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銀河帝国攻略戦⑨~エンペライダーズ戦車部隊

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●爆走
 ブオオオォォォン! パラリラパラリラ! ブルルルルル!!
 宇宙バイクが爆音と白い煙をたてながら戦場を駆け抜けていく。
 その機体の操縦者がヒトだったならば、奇声をあげたりダミ声で罵声をあげていたかもしれない。
 しかし、そのバイク集団の乗り手はヒトではなく機械だった。ただひたすらに無言で、無音で、バイクを操る。彼らが物静かな分バイクの方はかなり主張が激しい。
 白い機体に沢山のトゲを付けた――リーダーと思われる機体がセンサーをピカピカと光らせ仲間たちに合図を送ると、集団は統制された動きで一斉に方向転換をした。

●猫の語り
「みんな、来てくれてありがとう」
 既にみんなの耳には入っているだろうけれどと一言前置いて、グィー・フォーサイス(風のあしおと・f00789)は現状の説明をした。
 『カイザー・レイ』は、猟兵による攻撃によって破壊された。銀河帝国は、帝国大要塞『エンペラーズマインド』を最終防衛ラインとし、迎え撃とうとしている。それはとても強固な防衛ラインだ。しかし、猟兵たちの活躍により解放軍の戦力は既にエンペラーズマインドを凌駕していた。
「戦力的には勝利は難しくないようだよ。けれど、解放軍の多くは民間人が居住している移民船団であって、僕たちみたいに戦いに慣れているわけではないんだ。当然敵もそれを理解している」
 そして帝国軍は、その弱点を突くために『エンペライダーズ』という特殊部隊を用意した。
 エンペライダーズは帝国最速ともいわれる宇宙バイク乗り達の部隊だ。集団による高速かつ一撃離脱の攻撃を繰り返し、解放軍に損害を与え、撤退に追い込もうとしてくる。
 解放軍側にも警備部隊は存在するが、エンペライダーズとの高速戦闘には全く耐えられず、迎撃に出た端から撃破されていくのが関の山なのだ。
「そこで僕たち猟兵の出番。エンペライダーズを迎え撃って、帝国軍に目にもの見せてあげよう」
 今回、猟兵達に担当してもらうエンペライダーズの部隊は、とグィーが手元の資料に視線を落とす。顔を上げてから二度見した。小さな額に眉も寄る。
「……えっと、複数の『小型歩行戦車』で構成されているようだね。歩行する機械の戦車が、バイクに乗ってるみたいなんだよね。駆動力を上げるために合体してる感じって言えば解るかな。まあ、現地で見たら理解してもらえると思うよ」
 バイクにより機動性を増し、移動しながらビームを放ったり焼夷弾を投げてきたりとするため、早めに対処しなくては解放軍の被害は大きくなることだろう。
 また、その部隊にはリーダーが居る。リーダーさえ倒してしまえば指揮系統が絶たれる。機械らしい統制された動きはできず、容易に撃破することが可能だろう。
 そこまで早口に説明したグィーは、君たちを真っ直ぐ見つめ、そして笑顔を作る。
「準備はいい? うん、いってらっしゃい。よろしくね」


壱花
 こんにちは、もしくは初めまして、壱花と申します。
 今シナリオは銀河帝国攻略戦シナリオです。
 作戦は簡単、迫るライダーたちをパコーンっと倒してしまって下さい。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================

 それでは、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『小型歩行戦車』

POW   :    インペリアルキャノン
【機体上部に装備されたビームキャノン】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    タンクデサント
【完全武装した銀河帝国歩兵部隊】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    サイキックナパーム
【機体後部から投射する特殊焼夷弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【搭乗者の念動力で操作できる】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レイ・アイオライト
【SPD判定】
広大な宇宙、障害物なんてスペースデブリぐらいよね。
それならその速さを阻害してあげる。
UC【影ノ傷跡漏出:暗黒領域】を使って法則の壁を作り上げるわ。それも宇宙空間に散らばるように乱雑にね。
宇宙の闇に紛れた影の壁は『目立たない』し、その速さのままぶつかってくれたら自爆、良くても大きな損害を与えられるわ。
あとはそいつらに向かって雷竜真銀鋼糸の『範囲攻撃』よ。露出した電子回路の『傷口をえぐる』わ。
裏での支援も考えるわ。猟兵に向けられるビームは影の壁で『オーラ防御』、近接戦闘の猟兵を支援するわよ。焼夷弾は鋼糸で阻害する。
「あたしが裏で支援する。思いっきりやっちゃいなさい!」


弥久・銀花
戦車を相手にする時は塹壕に篭るのが一番だと父から聞いた事があります。

瓦礫を集めて障害物を作り、それを迂回するか乗り越えるかした時の隙を突きましょう。

猟兵達だけの戦場ではないのですから解放軍の人にも協力して貰います。 そこの人達、何でもいいから壁際とか通路を塞ぐように積み上げて下さい、瓦礫の山でもいいから壁を作るんですよ。

そして出来た瓦礫の山、そこの近くに潜んで戦闘準備良し。

歩行戦車が来たら、人狼咆哮で瓦礫の山を吹き飛ばし、目晦まし。

その隙に愛刀の白嵐玉椿を抜刀し近接戦を挑みます、足の一本でも切れれば御の字でしょう。


七篠・コガネ
エンペラーズマインド…久しいです
つい幾月か前まで僕は銀河帝国の一員だったのに…
長すぎる時間、制御コンピューターに閉じ込められていたのは幸いだったかもしれません。
おかげでは今の僕は一人の猟兵だ!

お生憎様。宇宙空間での戦闘なら僕だって経験豊富です!
背のプラズマジェットで飛びながら相殺も兼ねて
『Endless Right』を撃ちつつ注意を向けさせます
僕を中心に敵が囲み始めたら…そろそろ『code-Nobody』を見せてあげましょうか
からの【フルバースト・マキシマムⅡ】を発射
昔から言うでしょう?数撃ちゃ当たると。速くて結構。…でも…だから何です!?


使用技能【空中戦 視力 一斉発射】
アドリブ、絡み歓迎


アスティリア・モノノフィシー
SPD
民間の方がいらっしゃるスペースを狙うとは、許せませんね。
こういう戦争ですし民間の方自身も部外者なんてことは思っていないのでしょうけれど。
少しでも被害がでないようにお手伝いさせていただきます。

私は周囲の状況を確認しながら、大きな被害がでないように気を付けて攻撃を行います。バイクの前輪を狙うようにし、転倒させて相手の陣形を崩せたらいいかな。

他の方とも協力しながらユーベルコードを使用して攻撃を続けます。
遠距離から攻撃していけばそんなに多くの被弾は受けないかな。
タンクデサントで沢山の部隊が出るようなら連射でどんどん倒していきます。


甚五郎・クヌギ
よぅし、来るならば来い!
我輩の薙刀で、やつらをばっさばっさと薙ぎ払ってやるのである!

バイク集団に接近しユーベルコード発動
狙いは上部のビームキャノン、後部の投射装置、脚部などの外付け部分
攻撃が当たらずとも、肉球が触れさえすれば十分である
奴等の機体から生やした機械とコードの柱で少しでも多くの機体の動きを妨害するのだ

仲間と連携し敵の呼んだ歩兵部隊には囲まれないよう動き回ろう
壊された機体あればその残骸を利用して撹乱したり、柱を作ってより敵へ近づく為の移動装置として使い、少しでも敵との距離を縮めるぞ
勿論、自分で倒せるならば積極的にリーダーの撃破も狙っていく

さあ、皆で大将を討ちに行くぞ!



●暴走させない!
 パパラパパパラパ! ドゥルルルルルン!
 宙駆ける宇宙バイクに接続した小型歩行戦車が視界に入るとともに、耳を塞ぎたくなるような爆音が猟兵たちの耳に入る。高性能な宇宙服の効果のひとつであるため、その音だけを無くすことはできない。
(――来たわね)
 小型歩行戦車ライダーズを視界の端に収め、その音に眉を潜めながらもレイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)はユーベルコード«影ノ傷跡漏出:暗黒領域»を発動させた。
「その速さを阻害してあげる。――朔月に墜ちる影、全てを塗り潰す暗黒の結界、具現しなさい!」
 いくら動きが早かろうと、その動きを封じてしまえばいい。
 レイは具現化させた影の壁を敵への障害物とすべく、前方の空間にばら撒いた。影の壁は宇宙の闇に紛れ、目立ちにくい。敵が壁に当たるのは避けられないことだろう。しかし、それは仲間にも言えることだ。仲間への障害とならないよう、近接して戦う仲間よりも遥か前方へと設置した。
 レイよりも更に後方、弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)もまた、敵への障壁を瓦礫で設置していた。
 広大な宇宙空間に上下も左右もなく。また、狭い通路も無いが、解放軍の人々の手を借りて瓦礫の山をいくつか作ることに成功していた。そうして作った瓦礫の山は、高速で移動する敵への障害物となるだけではなく、身を隠す盾にもなる。設置し終え、撤退する解放軍の人々の背を見送って、銀花は瓦礫の山の側に潜んだ。
「戦車を相手にする時は塹壕に篭るのが一番だと父から聞いた事があります」
 銀花の声に、そうですねと声が返る。
 瓦礫の山の側に居るのは、銀花だけではない。そのすぐ側の瓦礫にはアスティリア・モノノフィシー(清光素色の狙撃手・f00280)が潜んでいた。接近して戦う仲間やレイの影の壁を抜けて敵が接近した場合、瓦礫を盾としながら遠距離攻撃を行う彼女を守るためにも銀花はその場に留まっていたのだ。
「民間の方がいらっしゃるスペースを狙うとは、許せません。少しでも被害がでないようにお手伝いさせていただきます」
 飛来するビームキャノンを瓦礫を盾にして躱したアスティリアは、注意深く周囲を覗い戦況を確認した。
 影の壁の存在に気付かずに、小型歩行戦車たちがぶつかっていく。高速のまま壁にぶつかれば、その衝撃でバイクが爆発し機動力が絶たれる。そして続く機体が避けきれずにそこにぶつかり、新たな被害を生んでいた。
 統制されていた小型歩行戦車隊の動きに僅かではあるが乱れが生じる。アスティリアはその隙を逃さずバイクの前輪を狙撃して転倒させていく。
 手には彼女が妹のように可愛がっている『Silver Reckless Princess』。アスティリアの手に馴染む銀色の愛銃は丁寧な整備がなければ反動が大きく扱いづらい。アスティリアにとってはそこもまた可愛いところなのだが。
『――ピピピピ、ガガガガ』
 横転したバイクとの接続が切れた小型歩行戦車の一体が、センサーの光を赤や黄色に点滅させる。
リーダー機からの指令を受信しているのかもしれない。猟兵たちに乱されても、人間ではない機械たちはすぐさま立て直しに図る。
 そこへ、小さな影が躍り出た。
「我輩の薙刀で、ばっさばっさと薙ぎ払ってやるのである!」
 身の丈程もある薙刀を一閃。その薙刀の切っ先を追うように、爆発がいくつも起こる。
 薙刀を振り回した甚五郎・クヌギ(左ノ功刀・f03975)は爆発を背に、未だ残る前方の敵機へと得物を構えた。
「来るならば来い!」
 バイクから落ちたもののまだ起動している小型歩行戦車たちは銀河帝国歩兵部隊を喚び寄せ、クヌギを取り囲まんとする。
「姓は甚五郎、名はクヌギ! いざ、参る!」
 長物を扱うクヌギは、近接される前にと踏み込んで薙刀を振るう。踏み込まれても肉球を押し付け戦うのだが、爪を隠すのは鷹だけではない。薙刀で払える敵は払い落としておく。
 後方からは仲間の炎の魔弾が小型歩行戦車を真横から襲い、レイが仕掛けた鋼糸も敵を刻む。協力して、確実に銀河帝国歩兵部隊を減らしていった。
(――エンペラーズマインド……久しいです)
 七篠・コガネ(その醜い醜い姿は、半壊した心臓を掲げた僕だ・f01385)は背のプラズマジェットで飛びながら、前方の超巨大要塞『エンペラーズマインド』を見て物想う。
 つい幾月か前まで、コガネは銀河帝国の一員だった。長すぎる時間、制御コンピューターに閉じ込められていた、それも幸いだったのかもしれない。そのおかげで、コガネの今があるのだ。
「今の僕は一人の猟兵だ!」
 前方に見える超巨大要塞よりもすぐ近く、目の前の仲間たちと小型歩行戦車隊へと視界と意識を切り替えると、遠方からクヌギへとインペリアルキャノンの標準を当てていた小型歩行戦車へ右腕に内蔵されているブラスター『Endless Right』を放つ。
「忝ないでござる!」
 コガネはそのままクヌギの頭上を飛び越え、敵の撹乱へと回る。未だバイクで走り回る小型歩行戦車部隊の周囲を飛び回り注意をひきつけ――そして、背中に内蔵されている『code-Nobody』が翼のように変じた。
 背からと内臓コアからの一斉掃射。辺りが眩く成るほどに放たれる高エネルギー。
「昔から言うでしょう? 数撃ちゃ当たると。速くて結構。……でも……だから何です!?」
 煙を上げて鉄屑と化した敵機の残骸を、コガネは踏み砕いた。
 敵機を踏み砕いた己の機械の足を見下ろす。他の仲間たちとは違う、無機物の足。そこに浮かぶ感情の色はない。
(――僕は、猟兵だ。お前たちとは、もう、違う)
 背のプラズマジェットを起動させ、次なる標的を倒すべく飛び立った。

 眩い光が宙を焼く。
 一瞬にも似た、たったひと時。
「――危ない!」
 そのひと時、光に目を奪われたアスティリアに、銀花は身体をぶつけるようにして伏せさせる。その直後、二人の上をビームキャノンの閃光が走り抜けていった。アスティリアの背に冷たいものが流れ落ちる。
 影の壁を旋回した小型歩行戦車部隊が、いつの間にかすぐ近くに迫っていた。既に耳が爆音に慣れてしまっているため気付くのに遅れたが、敵影はすぐそばにある。
 アスティリアが感謝を告げる前に、銀花は«人狼咆哮»で瓦礫の山を吹き飛ばし、瓦礫とともに敵前へ迫る。流水が如き滑らかな動きで、上段から『白嵐玉椿』を振り下ろした。
 すぐに体勢を立て直したアスティリアも銀花に続く。銀花が斬った小型歩行戦車にお返しとばかりに炎の弾を連続して浴びせ続ければ、小型歩行戦車は不規則に身を揺らして爆ぜた。
 クヌギもまた、奮戦していた。宇宙バイクには劣るがケットシーらしい俊敏な動きで立ち回り、小型歩行戦車とバイクの接続部や攻撃手段を奪うべく部位破壊をせんと相手取る。そしてレイは影の壁を操り、そんなクヌギの支援に徹していた。
「あたしが裏で支援する。思いっきりやっちゃいなさい!」
「ご助力、感謝するのである!」
 小型歩行戦車が焼夷弾を投げる。しかしクヌギは避けることもなく、最短距離で真っ直ぐに小型歩行戦車へと向かう。«猫の行く道»で作った足場は、存分にクヌギを強化してくれていた。そして、投げられた焼夷弾をレイの鋼糸が絡め取ってくれる事を知っている――。
(――獲った!)
 腰を下ろして溜めてからの一閃。パーツをバラバラと撒き散らし、小型歩行戦車たちは破壊されていく。
 遅れて小型歩行戦車が爆ぜる音が響く中、クヌギは薙刀の切っ先をある一点へ向ける。
 その先に見えるのは、トゲの生えた機体。それは、バイク集団を引き連れて走り回っていたが寸の間動きを止め、赤く光る電子の目で猟兵たちを観察するように見ていた。
「さあ、皆で大将を討ちに行くぞ!」
 敵大将をまっすぐに見据え、仲間たちに聞こえるよう高らかに、そう宣言するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

門廻・降市
【星鯨】
宇宙服借りて行こか
容だけのヒトでも、宇宙で生身いう訳にもいかんし…
そやけどほんまに星に手が届くいうんは、不思議な気分やね

攻撃は味方の援護中心
はつね、フィディエル達と連携し露払い
生命力吸収と破魔の力籠めた霊符放って、敵の駆動力と攻撃力を削ぎつつ、
まともに攻撃喰らいそうなら七星七縛符

もし排気で走っとるんやったら、掃除の霊符で止められへんか試してみよか
敵さんの馬が獲れたら其れを足掛りに
騎乗は出来へんけど、足場に使わせて貰お

兵が混乱したら将が指揮取る筈
見つけたら早よ仕留めんとね
ケビ、賢太郎、そっちは頼んます

気休めにしかならんやろが、
掃除と破魔の力籠めた火難除けの符作って、味方に展開しときます


狼谷・賢太郎
【星鯨】
件の宇宙服を着るぜ。これ、すげー動きやすいのな
実体化させたエレメンタルロッド――ヴァナルガンドにケビと二人で乗って、敵のリーダーを【追跡】するぜ!
星の大海原に出発だ! 駆け抜けろ、ヴァナルガンド!
もしやばそーな攻撃が飛んできたら、その時は、えーっと……ケビ、任せた!
リーダーに追いつけたら、よーく狙って、ケビを全力でぶん投げる!
将を射んと欲すれば、先ず馬を射よ……だっけ? そんな感じで頼んだぜ! ――いっけえ!

振り落とされたリーダーは、【全力魔法】で氷漬けにしてやる!
その後は……思いっきり噛み付いてやれ、ヴァナルガンド!

飛んできたケビをキャッチしたら、他のバイクも同じように奪ってやるぜ!


フィディエル・ジスカール
【星鯨】
宇宙服、とやらをお借りして参ります
なんと…この衣装は布で出来てはいないのですか?面妖な…
ほ、星のなかに向かうなど初めてです
猟兵とはまこと、どのような場所にでも向かえるのですね

ばいく、というものに騎乗した敵が電撃的に襲い来ると聞きます
騎馬兵との戦いといえども、私は必ず使命を果たしましょう
我が光の矢で敵を迎撃します
光で目眩ましをするよう、なるべく頭の方を狙います
中でも一騎ほどは兵を落として馬を奪えるやもしれません
心配ご無用、私には乗馬の心得がありますので!
ピオシュ殿や狼谷殿の星にさえならんとする勇猛さに、私も続きたいと思います!
杠葉殿や門廻殿の助けもお借りし、将の打倒に死力を尽くしましょう


杠葉・はつね
【星鯨】
宇宙空間ははじめてなの
誰かと共に戦うのもね

支給の宇宙服で動くわ
できれば攻撃時は敵のバイクを足場にして、目標を固定

攻撃は咎力封じ
一体を確実に倒すよりも、多数に攻撃してなるべく被害を拡大させないようにしたいわ

ケビ、賢太郎、フィディエルが向かう先の敵を優先して狙おうかしら
足止めにはならなくても遅れさせることはできるわよね
降市と連携していけるように、狙っているところを教えるわ

敵のリーダー格が出てきたなら、リーダーへと続く敵を攻撃して道筋を作るわ

ケビが近くに飛んできたのなら、賢太郎の元へ投げ返して……いいのよね……?


ケビ・ピオシュ
【星鯨】
宇宙服を身に纏い

戦う事は得意では無いけれども
人々が決起をするというのならば手伝わせて頂こうか

戦闘開始時は狼谷殿の精霊の上で機動力を確保
クランケヴァッフェの掌でしがみ付くよ

ああ、ああ
任せておくれ
ユーベルジャックで敵の攻撃をそのまま返してしまおう

うむうむ、足止めして貰えれば乗り込み易いだろう
ありがとう

さて狼谷殿、私を投げて貰えるかな?
敵のバイクのハッキングが可能ならば
敵バイクに乗り込み
HelloWorld
奪って、仲間達の足場に出来る様に

いきなりリーダー狙いとは驚いたね
頑張ろうか

成功しても失敗しても
狼谷殿に誰か投げ返して頂けるかな?

敵のバイクをハッキングできるようならば
どんどんしてしまおう


ギド・スプートニク
【星鯨】
将から射る、その考えは正しかろう
わざわざ手下どもから律儀に片付けていく必要など無いのだからな
賢太郎殿の豪胆さ、その歳ながら大器の片鱗を感じさせる
なれば私も、少なからず助力はしよう

ケビ卿がハッキングしたバイクを足場に、或いは騎乗し機動力を確保
フィディエル殿が騎乗するなら、その後ろに相乗りさせて貰うのも良いかも知れぬ
支援は十分。なれば将の首、叩き斬るしかあるまいな

妖刀を構え、敵を見据えて集中
瞳の色は金色に変化

力の解放と抜刀は一瞬
己に内在する力のすべてを一太刀に込める
その氷塊ごと斬り裂いて見せよう

将と言ってもこの程度
帝国最速もたかが知れる

あとは有象無象の掃除といこう
埃のひとつも残さぬようにな



●星海を泳ぐ鯨
 揃いの宇宙服に身を包んだ【星鯨】の一行は、解放軍のシップのひとつを背に宙に浮かんでいた。
「ほんまに星に手が届くいうんは、不思議な気分やね」
 腕を持ち上げた門廻・降市(縹渺・f08720)が手のひら越しに星をかざし、戦場には不似合いな穏やかな声発した。
「遠くから見たら、私たちも星に見えるのかしら」
「なんと……」
 人形の目とて星は映る。毎夜見上げる星を思い浮かべながら杠葉・はつね(晨光の祈り・f04009)が不思議そうに呟けば、傍らのオラトリオの少年――フィディエル・ジスカール(宵明けの熾翼・f11146)は小さく息を飲んだ。布ではない面妖な服を纏うことにも驚いたが、驚きとは尽きぬものなのだろうか。故郷の展望台から見た景色を思い出し、唇は自然と笑みを刻む。胸を満たすのは、未知への興味と知への喜び。
 宙駆けるバイクたちは、状況を知らない者が遠くから見れば流れ星のように見えたことだろう。
 しかし、現実はそうではない。宇宙服の効果で拾ってしまう音は正直耳障りだし、解放軍は攻撃を受けている。気分の良いものとは到底言えたものではなかった。
「将を射んと欲すれば、先ず馬を射よ……だっけ?」
 狼谷・賢太郎(イマチュアエレメントマスター・f09066)の少年らしい瞳に、野性的な色味が混ざる。
「将から射る、その考えは正しかろう。わざわざ手下どもから律儀に片付けていく必要など無いのだからな」
 賢太郎の豪胆さに大器の片鱗を見出したギド・スプートニク(意志無き者の王・f00088)も「私も助力はしよう」と妖刀『玲瓏』に手をかけた。
 初めての宇宙や宇宙服に。そして敵への思いに、それぞれ浮かべる表情は違う。そんな仲間たちの表情をケビ・ピオシュ(テレビウムのUDCメカニック・f00041)はぐるりと見渡して。
(――私とて戦う事は得意では無いけれども、人々が決起をするというのならば手伝わせて頂こうか)
 自然な動作で頭上に手を伸ばし、目的のものに小さな手が触れる。――透明で薄い宇宙服はシルクハットまで内包してくれている。そのため、日頃から無意識に取る行動で手が空を切らないことも良い点であった。日頃から無意識に取る行動で手が空を切らないことも良い点であった。
「さて、私たちも行こうか」
 シルクハットのブリムを摘んだケビは、戦場への一歩を踏み出した。

「星の大海原に出発だ! 駆け抜けろ、ヴァナルガンド!」
 賢太郎の大狼の精霊――ヴァナルガンドが宙を駆ける。その背には賢太郎とケビの姿。ケビの手足は短いが『クランケヴァッフェ』の掌で確りとその身を支えていた。
 目指すは敵将、ただ一騎。
 星になりそうな勢いで突撃する賢太郎とケビ。その勇猛さに心を震わせたフィディエルは、小型歩行戦車の頭部を光の矢で狙い転倒させ、そのバイクを奪い後に続こうとした。
 その後部シートへ、ひらりと舞い降りる黒衣の青年。
「相乗り、宜しいか?」
「ええ、勿論。私には乗馬の心得がありますので!」
 道を切り拓く追い風は、はつねと降市が担う。
 はつねは他の猟兵が倒したバイクで足場を固め、仲間たちが向かう先の小型歩行戦車の力を削ぐ。喚び出された銀河帝国歩兵部隊も«咎力封じ»でまとめて抑え込んだ。仲間の道行きの、邪魔はさせない。
 命を持たない機械から生命力う奪う事は叶わない。降市は霊符に篭めた生命力吸収の効果が薄い事を見て取り、破魔の力だけに切り替えて。
 敵勢を抑えさえすれば、そこを二つの獣星が駆け抜ける事が出来る。
 掛かる火の粉はケビがジャックし、ギドが斬り伏せる。
 賢太郎の大狼とフィディエルの鉄馬は、小型歩行戦車部隊の中央を駆け抜けた。
「見えた!」
 トゲを生やした機体に、トゲを生やした小型歩行戦車が騎乗――接続した姿。他とは違うその姿は、ひと目でリーダーと解るものだ。遠目にはトゲしか見えなかったが、こうして近寄ると別の特徴も見えてくる。頭部には小さな黄色のモヒカン、そして何故だが鎖のようなものを交差させて巻き付けてあり動くたびにジャラジャラと揺れる。それは所謂『世紀末風』と呼ばれる姿だった。――もしかしたら、知の宝庫に住まうケビの知識になら、その姿が刻まれていたかもしれない。
 リーダーが赤いセンサーを光らせれば、守るように配下が動く。統制の取れた動きは機械ならではのもの。
「さて狼谷殿、私を投げて貰えるかな?」
 まずは、リーダー近くの敵をハッキング。そこを足掛かりに制圧していこうか。
「わかったぞ、ケビ! ケビが流れ星になるんだな! ――いっけえ!」
 よーく狙って……ぽぉん。
 良い子の返事とともにケビの小さな身体をむんずと掴んで、リーダー目掛けて一直線に投げる。
 身ひとつで――クランケヴァッフェが付いてはいるが、真っ直ぐに飛ぶ標的は格好の的だ。リーダーの目前に躍り出た敵機に緑の光が集う。しかし――
「そうはさせません」
 降市の霊符が力を溜めた銃口に張り付いた。出口を失った力はそのまま内に溜まり――爆発した。
(ケビ、賢太郎、そっちは頼んます)
 ――ゴイン。
 爆風で勢いをましたケビは頭からリーダーにぶつかり、電子の顔――モニタに星が散る。が、すぐさまクランケヴァッフェでしがみつき、テレビウム用端末ケーブル『HelloWorld』を接続してハッキングを開始した。
『ピ、ガ、ガガ、――ガ』
 リーダーのセンサーが何度も赤や緑に変わり、そして。
 ――ごろん。小型歩行戦車の身体が宇宙バイクから転がり落ちた。
 すぐさまケビはクランケヴァッフェの尾で跳んでその場から離脱する。なぜならば――。
 地に落ちたばかりのリーダー機が、ピキピキと凍える歌を謳いながら凍り付く。
 その横を大狼と鉄馬が駆け抜けて。
 鉄馬からひらりと黒衣が舞えば、金の瞳が踊り、氷塊ごと一刀の元に斬り裂かれた。
「将と言ってもこの程度。帝国最速もたかが知れる」
 あとは有象無象の掃除といこう。
 爆音を背に聞きながら、ギドは薄氷の瞳を残された配下たちへ向ける。
 彼奴等の”頭”は、もう居ない。

 ぽぉん。
 クランケヴァッフェの尾で跳び回り配下のハッキングを行っていたケビが、はつねの近くに飛んできた。
「やあ、はつね殿。狼谷殿に投げ返して頂けるかな?」
 はつねは急ぎケビを拾いあげると賢太郎の位置を確認し、勢いをつけてケビを投げた。
「えいっ」
「おお! はつねのケビ投げもすごいな! ケビ座流星群、キャッチだ!」
「ふぅむ」
 それは違うような気がする。思えどもあえて口にすることはなかろうと、ケビは大人しく賢太郎の腕に収まった。おかえり、ただいま。
 リーダーを失った小型歩行戦車たちの動きは、散々なものだった。指揮系統の全てをリーダーが掌握していたため、不利を感じ取り撤退等の行動に移れない。ある機体はその場で停止し、ある機体は味方ともぶつかる始末。
 放って置いても半数は自滅しそうだが、禍根を残さぬよう、猟兵たちは狩り尽くす。
 はつねの拘束で銀河帝国歩兵部隊を呼ぶことも叶わず。霊符に氷、光が降り注ぎ。斬られ、果てには奪われたバイクに轢かれ、その場に立つのは猟兵のみとなった。
「先ほど賢太郎殿は『私流星群』と仰られていたが、流星群はひとつの星ではないのだよ」
「そうなのか! じゃあ皆でなら、流星群になれるか?」
「皆で――、素敵だわ」
「ぼく……いえ、私が星に……」
「なんや星に手が届きそうやと思ってましたら、自身が星ときましたか。しかし……」
「ああ、悪くない」
 顔を見合わせ、猟兵たちは笑みを浮かべる。その表情はとても晴れやかだった。
「さあ諸君、戻ろうか」

 星くじら流星群。
 ひとつひとつは小さな灯りかもしれない。
 けれど頼れる仲間と寄り添えば、その灯りも可能性も無限大。
 星海を泳ぐ鯨たち。――今暫くは、燃え尽き消えることのない宙の旅。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月09日


挿絵イラスト