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銀河帝国攻略戦⑨~そらをかけるぺんぎん

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●たぶんしゅるいはこうていぺんぎん
『勇敢なる隊員諸君、我々に課せられた使命は重大である! 心せよ!』
『『ペンッ!!』』
『かの悪逆非道なる反乱軍を、必ずここで――叩く!!』
『『ペペンッ!!』』
 勇ましい声を上げる一際身体の大きなペンギンと、ほぼほぼ同じ見た目をしたちょっと小さなペンギン達の群れが、円陣を組んで気合いを入れていた。

 ここは戦乱真っ最中のスペースシップワールド、そして彼らは帝国軍に改造されたサイコフォースペンギン特殊部隊『エンペライダーズ』。帝国軍の『エンペラーズマインド』防衛の要となる存在であった。

『電光石火の我らの攻撃の前には、いかな猟兵といえども敵うまい。行くぞ!』
『『ペーーーンッ!!』』

●うちゅうばいくでぶんぶぶーん
 懐中時計の文字盤に目を落としていたニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)は、時計の針があらかじめ定めておいた時間を示すと同時に、集まった猟兵たちに厳しい表情を向けると口を開いた。
「――定刻だな、説明を始めさせて頂く。既にお聞き及びの者も多いかと思うが、スペースシップワールドで銀河帝国に対する大規模な対抗作戦が始まった。俺からも一つ助力を願いたい件があり、集まって頂いた次第にて」

 そう言うとニコは、広く猟兵の間で使われている今回の戦の概略図を会議机の上に広げると、『エンペラーズマインド』と記された付近を指で示す。
「皆の活躍のお陰で『解放軍』の戦力は『エンペラーズマインド』防衛艦隊を凌駕する迄に至った。しかし、量より質とも言うが、今の『解放軍』には大規模な艦隊戦の経験がほぼ無く、戦闘に於いては素人と言っても過言では無い」
 そして指し示す先は『エンペラーズマインド』のやや左側に移動する。そこには『エンペライダーズ』という記載があった。
「……帝国軍も此れを『解放軍』の弱点と見て取ったのか、『エンペライダーズ』という特殊部隊を用意してきた。彼らは……その、何だ、宇宙バイク無しでも宇宙空間を自在に泳ぐ、ペンギン……でな」
 ペンギン? その場に集った猟兵たちがいぶかしむが、ニコは咳払いひとつ続ける。
「……『エンペライダーズ』は、集団による高速かつ一撃離脱の攻撃を繰り返し『解放軍』に損害を与え、撤退に追い込もうとしているようだ。先にも申し上げたが『解放軍』は戦闘の素人、特殊部隊相手にはほぼ歯が立たない。そこで、皆の出番という訳だ」

 ペンギン、という単語が若干引っかかるものの、猟兵たちは作戦については異論ないとばかりに頷いて返す。それに安堵したのか、ニコは敵についての具体的な説明に入る。
「今回の敵は宇宙バイクにこそ乗っていないが、まあ、いわゆるバイクに乗って「ヒャッハー!」とやって来る輩と思って貰えればほぼ間違いは無い。輩は集団を形成しているが、一際大きな身体と立派な嘴を持った個体がボスだ。此奴の統率力によって集団として機能している面が強いので、極論ボスさえ撃破してしまえば残りの敵は烏合の衆となり、一斉に逃走していくだろう。だが、そう易々とボス狙い、という訳にも行くまい。其処は上手いこと皆で連携と役割分担を行って欲しい」
 無理は禁物にて、堅実に撃破していって全滅を狙うのも勿論良しだと付け加えながら、ニコは『エンペライダーズ』が待ち受ける宙域への転移の準備を始めながら、猟兵たちへ一礼した。

「――武運を祈っている、くれぐれも、お気を付けて。ああ、皆は宇宙バイクに乗っても乗らなくても大丈夫なのでな! 騎乗が不得手な者でもご心配無く!」


かやぬま
 初めまして、こんにちは。かやぬまです。
 いつかは出せたら良いなと思っていたスペースシップワールドシナリオを、このような形でリリースすることになるとは…! と驚いております。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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 基本的には純戦です、思い切り戦って下さいませ。
 それと戦争シナリオ初運営となりますので、今までとは勝手が違うことも多々あると存じます。力及ばず頂戴したプレイングの全てを採用することができない可能性も有り得ますこと、あらかじめご了承いただけますと幸いです。

 それでは、皆様の熱いプレイングをお待ちしております。私も頑張ります!
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第1章 集団戦 『アイスバーグレンジャー』

POW   :    フォーメーション『霜』
【冷凍ビーム】が命中した対象を爆破し、更に互いを【氷の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    フォーメーション『霰』
【隊長ペンギンの特攻体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【隊員ペンギン達の連続体当たり】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    フォーメーション『雹』
【隊員全員のパワーを合わせて巨大氷山】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ムルヘルベル・アーキロギア
なるほど、帝国も機動部隊を駆り出してきたか!
しからばワガハイたちもそのペンギンを倒さねばな!

ペンギン?

ペンギンナンデ!? ペンギン!?
……お、おほん。いささか当惑するが、それも帝国の策であろう。
ワガハイは術中にはかからぬ。シリアスに挑むぞ!

とはいえワガハイは騎乗が不得手ゆえ、可能ならば誰か別のものにタンデム? したいところであるな。
混戦を冷静に観察し、命中力の高い【T.T.Y.F】で敵を撃ち貫くのだ!
ワガハイの〈高速詠唱〉と〈全力魔法〉ならばペンギンとて……
なっ!? バイクってこんなスピード出るのであるか!? アバババーッ!?


シズホ・トヒソズマ
※他猟兵との絡み、連携、アドリブOK

解放軍に集った人々はやらせはしません!高機動戦上等です!

宇宙バイクがない?ならば作ればいい!と言う事で、加速同調・疾走人形でユングフラウを宇宙バイクに変形させ、【騎乗1・操縦1】で操り縦横無尽に駆け巡ります
【フェイント1・ダッシュ1】で急制動や急加速で敵を翻弄し、そこを叩いたり味方の攻撃に任せたりします。
【空中戦1】で宇宙空間にも対応していき、敵からの攻撃は回避し、【カウンター1】で迎撃します
敵が集まったら、展開したサイドからトゲミサイルを発射し一網打尽

「フッフッフ!宇宙バイクはスターライダーの専売特許ではないのです!」



●こうきどうげんそう……もうそう?
 スペースシップワールドのとある宙域には、その名も『エンペライダーズ』と呼ばれる帝国が誇る宇宙バイク部隊が展開し、『解放軍』を撃破せんと待ち構えているという。
 普段通りの行動を阻害しない特殊な宇宙服を入手し、自由に宇宙空間を移動できるようになった猟兵たちは、噂の『エンペライダーズ』の部隊のうちひとつを壊滅させるべく集合したのであった。

「なるほど、帝国も機動部隊を駆り出してきたか! しからばワガハイたちもそのペンギンを倒さねばな!」
 ……ペンギン?
 自分で言った台詞に違和感を覚えるのはムルヘルベル・アーキロギア(宝石賢者・f09868)。そんなムルヘルベルの耳に、決定的な鳴き声が聞こえてきた。ハッと顔を上げたムルヘルベルが見たものは――紛れもなく、ペンギンの群れであった。

『ペンッ、ペペーン!(隊長、敵影確認!)』
『よしっ、総員戦闘配置につけ!!』
「アイエエエエ!? ペンギンナンデ!? ペンギン!?」

 予知で聞かされてはいたが、ガチのマジでペンギンだとは。衝撃の光景を目の当たりにしてPRS(ペンギン・リアリティ・ショック)を起こしかけるムルヘルベル。しかしそこはムルヘルベルも立派な猟兵のひとり、咳払いひとつ気をしっかり保つ。
「……お、おほん。いささか当惑するが、それも帝国の策であろう。ワガハイは術中にはかからぬ。シリアスに挑むぞ!」
 のっけからPRSを起こしかけた人が果たしてシリアス路線に無事軌道修正できるのか、戦の趨勢と同じくらい気になるところではある。

「『解放軍』に集った人々はやらせはしません! 高機動戦上等です!」
 そこへ颯爽と現れたシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)の出で立ちは、紫色の全身スーツ姿にアイアンメイデン型のからくり人形という立派なシリアスブレイカーぶりであった。ヒェッと思わず声を上げるムルヘルベルに構わず、シズホはからくり人形「ユングフラウ」を大事そうに撫でながら言う。
「宇宙バイクがない? ならば作ればいいのです! 【加速同調・疾走人形(ライディングドール・アクセラレーション)】!!」

「何とっ!? からくり人形が……宇宙バイクに変形しただと!?」
 そう、シズホのユーベルコードは不可能と思われることを可能にしてみせたのだ。
「これこそからくり人形の究極の進化系! 私は今こそ、風を掴みます!」
 今や立派な宇宙バイクと化した「ユングフラウ」にまたがるシズホ。そしてそれを慌てて呼び止めるムルヘルベル。
「お、オヌシ! 良きバイクをお持ちであるな。ワガハイは騎乗が不得手ゆえ、可能ならば、その、タンデム? したいのであるが……」
「私の後ろ、空いてますよ……さあ、どうぞ!」
 これは渡りに船とばかりによいしょとシズホの後ろにまたがるムルヘルベル。準備が整ったことを確認すると、シズホはのっけからアクセル全開で「ユングフラウ」を発進させる!

「なっ!? バイクってこんなスピード出るのであるか!? アバババーッ!?」
「フフフ、私のドライビングテクニック、いかがです?」
『あれが猟兵……宇宙での移動も難なくこなすとは、流石だな!』
『ペーンっ!』
 後部座席のムルへルベルが思わずアバるスピードで「ユングフラウ」を巧みに駆るシズホ。急制動や急加速で『エンペライダーズ』のペンギンたちを翻弄していく。

「ムルヘルベルさん、狙えますか?」
 突然シズホに問われ、ハッと我に返るムルヘルベル。元々混戦を冷静に観察しながら必殺の一撃で狙い撃ちにしようと目論んでいたムルヘルベルはもちろんと返す。
「……よし! これでも食らうがよい!」
 激しく動く不安定な状況でも懸命に状況を見極め、一瞬見えた「道」のようなものに弾道の乗せるイメージですかさず【T.T.Y.F(テイクザットユーフィーンド)】を放つムルヘルベル。魔力の光線は寸分の狂いなく宇宙を海の中のように泳ぎ――いや、飛び回るペンギンの一体を、一撃で撃墜してみせた!

 しかし敵も何しろ数が多い、気付けば周囲を小ペンギンたちに包囲されていた。しかしシズホは冷静に「ユングフラウ」のコンソールに備え付けてあるたくさんのボタンのうちのひとつをポチッとなする。同時に、マシンの両サイドがパカリと開き、無数のトゲミサイルが発射されたではないか! 次々と串刺しになり墜ちていく小ペンギンたち!
「フッフッフ! 宇宙バイクはスターライダーの専売特許ではないのです!」
 信じられるかあれ元々はからくり人形なんだぜ、いいや信じられねえ……。そんな顔で顔を見合わせ、油断大敵だと気を引き締める『エンペライダーズ』。

 戦端は切られた。宇宙(そら)駆けるペンギン部隊と猟兵たちとの闘いは、まだまだ続く――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

四軒屋・綴
《アドリブ絡み改変歓迎》

ふむ……ヒャッハァッ!新鮮なペンギンだァッ!

とにもかくにも変身ッ!防御力重視の蒸気機関車型ヒーローに変身ッ!残念ながら騎乗は不得手なので【ダッシュ】ッ!俺が乗り物で何が悪いッ!

敵は小型、しかも機敏か……無理はせず戦闘ペンギン員から落として行くぞッ!射撃戦を展開しながら接近、敵の攻撃は【属性攻撃】を応用して熱属性の【オーラ防御】で受けるッ!

徒手空拳の間合いに入ったら『モックズブッパ』を腰に納めつつ【グラップリング】ッ!ペンギンをうつ伏せにし【怪力】で尻を叩くことで【吹き飛ばし】て他のペンギンを巻き込む今思い付いた必殺技、『鞭弾列車《ペンダントレイン》を発動だッ!』


亜儀流野・珠
むう…高性能宇宙服があるとはいえ宇宙は慣れんな。
まあそのうち慣れるか!

バイクには乗らず「砕」だけ持って出撃だ!
飛んでくる奴らに正面から向かって行って、砕を振り抜く!
若しくは飛んでくる丸っこい奴を次々打ち返す!まるで野球だな!
襲ってくる敵が多い、若しくはボスペンに肉薄できるようなら奥義「大薙ぎ」解放だ!
巨大化した「砕」を「怪力」にて「薙ぎ払い」、吹き飛ばす!
行けそうならボスを討(打)つ!
守りが固ければ吹き飛ばして他の奴らが通る道を作る!
どちらにしろ砕を振り回し暴れるだけだ、分かり易くていいな!


八剱・刀牙
なんかみょうちくりんなのが居るな。……魚?
えっあれ鳥なのか、ヤツルギ!?

予め防御用も兼ねて【光輝八刃】でフォースセイバーを複製。
周囲に浮かせながら近寄ってくる個体から【剣刃一閃】!
【フェイント】をかけながら当たるように意識して、
向こうの攻撃は【残像】なんかでかわしてくなー。



●すぺーすひーろーず
『実際に戦ってみるとやはり手強いな、猟兵という奴は……! 総員、気を引き締めて行け!』
『『ペーーーンっ!!』』
 部隊の損害はまだ軽微といっていいラインではあるが、そこは歴戦の猛者でもある『エンペライダーズ』の隊長。激を飛ばして再度猟兵たちに部下をけしかける。

「ふむ……ヒャッハァッ! 新鮮なペンギンだァッ!」
 四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)は【蒸騎構築(ジョークアップ)】で防御力を重視した蒸気機関車型ヒーローに変身すると、果たしてペンギンたちに対していかなる感情を抱いたのかを問い詰めたくなる奇声を上げながら猛ダッシュで立ち向かう。
 そう、ダッシュだった。騎乗は不得手とは本人の言である。

「俺が乗り物で何が悪いッ!」
「いや、そのままダッシュして、どうぞ」
 自身もバイクには乗らず巨大な木槌「砕」ひとつで乗り込んできた亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)が綴を見送る。
「むう……高性能宇宙服があるとはいえ宇宙は慣れんな。まあ、そのうち慣れるか!」
 ポジティブである。実にいいと思います。実際地上で地面を蹴る感覚で移動ができるのだから不思議なもので、これなら行けるという手応えを感じた珠は手始めに滑空の姿勢でこちらに迫り来る小ペンギンへと正面切って向かっていき、「砕」を全力で振り抜いた! ぽかっ! と気の抜けそうな音と共に文字通り銀河の星と化す小ペンギン。

 若干遅れて戦線に合流したのは八剱・刀牙(光刃一閃・f11998)。刀牙は『エンペライダーズ』ことペンギンたちの群れを前に素直な感想を口にする。
「なんかみょうちくりんなのが居るな。……魚? えっあれ鳥なのか、ヤツルギ!?」
 ちなみに「ヤツルギ」とは本体であるヒーローマスクのことであり、今声を発したのは肉体の「トウガ」の方である。刀牙はどうやらペンギンという生き物を目にするのが初めてだったらしく、「ヤツルギ」にあれは鳥だと教わった模様である。
 それはさておき、と刀牙は早速戦闘態勢に入る。
「――光刃展開!」
 【光輝八刃(コウキハチジン)】を発動させてフォースセイバーを多数複製して自身の周囲に浮遊展開させながら、ペペペーンとまるで特攻隊のように突っ込んでくる小ペンギンたちを【剣刃一閃】で次々と一刀両断にしていく。斬られた小ペンギンはいかなる仕組みか、一瞬間を置いて小爆発を起こして消えていった。

 そんな刀牙の様子を見た綴と珠の二人も、自ら飛び込んでくる小ペンギンから堅実に落としていくことに決める。
(敵は小型、しかも機敏か……)
『ペーン!!』
 ペンギンたちの間では【フォーメーション『霜』】と呼ばれる冷凍ビーム攻撃が綴目がけて放たれる。負けじと綴も愛銃「蒸射煙斬モックズブッパ」の片手撃ちで反撃しながら、時にオーラで形成された防御障壁で恐るべき冷凍ビームを防ぎながら、徐々にペンギンたちの群れに肉薄していく。

 一方の珠も、小ペンギンたちが時折フェイントをかけては来るものの最終的には自分たちに向けて突撃を敢行してくるものだから、それを次々と「砕」で打ち返すお仕事状態と化していた。
「あはは、まるで野球だな!」
 バッティングセンターかな? タダで打ち放題なのだから景気が良いお店である。
 しかしそれにしても数が多い。ボスに迫るにはまだいわゆる削りが足りないようだ。
「――吹き飛べ!!」
 いかなる仕組みか、突如巨大化した「砕」をその体躯からは想像できない怪力で軽々と振りかざすと、思い切り小ペンギンの群れをまとめてなぎ払い、吹き飛ばした!

『ペーーーーーーーーーンっ』
 悲しそうな声を上げながら次々とお星様と消えていく小ペンギンたち。そこにちょうど、人ひとりが通れるだけの空間が開いたではないか。ボスまでの道ががら空きだ!
「おーい、そこの蒸気機関車! 今なら通れるぞ!」
 珠が綴に向けて声をかける。それを聞いた綴はすかさず珠が作った道を通りボスペンギンに肉薄――しようとしたが、すかさず両脇から多数の小ペンギンたちが壁となるべく現れる。
 クッ、と一瞬歯噛みするも、綴は「モックズブッパ」を腰に納めるとおもむろに手近なところにいた小ペンギンを一匹むんずと掴み、無理矢理うつ伏せの姿勢を取らせる。
『ペッ!!?』
「ボウリングの時間だッ! 【鞭弾列車(ペンダントレイン)】ッ!!」
『ペーーーーーーーッ!!!??』
 哀れ綴に掴まれた小ペンギンは思い切りお尻を叩かれ、ボスペンギンを守るべく固まった他の小ペンギンたち目がけて一直線に吹き飛ばされて、文字通りボウリングのようにパッカーンと小ペンギン同士が弾け飛ぶという、見た目はほのぼのとした光景を繰り広げることとなってしまった。

『ぺ……ぺ……』
 辛うじてお星様になるのを免れた小ペンギンのうち一体が、せめて一矢報いようと刀牙の背後を取ろうと迫る。
「おっと、オレ相手にフェイントとは百年早いぜ!」
『ペペッ!?』
 命中したと思われた冷凍ビームだったが、それは刀牙の残像であると気付いた時には、小ペンギンは一刀両断されてお星様のひとつに追加された。

「野球にボウリングと楽しいな! さあ、次は何して遊ぶ!?」
 屈託のない笑顔で珠が『エンペライダーズ』に向けて言い放つ。予想外の苦戦ぶりに眉間のしわを深めるボスペンギンの姿が、そこにはあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ヴェロニカ・ウィンター
まぁ可愛らしい鳥さんね
"鳥"ならこっちも負けてないわよ?
【POW】
フォーメーション霰に対抗
隊長ペンギンの体当たりをギリギリまで引きつけた上で【見切り】で回避
去り際にGPS付クナイを【投擲】で上手く隊長に刺した上で【逃げ足】で素早く距離を取るわね
十分離れた所でUCで私の可愛い"小鳥ちゃん"(宇宙バイク)を呼び出すわよ
颯爽と戦場に走って現れた戦闘バイクからの弾丸の雨を隊長ペンギンにお見舞いしてあげる
ペンギンは大人しく動物園で愛嬌を振舞うべきね
戦場を飛ぶ鳥は私だけで十分だわ


アメリア・イアハッター
宇宙を駆けるペンギン……
つまり、宇宙を飛ぶ鳥ってことよね
む、それは負けられないわね
行こうエアハート!
誰が一番早く宇宙を駆けられる鳥なのか、教えてあげよう!

・方針
陣形を組んでくる敵は、陣形を崩せば脆くなる、または陣形を別のものに変えるために隙ができる筈
そこを味方が狙える様に、敵を崩すことに専念

・行動
UC【Air Heart】使用
高速で一撃離脱を得意とするということは、目標に向け直進してくる筈
味方に向けて攻撃してくる際に、側面から突撃して陣形の外側の敵をバイクや脚で攻撃
そのまま外側の敵からドンドン削り陣形を崩していこう
狙われたらドッグファイト
宙返りして敵の後ろを取ろう

操縦にはちょっと自信があるよ!


筧・清史郎
宙を翔けるペンギン、か
動物は好きだが、些かヤンチャが過ぎるようだな
皆と連携し、敵を蹴散らそうか

まず小ペンギンに対しては
有象無象を相手取るより、敵の陣形を斬り崩し首領までの道を斬りひらくよう動く
囲まれぬよう注意しつつ、より多くの敵を巻き込み【空華乱墜】
「宙を翔けることはできても、この桜吹雪の中では泳げまい」
二回攻撃や範囲攻撃も活用

敵の攻撃は、残像を駆使し第六感で見切り躱したり、扇で武器受け
躱した巨大氷山を地形利用、空中戦でカウンターの一閃など見舞えれば

首領ペンギンにはまずは命中重視【桜華葬閃】
隙が生じたら攻撃力重視【桜華葬閃】を
「これで仕舞だ」

誰かのバイクに同乗させて貰えそうならば乗せて貰おうか



●もえるたいこうしん
 帝国が誇る高機動急襲部隊『エンペライダーズ』、その一角を担うペンギン部隊は今結成以来最大の危機を迎えていた。一撃離脱を主だった攻撃手段とするまでは良かった。だが、接敵した瞬間迎撃され撃破されてしまってはたまったものではない。
 『エンペライダーズ』は、より一層の結束と連携を確認して猟兵たちに挑む。

「まぁ、可愛らしい鳥さんね。でも『鳥』ならこっちも負けてないわよ?」
 宇宙空間に新たに舞い降りたのは、マスクとスーツにマントを身にまとった姿も凛々しいヴェロニカ・ウィンター(アイビス・f12756)。それに続いて愛機「エアハート」にまたがり颯爽と登場するアメリア・イアハッター(想空流・f01896)と、それに相乗りをさせてもらうこととなった筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)。

「宇宙を駆けるペンギン……つまり宇宙を飛ぶ鳥ってことよね」
「宙を翔けるペンギン、か。動物は好きだが、些かヤンチャが過ぎるようだな」
「宇宙を……飛ぶ……。む、それは負けられないわね!」
「しょ、勝負をする所なのか……!?」
 アメリアもヴェロニカと同じようにペンギンたちに対抗心を燃やし、それに清史郎が仰天するも、構わずアメリアは「エアハート」のエンジン機構をふかしながら構える。
「行こう、エアハート! 誰が一番速く宇宙を駆けられる鳥なのか、教えてあげよう!」
「おおっと!」
「あら、仲間の中にもライバルがいるとはね!」
 掛け声も勇ましく「エアハート」を急発進させるアメリアと、一瞬振り落とされそうになるも優雅な仕草で姿勢を制御しついて行く清史郎。そして聞き捨てならぬとアメリアの方を見ながら自身も戦闘態勢に入るヴェロニカ。

 事前の打ち合わせで、アメリアと清史郎の行動方針はすり合わせが完了していた。
 『敵の陣形を崩す』。その上で、自分たちなり他の味方なりがボスを狙えれば僥倖、という流れだった。
(――高速で一撃離脱を得意とするということは、目標に向け直進してくる筈)
 アメリアが右へ左へとハンドルを切り、小ペンギンたちを翻弄しながら思案する。宇宙バイクを華麗に駆り徐々に迫り来るアメリアと清史郎に対し、遂にボスペンギン自らがうって出る事を決意した。各個撃破を懸念してのことだろうか、一際大きなボディを特攻の姿勢にして、次の瞬間には驚くべきスピードで「エアハート」に搭乗する二人目がけて襲いかかってくる!

『これ以上好きにはさせんぞ、猟兵! 我らの連携攻撃を喰らうがいい!!』
「そう来ると思ってた! そんな簡単にやられてなんかやらないわよーだ!」
 小さくあっかんべーの仕草をしてみせるや、アメリアは「エアハート」をタイミングを合わせて宙返りさせ、ボスペンギンの突撃を紙一重で回避する。清史郎もすっかりアメリアの運転に慣れたもので、振り落とされないようにしっかり姿勢を維持している。
『くっ……外したか! だが、まだだ!』
『『ペペーーーンっ!!』』
 ボスペンギンの攻撃が命中したら即座に後に続く予定だった小ペンギンたちが、ボスの声を聞くや作戦を変更し、小ペンギン同士が集まって、力を合わせて巨大な氷山を作り出す!

「此処は、任せて貰おうか」
 後部座席の清史郎が身を乗り出すと、「蒼天桜雪」の銘持つ扇を開く。すると、扇が開く先から桜の花びらと化し、宇宙空間に優雅に乱れ舞い始める!
「――舞い吹雪け、乱れ桜。【空華乱墜(クウゲランツイ)】!」
『ペンっっ!!』
 小ペンギンたちが、全力で巨大な氷山を投げつけてくる。そしてそれを迎え撃つ無数の桜の嵐。
「宙を翔けることはできても、この桜吹雪の中では泳げまい」
 清史郎の言の通り、桜吹雪は徐々に巨大氷山を切り崩し始め、遂には驚異的な攻撃範囲でもって小ペンギンたちもろとも押し包み――とうとう氷山は砕け散り、小ペンギンたちも巻き添えを食らい次々と撃破されていく。

「よし、今ね! 側面取るわよ!」
 アメリアが思い切りハンドルを切り、混乱の最中にある小ペンギンたちの残党の横っ腹目がけて急接近をすると、脚でおもむろに蹴り飛ばしてさらに布陣を乱す。
『ペ、ペーンっ! ペーンっ!』
『ええい、うろたえるなお前たち!』
「――ふふ、見つけたわよ。あなたが隊長ね?」
『……猟兵っ!』
 ボスペンギンとヴェロニカの視線が交差する。すかさず放たれたボスペンギンの冷凍ビームを華麗な宙返りでひらり避けると、お返しとばかりにGPS付きフェザークナイを投擲する。こちらは狙い違わずボスペンギンの肩口に突き刺さり、ボスの眉間にしわを寄せさせた。

『ふん、この程度の傷、どうということは……』
「これでもまだそんなことが言えるかしら――【ハミングバードストライク】!」
『何っ!?』
 ヴェロニカがユーベルコードを発動させると同時に、『小鳥ちゃん』の愛称でヴェロニカが愛でる宇宙バイク「アイビスストライカー」が宇宙空間を切り裂く勢いでやって来た。すかさず『小鳥ちゃん』にまたがると、ボスペンギン目がけて機銃掃射を放つ!
『貴様も宇宙バイク乗りか……! しかし、たやすく当たってやると思ったか!?』
「お利口さんな私の『小鳥』ちゃん、ご主人様を助けてくれるかしら?」
 そう呼びかけるヴェロニカの声に応えるかのごとく、『小鳥ちゃん』はユーベルコードの効果でもある自動追跡走行機能をフルに活かして、どこまでもボスペンギンを追いかけては機銃の雨を浴びせ続ける。そして遂にボスペンギンが体勢を崩す。
「ペンギンは大人しく動物園で愛嬌を振舞うべきね、戦場を飛ぶ鳥は私だけで十分だわ」
 美しい長髪をかき上げると、ヴェロニカは必死に姿勢を制御しようとするボスペンギンに向けて言い放つ。そしてそんなヴェロニカを悔しげに睨めつけるボスペンギン。

「ちょーっと待った! 鳥なら私もいまーす!」
「アメリア、声を上げられては敵に接近を悟られてしま……ああっ」
『まだいたのか!!』
 ボスペンギン目がけて別方向から密かに接近していた「エアハート」の二人は、そんな訳でギリギリの所でその存在を悟られてしまう。こうなったら、とアメリアはそのまま突撃を挑み、清史郎もすらりと「蒼桜綴」を抜き放つと、すれ違いざまの斬撃を狙う。
「これで、仕舞だ」
『おのれっ……!』
 ただでさえ機銃を避けそこねて傷だらけのボスペンギンの胸元に深々と切り傷を残し、敵の専売特許と思われていた一撃離脱の必殺攻撃を逆に叩き込むことに成功したのだ。

「操縦にはちょっと自信あってね、うまく行って良かったわ!」
「お陰様で、感謝しよう」
 「エアハート」に乗る二人は作戦の成功を祝い互いの拳を軽く打ち付け、ヴェロニカもまた満足そうにボスペンギンを見やる。

 いよいよ『エンペライダーズ』壊滅も近い――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セリオス・アリス
アドリブ歓迎

ペンギン…ペンギンなあ
つまりあれだな?狩りだな

どうせ狙うならでっかい獲物だ
歌で身体強化
風の魔力を靴に送り空を削るように走る
「そのでかい図体じゃスピードがでねえから手下に攻撃させてんだろ」
ボスペンギンを挑発
スピード勝負をしかける
…っと見せかけて
アイツからこっちに来てもらうのが目的だ
立ち止まり剣を構え
向かってくる敵にカウンター攻撃

ギリギリのところで見切り外套を翻して直接冷凍ビームが当たるのを避けつつ
氷の鎖を引っ張って力の限りで引き寄せる
近くに来たら拳に炎の魔力を集中
【星球撃】をぶちこんでやる!
鳥の丸焼きのいっちょあがりってな

…しかしペンギンって食えるのか?


荒谷・つかさ
ペンギンが宇宙を飛ぶなんて、中々シュールな絵面ね。
(宇宙を馬で駆ける自分のことは完全に棚上げ)

なんだか氷属性っぽいので【五行同期・精霊降臨術】で零式・改二に火行精霊を降ろして高熱を発せさせる(攻撃力強化)
基本的には神威に騎乗して戦場を駆けまわり、強化した零式・改二でペンギンを狩って回るわね。
敵の攻撃は基本回避するけど、無理そうなら逆に状況を活かしてぶった切ってやるわ。
鎖で繋がれたならこっちから引っ張ってぶった切る。
体当たりしてくるならそのまま頭からぶった切る。
氷山が飛んでくるなら氷山を溶かしながらぶった切る。
ええ、私とこの零式・改二に、打ち砕けぬものなどないのだから!
(単なる脳筋ともいう)


ヘスティア・イクテュス
ねえ!なにあれ!?可愛いんだけど!!飼いたい!!!
帝国滅ぼしたら改造前のあの子達拾えないかしら?


移動はティターニアで【空中戦】
伊達にこの世界出身じゃないわよ!

姿を消して接近。高い起動にだって負けないわ!【ダッシュ】
捕らえて味方の攻撃が当たりやすいように…
巨大氷山だってこの距離なら自分も巻き込むはず…使えないわよね!
さぁ!わたしごとやりなさい!(もふもふ顔を押さえつけながら)





無論、攻撃が来たら【オーラ防御:バリア】を貼って逃げるわ

あなた達の尊い犠牲は忘れないわ
この悲しみを皇帝打倒の怒りに変えて!



●らすとばとる
『ペンっ、ペペンっ!?』
『心配ない、この程度……。不利は否めないが、ここを凌げば……!』
 部隊の精神的支柱であるボスが負傷を受けたことに動揺し、口々に声をかける小ペンギンたちと、それに気丈に応えるボスペンギン。しかし、猟兵たちに情け容赦という言葉はあろうはずもなく――。

「ペンギン……ペンギンなあ。つまりあれだな? 狩りだな!」
 どうせ狙うならでっかい獲物だと目線をボスペンギンに向けるセリオス・アリス(黒歌鳥・f09573)。
「ペンギンが宇宙を飛ぶなんて、中々シュールな絵面ね」
 馬にまたがりやって来た自分を棚上げにして敵を眺める荒谷・つかさ(焼き肉担当・f02032)。
「ねえ! なにあれ!? 可愛いんだけど!! 飼いたい!!!」
 帝国滅ぼしたら改造前のあの子達拾えないかしら? と興奮を隠そうともしないヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)。

『……誇り高きこの『エンペライダーズ』の一員として、断じて、あのような連中に負ける訳にはいかぬ……!』
 ボスペンギンがギリリと歯ぎしりをすると、自分に明らかな敵意を向けてきているセリオスを警戒して間合いを取る。小ペンギンたちはいかな犠牲を払おうともボスだけは守ってみせると、連携しての突撃を再度挑んできた。

「いいわ、かかって来なさい――【五行同期・精霊降臨術(エレメンタル・ポゼッション)】」
 つかさが五行属性のうちのひとつである火行の力を持つ精霊を五芒星の陣を触媒に同期させ、愛刀「零式・改二」に宿すと、刀身が赤々と燃え上がる。「神威」と名付けられた馬(宇宙バイクです)にまたがったまま刀を構える様はまさに戦乱の時代の名のある武将を思わせ、小ペンギンたちを一瞬ひるませた。
『ぺ、ペンッ!』
 アレに近付くのは(色々な意味で)危険だ、と小ペンギンたちが冷凍ビームを放つ。神威の機動力でほとんどはかわしたものの、死角から飛んできた一撃がつかさの腕に当たり爆発を起こす。
「くっ……やるわね……」
 爆風が去った後には、つかさと冷凍ビームを命中させた小ペンギンとの間にじゃらりとつながる氷の鎖が見えた。
「こんなもので自分からやられに来るなんて……分からせてあげるわ」
『ペ、ペーーーンっ!?』
 氷の鎖をおもむろに掴むと、全力でグイッと鎖の先の小ペンギンごと引っ張り寄せたのだ! 至近距離に引き寄せられた小ペンギンは、哀れよく熱せられた「零式・改二」の餌食となって宇宙の星の仲間入りを果たす。
「次は誰? いつどこからでも突撃してきていいわよ?」
 我と我が零式・改二に打ち砕けぬものなどなし、そんな圧倒的な威圧感を放ちながら小ペンギンたちを一瞥するつかさ。そんな視線を向けられて思わず震え上がる小ペンギンたち。

 ダメだ、目標変更。より落としやすい相手から――と小ペンギンが目をつけたのはヘスティアだった。四方八方から一斉に突撃を敢行し一気に落とす作戦を取るべく、小ペンギンたちは次々とヘスティアに襲いかかる!
「甘いわね、伊達にこの世界の出身じゃないわよ!」
 これは小ペンギンの見込みが甘かったとしか言いようがなかった。背中に背負ったジェットパック「ティターニア」で宇宙空間を縦横無尽に駆け回り、次々と飛来する小ペンギンたちをひらりひらりとかわしていくヘスティアは、宇宙戦闘のプロなのであった――!
 華麗な宙返りをひとつ、急降下して混乱でわちゃわちゃしている小ペンギンたちのまっただ中に飛び込むと、ヘスティアは手近な小ペンギンの顔を突如押さえつけ、どさくさに紛れてもふもふを堪能しながら言った。
「巨大氷山だってこの距離ならあなた達も巻き込まれるはず……使えないわよね」
『ペ……っ』
 図星だったようだ。悔しげな顔をする小ペンギンたちと、その顔がまた可愛いと内心身悶えるヘスティア。
「さぁ! やるならわたしごとやりなさい!!」
『ペペ……っ』
 まさかの事態に右往左往する小ペンギンたちであった。

 部下がなんやかんやですっかりつかさとヘスティアの方にかかりきりになった隙を狙って、セリオスはいよいよボスペンギンと対峙していた。セリオスには馬(馬……?)もジェットパックもないが、風の魔力を送り込んで自在に動き回ることを可能にしてくれる「エールスーリエ」の名を冠するブーツがある。
 セリオスは空を削るかのような走り方でボスペンギンに迫りながら声をかける。
「そのでかい図体じゃスピードがでねえから、手下に攻撃させてんだろ」
『安い挑発だな、だが面白い! 我が飛行を見よ、小生意気な口を利けなくしてやろう!』
 アッこれ普通に挑発に乗せられてますね。セリオスは内心してやったりとボスペンギンに背を向け、スピード勝負を仕掛ける仕草を見せた。セリオスを全力で追いかけるべく宙を蹴り飛び出したボスペンギンは――速い! 想像以上の速さに一瞬焦りながらもギリギリの所で突撃を見切って身をひるがえす。セリオスの動きに合わせひらめく外套。ボスペンギンはかわされたと知るや即座にUターン、再度の突撃を挑んでくる。

(冷凍ビームでも撃ってくりゃあ、さっきあの馬に乗った嬢ちゃんがやったように鎖を引っ張って引きつけたんだが、これならその手間も省けそうだ)
 何しろ自分からセリオスの狙う必殺の一撃の間合いに飛び込んできてくれるのだから、願ったり叶ったりだ。再びギリギリまで待って、待って……拳に炎をまとわせると【星球撃(モーニングスター)】と呼ばれる強烈な一撃で、一直線に吶喊してくるボスペンギンを、全力で殴り倒した。
『!!……ぐあっ……』
「鳥の丸焼きのいっちょあがり、ってな」
(……しかしペンギンって食えるのか?)
 いまだ熱を持つ拳にフッと息を吹きかけると、ボスペンギンに若干危険な思惑を抱きつつ目線を向ける。
『……見事、しかし、我々は、この戦い方しか知らぬし、それを誇りに思っている……悔いは、ない……っ!』
 それを最期の言葉として、ボスペンギンもまた先に逝った部下を追うように星のひとつとなった。

『ペっ!? ペペンっ!!』
『ペーーーーーーン!!!』
 ボスが斃されたと知った残存戦力の小ペンギンたちは、途端に散り散りに逃げ出していく。追うかと目線で問うつかさに、ヘスティアは静かに首を振った。

「あなた達の尊い犠牲は忘れないわ、この悲しみを皇帝打倒の怒りに変えて……!」
 宇宙の果てを見据えて凛々しく言い放つヘスティアの腕の中から、小ペンギン最後の一匹がほうぼうの体で逃げ去っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト