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銀河帝国攻略戦⑩〜絶対にバレてはいけない突入戦〜

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「なんか可笑しいのがあるんだけど……。」
 グリモア猟兵、リリィ・オディビエント(パラディンナイト・f03512)は首を傾げながら告げる。戦争の緊迫感が消え去りそうだった。
「いやしかし、やることは変わらないはずだ。皆、今度は『エンペラーズマインド』の破壊になる。戦況はわかっているか?」
 エンペラーズマインド、帝国の所有する技術でありワープドライブを無効にするというものだ。なんでワープドライブ独占してたのにそんなのあるの?という疑問は飲み込まなくてはいけない。重要なのはそんなことじゃない。
「ワープが使えないということは、船隊艦で潜入する必要がある。幸い、潜入する所までは問題なさそうだ。」
 防衛の薄いところから潜り込むらしく、正面戦闘を他に任せての潜入依頼となるだろう。 たが、とリリィは付け加える。
「問題は………私たちが通る予定のルートだけ何かおかしい。エンペラーズマインドのコアへ向かうには『巨大隔壁』を壊す必要があるんだけども。そこ一帯の隔壁がな……毛色が違うのだ。」
 コアを守るために、道中では頑強な隔壁が立ち塞がる。コアの場所はわからないが、障壁となるからこそ正解の道だとも言えるだろう。
 では、何が問題なのか、恐ろしく硬いのか?
「……なんか隔壁に顔がついてて難題を出してくるらしい…。
 なに?道を変えよう?そうしたいのは山々だが、私たちの受け持ちはここなんだ…しらみつぶしに探すしかないし………諦めてくれ!」
 丸投げされた。集まった猟兵たちはもう逃げられない蟻地獄に捕まってしまったのだった。そもそも顔のある隔壁とはなんなのか。宇宙空間で考えるのをやめたくなる。
「警備兵もいるから見つからないように隔壁まで進んでほしいが……兵士達からも変な目で見られてるから比較的薄手そうなのが幸いか…?もう私には何もわからない。」
 警備を潜り抜けて奥の隔壁へ向かうほど、成果はありそうだが同時に嫌な予感もする。説明する側も受ける側もそう直感を受けた。
 頑張ってくれ―――無責任のようなしかし疲れ切った言葉と表情でリリィは猟兵達を見送った。


汚い忍者
 ドーモ。汚い忍者です。

 戦争シナリオ、第二陣ですね。

 一陣で戦い疲れた皆様、少し変わったことをしたい方向けの依頼かも知れません。

 やること自体は隠密、そして隔壁の破壊ですね。隔壁さんがちょっと自我を持ってることぐらいでしょうか。
 どんな難題が来るのかはお楽しみに、気にせず破壊しちゃってもいいかもしれないですね。
 何がとは言いませんが、笑いに強いか弱いか書いて貰えると捗ります。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 冒険 『⑩エンペラーズマインド突入戦』

POW   :    密かに潜入し、POWのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

SPD   :    密かに潜入し、SPDのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

WIZ   :    密かに潜入し、WIZのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シュトフテア・ラルカ
隔壁に…顔?
え?あ、いえ?は?
…うん、いつものですね!オブリビオンがおかしいのはいつものことなのです!
隠密任務ですが、顔があるとかいう時点で隠密にはならないと思うです。
他のルートのための囮と前向きに考えるです、そうなのです。

難題…よく分からないですが、顔なんですから目が弱点でしょう。
ある程度付き合って時間をかせいだら狙い撃つです。
なんかムカついて撃っちゃうかもしれないですがどうせ破壊するので問題ないです。

※アドリブ、絡み歓迎 笑いには表面上強いようで沸点低め



●ぷりてぃ✨モンダバラ🌸
 シュトフテア・ラルカ(伽藍洞の機械人形・f02512)は依頼の話を聞いたときから混乱の最中にいた。そしてそれは潜入してからも変わらない。
 警備兵どこ…?
 全然いなかった。ここは本当に戦時中の敵艦なのだろうか。隠密とはいったい。
「オブリビオンの考えることはわからないのです。」
 この一帯の必要性を考えるが答えはでない。
 ぐるぐると終わらない思考をまわしていると、ようやくそれらしきものを見つける。
「ほんとに顔があるのです……。」
 私が近づくと、隔壁からニョキッと顔がでてくる。かなり気持ち悪い。
「『我が名はモンバーン、この隔へk』」
「とりあえず別のルートへ行ってみるのです。」
 えっ、ちょっ。そんな声が聞こえた気がしたがスルーする。私は現実逃避にも似た感覚で別のルートを探し始めた。
 警備兵とか全然いない中、特に問題もなく次の隔壁へとたどり着く。本当にこんなのでいいのでしょうか、冷静になりそうだったそのとき、隔壁から再びニョキリと顔が浮かび上がる。
「『はーい♪ベリーキュート💛なお嬢さん✨✨私はモンダバラよぉ(⋈◍>◡<◍)。✧♡』」
 まさかの個別に性格まであった。もう何ならさっきのやつで妥協すべきだったとすら思えた。どうしようと放心で方針が整わぬ中モンダバラが言葉を続ける。
「『私🌸の✨お願い✨聞いてくれたら、通してあげるわぁ🌹』」
「そ、そうなのですか…。」
 余談だが、声は男のそれである。なんなら言いたくなかった事実なのです。
「『私、可愛いものが見たいわぁ✨ 目いっぱいの可愛さを見せつけて💛』」
「可愛さ…ですか。」
 なるほど。思考こそかなり悪質ではあるが、破壊に時間や労力がかかり、下手すれば見つかる可能性を排除できるのならば悪くない選択肢でしょう。心境はさておき。
「『ち な み に ✨ それとは別で笑っちゃうと罰ゲームよ💛』」
「それは本当に必要な行程なのですか?…まぁ、心が冷え切ってるから平気なのですが。」
 どういうスタンスなのか。ねじ込み方が強引ではなかろうか、手が銃に伸びるがぐっと堪える。この厄介なのを他の人に任せるわけにはいかない……囮として頑張るしかないのです。
「『一発芸。 銀河皇帝シリーズその一。」
 にょっっきりと、隔壁の顔が銀河皇帝っぽくなる。そして手が生える。もう嫌な予感しかしないのですが。

「『やだ……我の血族、多すぎ…!?』」
「―――。」
 両手で口元を押さえてきた。驚愕の顔をしている。多分…いや絶対本人はこんな顔しないでしょう。
 ―――少しやばかった。何とか表面は堪えましたが、かなり効果は抜群だったのです。
「『続きまして、銀河皇帝シリーズ三』」
 二は!?―――このままではいけないのです。畳みかけられる前にやるしかない。様々な世界の情報を漁る時に眼に着いた『KWAII』、使い道などなかったであろうそれらを発揮するときがきたのです。

「にゃ…にゃおん♪」

「『ぶふーーー!』」

「あなたが笑うのか!!!!」
 耳の形をつくっていた手を即座に銃へと伸ばしクイックトリガー。
 怒りに任せて発砲した。目に銃弾が突き刺さっているのに……奴は笑い続けている…! (性格が)腐っても隔壁か。
「『お見事……まさしく可愛いだったわ✨ それを否と唱える事、私にはできなかった♠』」
 隔壁は開く。頭が少し落ち着く……もういっそ破壊をさせてほしかったのです。
 こうして私はなんとか無事に隔壁を乗り越えた。……もう既に帰りたい気持ちでいっぱいになりながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルフィア・ルーデルハルト
「…潜入ですか、私はあまり得意ではありませんが、任されました」
警備兵が廊下を徘徊する中、ごとん!と警備兵の真上のダクトから音がする
不審に思った警備兵が見に行こうとするが
「ちゅー…ちゅー…」
何とかごまかそうと奮闘、ごまかし切る
「…やっぱり得意ではありません、聖女らしくないですし、はい」
なんとか巨大隔壁付近のダクトからすぽんと出てくるが埃塗れで服を叩く
「…クリーニングです、服はこれしかないのに…」
そして巨大隔壁前まで移動、強欲の腕を全力で叩き込む

笑いにはとても強いです、何分無表情なので



● 悲しみのモンバーン。暁に散る。
 私の名はシルフィア・ルーデルハルト(血を求める”強欲”な聖女・f00898)。
 どこにでも居そうな、あるいは誰にも似ていない―――少し血が好きな女の子だ。
「…潜入ですか、私はあまり得意ではありませんが。」
 任されたその任務に不満はあるものの、不真面目さとは無縁なので、与えられた任務を遂行する以外の発想は出てこない。
 そんな私がいるところは、ダクト内部。小さな体を利用して、見つかりづらい所を選んだが、想像より少ない警備の数、そもそもほぼいない。聞いていた以上だが、それほど価値のない場所なのだろうか。
「はぁ……めんどくせぇ。」
 そんなことを考えると、丁度、ダクトの下に警備兵を見つける。だらんとした姿勢でやる気のなさそうに壁にもたれかかっていた。
「……。」
 無防備なその兵士を見ていると、つい、目が離せなくなってしまい……見惚れるように、その内部を夢想してしまう。
 ゴトン、つい夢中になってしまい、足がダクトを叩いてしまう。いかにやる気のない兵士であろうと、見逃すはずもなく。
「ん?なんだぁ………。」
「―――チューチュー」
「おいおいおい!ネズミいんじゃん!超レアじゃね!?みんなに拡散しなきゃ!」
 ……。見つからないのならば結果オーライということにしましょう。あれがゆとり世代というやつなのだろうか。
 そんな事よりも。
「……駄目ね、相手は機械兵。血はないわよ、私。」
 この戦争にいまいち乗り気にならないのはそういった理由からか。仮に乗り気でも、傍から見て変化はないだろうが。
 得もないことをぼんやりと考えていると、隔壁がダクトから見える。兵士の気配もない、颯爽とダクトから降りて隔壁へと近づいた。

「『ついに来たか。外からの来訪者よ。とくと聞け、我が名はモンバーn』」

 ドゴォオオオオ!!(1カメ)

 ―――ドゴォオオン!!(2カメ)

 ―――――――ッゴォォオン!!(3カメ)

 モンバーンには夢があった。モンバーンは芸人を目指していたのだ。データとして送られてきた【相手を笑わせる】という謎の命令とそのためのデータを見て興味をひかれた。人を笑顔にさせる、笑わせる、そんな素敵な職業に憧れてしまった。
 モンバーンは塵となった。夢をかなえることはできなかった。願わくば、AIにすら来世があるのならばいずれきっと―――。

「やはり血が見れませんでしたね。消化不良でした。」」
 パッパッと埃やら破片を払う。案外脆く変身は一瞬だけで済んだ。【強欲の腕】という寿命を削るUCだが、一秒にも満たぬ代償だった。
 ―――血の聖女は来た時と変わらぬ表情で、隔壁だった何かの奥へと進んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

池葉・雉乃
これは以前自分が予知してしまったがために
魔法学園服にサイズや性別が合わないのを仕込んで更衣室でお渡しする
というネタぐらいしか私にはできなくてあとはひたすらテレポート支援をしていた地下迷宮に似た香りを感じます…!

バトル・インテリジェンスによって難題への対応力を高めます
わたしが分からなくてもドローンのAIが何とかしてくれるに違いありません
きっとこう、今トレンドなやつとか良いのを選んでくれるはずです
つまり自分で選べないという……博打ですね
いきなり家族からビデオレターが来るぐらいまでは覚悟しておきましょう

※アドリブOK、笑いには弱いです



●雪辱を張らせ、モンダーワー!
 池葉・雉乃(音楽の裏方さん・f05834)にはかつてない使命感があった。
 使命感、というとまるで物語の主人公かのようだけれど決してそんなことはなく。自身で目立つのなんて苦手でしかないけれど。今回ばかりはそういうわけにもいかない。
 隔壁が見つかる、予想は確信に変わる。ちなみに警備兵は別にいなかった…あるいはどこかに隠れている?いやな予感が背筋を走る。
 黒光りの隔壁から、濃い顔が浮かび上がった。
「『よぉ来たなぁ。わいはモンダーワーや』」
「あの地下迷宮に……似ている!」
 あの日の記憶がよみがえる。
 悲惨なダンジョンがあった。何もできなかった、被害者を送り続けることぐらいしかできず。謎だけを残し去っていった。
「今度は、私が攻略してみせます…!」
 世界は違う。だが、似た思想があった。あるいは世界すらも超えて…。謎は解けぬが、この隔壁に負けるわけにはいかない。
 身構える、来るであろう衝撃に備えて。
「ここではお前に一つだけお題を出す。耐えきれたらクリアやで。お題は、『恥ずかしがったらタイキック』や。」
「えぇ、笑っちゃ駄目なんでしょう―――――――――――えっ。」
 知らない世界だった。隔壁の顔が映像データを移していく。
「『は、はいどーも!生放送きてくれてありがとうございます!今から演奏すr、しますので、えーっと、聞いていってください。
 あ、あれ、曲流れない――あっ、おかあさんちょっと入ってこないでよ!いま生放送中で―――』」
 プツン。
 ブラックなヒストリー、それは誰しもが経験する甘くもない酸っぱいだけのメモリアル。思いだせば震えが走り、顔は赤くなり、変な呻き声がでそうになる。
 映像の"それ"が池葉・雉乃であったかどうかは誰もわからない。だが、共感性羞恥という言葉がある。彼女にとってその醜態とすら思えてしまう行為は、到底耐えきれるものではなかった。
「い、いやぁああーー!?」
『池葉、アウトー』
 デデーン!
 隔壁以外の壁が開き、中で控えてた黒服の兵士たちが容赦なく雉乃にタイキックを浴びせる。
 これが……あのとき送り出したみんなが受けた屈辱。痛み、悲しみ、そして不思議な充実感があった。駄目だったけれど何かが報われた気がした。
 兵士たちはそのまま中へ戻っていった。いいのか。職務それでいいのか。
「『黒歴史っちゅーやつやな。まぁ相手が悪かったわ、この謎のスーパー技術で相手の恥ずかしい過去を丸っとお見通しってわk』」
 ぼごっばきっどごっ 
「『ちょっ、いたい!や、やばい!手つけられへんなっとる!!助けて黒服!!アーッ!!』」
 モンダーワーはなかまをよんだ! しかしだれもかけつけなかった!

 ~10分後~

「AIは素晴らしいわね。気が付いたら隔壁が壊……開いていたわ。」
 そういうことになった。そういうことにしておこう。
 帰りたい気持ちを抑えて隔壁の奥へ進む。帰ったらDTMを使って動画を作ろう―――そう心の癒しについて考えながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴァリアブル・タイプオメガ
フフフ……このボクに問題とはね……ボクのスーパーインテリジェンスな頭脳を披露する時がついにきたか……ここはパバッと解いて華麗に解いちゃおうかなーっ!

その華麗な雄姿を【グッドナイス・ブレイヴァー】でお茶の間の皆にもお届けするよ!んーっ!ヴァリア様と崇め奉られるのが目に浮かぶね!!

まぁ、無いだろうけど万が一迷っちゃったりした時は、クイズミ●オネアに倣って【グッドナイスブレイヴァー】でオーディエンスみたいな事もするよ!視聴者参加型クイズさ!これで視聴回数も爆上がり間違いなしだよ!

笑い?まぁ……普通かな(よわい)


ヴィクティム・ウィンターミュート
難題を出してくる壁だぁ?スフィンクスのなぞかけじゃあるまいし、んなもん俺の頭なら余裕だっつーの(フラグ)。潜入も工作もちゃっちゃか終わらしてやるとするかね。

ユーベルコードでステルス状態になって作戦開始だ。【忍び足】と【ダッシュ】で素早い隠密移動をしながら、注意深く通路を進む。
巡回兵を排除しないと進行に支障が出そうなら、【先制攻撃】【暗殺】で手早く処理。万が一先に気づかれたら、【ハッキング】で通信と武器を落とそう。
障壁は【早業】【ハッキング】【破壊工作】【毒使い】で素早くハックして掌握、ウイルスを侵入させて壊す。物理的手段が必要ならナイフで壊しておこう。

※笑いには割と弱いと思います。



●難問を解け!モンテンテン
「ふふーん、らっくしょーだね!」
 ヴァリアブル・タイプオメガ(変幻自在の仮想人格・f00247)はその高性能な索敵と予想で奥へ奥へと駆け抜けていく。時々、本当に稀に見える警備兵もすんなりと潜り抜ける。余裕しゃくしゃくなヴァリアブルだったが、ふと背中に気配を感じた。
「ん、だれ!?」
 咄嗟に左手を大砲のような銃に切り替えて、突き付ける。
「おっと待ってくれ。猟兵だぜ。すまんな、透明化していて……っとお前は。」
 ヴィクティム・ウィンターミュート(ストリートランナー・f01172)が姿を現して少し慌てながら喋っていると、相手の顔を見て互いに声をあげる。
「あっ。」
 しばらく前にだが、一緒の依頼に出た覚えがある。組んだというほどでもないが、顔程度ならば覚えているだろう。二人は自然と足を揃えて進むことになった。

「ヴィクティムさんは透明化までできるんだ。まぁボクも高性能だからやろうと思えばできるけどね!できるけどね!!」
「お、おう。無駄な消耗は避けたかったんでな。まっ、隔壁とやらに苦戦しないだろうけど一応な―――『こちら問題なし』」
 そう二人は喋りながら、運悪く出くわしてしまった警備兵を【ハッキング】や【暗殺】を使い一瞬で無力化する。通信機を手に取り、偽の報告を交えながら会話は弾む。
「こういう依頼だとボクら無敵じゃない?」
「まっ、ガチの戦闘じゃないなら遅れを取らない自信はあるぜ。」
 不敵な笑みを浮かべながら、二人は作業のように手軽に先へと進んでいく。
「これが例の隔壁か。おっと出てきたな。」
 骸骨に脳みそをのっけたような顔が浮かび上がる。警戒するヴィクティムに対して、ヴァリアブルは任せてというジェスチャーをして進む。
「君が例の隔壁かい?」
「『我が名はモンテンテン。貴様たち程度では突破できない最強の番人なり。だが、万が一我の問題を解くことができたら無事通してやろう。』」
「てんてん。」
「『テンテン』」
「てぃ」
「『テンテン』」
「……それでモンテンテン。ボク達に出すっていう問題はなにかな?」
 よろしい、と頷きながらモンテンテンは前にでてきたヴァリアブルを睨む。
「まずは一人ずつ、そう小生意気な貴様からだ。」
「おっと、ボクを子供と侮らないほうがいいよ。」
 ヴァリアブルは持ち前の自信を顔に浮かべ返す。あるいはその精神の強さが一番の武器なのかもしれない。
「『ふん、クソガキめ。だがこれを解けるかな…?』」
 ―――来い。
 ヴァリアブルはその高性能演算端末としての性能を発揮しようとする。例え6桁の掛け算だろうとフェルマーの最終定理だろうとあっさりと説いてみせよう。疑似的な天才と化したヴァリアブルは、例えどんな難題だろうと突破してみせるだろう。
「『【源氏物語】を書いた際の紫式部の心境を答えよ。』」
「―――――いや、それ答えのないやつじゃん!!!?」
「『ふははははっっ!貴様のようなくそ生意気な餓鬼はヒトの心境などわかるまい!!』」
 お前に至っては人ですらないじゃん!というツッコミを抑えながらもヴァリアブルは考える。遥か昔の人間、そもそも世界すら違うのでは?深く考えてはいけない。
 そうだ例え今いなくても、ゲームとかそういうのでは出ている有名な人だ。そういったデータを集計すれば自ずと答えが見つかる!
「詩を愛して、言葉にひかれて、識字率の低い中それでも世界に詩と真実を届けたかった……かな!」
「『いや現実見ろよ。どう見ても書きたいこと書いた性格悪いやつだろ。』」
 ぴきぴきぴき。
「『滅びろばかめ!』」
 現実は無常だった。ヴァリアブルは知能こそスーパーインテリジェンスだが、人の気持ちを十全に理解するにはまだ若すぎた。
「あばー!!!」
 どこからか現れた黒服の兵士たちがタイキックをかまして、そのままどこかへ去っていく。お前らそれでいいのかよ。
「『さぁ次は貴様だ。』」
「ヴァリアブル…いいやつだったぜ。」
 ヴィクティムは敬礼を取っていた。奇妙な友情を感じながら自然と応じていた。
「『自身を賢いと思っている猿め。その自尊、ズタボロにしてやろう。』」
 だが、問題はない。ヴィクティムには余裕があった。ヴァリアブルより優れているというわけではないが、歳の差で人生経験がある。なにより、人の心の機敏ならば自信がある。
「『銀河皇帝の入浴後にすることは何だ。』」
 …………。
「……いやもう想像すらしたくねぇよ…っ!ラスボスの入浴シーンとか諸々ぉ…!!」
「『ヒントなどはない。さぁ答えてみろ!!想像を膨らませてな!!!』」
 いやそもそもなんで知ってるの?開発者いったいなんなの?
「(マテオチツケ…ふぅ……そもそも知っているわけがない。ならば答えは誰もがわかる事、必然的事実。
 すなわち、誰しもが入浴後にすること―――入浴後、つまり風呂から出たあと必ずする事、それこそが答えだ
「―――着替えだ!」
「『……。』」
「………」
 ゴクリ―――――無駄に溜めるなこいつ。

「『ざぁぁぁんねぇえええん!』」
「くっ!!」
「『正解は演説の練習だ』」
 ぴきぴき。
「真面目かぁあああ!!!! てめぇ絶対知らないだrグワー!!」
 すぱぁん!タイキックがそのサイバーパンクな装甲に突き刺さる。防御貫通ダメージだった、無駄に高度。
「『クソ雑魚共め、例え何度きたところで我が難関を解けるわけがないのだ!!ふはっはっは!!』」
 ぴきぴきぴき
 ゆるりと二人が立ち上がる、その姿は獣のソレだった。その獣達は隔壁へと野生解放した――――。

 デデーン
 モンテンテン、アウトー。

 頭脳派だって脳筋になっていいじゃない。のぶを。
 ―――二人は修羅となり奥へと進むことができた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソフィア・リューカン
隔壁に顔面があって難題を出してくる……一体どういうことか分からないけど、警戒は必要ね!

敵がいそうなところは【第六感】でなんとなく察知しつつ、敵がやってきたら私と反対側に【念動力】で音を立てて、その音につられているうちに【逃げ足】で撤退しつつ行動するわ!ちゃんと廊下の角っこからは、人形たちの陽動で警戒しつつ、ね!

障壁に対しては、人形さんたちに仕込んでおいた【二回攻撃】や【衝撃波】、部品をかすめ取るための【盗み攻撃】、機械部分を故障させる電撃【マヒ攻撃】を放つ機構を発動して壊そうとするわね!でも、難題ね……一体、どういうことをしてくるのかしら……?

※アドリブ・他者との協力歓迎。笑いには弱いです


神月・瑞姫
リリィおねーちゃんからの依頼なの
みぃ
戦争初めて…スペースシップワールドも初めてだけど
おねーちゃんのためにも頑張らないとなの
壁が喋る…の?
前の洞窟みたいに、問題に答えれば開くのかな?
難しくないといいけど…なの
解けなかったら…神さま…助けて欲しいの…
(ぎゅっと仮面を抱きしめ

喋る壁さんの所までは【無明新月の法】
見張りさんに見つからないように姿を消して【忍び足】で近づくの
壁さんの所に着いたら…問題に答えるの

…無理そうだったら【フォックスファイア】
20の狐火を薙刀の刃に集中させた必殺の一撃
月天劫火 紅観月(げってんごうか くれないみづき
で斬りつけるの!
(その軌跡が紅の三日月を描く炎の薙ぎ払いで破壊を狙う


キャナリニア・カルコメラン
潜入依頼、でありますかぁ。
戦闘が回避できるのならそれに越したことはないでありますが……やるだけやってみるのであります!

抜き足差し足【忍び足】、時には【ダッシュ】でコソコソと。
束ねた操り糸でぶら下ったり、【地形を利用】して死角に隠れたり。
……気分はスパイ映画でありますな!頭の中にそれらしいBGMが鳴り響いているであります!

さて、問題の隔壁でありますが……ここは現地調達で行くであります。潜入任務はそういうものだと、【情報収集】済みでありますので!
近くに戦闘機か何か機械の類とUC合体ビルドロボット!全武装フルバースト!なければパンチでもしておくであります!


笑い耐性弱、特にごり押し系は駄目であります。



●最後の審判・モンシーン
 ソフィア・リューカン(ダメダメ見習い人形遣い・f09410)は隣を歩く少女に声をかける。
「大丈夫!私に任せて。この間大きな怪獣みたいなのだって倒したんだもの。」
「わぁっ…!みぃは戦争初めてだから、とっても頼もしいの。」
 神月・瑞姫(神月の狐巫女・f06739)はそれに安心した笑みを返す。
 ソフィアが頑張ったのは事実だが、大人数での戦いだったことはひっそりとおいておく。
「えぇ!瑞姫ちゃんは私が守って……あれ!?どこ行ったの!?」
 気づくと隣の瑞姫の姿はなく、物音一つしない。慌てるソフィアに近くから声が届く。
「ソフィアおねーちゃん、大丈夫だよ。ユーベルコードで透明になってるだけなの。あとあんまり騒ぐと見つかっちゃうよ…?」
「そ、そうなんだ……すごぉい。」
 早くも雲行きが怪しくなってきたが、ソフィアは頑張ろうと強い決意を内心に秘めた。
「みぃのこの術なら、一緒に隠れれるけど、平気…?」
「も、もちろん!私にだって作戦があるわ!」
 そこでタイミングよく廊下の角の先から、ジェファーソン――ソフィアの操る人形を通して警備兵が迫るのを確認する。ソフィアは集中すると、念動力を用いて関係ない場所へと衝撃を送る。
「おー…。ソフィアおねーちゃん凄いの!音送りの術かな…?」
「えへへ、そんな感じかしら…?」
 物音につられた警備兵を通り抜け、二人は若干噛み合わない会話をしながらそそくさと歩く。
 ――――バッ。ほがらかに笑みを浮かべていた瑞姫が、真剣な顔をしながら突如振り返る。
「ど、どうしたの?」
「今誰かいた気がしたの。」
「えっ!?お、お化け……。」
「ち、違うの…!兵士さんが居た気がしたんだけど……気のせい、気のせいなの、うん。」
 二人は不気味な感覚に身を寄せ合いながら、進む事になった。

 そんなこんなで、警備を乗り越えながら奥へ奥へ。幸運か否か、道中で見つかることも隔壁に出会うことなく深層へと進んでいく。そうしてついに、分かれ道すらない長い一本道の末、おおきな大きな隔壁が立ちふさがる。二人が近づくと、隔壁から這い出るかのように巨大な顔―――僧侶のような坊主頭が生える。
「ぴっ!」
「ひゃっ!」
「『……我が名はモンシーン。我が創造主の命により、貴様ら侵入者達へ試練を課すものなり。」
 モンシーンと名乗った隔壁。その言葉や視線にふざけた様子はなく、他の隔壁とは一線を画す只ならぬ存在感を放っていた。
 飛び跳ねるかのように驚く二人を尻目に、モンシーンは言葉を続ける。
「『我が出す命題を見事に解いてみせたならば、我を通る"資格"をやろう。さぁ答えてみせよ。』」
 グリモアベースにて聞いていた話とはやや違う……が、やる事には変わりない。難題を突破すべく二人は固唾を飲む。
「『神とはなんだ。』」
 互いに、息を呑む音が隣から聞こえる。
 まさしく難題、いうなれば答えのない問いかけと言ってもいい。だが、モンシーンからは解けない問題で小ばかにするような感じはしない。
「かみ…神様よね?う、うーん……。」
 ソフィアは哲学的な疑問に言葉を詰まらせる。唸りながらなんとか答えを出そうとする中、瑞姫が一歩前にでる。彼女の中で、答えはもう胸の中にあったといっていい。
「神さまはいろんなところに居るの。お月様にも居て、みぃの近くにも居てくれて。きっといろんな物や人に存在してる。
 だから、みぃの答えは『どこにでも居て、見守ってくれる存在』なの…!」
「『……。』
「………。」
「『良き回答だ、模範的かつ己の信仰を信じる様は一つの答えだろう。――――"だが、否だ"。』」
 一つの答え、とまで言ってなお、決して譲らぬ強い口調と共に首を振る。瑞姫は眉を顰める、彼女にとっての回答は出してしまった。ほかの言葉を紡ぐ気にはなれない。そのとき、先ほどから悩んでいたソフィアが口を開く。
「あなた、さっき"創造主"…って言ったかしら?」
「『そうだ。……それ以上の質疑は返さんぞ。』」」
 回答を飲み込むようにじっくり考え、言葉を紡ぐ。
「私にとって……人形さんは友達や家族みたいに大事な存在だわ。」
 抱き上げる。レイニーとジェファーソン、二人の人形を。
「この子たちにとっても私はきっと同じ存在だと思うの。それで、私にとっての神様はまだよくわからないけれど。
 この子たちにとっての神様は、きっと作り出してくれた人だと思うわ……あなたにとっての創造主のように。」
 ジッと、ソフィアとモンシーンの視線が交わる。
「『では、回答は「創造主」でいいのだな?』」
「え、えぇ……私はそう思ったの。」
 ソフィアの回答を聞いて、深い沈黙の後にモンシーンは―――頷く。
「『いいだろう。その答えは我にとって納得するものだ。』」
 その言葉に二人はホッを胸を撫でおろす。瑞姫がソフィアを称えようと口を開こうとした瞬間。
「『では、これより貴様らの"力"を試そう。』」
「えっ…!?」
「そ、そんな!通すって…!」
「『通す"資格"を得ただけだ。智を試した後は力を試すのが通り……貴様らが銀河皇帝の打倒を志すならば猶の事!』」
 モンシーンの顔がより深く飛び出し、そして巨大な腕が生えてくる。巨大な腕は既に二人を範疇に捉えていた。気の抜けているところへ攻撃は咄嗟に反応ができない。
「あ、あぶない…!」
 ソフィアが咄嗟に瑞姫に覆いかぶさる。だが、そこまでだ、腕は二人を飲み込み―――――

「そこまでであります!!!!!」
 巨大な機械の腕が、モンシーンの攻撃をがっしりと受け止める。
「キャナリニアさん!?」
 ソフィアが驚きの表情を浮かべる。視界の先には巨大なスクラップロボを操る友達――キャナリニア・カルコメラン(スクラップドール・f07077)の姿が映し出されていたのだ。
「あの人は……。」
 瑞姫もまた、以前の依頼で見覚えのあるその姿を見て驚く。
 時は、キャナリニアの視点で少し前に遡る。

「おや、あれは……おーい、ソフィアどn……」
 キャナリニアは依頼が始まりすぐに、偶然にも友人を見つけて声をかけようとした、が!
「……ふむ。であります。」
 友人、ソフィアは見覚えのある幼女と共にお姉さんぶりながら健気に頑張ろうとしている所だったのだ。
 さて、ここで割り込むのは簡単だろう。だが果たしてそれは友人のためになるだろうか…?年上という自覚が彼女を成長させるのは確定的に明らかだった。頼れるお姉さんとして見守ってあげよう、そういうことになった。
 決してお姉さんぶってるソフィアが可愛くてつい見守ってあげたいとか、瑞姫と二人でいる姿が可愛らしくて眺めていたい等ではないということを、彼女の名誉のために記しておこう。
 かくして。
「――――危ないでありますな。」
 二人の僅かな隙を埋めるべく、キャナリニアは迫っていた警備兵を糸で吊るしあげるなど、細かいサポートを駆使しながら二人を支えていたのだ!
「……警戒していて正解だったでありますな。」
 モンシーンが力を試すと言い出した瞬間から、キャナリニアはUCを用いたスクラップ人形を合体させて【ビルドロボット】にて巨大ロボと共に踊り出たのだ。
「二人とも、今はともかくあいつを倒すであります!自分が……いや!」
 スクラップ製巨大人形は、モンシーンの腕を封じ込めようとするが、僅かに力が足りない。一人で支える糸には限界がある。
「ソフィア殿、一緒に踊るであります。」
「……えぇ!」
 細かいことを気にするのは後回しにして、立ち上がる。活力に満ちた顔で、ソフィアは糸を操る。巨大人形が更に力を増して鈍重だった動きは軽やかに、力強いものに変わる。
「『貴様、我が問答を介さず…!!』」
「神さまがどうのなんて、今の私に答える言葉はないでありますが、二人を助けたい――その気持ちが答えであります!!」
 巨大人形が完全にモンシーンの腕を封じる、だがそこまでだ。均衡をぶち壊す最後の存在が立ち上がる。
「助けられてばっかりはイヤなの。みぃだって……神さま、力を貸して!」
 瑞姫は周囲に狐火を生み出す。UCを用いた炎は燦々と強い輝きを放つ。それを安易に放つことはしない。
「―――月を煌めく天照の火 劫火と成りて 紅の三日月を描く――」
 詠唱と共に炎は薙刀へ、強い膨大な熱と成る。持ち手を焼くほどの業火が宿り、瑞姫は歪みそうになる眉を強く保つ。
「【月天劫火 紅観月】!!!」
 凛とした声と共に、掻き消えるほどの速さで駆け抜け一閃。
 薙刀の斬撃は隔壁の恐るべき固さが防ぐ――――が、熱が!灼熱が!壁を焼き、熱する!壁が溶解していき止まった斬撃が沈むように斬り裂く。
「『み――――見事!!!!』」
 振り抜かれた薙刀は、隔壁へ三日月の軌跡を残す。モンシーンは散った、断末魔は猟兵達を称える意思が込められていた。
「すごいであります…!」
 キリっとしていた瑞姫の表情がみるみる間に弱弱しくなる。
「――――うぅ、熱いの……まだまだ修練が足りなかったのぉ。」
 瑞姫はうるうると涙をこぼしながら、ひりひりする手を広げる。まっかっかだ。
「だ、大丈夫かしら!?」
 神秘的な光景から一転、心配でいっぱいになりながら、わちゃわちゃと三人が集まる。
 手を癒した後、自然と三人は笑みをこぼし合いながら、先へと進んでいく。
「そういえば…キャナリニアおねえちゃんはどうやってここまで来たの?」
「え!?………ぐ、偶然であります!!」
 ―――頼れるお姉さんは難しい。一つ勉強になった。

●紆余曲折の末
 可笑しな区間だったが、猟兵達の活躍により突入作戦は完遂された。
 これによりエンペラーズマインドのコアへ多くの道が通じた事だろう。
 どの隔壁がコアに通じたか、真相が明らかになるのはもう少し後の話……。明らかに可笑しな道だったが――――案外、君の通った場所がコアへと通じるやも知れない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト