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大祓百鬼夜行⑦~幻想のフルムーン その2

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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●月は割れているか
 月が割れる時はどんな音がするのだろうか。
 バリバリ、とも、ボキボキ、とも思えず――擬音では月という巨大な存在を形容する言葉が見つからない。

 月が割れた。音を立てて開いた、と言ってもよいかもしれない。
 そこに響くのは暴風が如き轟き。しかしそれはカタストロフの幼生の羽音に過ぎない。
 細長い体に八つ足と薄羽を持ち、強力に発達した顎がジャクジャクと開閉する様は、まさに世界を喰らおうとしていた。

●カクリヨファンタズム・大祓百鬼夜行
「お月見は自由です! 好きに過ごして構いません!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)が今宵案内するのは、疲れた猟兵達へ送る一時の癒し。
「カクリヨファンタズムには一年中真夜中で満月のすすき野が幾つも存在するそうなんです! つまり24時間365日、ずっとお月様を見放題です! 贅沢ですね! しかしそんなすすき野の一つで、骸魂の影響を受けて凶暴化した『満月』が割れ、超巨大な『カタストロフの幼生』が生まれようとしています!」
 世界を終焉に誘う者。それがカタストロフの幼生。世界を喰らうごとに大きく成長し、やがては世界を破壊する。
「ですが、その幼生を消滅させる方法があります! それは賑やかなお月見をやることです! 月が割れている光景を必死に無視して楽しいお月見をすれば、満月も元通り! 骸魂の影響を打ち消すことができますね! お団子を食べてもいいですし、他の料理を持ち寄って宴会などしてみるのもいいかもしれません! とにかく楽しみましょう! もうそろそろ戦争は半ばに入ってきます! ここで一旦小休止を入れて、最終決戦へと続く道を作っていきましょう! それではよろしくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 戦争シナリオです。戦争の概要は専用ページをよろしくです!

●フラグメント詳細
 第1章:日常『月割れてるけどお月見しよう』
 すすき野でお月見です。
 お月見を好きに楽しんでください。

●MSのキャパシティ
 戦争シナリオってことで青丸足りたら即完結の可能性が高いです。ご了承ください。
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第1章 日常 『月割れてるけどお月見しよう』

POW   :    全力で月の美しさを褒め称え、「立派な満月」だと思い込む。

SPD   :    賑やかな歌や踊りでお祭り気分を盛り上げる。

WIZ   :    お月見にふさわしいお菓子やお酒を用意する。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK


んー、まあ落ち着いている事には自信あるし、適当に月見してようか。
野営道具を広げて、お団子を積んで、ススキを飾って。
後は何だっけ、栗とか月餅?
まあ、正式な作法とか知らないし何でもいいか。
お茶を淹れたら、のんびり月を眺めながら用意したものを食べようか。

そういえば、月見団子を月が盗んでいくなんて話もあったねえ。
試しにちょっと団子から目を離して盗まれるかどうか試してみようかな。
さてさて、どうなるかなー。



●月見兎
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は花見席の確保よろしくすすき野に野営道具を広げる。光は月が齎してくれるので、敷物を広げて四つ角を地面に留め、すすきを摘んで細長の花瓶に立てた。
 月見団子は定番の丸いものを、四角錐の形になるよう丁寧に皿の上に積んでいく。
「後は……栗とか月餅もそうだったっけ? まあ、正式な作法とか知らないし何でもいいか」
 一人で楽しむのだから好きにやりたい。ペトニアロトゥシカはお茶を淹れると、ずずっ、と軽く啜って月を眺め、積んだ団子の頂点を早速つまんでぱくり。
「うーん……結構いっぱい戦ったねぇ。燃えてる糸で綾取りもしたし、妖怪団地にも行った。酒を目一杯飲んだこともあれば、駄菓子屋迷宮なんてところにも行ったっけ」
 ここまでの戦いを思い返しながら月餅をむしゃり。あんこの甘味とお茶の渋みがよく合った。
「これでまだ道半ばなんて、この先どんな戦いが待っているのやら……あぁでも、こんなお月見みたいなので世界が救えるならありがたいねぇ。……そういえば」
 二段目の団子を一つ、二つとぱくぱく口に運び、少し形を崩した団子の山を見る。
「月見団子を月が盗んでいくなんて話もあったねえ。試しにちょっと団子から目を離して盗まれるかどうか試してみようかな。さてさて、どうなるかなー」
 しばらく月を眺めていることにしたペトニアロトゥシカ。月はいつでも丸い。此度はちょっと楕円形をしている気がしなくもないが、まさか割れているなんて、ないよね。
 そうしてしばらく月見して、啜る茶がなくなったところで淹れ直し、と地上に視線を戻すと。
「おやおや、本当に月が盗みに来たよ」
 団子の山に近寄ってきていたのは、月――ではなく野兎。しかし兎は月の住人とも言われるから、あながち間違いでもない。
 団子を摘んで差し出してみると、少し警戒するも前足で器用に受け取り、口に咥えてどこかへ去っていく。思わぬ訪問を受けながら、ペトニアロトゥシカはのんびり月を眺め続ける。
 少し月が真円に近くなっていた気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

外邨・蛍嘉
人格:クルワ(男/鬼)で。水の髪もち。

(『オブリビオンの幼生』は全力無視)
ナルホド、ここがカクリヨのお月見場の一つ。すすきと月が揃っているという贅沢デスネ。

持ち込んだのは、三色団子と温かいお茶デスネ。ワタシの好物デス。
昔(人間時代)は剣の修練が終わると、これを皆で食べて飲んで…としてマシタネ。

イエ、今はお月見デスネ。お月見はいいものデス。心安らかにいられマスネ。
陽凪も休んでマスシ…。
戦争中にこのような機会があるとは、思いマセンデシタヨ。

※陽凪は、団子モグモグ。すすきがくすぐったい。



●月見に団子
「ナルホド、ここがカクリヨのお月見場の一つ。すすきと月が揃っているという贅沢デスネ」
 外邨・蛍嘉(雪待天泉・f29452)――とは今の姿ではない。今はクルワ、内なる別人格が月見に来ていた。
 三食団子と温かいお茶を持ち込んで、悠久とも感じられる真夜中の月を眺めやる。好きな物だけに囲まれた空間は実に心地よい。
「昔は剣の修練が終わると、これを皆で食べて飲んで……としてマシタネ」
 思いを馳せるのはかつて、人だった頃の記憶。剣に生きるクルワは修練が終わると、よく仲間達と憩いの時を過ごしていた。
 その席にあったのが団子とお茶。息つくには丁度よい取り合わせで、ほとんど毎日のように食べていた気がする。
「イエ、今はお月見デスネ。お月見はいいものデス。心安らかにいられマスネ。陽凪も休んでマスシ……」
 巨大熱帯魚はパクパクと口を動かして団子を食べている。どうやら月より団子派で、触れるすすきがくすぐったいのか、たまに体を揺すっていた。
「戦争中にこのような機会があるとは、思いマセンデシタヨ」
 戦いを宿命づけられた猟兵といえど、心は擦れる。少しずつ積み重なる摩耗を回復させるのには丁度いい機会。
 クルワは桃色の団子を一つ手にして齧る。甘味は体に溜まる疲れを取り除いてくれるようで、その後に飲むお茶は格別だ。

 こうして月見を楽しめば、カタストロフの幼生は意味を失い、月もまた元の姿を取り戻すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月14日


挿絵イラスト