銀河帝国攻略戦⑨~一人でも多くの民間人を救うために
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先の猟兵達による助力によって、『解放軍』の戦力は整った。
これより、帝国軍との決戦を解する事となる。
解放軍を一掃する予定だった『カイザー・レイ』も、現在は猟兵達の力で完全に破壊されている。銀河帝国は、防衛ラインを貼る事で解放軍を迎え撃つ気らしい。
今が好機。これを逃す手はない。
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「防衛艦隊との決戦に突入だ……!」
息を切らし、白い紙を揺らしながらグリモアスペースへと飛び込んで来たキマイラが一人。
ゾーヤ・マハノフ(キマイラのビーストマスター・f12664)既に戦闘の準備を整え、いつでも出撃できそうな猟兵達の熱量に驚きながらも、微笑を浮かべた。
「『解放軍』の戦力は既に『エンペラーズマインド』の防衛艦隊の戦力を凌駕していて、戦力だけで見るなら勝利は難しくはないだろう」
けれど、とゾーヤは続ける。
「解放軍は民間人の住居も兼ねた移民船団だから、大規模な戦闘の経験がない。いわゆる、士気が高い素人集団だ」
反面、帝国軍防衛艦隊を率いるのは、帝国軍最速とも言われる宇宙バイク乗りの『エンペライダーズ』。特殊部隊だ。
『エンペライダーズ』はその素早く強力な攻撃で、『解放軍』に大きく損害を与え、撤退に追い込もうとしている。
素人集団が束になって敵うかどうかは、考えてみるとわかると思う。
いくら戦力で勝っていても、それが簡単にひっくり返されてしまう可能性が十分にあるのだ。
「民間人が戦っているのを眺めているだけ、なんてできない。そうだろう?」
猟兵ならば、『エンペライダーズ』を迎え撃つことができるのだ。
「転送は任せてくれ。頼んだぞ、<<猟兵>>」
ゾーヤはその瞳に闘志を燃やしながら、その場にいる猟兵へと呼びかけた。
56
初めましての方は初めまして、56(ごろー)と申します。
皆様のお力を貸して頂きたく参上しました。よろしくお願い致します。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 集団戦
『彷徨うウォーマシン』
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POW : 多弾頭型収納ミサイルポッド
レベル分の1秒で【腰元から複数の誘導ミサイル】を発射できる。
SPD : 演算処理
【高性能ソナーによって】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 近接形態
自身に【強化外骨格】をまとい、高速移動と【スラスター】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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アルト・カントリック
【POW】
せっかく合流した『解放軍』を先導させるのは危ないな。僕が宇宙バイクで近付いて敵を引きつけよう。
ドリルランスを構えて、誘導ミサイルのターゲットにされたら、
「今だ!飛んでけッ!」
ユーベルコード【人工竜巻】を発動。誘導ミサイルが僕や味方に当たらないように、竜巻状の渦で巻き込み、まとめて爆発させるよ!
解放の為の道を切り開いてみせる!
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宇宙を切り裂くように、複数の宇宙バイクが疾駆していた。
目標である『解放軍』の移民船を目指し、空気も重力もない空間を猛スピードで駆け抜ける。
くだらない反骨心など粉砕し、スペースデブリにするために集った『エンペラーズマインド』が、レーダーに移民船を捕らえた。
と、その時、レーダーに移民船とは異なる反応が映り込む。
「『解放軍』に先導させるのは危ないな」
アルト・カントリック(どこまでも竜オタク・f01356)が、自らも宇宙バイクに騎乗しエンペラーズマインドの前に躍り出た。
すかさずエンペラーズマインドのウォーマシンから、アルトを狙って複数のミサイルが射出される。その軌道は確かにアルトを捉え、アルトの宇宙バイクが踵を返すと、それに従い追尾した。
ミサイルが追尾してくる事を確認したアルトは、ハンドルを切り返し宇宙バイクを操る。構えていたドリルランスを向かってくるミサイルに向けると、ユーベルコードを発動させた。
「今だ!飛んでけッ!」
ドリルランスから放たれた竜巻状の渦が、多数の誘導ミサイルを巻き込みながらエンペラーズマインドへと突っ込んだ。
追撃そして放たれたミサイルまでもが飲み込まれ、竜巻の渦の中で爆発した。
四散したミサイルの欠片が、竜巻と共に猛スピードでウォーマシンにぶつかっていく。
その初撃は、エンペラーズマインドに猟兵の到着を知らせるには十分なものだった。
エンペラーズマインドは、その標的を移民船から目の前で飛び回る猟兵達へと変更した。
大成功
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セット・サンダークラップ
相手が演算ならこっちも演算っす。予測勝負っすよ!
オルタコード・リードデバイスで相手の動きを読んで、アームドフォートで攻撃っす。直撃狙いより、相手の進路を妨害して[時間稼ぎ]ができるようにするっす。
可能なら他の皆さんや解放軍の皆さんに情報を流して役立ててもらうっす。
セラフィール・キュベルト
立ち上がられた皆様の勇気、決意を無為と帰すワケには参りません。
この身命賭して、皆様のことはお守り致します…!
可能な限り多くの敵を対象と捉え、鈴蘭の嵐を発動します。
敵そのもののみならず、可能であれば敵が放ったミサイル等の破壊も試みたいところ。
特に、解放軍の艦を狙って放たれたものを重点的に。
力の続く限り鈴蘭の嵐での攻撃を繰り返しますが、至近に敵が来ている場合はユーベルコードではない魔法攻撃(angelus luxisの光精霊の攻撃)にて対応します。
目潰しで行動阻害を試みた後に本命の攻撃を撃ち込む形にて。
竹城・落葉
士気の高い素人集団が戦闘のプロに挑んだら、返り討ちに会うだろうな。だからと言って、素人集団が戦力にならない、という訳ではあるまい。歴史とは、そうした大勢の素人集団が力を結集して動かしていったのだからな。だから、その歴史を変える瞬間に備え、協力しよう。戦闘のプロたる敵は、戦闘のプロたる猟兵の我が倒してやろう。
我は名物竹城を手に、【早業】で素早く『支柱一閃』の【2回攻撃】で切り伏せる。敵のミサイルは、【第六感】で攻撃を予測し、【残像】で避けるぞ。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で戦おう。我は元武将、すなわち戦闘のプロだ。未だ衰えぬこの技を、とくと受けて見よ!
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次々と現れる猟兵達に、『エンペラーズマインド』は改めて戦闘態勢へと移行する。
猟兵が動き出すより速く、宇宙バイクに乗ったエンペラーズマインドウォーマシンは、先程受けた損傷を覆い隠すように、次々とその身に強化骨格を纏う。
「解放軍として立ち上がられた皆様の勇気、決意を無為と帰すワケには参りません……!」
セラフィール・キュベルト(癒し願う聖女・f00816)の放った【鈴蘭の嵐】が、彷徨うウォーマシンへと降り注ぐ。
白く美しいウィンプルが白く可愛らしい大量の鈴蘭へと姿を変え、嵐となって宇宙を舞った。
スカートの様な可愛らしい見た目とは裏腹に、大量の毒を持った花弁が機械の体へ叩きつけられて行く。それは関節に入り込み、排熱口を塞いだ。
花びらを振り払おうと動き回るウォーマシンを、竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)の名物竹城が捉えた。
「――」
音もなく、敵のウォーマシンの胴体と下半身は二分する。
次いでもう一体、今度は頭部から宇宙バイクをも巻き込んで、縦一閃。
その表情は一切の無表情で、寧ろ冷酷な雰囲気すら醸し出していた。
元武将である落葉の実力は未だ健在。慣れぬ宇宙空間の戦いであることを一切感じさせない早業で敵を切り伏せた後、次の獲物を狩るために新たな標的を探す。まさに、戦闘のプロであった。
士気の高い素人集団が『エンペラーズマインド』の様な戦闘のプロに挑んでは返り討ちに合うのが関の山。とはいえ、素人集団が力を合わせた結果、歴史は動かされるのだ。今度もきっとまた、解放軍によって歴史は動かされるのであろう。
その歴史が変わる瞬間に備え、落葉は戦闘のプロとして強力しに参上したのだ。
「予測結果算出! 敵、ミサイル来るっす!」
【オルタコード・リードデバイス】で周囲の情報を解析していたセット・サンダークラップ(青天に光を見る・f05234)が猟兵達へ通信する。
「落葉さん1秒後に左へ回避、セラフィールさん上に2m飛んだ後で右下斜め45度に鈴蘭の嵐頼むっす!」
リアルタイムで解析しながら、それを共に戦う仲間へ伝える。
打ち合わせ無しに共闘となったメンバーだったが、流石猟兵の団結力。見事にその場で息を合わせ、誘導システムの備わった敵の攻撃を回避した。
「これで良いんでしょうかっ」
戸惑いながらもセットに言われた通りの方角へとセラフィールが鈴蘭の嵐を放てば、まさに今ミサイルを射出しようと開かれたミサイルポッドへと大量の鈴蘭が押し寄せた。
そのまま発射されたミサイルは、通路を鈴蘭で塞がれたまま爆発する。その爆発は格納されていた弾丸をも誘爆し、ウォーマシンは自らの攻撃によってその身を滅ぼす事となった。
「バッチリっす!」
意気揚々と宇宙空間を疾駆していた『エンペラーズマインド』の姿は既にそこにはなかった。あるのは、今まさに打ち倒されようとしている、傷ついた彷徨うウォーマシンの残党――……。
防衛艦隊突破まで、あとひと押し。
成功
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リステル・クローズエデン
さて、後詰めというわけでもありませんが。
あともう少しですね…
宇宙バイク〈プロトコメット〉に騎乗し
『迷彩1、目立たない1』で隠れつつ
遠距離から『暗視3+視力3』で狙いを定めて
【穿刃天舞】
『投擲15+念動力1、属性攻撃6、鎧無視攻撃8+鎧砕き6』で攻撃。
相手のミサイルも含めてオーラを纏わせた苦無で撃ち落とそうとします。
「やはり、銃も欲しいところですね。まあ今はこれで。」
相手の攻撃は
『見切り4+残像2+ダッシュ5+空中戦1+逃げ足1』で
高速移動と先の迷彩を駆使して回避します。
●宇宙空間に彷徨う
「後詰めというわけでもありませんが……」
未だ戦意は喪失していないらしく、負傷して尚戦闘を続けるウォーマシンの残党を、リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)が狙っていた。
愛車である宇宙バイク『プロトコメット』の灰色の装甲もあり、リステルの存在にはまだ気付かれていない。
そのまま目立たないように、リステルはそっと苦無や手裏剣を取り出し、構える。
「天ノ舞は、刃ノ風を呼ぶ」
前線で戦う猟兵に抗おうと動き回る敵に十分に狙いを定めた上で、その無数の武器は放たれた。
空間を切り裂き、舞い踊るように刃は敵であるウォーマシンを狙って鋭く突き進む。
彷徨うウォーマシンがその攻撃に気がついたのは、その無数の刃が直ぐそこに迫った時であった。
ウォーマシンが、腰元から誘導ミサイルを放とうと構える。
しかし。
「遅いです」
帝国軍最速、だったはずの部隊の一員であるウォーマシンは、数度に渡る猟兵達の攻撃によってその機能に遅延が生じていた。関節の動きも鈍く、攻撃を防ぐことすらままならない。
念動力によって正確にその身体へと導かれた苦無が、装甲を無視し、その頑丈な鎧をも砕いて貫通した。
貫かれ露出した部位から、バチバチと電気が跳ねるのを見た。
そしてそれきり、ウォーマシンの残党は動かなくなった。
その生命活動を停止した機械とバイクは、力なく宇宙空間を揺蕩いだす。
一先ずは、この防衛ラインは突破する事ができた様だ。
大成功
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