大祓百鬼夜行⑦〜これは訓練ではない、実戦である
●静かに月を見させろ
今宵は満月。すすき野に吹く風は程よく涼しく、雲一つない空は夜ながらも地上を淡く照らしていた。今日は絶好の月見日和と言えるだろう。実をいえば今宵も今日もなく一年通して真夜中満月の地域なのだが、とにかく月見には最適なシチュエーションだ。
だがしかし、今だけはお月見に洒落込もうという状態ではなかった。月が真っ二つに割れ始めているのである。フルムーンがハーフ&ハーフにされているのだ。
異常はこれ一つだけではない。割れた月から巨大な化け物が這い出ようとしているのだ。その化け物こそカタストロフの幼生、あの怪物が地上へと生まれ落ち成長したならばカクリヨファンタズムとUDCアースは天災に見舞われるよりも酷い有様になるだろう。
そして最後の異常――泣き叫ぶ幼生と震える月。鶏にも似たその姿は地上に向けて奇声を発し続けるのだ。
●軍隊の人って式典で笑わない様にコイツで訓練するらしいっすよ
『プァアアアアーーーーーーーーーーーーwwwwwwwwwww』
グリモアベースの一角にて奇妙な音が響き渡る。音の原因はグリモア猟兵の煙瀧・たむけ(ツートンスピリット・f00271)が右手に持った黄色いニワトリ型のおもちゃだった。戦争の話を聞きに来た猟兵たちはシュールさに腹筋を鍛えさせられていた。
『ヒョォォォオwwwwwヒュオッファアアアアアアアプァアアアヒュゴゥッwwwwwww』
さながら腹話術のような様子でたむけはおもちゃを鳴らす。猟兵の目の前で、顔の側で、覗き込むようにプァアアアアアアする。
『プォォォォオオオオオオオオwwwwwwwwwwヒュゥッヒュゥッ……ファッ!』
どうにか笑いをこらえて戦地の話が記されたプリントを読み進める猟兵たち。めちゃくちゃ集中しにくいが内容を読み進める。
まず一つ。我々猟兵はカクリヨファンタズムの万年夜のすすき野にてお月見を楽しむこと。
次に二つ。月は割れており、中からアポカリプスの幼生が生まれようとしていること。
さらに三つ。割れた月と幼生の光景を無視しながら、さも我々は満月のお月見を楽しんだようにふるまうこと。
そして四つ。幼生は奇声を上げる。猟兵同士の交流以外で笑う、月から露骨に目を逸らし続ける等をすると作戦は失敗に傾くということ。
まとめると、全力でお月見を楽しめ、だが奇声で心を乱すな。ということだ。
「まぁというわけでこれは予備訓練だったわけなんだがな、君たちの腹筋の耐久力と表情筋の頑固さに世界の命運がかかってるんだぜ!それはそうと月見団子も持ってく?未成年はアルコール禁止だからな!」
紫芋
昔はあんこが好きでしたが今ではごまがすきになりました。何の話って?こしあん派って話ですよ。
紫芋と申します。頑張っていきましょう。
●戦場
カクリヨファンタズムのすすき野。常世の空間で空には雲一つありません。真っ二つに割れた満月とヤベーおもちゃが出迎えてくれます。
●目標
月見を楽しめば成功となります。出来るだけ盛り上げて、できるだけ楽しんでください。大勢でわいわい騒ぐもよし、恋人やいい感じの関係の人といい雰囲気に浸るのもよし、家族やご友人に日ごろの感謝を伝えるのもよし、一人で温泉上がりの浴衣姿なノリで空を見てニヒルに口角を上げるのもよし。
●月&幼生
上記のタイミングのようないい感じの雰囲気のところでファアアアーーーーwwwwwなります。恋人たちが口づけを――ってタイミングにこそなります。そうじゃないときにもなります。頑張って我慢してください。
笑ったら腹筋十回噴いたら崩壊二回。
プレイングお待ちしております。
第1章 日常
『月割れてるけどお月見しよう』
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POW : 全力で月の美しさを褒め称え、「立派な満月」だと思い込む。
SPD : 賑やかな歌や踊りでお祭り気分を盛り上げる。
WIZ : お月見にふさわしいお菓子やお酒を用意する。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ナイ・デス
今月に入って、0.3cmも身長が伸びた私です
いっぱい食べて、もっともっと大きくなりたいです……!
ということで、お月見。お月見団子をいっぱい用意しました!
お月様を眺めながら、食べますよー
『蜜ぷに召喚』!蜜ぷにさん達も、いっしょに楽しみましょうね!
お月見関係なく、背が伸び始めたことにうきうきで、変な音も真っ二つの月も気にならない様子で、たくさん食べたからかなぁと、月をみながらお団子たべたべ。もっと身長が伸びますように!とお月様にお願いしたり
蜜ぷにさん達は頭も悪く、音の面白さとか月が割れてる異常が理解できなくて、アルダワ迷宮の外ぷにー!お月見ぷにー?お団子ぷにー!と、少年と並んでお団子食べます
●ファアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーwwwwwwwVer1.0
ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)はとてもご機嫌だった。両手に月見団子を持って交互にもぐもぐして満面の笑顔だった。めっちゃプゥァアアアアアアアアアwwwwwwwwwwってうるさいけどそんなの今の彼にとっては些末なことに過ぎないのだ。
彼のすぐ側では大量の小さい何かが集まってわいわいしていた。その何かとはナイが呼び出した霊群の蜜ぷにさんたちである。彼らもぷにぷにはしゃぎながらみんなで団子を頬張っている。アルダワの外に出るのは珍しいことらしく、割れた月も奇抜な叫び声にも特に疑問を抱くことなくお月見を楽しんでいた。
「蜜ぷにさんたちも、いっしょに楽しみましょうね!」
しかし、しかしである。蜜ぷにさんたちが割れた月や奇声鶏に疑問を持たないのはいいとしてナイ自身がこのお月見に疑問を持たないはずがあろうか、いいやないだろう。割れて中心から鶏のおもちゃらしきものがファアアアアアwwwwとうるさいのを無視して普通のお月見であると思い込めるのだろうか。諸君君らはどうだろう?
だが現実の事実として彼はニッコニコの笑顔で何も気にせず団子を食しながら蜜ぷにさんたちと月見を楽しんでいる。その理由とは――?
――そう、身長である。彼は身長が今月に入って僅かに伸びたのである。1㎝の僅かな成長ではあるが、年頃の男児にとっては本当に心の底から嬉しいのである。そんな彼にとっては割れた月はさながら歓喜のくす玉と変わりなく、ぶっ飛んだ奇声も軽快なバックグラウンドミュージックと等しい。
「えへへー、いっぱい食べたからかなぁ、もっと大きくなるかな?もっと身長が伸びますように!」
もはや彼は月に願掛けし始めた。ご機嫌な男子は団子に舌鼓を打ちつつ、食べ切るまでのんびり未来の大きくなった自分に思いを馳せるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
空亡・劔
この最強の大妖怪である空亡劔を差し置いて大異変とか生意気よ
って今回はお月見を楽しむ
でも笑っちゃダメ…?
くっ
【天候操作】で緩く雲を出して風流さを演出よ
後はお団子を食べるわ
色々あるのよね
うん…これはお醤油ね
こういうのもいいわよね
それにこれは焼いているのね…うん…団子は火を通すとこうも風味が増す者なのね(全力で食レポ
ええ…あたしは割と氷属性が得意だけど…暖かいものも好きよ
本当はお酒も飲みたいけどなんでかだめなのよね(しょうがないのでジュースごくごく
あたしは古くより存在する大妖怪だというのにないわよね(実はステシの実年齢通りの可能性もあったり?
あ、ゴマだんごもあるのね…(もぐもぐ)…美味しい
●ファアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーwwwwwwwVer2.0
月に薄い雲が差す。淡い月光は霞んでより薄く、空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)の白くたなびく髪がすすき野に煌めいている。そよ風が雲を千切り、明暗がまた風流さを醸し出してる――が、全部あの黄色いニワトリが出す轟音で台無しである。というか雲に隠れるか隠れないかの瀬戸際でファッ…………フ…………プアァアアアアアアアアアアwwwwwwwwwwwなどとやってくる辺り幼生もノリノリである。
劒はそんな景色にプルプル耐えながら団子を頬張っていた。
「(この最強の大妖怪である空亡剣を差し置いて大異変とか……生意気よ……!でも、でも笑ったら……いけない……!)」
最強の大妖怪とてシリアスブレイクには耐える以外存在しなかった。どうにか雲を生み出して休憩時間を作ったからこそ耐えれているがもしずっと煩かったらとっくに限界を迎えて噴き出していたかもしれない。
「……うん、お団子もいろいろ味付けあるのね。これは……お醤油ね。ちょっとしょっぱいのがアクセントになって飽きなくていいわね。こっちのは焼いてあるのね。なかなか風味が増して美味しいじゃない。これは新しい発見だわ」
ひたすらに団子を口に運びつつ食レポする。月見と言ったら団子、気を紛らわせるには舌の上に広がる感覚を口にするのが一番だ。だがそこで一つ思い浮かぶ。
「どうせならお酒も飲みたいのよね……もともとはヤドリガミだったし、未成年なんてとっくに過ぎてるはずなのに」
代わりに持ってきたジュースをぐびぐび飲みながら独り言ちる。残念なことに彼女の登録年齢は十六歳、実年齢がどうかは不明だが良識ある規約は持ち込みを許してくれなかった。
「あ、ゴマだんごもあるのね……何これ、ゴマの上でも転がしたの?あ、でも美味しい」
なんだかんだと言いつつもしっかり団子で腹を満たし腹筋と表情筋も耐えきれた。満足気な顔を浮かべる劒なのだった。
大成功
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