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大祓百鬼夜行⑦〜細けぇ事は良いんだよ! 宴会だ!

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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 ここはカクリヨファンタズムにある不思議な場所。まあ不思議な場所しかないんだけれども。……で、どう不思議かって言うとすっと夜でずっと月が出てる。しかもすすきが広がっている。もうこうなったら月見をやるしか無い。
 食べ物用意して、飲み物用意して、出し物の準備して……。楽しみは現地まで取っておこう。準備もまた一興である。
 そう楽しむ事の前に満月が真っ二つに割れてるとか、その中から蚕の繭の形をしたカタストロフの卵が浮いてるとか、全く気にしなくて良いのだ!

●頭空っぽのほうが世界を救える
「つーわけで月を見ながら宴会だ!」
 ディグ・ドリラー(ドリル仁義・f31701)はそう言い切った。聞き捨てならない説明があった気もするんだが。
「まあ別に気にしなくていいぜ? むしろ割れた月とかカタストロフの卵とか珍しいだろ?」
 いや確かにそうなのだけれども。
「気になるんなら気にすんな! 月見を楽しんでりゃそのうち元に戻ってきにならなくなるぜ!」
 どうもよく分からないが月見が楽しいオーラを受けると受けるとカタストロフの卵が消滅するらしい。どんな理屈だそれ。
「知らん! 理屈なんかどうだって良いって事じゃね?」
 ざっくりとし過ぎな世界である。
「たぶんどんなモンも気にするから問題になるって話だろ、こんなものは大したモンじゃねえってことだろうよ! 病は気からってヤツだ!」
 いやまあこの世界のカタストロフは割と世界自体の病気っぽいけども。
「まあとにかく連戦続きのヤツもいるだろ、疲れてんなら楽しんでこいや!」


西灰三
いつもお世話になっています。
西灰三です。
今回は大祓百鬼夜行のシナリオをお送りします。……戦争シナリオだよなこれ。

以下プレイングボーナスとなります。
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プレイングボーナス……幼生の事を気にしないようにしつつ、全力でお月見を楽しむ。
=============================

以上です。
それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
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第1章 日常 『月割れてるけどお月見しよう』

POW   :    全力で月の美しさを褒め称え、「立派な満月」だと思い込む。

SPD   :    賑やかな歌や踊りでお祭り気分を盛り上げる。

WIZ   :    お月見にふさわしいお菓子やお酒を用意する。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニクロム・チタノ
かたすとろふってなに?
まあいいや月の代わりに卵?たまごだよね、があるから余裕だね?
ボクは姉妹達と月見を楽しむとするよ
お団子もお餅もあるしお酒はないけどオレンジジュースで楽しもう、それにオレンジって月みたいにまん丸だし
月が割れるなんてこんな珍しいこともなかなかないよね、つまり今日は運かいい
これも反抗の加護いただきます




「かたすとろふってなに?」
 ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)が一緒に月見を楽しんでいる姉妹たちに問う。彼女の疑問に対して割と上の方の姉が説明する。
 カタストロフとはオブリビオン・フォーミュラとの戦いに猟兵達が負けた時に起きる、世界滅亡の一歩手前の状態であると。そしてこのカクリヨファンタズムでは頻繁にカタストロフが起きていると。
「で、あれ卵? たまごだよね、があるから余裕だね?」
 まあ孵っていないカタストロフの卵なら気にする必要もないと彼女はオレンジジュースを飲む。ここのところ戦い続きだったし、とまん丸いオレンジを割れた月に並べてみる。月だって同じように丸いし、ただ今この月に合わせるのなら二つに割った方が良いだろう。
「それにしても月が割れるなんてこんな珍しいこともなかなかないよね、つまり今日は運かいい」
 まあそんなものなのかも知れない。ニクロムはこれも反抗の加護と考えて、同じく割ったオレンジにかぶりつく。
「いただきます」
 かぶりついた彼女の頬にオレンジの果汁が跳ね返ったのを姉妹が拭いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
【WIZ】
すすきに月。まさに月見風景ですね。
月がふたつに割れてる?
普段だって、欠けたりするんですから、割れることもあるでしょ。カクリヨだしーで、やっぱり頭から細かいことは追い出しましょう。

月見といえば、月餅です。
これ外せません。
わざわざ封神武侠界まで買いに行ってきました。
あんも黒ごま入りやココナッツ餡、くるみ入りを用意して。
大きさは一口サイズで数用意しました。

月餅って見た目に反して、すごく食べごたえあるんですよね。
緑茶と合わせて、のんびりいただきたいです。




「すすきに月。まさに月見風景ですね」
 湯呑を傾けながら黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)はカクリヨの夜空に浮かぶ月を見上げていた。月が割れてる? そんな事は気にしない。
(「普段だって、欠けたりするんですから、割れることもあるでしょ。カクリヨだしー」)
 便利な言葉、だってカクリヨファンタズムだし。とりあえずそのキーワードで細かいことは頭から追い出して、持ってきた包みを開ける、その中からは月餅が並んでいた。月見と言えば月餅である。中秋節まではまだ大分あるけれども、それはそれ。
「これは外せませんよね」
 わざわざ本場の封神武侠界にまで足を運んで手に入れてきたのだ。カクリヨファンタズムでの戦いの合間を縫ってこの時間を確保したのだし、これくらいのんびりしたっていいじゃない。摩那は月餅を一つ手に取って割ると、中から胡麻餡の香ばしい香りが広がっていく。
「最初は黒ごまですか。いただきます」
 割った一欠片を口の中に放り込み、鼻に抜ける香りとコクのある甘さに舌鼓を打つ。これは当たりだ。きっと他に買ってきたココナッツ餡やくるみ入りのものも期待できるだろう。摩那は時間をかけてから口の中のものを飲み込むと、残った欠片を緑茶で流し込む。
「ふぅ……」
 まだ半個程しか食べてないのに結構な満足感がある。まあでも今はまだまだ時間がある、彼女はこれからの英気を養う為にゆっくりと月餅を口に運んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

都槻・綾
宴会ですね!

飲めや歌えで盛り上がる時間は
素晴らしいですねぇ

…月見ってそういうものでしたかしら
風雅に眺めるものではなかったかしら

もしかして
飲め=茶
歌え=句会
の事だったかしら

軽い疑問は「細けぇ事は(略)」と
すすき野原に
ぽいっと放り投げ

さぁ
いざいざ宴会!
宴会!
盛り上が、

うん
独りですよね、私

独りで訪れたわけだから
今どう考えても
孤独ですよね

此れは果たして宴会と言えるのか
単なる一人酒ではないのか
あぁ待って
どこかで盛り上がっている声が聞こえる――、

もういっそ
「月が綺麗ですね」と酒と語らう妄想をするくらいしか
盛り上がれる方法が無い気がします
妄想万歳

酔ってない
酔っていないですよ

すすき野に
一升瓶が
咲き乱れ
(一句)




「宴会ですね!」
 どん、と傍らに一升瓶を置いて都槻・綾(絲遊・f01786)は枯れた長椅子に腰を落ち着ける。やや近いところからはそれこそ賑やかな、いや騒がしい酒宴の嬌声が上がっている。
「飲めや歌えで盛り上がる時間は素晴らしいですねぇ、……月見ってそういうものでしたかしら。風雅に眺めるものではなかったかしら」
 いやでもこの場所を案内した鈍色の異形はそんな雰囲気全く纏ってなかったし。まあでもこの付近でそんな感じなのは一部だけのようだし。
「もしかして飲めは茶で歌えは句会のことだったかしら」
 とくとくと盃に注ぎながら、その上に割れた月が写った所で思考を止める。いやいや今日はそんな小難しい話を楽しむ為に来たわけではないと。ほら揺れる薄もそうだそうだと言っている。
「さぁ、いざいざ宴会! 宴会! 盛り上が」
 ぴゅるりと彼の前を風が吹いた。
「……うん、独りですよね、私」
 空気は冷たくもないのに身は寂し。静かに器を傾けて、近きの声が遠きに聞こえ。単なる一人酒の肴にしては、その狂騒は辛すぎる。
 『月が綺麗ですね』と酒に浮かんだ月にでも言えば良いのか、それで酒る事くらいしか盛り上がる術はなかろうか。月ごと酒を飲み干して、再び酒月を盃に呼び込んだ。先程よりも激しく揺れているが、単に風が強いだけだろう。

 すすき野に 一升瓶が 咲き乱れ

 下の句も投げ捨てて綾は盃を傾ける。古今東西、詩人の友は酒と相場が決まっているのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神樹・鐵火
何?月?
...月が割れて見えるとな
...ふぅん
随分変わった月蝕じゃないか
太陽が三つに分裂する自然現象もあるからな
本当だぞ、そういう事は稀にある
それがどうした?
こういうのは滅多に見られんぞ
ここに酒の鐵神樹がある
のんあるこーるだが酔うし気分がいいぞ
でも子供は飲むんじゃないぞ

団子と酒の肴はどこだ?寄越せ
今のわたしはじつにきげんがいい
きげんがいいから【封印を解く】
封印を解いたすがたで笑い上戸になっているぞ
なんだその目は、へんな目でみるなばかやろーハハハ!!
......ヒック


董・白
※アドリブや他猟兵との連携OKです。

【心境】
「気にするな…というのは今までの任務の中でも飛びぬけて難解な気がしますよ。」
えーっと、がんばります。
アレですね。アレが常識だと自分の中の常識を説得します。

【行動】
WIZ
うん。駄目です。厳しいです
こうなったら奥の手です。以前崑崙の修業時代に姜子牙師から教えてもらった手を使います

はい。奥の手『全力で酒を楽しむ』です。
いい酒もいい菓子はどんな時も美味しいものは美味しいと言ってました。
時に飲んで、時に食って、時に酌して、全力で宴会です(注:人はそれを現実逃避という)

でも酒は飲んでも飲まれるなです。飲酒量は安全値を守ります。
飲み過ぎ駄目絶対。お師様の教えです。




 董・白(尸解仙・f33242)は空に浮かぶ割れた月を見上げて思案げな表情をしていた。
「気にするな……というのは今までの任務の中でも飛び抜けて難解な気がしますよ……」
 そんな風に一人ごちていると、後ろになにかの気配を感じ取る。白が振り返り確かめる前に気配の主が声を上げる。
「……ふぅん、月が割れて見えると聞いて来てみたら、随分変わった月食じゃないか」
 神樹・鐵火(脳筋駄女神・f29049)がどさりと白の隣に腰を下ろす。そのあまりにも豪快な仕草に白は目を白黒させる。
「あ、あの……?」
「ああ、私の事は気にすんな。ところでアレが気になって仕方ないって?」
 ざっくばらんな指摘に白はとりあえずうなずいておく、というかそれ以外にどんな反応していいのかがわからないし。
「あんなの別にそこまで不思議なもんでもないぞ?」
「えっ?」
「太陽が三つに分裂する自然現象もあるからな。……本当だぞ、そういう事はまれにある」
「そういうものなのですか?」
「そういうものだ。月が二つに割れるなんてのもその類に過ぎん。こういうのは滅多に見られんぞ? じっくりと愛でてやると良い」
 白にとってこのよく分からない女性の言うことはなんとなく分かる気がした。分かる気はしたが、だからといってそれを為せるほど白には足りないものがあった。
「うん。駄目です。厳しいです」
「そうか、まあまだ若いんだ、そのうち分かるさ。……いやあウチの馬鹿弟子にもこれくらいの素直さがあれば可愛いんだがねえ」
 けらけらと笑う鐵火はふと真顔にして白に問う。
「じゃあ……今はどうする?」
「こうなったら奥の手です。修行時代に教わった姜子牙師直伝の手を用います」
「ああ、あの釣りまにあの。要するにこれか」
「要するにそれです。つまり奥の手『全力で酒を楽しむ』です」
 鐵火がどこからか取り出したのは大きな酒壺だった。そして白の袖の中からは菓子がざーっと落ちてきた。
「いい酒もいい菓子もどんな時も美味しいものは美味しいと言ってました」
「まあこれのんあるこーるだけどな、でもよく酔えるぞ?」
「酔えるならそれでもいいです。時に飲んで、時に食って、時に酌して、全力で宴会です」
 ぐっと白は拳を握る。人、それを現実逃避という。……そして二人が月の事を全く気にしなくなった頃。
「団子と酒の肴はどこだ? 寄越せ!」
 完全にできあがった鐵火がいた。白も酔ってはいるもののここまでではない。
「今のわたしはじつにきげんがいい、きげんがいいからふういんをとくぞ!」
 そして無意味に燃え盛る真の姿になって、しかも高笑いまで上げている。
「なんだその目は、へんな目でみるなばかやろーハハハ!」
 多分格で見るならよっぽど自分より上のような存在のこの醜態を見て白は思う。
(「お師様、よく分かりました。飲み過ぎ絶対駄目というその意味を」)
 酒は飲んでも飲まれるなと言う言葉の意味を真に理解した頃には、月はいつものまん丸に戻っていたとさ。
「ハハハハー……ヒック」
 ところでどうしようこの神様。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月15日


挿絵イラスト