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大祓百鬼夜行⑱~ニクカリ

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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●カクリヨファンタズム
「ニク……ニク……ニクゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! ワシらに、肉をくれェェェェェェ!」
 UDC-Nullとは、UDC怪物ではないと証明されたもので、単なる戯言として分類されていたモノだった。
 だが、それは単なる思い込み。
 実際には、かつて存在していたモノだった。
 それが骸魂と合体して帰ってきた。
 自らが存在している事を示すため。
 その存在が戯言ではないと証明するために……!

「大変な事になったんだよ!」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が猟兵達を前にして、今回の依頼を説明した。
 帰還した妖怪の名は、『ニクカリ』!
 元々ニクカリは仏の遣いで、急死した者の肉体を使い、知人へ挨拶を行わせるモノだった。
 それが骸魂に呑まれた結果、生死を問わず肉体に潜り込む様になった。
 その事が引き金となって、ニクカリが次々と増え、無視する事が出来ない状況に陥っていた。
 おそらく、ニクカリ自身も本来の目的を忘れ、欲望の赴くまま行動しているのだろう。
 とにかく、増えて、増えて、増えまくる事しか考えていない。
 そう思えてしまう程、手当たり次第に遅いまわっているようだ。
 その噂を聞いた者達が、真相を確かめるため、現場に向かっているらしい。
 しかし、ニクカリを目撃したら、最後。
 ケガを負うだけでは済まないだろう。
 最悪、命を落としてしまうため、何としてでも阻止する必要があった。
 そのため、ガジルは猟兵達に対して、増殖しつつあるニクカリ達の退治を依頼するのであった。


ゆうきつかさ
 どうも、ゆうきつかさです。
 この依頼は戦う事がメインなので、難しい事を考える必要はありません。
 とにかく、戦う。
 ニクカリを狩って、狩って、狩りまくる事が目的です。
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第1章 集団戦 『ニクカリ』

POW   :    お礼参り
自身の【寄生した肉体の無念解決】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    今生焼き
自身の【命】を代償に、【寄生先に憑依するヒヌカン】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【紅蓮の炎】で戦う。
WIZ   :    死期目
攻撃が命中した対象に【運命的生命力を減少させる呪い】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と発生する「不慮の事故」】による追加攻撃を与え続ける。

イラスト:FMI

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御倉・ウカノ
*アドリブ歓迎
判定:WIZ

お前さん達も悪い存在ではないのだろうが…過ぎたるは猶及ばざるが如し、ってこった。少しばかり数を減らしてもらうよ。

まあ、こういう数が多い相手にはうってつけの業があるから、ちゃっちゃと手際よくいこうか。UC『狐薊』を発動してニクカリたちをじゃんじゃん狩っていくよ。ニクカリ達の打ち漏らしを減らすためにも、逐一捜索もしていきたいね。幸い『失せ物探し』にはそこそこ自信があるから、UDCアースで暴れてる分は一度狩りきる勢いで対応していこうか。

「お前さん達に罪は無いかもしれんが、無秩序に増えられちまうと困っちまうもんでね。きっかり駆除させてもらうよ」


董・白
※アドリブや他猟兵との連携OKです。

【心境】
「肉体を借りるから『にく』『かり』ですか…なんか肉を狩るから『にく』『かり』になってませんか…」
そして猟兵に狩られる…
とりぷるねーみんぐ…という奴ですか?

【行動】
数には数で対抗します。
お手製の宝貝人形に道術で一時的に生命力を宿らせた宝貝人形。黄巾力士を使用します。
頑張れ黄巾力士!あんま強くないけど数は力です(ぇ)
私も戦いますよ。
結界術で攻撃を防ぎつつ、道術で黄巾力士を強化し、破魔の霊符を黄巾力士に配布します。
それを敵に張り付けてください。邪悪には効果が抜群です。きっと…。


サリー・オーガスティン
■POW
ここは思い切って、叩いて目を覚まさせればいいんだね?
よし!
(使える武器総動員して、弾丸を叩き込む)

【フルバースト・マキシマム】
数には数だ!ボクの内蔵兵器やアームドフォート、銃の総動員だ

【操縦、騎乗、地形の利用、情報収集】で手薄なところを見付けたら、
【一斉発射、誘導弾、2回攻撃、零距離射撃、なぎ払い、援護射撃】で、一気に吹っ飛ばす!

数も多そうだから、一所に長居は出来ないね
【迷彩】も使って、深追いしすぎないように離脱しなくては。

お礼参りは気にはなるけど、増殖を止める方が先。
割切った戦いにはなるけど、仕方無いよね。

結果ボクが負傷しても、それはそれで仕方無いか。

※アドリブ・連携共歓迎


エドゥアルト・ルーデル
ニク狩り行こうぜ!気軽に殴って解決!素晴らしいでござるね!

肉体憑依系なら…対抗して拙者も憑依させるしかあるまい!!
自らの肉体にオーバーソウル【流体金属】君!!メタルクロヒゲ爆誕!!
セッしャのにクタいにジツにヨくナじむ…誰でござるか妖怪より妖怪とか言ったのは聞こえてンでござるよ!拙者人間!アイムヒューマン!!

身体能力上昇なら流体金属と合体した拙者も負けちゃいねぇでござる!
鉄の拳が叩いて砕く!流体金属パンチ!手を刃物に変形させ流体金属チョップ!頭部を鞭っぽく変形して複数纏めて薙ぎ払い!ノーカラテ・ノーリョウヘイでござる
最後はやっぱ火葬だよね!火炎放射器!ヒャッハー!



●カクリヨファンタズム
 ニクカリが最初に感じたのは、寒気と……飢えだった。
 それ故に、求めた。
 人の身体を……ぬくもりを……。
 結果的に、その事が原因で相手が死んだとしても、ニクカリにとっては些細な問題だった。
 だが、人の皮を被っても、寒さと飢えからは、逃れる事が出来なかった。
 それどころか、極度の寒気と、底なしの飢えに襲われ、頭の中が真っ白になった。
 それでも、ニクカリは人を襲う事を止められなかった。
 今度こそは……次こそは……。
 真っ白になった頭の中に浮かんだのは、そんな言葉ばかりであった。
「肉体を借りるから『にく』『かり』ですか。……なんか肉を狩るから『にく』『かり』になってませんか……? そして、猟兵に狩られる……。なるほど、とりぷるねーみんぐ……という奴ですか?」
 董・白(尸解仙・f33242)が妙に納得した様子で、ニクカリ達に視線を送った。
 ニクカリは、辺りを埋め尽くすほど増殖しており、血に飢えたケモノの如く勢いで荒々しく息を吐いていた。
 この様子では、猟兵達が獲物にしか見えていないのだろう。
 御馳走の詰まった新しい皮……、その程度の認識しかないのかも知れない。
「お前さん達も悪い存在ではないのだろうが??過ぎたるは猶及ばざるが如し、ってこった。少しばかり数を減らしてもらうよ」
 御倉・ウカノ(酔いどれ剣豪狐・f01251)が、警戒した様子で間合いを取った。
 ニクカリ達は隙だらけであったが、そのぶん数が多いため、厄介な存在である事は間違いなかった。
「ここは思い切って、叩いて目を覚まさせればいいんだね?」
 サリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)が、攻撃を仕掛けるタイミンクを窺った。
 ……勝負は一瞬。
 気を抜いた途端に、ニクカリ達が襲い掛かってくる。
 その事が本能的に分かってしまう程、空気がピリピリとしていた。
「気軽に殴って解決! 素晴らしいでござるね!」
 それでも臆する事無くエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)が、ニクカリ達の前に陣取った。
「ニクニク……ニクゥ……!」
 次の瞬間、ニクカリが全身の力を抜き、敢えて不利な行動を取った。
 それは、ある意味自殺行為であったが、ニクカリにとっては必要な事だった。
 しかし、猟兵達からすれば、拍子抜け。
 みんな纏めて一気に襲い掛かってくると思い込んでいたため、その勢いでズッコけそうな感じであった。
 だからと言って、戦いを放棄した訳では無かった。
 ニクカリ達の全身から不気味な雰囲気が漂っており、まるで猟兵達を嘲笑っているような印象を受けた。
 そのため、迂闊に近づく事が出来ず、まるで見えない壁があるような錯覚を受けた。
「見るからに怪しい気もするけど、わざわざ無防備になっているんだったら、何もしない訳にもいかないよね。数には、数だ! ボクの内蔵兵器やアームドフォート、銃の総動員だ」
 そんな気持ちを振り払うようにして、サリーが自らの技能(操縦、騎乗、地形の利用、情報収集)を総動員して、手薄なところを見付け、【フルバースト・マキシマム】を仕掛け、ありったけの力(一斉発射、誘導弾、2回攻撃、零距離射撃、なぎ払い、援護射撃)を籠めて、一気に吹っ飛ばした。
「ニクニクニクゥ~」
 それはニクカリにとって、予想を上回るほどのダメージだった。
 本来であれば、サリーの攻撃が引き金となって、身体能力が増大するはずなのだが、そこまでの余裕がない。
 みんな、あっと言う間に、肉の塊。
 例え、意識が残っていても、身体を動かす事が出来ない程、バラバラになっていた。
「ニクを……くれぇぇぇぇぇぇぇ!」
 それでも、奇跡的に難を逃れたニクカリが、身体能力を向上させ、猟兵達に襲いかかってきた。
 ニクカリ達は、飢えたケモノ。
 そのため、傷つく事も恐れず、猟兵達に突っ込んできた。
 おそらく、身体能力が向上した事で、何か大切なモノを失ってしまったのだろう。
 頭の中は、肉一色。
 とにかく、喰らう事が最優先。
 その後の事は……まあ、オマケ。
 そんな感じで猟兵達に食らいつき、自らの欲望を満たそうとしているようだった。
「身体能力上昇なら流体金属と合体した拙者も負けちゃいねぇでござる! その上、肉体憑依系なら……対抗して拙者も憑依させるしかあるまい!! 自らの肉体にオーバーソウル【流体金属】君!!メタルクロヒゲ爆誕!! セッしャのにクタいにジツにヨくナじむ。……誰でござるか妖怪より妖怪とか言ったのは聞こえてンでござるよ! 拙者人間! アイムヒューマン!!」
 それを迎え撃つようにして、エドゥアルトが【Innovator(マタノナヲアタラシキモノ)】を発動させ、流体金属と肉体を一時的に融合、メタル黒髭に変形し、鉄の拳でニクカリを殴り、手を刃物に変形させて別のニクカリを両断すると、頭部を鞭っぽく変形させて、ニクカリ達を薙ぎ払った。
 しかし、ニクカリ達は先程と比べて、身体能力が向上しているため、ズタボロになりながらも迫ってきた。
 それだけ猟兵達が、魅力的に見えているのだろう。
 今まで襲った相手とは比べ物にならない程、魅力的。
 まるでブランド物の如く、ひとつ上のニクカリになれるのだと、思い込んでいる様子であった。
「さすがに、この状況で退く訳にもいかないか。だからと言って、一所に長生き出来ないから、もう少しだけ……」
 そんな空気を察したエドゥアルトと連携を取りようにして、ニクカリ達を倒していった。
 だが、ニクカリ達はまったく怯んでおらず、大きな波となって猟兵達に迫ってきた。
 それは『俺達、ひとりひとりでは、猟兵達に太刀打ちする事は出来ないが! 束になって掛かれば、例え相手が猟兵達であっても、絶対に勝てる! だから、やろうぜ! 俺達の力を見せてやれ!』と言わんばかりに、ヤル気満々。
 その気持ちに反して、結果は散々、返り討ち。
 先程よりも的が大きくなって、狙いやすくなったため、ニクカリ達が望まぬ結果を招いた。
 それでも、『あれれ? おかしいな~』と言っている暇はない。
 『えっ? ちょっと待て! いまバラけるから!』と言えるだけの余裕があればよかったが、口から出るのは『ニク、ニク』ばかり。
 それが悲しくて、悔しくて、切なかったが、その考えに至ったニクカリほど、先に肉の塊と化していった。
「それじゃ、纏めて火葬でござる! ヒャッハー!」
 それに合わせて、エドゥアルトが万能火炎放射器を構え、ニクカリ達を炎に包んで消し炭に変えた。
 それはニクカリ達にとって、予想外の攻撃。
 一気にバラけた単独攻撃に切り替えようとしていたニクカリでさえ、炎からは逃れる事が出来なかった。
「ニク、ニク、ニクをくれェ~!」
 それでも、難を逃れたニクカリ達が、恨めしそうな表情を浮かべ、呪いを籠めた言葉を吐き出した。
 それがネットリとした黒い塊となって、猟兵達の身体に纏わりついてきた。
「何だか嫌な予感しかしなんだいけど、こういう数が多い相手には、うってつけの業があるから、ちゃっちゃと手際よくいこうか」
 ウカノが色々な意味で危機感を覚えつつ、【御倉流巫女神楽『狐薊』(ミクラリュウミコカグラ・キツネアザミ)】で大太刀「伊吹」を無数の花びらに変え、ニクカリ達を攻撃していった。
 それはニクカリ達だけでなく、辺りに漂っていた呪いも斬り裂き、次々と消滅させていった。
 だが、ニクカリの呪いが完全に消えた訳では無かった。
 突然の突風、雨、あられ。
 ある意味、大自然がニクカリ達の味方。
 それが他のモノと連鎖反応を起こして、不慮の事故を引き起こし、猟兵達に襲いかかってきた。
「数には数で対抗しましょう。頑張れ、黄巾力士!」
 即座に、白が【宝貝「黄巾力士」(パオペエコウキンリキシ)】で、お手製の宝貝人形に道術で一時的に生命力を宿らせ、ニクカリ達と戦わせた。
 一方、白は結界術でニクカリ達の攻撃を防ぎつつ、道術で黄巾力士を強化し、破魔の霊符を配布した。
 その間も、呪いの影響で猟兵達に、不幸な出来事が襲いかかった。
 突然、現れた暴れ牛の群れに襲われ、タヌキとキツネのナワバリ争いに巻き込まれ、増水した川に飲み込まれそうになった。
 途中から『これって、不慮の事故で済むレベルじゃないだろ!』とツッコミを入れたくなったが、災いの勢いが弱まるどころか、強まっているようだった。
 それだけ、この世に未練を残して散っていったニクカリが多かったのか、色々な意味でシヤレにならない事になっていた。
 恨むのなら、運命を恨めと言わんばかりに、運命の荒波が猟兵達に襲いかかった。
「お前さん達に罪は無いかもしれんが、無秩序に増えられちまうと困っちまうもんでね。きっかり駆除させてもらうよ」
 それに合わせて、ウカノが再び【御倉流巫女神楽『狐薊』(ミクラリュウミコカグラ・キツネアザミ)】で無数の狐薊の花びらを飛ばし、ニクカリ達を肉の塊に変えていった。
 しかし、ニクカリ達は諦めなかった。
 いや、諦める訳には行かなかった。
 既に、退くには、退けない状況。
 例え、最後の一体になったとしても、ここで逃げるわけには行かなかった。
 その気持ちがニクカリ達に勇気を与え、無謀な特攻に拍車をかける結果となった。
「……今です!」
 それを迎え撃つようにして、白が黄巾力士達に合図を送った。
 その指示に従って、黄巾力士達がニクカリ達に迫り、破魔の霊符を貼り付けた。
 それはニクカリ達にとって、最悪の攻撃。
 最も恐れ、警戒すべき、攻撃であった。
 だが、いまさら気づいても、後の祭り。
 破魔の霊符がペッタリと張りつき、自分の力では剥がす事が出来なかった。
 それどころか、触れただけでも、火傷を負ったような状態になってしまい、無理をして触ろうとすれば、その部分があっと言う間に塵と化した。
「オォォォォオオォォォォォォォォォォォ!」
 次の瞬間、ニクカリ達が悲鳴を上げ、苦しみ悶えながら、邪悪な魂が飛び出し、弾け飛ぶようにして消滅した。
 そして、ウカノは念のため失せ物探しを使い、まわりにいたニクカリ達が完全に消滅した事を確認し、ホッとした様子で溜息をもらすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月19日


挿絵イラスト