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大祓百鬼夜行⑤〜千の竜

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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「連日の大祓百鬼夜行、お疲れさま! 皆で力を合わせつつ、そして無理せずに進めていきましょう。――というわけで早速だけど今回皆さんに行って貰いたい戦場は、ここよ」
 まぼろし橋の先にある、竜神の霊山の数千本にも渡る鳥居の道。
 カクリヨファンタズムの最深層に通じる道である竜神の霊山は必ず道に迷う場所となっている。的確に先へと進むには数千本もある「連ね鳥居」を進んでいくしかないのだが――。
「なんと、ここ、オブリビオンに占拠されている場所があっちこっちにあるのよね」
 そのうちの一つに対処して欲しいとポノ・エトランゼ(ウルのリコ・f00385)は猟兵たちに言った。
「この辺りのオブリビオンは霊山の霊力を取り込んでドラゴン化しているのだけれど……ええと、妖怪を骸魂が飲みこんで更にドラゴン化っていう事態になっているのね。戦闘力も強化されているわ」
 今回骸魂に飲みこまれ、オブリビオン化したのは雪だるま。剣客雪だるまがドラゴン化している。
「つまり雪ドラゴンってわけ。人間サイズの大きさの雪ドラゴンは自身が瀕死になれば仲間を召喚するし、二刀の鋭い氷の刀を持っている。おまけに氷属性の雪玉を大量に放ったりもする。雪玉はドラゴン数体に囲まれると鳥居ごと雪に埋もれちゃう量だから気を付けてね」
 道を閉ざされてしまってはいけない。
 鳥居から出ずに倒さなければいけない上に集団の敵。少々面倒な戦場だ。
「けれども朗報もあって、ドラゴン化したオブリビオンの逆鱗を攻撃すれば、その一撃で倒すことが出来るの。骸魂との合体が分離されて、元の妖怪・雪だるまに彼らは戻るわ」
 雪ドラゴンの逆鱗は喉元にある。
「まあ敵も自分の弱点は承知しているから手の二刀で防御するし、時々雪玉を放つ目くらましもするし、狙うのも簡単じゃないから広範の攻撃とかが役に立つんじゃないかしら?」
 敵の雪玉のように、質より量。避けられない攻撃を仕掛ければ、その一撃は自ずと逆鱗にも触れるだろう。
「といった助言をしつつも、実際の戦法は皆さんにお任せだけどね」
 それじゃあ、よろしくね。
 そう言ってポノは猟兵たちを送り出すのだった。


ねこあじ
 千(ゆき)の竜と読みます。
 ねこあじです。
 純戦です。
 竜神の霊山「連ね鳥居」から出ることなくドラゴン化したオブリビオンを倒していきましょう。

 『剣客』雪ドラゴンは主に鳥居の中、加えて特に迷っても支障がないので鳥居の外からもたまに攻撃してきます。

 プレイングボーナスは『連ね鳥居の中で戦い、敵の逆鱗を攻撃する』こととなります。

 19日(水曜)の夜から執筆を始めます。
 採用はなるべく頑張ります。不採用になってしまったらごめんなさいです。
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第1章 集団戦 『『剣客』雪だるま』

POW   :    雪だるま式に増える
自身が戦闘で瀕死になると【仲間】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    抜けば玉散る氷の刃
【その手でどうやって持つんだかわかんない刀】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    雪合戦
レベル×5本の【氷】属性の【雪玉】を放つ。

イラスト:祥乃雲

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

篝・倫太郎
リュカ(f02586)と

防寒に氷結耐性使用
Loreleiの熱探知機能、音波探知機能を使って
逆鱗の位置を確認しつつ戦闘開始

拘束術使用
射程内の総ての敵に鎖での先制攻撃からの拘束
同時に衝撃波と吹き飛ばしを乗せた華焔刀でなぎ払いの範囲攻撃
これは雪での視界不良を解消するのが目的

オーバーキル狙ってこうぜ

基本、俺は前で囮的に行動して
その間にリュカが逆鱗を射抜く作戦

同一箇所に逆鱗あるのか判んねぇんで
一先ず、温度差があるとこ、音波の返りが異なるとこを重点的に狙う
無論、庇う部位は部位破壊で狙ってく
常時、リュカと情報共有して対処

敵の攻撃はオーラ防御で防いで凌ぎ
以降は生命力吸収も乗せてく

ちょっと、少年!酷くない?!


リュカ・エンキアンサス
倫太郎お兄さんf07291と連携して戦う

我慢強いほうだとは思うけど、寒いのは好きじゃないので手早く片付けたい
ってことで、逆鱗の位置を常に意識しつつ撃つ
防御動作をするってことは、そこに弱点があるってことだとは思うので、良し悪しだよね

まあ、兎角死ぬまで撃てばあたるでしょう。ドラゴン……ドラゴン?
…ドラゴンと戦うのは好きなんだけどこれをドラゴンと認めていいのかちょっと悩む…
…ぎりぎりセーフかな…

あれが倒れるか、囮のお兄さんが倒れるかはお兄さん次第ってことで
お兄さんが道をあけてくれるなら、俺はそれに答えて撃つだけだ
ちなお兄さんが倒れたら俺は一目散に逃げる
そんなことにはならないとは、勿論うん、信じてるよ



 剣客雪だるま、もとい雪ドラゴンに占拠された鳥居群は雪降り積もる真冬の寒さだった。
 リュカ・エンキアンサス(蒼炎の旅人・f02586)が更夜のマフラーをもうひと巻き足したところで、「少年よ」と厳かで演技めいた声が掛かった。篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)である。
 周囲を巡る敵に気付かれないよう、鳥居の柱を遮蔽に屈む二人――倫太郎が自身の喉をトンとつついた。
「ここ、狙ってけよ」
 と倫太郎が言うのでリュカがアサルトライフルを動かす。
「いや俺のじゃなくて、敵のな! 逆鱗あっから」
 Lorelei [ RKS ]のゴーグル越しの倫太郎と視線が合い、そういえば電脳魔術師だったねとリュカが言った。
 ギュムギュムと雪を踏みしめるような音で鳴くドラゴンたちを音波探知機能が捉えたのだ。喉の逆鱗が震え、音を渡らせている。
「分かった。さっさと行きなよ、お兄さん。寒い」
 とりつくしまもなくリュカが言うので「はいはい」と華焔刀を手に柱の影から飛び出す倫太郎。同時に災いを縛る見えない鎖が周囲の雪ドラゴンに向かった。
 音なく、ドラゴンたちの雪体を捉える鎖。
 駆け様に倫太郎が薙刀を振るえばその軌道から衝撃波が放たれて、雪ドラゴンが纏う吹雪が散った。
 落ちてくる雪もなく、視界は良好。それはリュカの銃撃精度を上げるものとなる。
 倫太郎の姿を見つけて二刀を構え急降下してくる敵に、横から放たれる星の弾丸。
 挙動の隙間、先を捉えた銃弾が雪ドラゴンの逆鱗を撃ち抜いた瞬間、雪ドラゴンは細やかな雪となり霧散した。
 手応えは、雪。
「ドラゴン……ドラゴン?」
 ドラゴンと戦うのは好きな方ではあるのだが――これをドラゴンの範疇に入れても良いものかリュカが悩む。
「……ぎりぎりセーフかな……?」
「なんかアレだな、雪像みたいな砕け方だな!」
 長柄を振るえば雪像を払う穂先――硬めの雪って感じだ、と倫太郎が言う。
 敵が防御動作を行えば翼、頭部とリュカの銃撃が続けざまに続き、敵を象る雪を散らしていく。
『ギュムゥゥッ!』
 一層雪を踏む鳴き声を上げた雪ドラゴンが仲間を召喚し、場を更に吹雪かせた。
「冷てぇっ!」
 倫太郎の声にリュカが淡々と応じる。
「あれが倒れるか、囮のお兄さんが倒れるかはお兄さん次第ってことで」
 『お兄さんの凍え度判定』でリュカは動いているようである。
 ブレスのような雪が散るまで近付かないという適正距離――単に銃身の冷えを避けているだけともいうが。とにかく囮の倫太郎は目安であった。
 衝撃波を放って雪風を払いのけ、倫太郎がやや呆れたように呼ぶ。
「……リュカよぅ」
「お兄さんが道をあけてくれるなら、俺はそれに答えて撃つだけだよ」
 そして進む。
 働き相応。それはつまり、ポジティブに考えれば頼りにされているということなのかもしれない。
 だいぶ捻くれたものではあったが。
「おお。信頼関係も上々って感じじゃね?」
 頼り頼られ。にかっと笑顔を見せた倫太郎は嬉しそう。
 容赦のない銃撃音のなか、でも、とリュカは言葉を続けた。
「ちなみにお兄さんが倒れたら俺は一目散に逃げる」
「ちょっと、少年! 酷くない?! 背負って逃げるっていう選択肢――」
「ないよ。お兄さん、手、動かして」
 思わず振り向きツッコミする倫太郎であったが、スコープを覗いたまま、視線すら向けずにリュカが言う。
 この間に一体を仕留め、また一体。
 雪が敷かれる鳥居の道を少しずつ進む。
「そんなことにはならないとは、勿論、うん、信じてるよ。モチロン」
「何で二回言った。あとカタコトじゃねぇか」
 信じてる、信じてる。
 リュカがまた二回……いや三回言った。
 そんなやり取りをしながらも、雪ドラゴンがユーベルコードでの攻勢と出る前に撃破していく。
 なんだかんだと、息の合う動きを見せる二人であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

まさか雪だるまがドラゴンとなるなんて…
物量で来られると結構厳しい事になりそうだ
こちらは連ね鳥居の中から出られないわけだし、行動が制限されるのが厳しい
雪によって道が閉ざされるのは最悪だから【結界術】で自身の周囲に結界を形成しておこう
この結界に触れた物は電熱線に触れたかのように加熱される
結界に触れた雪はその場で融かして消し去っていこう

さらなる問題は雪ドラゴンへの対処だ
飛行されると厄介だし自身の周囲へ【生命力吸収】の波動を【範囲攻撃】で放ってみよう
触れた相手に破邪顕正を発動
相手を行動不能にし、その隙を突いて札や刀による攻撃で逆鱗を突いていこう

【瞬間思考力】で数少ない機会を逃さない!



 積もった雪を踏みしめるような音が響いている――それは雪ドラゴンと化した剣客雪だるまの紡ぐ声であった。
(「まさか雪だるまがドラゴンとなるなんて……」)
 と、鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)が鳥居の柱の影へ潜み思う。
 常ならば可愛らしい雪だるま。妖怪となってもチャーミングな動きで楽しませてくれそうだが、今は幽世全体を覆う百鬼夜行の影響により骸魂にのまれ凶暴化してしまっている。
 さらには霊山の影響によってドラゴン化――見た目は雪像のような彼らは鳥居の上を直接渡るように駆けたり飛んだりとしていた。
「物量で来られると、結構厳しい状況になりそうだね」
 一体が降りてきて鳥居の中へと入ってしまえば、連ね鳥居から出ることのできない猟兵側が不利。
(「ならば」)
 仕込み杖の破魔の刀身を顕わにさせ、自身が纏うように周囲へ結界術を施す。魔力を編んだローブから発露される火の精霊の力が広範へと渡り、周囲の雪を溶かしていく。
 ――その熱量に、敵は気付いた。
『ギュムムッ!』
 相変わらず雪踏むような声で鳴いた雪ドラゴンたちが警戒する気配。
 気付いた、ということは、それはひりょの結界術の間合いに入っているということ。
「――幾多の精霊よ、かの者に裁きを……破邪顕正!」
 破魔刀から退魔の力を帯びた拡散波動を放てば、結界から数条の火の波動が雪ドラゴンたちを穿つ。
 盾となるものが剣山の如き動きを見せ、雪ドラゴンたちの驚きはそのまま行動不能へと陥るものになった。
『!?』
「今だ!」
 鳥居にもたれるようにずるりと落ちてくるドラゴンの首が伸び、見えた逆鱗をひりょが刀で攻撃すれば、まるで雪像のようなドラゴンは霧散した。
 更にはドサドサッと大塊の雪が落ちてくる――飛行していたドラゴンが行動不能となったのだ。
「飛んで火に入るなんとやら、だね」
 ひりょが言い、次なる逆鱗へ一撃を放てば骸魂も祓われていく。
 敵を行動不能へと陥らせる先手は雪ドラゴンにユーベルコードを使わせる隙を与えることなく、鳥居群解放の一手を刻んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャルロット・クリスティア
雪だるまで竜……というのは少々珍妙な話ですが。
まぁ、元より混ざり合った存在です。今更ですかね。

鳥居から出るなという話ですが、こちとら銃手です。
射程は十分にある、問題ありませんね。
狙いやすい位置で助かりましたよ、私の腕と愛銃の性能なら十分当てられる。
仮に直線の軌道を防いでくる奴がいたとしても、ちょうど跳弾に使えそうなものには事欠かないですからね。
一撃必殺。増援を呼ぶ間もなく……というより、向こうの間合いに入られるよりも先に、仕留めさせていただくとしましょう。

現世に未練があるのはこちらも同じなので。
……切り開かせていただきますよ。



 ギュムッ、ギュムムッ。
 雪を踏みしめるような音――それは鳥居の路を占拠した雪ドラゴンから発せられる鳴き声だった。
(「音は雪そのもの……」)
 マギテック・マシンガンを手に、柱影で身を潜めるように屈んだシャルロット・クリスティア(弾痕・f00330)は音を聞くために瞑っていた目を開いた。
(「雪だるまで竜……というのは少々珍妙な話ですが――まぁ、元より混ざり合った存在です」)
 今更だと考える。
 オブリビオンが強化に伴い何かに変ずる事態には今までにも直面してきた。今回は妖怪と骸魂、そして霊山の力の掛け合わせ。
 此度の戦場は射手が優位に働ける場所で、赴かないという選択はない。
 シャルロットは慣れた様子で鳥居を遮蔽に動く。
 連ね鳥居は名の如く、だ。
 敵方が外から内の様子を窺うには接近せねばならない。
 シャルロットは銃手。先手を取り戦端を開き、彼我の距離を詰められる前に愛銃で撃破する――狙撃、一撃必殺に適した戦場であった。
(「狙いやすい位置で助かりましたよ、私の腕と愛銃の性能なら十分当てられる」)
 考えることよりも自然に狙撃の呼吸を取る。
 リズムは身体が覚えている。
 遠く、二刀を振るう敵の挙動。刹那に視覚を遮る雪の落ちる速度。
 環境へ呼気を合わせ引鉄を弾けば放たれた銃弾が雪ドラゴンの逆鱗を撃ち抜いた。
『ギュムッ!』
 仲間が霧散し警戒する雪ドラゴンたち――けれども続けざまに一体、また一体とドラゴンの雪が散る。
 狙い、僅かにずらした銃口。密接した場の敵を一掃したシャルロットは音無く動き、次の遮蔽へ。
 敵が力を発揮する前に屠っていく。
 狙撃される方はその視力を頼りに攻撃手を探すのだが、戦場の作りを利用し、暗殺に長け影から影へと紛れるシャルロットを掴むことは出来なかった。
「現世に未練があるのはこちらも同じなので」
 一に構え、二に狙い、三で撃つ。一拍にも満たない動作と鳥居間を見抜いたシャルロットの、矢継ぎ早の跳弾射撃。
 鋭角から直線。読み難い災厄の檻が敵群を撃破していく。
 翼と頭部を散らした銃弾が逆鱗を外せば、それを視認し即応するシャルロットが止めの一撃を。
「……切り開かせていただきますよ」
 その呟きを聞くものはいない。
 シャルロットは雪を踏みしめ、先へと進む。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月21日


挿絵イラスト