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大祓百鬼夜行⑧〜黄泉へ送る者

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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●まぼろしの橋にて
「あの姿は……!」
 既に死んだはずの想い人、その姿を追いかけた妖怪はとある橋へと辿りつく。
「あれ? どこへ行ったんだ?」
 しかし、そこで思い人の姿を見失った妖怪は、きょろきょろと辺りを見回す。
「グハハハハ! 死んだやつが蘇るはずが無いだろう! お前も想い人と同じ場所に送ってやるよ!」
「ぎゃああああああ!!!」
 そこに現れたのは真紅の鎧を纏った死神だ! そして、死神の持つ大鎌が妖怪の命を刈り取った……!

●橋の死神
「皆、新たな戦場が開いたぞ。そこは、カクリヨファンタズムの川にかかる『まぼろし橋』だ」
 グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、集まった猟兵達に次なる戦場の説明を始める。
「そのまぼろしの橋は渡った者を黄泉に送ると言う噂があり、幽世に倦んだ妖怪が渡ると言われている。そこを、オブリビオンが占拠したのだ!」
 この占拠したオブリビオンの撃破が今回の任務となる。

「このオブリビオンは、『死んだ想い人の幻影』を見せることで妖怪を橋に引き寄せている。そして橋に引き込んだ妖怪を超空間に送った上で、黄泉に送る……つまり殺すことを狙っているようだ」
 橋に踏み込めば超空間に引きずり込まれ、オブリビオンを倒すか黄泉に行くまで出ることはできなくなる。
「オブリビオンの凶行を止めるため、妖怪が引き寄せられる前にこの橋へと侵入し、オブリビオンを倒してくれ」
 超空間と言っても、出られないだけで足場は狭い橋のままだ。その場所でどう上手く戦うか考えておけば、有利に戦況を進められるであろう。

「このオブリビオンはドイツ製のリビングアーマーが死神を呑み込んだものだ。その影響で、名前やユーベルコードの名前がドイツ語になっているようだ。これまでの戦いと同じく、オブリビオンを倒せば死神は救出することが出来るぞ」
 百々はオブリビオンの情報を補足すると、猟兵達を現地へと転移させるのであった。


夢幻
●マスターの夢幻です。

●戦争シナリオのため、1章で完結となります。
●このシナリオのプレイングボーナスは、『狭い橋の上でうまく戦う』です。
●戦闘メインでの描写の予定です。
●プレイングに『死んだ想い人の幻影』を記載頂ければ、多少描写します。記載が無ければ、戦闘開始の状況よりの描写になります。
●オブリビオンを倒せば、骸魂に呑み込まれた妖怪は救出できます。
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第1章 ボス戦 『『深紅の死神』プルプルンゼンゼンマン』

POW   :    マサーカー・トーテンシェーデル(虐殺髑髏)
【殺戮への渇望】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    グラオザーム・ヒンリヒトゥング(残忍処刑)
【鏖殺の大鎌】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    トート・シックザール(死の運命)
攻撃が命中した対象に【死を招く呪い】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【様々なバッドステータスが発生する呪い】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠夢幻・天魔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ソニア・シルヴァーヌ
死者との語らいの場を荒らすも、死すべき定めにない方を殺める事強いるも、許すわけにはいきません。
きっちりと、倒させて頂きましょう。

戦場が狭いので、機動力を活かす戦いは難しそうです。
環境適応・自己進化にて、機動力を犠牲に攻撃力を強化し戦います。

敵はユーベルコードにて巨大化する、となると、お互い充分に動けないので正面からの殴り合いとなりそうです。
とはいえ只殴り合うだけでは恐らく不利。
暗黒縛鎖・改を撃ち出し腕を【捕縛】、全年齢向触手で足を払って【体勢を崩す】等の搦め手を駆使し、可能な限り敵の攻勢を殺していきます。
その間に【エネルギー充填】を行い、好機が巡り次第波動砲を【全力魔法】にて撃ち込みましょう。



「死者との語らいの場を荒らすも、死すべき定めにない方を殺める事強いるも、許すわけにはいきません。きっちりと、倒させて頂きましょう」

 オブリビオンの潜む橋へと、触手を蠢かせて現れたのはソニア・シルヴァーヌ(玻璃の白百合ラスボス仕立て・f31357)であった。彼女は異形のラスボスであるが、その言動は聖女の如し。死者を利用し、死神に殺戮を求めさせる骸魂の所業を聞いて、その凶行を止めるべくここに参戦した。

「んん? お前は何の妖怪だ? まあいい、どんな奴だろうが黄泉へと送ってやるよ!」

 そんな彼女をおびき出された哀れな獲物と思ったか、橋の上にプルプルンゼンゼンマンが出現した。殺戮への渇望を爆発させる彼は、その身体を巨大化させていく。

「この戦場の狭さでは、機動力を活かす戦いは難しそうです。ここは、攻撃力を強化し戦いましょう」

 対するソニアも、ユーベルコードを使って戦闘準備を整える。彼女が『環境適応・自己進化』で強化したのはその攻撃力だ。代償に機動力が犠牲になるも、どうせこの狭い橋ではまともに移動など出来ないために問題は無い。そして、オブリビオンと猟兵が激突した!

「死ね死ね死ね死ねえええ!!!」

 殺意を滾らせ猛攻を見せるプルプルンゼンゼンマンを、ソニアは真っ向から受けて立つ。最も、ここで単純に殴り合うのは地力で勝るオブリビオンに分があるだろう。

「力押しには、搦め手で参りましょう」

 彼女はその異形の下半身をフル活用して、プルプルンゼンゼンマンの攻勢を妨害する。『全年齢向触手』で脚を払って転ばせれば、続けて放たれた『暗黒縛鎖・改』がその腕を拘束する。敵はすぐに態勢を戻すだろうが、エネルギーの充填には十分な時間は稼げた。

「『波動砲』で、消し飛ぶのです」
「なっ! グギャアアアア!!!」

 ソニアの放った渾身の波動砲は、狭い橋の上で避けようのないプルプルンゼンゼンマンを吹き飛ばしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

北・北斗
『今回は、戦いですか。ここは、どうにかしないとですよ』
『あの武器、当たるわけには行かないですよ。おいらも、死ぬわけには行かないですよ』
骸玉が死神を飲み込んだって…鎧が相手ってことみたいだね。
じゃあ、橋の上をホバー移動でスライドして反重力の【属性攻撃】【念動力】【全力魔法】で、相手を浮かせてから、相手の足を加えてびったんびったんする。
『こうなれば、あとは叩き出すのみですよ』

アドリブ歓迎



『今回は、戦いですか。ここは、どうにかしないとですよ』

 続いてまぼろし橋へとやってきたのは、大きなトドであった。彼もまた立派な猟兵、バイオモンスターの北・北斗(遠い海から来たトド・f20984)である。この大祓百鬼夜行では、戦わずとも大食いしたりテレビ番組に挑戦することで攻略出来る戦場もあるが、ここでは凶行に走っているオブリビオンと戦って倒さねばならない。

「また奇妙な妖怪がきやがったな? まあ殺せるならなんでもいいか!」

 トドをよく知らないのか、プルプルンゼンゼンマンは北斗のことを何らかの妖怪と判断したようだ。そして殺せるならば何でもいいと、殺意を漲らせるその身体が巨大化していく。その手に持つ凶悪な大鎌も、身体のサイズに合わせて大型化している。

『おいらも、死ぬわけには行かないですよ。あの武器には、気をつけるですよ』

 大鎌に切り裂かれれば、例え猟兵でもただでは済まないだろう。彼は十分に警戒しつつ、攻勢に打って出る。

「ぬおっ!? そんななりで、この速さだと!?」

 北斗はどすどすと歩くのでは無く、反重力を利用してのホバー移動でプルプルンゼンゼンマンの足下へと迫る。そして、そこで能力を全開にし、死神を浮かび上がらせた!

『こうなれば、あとは叩きつけるのみですよ!』
「ぐほっ! やめっ! ゴハァッ!」

 北斗は浮かび上がって態勢を崩したプルプルンゼンゼンマンの足首を咥えると、そのまま『びったんびったん』と橋へと叩きつけた。この力任せの攻撃を受けて、深紅の鎧はべこべこに凹むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

橋の上を占拠し、行く手を阻むオブリビオン。
我輩が成敗してしんぜよう、であります!

ふさっと布を羽織り、妖怪のふりをして橋へと接近。
別段、逢いたい死者はおりマセンので、きょろきょろと探す素振りをして誘き出すであります。
まんまと出てきた所でさっと跳び、欄干の上に立ちては口上を!
死者を想う気持ちを利用する貴殿の悪事!
ワタシが挫いてくれマショー!
「骸式兵装展開、剣の番!」

ファルシオンを抜いて、ひらりひらりと欄干や空中を跳び回り、オブリビオンを翻弄するであります!
感情が昂り巨大となれば、狭い橋上での動きが取れなくなるデショー!
そこを狙い、叩き切り! 死神殿を救出するであります!



 白い姿の何者かが、きょろきょろと周囲を見回しながらまぼろし橋へと近づいていく。それはよくある幽霊だろうか? 何かを探すように振る舞うそれは、遂に橋の上へと辿り着いた。

「グハハハハ! お前が見ていたのは幻影だよ! お前もそいつと同じ場所に送ってやる!」

 そこに現れたのは深紅の鎧を纏ったプルプルンゼンゼンマンだ。彼の振るう大鎌は、その幽霊を真っ二つに切り裂いた……かと思えば、そこに舞うのはただの白い布である。

「橋の上を占拠し、行く手を阻むオブリビオン。我輩が成敗してしんぜよう、であります!」

 布の中からさっと飛び上がって欄干の上に立ったのは、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)であった。彼女はおびき寄せられた妖怪の振りをして、逆にプルプルンゼンゼンマンを誘い出したのだ。

「死者を想う気持ちを利用する貴殿の悪事! ワタシが挫いてくれマショー!」
「馬鹿にしやがって! ぶっ殺してやる!!」

 まんまとバルタンの策に引っかかったプルプルンゼンゼンマンは激昂する。そして殺意を爆発させて巨大化すると、バルタンへと襲い掛かってきた。

「骸式兵装展開、剣の番!」

 バルタンはプルプルンゼンゼンマンの振るう大鎌を、ひらりひらりと橋の上を飛び回って回避する。それはかつての戦争で強力なオブリビオンの使った技を模したものだ。そうして彼女は狭い橋の上を縦横無尽に移動して、窮屈そうなプルプルンゼンゼンマンを翻弄する。

「そのサイズでは、ワタシの動きについてこれないデショー!」
「くそっ、ちょこまかと……!」

 逃げ回りながらも、バルタンはファルシオンでプルプルンゼンゼンマンを斬り付けていく。まるでUDCアースで伝承される牛若丸の如き軽業で、バルタンはプルプルンゼンゼンマンへとダメージを蓄積させていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

スティーナ・フキハル
スティーナ口調

産みの両親の幻がちらっと見えた。
アタシが3歳のときに死に別れた二人のことで今更どうにかなったりしないよ。
無視して駆け抜ける、左目に少し涙溜めて。

よぉ、いい趣味してんなぁ骨野郎。
鬼神変で浄化するつもりだったけど今日のアタシはご機嫌ナナメだ。
グッチャグチャにぶっ壊してやる。

狭いってことはお前だって避けにくいって事だろ!
アタシの正面に結界を張って近寄ろうものなら念動力と衝撃波で後ろに吹っ飛ばす!
そして氷の属性を乗せた護符の誘導弾を両サイドから当たるようにカーブさせてぶち込む!

もう結界破って突っ込んでくるしかないよなぁ?
そこでUC使用、咄嗟の一撃でカウンター気味の跳び蹴り食らわせてやる!



「……アタシが3歳のときに死に別れた二人のことで、今更どうにかなったりしないよ」

 スティーナ・フキハル(羅刹の正義の味方・f30415)は、橋の側に見覚えのある男女の姿を見つけた。しかし、それは予知でも聞いていた通り幻影だ。後ろ髪を引かれる思いを断ち切り、スティーナは幻影を無視して走り抜ける。その左目には少しの涙を溜めて……

「次の獲物はお前か? 切り刻んで殺してやるよ!」

 そして橋へと辿り着いたスティーナの前に、プルプルンゼンゼンマンが姿を現わした。

「よぉ、いい趣味してんなぁ骨野郎。浄化してやるつもりだったけど、今日のアタシはご機嫌ナナメだ。グッチャグチャにぶっ壊してやる」

 死者への想いを利用するこのオブリビオンに怒り心頭のスティーナからは、少々過激な発言が飛び出していた。まあ、相手の所業を考えればむべなるかなと言うものである。

「いくぜ! って、グガッ!?」
「吹っ飛べ! そんで……こいつをぶち込んでやる!」

 そんなやる気満々のスティーナに大鎌を構えて突撃するプルプルンゼンゼンマンは、突然何かに激突した。それは、スティーナがその正面に展開した結界であった。彼女はそのまま念動力を用いてプルプルンゼンゼンマンを吹き飛ばすと、結界を回避するようにその両サイドからカーブさせて護符を叩き込む。氷の属性の護符は、プルプルンゼンゼンマンを着弾地点から凍り付かせていく。

「くそっ! こんな結界、ぶち割ってやる!!!」

 纏わり付く氷を破砕して、プルプルンゼンゼンマンは再度襲いかかって来る。そして邪魔な結界など両断してやるとプルプルンゼンゼンマンが大きく振りかぶった瞬間、それを読んでいたスティーナは今こそその時だと決着の一撃を放つ。

「『アタシ』と『私』! 体も、心も! 今すべて一つに! これで、終わりだよ!!!」
「んなっ!? ぎゃあああああ!!!」

 『姉妹の魂の完全同期』で妹のミエリとその魂を重ねたスティーナは、全力の飛び蹴りをカウンター気味に叩き込んだ! その一撃はプルプルンゼンゼンマンの真紅の鎧を爆砕し、骸魂を消し飛ばした。

「おお……! ありがとうありがとう」

 そして、リビングアーマーの骸魂に呑み込まれていた死神は解放された。その善良な死神は猟兵達にお礼を言うと、カクリヨファンタズムのどこかへと去って行った。これでもう、この橋で凶行が行われる事は無い。

 猟兵達は任務を達成し、また一つこの場所の制圧に近づいたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月15日


挿絵イラスト