大祓百鬼夜行⑥〜そんなことよりお花見だ!
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そこは不変の地。
四季関係なく桜が咲き乱れ、その桜に撒かれた迷える魂は幸福のうちに救済されるという。
その世界の名は……。
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「みんなー! お花見しよー!」
ミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)を装備した花園・ぺしぇが元気よくそう言った。大祓百鬼夜行で忙しいこの時期に何を……という視線を意に介さず、ミルケンは続ける。
「あのね、カクリヨファンタズムに『幻朧桜の丘』って言うのがあって、そこには異世界から来た魂と肉体を癒やす桜が生えてるの。でね、この桜の力を強めて撒き散らすことで百鬼夜行全部の力を抑え込めるんだって!」
そんな馬鹿な。猟兵たちはそろって驚愕の顔を浮かべる。カクリヨファンタズムはUDCアースと表裏の関係にある世界ということは最初から知られていたが、まさかそれ以外の世界のものも根付いていたとは。
だが話がどうあれ日に日に戦場の制圧が困難となっていく大祓百鬼夜行。それを抑えられるとあれば、既に半ばを過ぎたこの状況からも一気に巻き返しが効くのではないだろうか。それが分かった途端、猟兵たちは俄然やる気を出しミルケンに先を促す。
「桜の力を増す方法は色々あるんだけど、桜の下でお祭りするだけでもいいみたいだよ。思いっきり楽しく騒いだほうが桜の力が強くなって、たくさんカクリヨファンタズム中に桜が飛び散るみたい!」
つまり作戦だからとか義務感で何となくやるより、いっそ戦時中だということすら忘れ大騒ぎしてしまった方が結果的に高い効果が得られるということだ。
「お花見するところの近くには危ない妖怪さんはいないみたいだから、遠慮なく遊んでね。あ、でもお店とかはさすがにやってないから、飲み物とか食べ物は自分で持ってってね。あと出したごみは持って帰らなきゃだめだよ。桜を折ったりもだめ! それじゃ、行ってらっしゃいだよー!」
楽しんだ方がいいとはいえ、花見ならではの常識は遵守すべしということだろう。
ともあれ、戦い詰めで疲れている猟兵も多かろう。ここは息抜きのつもりで、花見に興じてもいいのではないだろうか。
一通り注意事項を説明し、ミルケンは猟兵たちを花見の場へと送り出した。
鳴声海矢
こんにちは、鳴声海矢です。色々な意味でまさかなフレームの登場です。
今回のプレイングボーナスはこちら。
『プレイングボーナス……よその戦争を無視して宴会する!』
巷では戦況結構ヤバいんじゃないかとか全裸天使まだ死なないのかとか色々騒がれてますが、そんなものは知ったことではありません。とにかく飲めや歌えや花を見ろや、花見を楽しみつくしてください。
楽しむ方法は自由ですが、未成年飲酒や他人に迷惑をかける行為、あまりにヤバすぎる公序良俗違反等は禁止とさせていただきます。またお祭りなどをやっているわけではありませんので出店はありません。必要なものは各自で持ち込んでください。
それでは、肩の力を抜いてプレイングをお待ちしています。
第1章 日常
『桜の下で宴会しよう!』
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POW : 美味しい料理や飲み物を提供する
SPD : 巧みな芸を披露する
WIZ : 桜の下で語り明かす
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
これは、有難いですねぇ。
愉しんで参りましょう。
まずは材料と飲物を買出し、【到爨】で大量の[料理]を作り『FTS』に収めますねぇ。
主なメニューは、様々な種類の『お花見弁当』と『デザート用のスイーツ』何方も『特盛サイズ』で大量に作り、飲物はそれぞれに合わせますねぇ。
ミルケンさんの各ボディの方々の分も御用意、出発前に渡して行きますぅ。
準備が出来ましたら現地に向かい、桜を見つつ[大食い]でお弁当を頂きましょう。
時折場所を変え、色々な景色を見ながら頂きますねぇ。
人の多い会場等ですと、そういう楽しみ方は難しいですし。
途中、お弁当に興味を持たれた方にお会いしましたら、お分けしますぅ。
アリス・フォーサイス
お花見か。めいっぱい楽しむぞ。
まずはかたちから入らないとだね。サクラミラージュから、桜餅、桜茶、三食団子を買ってくるよ。もちろん、持ち帰るためのごみ袋も持参でね。
んー。こうしてると、季節を忘れそうだね。春の妖怪さんがまぎれてきたりしないかな。
ようし、楽しくなってきたし、歌っちゃうよ。らららー♪
中小路・楓椛
アドリブ連携歓迎
ごきげんよう、いつもニコニコ貴方の街のお傍にダゴン焼き屋です。
サクラの宴と聞いて(キャバリアが牽くサイズの)屋台を牽いてやってきました。
【クロさん】、その辺りで。そーれ、ぽちっとな(停車するとアウトリガーを展開し移動モードから店舗モードへ変形を開始する屋台)
本業はダゴン焼き屋なのですが、普段回らない世界での営業ですので設備を流用して今回はタコ焼きなど他の粉モノを主体とします。
参集者の年齢層も考慮して酒類の代わりとなる別の世界で調達した各種茶や清涼飲料水その他も準備しております。
粉モノの他にも食材を幾らか持ち込みましたので、可能な限り皆様のご要望にお応えいたします。
カクリヨファンタズムに咲いていたのは、まさかまさかの幻朧桜。もちろん名前だけではなく、迷える魂を取り巻き救う正真正銘の本物である。
しかしやはり異世界に来た影響か、どこか変質しているらしく桜の精の力を必要としなくなった代わり、別の事がきっかけでその力が強まるようになったらしい。
そしてその力を強める手段の一つがお花見というのはやはりそこはカクリヨファンタズムらしさと言えるだろう。
「これは、有難いですねぇ。愉しんで参りましょう」
「お花見か。めいっぱい楽しむぞ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)とアリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)の2人は舞い散る桜の中そう宣言し、各々に準備を整えこの場に臨んでいた。
「まずはかたちから入らないとだね」
アリスが持ち込んだのは、サクラミラージュ産の桜餅、桜茶、三食団子。もちろん持ち帰るためのゴミ袋も完備だ。遠き故郷に桜も思いを馳せられたら……などと感傷的なことを言うつもりはないが、それでも場に合わせた食べ物を用意すれば気分もぐっと盛り上がり、桜の力もいや増すことだろう。
そして準備といれば、るこるの準備はかなり気合が入っていた。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、偉大なる導きの恩寵を此処に」
【豊乳女神の加護・到爨】にて買い出しした食材をあっという間に料理。その全てを輸送用祭器『FTS』に詰め込んで持ってきたのだ。その内約は様々な種類の『お花見弁当』と『デザート用のスイーツ』。量はいずれも特盛で、それに合わせた飲み物も完備。今回は同行できないグリモア猟兵の分も用意し、出発前にそれぞれのボディに合わせたものを渡してもある。ちなみにぺしぇにはタコさんウインナーやキャラ弁などの可愛いもの、アカリには卵や鶏ササミなど高たんぱくでエネルギーになりやすい体育会系向け、そして桃姫には揚げ物、焼肉、炭水化物等々『罪深い』ものを渡してきた。特に桃姫のは表面上の反応ではなく内心を見抜いた見事なチョイスである。
そして大量の食事とともに始まるお花見大会。持ってきた料理を互いに分け合いつつ、桜をゆっくり干渉する。
「んー。こうしてると、季節を忘れそうだね。春の妖怪さんがまぎれてきたりしないかな」
アリスの言葉通りまるで今が春かのように錯覚させる光景だが、今の季節はもう梅雨に入り夏の気配もちらつき始めるころ。消え遅れた春の属性を持つ者がここに逃げ込んでいてもおかしくないそんな風景を見ながら、アリスは桜餅を口に入れる。
「人の多い会場等ですと、そういう楽しみ方は難しいですし」
時折移動したり、色々景色を見たり、場所取りに奔走しなければならないような花見では決してできない楽しみ方をるこるも満喫する。
さて、二人が持ってきた料理は先の通り相当な量だが、それでも違うものが欲しくなってくるのはこれ人情。そんな気分を持て余し始めた時、二人の前に突如ないと言われていたはずの屋台が姿を現した。
「ごきげんよう、いつもニコニコ貴方の街のお傍にダゴン焼き屋です」
それはサクラの宴と聞いて屋台を牽いてやってきた、中小路・楓椛(ダゴン焼き普及会代表・f29038)の屋台だ。
しかもこれはただの屋台ではない。
「【クロさん】、その辺りで。そーれ、ぽちっとな」
停車と同時にアウトリガーを展開、移動モードから店舗モードへと変形する屋台。明らかに片手間ではない、商売っ気前回のプロ仕様だ。
突然の屋台出現に思わずあっけにとられる二人の前で、楓椛は着々と商品の準備を始める。
「本業はダゴン焼き屋なのですが、普段回らない世界での営業ですので設備を流用して今回はタコ焼きなど他の粉モノを主体とします」
そう言って大粒の触手生物(タコ)を入れた焼き物を手際よく作っていくと、瞬く間に良い匂いが桜の中に漂い始める。
あっという間に出来上がったたこ焼を、るこるは思わず手に取った。
「これは美味しそうですねぇ……あ、よろしければこちらを」
代金替わりとばかりに自分の作ったお弁当をおすそ分けするるこる。それを受け取った楓椛はさらに屋台を広げ、次々と色々なものを作っていく。
「粉モノの他にも食材を幾らか持ち込みましたので、可能な限り皆様のご要望にお応えいたします」
「あ、じゃあ、ぼくはお好み焼き……辛くない奴で」
何か思うところがあるのか、辛くないという所を念押ししつつ注文するアリス。横でるこるが何かを察したような顔をしているのはなにゆえか。ともあれ注文に答え、楓椛は手際よく豚玉お好み焼き卵入りを作り、提供する。
「別の世界で調達した各種茶や清涼飲料水その他も準備しております。イスもありますのでおかけください。大いに」
喉が渇く製品を提供していることを自覚してか、飲み物の用意も抜かりない楓椛。参加者の年齢を考慮し酒類は用意していないが、その予想はぴたりと当たり客の2人は未成年。大いなるイスに腰掛け、桜と食事を楽しむ二人をいつもの笑顔で楓椛も見る。
「屋台の人の気持ちもちょっとわかりますねぇ」
少し前に大量跋扈した妖怪屋台のいずれかを思い出してか呟く楓椛。その前でるこる、そしてアリスはすっかり上機嫌だ。
「ようし、楽しくなってきたし、歌っちゃうよ。らららー♪」
すっかりいい気分歌い出すアリス。どうせ周りには誰もいないのだからと、るこるもそれを止めはしない。
桜の中、一時戦いを忘れ花を楽しむ三人。その声と心に答えるかのように、幻朧桜の花が勢いよく舞い上がり、カクリヨファンタズムに散っていくのであった。
大成功
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