3
大祓百鬼夜行⑪〜妖怪バスの受難

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#カクリヨファンタズム
🔒
#大祓百鬼夜行


0





 妖怪バスとは本来ならカクリヨファンタズムを巡り、乗ったものを望んだ場所へと運ぶのを生き方とする存在である。このカクリヨファンタズムとUDCアースをまたぐ動乱にあってもその役目を全うしようと走り回っていた。だが、この混乱期は彼等の業務も逃さない。
「ねえ、あなた。閻魔王のところへ行ってくれないかしら?」
 運転席にしだれかかり、ハンドルを指先でなぞる女が一人。無論彼女も妖怪であり、そして骸魂に憑かれている。ならばこれに対して妖怪バスが応えるつもりはない。クラクションを鳴らしてその要求を拒否する。
「ああ!?」
 急に女がブレーキを力強く踏みつけて、危うく妖怪バスが横転しそうになる。しかし妖怪バスもさる者、ハンドリングによりその苦難を脱する。
「この無機物風情が! この私の言うことを聞けないというのはどういう事なのよ!」
 女が力任せに内部から外に向かってバスを素手で殴りつける。いずれこのままなら妖怪バスもこの暴力に屈してしまうだろう。そうなる前に妖怪バスは行先表示幕に次の言葉を並べる。
『タスケテ』


「大祓百鬼夜行は順調かしら?」
 水元・芙実(スーパーケミカリスト・ヨーコ・f18176)は猟兵達を前にしてそう問うた。
「もちろんこれから私の言う事件もその話、皆には妖怪バスを助けて欲しいの」
 曰くカクリヨファンタズムのバス停でぼんやりと待っていれば妖怪バスがやってきて望んだ場所に連れてってくれるという。
「でも今は別。妖怪バスがバスジャックされてるの」
 バス停で待っていれば確かに現れる、しかし停車せずそのまま走り去ってしまう。それも中に乗っている元地獄の獄卒の妖怪にバスジャックされているからだ。
「この骸魂に取り憑かれてる妖怪なんだけど閻魔王の方へ行きたいみたいなのよ。実際興味がなくはないけど、そんな凄そうな人までオブリビオンにされると大変だからなんとか乗り込んでバスジャックを倒してきて欲しいの」
 走っているバスに飛び乗って狭い場所での戦いを強いられる、クリフハンガー的な戦いになるだろう。
「わたしから説明できることは以上よ、それじゃよろしくね」


西灰三
いつもお世話になっています。
西灰三です。
今回は大祓百鬼夜行のシナリオをお送りします。
詳しい内容はオープニングの通り。
補足情報としてこの世界のオブリビオンは妖怪を飲み込んだ骸魂という存在であり、倒せば妖怪を助ける事ができます。

以下、プレイングボーナスとなります。
=============================
プレイングボーナス……走るバスへの突入方法や、狭い車中での戦法を考える。
=============================

以上です。
それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
244




第1章 ボス戦 『羅刹女』

POW   :    はなさない
【翼を変化させた鋭い刃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    にがさない
【背中の翼と尾を激しく動かす】事で【鬼夜叉】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ゆるさない
攻撃が命中した対象に【呪詛の刻印】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【激しい怨嗟】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠スフォルツァンド・スケルツァンドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アイン・セラフィナイト
カクリヨの世界にもバスってあるんだね。……なんかあの世に行きそうなバスだけど。

『神羅の鴉羽』で空中を飛びながら、火の属性魔弾を後方に射出してブースト、バスに追いついてみよう。

魔弾を放ち窓の一つを叩き割って侵入、『早業』で『暁ノ鴉羽』をバスの中に放出させて一瞬でも羅刹女の行動を封じてみよう。もちろんドライバーの人の視界を塞がないように注意する。

UC発動、武器に風の防壁を作る力を与えて、バス内の至るところに小さな風の防壁を配置。
敵の攻撃を『見切り』ながら鴉羽を使用して、風の防壁を足場として利用しながら重力を気にしないようなアクロバットな動きで翻弄してみるよ。

相手の動きを見極めながら魔弾を放射する!




 よろめきながら走るバスの上空、アイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)が黒い翼をはためかせてその屋根を追っている。
「カクリヨの世界にもバスってあるんだね。……なんかあの世に行きそうなバスだけど」
 彼の羽は長く空を飛ぶことはできない、まずは取り付く必要があると炎の魔弾をジェット代わりに放ち、その反作用で速度を上げてバスの側面に追いつく。
「はあっ!」
 魔弾を放ち窓ガラスを割り飛び込むと同時に黒い羽を車内に満たす。
「な、なんだ!?」
 アインも車内へとその身を素早く潜り込ませて、敵の方向へと向かうために車内に風の足場を生み出す。舞い散る黒羽根が力を失い消えると同時に魔弾をバスジャック犯へと放つ。しかしその初弾は体勢を整え直した敵に弾かれてしまう。
「ゆるさない」
 恐ろしい速度で拳を構えてアイン目掛けて走り寄ってくる羅刹女。その手にある力はこの狭い車内の中では危険な一撃だと判断し、風を辿って運転席の方へとすれ違う。そこには誰も座っておらず、おそらくこのバス自体が一体の妖怪であるのだろう事を示している。
「なんとかしてみせるからね……!」
 振り返り迫る羅刹女に魔弾を浴びせかけて彼はそう妖怪バスに呼びかけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蔵座・国臣
すまん。妖怪バス。後で修理するから、荒っぽくなるのは容赦してくれよ。

仲間ありきの策だが、先ずは妖怪バスと、鉄彦(バイク)で並走。
誰かが中に突入し、時間を置いてから、その猟兵を座標に【緊急車両が通ります】による転移で突入。
さらに狭くなるし、出るときにも転移せねばならんのが、あれだが…

突入後、羅刹女との間に挟むように仲間がいないのであれば、そのまま鉄彦で突っ込んで潰す。
挟むように仲間がいれば、降りて、その猟兵を前衛に回復支援に徹するか。攻め手を交代して、【お行儀の悪い解決策】を振る舞おう。…狭い空間では、壁や天井が武器となる。




 先に妖怪バスへと突入した猟兵の姿を確認してから、峠でエンジンを温めていた蔵座・国臣(装甲医療騎兵・f07153)が不安定な動きをする当該車両に並走する。
(「すまん。妖怪バス。後で修理するから、荒っぽくなるのは容赦してくれよ」)
 国臣がアクセルを強く踏むと車体を無視して鉄彦ごと妖怪バスの車内へと突入する。それと同時に先に入っていた猟兵と目配せすると選手交代とばかりに羅刹女にそのまま突っ込む。
「私の邪魔をする奴はのがさない……!」
「悪いが次の相手は俺だ。簡単にはやらせはせんよ」
 国臣が鉄彦の出力を全力で上げているのも関わらず、羅刹女は凄まじい膂力でその場に踏みとどまっている。それだけではなく翼と尾を激しく動かし、周りの座席を吹き飛ばしながら鬼夜叉へと変身していく。
「化け物か!」
 その通りではあるのだが、恐ろしいことにその化け物の手は高速回転するタイヤを力任せに掴み動きを止めようとする。
「鉄彦、耐えてくれよ……!」
 国臣は腕を伸ばしてつり革の吊るしてあるポールを掴み、遠心力をつけて羅刹女の顔面に蹴りを叩きつける。不意を突かれた羅刹女の腕が緩むと鉄彦がその上を走って壁で停止するが、羅刹女ゆっくりと立ち上がる。
「全く、厄介な患者だ……」
 ため息を付きながら国臣は構えを取る。今度は不意打ちさせてはくれないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鍋島・小百合子
SPD重視

乗り物を我が物顔で乗っ取ろうとは言語道断じゃ
お仕置きしてやろうぞ

「馬上から失礼つかまつる!」
UC「鎧装馬騎乗」発動にて召喚した鎧軍馬に騎乗
全速力で妖怪ばすに追いつけば、
ばすの速度に合わせ並走しつつ馬上から長弓で敵妖怪を狙撃
まずは目潰しで視界を奪い、次に敵の戦闘力を奪えそうな部位を狙う(視力、スナイパー、制圧射撃、部位破壊併用)
時折矢劇薬を塗りこんだ矢を番いては射放とうぞ(毒使い、マヒ攻撃、継続ダメージ併用)
敵がこちらに接近戦を仕掛けてくる場合はばすから距離を置いては矢の弾幕で乱れ撃ちては足を狙い機動力を奪う
射撃中心の戦いになるができるだけばすの方に当てぬように心がける




 妖怪バスの中で鬼夜叉と化した羅刹女、彼女は猟兵と肉弾戦を行っており窓から覗く限り彼女の方が優勢だ。格闘の打ち合いの末、いよいよ猟兵の首に腕をかけようとした時、外から何かが追いかけてくるような音が響く。
「馬上から失礼つかまつる!」
 それは鎧に身を包んだ軍馬と女武者、鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)だった。彼女たちは羅刹女が反応するよりも弓を引き絞り、放つ。放たれた矢は既に割れた窓を抜け、猟兵の首にかかるはずの腕に突き刺さる。
「……ッ! コノワタシニナンテコトヲ!」
「鎮まれ化生が! 乗り物を我が物顔で乗っ取ろうとは言語道断じゃ! お仕置きしてやろうぞ!」
 小百合子はバスの中で押されていた猟兵が撤退するのを見届けつつ次の矢を番える。やはり狭いバスの中では厳しい戦いを強いられているようだ。
「オマエ! ヒキョウダゾ!」
「ここは戦場じゃ! その様な甘い考えではわらわ達に勝てぬものと知れ!」
 ただの賊と武者ではその心構えからして並び立つことはない、小百合子は容赦なく毒矢を放ち外から羅刹女の体力を削っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
私が車内に乗り込むのは難しい

機械馬に騎乗しバスと並走
脚部スラスター推力移動で天井に乗り移り

(バスの背を撫ぜ)
ご無礼はお許しください
車内で暴れている方を取り押さえる為、ご協力頂けますか?

UCの妖精ロボ達を●操縦
開いた窓から侵入させ頭部レーザーの精密攻撃でバスを傷つけず敵のみを
●乱れ撃ちスナイパー射撃

無機物風情…自我や思考能力持つ物への無法は頂けませんね
付喪神の方々がお怒りになりますよ

それを忘れてしまう骸魂…祓わせて頂きます

妖精による情報収集で飛来刃を見切りレーザーで武器落とし
その裏で先端に剣持たせたワイヤーアンカー密かに操縦
背後の窓から●騙し討ち

直接乗り込めませんので…このようなやり方はご容赦を


クラウン・アンダーウッド
走るバスに乗り込むなんてUDCアースにありがちな映画みたいだね♪

帽子を無くさないようにバス停に掛けておき、道路のど真ん中でバスを待つ。
真正面の窓ガラスから突っ込んでダイナミックエントリーとかしたいけど、妖怪バスを大事にしないといけないからね。ちょっと工夫しますか♪
バスに轢かれそうな瞬間に素早くしゃがんでバスの底面にしがみつく。底面より様子を伺いバス内に侵入。

やぁ、お嬢さん。ご機嫌いかがかな。ボクと一緒に踊ろうよ!

踊るように移動しながら相手に接近。負傷箇所や防護すべき場所にUCの炎を飛ばして修復。一先ず相手を翻弄してバスから退去させてから素手や投げナイフで戦闘をする。




 妖怪バスの外側から羅刹女に向けて矢が射掛けられている間、彼女に気付かない事が一つあった。それは妖怪バス自身が猟兵達の動きに合わせて少しずつ速度を落としている事、そして他にも外側からのアプローチを図る猟兵がいることだ。
 その内の1人、あるいは1機はトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。彼はバスの上を機械仕掛けの白馬に乗って追随していた。直前まで気付かれぬように、そろろそろりと妖怪バスの上に降りる。
「ご無礼はお許しください、車内で暴れている方を取り押さえる為、ご協力頂けますか?」
 彼の言葉に妖怪バスはウインカーを動かして返す、トリテレイアの大きさでは内部に入っての戦闘は難しいと判断したからだ。
(「走るバスに乗り込むなんてUDCアースにありがちな映画みたいだね♪」)
 もう1人、もしくはもう1つの存在はクラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)だ、彼は妖怪バスが通る道の先に待ち受けていた。プランは考えてある、あとはそれを妖怪バスにどう伝えるかだが、まあなんとかなるだろう。クラウンは腕組みをしてその時を待ち受けている。
「ナンダコイツラハ!」
 一方その頃、羅刹女が相対していたのは複数の偵察用マシンだった。偵察用と付くものの、その頭部にはレーザー投射装置が内蔵されており、着実に羅刹女を追い込んでいた。
「クソ、ジャマダ!」
「無機物風情……自我や思考能力持つ物への無法は頂けませんね。付喪神の方々がお怒りになりますよ」
「ダカラドウシタ! ブッピンフゼイノクセニセッキョウスルナ!」
「分かりませんか……。こんな簡単な事を忘れてしまう骸魂……祓わせて頂きます」
 レーザーを集中させ止めを刺そうとする機械妖精たち、しかし羅刹女はこの期に及んでまだ抵抗を見せる。
「マトメテキエロ!」
 その背中から生えた翼から四方八方に刃を放ち機械妖精達を撃ち落とす。……クラウンが妖怪バスの床面から出現したのはその直後だった。
「やぁ、お嬢さん。ご機嫌いかがかな。ボクと一緒に踊ろうよ!」
 少し時間を戻せば、彼は妖怪バスが目の前に来た時にその場に仰向けになり下に潜り込んだのだ。その際にトリテレイアの偵察妖精を介して妖怪バスとの連携も済ましており、あとはタイミングを見計らうだけだった。
「さあさ、どんな踊りにするかい? ワルツ? ロンド?」
 面食らった羅刹女につかつかと近づくクラウン、彼が一歩進む度に戦闘で傷ついた車内が癒やされていく。
「チ、チカヅクナ! ……ッ!?」
 羅刹女がそう言うと同時に彼女の胸元から剣の切っ先が生えていた。
「バカナ……!」
「直接乗り込めませんので……このようなやり方はご容赦を」
 瞬間羅刹女の骸魂は消失し、その場に取り憑かれていた地獄の獄卒らしき角の生えた女性が現れる。
「おっと、お疲れ様♪」
 彼女が倒れる前にクラウンは支えて直したばかりの座席に座らせる。クラウンが荒れた車内を修復したころ、妖怪バスはバス停で停車する。
「キミもお疲れ様!」
 クラウンはバス停にかけて置いた帽子を掲げてから次の戦場へと向かう。気づけばトリテレイアもいなくなっており、その場にいるのは妖怪バスと取り憑かれていた妖怪だけだ。妖怪バスは扉を閉めると走り出し次の目的地へと向かう。こうして平常運転が再開されるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月15日


挿絵イラスト