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銀河帝国攻略戦⑩~A223隔壁を破壊せよ!

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 ●宇宙要塞突入!
「お前さんら! ついにエンペラーズマインドに突入なのじゃ!」

 ギュッと拳を握り猟兵さんを鼓舞しようと考えているプリマステラ・リコールド。
 彼女はホログラフに簡易ながら手に入った情報を提示し、少しでも猟兵達の潜入の役に立てばと差し出した。

「狙う隔壁はA223大隔壁なのじゃ! そこに辿り着くまでに幾つも障害があるのじゃ!」

 目標の大隔壁はほぼ最奥に近い場所だ、辿り着くには決死の判断・素早い行動……そして強運が必要になるだろう。
 このミッションの難易度を上昇させるのが巡回する武装警備兵の存在だ。
 現状スリーマンセルで行動している警備兵だが、キミ達を発見すればすぐさま救援無線を発信……そこから物量による圧殺がまっているだろう。
 つまりスニーキングミッションである!

「わしには学が無いのでわからんが……少しでも潜入の役に立てれば幸いじゃ!」

 そう告げるプリマステラが提示したデータを見れば猟兵達なら様々なアイデアが沸いてくるであろう。
 【警備兵の巡回ルートを超える形で通気ダクトが存在する事】。
 【操作する事で警備兵の巡回を遮れる小型隔壁の存在】。
 【また警備兵が一時的に休憩する施設の位置も分かるっている】。
 【そして少し大隔壁へのルートから離れるが、警備兵の無線を管轄する通信ルーム】も記されているのだ。
 【任務の際には隠密に使えるアイテムを持ち込めば、更に作戦が成功】しやすくなるだろう。
 上手く活用すれば無傷で道中の隔壁と巨大隔壁を破壊できる可能性もある。

「何かあったらすぐに撤退じゃぞ? 命大事にじゃからな!!」

 詳しい指示が出来ないへっぽこグリモア猟兵だが、キミ達ならば素晴らしい作戦を考えついてくれるとその瞳は信じている。
 そして考える頭が無いので、キミたちが安全に撤退出来るように転送に全ての力をつぎ込むとプリマステラは告げるのだ。
 さぁ、猟兵達よ! 警備の隙を見極め巨大隔壁を破壊するのだ!!


伊吹ノ樹
 戦争ですよ猟兵さん!
 初めましての方は初めまして、知ってる方はこんにちはな伊吹ノ樹でございます!

 初めての戦争シナリオ参加です!
 1フラグメントですが、出来る限り案は採用したいと思いますので皆さんのプレイングをドンドンく ださると幸いです!
 頑張って隔壁を破壊しまくりましょー!
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第1章 冒険 『⑩エンペラーズマインド突入戦』

POW   :    密かに潜入し、POWのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

SPD   :    密かに潜入し、SPDのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

WIZ   :    密かに潜入し、WIZのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

キョウ・ヴァゼラード
潜入か…不得手だがやらねばなるまい、全ては民の為に!

「息を合わせて行くぞ、盾を1つ貸せ」
『イエス、マイロード』
『盾のアイギス』との2人一組の強みを活かし、警戒を密に【戦闘知識】を活かし巡回の隙を突いて隠密行動で歩を進めてゆく。
発見されそうな時は大盾に身を隠して壁のフリだ。
「これで何とかなる…か?」
『閣下!?』

通信設備を発見した場合は即座に破壊、また、発見された場合はアイギスと2人がかりで隠密に処理してゆく。

障壁に無事辿り着けたら全力で破壊。
高速詠唱で【聖剣解放】を行い、【怪力】を発揮して聖剣を【二回攻撃】の連続斬りで振るい障壁を【薙ぎ払う】のだ。
「この光が、未来を切り開く!」

※アドリブ歓迎



●潜入A223―A1区攻略。
「息を合わせて行くぞ、盾を1つ貸せ」
「イエス、マイロード」

 見事最初の潜入を果たしたキョウ・ヴァゼラード伯爵とその配下アイギス。
 二人は大盾を一枚ずつ持ち隔壁破壊に挑む、息を潜めゆっくりと進む二人。
 耳を澄ませ、巡回する警備兵の接近に極限まで気を付ける。
 そんな二人はコツコツコツと金属製に近い甲高い足音を3人、確かに察知するのだ。
 武装警備はスリーマンセル、つまりこの先から警備兵が迫ってきているのだ。

「アイギス、その部屋だ」

 キョウは部下であるアイギスと共に資材室へと急いで入ることにする。
 それは経験から導かれた隠密手段であった。

「これで何とかなる……か?」
「閣下!?」

 やや不安要素もあるが資材で溢れ、更に薄暗い部屋を最大限に利用。
 大盾を資材と壁との間に設置し、二人はその陰に隠れる事でやりすごす事としたのだ。
 待つこと数分……ガヤガヤと雑談をしながら警備をしているらしく。
 キョウとアイギスはやり過ごす事に成功するのだ。
 その際にキョウは雑談から僅かではあるが情報を手に入れる。

「A334情報管理室か」

 警備兵の話からこの資材室の近くにあるA334情報管理室の通信設備に問題が発生していたらしい。
 最低限度であるが問題は解決したが、今でも時折ノイズが混じったりと通信にストレスを感じるそうだ。
 その情報が入ってからのキョウの動きは素早かった、最短ルートから離れるがA334情報管理室に侵入。
 A334情報管理室に設置された通信設備を破壊・無効化したのだ。

「これで通信を一部失ったはずだ、急ぐぞ!」

 キョウの判断は正しかった、突然連絡が不安定になった事で警備チームの意識が乱される。
 そうなれば物陰に隠れる、順調に奥へと続く隔壁へと辿り着くのである。
 ヴァゼラード伯の目の前には黒く冷たい金属製の隔壁、猟兵達とスペースシップワールドの未来を闇に 閉ざす忌まわしき壁。
 しかし隔壁を打ち破る者は此処にいる!

「この光が、未来を切り開く!」

 短い聖句とも思える言葉を紡ぐキョウ、瞬間――聖剣グランネージュが白き光を宿す。
 魔力を自在に操り制御する事で成しえる聖剣解放の短縮。
 本来の力と輝きを取り戻した剣を手に、キョウは全力で振り下ろす!
 剣の軌跡を追って接触する白熱――!
 一秒……黒き扉は聖剣の光に耐える。
 二秒……扉が歪み、熱く発熱。
 三秒……ついに爛れ、硬度を保てずに形を歪める。
 四秒! 爆音、轟音と共に未来を閉ざす隔壁は破られた!

「奥があるか……行くぞアイギス!」
「イエス、マイロード!」

 爆音に迫る警備兵、しかし彼らが駆け付けた後には誰も居らず壊れた隔壁が存在するだけであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メイスン・ドットハック
【WIZ】
これほど情報が集まっておるのならやり方はあるのー
プリマステラには感謝じゃのー

まずは【忍び足】を駆使して通信ルームに忍び込む
そして通信ルームの制御を奪い、一斉無線でメインルートとは外れたところに警備兵を向かわせる(ハッキング、鍵開け、おびき寄せ)
その付近の監視カメラを画像を奪って、警備兵が集まったところを確認。そのタイミングで小型隔壁をハッキングで遠隔起動して、閉じ込め・時間を稼ぐ(ハッキング、時間稼ぎ)

隔壁に到着したら、用意したC4爆弾を設置
ユーベルコード「蜂のように舞い、華のように散る」の爆弾蜂の爆発と誘爆させて、大爆発を起こして一点突破を狙う



●潜入A223―A2区攻略。
「ここまでは順調じゃのう」

 方言を操るクリスタリアンの電脳魔術師であるメイスン・ドットハックは狼狽える警備兵達を忍び足でやり過ごし、次の区画へと侵入する。
 その区画はA334-A2区、未だに隔壁が健在な区画でメイスンが一番に目指した場所。
 それは区の通信監理を行う施設である。
 電脳魔術師であるメイスンは手に入れていた情報から、警備兵を一網打尽にする策があるのだから。

「おっと、次はここじゃな」

 メイスンは物陰から物陰へ、時にはDK繊維ワイヤーフックを用い天井に張り付き移動する。
 そして目的地に近づく度にビンビンと無線の集まる感覚を感じるのはネットに長けているからだろうか。
 更に時折壁に手を当てるメイスン、彼女が触れるだけで視界に新たな情報が例えで無く浮かび上がる。
 これは解析用システムコード「ONOMICHI」によって地形とトラップの確認で得た情報だ。
 まるで電脳空間を疑似視覚化した状態で一人の警備兵に見つかることなく辿り着いた場所――。

「ここがこの区の情報管轄してる子がおる場所やね」

 メイスン、A223―A2区における無線集積・伝播管理室の前に立つ。
 軽く右手を回し、肩を解した彼女は簡易すぎる電子ロックをまさしく秒で解除、音もなく電子音が支配する部屋へとたどり着いてしまうのだ。

「ん~僕にとったら玩具とかわらんねー」

 大量の監視カメラの映像を映すモニタ、果てしない容量を持つ機器、怪しく明滅する侵入者迎撃トラップ。
 猟兵達を悩ます恐るべき罠の黒幕を前に、メイスンは唯一存在したチェアに深く腰を下ろすと両手でホロボードを叩き始める。

「プロテクトは、こんなもんやね。」

 まず最初に区画管理者権限を改竄、すぐさま機械音声にて警備員達をある場所に呼び出すのだ。
 並行し監視カメラの映像目で追うメイスン、マルチタスクが幾重にも重なり何も知らない警備兵を王手まで追い詰めるのだ。

「おいオマエタチどうした」
「お前たちこそ何故居る、持ち場を離れるな」
「指示が来たのだ、オマエタチこそ持ち場を……」

 監視カメラが拾う音声、指令を聞きやって来た彼らは険悪な雰囲気を漂わせながら指令室に確認の連絡を送り続ける。
 しかしメイスンは組み終えたプログラムにてAIを操作、機械音声にてただ告げさせる。
 【ゼンブタイ A223-A2―33 ニ アツマレ】と。
 時間稼ぎは有効であった、区を巡回する全ての警備兵達がある場所に集まり、喧々囂々と指令室へと連絡を続ける。
 最高のタイミングで最高の成果を。
 メイスンは笑顔でプログラムを走らせるとゆっくりと情報センターを出ていくのだ。
 刹那、監視カメラのマイクが鈍く重い音と共に多数の悲鳴を集めた。
 哀れ警備兵達は自分達を守る隔壁によって動きを封じられ、解放されるまでの間武器も使う事も出来ずにただ幽閉されてしまうのであった。

「ちょっと簡単すぎやね、まぁ僕にとっての本番はココからやね」

 完全に区を制したメイスンは何の苦難も無く奥へと繋がる隔壁へとたどり着く。
 そして情報管理室で手に入れた強度試験データから隔壁のもっとも弱い箇所を見極め済みだ。
 で、あるならば……本来であれば高強度によって行く手を遮る扉も、木製の扉と変わらぬわけだ。

「爆発する蜂は、毒針持った蜂より怖いということじゃのー」

 弱点に設置したC4爆弾、更に能力により生み出した100匹近い機甲化爆弾蜂を召喚。
 まるでコンダクターの如く人差し指を振り下ろしたメイスンの指示に従い、蜂達は羽音を奏でさせC4に群がり――閃光! 恐ろしい爆風と熱を生み出すのだ。
 その衝撃は扉を吹き飛ばし、轟音を響かせ地に伏せさせる。
 電脳魔術師の本領発揮であった。

「これで任務完了じゃ」

 軽く背伸びをし、少しずれた眼鏡を直したメイスンはゆっくりと歩を進める。
 どうやら彼女にとっては簡単すぎた任務のようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナハト・ダァト
透明化の四ノ叡智でダクトまで侵入

直ぐに解除してバウンドボディ
素早くルートを攻略するヨ

気づかれた場合ハ光を放って目潰し
時間をかけていられないからネ
だガ、後続に影響が出るようであれバ引き付けておこウ

上手く扉の前に着いたラ

一ノ叡智、ブラッドガイストで攻撃力強化

八ノ叡智、2回攻撃で220本の触手を生み出して一束にまとめるヨ

最後に、バウンドボディ、武器改造
瞬発性を向上ダ

後は単純、思いっきり振りかぶっテ
隔壁の、脆くなった箇所ニ
この触手を叩きつけるだけサ



●潜入A223―A3区攻略。

「ふむ、順調だネ?」

 クチリ、宇宙要塞に這いずる音あり。
 聞く者の啓蒙を高める音の正体はナハト・ダァトが道を往く音である。
 ブラックタールである彼は悠々と、まるで散歩をするように闊歩する。
 三人一組の警備兵は目の前を通る彼を認識する事も無く、雑談に矜持ているではないか。
 これが四ノ叡智・慈悲、体力を消費するが姿を完全に世界から隔離するかの如く消し去るナハトの能力である。

「おや、此処だネ。 ふム、少し細いようだネ」

 どれ程宇宙要塞の散歩を楽しんだだろうか。
 ナハトは狭い通路にて天井を見つめる、そこにはポッカリと深淵に例えられそうな穴が開いていた。
 そう、隔壁に通じるルートを警備する兵を超えるためのダクトである。
 普通であれば通るのに苦労する細く、狭く、暗い道……しかしナハトにとっては続けて散歩に向かうような物だった。

「でハ、参ろうかネ」

 その言葉を皮切りにナハトの黒い身体が崩れた様に縮む、かと思えば何もない空間を掴むように伸びたのだ。
 身体を操作し弾力性を得たのである。
 そこからナハトの動きを捉えられる者は居ないだろう、軽い音を立ててダクトに侵入すれば音もなく移動する。
 時には転がり、段差があれば跳ね、触腕を伸ばし、板状に縮み小さくなる。
 やや埃っぽいのが気に障るが苦言を呈する相手も居ないのだ、衛生こそ病魔に打ち勝つ第一歩であるというのに。

「コホン、此処からハ少し強引ニ往くとしよウ」

 ドロ……ダクトから零れるように身を乗り出す者、黒い身体と触手を持つ彼は眼下に陽気に騒ぐ者達を見つけた。
 能力を解除した事によりドロリとブラックタール独特の動きで出現したナハトが捉えた者、それは自らを安全だと信じ切ったまま防壁によりかかるを警護兵たち三人。
 彼らは帝国軍に逆らう存在を笑い、いかにして殺すか、そしてどうやって殺したかを下卑た笑みを浮かべ語り合っていたのだ。
 故に彼らは知らない、自分達の埒外の存在が背に存在して居る事を。
 ガハハと笑っていた警備兵の内の一人が急に言葉を失う、それを笑い馬鹿にする二人。
 ゆっくりと、壊れた人形のような動きで震える指である場所を示す男。
 あぁ、彼だけは気づいてしまったのだ……天井から降り注ぐ【恐怖】に。
 黒い身体、浮き出る白い瞳……見つめられた瞬間かた言葉を失い、蒼白の面持ちで身体を痙攣させる男。
 さすがにおかしい、そう思った二人はようやくココで振り返るのだ。

「やあ、楽しそうだネ? 此処が問題の隔壁だネ?」
「AAAAAAAAAAAAAAAAA!?!?!?!?!?」

 ナハトの紳士的な言葉と狂った声、先に出たのはどちらであったか。
 質問に絶叫で応えた警備兵の頭は素早く蠢いた鞭によりこの世から消え去った。
 嗚呼、無知とはかように悲しいモノか……。
 慌てて武器を構え、救援を呼ぼうとする残された二人。
 しかし白き瞳に見つめられレば、知識をうばわれルのダ。
 ナハトは警備兵三人から知識を獲得、件の隔壁へと続く道であると確信する。
 そうなれば救援等呼ばせる必要はない……そうであろう?

「な、なにを言って!」
「がぁぁ!? な、なんだこれ!? なん、ああぁ!?」

 二人を前に自らの血を代償として力を覚醒させるナハト、触腕が蠢き、後は自身に封じた存在を解放するだけである。
 溢れる悍ましき気配、人の根源を飲み込む闇を、深淵を携えた使者にのみ許される力の覚醒。
 一ノ叡智・王冠の顕現である。

「ALHIM TzBAVTh」

 そして更なる叡智が晒される、本来秘匿されるべき叡智が。
 叫ぶ二人の警備兵を飲み込み、生み出される200を超える触腕。
 それは肉を潰す音、血を啜る音、骨の砕ける音、鉄がへしゃげる音を奏でながら一つの触手へと再誕する。
 闇より深い深淵より呼び出された触腕が集い、神話の再現を行ったのだ。
 もっと再現されるべき神は邪神と呼ばれるモノに近く、かの再現を拝領すべき者も肉の中に飲み込まれているのだが。

「でハ、扉にはノックしないとネ」

 ナハトの白き瞳が血のような紅の涙を流し、言葉通りに限界まで力を込めた弓なりの一撃を扉に与えるのだ。
 破裂音と共に鈍い音が響く――刹那、今まであらゆる侵入者を絶望に追いやった隔壁が轟音と共に潰れ、抉れ、砕け、無残な姿を晒す。
 これが聖泥の叡智である、嗚呼……憐な存在に届くであろうか。
 ゆっくりと進むナハトは白き瞳を輝かせ、姿を世界から隠すのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

大河・回
エンペラーズマインドか……潰し甲斐のありそうな要塞だな。

潜入方法としては得意とする電脳系でいこう
【迷彩】を使用し姿を隠して進む
小型隔壁の位置は電脳魔術で把握しておきいざという時には常に隠れられるようにする
まず目指すは通信ルームだ
そこで無線をハッキングし警備兵をでたらめな位置に敵がいるという情報を流して攪乱してやろう
その後は大隔壁の破壊に向かう
サーベルドッグを召喚し攻撃させ私自身もアローガンからの銃弾で攻撃しよう

※アドリブ歓迎



●潜入A223―A4区攻略。
 宇宙大要塞エンペラーズマインド、鋼の城塞に挑む猟兵の中に彼女は居た。
 世界征服を企む悪の組織“デスペア”の幹部にして電脳魔術師、プロフェッサーTこと大河・回。
 もっとも彼女はバーチャルキャラクターであり、“そういう設定”として創造されているのだが。
 しかし、彼女の芯には存在しているのだ……世界征服への野望が。
 で、あるならば!
 この巨大な要塞は野望にとって邪魔者でしかないのである。

「潰しがいのありそうな要塞だな」

 要塞に侵入した後、物陰に隠れた回は電脳ゴーグルを着用し要塞内の電子ネットワークへと身を投じる。
 虚数の海へのダイブ、バーチャルキャラクターである回にとっては慣れ親しんだ物かもしれない。
 浮遊感と共に肉眼では見えない電子の防壁を発見、幾重にも鎖が絡まり合った厳重にして鈍重な扉がイメージとして立ち上がってくるのだ。

「さて、遊んであげようか」

 戦地であるが、普段通りの声色で防壁に挑む回。
 素人目には解除等不可能である……が、彼女にとっては普段遊んでいる“サイバーパズル”を解くに等しいモノであった。
 ゆっくりと右手を翳し、防壁をスキャン……電脳空間で鎖に置き換えられたそれらを軽く撫でてやる。
 そうすれば侵入者の身体を焼き切ろうと負荷をかけるタイプのウォールと判明。
 このタイプならば容易い、まだサイバーパズルのSランク問題の方が解き甲斐があるという物だ。

「防壁、タイプ確認。 ならココに……ほらね」

 しっかりと鎖と鎖が繋がり侵入者から防壁を守るプログラム、しかしたった一つのわずかな隙間を回は僅かな時間で見極めるのだ。
 これはプログラムをくみ上げた人間の癖であろう、と回は推測。
 で、あるならば解除キーを仕込む場所は自然と分かるというものだ。

「プログラム、喰らいつくし私の名を刻むんだ」

 みつけた脆弱性に侵入するプログラムを作成、電脳空間内では小さなサーベルドッグを模したプログラムは回の言葉を受けすぐさま浸食を開始した。 
 電脳空間に鎖に巻かれた扉として表現された電子防壁、それは浸食プログラムの侵入から僅か16秒で回の手中に収まってしまったのだ。
 こうなってしまえばこの区画のセキュリティは猟兵達のモノだ。

「さて、次はあそこを目指そうかね」

 カチリと子気味良い音をたて電脳ゴーグルを外した回は何かと便利な多機能ドローンをお供に要塞内を歩く。
 既にこの区画の警備兵の動きはシミュレート済みだ、1部隊も回は見る事も無く目的の部屋に辿り着く。
 その部屋は通信ルームだ、すでに侵入者の存在が明るみになっているこの状況、どう利用するかと考えれば自然に行きつく答えがある。
 勿論この区画を制するだけならば特段必要としないが、警備ルートの関係上遣り過ごすのに時間が取られてしまうのだ。

「おや、物理キーとは珍しいね」

 普通であれば電子キーや様々な認証システムで護られるべき施設であるが、どうやら古い時代のセキュリティが好みの人間が居たらしい。
 なんと物理的な鍵が必要なのだ、こうなれば電脳魔術師の回には手も足も出ない……訳が無い。

「ではピッキングと行こう」

 まるで遊びで指揮棒を振る如く、軽く指を動かせば多機能ドローンはすぐさま回の意図通りに動き鍵穴部分にとりついた。
 そして極細のマニピュレーターを用い、鍵穴の攻略に掛るのだ。 
 鍵穴に侵入した機械腕はカチチと細かな金属音を響かせながら一つ、一つ、丁寧にロック解除に必要なピンシリンダーを上げていく。
 三つ目、四つ目、五つ目……そしてカチリ! と一際子気味良い音と共に最後のシリンダーが持ち上げられた。

「お疲れ様、ではお邪魔しよう」

 通信ルームに侵入した回は監視カメラと飛び交う無線を確認。
 すぐさま掌握したシステムを介入し通信システムも自らの物としてしまうのだ。
 そして巡回中の警備兵達に教えてやるのである、侵入者が発見されたと。
 その効果は覿面であった、偽の通信が入り次第慌てて目的場所まで駆けていく警備兵達、居ないはずの侵入者を追ってネズミのようにくるくると回り続けるのだ。
 更に回は通信プログラムにある仕掛けを施す、何度も偽の情報を流し、絶対に警備兵達が合流出来ないようにしたのだ。

「あとは奥へと繋がる隔壁だけだね」

 んー、と軽く背伸びをすると、まるで散歩に出かけるように歩き始める回。
 その傍らには腕がサーベルとなった怪人“サーベルドッグ”が主人を守るように伴うのだ。
 電脳魔術師の回にとっては隔壁破壊の方が重労働になるであろう、そのサポートに呼び出しておいたのだ、

「さ、行くよサーベルドッグ!」
「アオーン! お任せをプロフェッサーT!」

 僅か数分で隔壁に到着した二人は脆弱な部分に集中攻撃を行う。
 サーベルドッグは持ち前の獣の膂力とサーベルにて金属を削り、回はアローガンを用い重金属を加速射撃。
 侵入してからの時間の半分を駆けて重い隔壁に穴を開けたのだ。

「ふぅ、やはり本分は戦闘では無いね」

 軽く汗を拭い、自らが開けた穴を通り回は進む。
 狙いは宇宙大要塞の中枢。
 世界征服の野望の邪魔になるコレをただのスクラップにしてやろうではないか。

成功 🔵​🔵​🔴​

尾守・夜野
こんだけ情報があるってのはありがてぇな

…スリーマンセル…使えるな

消失事象を使い、隠れつつ巡回を待ち、来たら後方からオルタナティブダブル使いつつ奇襲をかける

応援を呼ばれても困るからな
素早くいくぜ

そして、倒れた奴の内、一人分の服を剥ぎ取り、俺が着用

他二人はゴーレムとして使役
武装警備兵に成り済まして行動をする

死んでいようと体は本人だ

後ろから観察してたし、口調を真似るのは容易い

定時報告等はゴーレムを介して行う

その際、ばれねぇ程度に他の警備員にガセの情報を流し、他の猟兵の助けとする

途中、他の警備員に出会った場合は同様に倒しゴーレムとし、少しずつ置き換えていく

はん
気づくのが遅ぇんだよ
間抜け

混乱に乗じて破壊



●潜入A223―A5区攻略。
 また侵入者が現れたらしい……。
 他の区画の奴らは何をしてたんだか。
 まぁ、ココにはこねえよ。
 銃器を肩に乗せ、リラックス状態の警備兵三人の他愛もない雑談。
 視界には誰も居らず、油断と慢心を全身で表すオロカモノ。
 彼らの話から他の区画を見下し、自分たちは違うと言い張る歪んだ根性がアリアリと見えるだろう。
 そう、侵入者が目の前に存在するとは夢にも思わぬほどに、彼らは緩みきっていたのだ。

(間抜けすぎんだろ)

 ユーベルコード、消失事象により姿を消していた尾守・夜野は呆れて漏れそうになる溜息を止め、自分に気気付かぬ警備兵達の装備と強さを見極める。
 結果――好都合、ここまで慢心し腕も悪い、装備も完全に使いこなせていない……ならば全て上手くいくだろう。
 夜野は足音を立てずに、慢心三人組の背後を付ける、そして必要な情報を手に入れるのだ。
 侵入者が何処かに居る、それが分かっているのにベラベラと喋る三人。
 時折定時連絡をする際や誰かに会った時だけは有能に振舞う姿は分かりやすすぎる三下であった。
 さぁ、情報は手に入れた……で、あるならば彼らには舞台から降りて貰うとしようではないか。

「こんなものか」
「ええ呆気ないわね」

 サイレントキリング、油断していたとはいえ警備兵三人は叫び声を出すことも無く、無音で舞台から消えていった。
 夜野の刻印を通し、主の求む姿に変わる呪われた剣を軽く振り収める。
 無音の戦闘はいかにして行われたか、振るわれたのは呪われし黒剣。
 一人目は喉を、二人目は眉間を、三人目は心臓を……彼らは自らが殺された事すら知らないまま命を魔剣に啜られる。
 場に残ったのは三人の死体と二人の夜野であった。
 オルタナティブ・ダブル……多重人格者に発現する能力であり、もう一人の自分を呼び出す魔技である。

「こいつらマズそうなんだよな」
「操作は私がするんだから文句言わないでよね」

 どう考えても下がるテンション、ついに溜息をついた夜野は死体を前に刻印を解放する。
 もう一人の人格はそんな夜野を急かすのだ、彼が行おうとしている行為とは……。

「やっぱくそまじぃ……」

 刻印を介して殺した警備兵の肉片を取り込んだのだ。
 ペッと吐き捨てたくなる衝動を堪え、能力を発動する。
 そのチカラとはクリエイト・ゴーレム。
 先ほど取り込んだ肉片を元に、戦闘用のゴーレムを作成するのだ。
 生み出したゴーレムに警備部隊の装備を着用させ、自らも着用。
 敵兵になりすまし、悠々自適に要塞を闊歩するのだ。

「こちら警備チームA223ー5C、侵入者発見ならず」
「リョウカイ、巡回ルートハソノママニ任務継続サレタシ」

 夜野とゴーレム達警備兵は定時連絡も遣り過ごし、巡回ルートから外れぬように目的地を目指す。
 もっともその道中で何人もの警備兵達とすれ違うも、誰も気を止めずに軽く挨拶だけを行うのだ。

「どうやら嫌われ者だったらしいな」
「みたいね、楽でいいじゃない」

 その嫌われ者になっているのはオレなんだけどなぁ……ともう一人の自分に言ってやりたいが任務中なので、今度にしておこう。 
 挨拶する度に嫌な視線に耐えながら夜野は順調に要塞内を歩く。
 時折挨拶だけでなく、真面目に職務をこなそうと連絡を取ろうとする部隊には偽の情報を流すのも忘れない。
 真面目なものほど騙しやすいものなのだ。

「もうすぐ隔壁よ、準備は良いわね?」
「当然だ」

 偽情報に惑わされ、巡回ルートが少しずれる警備兵達。
 夜野のかく乱により通常ならば3部隊待機しているはずの隔壁前には1部隊しか存在しない。
 そろそろゴーレムの替えも作らねえとな……夜野は再び溜息をつき、遂に隔壁前フロアに辿り着く。
 そこは天井が高く、赤いラインが入った巨大な隔壁が鎮座する大きなフロア。
 真面目な部隊がコチラを視認すると、一人先行して走ってくるではないか。

「お前たち持ち場はどうした」
「あぁ、持ち場なら……」
「此処であってるわ」

 夜野の言葉が紡がれた瞬間、ゴーレムは風のように早く反応。
 銃撃にて新たな肉片を生み出し、そのまま残る二人へと迫ったのだ。
 生きていた頃とは比べ物にならない動きを前に、ゴーレムの方が役に立ってるんじゃないか? と思考に耽る夜野。
 そんな思考に耽る刹那の休憩はすぐに終わることになる、目の前には3つの肉片。

「はん、気づくのが遅ぇんだよ間抜け」

 新たに肉片を取り込みゴーレムに置き換える夜野、そしてゴーレムを使い簡単に隔壁に大穴を開ける。
 ここに至って異常事態にようやく残りの警備部隊も気付き動き始める……が、その頃には夜野は既に奥へと向かっているのであった。
 新たな区画へと向かう際に手向けに放たれた言葉、その言葉を聞く者が存在する事を許さない完璧な突破であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

トレーズ・ヘマタイト
※他猟兵との絡み・アドリブ自由

潜入工作か、あまり得意ではないがやってみよう

UC:イリュージョン・オブリビオンでクローン兵を15名召喚、スリーマンセルでチームを組ませ敵陣に潜入させ、猟兵の援護をさせつつ、通信ルームの制圧または破壊を目標として送り出す

自分はUC:インビジブルとUC:バウンドボディを使いつつダクトや電源ケーブル用のスペース、天井等をメインで移動し、警備兵の巡回を掻い潜る
自分のインビジブルならば一人なら他者も透明にできる、必要であれば助けよう

大隔壁についたなら自分の刻印に入れてきた爆薬を使う、破壊できないならUCを全て解除してから、UC:ブラッド・ガイストで強化後、全力攻撃を行う

以上



●潜入A223―A6区攻略。
 A223区、最奥に存在する区画。
 そして問題の巨大隔壁が存在する場所。
 この区画に挑むのはブラックタールの黒騎士トレーズ・ヘマタイトだ。

「潜入工作か、あまり得意ではないが」

 一見不気味に見えるが実は子供好きで献血活動を訴える紅い瞳が特徴的な黒い塊、ブラックタールのトレーズは天井に存在する通気ダクトを見つめていた。
 トレーズは自らの身体に弾力性を付与、器具が無ければ届かないであろう通気ダクトに潜り込むのだ。
 そうなれば第一の警備兵巡回コースは回避できたも同然であり、トレーズに余裕が生まれるのであった。
 その余裕は一つの情報を手に入れる事となる。

「ふむ、警備兵は全部で15チームか」

 これはダクトの下を通った警備兵チームの愚痴に近い呟きを聞き取った結果である。
 侵入者の所在は不明だが、存在は確定している……よって最終防衛ラインであるこの区画に倍の警備チームを動員したようなのだ。
 それが何故愚痴に繋がるのか? 人数が増えた事でたった一か所存在する休憩スペースが手狭になった事が原因らしい。
 趣味嗜好の違いや、もともと別の区画の警備兵が援護に回った結果ストレスを生んでいるのだろう。

「これは利用できるな」

 トレーズは通気ダクトを移動しながら慎重に聞き耳を立て……ついに機の到来を得た。
 元々この区画に居た警備兵達に苛立ちを見せる、別の区画から訪れた警備兵チームを発見したのだ。
 表面上は問題はない、が……やはり軋轢は存在するらしく自分達の職務態度との違いに苛立ちを感じているのが言葉尻から伝わってきた。
 この様子にトレーズは作戦の成功を確信、すぐさま潜入工作から“潜入破壊工作”へとシフトするのだ。

「あばっ!?」
「がっ!?」
「ひぃ!?」

 天井に透明化して潜みつつ、件の別区画警備兵が一目の少ない場所に移動するのを待ったトレーズ。
 案の定警備ルート上孤立する場所に三人だけで訪れた彼らを一瞬で無力化したのだ。
 勿論無力化=即死である、トレーズは自らの黒剣を鎌へと落下と同時に変形させると、そのまま何も知らぬ彼らの頭を跳ね飛ばしたのである。

「では存分に役に立ってもらおうか」

 黒い粘液体に瘴気の如き力が集う、そして……彼は三人の警備兵の死体、そして魂を取り込むのだ。
 ズブズブ……とタールのような身体に飲み込まれていく死体、それと同時に様々な情報がトレーズに集う。
 休憩所、通信施設……そして大隔壁の場所すらも。
 完全に彼らを取り込み終えたトレーズ、しかし作戦はこれで終わりではない……“破壊”がまだなのだから。

「剣を交え、打倒し、血肉を喰らい、魂を啜り、己の一部となった災魔よ、今一度その力、この場にて示せ」

 深淵のような言霊を機にトレーズの目の前に取り込んだ彼らの容姿によく似た存在が影から生えはじめる――その数15体。
 これがトレーズの能力の一つ【イリュージョン・オブリビオン】である。
 戦闘用の幻影であり、姿かたちが警備兵そのもの……これを侵入者だと一目で見破れる存在は少ないであろう。
 で、あるならば幻影にさせる事は一つだ。

「では、重要拠点の破壊だな」

 トレーズの言葉を合図にスリーマンセルでチームを組み、持ち場に散っていくクローン達。
 能力の維持に戦闘行動が不能となったが再び通気ダクトを通る事で無防備を晒すことは無い。
 かくしてA223-A6区で地獄の蓋が開かれるのだ。
 まずは休憩室、次の警邏までゆっくりと兵士の心身を癒す場所である。
 現在も4チームがどこか余所余所しく休憩している真っ最中、そんな休憩室に来客が訪れたのだ。
 そうトレーズが放った幻影兵である……どうやら幻影兵の知り合いが居たのだろう、休憩にはまだ早いぜ? と明るく陽気に話しかけてきたのだ。
 では作戦を開始しよう――まずは返事を待つ知り合いの眉間に一発、その後は油断しきった彼らを撃ち殺そうではないか。

「ふむ、二か所同時にか」

 通気ダクトで操作していたトレーズは休憩室と同時に通信ルームでも作戦が開始された事を知る。
 通信ルームは休憩室と違い見張り多数、警備も厳重……休憩室の連中とは違い一方的に殺戮は出来ないだろう。
 そう戦闘となれば猟兵でも傷を覚悟する陣容で会った。
 そんな通信ルームを訪れた幻影兵……彼らが取った行動とは……自爆であった。
 軽く会釈し、いかにも巡回中だと騙し、通信施設に近づいた瞬間――あらかじめトレーズが持ち込み、幻影兵に持たせておいた隔壁爆破用の爆弾を起爆させたのだ。
 そうなれば隔壁でもない通信ルームが耐えれるはずも無く、完全に崩壊してしまうのだ。
 これで多数の警備兵と通信を壊したトレーズは悠々とダクトと廊下を使い、目的地に到着するのであった。

「さて、これで破壊出来てくれると助かるのだが」

 現場の混乱は極限まで達していたらしく、巨大隔壁の前の警備兵達も居なくなっていたのだ。
 トレーズは楽に爆弾を設置する、のだが……最初に想定していた設置数よりも少なくない。
 これは幻影兵達にに爆弾を持たせていた事が原因であるが、おかげでこの区画を完全に無力化できたので問題はない。
 それに最後の手段もあるのだから、とトレーズは爆発に巻き込まれぬように距離を置くと“全て”の爆弾を起動させた。

「ふむ、少し想定よりも耐久値が高かったようだ」

 区画全てを震わせる轟音、幻影兵達が持った爆薬も巻き込んでの起爆である。
 しかし肝心の大隔壁はボロボロになりながらも、なんとか隔壁としての形状をとどめている
 で、あるならば最後の手段の登場である。

「封印解除、ただの鉄塊だが……喰らいつくせ!」

 トレーズの紅き瞳から血が流れおちる、ゆっくり、ゆっくりぽたぽたと。
 その血は力を孕み、やがて黒と白の剣へと意志を持つように辿り着くのだ。
 力ある血を浴びた両剣、トレーズの言葉と同時に殺意と暴食を顕現させたかのような真に姿を取り戻したのだ。
 二振りは早く食わせろ宿主に懇願するように強大な力を拡散、それをトレーズは何でもない顔で取りまわす。
 こうなれば幾度も剣を振るう必要はない、たった一度振るってやるだけ。
 言葉無く、ただこうあれと。
 ――ゴウン!
 黒と白の剣を十字に振るったトレーズ、その眼前にあった巨大隔壁は……喰われたのだ。

「任務完了だな、少々やり過ぎたかもしれんが」

 紅い瞳で存在を喰われ大穴が開いた隔壁を前にトレーズはふぅ、とため息をつく。
 だから潜入任務は苦手なのだ、と轟音と悲鳴、煤けた匂いのする区画から帰還するのであった。
 こうしてA233区の隔壁は突破されたのだ。
 無茶苦茶な潜入任務のはずであったが、終わってみれば宇宙要塞がかわいそうになるレベルであったと記しておこう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト