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銀河帝国攻略戦⑨~帝国最速を越えろ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 猟兵とスペースシップワールドの人々の共闘により『解放軍』艦隊が戦線を前へと押し進める。帝国大要塞『エンペラーズマインド』の能力によりワープドライブは妨害されている。この宙域は力押しで攻め落とさなくてはならない。
「スペースノイドどもめ、よもやここまで来るとはな」
「だがここまでだ。我等『エンペライダーズ』が居る限りこの宙域は通さん!」
 宇宙に展開するのは宇宙バイクに乗ったウォーマシン兵達。超巨大要塞の前に集結してここは通さないと迎撃態勢に入った。
「反乱軍の船を全て叩き潰す。鈍足な船で我等と同じ戦場に立てると思うなよ」
「行くぞ! 帝国最速の名、奴らの命で証明してくれる!」
「「了解!」」
 リーダーである赤いウォーマシン兵の命に従い、緑のウォーマシン達も一斉にバイクを始動し、宇宙バイクに跨ったウォーマシンが流星のように駆け出す。宇宙バイク部隊が艦隊を襲撃するべく高速で飛翔した。

「諸君、任務だ」
 グリモアベースでバルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が猟兵達を迎えブリーフィングを始める。
「現在、銀河帝国攻略戦が進行中だ。『解放軍』艦隊が超巨大要塞『エンペラーズマインド』に向けて進軍しているが、それを迎撃せんと宇宙バイク部隊『エンペライダーズ』が展開している。諸君にはこれを討ち破ってもらいたい」
 帝国への攻勢は状況が進み超巨大要塞へと近づいている。その分、敵の攻勢も強くなっている。
「『エンペライダーズ』は帝国最速とも呼ばれる部隊だ。『解放軍』艦隊は火力は高いが、大規模な艦隊戦の経験が無く戦に疎い。このままぶつかり合えば小回りの利かぬ艦隊は大損害を被るだろう。同じく小回りの利く猟兵が対処しなくてはならない」
 的が小さくスピードのある敵だ。艦砲での撃破は難しく容易く接敵されてしまう。
「スピードに自信のある者は敵に対抗して飛び回れ、そうでない者は知恵を使うか、身体を張って迎撃する事になるだろう。敵の長所はスピードだ。それを殺す事が出来れば優位に立てる。そして己が長所を活かして行動したまえ、それが勝利を掴む近道となる」
 帝国最速を名乗るだけあって高速戦闘を得意としている。翻弄されれば苦戦は免れないだろう。
「それと敵部隊にはリーダーが存在するようだ。その個体を破壊すれば指揮官を失い、命令系統が混乱して烏合の衆と化す。宇宙での高速戦闘中に狙うのは難しいかもしれないが、成功すれば一挙に形勢が傾くだろう」
 敵リーダーは通常個体よりも速く、赤いウォーマシンでバイクも同色だ。通常個体は緑のカラーリングとなっている。
「敵も必死に防衛ラインを保とうとしている。厳しい戦いになるだろうが、諸君がこの戦場に勝利をもたらすのだ」
 猟兵達の力を信じるバルモアの言葉に頷き、宇宙空間に繋がるゲートに足を踏み入れた。


天木一
 今回は銀河帝国攻略戦です。宇宙空間での派手な集団戦となります。敵は高速戦闘を得意とする宇宙バイク部隊です。
 宇宙活動できるもの以外は、宇宙服を着て戦闘することになります。制御スラスターなどが付いていて宇宙空間でも地上と同じ程度に動く事ができます。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 では戦争に勝利する為、がんばってください!
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第1章 集団戦 『彷徨うウォーマシン』

POW   :    多弾頭型収納ミサイルポッド
レベル分の1秒で【腰元から複数の誘導ミサイル】を発射できる。
SPD   :    演算処理
【高性能ソナーによって】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    近接形態
自身に【強化外骨格】をまとい、高速移動と【スラスター】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルトリウス・セレスタイト
では停車させるか

味方がいれば協働

魔眼・静止で拘束
視界内の敵性個体を全て停止させる
攻撃の自由度のため、ある程度味方に引き付けてから実行
乱戦となったら味方に近い位置で交戦状態の敵を優先して拘束対象に


数が多ければ魔眼・掃滅で纏めて消去
その場合敵味方入り乱れる前に実行
ミサイルなども視界に収まる分は対象に


レクシア・ノーレッド
あー、ウォーマシンかー…速いのはめんどくさいなぁ。
「―でもまぁ、まるっと纏めてばらしてあげる!」

【SPD】
さて運転技術勝負でもしようか!使うのはお手製の宇宙バイク「アリア」!
なーんとこの子自律戦闘できちゃうんです!
この子をUCで複製、自分が乗る1機も含めて19機!
それらに乗り移りながら、手ごろなウォーマシンに触っていこうかな!
触った対象はUC【解・体・侵・食】の条件を満たすから、切り刻むよ!

「さぁ次にスクラップになりたいのは誰かな!?」
「まっぷたつ、だよ!」


ステラ・ハーシェル
速さが、奴らだけの専売特許では無い事を見せよう。

【ゴッドスピードライド】の速度と【騎乗】、【空中戦】で敵の陣形に肉薄する。リーダー格を倒せずとも、陣形を破壊すれば連携どころでは無いだろう。更に【殺気】を放ちながら行動すれば、敵の注意も幾らかはこちらに向き、味方が行動しやすくなるだろう。敵の攻撃は【見切り】で回避を試み、すれ違い時に同じく【見切り】で装甲の薄い部分を【フェイント】を交え斬りつける。隙があれば【2回攻撃】で追撃を行う。

「その程度の速度で帝国最速とは……拍子抜けも良い所だな」


セルマ・エンフィールド
宇宙空間でこうも自在に動けるというのも、不思議な感覚ですね……追々慣れていくとしましょう。

私では慣れない宇宙空間の機動力で宇宙バイクに追いつけはしないでしょう。ですが、足の速さだけが速さでありません。スナイパーとしての技量で素早く狙いを定め、弾速の速い【凍風一陣】で敵を狙います。

こちらに向かってくる敵は攻撃に移るまでの早さで対抗を。【ペレグリーネ】の索敵機能で察知し、【クイックドロウ・四連】で迎撃します。

敵にはリーダー機がいるとのことですが、無暗と探すよりは堅実に敵を減らしていきましょう。スコープの視力補助を活かしてリーダー機を探すのは敵の数が減って陣形や指揮が乱れてからでも遅くはありません。


ボドラーク・カラフィアトヴァ
帝国最速とは……滾りますねぇ。

私も疾さには自信がありますから、“疾風”で――と行きたいところですが、ここは自重を。
我が剣の真髄は速度と力の両立。彼奴らが速度に特化しているのならば、私は力をぶつけるまで。

“零式”で近場の敵を蹴散らしながら、堂々と敵の頭目に近づいていきましょう。

……我が剣で直接彼を屠れればいいのですが、そう上手く行くとは期待しておりません。
なに、無防備に近づいてみれば、彼奴らは私に対して防御陣形を敷くか、或いは私に殺到してくるやも。
その隙に、どなたかが頭目を屠ればいいのです。

わたしは、一人でも多くと、大立ち回りを演じましょう。
ええ。どうせ雑兵と戦うならば、これくらいでないと。


セゲル・スヴェアボルグ
語感はいいように感じるが、そこまで閣下良いネーミングではないな。
それはこの際どうでもいいか。

あれだな。向かてきたバイクに対してラリアットをかませばいいのだろう?
まぁ、流石に全部をそれで片すのは骨が折れるので、一体だけでやめておこう。
その後は出来る限り多くのバイクにドラゴニアン・チェインをぶつけ、意図的に泳がせる。適当に走りまわらせれば鎖が絡まり、走ってきた他のバイクを転ばせるトラップの完成だ。あとは引っかかるのを待つのみよ。
下っ端どもが使い物にならなければ、赤いやつも動かざるを得ないだろう。
そいつも引っかかってくれれば御の字だが、無理ならラリアット……
ではないな。拳と拳で語り合おうじゃないか。


櫟・陽里
宇宙バイクの腕自慢相手…最高の舞台だ
息の合ったライテクで逆に敵を翻弄してやろうぜ相棒!

序盤はとにかく目立つ事をする
ヘッドライトを輝かせ高速で戦場を横断
スクリューしながらターン、敵を足場にバックフリップ…
存在を魅せつける

次に敵の防衛ライン崩しや撹乱を狙って見せる
俺を放置するとマズイんじゃねぇの?

暇さえありゃ走り込みしてる技術と動体視力、
猟兵にして戦場傭兵の経験値で回避
そうそう捕まえられると思うなよ!

うまくすり抜けたり小回りなターンで敵の後ろを取る

バイクに兵器なんか載せてない
重くなるからいらない
こいつ(普通の拳銃)で充分
バイクの要所はよく知ってるぜ
ユーベルコードを纏った狙撃で弱点を撃ち抜く
命中重視


クリスティアーネ・アステローペ
すこしばかり邪魔ではあるけど意外と動けるものね、これ(宇宙服)
それじゃあ小うるさい蜂の群れ、撃ち落してあげましょう!

十分に距離のあるうちから前進し、射程距離のギリギリまで近づいたらスラスターを切り替え後退
相対速度を落として狙いをつけ、《ウィザード・ミサイル》をクレイモアのように拡散させて発動
都度中心核は調整しましょう

距離を詰められた場合はギリギリまで引きつけての《咎力封じ》
取り囲まれた場合は《咎を穿て、赫き杭》にて迎撃を図るわ

「大したスピードですけど目にも留まらぬというわけでもなし。つまり対処できぬわけでもなし、よ?」
「致死領域へようこそ、と言ったところかしら?歓迎してあげるわ、騎兵隊さん?」


パウル・ブラフマン
【SPD】
解放軍の艦隊が損傷しないよう
序盤は艦船付近で【スナイパー】役を。迎撃に努めるね。
標的を視認次第、Krakeで【一斉発射】していくよ。

赤いウォーマシン兵が見えたら一気に殺る気スイッチON。
愛機Glanzに【騎乗】して
『ゴッドスピードライド』を発動。
持ち前の【操縦】テクをフル活用して暴れちゃうもんね!

ギアを切り替えて更に猛【ダッシュ】。
一瞬でも敵のバイクの前を取ったら
その場で巻き込むように【スライディング】&【なぎ払い】。
転倒したウォーマシンが居たら
Glanzで押さえつけながら【零距離射撃】。

どーも、エイリアンツアーズです!
…冥府へ直行で御案内してやっぞオラァ!!

※絡み&アドリブ大歓迎!


未不二・蛟羽
難しいことは分からないけど、大事な戦いで、勝たないと、楽しい未来がないってことは理解してるっす
だったら、俺に出来ること、やるっす!

スピード勝負、受けて立つっす!
【逆シマ疾風】で自分の速度を底上げして【空中戦】で空から敵を撹乱っす!

「こっちは速く、あっちは遅く、みんなサカサマっす!」

味方の攻撃のタイミングに合わせて、【マヒ攻撃】を乗せながら、風圧の弾丸を発射。敵の、回避の動きを妨害するっす!
【野生の勘】を働かせつつ、上空から敵のリーダーの場所は積極的に探したいっす!
リーダーまでの道は風で足止めを食らわせて作るっす、だから、皆倒しに行って欲しいっす!

攻撃は基本足技メインの徒手
【アドリブ・連携歓迎】


六波・サリカ
なるほど宇宙空間での戦闘ですか。
小さくて素早い敵だなんて、まるでゴキブリのようですね。
一騎残らず殲滅します。

宇宙服の制御スラスターを【メカニック】や【武器改造】の技能で、電力を注げば加速できるよう改造します。
加速したスラスターで敵の動きについてゆき、戦闘行動。
ある程度敵が纏まっているタイミングでユーベルコード:大放電を発動。
周囲の味方を巻き込まぬよう事前に警告を発し、右手から凄まじい高圧電流を放ち敵を撃破します。
「的を絞って攻撃するから避けられる。逃げる場もない範囲攻撃で制圧します!薙ぎ払え!ジャッジメント・ロア、急急如律令!!」


ドアクローザ・バックチェック
エンペライダーズ、こちらはウォーマシンの部隊か。
なるべく艦隊に接近させたくない。前に出て、こちらから積極的に仕掛けていこう。

機迅一刀流、「攻撃を重視した」速攻の型でウォーマシンを狩る!
宇宙服のスラスター機能も存分に使って、高速で動いていこう。
まず、なるべく多くの敵の足止めをするつもりだ。宇宙バイクについている推進装置を狙って破壊していくぞ。
止められるだけ止めたら、まとめて相手をしよう。

数の不利は、スピードと小回りで補う。
私に乗り物はないが、代わりに鍛えた身体がある。
バイクほどの速さは出せないが、身のこなしはこちらが上のはずだ。
敵の死角をついて、一体ずつ、切り伏せていこう。


ベルリリー・ベルベット
わぁ。リリ、スペースシップワールドって初めて
専用の服を着ないと上手く動けないだなんて、不便なところなのね
でも、リリにとってはノープロブレム
花形スターはパフォーマンスの場所を選ばないのよ

まずはフック付きワイヤーや『ジャンプ』『空中戦』で舞い上がって、囲まれないように動き回るわ
敵の攻撃は『見切り』で回避に努めて、反撃のチャンスを探しましょう

ソナーで予測して回避されちゃうなら、避けきれないくらいの攻撃をお見舞いしたらいいのよ
攻撃チャンスを見つけたら、【レギーネル危機一髪】をお見舞いよ
無差別に動き回る回転ノコギリで、周りの敵をどんどんリリのショーに巻き込んでいくわ

◆絡みやアドリブも歓迎です


真白・白夜
宇宙での戦闘は初めてです。うまくやれるでしょうか…。
スピードが自慢の部隊…でも、どんなに速くても…!

敵の演算処理を利用して、僕が一人しかいないと誤認させます。
そして、油断した所で【オルタナティブ・ダブル】を使います。
「…今だ!」
『おう!やっと俺の出番だな!遊んでやるぜぇ!』
だまし討ちを仕掛け、コンバットナイフで暗殺を仕掛けます。
失敗しても、毒使いで毒を与えて動きを鈍らせて、拷問具で拘束、そのまま串刺しにして、傷口をえぐると毒使いでダメージを与えます。

『センサーでも、俺達が二人だなんて分かりゃしねぇだろう!』
「正確には、僕達は人格が二つなんだけどね。」

協力&アドリブ共にOKです。



●エンペライダーズ
「エンペライダーズの名を宇宙に轟かせるのだ!」
 宇宙バイクに乗ったウォーマシンの部隊が『解放軍』艦隊を目指し宇宙を駆ける。それに対して猟兵が迎撃に動き出した。

「エンペライダーズ、こちらはウォーマシンの部隊か。なるべく艦隊に接近させたくない。前に出て、こちらから積極的に仕掛けていこう」
 敵を確認したドアクローザ・バックチェック(ケーキナイフ・f11864)は、艦隊から離れた位置で戦おうと宇宙服のスラスターを操り前に出る。
「我流剣術・機迅一刀流、ドアクローザ・バックチェック。参る!」
 接敵したドアクローザは機械太刀を振り抜き、バイクのハンドルを斬り裂き操縦不能にして次の敵と向かい合う。
「鈍足が! 邪魔なんだよ!」
 高速でウォーマシンが突進してくる。対して残像によって目晦まししたドアクローザがすれ違いながら太刀を振り下ろす。刃が後部のブースターを切断した。
「最高速度はそちらが上だが、小回りはこちらが上だ。接近戦でどちらが優位か見せてやろう」
 ドアクローザは向かって来る敵を避けながら斬り捨て、バイクの破壊を優先して足を封じていく。
「撃て撃て! 撃ち殺せ!」
 ならば近づかずに遠距離攻撃だと、ウォーマシン達が数え切れぬミサイルを放った。
「弾幕は厄介だが、やりようはある」
 ドアクローザは宙を蹴って射線から逃れる。するとミサイルが方向を変えて追って来た。それに対して近づくミサイルを斬りながら何度も宙を蹴り敵の目の前にまでミサイルを引き連れて接近した。ミサイルは味方を識別して外れて飛んで行く。
「馬鹿な!?」
「斬る」
 ドアクローザが一閃した刃がウォーマシンを二つに両断した。

「宇宙バイクの腕自慢相手……最高の舞台だ」
 櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)はテンションを高くして笑う。
「息の合ったライテクで逆に敵を翻弄してやろうぜ相棒!」
 給料をほぼ注ぎ込んでいる相棒のバイクを撫で、エンジンを猛々しく唸らせて走り出した。
「相棒! まずは俺達の存在を奴等に知らしめてやろう!」
 陽里はヘッドライトを眩く照らし、高速で戦場を駆け抜け、敵味方が入り乱れる場所をぶつかるギリギリのラインで抜けていく。
「まだまだ! 俺達のテクを魅せてやるぜ!」
 高速のままスクリューして敵にぶつかる直前にターンして方向を変える。そして違う敵に近づくとウィリーして敵に乗上げながら頭上でバックフリップをして飛び越す。そうやって敵を攪乱し、隊列に乱れを生じさせる。
「バイク乗りか、帝国最速を誇るエンペライダーズに喧嘩を売るとはな」
「その鼻っ柱を折ってやる!」
 ウォーマシン達がバイクの針路を変え陽里に向かって来る。
「そうそう捕まえられると思うなよ!」
 反転した陽里は追いつけるものなら追いついてみろと加速し、競争が始まる。

「解放軍の艦隊は傷つけさせないよ!」
 パウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)は艦隊に近づかせないと、身体から生えるタコのような触手の表面に装着した固定砲台を向け、4方向へ一斉掃射して迎撃する。宇宙に爆発が起こり陽里を追いかける敵への着弾を確認した。
「近づくヤツはオレが全部撃ち落としちゃうもんね!」
 船も艦砲を発射して次々と弾幕を張り、パウルは敵に向かって艦隊に近づくと撃ち落とすと行動で警告する。それに合わせて陽里も攻撃を仕掛け、艦隊から少し離れた位置が戦場となった。

「あー、ウォーマシンかー……速いのはめんどくさいなぁ。――でもまぁ、まるっと纏めてばらしてあげる!」
 面倒臭そうな顔からやる気のある顔まで、ころころ表情を変えたレクシア・ノーレッド(ひとりうちゅうせんそう・f01101)がやる気になってバイクを用意する。
「さて運転技術勝負でもしようか! 使うのはお手製の宇宙バイク『アリア』! なーんとこの子自律戦闘できちゃうんです!」
 レクシアがスクラップから組み立てた自慢のバイクを紹介する。
「そしてこの子をUCで複製、自分が乗る1機も含めて19機! 相手の数が多いならこっちも増やせばいいんです!」
 バイクを複製し自律戦闘モードで動かし、それぞれが敵を迎撃しようとエンジンを掛ける。
「では全車発進です! 帝国の宇宙バイク部隊をやっつけるよ!」
 バイクが一斉に宇宙を駆け出して追う追われるの追い駆けっこが始まった。

「では停車させるか」
 アルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)は宇宙を駆けるバイクに視線を向ける。鋭い眼が敵を捉えると煌き魔眼が発動する。例えどれだけスピードを上げようともその視線から逃れることは出来ない。
「バイクが勝手に止まっただと!?」
 バイクが強制的に停止しウォーマシンがこんな時に故障かと戸惑う。
「スピードが自慢らしいな。俺の眼から逃れられるものなら逃げてみろ」
 アルトリウスの視線に捉えられ、バイクがまた一台止まる。そのアルトリウスを狙い最大加速したバイクが頭上から突進してくる。だが衝突する前に目が合い止まってしまった。
「こいつ俺のバイクを!?」
「相性の問題だ。スピードなら視線に敵うものはそういない。帝国最速も視線の速さには届かないというわけだ」
 ウォーマシンは何とかバイクを動かそうとするが、アルトリウスの魔眼によって押さえ込まれる。そこへレクシアの複製バイクが襲い掛かり、動けぬ敵を撃破していく。

「速さが、奴らだけの専売特許では無い事を見せよう」
 ステラ・ハーシェル(星屑のサンダーボルト・f00960)は宇宙に溶け込むようなマットブラックのバイクに跨り、広大なフィールドを駆け出す。その視界に光る敵群を見つけた。
「……行くぞ」
 バイクを変形させて加速したステラは、敵陣の中を突破し、避けようとしたバイクが針路を歪めて隊列を乱す。そこでバイクをターンさせてウォーマシンの背後に迫り、刀で斬りつけた。
「敵機確認。ミサイルで撃ち落とせ!」
 同じく反転したウォーマシンのミサイルポットが開き、一斉に小型誘導ミサイルが多数撃ち出される。
「切り抜ける」
 それに対して逃げるよりも前に向かってステラはバイクを走らせ、刀で斬り飛ばしてミサイルを逸らしながら弾幕を抜け、ウォーマシンをバイクごと袈裟斬りにして爆発させた。
「撃て! 当たるまで撃ち続けろ!」
 距離を保ったウォーマシン達がミサイルを連射する。
「魔眼は止めるだけではない。こういった使い方もある」
 アルトリウスは飛んでくる無数のミサイルを視界に入れ、空間を捻じ曲げ異空へ放逐して消滅させた。
「その程度の速度で帝国最速とは……拍子抜けも良い所だな」
 ステラはバイクを走らせ敵と並走しながらがっかりしたような顔を見せる。
「反乱軍風情が俺達エンペライダーズを愚弄するか!」
 憤ったウォーマシンがバイクを寄せてぶつけようとする。それをステラは速度を落としてやり過ごし、逆に後ろからぶつけて敵をスピンさせた。
「ぐぉおおお!?」
 敵が停止したところに、反転したステラはすれ違いながら斬りつけて身体を両断した。

●宇宙戦闘
「宇宙での戦闘は初めてです。うまくやれるでしょうか……」
 真白・白夜(多重人格者のサイキッカー・f10864)は不安そうに地に足つかぬ広大な宇宙に出る。
「スピードが自慢の部隊……でも、どんなに速くても……!」
 不安になる心を奮い立たせ、敵の迎撃に向かう。
「人型が一体で何をするつもりだ? 死にたいのなら轢き殺してやる!」
 ウォーマシンに発見されバイクが勢いを弱めずに突っ込んで来る。こちらの戦力が宇宙遊泳さえ慣れぬ一人の人間だと思って油断しきっていた。
「……今だ!」
『おう! やっと俺の出番だな! 遊んでやるぜぇ!』
 ギリギリまで引きつけたところで、白夜と同じ姿をしたもう一人の人格が実体化する。
「二人になっただと!? どちらが本物だ!」
 突然分身した姿を見て、迷い思考が停止したところへ、白夜達は左右に避けながらコンバットナイフを脇腹に突き立てる。
「この程度の傷! ……なんだ、機能が低下していく?」
 バイクを反転させたウォーマシンの動きがぎこちなくなっていた。
『毒だぜ!』
「今のうちに動きを封じるね」
 分身が毒塗のナイフを見せて気を引いている間に、背後に回った白夜はロープで敵を拘束した。
「くっ離せ! 貴様等なんぞ俺のバイクで――ぐあぁ!!」
 そして動けぬ敵に分身がナイフを何度も突き立てて止めを刺す。
『この調子で次もいくぜ!』
「少しでもみんなの手伝いをしないとね」
 白夜は次の敵を誘うため、餌として無防備に見えるようにゆっくりと動き出した。

「宇宙空間でこうも自在に動けるというのも、不思議な感覚ですね……追々慣れていくとしましょう」
 スラスターを吹かし、ふわふわと空に浮かんでいる感覚をセルマ・エンフィールド(終わらぬ冬・f06556)は無表情ながらも楽しんでいた。
「私では慣れない宇宙空間の機動力で宇宙バイクに追いつけはしないでしょう。ですが、足の速さだけが速さでありません」
 セルマは愛用のマスケット銃を構え、動き回る敵に素早く狙いをつけて引き金を引く。放たれた極寒の冷気を纏う弾丸がウォーマシンの胴を貫き、凍結して機能を麻痺させバイクから放り出されて宙を漂った。
「赤いリーダー機がいるとのことですが、無暗と探すよりは堅実に敵を減らした方が確実でしょう」
「狙撃手だと! さっさと仕留めてやる!」
 セルマに気付いた敵は真っ直ぐ走らずに動き回りながら距離を詰めてくる。セルマは銃口をスライドさせてジグザグに回避運動するバイクを予測して撃ち抜き、凍りつかせて動きを止めた。そこへ第二射を放ち、乗っているウォーマシンを氷漬けにする。

「すこしばかり邪魔ではあるけど意外と動けるものね、これ」
 物珍しそうに着込んだ宇宙服を見下ろし、クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)は体の動き具合を確かめてみる。
「それじゃあ小うるさい蜂の群れ、撃ち落してあげましょう!」
 射程距離ギリギリまで前進し、そこから後退して距離を保ちながら魔杖短剣を構える。鍔元にある銃の如き機構を作動させ、特殊弾のエネルギーによって詠唱を省略し魔法で作り出した炎の塊を放つ。敵に近づいたところで爆発し、無数の炎の矢となって扇状に拡散し、避け損ねたウォーマシンを火だるまにした。
「この程度! 隕石群を抜ける我等のバイク技術があれば抜けられる!」
 炎の隙間を多少装甲を焦がしながらもすり抜けたバイクが、速度を上げクリスティアーネに接近する。
「大したスピードですけど目にも留まらぬというわけでもなし。つまり対処できぬわけでもなし、よ?」
 引き付けたところで魔力で編んだロープを放ち、ウォーマシンに引っ掛かるとくるくると縛り上げてバイクの操縦をさせない。敵はコントロールを失い勢いのまま彼方へと飛んでいった。

「我等は帝国最速。我等に後退はない! 攻め続けろ!」
 仲間がやられようともウォーマシン達は怯むことなく突撃してくる。
「帝国最速とは……滾りますねぇ」
 楽しそうにボドラーク・カラフィアトヴァ(笑う銀鬼・f00583)が笑う。これから始まる命のやり取りに血を滾らせていた。
「私も疾さには自信がありますから、“疾風”で――と行きたいところですが、ここは自重を」
 速さに速さをぶつけたくなる気持ちを押さえ、敵の土俵で戦わずに己の土俵に引き摺り込む策に出る。
「我が剣の真髄は速度と力の両立。彼奴らが速度に特化しているのならば、私は力をぶつけるまで」
 的になるように動かぬボドラークは敵の攻撃を待ち受ける。
「我等の前で立ち止まるとは、この速さを見て諦めたか!」
 突進してきた敵にただひとつの素粒子で作られた折れぬ刀を振り下し、バイクごとウォーマシンを斬り捨てた。

「エンペライダーズ……語感はいいように感じるが、そこまで格好良いネーミングではないな。……それはこの際どうでもいいか」
 敵部隊の名前について気になってセゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)は、戦いに集中しようとかぶりを振る。
「あれだな。向かってきたバイクに対してラリアットをかませばいいのだろう?」
 そうおどけながら向かってきたバイク乗りにラリアットをかまし、頭部をぶっ飛ばして撃墜した。
「ぐわああぁあああ!」
「だがまぁ、流石に全部をこれで片すのは骨が折れるな……一体だけでやめておこう」
 そう言いながら目にしたのは、近づくのは危険と離れた位置からミサイルをぶっ放すウォーマシン達だった。セゲルにミサイルが殺到し大爆発が起こる。爆炎が晴れるとそこにはドラゴンの姿をしたオーラが顕在していた。ドラゴンが飛翔しウォーマシンに当たり爆発する。するとオーラの鎖がセゲルと繋がった。
「何だこれは?」
 鎖を外そうとウォーマシンはバイクを走らせるが、外れずに離れた分だけ鎖が伸びていく。
「うおおっ!?」
 宇宙空間では視認が難しい細い鎖が高速で動くのに巻き込まれ、他のウォーマシンが吹き飛ぶ。
「引っかかったな。鎖を使った簡単なトラップだが、スピードの速さが仇となったな」
 転んだ敵に近づくと、セゲルは殴りつけ敵の顔を潰して宇宙に漂わせた。

●暴走集団
「なるほど宇宙空間での戦闘ですか。小さくて素早い敵だなんて、まるでゴキブリのようですね」
 悪さをする敵を六波・サリカ(六道使い・f01259)が害虫に例える。
「一騎残らず殲滅します」
 宇宙服の改造した制御スラスターに電力を注ぎ、通常の何倍もの速度で加速する。
「バイク相手にそんなもので速さを競うつもりか?」
「帝国最速を舐めるなよ!」
 集団で走っていたウォーマシン達がサリカに接近しミサイルを発射する。
「離れてください! 的を絞って攻撃するから避けられる。逃げる場もない範囲攻撃で制圧します! 薙ぎ払え! ジャッジメント・ロア、急急如律令!!」
 仲間に警告を発したサリカの瞳が輝き、右手から凄まじい高圧電流が放出される。広範囲に広がった電流がミサイルを宙で爆発させ、敵を飲み込みバイクのみならずその身体もショートさせて、電子回路を破壊した。ウォーマシン達は形を保ったまま動かぬ鉄屑と化す。

「わぁ。リリ、スペースシップワールドって初めて。専用の服を着ないと上手く動けないだなんて、不便なところなのね」
 浮かぶベルリリー・ベルベット(ルーナフラウ・f01474)は宇宙服を着た手足を動かして面白そうに笑みを浮かべる。
「でも、リリにとってはノープロブレム。花形スターはパフォーマンスの場所を選ばないのよ」
 どんな状況でも最高のパフォーマンスを見せてみせると、ベルリリーはフック付きワイヤーを近くの隕石に引っかけて舞い上がる。そうやって自分の位置を変え、敵の突進をやり過ごした。
「ちょこまかと!」
「回り込め! 包囲してミサイルをばら撒いてやれ!」
 ウォーマシン達はベルリリーを取り囲み距離を縮めてくる。
「観客が集まってきたわね。リリのショーを見せてあげる! 楽しんでいってね!」
 ベルリリーは軽やかに跳び回りながら回転ノコギリを呼び出し、無差別に周囲の者を襲い、ウォーマシンもバイクも削られ切断されていく。
「ぐあああ!」
「こんなもの!」
 避けようとするが、規則性のない動きをするノコギリが横から後ろから、上から下からと襲い逃げきれずに潰されてしまう。
「楽しんでもらえたかしら?」
 ノコギリが消えると、そこには砕けた機械の残骸だけが漂っていた。

「難しいことは分からないけど、大事な戦いで、勝たないと、楽しい未来がないってことは理解してるっす」
 難しいことは分からなくてもやるべきことは分かっていると、未不二・蛟羽(絢爛徒花・f04322)は気合を入れる。
「だったら、俺に出来ること、やるっす!」
 風の加護を特製の宇宙服から伸びた翼に纏い、宇宙空間にもその力が及び推進力を得る。空を飛ぶように蛟羽は飛翔して敵に接近して風圧の弾丸を発射した。それがウォーマシンに命中すると、急激にスピードダウンして、まるで台風にでも煽られたようによろよろと徐行を始める。
「こっちは速く、あっちは遅く、みんなサカサマっす! 足止めは任せてほしいっす!」
 そうやって敵を足止めし、仲間達が落としやすい状況を作る。その隙を逃さず、サリカとベルリリーが攻撃を仕掛けた。

●乱戦
「あっちもこっちも戦闘が起ってるっすね」
 少し離れた位置から見下ろすように、蛟羽は戦場を俯瞰する。戦闘は猟兵側が押していて、少しずつエンペライダーズの勢力が減少を始めていた。
「あっちに何かいそうな気がするっす!」
 そんな中、少し違う動きをする敵を見つけ、勘を働かせた蛟羽が飛んでいると、その先に赤いバイクが走って指揮を執っていた。
「当たったっす! リーダー発見っすよ!」
 だがその行く手を邪魔するように配下のウォーマシン達が展開していた。
「この先に行きたいなら、まずは俺達を倒してからにするんだな!」
「スピード勝負、受けて立つっす! 行くっすよ!」
 ウォーマシン達の挑戦を受け、蛟羽は翼を羽ばたかせて速度を上げる。それに合わせてウォーマシン達も加速を始め宇宙を駆け上がる。

「敵をこっちに引き付けましょうか」
 白夜が囮として敵の前に姿を見せる。
「死にに来たか人間!」
 そこへ一蹴してやろうとバイクが飛んできた。それを先と同じように分身して迎撃する。
『どうだ! センサーでも、俺達が二人だなんて分かりゃしねぇだろう!』
「正確には、僕達は人格が二つなんだけどね。」
 分身の騙し討ちによってナイフを突き立て、手枷を掛けて戦闘力を奪った。だがそれを見ていた他の敵が集まって来る。
「ちょっと数が多いね……」
『なーに、一人3機も倒せば終わりだろ!』
 気軽な相方の言葉に勇気づけられ、白夜はナイフを手に敵に立ち向かう。

「近接戦を行う! 高機動モードに移行!」
 ウォーマシンが変形してバイクと一体化するようにコンパクトになり、出力にエネルギーを回して加速する。
 翻弄するように高機動モードのウォーマシン達は高速で動き回り、死角からの体当たりを繰り返す。
「人間が乗ったら失神しそうな速度で走るのはずるいなぁ。でもそれならこっちもこんな方法を使っちゃいます!」
 レクシアは複製のバイクに飛び移りながら軌道をコロコロ変え、敵とすれ違う瞬間手で触れる。ビチャッと手のタールが付着し、それがウォーマシンの身体を侵食し胴体から真っ二つに切断した。
「まっぷたつ、だよ!」
 爆発した敵を確認したレクシアは楽しそうに笑う。
「さぁ次にスクラップになりたいのは誰かな!?」
 そして次の標的を探してバイクを疾走させ、戦っていた白夜に加勢する。

「まだまだリリのショーは続くわ。さあ、舞台に上がって楽しんでね!」
 ベルリリーの回転ノコギリが暴れ回り、暴風のようにウォーマシンをバイクごと切り刻む。
「ミサイルだ! 近づかせるな迎撃しろ!」
 予想したウォーマシン達は躱しながらミサイルを撃ちまくる。
「こっちこっち! リリはこっちだよ!」
 それをベルリリーはワイヤーを走るバイクに引っかけ、ミサイルを避けた。
「追え!」
 それを追おうとした敵に、またノコギリが襲い掛かる。
「避けきれないくらいの攻撃をお見舞いしてあげるのよ」
 ウォーマシン達に無数のノコギリが全周囲から襲い掛かり、バラバラに切断して宇宙の塵と成り果てた。

「乱戦となったか、なら近くの敵から確実に止めていくとしよう」
 アルトリウスは味方を襲う敵に視線を向け、停止させて隙を作り出す。
「足を失えば藁を斬るのと変わりませんね」
 止まった敵に接近したボドラークは刀を振り抜き、金属の胴を容易く斬り飛ばした。
「ドッグファイトに必要なのはスピードだけじゃないぜ!」
 陽里は敵とすれ違うと小回りなターンで敵の後ろを取る。そして拳銃を構えバイクの後部を撃ち抜いた。ブースターが破壊され推進機能に多大な障害が起きてバイクが止まる。
「バイク乗りだからな。バイクの要所はよく知ってるぜ」
 バイクを失ったウォーマシンなど脅威ではないと無視して、次のバイクとのバトルを始める。

「倒しても倒しても湧いてくる。本当に害虫のような連中ですね。ならば根絶やしにするまで!」
 右手を向けたサリカは高圧電流を放ってウォーマシンを機能停止に追い込む。それを逃れようとした者達も、僅かな影響を受け一時的にブラックアウトさせた。
「絶縁処理をしていようとも、これだけの高圧電流を受ければただでは済みません」
 近づく敵に容赦なく電流を流し、サリカは敵を寄せ付けない。
「くっ、俺が囮になる。その間に背後から襲え!」
 正面から高速でウォーマシンが体当たりを敢行する。その間に背後に回ったもう一機もまた突っ込んできた。
「少しは考える頭があるようですね。ですが無駄です!」
 サリカは正面に向けて電流を放ち、そしてスラスターで上へ加速して背後からの攻撃を避け、流れ続ける電流の渦に敵を巻き込んだ。

●赤いウォーマシン
「敵は数を減らしたな……この残骸は使えるか」
 ドアクローザは戦場に多く浮かんだ敵の残骸を蹴って動き、足場を得た事で自在に戦場を駆け回る。
「乱戦は好都合だ。一体ずつ、切り伏せていく」
 そして敵の死角から近づき、太刀を振るって確実に仕留めていく。

「これだけ敵が減れば……見つけました」
 セルマは銃に付けたスコープを覗き込み赤い敵を探す。すると赤い残像が一瞬過ぎった。銃を動かしてそれを追うと、バイクも真っ赤に染めたウォーマシンが宇宙を駆け抜けているのを確認した。だが同時に敵もまたセルマを認識し、方向を変えて突っ込んで来る。セルマは銃弾を放つが、加速したバイクに避けられ視界から消える。
「消えました。ですがこちらに向かって来るのは明白です」
 それならばとドローンを飛ばして索敵範囲を広げる。すると下から来る物体を察知した。迎撃しようとしたドローンはミサイルで撃ち落とされる。
「そこです」
 宇宙服に吊るしていた4挺のデリンジャーを次々と抜いては撃ち、4連撃を浴びせた。被弾した赤いウォーマシンの軌道が逸れ、突進が外れてセルマとすれ違って上へと飛んでいき視界から消え去った。

「あちらに頭目がいるようですね。蹴散らしながら進むとしましょう」
 ボドラークは赤いウォーマシンに向かう。だがそれを阻むように他のウォーマシンたちが襲い掛かってきた。
「宇宙で剣士など通じるものか! ミサイルの餌食にしてくれる!」
 ポッドから大量のミサイルが発射され、逃げ場のない密度でボドラークに向かって飛んでくる。ボドラークは身を捻り最小限の動きで回避し、裏を取ってミサイルを爆発させる。
「通じるかどうか、自分の身体で確かめてみてはどうでしょう」
 その爆風を浴びて敵のところまで吹き飛び、刀を一閃して敵を両断した。
「最速で轢き殺す!!」
 ウォーマシンが変形して限界速度を超えて加速する。真っ直ぐに飛んでくる敵にボドラークは刀を縦に構え片方の手で峰を支える。衝突した瞬間、刀を押し切りバイクとウォーマシンを真っ二つに断ち切った。
「一気に行くぞ!」
「フォーメーションを組め!」
 ウォーマシン達がボドラークの周囲を回転し、連続で特攻を始める。
「雑兵相手ならばこうでなくては、派手に参りましょう」
 笑みを浮かべながらボドラークは刀を振るい迎撃する。

●最速の走り
「リーダーまでの道は俺が作るっす! 後は任せたっすよ!」
 蛟羽は風の弾丸で敵を足止めし、近づく者を蹴倒して蛟羽は注意を引き付ける。
「下っ端どもがやられて赤いやつが動き出したようだな。トラップに引っかかってくれれば御の字だが」
 だが鎖の繋がった敵がセゲル目掛けて突っ込んで来る。
「よくも仲間を巻き込ませたな!!」
 高機動モードに寄る突進。対してセゲルは腕をぶんぶん回して待ち構える。
「自分からやられに来るとは、殊勝な心がけだ」
 ぶつかる瞬間、セゲルは腕を振り抜きラリアットを決め、バイクがひしゃげ乗り手のウォーマシンが放り出された。

「赤いウォーマシン! 見つけたよ!」
 殺る気スイッチをONにしたパウルは白銀の宇宙バイクに騎乗して飛び出す。バイクを変形させて流れ星のように雑魚のバイクを追い抜いて赤いウォーマシンとの距離を縮めた。
「どーも、エイリアンツアーズです! ……冥府へ直行で御案内してやっぞオラァ!!」
 人が変わったように荒々しく荒々しくパウルはバイクを寄せてぶつけようとする。
「その程度のスピードでオレと並んだつもりか」
 鼻で笑うように赤いウォーマシンはスピードを上げて差をつけようとする。
「こっちもまだ本気じゃねぇぞコラ!!」
 パウルはギアを切り替えて更に猛ダッシュして追い上げる。そして敵の前へと飛び出した。
「食らいやがれ!!」
 そこでバイクを傾けスピンさせて敵を巻き込もうとする。
「人間のクセにやるではないか!」
 赤いバイクはウィリーして当たる面積を狭め、スピンの回転に合わせてすり抜けた。
「うおあああ!?」
 だがその後に続く他のウォーマシンが巻き添えを食って転倒した。慌ててウォーマシンはバイクを再始動しようとする。
「雑魚の方か、まあいいや。冥府へ送ってやっからよ! 遠慮せず受け取れよな!!」
 そこをパウルがバイクで押さえつけ、零距離から砲弾を叩き込みバイクごとスクラップに変えた。

「確かに他に比べて段違いに速いが、俺の眼とどちらが速いかな」
 アルトリウスが魔眼で捉えようとするが、それを予測したように赤いバイクは軌道を変化させていく。
「見えぬ攻撃だろうと、何度もやられたデータをリンクできれば予測可能だ!」
 赤いウォーマシンが流星のように飛び込んで来る。
「ここからは拳と拳で語り合おうじゃないか」
 そこへセゲルが正面から殴りつけ、衝撃でミサイルポッドが爆発を起こした。
「流石帝国最速を名乗るだけはある。だがこの場は俺達の勝ちだ」
 アルトリウスの視線が赤いバイクを捉えた。バイクが強制停止する。
「ミサイルポッド破棄、リミッター解除……真の最速というものを見せてやる」
 全てのミサイルポッドが放棄され爆発する。爆炎に紛れて再起動した敵が、赤い残像を残してセゲルをすれ違うだけで遠くまで吹き飛ばす。流線形に変形した赤いウォーマシンはバイクと一体になったように加速する。

「どちらが速いか、勝負だ」
「エンペライダーズに敗北はない」
 追走するようにステラがバイクを走らせると、ウォーマシンもまたバイクを駆る。ともに流星のように銀河を駆け交差する。ステラが刀を振るい、ウォーマシンが体当たりをする。
「俺も混ぜてくれよ!」
 そこへ陽里も雷光のように走って赤いバイクの尻につく。
「リーダー機だけあってカスタムしてるみたいだな! こいつは楽しめそうだ!」
 陽里はワクワクした様子でバイクを走らせ、ぶっちぎろうとする敵を追う。徐々に距離を詰めると、敵は前に倒れるように急ブレーキし、リアを持ち上げジャックナイフを行う。急停止に陽里は後部のブースター噴射に顔から突っ込みそうになるところを、急降下してギリギリで回避した。
「やるじゃないか!」
 活き活きとした顔で陽里が笑うと、敵もまた笑っているように感じた。
「オラオラァ! オレも仲間に入れろよ!!」
 そこへパウルも参戦し、赤いウォーマシンを追い詰めていく。

「加勢にいくぞ! 統制された我等の走りを見せてやる!」
 そこへ加わろうとウォーマシン達が集結した。
「勝負の邪魔はさせないわ」
 その敵群をクリスティアーネが出迎える。
「致死領域へようこそ、と言ったところかしら? 歓迎してあげるわ、騎兵隊さん?」
 囲まれながらもクリスティアーネは上品に一礼し、血と呪詛と祈りで作られた無数の杭を放って敵をバイクごと貫いた。
「集まってしまえば的になるだけよ?」
「散れ!」
 続けてクリスティアーネが放つ杭を避ける為、バイクが散り散りに逃げる。
「小回りが利いて動きが速くとも、面の攻撃には脆いものよね」
 そこへ追い打ちに放った炎の塊が拡散し、逃げ場のないバイクは矢を受けて炎上し爆発した。

 宇宙を駆け、いつまでも続くかと思った超高速のバトル。だが限界のきた赤いウォーマシンの身体がボンッと小さな爆発を起こし火花を散らす。
「もう煙吹いてるじゃねえか、無理せずオレにやられちまえよ!!」
 パウルが横から煽ると、赤いウォーマシンはスピンさせながらブースターを吹かしてパウルを吹き飛ばす。
「まだだ、まだ走れる! 我等は帝国最速! 決して止まらぬ!!」
 無理をした挙動でブースターの出力も低下する。それでもバイクを止めずに赤いウォーマシンは限界を超えて走り、食らいつく陽里も弾き飛ばした。
「なかなか楽しめた。だがここまでだ」
 そこへステラが全速で迫り、刀を横一閃すると赤いウォーマシンの身体が斬り飛ばされ、赤いバイクだけが疾走して暗闇に消えていった。

●戦士の休息
 指揮官を失ったウォーマシンのエンペライダーズは戦意を失い、大多数が掃討され僅かな数が逃げ散った。この辺りの敵は全て退け、艦隊は順調に進んでいる。後は他の場所で戦っている猟兵達次第だ。ひとまず己の仕事は終えたと、次の戦いに備え一時の休息を得るために猟兵達は帰途についた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト