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大祓百鬼夜行㉑〜深海基地にて氷結の歌は響き渡る~

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行 #UDC-P

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●UDCアース・UDC組織深海基地
「凍らせましょう、悲しき人達」
 ここはUDC組織でも深海に建設された基地。分厚い海の壁に守られ、位置を知られなければ発見することも難しい基地ではあるが、その基地を凍らせる吐息を吐く存在には関係がなかった。
 侵入するや否や、進む道を凍らせていき、邪魔する者はすべて氷像としていく。「UDC-Null」凍れるローレライは目標に向かって進み続ける。
「くそ、我々では見えないUDCだと!? かなり厄介だぞ!」
 そしてこの凍れるローレライは基地のUDC職員には直接見ることができなかった。未知のUDCと認識したUDC職員達が対応に走るも、対象の動きが早く大混乱となる。
 だが目的は何となく察していた。この基地にある「UDC-P」が保護対象として運ばれてきたのはつい先日。それが来てからのこの襲撃となれば察することができる。
「おそらくはこの奥に保護しているUDC-Pが狙いだろう。絶対に死守だ!」

 そしてその推測は当たっていた。凍れるローレライは恍惚の表情を浮かべて、「UDC-P」の元へと向かう。己の骸魂がそれを求め、欲しているのがわかるように、心臓が高鳴っている。
 邪魔する者は容赦しない。一切合切凍らせる息を吐き、絶対零度をまき散らしながら微笑む。
「私の人魚姫。さあ一つになりましょう」

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「UDC-Nullなんて言っているけど、言わば骸魂と合体した妖怪さんということだよー」
 現在深海基地を襲撃している凍れるローレライを映しながらエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は冷静に戦況を伝える。この凍れるローレライは妖怪「雪女」が骸魂「ローレライ」に飲み込まれて誕生した大祓骸魂の百鬼夜行の一員だ。
 現在はUDC組織の深海基地を襲撃し、その基地を凍らせながら進撃している状況だ。その狙いは基地の奥に保護している「UDC-P(人間の害にならないUDC)」で、どうやら伝承にある人魚姫に近い存在らしい。
「それを取り込めば、ローレライの凍結の歌が強化されて一気に基地を凍らせることのできるまで強化されるらしいんだー」
 そうなれば深海基地は全凍結され、UDC職員も全滅することだろう。何より現在、UDCメカニック総出で大祓骸魂に対抗する為に超常光線砲「U.D.C(アンリミテッド・ディヴァイン・キャリアー)」の製造計画も立ち上がっているので、是非とも無事職員を保護し、基地やUDC-Pの人魚姫も救助したいところだ。
「役立ちそうなのは、人魚姫の歌にはローレライを止める可能性があること、後はUDCエージェントさん達の兵器や装置かなー?」
 UDC職員達は氷を扱うUDCと見て、火炎放射器などの焼却兵器や、熱湯を流し込む装置を準備している。猟兵の救援依頼があれば使えるそうなので活用していきたいところだ。
 一通り説明したところで、エィミーは深海基地へ転移術式を展開する。大祓百鬼夜行も佳境、ここまで来て負けるわけにはいかないと猟兵達は奮起する。


ライラ.hack
 深海にてローレライ、氷の歌を響かせる。
 どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。

 このたびは大祓骸魂を弱める為、UDC組織に乗り込んできた大祓骸魂勢力のオブリビオンを撃破するのが目的です。
 UDC-Null……すなわち骸魂と合体した妖怪が、なんと「UDC組織」に乗り込みました! UDCのエージェント達は妖怪の姿を見ることができず大混乱に陥っていますが、猟兵達がやってくればすぐに状況を理解し、何かの役に立とうとしてくれます。そしてもし、この戦場を制圧することができれば、メカニック達が超常光線砲「U.D.C(アンリミテッド・ディヴァイン・キャリアー)」を作ってくれます。これを大祓最終決戦で照射すれば、勝利時に獲得できる「祓」に+0.2点できます。UDC組織の拠点に侵入した妖怪は、拠点内を奥へと進んでいます。どうやら、拠点で保護されている「UDC-P(人間の害にならないUDC)」を取り込もうとしているようです。そうなる前に、妖怪を倒しましょう。

 補足としてカクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出できます。

 以下、特殊ルールとなります。
 プレイングボーナス……UDC-P(人魚姫)やエージェント達(焼却兵器や熱湯装置)と協力して戦う。

 以上となります。普段は接近しないと使えない技も遠距離攻撃として使えますので、うまく防衛装置を活用してください。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『凍れるローレライ』

POW   :    凍れる吐息
【対象を凍結させる吐息】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    纏う氷
自身に【凍結の吐息により発生した氷】をまとい、高速移動と【氷塊でできた矢】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    誘う歌声
【自身の口】から【心惹かれる美しい歌声】を放ち、【歌声の持つ催眠効果】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:ミツ葉

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠レティシャ・プリエールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レパル・リオン
大変!人々と人魚姫ちゃんを守るため、すぐに行かなきゃ!
待てぃ!ここからはヒーロータイムよ!

いでよマジカル衣装!深海をも温めて宙を泳ぐ『ヒートグッピー』に変身よ!
魔法猟兵・イェーガー・レパル参上!

UDCの人や人魚姫ちゃんにも衣装をあげる!マジカル衣装、どんどん出すわよ!
大丈夫、あたしが使い方を実演するわ!気合を高めて思い切り吹き出すの!
いけっ、ボイルドウェーブ!(熱湯の波を発射する技)

なにっ、妖怪が見えないですって?だったらあたしが掴み取るわ!
スピードなら負けない!全力でダッシュして、捕まえたっ!

ううっ、吐息で凍っちゃう!?だけど気合を熱湯に変えて、息も氷の矢もかき消すわ!

さあ、みんな総攻撃よ!


死之宮・謡
アドリブ歓迎

ほうほう…こんなところに基地を作ってあるとはな…中々合理的ではあるな…
発見もされ辛いだろうし攻められ辛いし…逆に何かあれば猟兵連中は如何せグリモアで飛ぶからな…
自身と同系統の相手を取り込んで強化されるのは間々ある話ではあるからな…気にせず果てるが良いさ…

先ずは衰弱の・呪いの黒霧を戦域に充満させていき、UDC-Pやエージェント共には炸裂する呪詛の爆弾を渡して置いて遠距離から適当に援護させ
自身には遮断と不変の呪いを纏ってレ・フィドラを持って吶喊
連撃の合間に【黒滅】も交えて叩き込んでフィニッシュまで


ニクロム・チタノ
海、深海・・・ボクアックス&ウィザースの猟書家戦で洪水に流された記憶があってトラウマなんだよね
でもみんなを助けるためがんばるよ!
相手氷を纏って高速移動してる厄介だね
そうだエージェントのヒト熱湯装置で氷を溶かして
氷塊でできた矢はボクの重力波ではねかえすよ
纏っていた氷も溶けて高速移動も出来ないね!
焼却兵器の火炎をくらえ



 UDC組織による深海基地建設。UDCが深海に来ないという保証はないが、それでも地上に比べれば発見はされにくく、また深海という守りは非常に強固なものになる。
 だが一度襲撃されれば、その基地は深海という壁に阻まれて容易に脱出できない檻と化す。そんな中で侵入した「UDC-Null」凍れるローレライにとっては絶好の狩場であった。
「さあ、凍りなさい。哀れな人達」
 何せ凍れるローレライをUDCエージェントは見ることができない。不可視の妖怪を相手に苦戦を強いられる中、「UDC-P」の人魚姫を取り込まんと進撃を続ける。
「待てぃ! ここからはヒーロータイムよ!」
 だが凍れるローレライの進路を塞いだのは、レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)だ。その熱意のあるキマイラの視線は、凍れるローレライにとっては不快なものとして映る。
 誰かの悲鳴を聞いた時、彼女は『魔法猟兵イェーガー・レパル』として戦場に立つ。つまりこの深海での巻き起ころうとしている惨劇が、レパルをここへと導いたのだ。
「人々と人魚姫ちゃんを守るため、かけつけたわ! いでよマジカル衣装!」
 そしてレパルは即座に能力「転衣召還(クロッシング・フォームチェンジ)」を発動せ、魔法少女の衣装に身を包む。深海をも温めて宙を泳ぐ『ヒートグッピー』に変身させるのだ。
 魔法猟兵・イェーガー・レパルが降臨し、凍れるローレライは勿論、UDCエージェント達も茫然とするばかりだ。だが逃がそうとしている人魚姫が同じくレパルの魔法少女衣装に身が包まれることで正気に戻る。
「人魚姫ちゃんにも衣装をあげる! マジカル衣装、どんどん出すわよ!」
「なんですか、これは……」
 そう言ってレパルは次々とマジカル衣装を着せていく。人魚姫だけではなく女性のUDCエージェントに次々と魔法少女衣装を転移させていくレパル。
 戸惑う凍れるローレライであったが、当然のようにレパルには理由がある。この魔法少女の衣装には能力が付与されており、今回は熱い水を放射し、操る能力を持っているのだ。
「大丈夫、あたしが使い方を実演するわ! いけっ、ボイルドウェーブ!」
 使い方を実演するように、レパルは熱湯の波を発射させる。コツは気合を高めて思いっきり吹き出すのだと、人魚姫やエージェント達に語る。
 そしていきなりの熱湯攻撃を食らった凍れるローレライは、氷を溶かされながらも空中を遊泳する。姿が見えないのだから、エージェント達の熱湯攻撃を無効化させる策のようだ。
「だったらあたしが掴み取るわ!」
 猟兵のみがその姿を追える凍れるローレライを、レパルが全力で追尾する。相手も高速で遊泳するが、レパルが一直線に突っ込み、その腕を掴む。
 だが凍れる吐息を吐き、氷塊でできた矢を放射することでレパルを引き剥がそうとする。そんな猛攻を受けてもレパルは離さず、熱湯のバリアを気合十分で張り続ける。
「さあ、みんな総攻撃よ!」
「わかりました!」
 レパルの号令に人魚姫を含めた女性UDCエージェント達の魔法少女達の熱湯攻撃が敢行される。津波のように押し寄せる魔力を込めた熱の水に凍れるローレライの身体が焼かれるような熱に浮かされる。
 これはまずいとばかりにレパルを引き剥がし距離を取る凍れるローレライ。しかし熱湯攻撃が有効だと観察して感じたニクロム・チタノ(反抗者・f32208)が動き始める。
「海、深海……あまりいい記憶がないんだよね」
 実はニクロムはアックス&ウィザースの猟書家戦で洪水に流された経験があるのだ。その記憶もあって実はこの深海基地に入ってからトラウマが発動するように気分がよくない。
 だがそれでも反抗の竜チタノによって選ばれた者。ニクロムはチタノの加護を発動して、凍れるローレライに対して反抗を開始する。
「みんなを助けるためがんばるよ!」
 そんなニクロムに対して、凍れるローレライはしっかりと警戒する。さきほどのレパルのように自分の姿が見えている猟兵は厄介だと感じたのだろう。
 高速に深海基地を泳ぎ回り、吐息で凍らせ、氷の矢で遠距離から攻撃を行っていく。決してニクロムには近寄らず、人魚姫を確保しようという戦略のようだ。
「厄介だね。そうだエージェントのヒト!」
「おう、わかったぞ!」
 ニクロムが合図するとUDCエージェントの一人が、熱湯装置を起動させる。それによって凍れるローレライの進路上の氷が溶けだし、ニクロムの進路が作られる。
 さらに能力「絶命せよ蒼き焔で(フォールンインパクト)」を発動し、妖刀の力を開放して絶命の蒼焔を纏う。その蒼い焔が放射されてくる氷矢を溶かし、ニクロムは一気に距離を詰める。
「お返しだ。くらえ!」
 そして氷が解けたことによりスピードが落ちた凍れるローレライに、重力波を展開するニクロム。その氷塊でできた矢を受け止め、さらに跳ね返すことで反撃の一打とする。
 氷塊が当てられたことによってバランスを崩す凍れるローレライ。そしてそここそはニクロムが誘い込ませたかったところだ。
「焼却兵器の火炎をくらえ!」
 そう、その場所はUDCエージェントが発動準備をしていた焼却兵器の設置場所であった。姿の見えない凍れるローレライであったが、ニクロムが叩き込んだのであれば遠慮はいらない。
 その氷とローレライの人魚を焼く炎が吹き荒れる。身に纏う冷気だけではどうしようもなく、身体が焦げ付き燃やされていくのを絶叫しながら脱出する。
「あああああああああああああああ!」
「ほうほう…いい声で鳴くじゃないか…」
 焼け焦げて無様に逃げてくる凍れるローレライを見て笑みを浮かべる死之宮・謡(存在悪:狂魔王・f13193)。その瞳の色は魔王たる由縁のように、ギラギラと獰猛な光を発している。
 こんな海底基地を築くとは合理的だと思うと同時に、凍れるローレライもまた逃げることはできないと笑みを深める。これこそ獲物を捕らえる檻のようなものだ。
「発見もされ辛いだろうし攻められ辛いし…逆に何かあれば猟兵連中は如何せグリモアで飛ぶからな…」
 そんな場所に自身もそれで転移してきたことも考えれば中々にチートなことである。だからこそ、ここで謡は凍れるローレライを逃がすつもりはない。
 先ずは衰弱の呪いの黒霧を戦域に充満させていく。凍れるローレライの火傷跡に染み込むように呪いが浸透いき、人魚姫やエージェント達には黒霧から下がるように指示をする。
「あの霧のある箇所に敵がいる…それを適当に投げるといい」
 謡は彼女等に禍々しい爆弾のようなものを渡す。それは謡が作成した炸裂する呪詛の爆弾で、扱いを誤れば大変なことになる代物だ。
 こんなものは即座に投げるに限ると、黒霧の中に投擲していくUDCエージェント達。中で呪詛が破裂し、凍れるローレライが氷塊でガードしようとしても浸透しようとしてくる。
「自身と同系統の相手を取り込んで強化されるのは間々ある話ではあるからな…気にせず果てるが良いさ…」
 だがそんな呪いも謡にとっては慣れたものだ。自身には遮断と不変の呪いを纏って、真なる闇より混沌生命体が生み出した大槍「呪殺神槍レ・フィドラ」を持って吶喊する。
 黒霧の中で大槍を振るい、大いに突き上げる。それを避けよう凍れるローレライであるが、極めつけは能力「千年呪法:黒滅(クライシス)」の発動だ。
「永遠にお別れだ」
 虚空から出現する不条理な迄の呪詛を籠めた紫焔と黒雷によって、身体を貫かれる凍れるローレライ。そして動きが止まった所をレ・フィドラの刺突で抉っていく謡。
 黒き狩人が霧の中を殺戮の場に変えていくのを、凍れるローレライは止めようがなかった。凍結の吐息により発生した氷を纏って、氷塊でできた矢を無数に放つことで、ようやく謡の拘束から逃れる。

 だが三人の猛攻によって人魚姫に近づくどころではなかった。その骸魂のローレライは相応の負傷を追い、その氷を操る力が大きく減衰しつつあった。
 それでもUDC-Pである人魚姫を取り込めば打開できると考えている凍れるローレライは油断ができない。UDCエージェント達が気を引き締める中、最後まで手を抜かずに追討を行っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

二條・心春
まさか組織の基地が狙われるなんて……。職員の皆さんやUDC-Pの子は大丈夫でしょうか。

ここはUDC職員の皆さんに力をお借りしたいです。とはいえ彼らには相手が見えませんから、氷を溶かす装置でサポートしてもらいましょう。
私は武器を全て使って、フンババさんを召喚して戦ってもらいます。氷の息吹は水のカーテンで防いで氷の壁にしましょう。相手は先に進むのが目的ですから、近づいて壁を壊そうとするはずです。そこを狙って逆に組織の方々に氷を溶かしてもらって、フンババさんに炎の牙で不意打ちをしてもらいましょう。
この子と私のように、UDC-Pは私達人間と共存できる……私はそう思います。だから、貴方には渡しません!


火土金水・明
「あなたに人魚さんを渡す訳にはいきません。こちらも全力で邪魔をさせてもらいます。」「もちろん、取り込まれた方も助け出します。」(人魚さんの歌声に合わせてこちらも攻撃をします。)
【POW】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の疾風】で『凍れるローレライ』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】【氷結耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



「UDC-Null」たる凍れるローレライは大いに苦戦していた。姿が見えずに海底基地を蹂躙し、己の力となりうるUDC-Pの人魚姫を取り込むだけだと思っていたからだ。
 あとは大祓骸魂の邪魔になりうるであろうUDC組織を壊滅できればいい。しかし姿が見える猟兵達が邪魔に入り、UDCエージェント達と連携を始めてから流れが変わりつつある。
 力を削られ、このままでは海底基地から脱するのも難しくなる。正しく状況を認識し、人魚姫を取り込むことを最優先にして動き始める。
「あなたに人魚さんを渡す訳にはいきません。こちらも全力で邪魔をさせてもらいます」
 だがそうはさせじと火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)がマントを翻しながら立ち塞がる。その手に握られた銀の剣が凍れるローレライに切っ先を向ける。
 人魚姫を取り込まれてしまっては元も子もなくなってしまう。万が一にも突破できないように人魚姫の前に立ち、凍れるローレライを牽制する。
「邪魔です、小賢しき人よ」
 その明に対して、凍れるローレライも負けてはいない。目の前をすべて凍らせるような凍結の吐息を吐き、動きを封じようと試みる。
 明はその技の起こりを見極めていたようで、前面に向かって氷結をカットするマジックバリアを貼る。バリアの外は凍っていくが、明と人魚姫の周りは氷の侵食が遅くなっている。
「させませんよ。その骸魂を討ちます」
 そして明が飛翔し、銀の剣を構えて突撃する。愚直な突撃に凍らせる吐息を吹きかけるが、凍る前に明の姿が霧散する。
 それは魔力で作り出した分身だった。それと同時に人魚姫の歌が響き渡る。ローレライの骸魂が共鳴に似た感覚に陥り、動きが一瞬止まる。
「もちろん、取り込まれた方も助け出します」
 それを見逃す明ではなく、背後から能力「銀色の疾風(ギンイロノシップウ)」を発動させる。渾身の魔力を込めた銀の剣の一撃が、骸魂であるローレライのみを貫く。
 妖怪の雪女は全くダメージを受けずに、ローレライのみが引き裂かれる斬撃。悲鳴を上げると共にそのまま凍結の吐息を吐きつけるが、すでに明はそこにいなかった。
「残念、あなたに引導を渡すのはわたしではありません」
 そうやって明はすでに軽やかにステップを踏んで距離を取っていた。無理をせずに最大限の効果を取り、骸魂を崩壊寸前まで追い込んだ手腕。
 それを引き継ぐように二條・心春(UDC召喚士・f11004)が前に出てくる。自分にちょっと自信のない、心優しい普通の少女ではあるが、UDC組織の危機とあれば立ち上がるを得ない。
「まさか組織の基地が狙われるなんて……職員の皆さんやUDC-Pの子は、まだ大丈夫ね」
 凍結させる吐息に周辺が凍り付く中、マジックバリアに守られた人魚姫やUDCエージェント達を見て、ほっと胸を撫で下ろす心春。
 凍れるローレライは手負いとはいえ、窮鼠となりうる可能性もある。心春一人だけでは手に余るかもしれないとなれば、UDCエージェント達の力を借りるしかない。
「UDC職員の皆さん、氷を溶かす装置でサポートしてください!」
「わ、わかった。俺達は見えないから合図を頼む!」
 そう言って凍結を破る焼却装置の準備を始めるUDCエージェント達。そして心春が道を作ると言わんばかりに、全ての武器を捧げ、能力「召喚:守護竜(サモニング・フンババ)」を発動させる。
 拳銃・直槍・スタングレネード・グラビティシールド・クロスボウ、そしてタブレット端末を吸収して、ライオンの顔を持つ竜型UDCの霊・フンババが出現する。その威容に脅威を感じたのか、即座に凍結させようと吐息を吐きだす凍れるローレライ。
「フンババさん、水のカーテンを!」
 心春がそう指示すると、フンババは竜の咆哮を上げる。すると大量の水を操って、まるでカーテンのように展開し、凍結の吐息を防ぐ。それはまるで氷の壁のようになり、進路を塞ぐ。
 凍れるローレライにとっては思わぬ障害の発生だ。幸いと薄いカーテンであるが故に壊すのには手間は取らない。凍れるローレライはそう思い、破壊しようと体当たりをしようと敢行する。
「今です、UC職員の皆さん!」
 その瞬間を心春は待っていた。UDCエージェントが焼却装置を発動させて、一気に薄い氷のカーテンを瞬時に溶かし、凍れるローレライの体当たりを無効化する。
 氷を破壊しようとして高速遊泳した凍れるローレライは大きくバランスを崩す。そしてその先には炎の纏った牙を構えるフンババ。
「この子と私のように、UDC-Pは私達人間と共存できる……私はそう思います。だから、貴方には渡しません!」
 その心春の思いに応えるようにフンババが凍れるローレライに飛びつき、その首元に炎の牙を突きたてる。そこから炎が全身に回っていき、骸魂であるローレライを焼き尽くしていく。
「こ、こんな……私の、人魚姫……」
 そして手を刺し伸ばした先にいるのは人魚姫。だがそれに届くこともなく、フンババが喉を食い破ったことによって、ローレライは完全に粉砕される。
 氷が砕けるようにその身体は消滅していき、後から出てきたのは白い肌の和服姿の女。取り込まれていた妖怪・雪女であった。
「よかった……」
「何とかなりましたね」
 凍れるローレライの消滅を確認して、胸を撫で下ろす心春。そして雪女を抱える明、そして共に戦った猟兵達も勝利を確認しに合流してくる。
 歓喜と共に海底基地のUDCエージェント達も勝利を祝福する。そして窮地を助けて貰った人魚姫は満面の笑顔で猟兵達にお礼の言葉を紡ぐ。
「助けて頂いて、ありがとうございました!」

 こうしてUDC組織の海底基地は氷漬けになることなく、危機は脱した。UDC-Pの人魚姫や解放された雪女は、百鬼夜行鎮圧まではここで様子を見ると言う。
 窮地を切り抜けたUDCメカニックは大祓骸魂の脅威を認識し、超常光線砲「U.D.C(アンリミテッド・ディヴァイン・キャリアー)」の開発に力を貸してくれるだろう。それがこの世界を救うと信じて、力を合わせていく。
 猟兵達は後は残りの四大親分を倒し、雲の道を切り開くのみ。親分を含めた全ての妖怪達を救う為、佳境に差し掛かった戦場へと猟兵達は向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月25日


挿絵イラスト