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河帝国攻略戦⑨～宙に迸る光

作者：幾夜緋琉

●宙に迸る光
　宇宙空間『スペースシップ』。
　星々が明滅し、美しい星空が瞬く中……。。
『さぁてと……んじゃぁ始めるとしますかねぇ！』
　陽気な声を上げて、銃を手にする『エンペライダーズ』。
　宇宙バイクを乗り回し、集団で高速活動をする彼ら。
　……その手には光線銃、そして両肩には宇宙空間っで自由自在に動けるためにブースターの様な物が装着されており、何処か調子付いた『クローン重騎士兵』のオブリビオン、十数人。
　口調は軽いながらも、集団戦能力に長けた一個小隊は、『解放軍』に向けて怒濤の如く襲撃を駆け、スペースシップを堕とそうとしている。
「みんな……クローン重騎士兵達の襲撃から、解放軍の皆を護って欲しいんだ。彼らの高速行動能力や、戦闘能力は、解放軍の自警団では対処する術も無い。これを放置しておけば、間違い無く全滅させられてしまうよ！」
「クローン重騎士兵達は、どれもが似たような姿をしているけど、一匹だけ赤い角の個体が居る様なんだ。こいつが恐らく、この一個小隊を纏めるリーダー格だと思う」
「このリーダー格の存在こそが、この一個小隊の主軸だから、こいつを倒せば残る者達は、烏合の衆と同様、統率は取れずに弱体化……果ては逃走する可能性もあるから、取りあえずリーダー格を討ち倒す事に先ずは集中して欲しい」
「兎に角、解放軍を救出するには皆の力が必要なんだ。さあ、急いでテレポートを始めるよ！！」
　と、双葉・翔はグリモアを手にするのであった。

第1章 集団戦 『クローン重騎兵』

POW   :    インペリアル・フルバースト 【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。 SPD   :    コズミックスナイプ 【味方との相互情報支援】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【狙撃用ビームライフル】で攻撃する。 WIZ   :    サイキッカー拘束用ワイヤー 【アームドフォートから射出した特殊ワイヤー】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　宇宙空間『スペースシップ』の星空の間を煩く、ヒャッハーと動き回る『エンペライダーズ』。
　そんな煩い集団を見上げながら、ルトルファス・ルーテルガイトは顔をしかめ。
「……全く、煩い奴らだな」
　無論、苛立つのも無理はない。
　彼ら『エンペライダーズ』……意気揚々たる彼らにとって、今、怖い物など何もないといった具合なのだろう。
　そんな彼らの動きに死之宮・謡が。
「アハハ、宇宙空間での高速戦闘かぁ、楽しみだねぇ。心躍るねぇ……」
　何処か言葉尻は楽しげ。
　……とは言え、目前の相手を倒す事こそが、今回は重要である。
　そして構成する十数体ほどのクローン重騎士兵の中の一体は、赤い角の個体な訳で……。
「……赤い角のリーダーか……やっぱり、三倍早いのかな？」
　小首を傾げるメーティオル・スターに、シェーラ・ミレディが。
「ふむ……赤い角か。まぁリーダー格と言うからには、強敵なのかもしれん。でもこいつを仕留めれば瓦解するというのならば、先ずは狙うが良いだろう！」
　勿論、全てを倒す方法も無い訳では無いが……その方が大変なのは間違い無い。
　……兎に角、彼らの襲撃から『解放軍』を守る事が、今回の猟兵達の役目。
「兎に角、リーダー格さえ潰せれば勝負は決まる……なら、そいつを潰しに行こう」
　とアンナの言葉に
「さぁてと、宇宙バイク乗りとしてどっちが速いか勝負！！　さあ、みんな仕掛けるよ！」
　とフィズ・イエフティンが威勢良く叫び、そしてメーティオルは。
「ああ。オレだって小さいときから宇宙バイクに跨がってたんだ。オブリビオンなんかに負けてたまるかよ！」
　宇宙バイクに乗り込むと、他の仲間達も共にして……宇宙空間へと向かうのであった。

『ハハハハ！　いやぁ、楽しいねぇ！！　さぁ、あれが解放軍の船だぜ、　さっさと討ち倒してやろうぜぇ！！』
　そして笑い合いながら、宇宙空間を暴れ廻る『クローン重騎士兵』。
　そんな彼らの宇宙バイクの進路に割り込んでいく猟兵達。
『っ！　何だテメェら、邪魔じゃねぇか！！』
　と怒れるエンペライダーズに冷たい視線を向けるルトルファス。
「……忙しく走り回る面倒な集団だな……さっさと片付けさせてもらう」
　と言い放つ一方で。
「っ……！！　ええい鬱陶しい！　集団でわらわらと宙を駆けるなんて……全く、羽虫か貴様らは！」
　対峙する『クローン重騎士兵』達に向けて、シェーラが叫ぶのだが。
『はぁ？　うっせぇなぁ、邪魔すんならぶち殺すまでだぁ！！』
　と、全く聞く耳も持たず、狙撃用ビームライフルを構えてスナイプ。
　狙い澄ました一撃が、猟兵達の体力を削る。
　その攻撃を受けながらも、数宮・多喜は。
「さぁて、こいつらをやっちまえばいいのかい？　じゃあ、全滅させてしまってもねぇ？」
　と大口を叩きながら、スターライダーの力を活かし、テレパスの通信網を構築。
　その一方で謡は。
「恐怖トハ尊クモ愚カナル心也」
　と『死を招く翼』を飛行用に展開し、爆裂する血の羽を、クローン重騎兵に炸裂させる。
　白銀の身体が、血の赤に染まり行く。
『っ……痛えじゃねぇか！　ざけんな！』
　イライラしている彼らに対し、ニヤリと笑みを浮かべ。
「殺戮だぁ、一人残らずの殲滅だぁ。宇宙の藻屑となって消えるが良いさ！」
　と嘲笑う。
　……それに続くはメーティオル。
　狙うは敵陣……宇宙バイクで突っ込んで行く。
　そして、すれ違い様にクロー付きワイヤーを敵の体へ引っかけ、バイクの勢いそのまま引っ張り……宇宙バイクから引き摺り落とす。
『っ……させるかぁ！！』
　対するクローン重騎兵は、足を宇宙バイクに掛け、振り落されない様に抵抗。
　勿論、攻撃すると共にクローン重騎兵達の頭部を確認……十数体の彼らの中から、赤い角を捜索。
「……左の方だ！！」
　シェーラが指で指し示した先には、赤い角を誇らしげに装着した者を発見。
了解だよ……さあ、散って行った者達よ……私に力を貸して」
　と、アンナは高速移動で赤い角の兵士に向けて、呪詛を纏い接近し『鮮血の鋼鉄処女・改』を展開し、その攻撃を全て受ける覚悟を決める。
　勿論、他のクローン重騎兵達は、リーダーの危機を救おうと、リーダーの元へ接近していくのだが。
「させないよ！」
　と、メーティオルが高速移動と、ゴッドスピードライドにて体当たりし、雑魚のクローン重騎士達を撹乱。
　そして、謡もそれをサポートする様に、『死を招く翼』を中心に。
「ほらほら、そんな速度じゃ私からは逃げられないよ……怖いかい？　怖いなら……さようならだ」
　と、攻撃を重ねる。
　そして、残る仲間達が、赤い角のリーダー格へと集中砲火する事で……リーダーと部下の連携を完全に断ち切る様に動く。
　そんな猟兵達の連携に、クローン重騎兵達は。
『クソ……本当に邪魔しやがって！！　とっとと、死んで来いっての！！』
　と、強い怒りで、その身に装着された武装を無差別に一斉掃射。
　かなり強烈な一撃……だが、アンナは先ほどの覚悟と共に、リーダーの攻撃を完全に抑え込む。
　そして。
「こうすれば、ぜーったい全弾命中っ！」
　『ゼロレンジ・ブラスター』にて、最至近距離からの一発をぶちあてるフィズ。
　同時にシェーラも。
「恋に落ちるのは、いつだって唐突なものだろう？」
　と『彩色銃技・一目鐘情』にて、４丁の精霊銃から多数の弾丸を発射。
　そしてアンナも鎧砕きを叩き込み、リーダーの防御を削る。
　……そして、その間に多喜は。
「悪いけど、アンタとちょいと繋がらせてもらったよ！」
　と『超感覚探知』を敵陣へとつなぎ、行動予測を取りやすくする。
　更に数分、猟兵達の猛攻を受けたリーダーは……かなりボロボロの状態。
『っ……クソ……！』
　と、睨み付ける彼に対し、ルトルファスが。
「……ほら、どうした？　……もう、終わりか？」
　と、冷たい視線で睨む。
　……だが、次の瞬間……彼の乗る宇宙バイクに、光が収束、更に『超感覚探知』によって聞こえた、彼の心境から判断。
　……他の部下達を見捨てて、逃げようとする彼。
「！　みんな、アイツ、逃げようとしてるよ！！」
　と多喜が叫ぶ……それに、フィズがすぐに高速移動で退路を封鎖。
「逃さないよ！」
　と、フィズが回り込んだ上で、そこにドリルアームで串刺し効果を追加した捨て身の一撃。
『グゥアアアア！！』
　その一撃で以て、宇宙バイクが破壊……そしてリーダーも宇宙空間に投げ出されてしまう。
　そして、多喜が。
「サンキュ。まったく、仲間を見捨てるなんて指導者の器じゃないね！！」
　と、そのやり方をこき下ろした上で、彼へと接近し、渾身の一撃を叩き込む。
　そして、謡が。
「まったくだねぇ……の前は触手とよく分からない蛙に乗る奴がいて面白かったけど……今回はとんだヘタレと来たもんだ。ま、存在意義はもうないよね？　さっさと……死んじゃえ」
　と傷口を抉る一撃を放ち……赤い角のリーダーは霧散。
　……そして、リーダーを失いし他のクローン重騎兵達は。
『……！？　ま、マジかよ！！』
『そんな……き、聞いてねえぞ！！』
　と罵倒、罵り合う彼らがまごつく中。
「……お前達も、易々と逃す訳がないだろう？」
　とルトルファスが静かに言い放ち……そして『エレメンタル・ファンタジア』を発動。
　風の竜巻が、クローン重騎兵達を全てを巻き込み……混乱の境地の中に、彼らも又……死していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年02月08日