大祓百鬼夜行④〜マヨイガ大戦争〜 一掃編
「我々猟兵のためあえて、って言いますけどね。それだったら直接顔合わせて挨拶してから行けって話なんですよ、勝手に決めて欲しくなかったんですよこちとら。話してれば百鬼夜行を作る以外の方法とか思いついたかもしれないのにですよ? というか、絶対我々が負けたとしても大祓骸魂の傘下に入っていることで生き延びる気ですよあの人。猫? 妖? どっちでもいいや、そーいう、リスクヘッジまで考えてることが気に食わないんですよ!」
戦争疲れからか、酒でも入っているのか、ご機嫌斜めに管を巻くルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は睨みつけるかのような目で猟兵達を見た。
「で、そんな親分様が拠点を構えている屋敷までの道筋が立てましたので、ピューっと行ってバタバタと薙ぎ倒して来てください」
問題の屋敷には当然のことながら五郎左衛門だけでなく、大量の使用妖や配下の妖が詰めており、猟兵達の接近に気付けば一斉に飛び出してくる。
その戦力は東方妖怪に獄卒、どろんバケラー、悪霊と様々で通り一辺倒の力技では逆に押し返されることも考えられる。
そして当の五郎左衛門は屋敷の奥でガタガタ震えている……なんてことはなくむしろ先鋒を切って敵陣に襲いかかって来ている。
どちらにしても多人数との正面衝突は避けられない。一対一ではなく、一対多前提または多対多の状況に持ち込んで挑む覚悟を持って挑むことが重要であろう。
「そういえば、親分様はいっぱい骸魂食ってるのに未だに素面らしいですね。なんで、思う存分あのにやけ顔をぶん殴って来てくださいよ」
銀色の缶を手元で回しながら、ルウはそう締めた。
だが忘れてはならない。今回のオブリビオンは一応妖怪を依代にして形成されている。決して、骸魂諸共殺してはならないことを。
「待ってましたよ、猟兵さん達!」
提灯ゆらめくカクリヨファンタズム随一の大きさを誇るマヨイガ。
その出入り口となる大きな門の前に東方親分・山本五郎左衛門は正々堂々と陣取っていた。
「実はずっと戦ってみたかったんですよね、猟兵さん達と。実力差は知っておりますが、やはり東方妖怪の顔役と呼ばれている身分でして。儂の配下だった子に抜かれてしまった、というのはどうも醜聞がね。あんな小童に負けるほど、山本五郎左衛門は落ちぶれたのか、なんてね? 冗談ですけど」
そんなことを言いながら、五郎左衛門は腰に差した刀を抜き払う。
「そんなことはないことを、ついでに証明させていただきましょう! 猟兵さん達、それでは殺らせていただきます! 皆の者、かかれい!」
五郎左衛門が刀の切先をこちらに向けた瞬間、後ろで閉じられていた木の門が蹴り飛ばされたかのように勢いよく開く。
そこからまるで雪崩のように五郎左衛門の姿を飲み込む勢いで。思い思いの得物を構えた妖怪達が走り込んできた。
平岡祐樹
まずは多対多、大戦争! お疲れ様です、平岡祐樹です。
このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。
今案件にはシナリオボーナス「親分と妖怪軍団の両方と戦い、誰も殺さないようにする」がございます。
これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。
また、対峙するモブ妖怪の種類ですが、なるべくお客様のプレイングに沿った物を出したいと考えております。文字数の限りではありますが、指定されていればその妖怪との戦闘の様子も書かせていただきます。
第1章 ボス戦
『東方親分『山本五郎左衛門』威風形態』
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POW : どろん衆きませい!
レベル×1体の【東方妖怪のどろんバケラー 】を召喚する。[東方妖怪のどろんバケラー ]は【化術(ばけじゅつ)】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : 獄卒衆きませい!
対象への質問と共に、【マヨヒガ(屋敷)のあちこち 】から【東方妖怪の地獄の獄卒軍団】を召喚する。満足な答えを得るまで、東方妖怪の地獄の獄卒軍団は対象を【嘘つきに対して威力増加する鬼棍棒】で攻撃する。
WIZ : 悪霊衆きませい!
自身が装備する【号令懐刀(ごうれいふところがたな) 】から【東方妖怪の悪霊軍団】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【妖怪憑依】の状態異常を与える。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フォーネリアス・スカーレット
「知らん、オブリビオンは皆殺しだ。ドーモ、オブリビオンスレイヤーです」
まずは挨拶。これで何をしても失礼に当たらない。
「サップーケイ……」
印を組み、【殺風景】の迷宮を作り集団を分断。
「お前達のする事は大体分かっている」
面倒なのはバケラーだろう。だが、知人に手練れのバケラーが居るのでな。奴ほど面倒ではあるまい。
奇襲を得手とする者ほど案外と奇襲に弱い物だ。
迷宮の影に潜み、死角からの奇襲。【芯断ち】で戦意を奪って隙を作り、【電磁居合斬り】で骸魂との接続を断つ。
「オブリビオンは皆殺しだ」
オブリビオンでなければ用は無い。
「知らん、オブリビオンは皆殺しだ」
相手が殺しに来ているというのに、手加減する必要なんてどこにあるのだろうか。
猟兵内の暗黙の了解を端から無視するフォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)は静かに手を合わせ、五郎左衛門へお辞儀をした。
「ドーモ、オブリビオンスレイヤーです」
まずは挨拶。これで何をしても失礼に当たらない。
「おやおや、礼儀正しいことで。ですが、手加減はいたしませんよ」
「サップーケイ……」
小さく手で印を組むと墨絵の描かれた鋼鉄襖と祝儀敷の畳の迷宮が作られ、五郎左衛門や大量に押し寄せるオブリビオン達が一斉に分断されていく。
「お前達のする事は大体分かっている」
奇襲を得手とする者ほど案外と奇襲に弱い物だ。スカーレットは迷宮の影に隠れ、じっと息を潜める。
「面倒なのはバケラーだろう。だが、知人に手練れのバケラーが居るのでな。奴ほど面倒ではあるまい」
ただ最近見てないため、ひょっとしたらこの中に紛れ込んでいる可能性もあるが……今はその嫌な考えは捨て置いておく。
たったった、と軽い足取りが奥から聞こえてくる。
スカーレットが叩き込むは死角からの奇襲。電磁加速を籠めた居合刀による一撃で、肉体を傷つけずに対象の闘志のみを奪って隙を作り、返す刀で骸魂との接続を断つ。
「オブリビオンは皆殺しだ、オブリビオンでなければ用は無い」
意識を失って倒れ伏した妖怪を無視し、スカーレットは刀を戻す。しかしその直後、壁を貫通してきた悪霊達が大量にスカーレットの体へのしかかってきた。
「サンドイッチじゃー!」
「なっ……くそっ……!?」
一体一体は軽くてもそれが群れを成せばそれなりの重量になってしまう。さらに憑依までした悪霊はスカーレットの腰から刀を外させ、遠くに投げさせた。
「き……さまらっ……!」
「こ、怖っ。でも、親分のところにはいかせないのだー!」
スカーレットの兜から殺気を隠そうともしない視線を向けられてもなお、悪霊達は怯えずに乗っかり続けた。
苦戦
🔵🔴🔴
木常野・都月
親分さん。多分良い人だ。
こんな戦争じゃなかったら、仲良くしたかった。
でも俺は、記憶がないけど…多分、この世界で生まれた妖狐で。A&W育ちの猟兵で。
きっと、本来なら同じ世界の仲間だったのだろうから。
だから、全力で戦う。
手加減したら、失礼だから。
風の精霊様、[範囲攻撃]に[催眠術]を乗せて、親分子分まとめて寝かせて下さい!
親分はともかく、他の子分達は出来る限り眠って無力化をしよう。
親分さんも、眠たいなら寝て良いぞ?
UC【精霊疾走】で親分さんに体当たりを狙おう。雷の精霊様、[気絶攻撃]をお願いします!
刀は金属だし、雷と相性良いはず?
ちょっと痺れてバチバチ痛いかもだけど…電気で失神してくれたらいいな。
大勢の仲間に囲まれながらも、自らも前線に立って出る五郎左衛門の姿に、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)の中では一つの感想が芽生えていた。
「親分さん。多分良い人だ」
こんな戦争の最中でなければ、仲良くしたかった。
記憶はないけれど、きっと自分はこの世界で生まれた妖狐で、何の因果かでアックス&ウィザーズに飛んでしまって、そこでずっと過ごしてきて、おじいさんの提案で猟兵になって色んな世界を飛び回って。
でもきっと、本来ならカクリヨファンタズム……同じ世界の仲間だったのだろう。
都月は息を吐くと、ぎゅっと手にしていた杖を握り直す。
だからこそ、全力で戦う。手加減したら、失礼だから。
「ん……?」
こちらを一瞥した五郎左衛門が、一瞬目を見開いた後、笑ったように見えた。だが一度切られた戦いの火蓋は止まらない。
「風の精霊様、親分子分まとめて寝かせて下さい!」
都月の呼びかけに応じた精霊によって、辺りに眠気を誘う風が流れ込む。人を化かす術と建築術に優れていても、そういう物には慣れていないどろんバケラー達はバタバタとその場に倒れていった。
だが五郎左衛門だけは眉間に皺を寄せ、刀を杖代わりにしながらも睡魔に抗う。
「雷の精霊様、気絶する程度にお願いします!」
叫びながら黒い狐の姿に戻った都月は巨大化しながら、隙を見せている五郎左衛門に向けて突進していく。
「ほんっとうに、よう似とる」
精霊によってフカフカの毛皮に電撃を纏った体当たりは、確実に五郎左衛門の全身を捉えた。
「……いい目覚ましになったにゃ」
痺れてバチバチ痛いはずなのに、五郎左衛門は歯を食いしばりながらも膝で都月の腹を蹴り飛ばす。都月は小柄な体からは想像できないほどの衝撃に息が止まりそうになりながらも睨み返し、五郎左衛門を顎で叩き飛ばした。
「にゃ、にゃははは! いい土産話が出来たにゃ! これだけでも起こした甲斐がある!」
「……どういうこと?」
焦るどころか、逆に上機嫌になっていく五郎左衛門を不気味に思いながらも都月は脚を踏ん張り直した。
成功
🔵🔵🔴
シホ・エーデルワイス
アドリブ&連携歓迎
まあ確かに話してもらえたら
もっと良い方法があったかもしれません
でも
本当に話す間が無かったのかもしれませんし
親分さんの指示が多くの妖怪に行き届くまで時間がかかるでしょう
それに
二つの世界が滅んでも自分達が生き残れば良いとは思わないでしょう
というわけで
全力で期待に応えます!
『聖笄』で光学迷彩を纏って目立たなくなり
【迷社】を展開し敵を分断して一度に相手する数を調整
更に迷路の壁から破魔の祈りを籠めた骸魂のみを浄化する光で気絶攻撃
私も憑りついている骸魂を暗視し
跳弾属性攻撃の浄化誘導弾でスナイパー
敵の攻撃は呪詛耐性のオーラ結界で防御
五郎左衛門さんの勇姿
きっと配下の方々の心も震わすでしょう
「まあ確かに話してもらえたらもっと良い方法があったかもしれません……でも」
不貞腐れるルウの意見に一定の理解を示しながらもシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は首を傾げ、否定し、提示する。
「本当に話す間が無かったのかもしれませんし、親分さんの指示が多くの妖怪に行き届くまで時間がかかるでしょう。それに二つの世界が滅んでも自分達が生き残れば良いとは思わないでしょう」
そうでなければ彼女は討たれる覚悟でこの行為を仕出かさないだろう。だからこそ。
「というわけで、全力で期待に応えます!」
気配と臭いも消すヘッドドレスの力で我が身を透明にしたシホは、墨絵の描かれた鋼鉄襖と祝儀敷の畳で形成された道を突き進んでいく。
「五郎左衛門さんやどろんバケラーさん、獄卒さんは分断出来ていますが、悪霊さん方に壁は関係ない、と……。でしたら……」
壁も襖も関係なく悪霊達が平然と横切る迷宮で、シホはポケットから一枚の護符を取り出す。
『焔さん。頂いた護符の力、お借りします!』
そして目の前の壁に貼り付けると、全ての襖が破魔の祈りを籠めた骸魂のみを浄化する光を発し始めた。
「ひぎゃああああっ!?」
完全に油断して襖に入っていた悪霊から悲鳴が轟き、その体から骸魂が分離する。そしてそれが別の物に取り憑く前にシホは二丁の拳銃で的確に撃ち抜いていった。
「スーパーボールみたいにゃ弾ですな。跳弾しても勢いが落ちないとは……にゃかにゃかに厄介ですね」
後ろから拍手をする音が聞こえる。それに素早く反応したシホは振り向き様に引き金を引いたが、五郎左衛門は一寸の狂いもなく全て刀で薙ぎ払ってみせた。
「ですが、当たらなければにゃんてことはありません」
「さすが東方妖怪の長。五郎左衛門さんの勇姿、きっと配下の方々の心も震わすでしょう」
鼻を鳴らす五郎左衛門を正面に見据えながら、シホは弾丸を込める。
「……ですがここは眠っていただきます」
「やってみなさい。さあさあ、『悪霊衆きませい!』 壁には触れてはいけませぬよ!」
五郎左衛門の号令に従い、前からも後ろからも悪霊達が壁から距離を置きながら一斉に突進してくる。だが襖から突然伸びてきた光の壁が片っ端から飲み込んだ。
「見た目に囚われすぎてはいけませんよ」
「ははは、これは一本取られましたね」
目の前で手下を一掃させられた五郎左衛門は苦笑いしながら、光の壁に囲まれないようステップを踏んでいた。
大成功
🔵🔵🔵
火土金水・明
「今回の戦争を終わらせる為に、あなた達と戦いましょう。」「もちろん、取り込まれた方は助け出します。」「悪霊相手なら破魔属性を付けたいところですが、殺す訳にはいかないので。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の嵐】を【範囲攻撃】にして、『東方親分『山本五郎左衛門』』と悪霊軍団達を纏めて攻撃します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします
「今回の戦争を終わらせる為に、あなた達と戦いましょう。もちろん、取り込まれた方は助け出します!」
そう叫んだ火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)の頭上で青白い光を放つ魔法剣が何百本と現れ、幾何学模様を描きながら飛び立つ。
それらはチームのように複数で纏まって行動し、悪霊達を牽制しながら一ヶ所に纏め上げていった。
「くそっ、何のこれしき!」
一網打尽になることを恐れ、勇気ある何人かの悪霊が剣の中に飛び出していく。しかし剣は容赦なくその体を八つ裂きにしていった。あまりに残酷なやられように悪霊達は身を震わせ、身を寄せ合う。
「落ち着くにゃ! あの子の体は消滅していにゃい! 落ち着いて合間を縫えば、必ず突破出来るはずにゃ! じっと落ち着いて見るのにゃ!」
確かに凶刃に倒れた仲間は、気絶しているだけで消滅には至っていない。中心にいた五郎左衛門の号令でその事実に気づいた悪霊達は次第に落ち着きを取り戻していく。
「悪霊相手なら破魔属性を付けたいところですが、殺す訳にはいかないので……」
証拠がある以上言い逃れは出来ないと、まだまだ本気を出してないことを仄めかしながら肩をすくめ、肯定した明の様子に悪霊達はさらに勢いづき、剣の動きをじっと観察し出した。
ただだからといって見極めればすぐに突破出来るわけではない。依然厳しい戦いが強いられている中、死角から音もなく忍び寄ってきた五郎左衛門が明に向けて刀を振るった。
「残念、それは残像です」
しかし斬られた明の体はその場で揺らぎ、消えていく。五郎左衛門は呆然とせずに素早く振り返り、襲いかかろうとしていた魔法剣を払い飛ばした。
その様子を襖の上に乗って眺めていた明は意外そうに目を丸めながら驚きの声をあげる。
「先程魔法剣で悪霊の方々ごと包囲したつもりだったのですが……いつの間に抜け出されたのでしょう」
「はっ。この儂を本気を出さずに止めようにゃど、千年早いわ!」
高らかに言い放つ五郎左衛門の勇ましさに悪霊達から歓声があがる。だがその口を封じるように、一斉に取り囲んでいた剣達が突き刺さった。
「骸魂を取り込んでも、一千年の技をすぐ模倣できるほど成長出来るわけでは無さそうですね」
「そりゃそうよ、簡単に真似される程度の技しかにゃいにゃら親分を名乗れにゃいわ」
煽りを全肯定されてしまった明は顎に手を当てながら苦笑いを浮かべた。
成功
🔵🔵🔴
幻・紅蝶
アイヤー、これは壮観ネ。
でも負けてはいられないネ、乗り越えさせて貰うヨ親分サン!
攻撃は宝貝「垓龍鞭」を振り回すのがメインヨ。
向かってくる妖怪サン達を打ち据え、痺れさせて【マヒ攻撃】し無力化してくヨ。
実体の他にも無数の鞭の【残像】を生み出して、どれが実体か分からないようにして接近を牽制しつつ、親分サンに向かって接近ヨ。
親分サンにも同じように攻撃してくケド、親分サンだし突っ込んでくるのを躊躇はしない気がするネ…
デモその時こそワタシの切り札の出番ヨ。飛び込んで攻撃しようとした瞬間に【カウンター】で神仙八極拳を叩き込むネ!
「アイヤー、これは壮観ネ」
カクリヨファンタズム中の東方妖怪が集まったと言われても過言ではない妖数に幻・紅蝶(電影娘々・f28601)は舌を巻いていた。だが、感心してるだけでは先には進めない。
「でも負けてはいられないネ、乗り越えさせて貰うヨ親分サン!」
「やってみるがよいさ!」
刀を下段に構えながら突っ込んでくる五郎左衛門に向け、紅蝶は鞭を振るう。
「ふん、確かに動かす速度は速いようだが、当てられなければ何の意味が……」
その一撃を屈んで避けた五郎左衛門が勝ち誇りながら体勢を戻していくと、その額がパックリと割れて血が流れ出した。
「は……?」
「ワタシの鞭の残像は消えるまで痛いのが続くヨ! 舐めてもらっちゃ困るネ!」
傷口から入った鞭に塗り込まれた麻痺毒によって動けなくなった五郎左衛門に向け、紅蝶は一気呵成に攻め立てていく。あっという間に裂傷だらけになった五郎左衛門は仰向けに倒れると大量の煙を全身から噴き出させた。
「アイヤッ!?」
煙幕だと思い、動揺しながら周囲を警戒する紅蝶であったが何かがやってくる気配はない。
釈然としないまま煙が晴れると、先程まで五郎左衛門がいた場所には全く同じ傷をつけた狐のどろんバケラーが転がっていた。
「オヤ、偽物サンでございましたカ!?」
確かに親分サンにしては弱かったネ……と思っていると、大量の魔法剣が一斉に宙に浮く様子を偶然見つけた。あれだけの戦闘、きっと本物が関わっているはずだ。
「探しましたヨ! ワタシも混ぜてくだサイ!」
遮る襖を開け続け、真っ直ぐショートカットして飛び込んできた紅蝶に気づき、五郎左衛門は明から視線を離す。
「おや、また元気な子が現れたにゃ? いいにゃ、まとめてかかってきにゃさい」
「かかってくるのはソッチの方ヨ!」
「おお速い速い。にゃけど……こうは習わにゃかったか? 猫は液体だと!」
その場で鞭を振り回し、必勝の構えを取った紅蝶に向け、五郎左衛門は偽物と同じように突っ込んでくる。しかし流石は本物というべきか、五郎左衛門は僅かな隙間を縫って悠々と紅蝶の元までたどり着いてきた。
『ワタシの拳でお相手するヨ!』
「明らかなカウンター狙い、読み読みですにゃ!」
カウンター気味に振われた紅蝶の切り札と五郎左衛門の刀が激突する。全力の一撃をお見舞いしたにも関わらず、刀身が折れる気配はない。
「う……グググ!」
鍔迫り合いの末、お互いに有効打を与えきれないまま2人は距離を取り直す。しかし五郎左衛門は他の猟兵の動きも警戒してか、すぐにもう一度紅蝶に襲いかかろうとはしなかった。
成功
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バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!
HAHAHA! OK!
良いデスヨ山本親分! 派手に戦うのは大好きデス!
となれば、団体戦としてぶつかりマショー!
「カモン、バルタンズ!」「バルバルバルバル♪」
親分の百鬼夜行と、ワタシの百バル夜行で勝負デース!
もみくちゃの大乱闘と参りマショー!
ミニ・バルタンたちはスリーマンセル、白兵・射撃・防御のバランスで立ち回ってくだサーイ!
端数の子はワタシと一緒デース!
やんややんやと楽しく大暴れと行きマショー!
さて。白熱して死者が出ないうちに。
乱戦の最中こっそりと山本親分に近づいて、大将首(比喩表現)を取らせていただきマース!
ファルシオンとアームドフォードの二刀流、披露いたしマース!
「HAHAHA! OK! 良いデスヨ山本親分! 派手に戦うのは大好きデス! 今度はワタシと手合わせ願いマース!」
倒れている悪霊達を足蹴にしないように気をつけながら、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が退路を断つように立ち塞がる。
するとあちこちの襖から騒ぎを聞いたどろんバケラーが大勢姿を現した。
「おやおや子分さんもイッパイデース。となれば、団体戦としてぶつかりマショー! 親分の百鬼夜行と、ワタシの百バル夜行で勝負デース! もみくちゃの大乱闘と参りマショー!『カモン、バルタンズ!』」
『バルバルバルバル♪』
上機嫌に号令をかけたバルタンの後方から、全く同じ見た目をした小人達が悪霊を踏みつけながら大量に推参する。突然の軍勢にどろんバケラー達は緊張から思わず唾を飲み込んだ。
「ミニ・バルタンたちはスリーマンセル、白兵・射撃・防御のバランスで立ち回ってくだサーイ! 端数の子はワタシと一緒デース! やんややんやと楽しく大暴れと行きマショー!」
「バルー!」
「はっ、好き勝手にはさせませんよ! 『どろん衆きませい!』」
「合点承知!」
襖という襖が薙ぎ倒されていく中、500円硬貨を握りしめて剣と銃をぶっ放すミニ・バルタン達にどろんバケラー達は葉っぱや煙を用いた化術で応戦する。
敵と味方が激しく入れ替わるどさくさに紛れて向かってくる猟兵達の攻撃を五郎左衛門が刀で受け止めて追い払う中、バルタンはファルシオンを振りかざして突撃した。
「大将首を取らせていただきマース!」
「誰が取らせるものですかにゃ!」
五郎左衛門はバルタンの左腕を警戒しながら刃を交錯させ、その一撃を食い止める。
「オヤオヤ? ひょっとしてパイルバンカーが御所望デシテ?」
「はっ、杭はもうお腹いっぱいですにゃ!」
「それは残念デース。でしたら別の品を披露いたしマース!」
そう言って距離を取ったバルタンの腹部が突然開き、中から突き出てきた砲塔からミサイルが飛び出した。
「これぞ、ファルシオンとアームドフォードの二刀流デース!」
「こんの……ビックリドッキリカラクリロボめぎゃー!?」
突然の爆発に対応し切れなかった五郎左衛門の体が吹っ飛ばされる。
だがトドメには至らなかったようで、ふらつきながらも2本の脚で立ち上がってきた。
「にゃっはははは、やりますにゃやってくれますにゃあ」
バルタンズとどろんバケラー達の戦いもバルタンズの圧勝で終わろうとしている。だがその眼光がくすむ様子はまだなかった。
大成功
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