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大祓百鬼夜行⑥〜サクラ・サプライズアタック

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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●占拠された幻朧桜
 「幻朧桜の丘」と呼ばれる丘には、異世界から流れ着いたという魂と肉体を癒やす桜が咲き乱れていた。
 一陣の風と共に、桜の花びらによる花吹雪が巻き起こる。
 そんな幻朧桜の丘は、今、陣取ったオブリビオンの一団によって占領されていた。

『ここは我らが占拠するダルマ! 花見にぴったりのこの丘は我らのものダルマ!』
 ――桜吹雪の舞う中、雪だるまの軍団が立ち並んで花見をおこなっていた。

●お花見会場を取り戻せ
「というわけで、お花見スポットの幻朧桜の丘が、雪だるま軍団に占領されてしまいました。他の皆さんもお花見を楽しめるようにするために、お花見の場所取りマナーの悪い雪だるまのオブリビオンたちをやっつけてきてください」
 グリモアベースでアイ・リスパー(f07909)が猟兵たちの前でホロキーボードを操作すると、3次元ワイヤーフレームで構成されたお花見会場の様子が空中に映し出された。

 丘に何本も咲き乱れる桜は、異世界から流れ着いた幻朧桜だ。
 そして桜の周囲には、お花見をしている大勢の雪だるまのオブリビオンたちがレジャーシートの上に並んでいた。

「雪だるま軍団は幻朧桜を見ながらお花見をしていますので、油断しきっています。不意を突くのは難しくないでしょう」
 だが、オブリビオンを倒しても、幻朧桜まで傷つけたら本末転倒である。
 敵と戦う時には、過剰な威力の攻撃や範囲攻撃を避けるなどの工夫が必要だろう。

「幻朧桜の咲くこの丘は、妖怪たちの魂と肉体を癒やすことのできる場所です。なんとしてもオブリビオンから解放してください」
 そういうとアイは転移ゲートを開いた。

 雪だるまが花見って、桜吹雪と吹雪を間違えてるんじゃ――というツッコミは全員、心の奥にしまっておくのだった。


高天原御雷
 このシナリオは「戦争シナリオ」です。1章で完結し「大祓百鬼夜行」の戦況に影響を及ぼす特殊なシナリオとなります。

 オープニングをご覧いただき、どうもありがとうございます。高天原御雷です。
 周りでは桜の下でのお花見が開かれていますが、たまには運動などもいかがでしょうか?
 特に深く考えず、季節外れな雪だるまたちをやっつけましょう。あ、一応、幻朧桜は傷つけないように気をつけてください。
 なお、オブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出できますので、遠慮なく倒してしまいましょう。

●プレイングボーナス
 幻朧桜を傷つけないように戦うとプレイングボーナスがつきます。
 また、油断している雪だるま軍団に奇襲をかけることでもプレイングボーナスがつきます。


 オープニング公開からプレイング受付を開始します。
 今回は戦争シナリオなので、完結速度優先にして採用人数を絞らせていただくかもしれませんが、ご了承ください。
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第1章 集団戦 『『剣客』雪だるま』

POW   :    雪だるま式に増える
自身が戦闘で瀕死になると【仲間】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    抜けば玉散る氷の刃
【その手でどうやって持つんだかわかんない刀】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    雪合戦
レベル×5本の【氷】属性の【雪玉】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夜刀神・鏡介
これは幻朧桜――何故此処にあるのか気になるが、今までも世界が繋がっている例はあったし、そういうものだと考えて、今はこの桜を守ることを考えよう
敵を視認できる程度の距離で神刀の拘束を解除。紫紺の神気を身に纏う――参の秘剣【紫電閃】
油断している奴らに向けて、超高速のダッシュで接近して不意打ちを仕掛ける。一刀一殺、斬りつけたら即座に身体を翻して次の敵へ
この速度なら敵の反撃もそうは当たるまいが、反撃が来たなら敵の刀を素早く受け流してカウンターを叩き込む

此方も刀、相手も刀であればそう簡単には幻朧桜が攻撃されるようなことはあるまいが、念の為敵が桜に近づかないように自分の立ち位置を調整していく




「これは幻朧桜――何故ここに?」
 幻朧桜の丘に咲く桜を見上げた夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)が目を見張る。
 サクラミラージュの軍学校の制服に似た衣装を身にまとっている鏡介は、幻朧桜が咲き誇る、かの世界出身の猟兵だ。先日軍学校を卒業した今は修行として便利屋稼業を営んでいる。その仕事の一環でやってきた異世界にて見慣れた桜を目にするとは、運命のようなものを感じざるを得ない。
「――まあ、今はこの桜を守ることを考えよう」
 これまでもサクラミラージュが他の世界と繋がっていることはあった。今回もそういうことなのだろうと無理やり納得し、鏡介は腰に差した二本の刀――鉄刀【無銘】と神刀【無仭】の重みを感じつつ、幻朧桜の丘へと歩を進めた。

 丘に近づくと、情報通り花見のどんちゃん騒ぎを繰り広げる雪だるま軍団たちが目に入る。
『もっと酒を持ってくるダルマー!』
『くーっ、酒が五臓六腑に染み渡って溶けていくダルマ』
『それほんとに溶けてるダルマ! 救急班ー! 急いで冷たい雪を持ってくるダルマー!』

「――どうやら敵は油断しているようだな」
 のんきに花見をしている雪だるま軍団を目視した鏡介は、腰に帯びた神刀を封じる鎖と霊符の拘束を解除した。白鞘から抜き放たれるは、森羅万象を断ち斬る一振りだ。
「神刀解放。我が刃は刹那にて瞬く――参の秘剣【紫電閃】」
 紫紺の神気をその身にまとった鏡介は、地を縮めるかの如き神速の踏み込みによって、雪だるま軍団との距離を一気に詰める。振るわれた神刀は、雪だるまの一体を斬り裂き、その体内の骸魂を消滅させた。
『な、何が起こったダルマ!?』
『て、敵襲ダルマ!』
 ようやく鏡介に気がついた雪だるま軍団だが、その時には、すでに3体、4体と次々と雪だるまが斬り捨てられた後だった。

『おのれ、こっちからも反撃ダルマ!』
 刀を構えた雪だるまが、鏡介の背後から斬りかかる。
 その一撃が命中するかと思った瞬間――鏡介の姿がかき消えた。背後から殺気を感じ、神速の動きによって剣の軌道から身をかわしたのだ。
『すばしっこいダルマ!』
 正面から刀を振り下ろしてくる雪だるま。
 だが振るわれた刀は鏡介の神刀によって受け流され、そのまま返す刀で雪だるまは真っ二つにされた。
「実家の道場での修行も怠ってはいないから、剣術勝負なら遅れを取るつもりはない」
 小さく呟いたあと、鏡介は次の敵へと向かっていった。

 こうして、幻朧桜が戦いに巻き込まれないように位置取りをしながら、鏡介は次々と雪だるまたちを斬っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「異界の地にある、先達の丘…必ず守ります」

隠れて術範囲ギリギリまでそっと近付き高速・多重詠唱で炎の精霊召喚
一気に術範囲に飛び込みUC「召喚・精霊乱舞」で雪達磨のみを追尾する炎の魔力球放ち奇襲する
そのままなるべく戦場近くで全体を見渡せる位置に移動
雪達磨とホーミング魔力球の様子を伺い、第六感や見切り等で
「これを弾かれたら幻朧桜に当たるかもしれない」と判断したら全力で其処に飛び込んで盾受けして幻朧桜を庇う

戦闘終了後は花見をしたがった骸魂達の転生願い小さく鎮魂歌を歌ってから解放された妖怪達を確認
余力がありそうだと判断したらお茶振る舞い花見に誘う
「お疲れさまでした。気晴らしに花見をしてから帰りませんか」




「異界の地にある、先達の丘……必ず守ります」
 幻朧桜咲き乱れる丘を視界におさめた桜色の髪の女性が決意のこもった言葉を紡ぐ。パーラーメイドの制服に身を包んだ桜の精、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)だ。
 桜の精は、幻朧桜から生まれる妖精である。そのため、桜花にとっては丘に生える幻朧桜が他人とは思えなかった。
 桜花は、足音を忍ばせながら、お花見で騒いでいる雪だるま軍団に近づいていく。

『いやぁ、この桜はいい桜だダルマ』
『カクリヨファンタズムのどこを探しても、これ以上の桜はないダルマね』
 雪だるまたちが幻朧桜に見とれているところに、桜花は勢いよく躍り出る。

「先達を褒めていただけるのは嬉しいですが、それを独り占めするのは許せません。マナーの悪いお客様にはお帰りいただきます」
 バサリと鉄扇を広げた桜花がそれを優雅に振るうと、周囲に幻想的な桜の花びらが舞い踊る。
 その桜吹雪に導かれるように精霊たちが集まってきた。
「おいで精霊、数多の精霊、お前の力を貸しておくれ」
 召喚・精霊乱舞によって炎の精霊によびかける桜花。それに応えた炎の精霊が彼女の周囲に姿を現し、炎の球を生み出していく。
 それは敵のみを精密に追尾する魔力弾だ。

『て、敵襲ダルマ!』
 雪だるまたちが桜花に気付いて身構えるが――もう遅い。
 桜花が召喚した炎の精霊たちから放たれた炎の魔力弾は、雪だるまたちに精密に命中し、その身に宿る骸魂を燃やし尽くしていく。
『よ、よくもやってくれたダルマね!』
『どこに行ったダルマ!?』
『あそこダルマ!』
 炎の精霊による奇襲をおこなった桜花は素早く位置を変えて、敵軍団を見渡せる広い場所に移動していた。そこならば、周囲に幻朧桜はないので、桜を傷つける心配なく戦える。
「精霊たちよ、さらなる力を貸しておくれ」
 鉄扇が振るわれると同時に生み出された炎の魔力球が雪だるま軍団に命中して、骸魂を浄化していった。

 だが、雪だるま軍団も黙ってやられてはいなかった。
『くっ、こちらも反撃ダルマ!』
 雪だるまたちが放つのは、桜花とは正反対の氷属性の雪玉だ。
 雪玉が桜花に迫るが――。
「その程度の攻撃には当たりませんよ」
 直感によってそれを見切って舞を舞うかのように華麗に回避した桜花は、炎の魔力弾で雪だるまを撃ち抜いた。

『こうなったらデタラメに雪玉攻撃ダルマ!』
 やぶれかぶれになった雪だるまが狙いも付けずに雪玉を乱発するが、そのような攻撃が桜花に当たるはずもない。雪玉は明後日の方向に飛んでいき――。
「あっ、いけませんっ!」
 全力で疾走した桜花が、その雪玉の進路に飛び込み、手に持った銀色のお盆でそれを防いだ。

 ――背後に生える幻朧桜が無事なことを確認し、桜花はほっと胸をなでおろす。

「暴れられるのでしたら、お花見会場の外でお願いします」
 桜花は、炎の魔力球で雪だるま軍団にお灸を据えたのだった。

 戦いが終わって、舞い散る幻朧桜の下、桜花は物思いに耽っていた。
「幻朧桜によって妖怪の魂と肉体が癒やされる――それは、影朧と同じなのではないでしょうか?」
 それならば、彼女の役目は一つだ。
 桜花は桜の精として、骸魂の転生を祈りながら鎮魂歌をうたう。
 どうか、骸魂たちが妖怪として生まれ変われますように――。

『うう、ここは一体……ダルマ』
『そうか、親分たちを追って骸魂を飲み込んだんダルマ』
 桜花の炎によって骸魂と分離した雪だるま妖怪たちが目を覚ましていく。

 それを見た桜花はお茶を用意しながら笑顔を浮かべ――。
「お疲れさまでした。皆さん、気晴らしに花見をしてから帰りませんか? ただし、騒ぎ過ぎはダメですよ?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィーナ・ステラガーデン
まああんたも飲みなさいよ!(当たり前のように雪だるま達と共に呑んでる)
あー。やっぱり花見酒よね!風情があって良いと思うのよ!
あら?いけるクチね!あんた!っていうかあんた冷たくない!?
身体が冷えちゃ風邪引くわよ!ほら!鍋食べなさい!鍋!
え?溶ける?とろけるくらいの方が美味しいのよ鱈は!!
なんか周りが騒がしくなってきたわね?
え、敵なのこれ?最初から言いなさいよ!!
アイが最初に言ってた?私が聞いてるわけないじゃない!!!

というわけで戦闘よ!
適当に食べ終わった鍋を蹴り飛ばして出汁をぶっかけてやるわ!
桜を傷つけちゃ駄目って難しいこというわね!?
UCの黒炎を操作して雪玉と一緒に雪ダルマを溶かすとするわ!




 幻朧桜の咲く丘。桜の舞い散る幻想的な風景の下で、お花見を楽しむ雪だるまたちに混じってレジャーシートに座る金髪の魔女がいた。魔女の帽子を被ったダンピール、フィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)である。
 フィーナは幻朧桜を見上げて大声で叫んだ。
「やー、これは見事な桜ね! まさにお花見にぴったりじゃない!」
『お、ねーちゃん分かってるダルマね。一杯どうダルマ?』
 花見に興じる雪だるまが手(?)に持った一升瓶をドンと地面に置く。そこには『銘酒・雪見酒』というロゴが書かれていた。
『おいらたちの新鮮な雪解け水で作ったお酒ダルマ。味は保証するダルマよ』
「あら、いいわね。それじゃ遠慮なくいただこうかしら。けど、あんたたちが溶けた水って、それ、汗とかじゃないでしょうね?」
 そう言いつつも、升に注がれたお酒を豪快に飲み干していく金髪の魔女。
 升を一気に空にして、ぷはぁっ、と息を吐き出した。
「くーっ、やっぱり花見酒は最高ね! あと、この『雪見酒』、すっと喉を通っていく透明感のある味。かなりいいお酒ね!」
『いやー、褒められると照れるダルマ。おいらたちの故郷の名産ダルマよ。通信販売でも売ってるから良かったら注文してくれダルマ』
「いいわねいいわね。それじゃ、この住所に――」
 というところで、フィーナははっと状況に気付いた。
 目の前で花見をしている雪だるま軍団。その冷たい身体を見て――。

「ちょっと大変、アンタ、すっごく身体が冷えてるじゃない! そのままじゃ風邪引くわよ! さ、この温かい海鮮鍋でも食べて温まりなさいな!」
 フィーナが花見用に用意してきた鍋を取り出すと、雪だるまたちは興味津々にそれを覗き込む。
『お、酒のつまみに良さそうダルマね』
『おいらもいただくダルマ』
「はいはい、まだまだたくさんあるから押さない押さない」
 フィーナはアツアツの鍋から具を取り分け、雪だるまたちに手渡していく。
 皿に取り分けられた鍋の具を食べた雪だるまたちは驚愕の表情を浮かべた。
『こ、これは何ていう具なんダルマ!?』
「あら、アンタたち知らないの? これは鱈よ。鍋にするとすっごく美味しいんだから」
 フィーナの言葉を聞いた雪だるまたちの身体に電撃が走る。
『鱈――雪の魚だなんて、まるでおいらたちのためにあるような食材ダルマ!』
『この美味しさ……まるで身体が溶けてくみたいダルマ!』
 実際に、雪だるまたちは食べた鱈と鍋の熱によって身体が溶けていっているのだが、この場にそんな些細なことを気にする酔っぱらいはいなかった。

「そうそう。とろけるくらいの方が美味しいのよ、鱈は。けど、アンタたちが鱈食べたら共食いなんじゃないの?」
『美味ければ何でもいいダルマ。さ、ねーちゃんも鱈を食べつつもう一杯』
「くーっ、花見をしながら鍋をつついて美味しいお酒! 生きててよかったって感じる瞬間よね!」
 海鮮鍋をつつきながら、フィーナは一升瓶をラッパ飲みする。

「さて、花見も盛り上がってきたし、アンタたち、何か一発芸でもしなさい」
 目が据わってきたフィーナに命じられた雪だるまたち。
 だが、こっちも酔っ払い。ノリノリで命令に従っていく。
『なら、取っておきの隠し芸、雪玉のお手玉を披露するダルマ!』
 前に出た雪だるまが、枯れ枝でできた両手の先にどこからともなく雪玉を発生させる。そして、それを空中に放り投げ、器用に反対側の手でキャッチ。次々とお手玉をしていく。
「おー、いいわねいいわね!」
 雪だるまに酒を酌してもらいながら、フィーナがやんやと喝采を送る。
 だが、お手玉をする雪だるまは、フィーナに向かってドヤ顔で告げた。
『甘く見てもらっては困るダルマ! おいらの雪玉はレベル×5個あるダルマよ!』
 雪だるまがお手玉をしている雪玉が、10個、20個とどんどん増えていく。
 このままだと、果たして何個まで雪玉が増えるのか!

「あら、やるじゃない! こうなったら、この私も取っておきの芸を披露するしかないわね!」
『待ってましたー!』
『いいぞ、ねーちゃん! 雪だるま二郎の芸に負けないものを見せてくれ!』
 すっくと立ち上がったフィーナに、雪だるまたちの声援が飛ぶ。
 それを受け、フィーナは自信満々の笑みを浮かべた。

「それじゃあ、私は炎を使った芸よ! 其は全てを飲み込む黒き炎、我が眼前に――」
 ――と、そこまで呪文を詠唱したところで、ふらつくフィーナ。
 お酒を飲んだところで急に魔力を練ったので仕方がないとも言えるが、その莫大な魔力は【喰らう灼熱の黒炎】――つまり凄く熱い炎となって、周囲の空間に吹き荒れた。

『あ、熱いダルマっ!』
『身体が溶けるダルマ!』
 すっかり油断し、鍋で身体が溶けかけていた雪だるまたちには、この炎は絶好の奇襲となった。
 雪だるまたちの身体が炎に包まれ、オブリビオン化の原因となっていた骸魂が焼き尽くされていく。

「ごっめーん。ちょっと制御失敗しちゃったわ」
『大丈夫ダルマ。なんか憑き物が落ちたみたいに、頭がスッキリしたダルマ』
『さあ、新しい酒ダルマよ』
「よーし、今日は朝まで飲み明かすわよ!」

 ――翌日、二日酔いの頭痛で頭がガンガンするフィーナが、苦悶の表情を浮かべながらグリモアベースに帰還したという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天星・雲雀
桜舞う雪景色。綺麗ですけど異常気象っ気がありますね。幻朧桜だから真冬でも満開で咲き誇るのでしょうね。

さてさて、他の花見客が待ってますので、雪だるまさん達には早々に退場願いましょう。

【攻撃】離れた位置から機械式の義眼で敵の陣形を索敵。雪だるまが桜に気を取られてる隙きに(桜に傷を付けないように丁寧に素早く)UC操り糸で、一体づつ解体していきます。

群れから外れた者や連絡係を集中的に襲って、団体行動はさせません。

不用意に近づいてきた敵には[花札]や分身した[真球鍋]を投擲して倒します。
うっかり間違えて、すぴすぴ寝てる[アムちゃん]を投げてるかもしれません。
強烈なキック音が、雪の塊を崩す音が聞こえます。




「桜舞う雪景色。綺麗ですけど異常気象みたいでもありますね」
 桜舞い散る丘にレジャーシートを敷き詰めてお花見をする雪だるまたちを見た天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)が、不思議なものを見たというように言葉を紡いだ。
 実際、まるで雪景色の中で桜が咲いているかのような光景だ。
「まあ、幻朧桜だから真冬でも満開で咲き誇るのでしょうけれど」
 一年中、幻朧桜が咲き誇るサクラミラージュの風景を脳内に描き、納得する雲雀だった。
 離れた位置から雪だるまたちを観察していた雲雀は、その赤い機械式の義眼によって雪だるまたちの陣形を分析する。
「さてさて、他の花見客が待ってますので、雪だるまさんたちには早々に退場願いましょう」
 雲雀は光の粒子を凝縮した操り糸を手に持ち、ゆっくりと幻朧桜の丘に近づいていった。

『いやー、いい花ダルマね』
『絶好の花見日和ダルマ』
 花見をする雪だるまたちの話し声が聞こえてきて、雲雀は妖狐の狐耳をピクリと動かす。
「雪だるまたちが桜に気を取られている今がチャンスですね。一体づつ確実に解体していきましょう」

 雲雀は、気配を殺しながら幻朧桜の影から影へと移動していく。
『おーい、酒が切れたダルマ!』
『仕方ない、取ってくるダルマ』
 酒を取りに行こうと、花見の席から立ち上がり離れていく雪だるまをみつけ、雲雀は足音を忍ばせて背後に忍び寄る。
 酒によった雪だるまは、雲雀の接近に気付きもしない。
『っと、酒はこれダルマね――』
「群れから離れたのが運の尽きでしたね」
 雲雀の冷たい声が雪だるまの背後から聞こえてくる。
 突然の声に振り返る雪だるま。――だが、もう手遅れだ。
 雲雀の指が閃いたと思った瞬間、雪だるまの身体はバラバラに切り刻まれていた。

『おーい、酒はまだダルマか?』
 そこにやってくるのは、次なる哀れな犠牲者の雪だるまだ。
 雲雀は手にした花札と、分身した真球鍋を投げつける。ついでに間違って放り投げられた、うさぎのアムちゃんが雪だるまに強烈なキックを入れて、それを打倒していた。

「さて、団体行動はさせませんよ」
 再び物陰に身を隠した雲雀は、次々と雪だるまを闇討ちして、ついには雪だるまの一団を壊滅させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

あの雪だるま達花見を満喫している…だと?
なんと、うらやまけしからん…成敗してくれる!

【迷彩】施し幻朧桜に紛れながら【目立たない】ように気を付け接近
幻朧桜の前にこっそり【結界術】で結界張り桜へのダメージを防ぐ

こちらの間合いまで詰め寄ったら【生命力吸収】の波動を【範囲攻撃】で拡散、敵にぶつける
波動が命中したらそれを機に破邪顕正
UCの行動不能効果を付与し相手の身動きを封じる

さぁ、占拠した罪は大きいよ?
【破魔】付与の刀で一刀両断!成敗する!
身動きを封じている敵が複数いるなら舞うように次々と切り伏せていこう!

うん、桜吹雪がちょうどいい!


菫宮・理緒
司さん(f05659)と

桜を見ながら楽しみたい気持ちはわかるけど、
どこの世界にも迷惑系の人はいるんだね。
「お花見の場所はみんなのものだからね!」


実際に現場を見てみると、そこはなかなかの風景で。
……えっと。
「あれ、オブリビオンなんだよね? アートじゃないよね?」

ブルーシートに並んだ雪だるまと
そこに積もる桜吹雪に、ちょっと混乱気味になりますが、
そこは司さんの声で覚醒。
「あ、はい! そだねアートはお花見しないよね」
奇襲に気持ちを切り替えます。

戦闘では、切り込んでいく司さんをフォロー。

【E.C.O.M.S】を使って、雪玉にぶつけて壊していこう。
機数に余裕があれば、雪だるまへの突撃もさせちゃおうかな!


椎宮・司
【理緒(f06437)さんと】

雪だるまがお花見なあ…
見た目なご……まないなコレ
あ、もしかして吹雪違いかコレ?

ま、祭りは皆で楽しむもんだ
一緒に楽しめないような輩はお姉さんが退治してあげよう
ツッコミどころが多くて困るが…よし!
気を取り直していこう理緒さん
援護、よろしく頼むよ

理緒さんの放ってくれたユニットに紛れて
【水切り突き】で一気に間合いを詰める!
3体くらい貫くと団子みたいに…いや、すまん忘れてくれ
「あたいも雑な方だが、それでもどう刀持ってるんだかわからない輩に負けるわけにはいかないのサ!」
雪玉の防御は理緒さんにお任せだ
ユニットに刀当てないようにしないといけないね
協力して着実に潰していくよ




「桜を見ながら楽しみたい気持ちは分かるけど、どこの世界にも迷惑系の人はいるんだね。そういう人たちには、お花見はみんなの場所だよ、って教えてあげないと、ねー」
 黒髪で片目を隠した少女、菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)が、マナーの悪い花見客に意見しようと、ぷうと頬を膨らませた。
 理緒の言葉に、薄黄地の振り袖を着た女性、椎宮・司(裏長屋の剣小町・f05659)も同意するように頷く。
「祭りは皆で楽しむもんだ。一緒に楽しめないような輩はお姉さんがお仕置きしてあげよう」
「ええ、俺も一緒に文句を言ってやりましょう」
 両手に花で幻朧桜に向かう黒髪の青年、鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)が二人だけに負担をかけまいと気合を入れる。
「さすがひりょさん、頼りになる、ねー」
「ああ、あたいも正義感の強いところは好印象だね」
 突然女性陣に褒められたひりょが困惑の表情を浮かべて、わたわたし始めた。
「ちょ、ちょっと、二人とも、からかわないでくださいよ」
「ふふ、ひりょさんは、からかいがいがあるねぇ」
 イタズラっぽく笑みを浮かべ小声で呟く司の隣で、理緒は不思議そうに首をかしげているのだった。


 雪だるまが見たら思わず溶けてしまいそうなやり取りをしながら幻朧桜の丘へとたどり着いた一行。
 その眼前に広がるのは、一面の雪景色――否、幻朧桜が舞い散る中、ずらりとビニールシートの上に座ってお花見をしている雪だるま軍団たちの姿だった。
「あの雪だるまたち、花見を満喫している……だと?」
「雪だるまがお花見なあ……見た目なご……まないなコレ」
 ひりょが驚愕の表情を浮かべ、司はどこか遠くを見つめるような表情になっていた。
 理緒にいたっては、正気を疑うような眼前の光景に混乱し、思わず呆然とした言葉が口からでていた。
「えっと。あれ、オブリビオンなんだよね? アートじゃないよね?」

 宴会する雪だるまたちの様子を見たひりょは、お腹からぐぅ~という大きな音を立てながら憤慨する。
「おのれ、雪だるまめ、花見をしながら飲み食いしているとは、なんてうらやまけしからん……腹の虫がおさまらないから成敗してくれる!」
「いや、それ、腹の虫じゃなくて腹が鳴っただけじゃないかい? ほら理緒さんも気を取り直して。アートなわけないだろ、アレ。ってか、ツッコミどころが多くて困るよ!?」
 司が、実は大食いなひりょにツッコミを入れつつ、現実逃避する理緒を現実に引き戻す。
「はっ、そだね、アートはお花見しないよね!」
 気を取り直した理緒が改めて戦闘態勢を取ると、司も肩からかけていた朱塗りの鞘から野太刀を抜き放った。

 ――振り袖に野太刀な司姐さんがツッコミどころ満載とか言ってはいけないのだ。斬られちゃうから。


「まずは俺が先行するよ」
 ひりょは衣服に桜の花びらをまぶすことで迷彩を施し、目立たないように幻朧桜の陰から陰へと足音を忍ばせて進んでいく。その最中、幻朧桜に結界術で守りの結界を張っていくことも忘れない。
「ひりょさん、気をつけて。援護は任せて、ねー」
「あたいは理緒さんの援護に紛れて突っ込むよ」
 理緒が【E.C.O.M.S】により正八角形の戦闘用ユニット群を召喚し、司はその後方で野太刀を構える。

 援護の準備が整った合図を受け、ひりょが幻朧桜の陰から生命力吸収効果のある波動を放った。
『何が起こったダルマ!?』
『力が抜けてくダルマ~』
「よし、今だ。幾多の精霊よ、かの者に裁きを……破邪顕正!」
 ひりょの放った波動に、さらに退魔の力が付与される。
 邪を滅する聖なる波動は、雪だるまたちにダメージを与えつつ行動不能に陥らせていく。行動不能にまでならなかった雪だるまも、毒を受けたり戦意喪失したりと異常状態になっていった。

 しかし、雪だるまたちの数は多い。ひりょの一撃で無力化しきれなかった雪だるまたちが反撃の体勢に移る。
『くっ、反撃ダルマ!』
 ようやく敵襲を受けていると気付いた雪だるまたちが、地面に酒瓶や升を丁寧に置きつつ、無数の雪玉を召喚した。
『一斉に放つダルマ!』
 ひりょは飛んでくる雪玉を、結界で守っている幻朧桜の陰に隠れて回避する。
 だが、雪だるまたちの数は多い。回り込んだ雪だるまからの全周囲攻撃を受けては、木に隠れて回避し切ることは難しいだろう。

 じりじりと包囲してくる雪だるまたち。
 ――そこに、理緒の声が響き渡った。
「作戦行動、開始!」
 正八角形の戦闘用ユニット群『Octagonal Pyramid』が理緒の命令に従って飛翔し、ひりょに迫る雪玉を迎撃していく。さらにそのまま雪だるまに突撃し、その身体を貫くと骸魂だけを引き剥がした。

 理緒の正八角形戦闘ユニットたちに紛れながら、司が雪だるまたちとの間合いを一気に詰める。
「剣の基本は足捌き、逃がしゃしないサ!」
 【水切り突き】の構えを取ったまま雪だるまたちの至近距離まで近づいた司は、野太刀を雪だるまに突き刺した。雪だるまの集団に向かって野太刀の突きを放ったため、3体まとめて刀に雪だるまが突き刺さり、まるで団子のようである。
「花より団子、ってね。たっぷり団子を拵えさせてもらおうかね」
「司さんはそのまま攻撃を続けてください」
 理緒が『Octagonal Pyramid』を数十機、司の直掩につける。
「あたいも雑な方だが、それでもどう刀持ってるんだかわからない輩に負けるわけにはいかないのサ!」
 ユニットたちと協調しながら司の野太刀が振るわれていき、次々と雪だるまが串刺しになっていった。

「さぁ、花見を占拠した罪は大きいよ?」
 ひりょは仕込み杖から破魔の力を帯びた刀を抜いて構えると、雪だるまたちと対峙する。
 そして、桜吹雪の中を舞うように駆け抜け、雪だるまたちを次々と斬り伏せていった。


『ここはどこダルマ?』
『なんか宴会してたような気もするダルマ』
 骸魂から解放された雪だるまたちが正気を取り戻していく。
 オブリビオンから元の善良な妖怪に戻ったのだ。

「やれやれ、これで一件落着みたいだね」
 司が野太刀を鞘にしまいながら息をつく。
 一方の理緒は、雪だるまたちにお花見のルールを教えていた。
「いいですか、雪だるまさんたち。桜の木の下は皆のものです。大勢で場所取りとかしたら迷惑だから、ねー」
『わかったダルマ』
『すぐに移動するダルマ』
 お説教を聞いた雪だるまたちは、そそくさとビニールシートを移動させ、花見会場の独り占めをやめる。これで他の妖怪たちもお花見ができるようになるだろう。

『ご迷惑をかけたお詫びに、皆さんも一緒に花見はどうダルマ?』
「え、いいのか? じゃあ遠慮なく……」
 ひりょの言葉に理緒と司も頷くと、雪だるまたちとともに花見が始まった。

 ――幻朧桜の丘を一陣の風が吹き抜け、ザァっと桜吹雪が舞い散った。

 雪だるまたちから食べ物を受け取りつつ、ひりょが頭上を仰ぎ見る。
「うん、花見には桜吹雪がちょうどいい!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月20日


挿絵イラスト