーな小鳥たちを使役していたと結論付けられる。
 その結論こそ、待ったの声を上げた理由であった。
「なに、それ……」
 蛇塚は俯き、自身の身体を抱くようにして震える。
「超オイシイんだけど……っ!」
「はい?」
 顔を勢いよくあげた蛇塚の琥珀と紅玉の瞳は狂気にも近い色に染まっており、乱れた息も相まって完全に捕食者となっていた。
 か弱い乙女から変態へと大変身。
 その変貌にエージェントも身の危険を覚えたのだろう。
 彼女へ向ける視線が「あ、こいつダメだ」と正直に語っている。
 しかし音になっていない憐れみを理解し、行動を改める理性は彼女に残っていなかった。
 左目の赤がより深い赤へと染まっていく。
 すると、最初はただ気持ち悪いと感じていた気配が、より粘着的に、より薄気味悪く、透明な水に泥を加えて洗練さを奪うように、じっくりとエージェントを蝕み始める。
 蛇塚から目を離せず脂汗をかくエージェントの姿は、蛇に睨まれた蛙というより悪質なストーカーに付きまとわれた女子中学生のようであった。
 一歩蛇塚が歩み寄ると、エージェントは肩を跳ね上げ銃口をむける。
 カタカタと音を立てながらも、まっすぐと蛇塚に狙いを定めていた。
「蛇神様、おじ様をお仕置きしちゃってっ!」
 その声に呼ばれた白き蛇神は衝撃波を放ち、エージェントを背後から締め上げる。
 念入りな精神破壊を受けてエージェントは半分パニックに陥っていたが、蛇神へ銃弾を撃ち込んで抵抗する。
 しかし苦し紛れに放ったそれでは神の勢いを止めることは叶わなかった。
 エージェントが悲鳴を上げ、その拘束から逃れようと体をひねりもがく様子ををしばらく眺めた後、高らかに、そして力強く拳を振り上げる。
「イケおじサイコーッッ!!」

成功 🔵​🔵​🔴​

田中・香織
『残念だけど、お店は今日で閉店ね』
相手も同じ銃使いなので、拳銃のアサルトウェポンで攻撃するわ。
クイックドロウと二回攻撃で勝負するつもりよ。
追い込まれたら、戦場の亡霊を使って最後の勝負をかけるわ。
『……本当の勝負はこれからよ』



 エージェントが乱しに乱された精神を整えていると、不意に殺気を感じ大きくその場を横に飛び退く。
 銃声と共に2発の弾丸がエージェントに襲い掛かり、1発は足元をかすめ、1発はエージェントの被っていたハットを撃ち抜いた。
 ふわりとハットが床に落ちると同時に少女の声がエージェントに話しかける。
「残念だけど、お店は今日でおしまいね」
 声の先では田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)が硝煙越しにエージェントを睨みつけていた。
「本当に今日は面倒なお客さんが多い……」
 1人で仕込み作業をするのは大変なんですよ、とごちてみせるが、それがただの軽口であることは明白であった。
 田中はきれいに整えられている眉を顰め、再びトリガーに手をかける。
 しかし、今回はトリガーを引くよりもエージェントが仕掛ける方が速かった。
 エージェントは無拍子で田中の間合いへと踏み込み、まっすぐと伸ばされていた右腕掴んでそのまま彼女の重心を崩す。
 対銃遣いとの戦闘を視野に入れていた彼女はおそらく銃撃戦を想定していたのだろうか。
 一瞬反応が遅れてしまい、その崩しへの対抗も受け身もままならないままに地面へと叩きつけられてしまった。
 ただの投げ技でも受け身に失敗すれば相応の衝撃が全身に走るが、彼の駆使するユーベルコード『ハイペリア重殺術・獅子噛』は重力すらも操る危険な一撃。
 息が詰まるという言葉では生温いほどの衝撃が田中の全身に襲い掛かり、田中は地面に転がりながら視点の定まらない目をエージェントに向けることしかできなくなってしまった。
「終わりですね」
「……いいえ、本当の勝負はこれからよ」
 エージェントに走る熱い衝撃。それは肩を抉られた事による痛みだ。
 しかしエージェントの敵……田中は己の目の前で倒れたままで、銃を撃った様子もない。
 そう、彼の肩を撃ち抜いたのは田中の呼び出した戦場の亡霊であったのだ。
 2人のいる場所から少し離れた場所から、表情の読み取れぬ亡霊が淡々とエージェントに銃撃を見舞う。
 それは正確にエージェントの身体を撃ち抜いていく。
 亡霊の奇襲をもって、2人の勝負は拮抗状態に戻ることになったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴェル・ラルフ
おや、可愛いお菓子に反して、黒幕はおじさんだったなぁ。

【SPD】
敵の攻撃は[見切り]ながら【反照舞踏脚】で回避しつつ反撃。

そろそろ弱ってきたんじゃない?動き、鈍いよ。

[早業][残像]で死角をとりたいね。
武器は愛用のダガーナイフ2本。[暗殺][串刺し][傷口をえぐる]で確実に抹消するか、少しでも動きに支障が出るようにしておこう。

お菓子は人を幸せにするもの。
邪心を広めるために使っちゃダメだよ?



 ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)はぼろぼろになったエージェントの姿を見て、ぱちぱちと瞬きをする。
 ヴェルもまた、黒幕の正体に驚きを覚えた猟兵の1人であった。
「お菓子は可愛いのに、黒幕はおじさんだったんだね」
「今は見た目もこだわった方が餌が集めやすかったんでね……」
 会話は比較的穏やかであるが、互いに間合いを測り、構えを取って相手の出方を伺う両者の間には張り詰めた空位が漂っている。
 地面を蹴ったのはほぼ同時のことであった。
 エージェントが胸倉掴みにいけばヴェルは裏拳でその手をはじき、ヴェルが舞いのような動きから繰り出す蹴りをエージェントも受け流す。
 身体あるいは得物がぶつかり合う音が延々と続き、2人の演舞は永遠に続くとさえ思えた。
 しかし、そうはいかない。
 エージェントに蓄積されたダメージが負荷となり、身体を庇う動きが増え、反応が鈍ることで徐々にそのリズムが狂ってゆく。
 ザシュリ。
 ついにヴェルの持つダガーナイフがエージェントの肩を捕らえる。
「そろそろ弱ってきたんじゃない? 動き、鈍いよ」
 ヴェルは背後からその背へ上段蹴りを放ち、エージェントが倒れ伏したところにまたがることで動きを封じる。
 身動きが取れず無防備に晒された肩へ再びナイフを突き刺し、ぐりっと抉るように動かせばエージェントはたまらず叫び声をあげた。
 断末魔の叫びを無視して、ヴェルはエージェントの耳元に顔を寄せて言い放つ。
「お菓子は人を幸せにするもの。邪心を広めるために使っちゃダメだよ?」
 囁くように注意するヴェルの口元は美しく孤を描いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

佐々・真子
同行:f04538

真の姿を解放、けれど“見た目は”変わりません

勇気を出して囮になります
大丈夫、今の私なら、“大体は”ダメージを受けない……“はず”

不安はいっぱい、ですけれど
集まってきた猟兵の皆もいますし、流れに乗れば勝てる、“はず”ですけれど

最後の力で反撃なんて嫌です
さっきのように何かするかも、とあなたも不安でしょう?

チガヤさん、仕上げはお任せします


「貴方はお菓子を楽しみに買いに来る子たちを見て、どうしてそれで止まらなかったのでしょうね」
「本当に、残念です」

さ、チガヤさん!
帰ってお茶しましょう!!


チガヤ・シフレット
行くぞ、真子(f12501)ー!!

なんだかまだ笑っていやがるじゃあないか!
くくく、面白くなってくるよなぁ?
さぁて、こっからが本番ってやつだな。すべて撃ち砕いてさようならと行こうじゃないか!

敵も相当の傷を負ってるはずだろう。
となればそこに漬け込むのが常道。傷口やらに狙いをつけて、弾丸をお見舞いしてやろう。
お菓子で子供を釣ろうとするのがいけなかったな。そういう悪いやつは、悲惨な目に合っちまうもんだ。
真子の頑張りも無駄にできんからなぁ。
敵にできた隙を見て、最大火力をぶつけてやろう!


よし、終わったら何か甘いものでも食べに行くか。
こういう日は好きなだけ食べていいんだ。



 すっかり満身創痍になったエージェントであったが、その表情しか知らないかのように笑みは崩さない。
 再びこの店に降り立ったチガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)はその姿を見てぞくぞくとした昂りを感じていた。
 闘いはこれだから面白いのだと、くつくつとのどを鳴らして笑う。
 楽しく生きていくことを望む彼女にとって、今の状況は最高の遊び場と言えるのかもしれない。
「さぁて、こっからが本番ってやつだな」
「終わったらお茶しましょうね」
 チガヤの声に応えるのは、やはり佐々・真子(無個性派女子(主張)・f12501)だ。
 チガヤのように戦いへの興奮は見られないが、先ほどの涙目とは異なりそこには確かな戦う覚悟が秘められている。
「またお前たちですか……!」
「あぁ、こんなに面白いのを逃すわけないじゃあないか!」
 チガヤは楽し気な声を上げて内蔵型の銃火器を起動し、弾丸を見舞う。
 その狙いはこれまでの戦いでつけられた傷口。
 ナイフや銃弾で抉られた肩、締め上げられたことで不自然な痛みを覚えた筋肉、全身に刻まれた切り傷を圧倒的な弾数で攻め続ける。
「お菓子で子供を釣ろうとするのがいけなかったな。そういう悪いやつは、悲惨な目に合っちまうもんだ」
「ほざけ!家畜どもがーっ!」
 エージェントは口調を取り繕うことも忘れて吠え、チガヤの間合いの内側へと踏み込もうとした。
 その時、不意にエージェントの視界の端に何の前触れもなく佐々の姿が現れる。
 その表情はどこか悲しげだ。
「貴方はお菓子を楽しみに買いに来る子たちを見て、どうしてそれで止まらなかったのでしょうね」
「餌がどうなろうと、私の知ったことではない!」
 食いかかるかのような反論と同時に、崩しの狙いを佐々へと変えて腕を伸ばす。
 このまま投げて関節技を決めれば無力化できるだろうと確証しての行動だった。
 しかしその確証とは裏腹に、伸ばした腕は佐々の胸元をすり抜けて空を切る。
肉弾戦においては格下であろうと踏んでいた獲物がたしかに目の前にいるはずなのに、一切動いていないはずなのに、掴めない。
「……本当に、残念です」
 憐れみの視線を向ける佐々が、エージェントにはひどく不気味に映って見えた。
 勇気を出した彼女の目論見通りだった。
 今の彼女は見た目こそ変わらないが、真の姿を開放し現実に投影されたアストラル体になっていた。
 そこにユーベルコードを使って無敵状態を作り上げることで、佐々の存在を「脅威」と認識させることに成功したのだ。
 前に出ないと誓ったはずの彼女が勇気を振り絞って得た成果だった。
「チガヤさん、仕上げはお願いします」
「真子、よくやった!あとは任せな!」
 佐々からバトンを受け取ったチガヤは全身という全身から兵器を展開し、その全てをエージェントへと向ける。
 何が起きたのか理解できていないエージェントは、身動きが取れずにいた。
「笑顔であの世へ送ってやるよ!」
 歯をむき出しての攻撃的な笑顔を作り、操れる全ての兵器でエージェントを焼き、撃ち抜き、斬り捨てる。
 チガヤの最大火力を受けて、エージェントは肉塊すらも残さず消え去るのであった。

 猟兵たちの活躍により、事件の犯人は打ち倒された。
 かろうじて建物は崩れることなく残っているが、やがて組織が真実のもみ消しのために取り壊すであろう。
 特別なお菓子の噂も売る人物がいなくなったことですぐに人々の記憶から忘れ去られることだろう。
「よし、甘いものでも食べに行くか。こういう日は我慢しないで好きなだけ食べていいんだ」
「帰って楽しくお茶しましょう!!」
 楽しそうな笑い声が店から遠ざかる。
 きっと仕事を終えて食べるお菓子は、特別甘く幸福な時間をもたらすだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月20日
宿敵 『邪神エージェント』 を撃破!


挿絵イラスト