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銀河帝国攻略戦⑧～ディフェンスライン・オーバー

作者：鹿崎シーカー

「よーし。それじゃ、どんどん行きますよっ！　あー忙しい！」
　そう言ったシーカー・ワンダーの顔の画面が切り替わる。
　集結した『解放軍』の迎撃に使うはずだった『カイザー・レイ』を破壊された銀河帝国は、帝国大要塞『エンペラーズマインド』を最終防衛ラインとする、強固な防衛ラインを用意した。
　『エンペラーズマインド』は、遺失技術の一つであり、ワープドライブを妨害する能力を持つ。 これを攻略する為には、ワープドライブに頼らない『艦隊戦』によって、『エンペラーズマインド』のコアを破壊しなければならない。
　だが、『解放軍』は、多くの民間人が居住する移民船団であり、大規模な艦隊戦の経験がない。そのため、『エンペラーズマインド』防衛艦隊との開戦直後は、混乱の為、充分な戦闘を行えずに、かなり大きな被害を出してしまうだろう。
　混乱が治まり、ある程度の秩序だって戦えるようになれば、戦力差を生かして、戦線を押し上げる事が可能だろうが、それまでに大損害を受ければ、戦線が崩壊する危険もありえる。
　そこで猟兵諸君には、混乱する『解放軍』のスペースシップの撃破に動く、帝国艦隊の前衛部隊を迎撃。『解放軍』の援護をしてほしい。
　猟兵はチームを組んで、敵戦艦を直接破壊、または、戦艦の外壁を破壊して内部に突入し、戦艦の指揮官を撃破するのが良いだろう。
　そして今回相手してもらう戦艦の指揮官は、『人造生命体』マンティコア。スペースシップワールド内で極秘裏に開発された生物型のウォーマシンで、複数の生物を掛け合わせた上、体の機械化されている。ある程度の量産はされているようだが、戦艦にいるのは一体だけだ。ただし、戦艦を任される程度の力はあるので、注意して臨んでほしい。

第1章 ボス戦 『人造生命体『マンティコア』』

POW   :    不可視の牙 【真空刃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。 SPD   :    獣の雄叫び 【凄まじい大音量の咆哮 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。 WIZ   :    猛毒の棘 【蠍の尾 】を向けた対象に、【蠍の尾から放たれる針と猛毒】でダメージを与える。命中率が高い。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　ＢＥＥＰ！　ＢＥＥＰ！　ＢＥＥＰ！
　宇宙戦艦内部をレッドランプが染め上げる。戦艦指令室内部、円形のステージめいた場所にお座りしたマンティコア、その両目を覆うバイザーに戦艦を上から見た概略図が示された。左舷後方外壁崩壊。加えて戦艦前方めがけて防衛システム突破と広域に渡る破壊活動のメッセージが複数ポップアップする。マンティコアの頭部からバイザーが外れ、天井へと上昇。ゆらりと立ち上がったマンティコアの後方で、指令室の隔壁が爆砕された！　機械鎧を着込んだ春日・釉乃（”CHIPIE”・f00006）は指令室に突入し、巨大なバズーカ砲をマンティコアに突きつける！
「みんな、下がっていて！」
　振り向くマンティコアの両目を、バズーカ砲にチャージされた光が射抜く。釉乃は背面に装着された多段ブースターを駆動！　マンティコアを照準！
「ミディア・スターゲイザーの理想を掲げる為に……！ 　銀河帝国攻略戦、成就の為に……！ エンペラーズマインドよ！　私は帰って来たッ！」
　砲口が輝き、極大の光線が放たれた！　光線は戦艦の前面を内からぶち抜いて破壊！　ＢＯＯＯＭ……！　外から響く爆発音を聞きながら、ジェット・ラトリオック（黒玉の蛸・f01121）はウォーハンマーを肩に担いで司令官を覗き込む。
「……死んだか？」
「いや、まだだ。上にいるぞ！」
　地竜にまたがったガイ・レックウ（流浪の剣士・f01997）が叫ぶと同時、天井に張り付いていたマンティコアが凄まじい雄叫びを上げた。突風じみた大音声に耳を塞いだセット・サンダークラップ（青天に光を見る・f05234）が悲鳴めいてコマンドを繰り出す！
「うぎゃあああああああああああっ!?　しゅ、出撃ーっ！　エレクトロレギオン、出撃するっすよーっ！」
　彼の周囲に青白い０１が無数に広がり、機銃を乗せたＵＦＯのようなドローンが大量にマンティコアへ突撃！　天井から跳躍したマンティコアは上下反転して音も無く着地し、四足で四方八方からの機銃掃射を避けながら疾駆。バズーカをクールダウンさせる釉乃に飛びかかる獣の脇から、アズール・ネペンテス（お宝ハンター・f13453）がダガーナイフを突き出した！　片腕で刺突を防御したマンティコアは跳躍して距離を取り、腕を広げコマめいて回転。巨大な爪が放つ真空の刃に、アズールは左手をかざす。手の平を深く裂いた刃が、傷口に吸い込まれて消滅！　着地するマンティコアに、アズールは血の滴る握り拳を見せつけた。
「ひとつ、もらったぜ」
　敵意剥き出しで唸るマンティコアは後方回転跳躍！　セットのレギオンによる銃撃を回避し、横壁を水平にダッシュする。その行く手に複数の鉛弾が直撃し、壁を蜂の巣にする。素早く壁から飛び降りたマンティコアの前に駆けこんだ霧城・ちさ（夢見るお嬢様・f05540）は、巨大なピコピコハンマーを振りかぶった！　遠距離でサブマシンガンをリロードしたジェットが呟く。
「そこだ。ぶちかませ」
「え―――いっ！」
　ピコピコハンマーのフルスイングがマンティコアを直撃！　そのまま振り切られるハンマーに弾かれ、横壁に叩き込まれたマンティコアを見据えたガイはすかさずアサルトライフルの連射を叩き込み、ドラゴンに檄を飛ばした。
「砂漠の王者よ、行くぞッ！」
　ねじくれた二本角を持つ地竜は咆哮し、マンティコアめがけて突進を仕掛ける！　角が打ち込まれる寸前、壁にめり込んだマンティコアは勢いよく跳躍してガイの真上に飛び出した。頭上から振り下ろされる尻尾の一撃を、ガイはオーラをまとわせた騎乗槍で防御！　マンティコアは尻尾をしならせてガイを飛び越え、ホロキーボードを高速タイプするセットに迫る！
「そう来るっすか！　エレクトロレギオン、迎撃っす！」
　セットの前に立ちふさがった機銃付きＵＦＯ達が弾丸をばらまいた。だがマンティコアの両サイドや頭上からも降り注ぐレギオンの字砲火を複雑軌道スプリントで回避し、一瞬の咆哮で立ちふさがるＵＦＯを蹴散らす！　開いた防御の隙間に飛び込み、クロスガード体勢を取るセットに尻尾の一撃！　後ろに弾き飛ばされたセットが指令室のコンソールにぶち込まれた！
「ごへあっ！」
　ＢＯＯＯＭ！　火を噴いて爆発するコンソール！　動きを止めるレギオンを置き去りにし、セットへ追撃に走るマンティコアにちさが並走。ピコピコハンマーを下段に構えて引き絞る！
「行かせませんわ！　それっ！」
　下からの一撃をマンティコアは横っ飛びに跳躍回避する。空中で身をひねる魔獣の脇腹、太もも、肩甲骨に小型のナイフが突き刺さった！　着地に失敗し体側面からハードランディングするマンティコアの鎖骨に狙いを定め、ジェットは小型ナイフを三本射出！　手裏剣めいて回転しながら飛来するそれらを、起き上がったマンティコアは尾でなぎ払った。その後方から滑るように走り寄ったアズールがマンティコア両足の腱をダガーで切断！　ムーンサルト回転跳躍で距離を取りつつ、ガイを呼ぶ。
「よし、いいぜ」
「わかった！　今度は外さないぜ！」
　闘牛めいて脚を蹴り出す地竜が吼え、マンティコアに突撃！　両腕だけで身を起こす魔獣の背中を角で突き上げ、空中に放り出す！　ガイはランスを手に、地竜の背中からハイジャンプした。ワイバーンじみて翼を広げるオーラが槍を包む！
「おおおおおおおおおおおおおおおッ！」
　飛翔したガイの槍がマンティコアの背中から胸を貫く。直後、激しい爆発と地響きが戦艦を揺すった。指令室に飛び込んだ釉乃は、着地したガイと胸に大穴を開けて倒れ伏すマンティコアを見て口を開いた。
「終わった？　それなら急いで離脱しよう。大体壊したし、後は任せて大丈夫だと思う」
「じゃ、帰るか。……金目のものもなさそうだしな」
　アズールが言い、ジェットが素早くマンティコアの遺骸からナイフを回収。ちさはコンソールから背中を剥がしたセットに声をかけた。
「結構痛そうでしたけど……大丈夫ですの？」
「平気っす！　アルダワ魔法学園の改造制服は、そんなヤワじゃないっすから！　脱出っすよ！」
　袖口についた毒針を払い落とし、セットは指令室の大穴から走り去る仲間達を追う。少し遅れて出て行くちさを見送った釉乃は、両手を上げて握り込む。指令室前面に空いた大穴を縁どる炎を鎮火させ、彼女もまたその場を後にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年02月06日