銀河帝国攻略戦⑩~打ち破り、拓く
銀河帝国攻略戦の状況が進展した。解放軍として参戦した宇宙船の数が増加したことにより、帝国による戦線の一つを突破する用意が整ったのだ。
その報を受け、次なる作戦のためグリモアベースに集まった猟兵達に、グリモア猟兵の紅月・知夏がぴょんぴょんと跳ねながら呼び掛けた。
「みんな!銀河帝国攻略戦が次の段階に進んだことはもう知ってる?!そうなの、次の戦場にすすめるの!そんなわけで、次の戦場……帝国大要塞『エンペラーズマインド』にご案内するわ!
……とはいえ転移能力を阻害する何かがあるみたいで、要塞内部に直接の転移はできないの。外の宙域で直接戦闘するか、こっそり忍び込んで内部機構を壊すことでコアルームへのルート構築をすることからはじめなきゃダメみたい。
そんなわけで、私は後者の侵入ルート構築をみんなにお願いするわ!今からやることを説明するから、行けるよって人は手を貸してね!」
知夏は予知で得る事の出来た情報をまとめたフリップを掲げ、その内容の読み上げと説明を行う。
「エンペラーズマインドの戦力は、私がみんなを転送する近辺宙域よりももうちょっと先に展開されているの。流石に大人数だと引き返されちゃうけど、少人数だと周辺の警戒網に引っ掛からずに内部に入り込めるわ!
大事なのは、要塞の中に入ってからなんだけど……エンペラーズマインドのコアルームへの道は、何百個もの巨大隔壁で厳重に守られているの。それを壊すことでコアルームへの道を開こうってこの作戦よ。
当然内部には巡回している警備兵とかもいて、一度見つかれば一気にワラワラと寄ってくるわ。見つからないように侵入して、奥の方までバレずに行けたら重要な隔壁の破壊につながるかもしれないわ。
ただ、どうしても破壊の衝撃や音、巨大障壁からのエラーで警備兵は寄ってくるから、帰りはグリモアベースに強制送還する形になるわ。逆に言えば帰りは心配せずどんどん奥にすすめるってことでもあるわけだから、皆の得意なユーベルコードで巨大障壁をドッカンドッカンしてきてね!」
もっとも、と知夏は少し眉根を寄せる。
この作戦一回でコアルームにたどり着く可能性は低いだろう。そもそも今回の突入部からコアルームまで道がつながっているのかも定かではない。
「けど、同様の作戦はいくつもおこなわれるはずだから、繰り返せばコアルームに到着できるはずよ。仮に別のルートに出ても、エンペラーズマインドの通過ルートを発見できたってことで銀河皇帝に一歩近づく事ができるわ。
だいたいこんなところかしら。それじゃあ、近辺宙域に送り込んでいくわ!みんな、頑張ってね!」
碧依
こんにちは、碧依と申します。
まずはシナリオの大事なやつから。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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というわけで戦争シナリオのうち、エンペラーズマインド内の巨大障壁をぶち壊そう案件となっています。
帰りはグリモアベースへの強制送還ですので、奥への突入と破壊に注力できます。
それと、あくまで個人方針なのですが、私は戦争に関しては成功シナリオ数重視でやっていくつもりです。戦争シナリオ、特に今回のような道中の場合は成功に達した場合その時点で残りのプレイングはお返ししようと思っています。よろしくお願いします。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『⑩エンペラーズマインド突入戦』
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POW : 密かに潜入し、POWのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する
SPD : 密かに潜入し、SPDのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する
WIZ : 密かに潜入し、WIZのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ライカ・モンジ
やっと得意ジャンルの作戦〜♡
普段の服装じゃなく足音と呼吸音に配慮された隠密スーツ着用
作戦中必要時のみクリスタライズで自身と装備を透明化
隠れられるポイントがあるなら積極的に活用
なるべく疲労は最低限に抑える
巡回してる警備兵の会話や関係性を盗み聞き、なるべく「コアルーム近くの警備」や「指導的立場・統括責任者的立場」に近い敵を見つけて尾行
別案+折衷案として有効なら単独行動してる警備兵を【催眠術】で操り情報収集のち装備一式拝借、警備兵に合流後コアルームを目指す
通信機器で他の猟兵達とは情報連携、コアルーム又は重要な障壁に行き着いた場合位置情報と敵数、合流要請を伝達
作戦が全くのスカなら他猟兵の障壁破壊に加担
エミリィ・ジゼル
構造が不明、見つかってはいけない。
そんな攻略情報がないスニーキングミッションで何が大事か。
そう、セーブ&ロードです。
ようするに隔壁までのルート、敵の順路、警戒方法が分かればいいんですよね。
そのためには実際にあたって砕けつつ
情報を集積しながら進んでいくのが一番ってわけです。
どうするかといえば、【やりなおすメイドの術】を使うのです。
まずは突入時にセーブデータを作成し、
適当なルートを進んでみて敵に見つかったらUCでデータロード。
地道に「隔壁まで敵に見つからないルートとタイミング」を探り当て
味方が安全に通れる道を割り出します。
なあに、地道なゲーム攻略は慣れてますのでお任せください。
エンペラーズマインド近域。哨戒にかからない荒い網の目のような位置に、二人の猟兵が先んじて転送された。
内部調査のため先行を決めたのはライカ・モンジとエミリィ・ジゼル。彼女たちは存在を感じさせない透明な宇宙服を纏ったまま、開かれたままになっていたハッチのひとつから中に侵入した。
「ここが開けっ放しなのって、表に出てる戦力の帰還用ってカンジ?」
「そのようなカンジでしょうね」
ライカの呟きにエミリィが返す。その直後に、エミリィはハッチ内で"セーブデータ"を作成した。
現実でセーブ&リセットを繰り返す恐ろしいユーベルコード、やり直すメイドの術。彼女は今回、これをルート探索のために使用することにしたのだ。
敵と出会っても、やり直せば情報を蓄積したままやり直せるという事が現実に減少として持ち込まれたときにどれほど凶悪か……とはいえ、いちいち他者に向かう先や行動を合わせてもらうのは危険が伴うのも想像に難くないだろう。
実際、ライカもそれはあまり好ましく思えなかった。彼女は彼女のやりたいようにやりたい。それなのになぜ彼女達が同行しているのかというと、エンペラーズマインド内の防衛機構が圧倒的な数の暴力でその堅牢性を守っているためだ。
それを突破するため敢えて別々に調査を行い、より重要な隔壁へと猟兵が確実にたどり着けるようにすることを彼女たちは目的としていた。
「再確認しましょう。わたくしはルート構築担当、モンジ様は標的選定担当。双方とも確立した際はモンジ様が現地担当、わたくしがルート案内担当でしたね?」
「そだね。通信機も一応様子見よっか……宇宙服内部に入れたまんまなら特に壊れたりもしてないかな」
「通信もできるかワンギリいたします……大丈夫そうですね。もしもーし?」
「はいもしもーし!聞こえる聞こえる~ってゆーか全然ワンギってないじゃん!ウケる~」
通信機の動作確認のやりとり自体は軽いが、彼女たちは同時に通信機の利用による周囲の異常が無い事を確認していた。
「おけまる、というやつです」
「この辺は電波妨害とかザルってことね。じゃっ、作戦開始~♪」
先に奥側へと進んでいくのはライカであった。
彼女はエンペラーズマインドについて猟兵達よりずっと詳しいはずの存在、警備兵を利用しての情報収集を行うために身をひそめながらも警備兵の気配を探った。
ライカは声を出さない。普段は見た目も言動も大変に元気がいいのだが、彼女が得意分野と自認するだけあり隠密調査の基礎がしっかりと行えている。
やがて、話し声が聞こえた。ライカの居る方向に向かってくる声に対し、彼女はクリスタライズで自身の身を透明にして通路の端に寄る。自身を抱く腕がだるくなっていくのを感じながらも、彼女は通り過ぎようとする警備兵の話に耳をそばだてた。
「別ブロックで隔壁が破壊されたという報告がいくつか入っている。恐らくは解放軍を名乗る連中の仕業だろう」
「重要隔壁付近の警備を厚くしますか?」
「一つの隔壁に固執することで警備の隙を作らないようにせよと言うのが、このブロックに関しての上の判断だ。但し、ルート巡回頻度が高くなるようにシフトを調整する、各個人端末に緊急シフトが届き次第その内容で巡回するように。……私は重要隔壁のいくつかを点検してくるが、警備兵各位は侵入者がいるという意識を持つように。緊急時の即時対応を期待する」
「了解しました」
彼等の話を脳に留めながら、ライカは重要隔壁の点検を行うと言った方の兵士の後を付けて行く。視線が通らない位置でクリスタライズを解除し、疲労を重ねすぎないようにして彼女はこの付近にある重要そうな隔壁3つの位置を確認した。
「……よーっし、それじゃあ連絡入れちゃおっかな」
後をつけていた兵士の気配が遠ざかったのを確認して、ライカはエミリィへと通信を繋げた。
「おおっと」
周辺マップと警備兵ルートをある程度確認したエミリィは、一旦ハッチの方へと戻ってきていた。そこにライカからの通信である。
「はい、エミリィです。モンジ様お久しぶりです、元気してましたか?ええ、ええ、大丈夫です、こちらもあげぽよです」
ギャルのライカに合せようと何かが間違っているJK語を繰り出しつつ、エミリィは脳内マップとライカから聞いた重要隔壁を照らし合わせる。
エミリィが探索していた時の警備ルートとタイミングであれば一度も警備兵に遭遇せずに到達できる隔壁もあったが、巡回のタイミングがずれるかもしれないとなった場合、最も安全なのはまた別のルートになる。
もしも猟兵が警備兵と鉢合わせても一人や二人までなら何とかできるだろうと判断し、エミリィはライカに壊すべき隔壁を伝えた。
「……現在モンジ様が居る隔壁へのルートが最も安全かつ簡便に皆様にお伝えできそうです。はい、それでは以降訪れる方々への案内はお任せください。モンジ様、目印役と攻撃補佐の方お願いします」
そうして、エミリィはルート発見という現在の状況を確立するためにセーブデータを上書きした。
そろそろ次の猟兵がやってくるはずだ。彼女はハッチの外をちらりと覗き……そして、今しがた出現したらしき猟兵を見つけてそちらに大きく手を振った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
神山・楼炎
【POW】
さて、行く手は阻んでとても邪魔な巨大隔壁を壊すか。
私一人の力ではどうにでもならんが、氷属性で攻撃してくれる者が出ると信じて熱で溶かす!
『ブレイズフレイム』で燃やし、延焼させて巨大隔壁を熱してやろう。
「普通の鉄ならば、熱しておいて冷やせば脆くなるだろう?」
それだけだと無理だろうから『魔竜ジルニトラ』で斬りつけてやるが、『鎧砕き』『衝撃波』『2回攻撃』でどうにか脆く出来ないか試してみよう。
「ジルニトラ、無茶をさせてしまうが……破壊するまで頑張ってくれ」
神山・楼炎が到着した段階では、まだ警備シフトの変更は行われていなかったらしい。先行猟兵のマッピングとタイミング指示によって安全に隔壁に到着した彼女は、道中見かけた他の隔壁と一見変わりない巨大な壁を見上げる。
「なるほど、確かにこれは邪魔そうだ」
そうつぶやくと、材質を確認する。おそらく数種類から成る合金、表面からは一枚板か合板かを見破ることはできない。切れ目らしい切れ目の存在しないそれが、並大抵の厚さではないことも予想できる。
「普通の鉄ならば、熱しておいて冷やせば脆くなるだろうが……他の物でもやってみていいだろう。まずは、全体を熱せるこれからだな……行くぞ」
袖をめくり、腕を露出する。その腕を隔壁に向けて大きく振るや否や、楼炎の腕を裂くように地獄の炎が噴出した!勢いよく、そして腕を振ったことで大きく燃え広がる地獄の炎が巨大障壁に取り付き、その全体を紅蓮で包み込んでゆく。
力の具現と化した炎が、その紅蓮でもって巨大隔壁の表面を次第に橙色に近づけて行く。発生する熱をものともせず、楼炎は今回のメインウェポンとなる竜属性のルーンを宿した剣、魔竜ジルニトラを抜く。
「ジルニトラ、無茶をさせてしまうが……破壊するまで頑張ってくれ」
地獄の炎を生み出すためだけの行為だったためか何ごとも無かったかのように塞がった腕でジルニトラを構えると、十分に熱されたと判断した場所から紅蓮の炎の一部を消し、斬りかかった。
竜属性を纏った刃は、激しい音とともにその攻撃性によって隔壁に傷をつけて行く!鎧を砕く要領で衝撃を内部に伝え、その内部に反響させるように衝撃波を発生させる!
「なるほど、複数枚の組み合わせだったか。それなら」
内部に残響する衝撃を重ねる、畳み掛けるような二回攻撃!熱される事で溶けるのではなく縮むタイプの素材に衝撃を加えたことで、巨大隔壁の内部にヒビが入る手ごたえを感じた。
一部とはいえ手ごたえを感じたために破壊を続けようとした楼炎は、背後に敵意のない何者か……すなわち猟兵の気配を感じた。
「来たか。少々脆くはなったようだが、人手が必要だと思っていたところだ。炎は私の任意で消せるから、攻撃したい場所があったら言ってくれ」
成功
🔵🔵🔴
ナハト・ダァト
見つかりにくい通路を捜索する為
四ノ叡智で透明化して侵入するヨ
ダクトなんか好ましイ
侵入出来たらすぐに解除ダ
見つかった場合ハ、目潰しで遭遇を回避するカ素早く昏倒させよウ
無駄な戦闘は避けたいからネ
隔壁まで辿り着けたラ
ブラッドガイスト
一ノ叡智・王冠
まずはこれらで攻撃力を上げておくヨ
次はバウンドボディ、武器改造
十分な弾力性と瞬発性を付与ダ
そして八ノ叡智・栄光、2回攻撃
220本の触手を生み出して、一束に纏めよウ
後は簡単
何度も攻撃を受けた部分を情報収集で検索
その中で脆くなっている個所を探し当てル
限界まデ触手を伸ばシ
思いっきりたたきつけるヨ
※アドリブ歓迎
ナハト・ダァトが巨大隔壁の前に到着したとき、その隔壁は炎に包まれていた。先に到着していた猟兵からの呼びかけに、彼は光を宿した手を振って応じる。
「攻撃したい場所カ……私は脆くなってた場所に集中攻撃する気だったんだけド、人を押しのけてまでは考えてなかったからどうしようネ……エ?譲ってくれるのかイ?」
既に到着していた猟兵が少し移動し、先ほどまで攻撃していた場所を示す。ナハトは頷き、その箇所に移動した。
今回は警備兵による囲みさえなければ最善の状況を用意できる。ナハトは自身の持つユーベルコードを次々と組み合わせて、最大火力を出すための準備を整えんと精神と肉体をフル回転させはじめた。
「刻印起動……殺戮捕食形態への移行……ふム、調子はいいようダ。でハ、一ノ叡智ヲ――AHIH」
ユーベルコードを重ねる彼の見目は途中まで変わらない。ブラッディガイストによる刻印の起動も、知性へもたらされる啓蒙も、身体にもたらされる血質も、精神へもたらされる神秘も……すべてが彼の内にあるからだ。続けざまにもたらされる、バウンドボディによる伸縮性もその一つであった。
「ALHIM TzBAVTh――ALHIM TzBAVTh」
見目の変化は、二回攻撃の要領でユーベルコードを重ねた時に生まれた。深淵から召喚された二百を超える触手の群れを、彼は自身の身体を持ってまとめあげ、一つの巨大な蝕腕とする。
通常そのまま攻撃を放つ触手に、自身の身体という強力な武器を纏わせる事で一旦それを止めおくという改造を施したのだ。
「検索の必要は無いネ。第五ノ叡智――ALHIM GBVR」
まとめあげ巨大な武器とした触手と自身の身体、それを用いた、超高速かつ大威力の一撃!
更に、本来攻撃ユーベルコードの対象ではない触手達はその一撃の範囲を超え、深く巨大隔壁へと突き刺さる!
そして触手の性質が、先の猟兵の目論見を達する。対象の弱点に対応する万能属性の触手は、熱され冷たさが弱点となった巨大隔壁に氷結攻撃の効果をもたらしたのだ!
バキバキと音を立て、ヒビを走らせる巨大隔壁。異常な厚みを持つそれに十分なダメージを与えたナハトは、満足そうに息を一つ吐いた。
成功
🔵🔵🔴
狗飼・マリア
壁を攻撃する。
でしたら私はPOWでいつものあれをやらせていただきますわ!!
そう、私は『残像』などで撹乱して『メイド大砲』を隔壁に照準セット。
メイド大砲に乗り込み、射出!!『UC:無敵城塞』を使用して、
障壁へ向かってメイドの弾丸をぶちこんでやりますわ。
「スペースメイド弾丸でございますわ!!」
「発射!!!!」
「うーーーーーーーーっ Wahhooooi!!!!」
巨大隔壁が視界に入ったあたりで、狗飼・マリアは自身の周辺通路が騒がしくなってきていることに気づいた。猟兵による巨大隔壁の攻撃が察知されたのだろう。
「なるほど、ですがもう少し急げば彼らの到達前に攻撃できますわね……おっと」
隔壁到達前にマリアを見つけたのであろう警備兵からの熱線攻撃を、マリアは悠々と回避する。それどころか、敢えて一瞬留まってからの高速移動によって生み出される残像で、その矛先をあらぬ方向に誘導してみせる。
残像による攪乱を行うマリアへの対応に、つい熱心になってしまった警備兵。足を止めて狙おうとしたがために隔壁側に居る猟兵からの攻撃を受け崩れ落ちた。
「あら、助かりますわ。しかし数が来る前に攻撃を重ねておきたいですわね……それっと」
もう少し近づいてからを予定していたが、邪魔が入る可能性を高めるよりは早期攻撃をと考えマリアは武器を取り出す。
「今回も、よろしくお願いしますわね」
彼女にとっては、一度や二度ではない得意技を披露するためのそれは、大砲である。それも、攻城兵器級の大砲である。人一人が入るに十分なそれに、マリアはまるで乗り物に乗るかのような自然な動きで身を収め、照準を隔壁にあわせた。
「さあ!スペースメイド弾丸でございますわ!!発射!!!!」
聞こえている者からすれば正気の沙汰と思えない発言!しかしこれは確かに彼女にとって安定の手の一つ!
轟音と共に勢いよく射出されるマリアがそれと同時に発動するのは、超防御のユーベルコード無敵城塞!
「うーーーーーーーーっ――Wahhooooi!!」
細胞の一つすら傷つかない超硬の存在となったマリアが、謎の掛け声とともに巨大隔壁に突き刺さる!既にヒビの入っていた巨大隔壁の一部が、彼女が刺さった部分からガラガラと崩れてゆく!
マリアが突き刺さったのは上部だったため、開いた穴は上方の一部……だが、下方側へのあとわずかの攻撃で隔壁が突破できることは誰の眼にも明らかである。
「あら、これは惜しい……もう一方、来られていたはずですね。トドメはお任せするとしましょう」
隔壁が崩れた時に落下したダメージも無敵城塞で一切受けなかったマリアは、そう呟くと隔壁を背にして警備兵の対応に参加しはじめた。
成功
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ロイド・テスタメント
【POW】
密かに潜入しますが、見付かったらさっさと始末します。
「なに、殺すよりも容易い事です」
ユーベルコード『血統覚醒』して、『戦闘知識』を活かしつつ『Blau Kreuz』で『傷口をえぐる』事で脆い部分を攻めます。
「動かん獲物は好みじゃないが、やらなければならない事だからな」
中々壊れないのでしたら、拷問具は熱したファラオの雄牛でもぶつけてやります。
「さっさと壊れてくれないか? 俺は少々気が短いのでな」
やれる事をやり尽くしますよ。
※戦闘中は戦闘狂となり、口調も行動もやや荒々しくなります。
隔壁にとどめを刺すことになるであろう猟兵、ロイド・テスタメントがエンペラーズマインドの中を駆ける。余裕のあるロイドを確実に隔壁に送るために、護衛としてハッチに待機していた猟兵も併走している。
「警備兵に見つかったらさっさと始末する気でいましたが、やれることをやり尽くす為にもそれが良いのでしょうね……なに、殺すよりも容易い事です。私がきちんと終わらせてみせます」
対話も交えつつ道中は特に見つかることなくやり過ごしたが、隔壁に近づくと周辺で戦闘が発生しているのが見てとれた。案内役の猟兵もそちらの対応に向かい、一人になったロイドは巨大隔壁への攻撃を開始した。
「……動かん獲物は好みじゃないが、やらなければならない事だからな」
周辺の戦闘の気配も手伝ってか、ロイドの雰囲気がいくらか荒々しいものに変わる。自身の中にあるヴァンパイアの血統、それを呼び起こした彼の瞳は真紅に染まる。
彼の攻撃の意思に反応して十字架から出た青い鋼糸を、既に入っているヒビの間を縫わせるように通して破砕する。傷口をえぐるように、脆い部分から崩していくその手腕で、下部に開けられていた穿孔が徐々に広がりを見せるが、巨大隔壁全てを崩れ落ちさせるにはもう少し強い衝撃を与えた方がよさそうだ。
ロイドは周囲をざっと見る。警備兵が近づいていればそれを使う気でいたが、周囲の猟兵達が足止めしている。邪魔してまで調達する気はないのか、彼は自身の指を少しだけ傷つけて血を拷問具に与えた。
咎人殺しの拷問具が、ロイドのわずかな血液に反応して起動する。拷問具である鉄の牛が徐々に熱を持ちだした。
「さっさと壊れてくれないか? 俺は少々気が短いのでな」
改めて、ロイドはこの状況で最も全体を打ち崩すことができるであろう、力の均衡を保つ部分を戦闘知識と第六感で見極める。
それを見つけるや否や、十分に熱された拷問具をロイドは隔壁に全力で叩き込んだ!熱され、冷却され、そして再度熱を持った衝撃を叩きつけられたことで、巨大隔壁が猟兵達から見て奥側へと砕けながら吹き飛んでゆく!
大げさすぎるほどの轟音と破壊の規模に、思わず警備兵も猟兵も戦闘の手を止める。
「……任務完了、と言ったところでしょうか?さあ、帰りましょう」
血を鎮め灰色の瞳を取り戻したロイドの言葉を合図に、猟兵達はその場から掻き消えるようにグリモアベースへと戻っていく。
取り残された警備兵達はそれを追いかけることもかなわずに、破壊の跡に佇むしかなかった。
成功
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