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大祓百鬼夜行⑲〜猫も踏切を守るのです

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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●開かずの踏切迷宮
「どうなってるんだこれ……」
 ぽつりと呟くスーツ姿の男性の目の前には踏切があった。そう、それだけなら普段の日常の一場面であったはずだ。しかし踏切の向こうにはすぐ踏切が、更にその向こうにも踏切がと、数え切れないほど続いていく。
「待っても待っても開かないなぁ……しかも見たことない電車も走ってるし……困ったなぁ」
 今では使われていないような古い電車、あまりにも派手な電車、そんなものが通過していく。
「……ん?」
 ふと、踏切と踏切の間に見えるものがあった。何だろうと注視すると、黒くてもこもこの猫たちの姿が。点滅する踏切の前でおとなしく並んでいたのだった。
「へぇ……今は猫もちゃんと待つんだ」
 つい関心してしまった男性は良いもの見た、と再び待つのであった。

●にゃーん
「お集まりいただき、ありがとうございます」
 猟兵達の前に立ったのは神薙・佑紀(かつて邪神に捧げられし者・f29188)。はらりと資料をめくりながら話を進める。
「日に日に戦況が変わる大祓百鬼夜行ですが、今回はUDCアースで起きた事件です。踏切が迷宮化しました」
 オブリビオン妖怪の群れにより、単線だったはずの踏切が数百本もの線路や踏切が現れているのだ。更に妖怪電車なるものが走っており、踏切を守らず線路に侵入すると誰これ構わずひくという。
「今のところそのような事態にはなってないですが、時間の問題です。ですので、これを利用してでもオブリビオンを倒すことが今回の目的となります」
 そう言って提示したのはモフモフの黒猫、いや、黒い猫又の画像。
「こちらが今回倒すオブリビオン、『どこにでもいる黒猫たち』です。見た目こそ尻尾の数以外猫のようですが、これでも立派なオブリビオン。踏切もしっかり守って迷宮の中にいます」
 それでも戦闘力以外はかなり猫らしいとのこと。これが突破点となるかもしれない。
「危険と隣り合わせの戦闘となりますが、きっと皆さんなら勝てると思います。頑張ってきてください」
 そう言って猟兵達を送り出すのであった。


クロネツヴァイ
 猫可愛いですよね。今回の戦争、初のシナリオとなります。クロネツヴァイです。よろしくお願いします。

 踏切迷宮での集団戦シナリオとなっております。「踏切と妖怪電車を利用して戦う」ことでプレイングボーナスとなります。踏切を守らず線路に侵入すれば妖怪電車がかなりのスピードで飛び込んできます。オブリビオンでも猟兵でもこれは同じです。道具を用いたり技能を駆使したりして相手に渡らせるなどの手が有効になると思われます。

 オブリビオンを倒したあと、正気に戻った黒猫がモフらせてくれるかもしれません。張り切ってご参加ください。プレイングお待ちしております。
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第1章 集団戦 『どこにでもいる黒猫たち』

POW   :    飛びつき準備
敵より【目線が低い場所にいる】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
SPD   :    もふもふ毛玉
真の姿を更に強化する。真の姿が、🔴の取得数に比例した大きさの【さわり心地の良いもふもふな毛並み】で覆われる。
WIZ   :    本能解放
【まんまるお目々のハンターモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

空亡・劔
最強の大妖怪であるこの空亡劔を差し置いてこんな大異変を起こすなんて生意気よ!

黒猫か…ちょっと心が苦しいわね
だがこのあたしに立ちはだかるなら戦うのみ

因みに踏切はちゃんと守るわよ
あたし知ってるの
電車の人身事故は大変だって

またたびや猫ご飯を用意するわ

踏切向こうで踏切が閉まる少し前にご飯を設置
踏切を渡り切る前に
UC発動
黒猫の時間を止めて
電車が来るタイミングでUC解除
そして時は動き出す…
なんかこのセリフを言わなければいけない気がするのよね

…あれ…なんか心が痛い気がするんだけど…!?

猫が元に戻ったら回収してもふもふするわ

【天候操作】でぽかぽか陽気にしておくわよ

日向の香りは良いものよね…


パルピ・ペルポル
こんなかわいいもふもふを電車にひかせるなんて…まぁあとでもふれるならよいかな。

さて、まずはこの徳用(巨大)折り紙を適当なサイズに切ってつくった立体の折り紙ネズミ(複数)を用意して。
で、これにまたたびの粉をちょっとふりかけて、と。
あとは気付かれぬようにこっそり近づいて。
このネズミたちを踏切待ちしてる黒猫たちの前にちょろっと走らせるわ。
反応したら線路側に誘導するように敵をひきつけて、あとは線路を渡らせるだけね。
ネズミもいっぱい用意してるけど、簡単に捕まりそうだったら偶然の不運なる遭遇で邪魔をするわ。

骸魂抜け出たらちゃんと介抱(という名のもふもふ)するわ。


尾守・夜野
「ふわふわな猫になんということをせねばならんのか…」
この世を呪いつつ依頼に赴くぞ
とりあえず、電車にびっくりしたりすれば骸魂飛び出したりしねぇかな

踏切の向こう側で地面をエノコログサに変えて、踏切が鳴ってる最中、時に狂おしく時に焦らすような動きをさせようか
(誘惑、誘き寄せ、罠使い)

骸魂飛び出して元々の妖怪だけになったら線路の下の地面を植物にして操り妖怪だけ弾き出そう
そしてキャッチ

可能ならモフモフさせていただけないだろうか…

何か此度はここは人に見えてるのか?
なら人からは見えないように隠れながら行ってるぞ

アドリブ歓迎



●猫を誘うものたち
踏切迷宮の一角、猟兵達が集まっていくつか先の踏切に並んでいる黒猫たちを観察していた。
「最強の大妖怪であるこの空亡劔を差し置いてこんな大異変を起こすなんて生意気よ!」
そう声を上げたのは空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)。カクリヨファンタズムに来たことで妖怪となり、大妖怪を名乗る彼女にとって、迷宮化といった明らかに目に見える異変は許せなかった。
「しかし黒猫か……ちょっと心が苦しいわね」
そう、異変は止めねばならないが、相手が猫の姿をしているというのは思った以上に猟兵達に影響があった。
「そうですね。こんなかわいいもふもふを電車にひかせるなんて……でもまぁ、あとでもふれるならよいかな」
そう呟いたのはパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)。やはりこの戦いには抵抗があるが、戦ったあとを考えて気持ちを整える。一方、ちょっとうつむき気味なのは尾守・夜野(墓守・f05352)だ。
「ふわふわな猫になんということをせねばならんのか…この世を呪うぞ……」
はあ、とため息をつく。
「とりあえず、電車にびっくりしたりすれば骸魂飛び出したりしねぇかな」
「本当ね。」
「気持ちは分かるわ……だがこのあたしに立ちはだかるなら戦うのみ!」
ふん、と劔が胸を張って進み出したのに二人も続いた。
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踏切迷宮といえど、すべての踏切が閉じている訳ではない。しっかり踏切を守りながら進んでいく猟兵たちと黒猫たち距離は近づいている。
「踏切を使うとなると、この辺りか?」
道中互いの作戦を話し合った結果、全員踏切に誘い込む内容であったため、意図的に黒猫たちとの間に踏切を挟んで向かい合う。黒猫たちも猟兵に気付いているようだが、警報器のなる踏切を越えてこようとはしない。
「そうね。じゃあ最初は私が行くわ」
そう言って劔が取り出したのは『猫まっしぐら!』と書かれた猫缶や猫のおやつにマタタビ。パキッという蓋を開けた音に数匹の黒猫の耳がピクッと反応するのが見えた。
「ほーら、美味しいご飯にマタタビよー」
猫缶の中身とおやつを用意した皿に盛り付ける。そばにマタタビも備えて踏切のこちら側に並べた。うずうずと劔を見る猫たちに手応えを感じるが、まだ踏切を越えてこようとはしない。
「うーん、これだけじゃ足りないか」
「なら、私も」
そう言ったパルピが取り出したのは徳用折り紙セットから作った立体的なネズミの折り紙。複数あるそれにマタタビの粉をかけると食べ物に視線が向いている猫たちの死角にこそっと移動する。
「よーし、これで」
ネズミをちょろっと猫たちの前に走らせる。先ほどまでご飯に向いていた猫のうち、何匹かが反応して鳴き声を上げた。ニャアニャアと先ほどのネズミを探し始める猫もいる。そこにもう一匹、もう一匹とネズミを線路の方に走らせていく。1匹が捕まりそうになるが
「あっ」
パルピのユーベルコード、『偶然の不運なる遭遇』の効果で飛来した小さな石ころが猫の手を弾いた。その後も何匹ものネズミが目の前を走り、ご飯とネズミ、2つの誘惑に線路を渡りたそうにする猫たち。踏切のギリギリに立つが、しかし踏切にも視線を移し、なんとかその気持ちを抑えようと必死に我慢しているようだ。
「む、まだ粘ってる……」
「ではこれでもう一押しと行くか」
夜野のユーベルコード、『【襲】穫祭』が発動し、黒猫の周囲にエノコログサ、猫じゃらしが現れた。
「ほらほら、楽しそうに揺れてるぞ?」
時にゆっくりと、時に大きく派手に、揺れる猫じゃらしに黒猫の視線も追いかけて揺れる。
「にゃ……にゃ……」
ありとあらゆる手で誘惑される黒猫たち……カンカンと踏み切りがなっている。視覚に嗅覚、そして本能を刺激され続けた黒猫たちは、ついに限界に達した。
「にゃーっ!」
妖怪電車が来るよりも早く渡ってしまおうと勢いよく飛び出した!そこを見逃さず空亡・劔が動いた。
「そこまで!」
ユーベルコード『時を統べし者』を発動して線路に進入したタイミングで黒猫たちの時間を止めた。動けない黒猫たちに音を立てて妖怪電車が迫り来る。
「そして時は動き出す……」
言わねばならぬと感じたその一言と共に黒猫たちは妖怪電車に空高く跳ね飛ばされた。
「……あれ……なんか心が痛い気がするんだけど…!?」
「すごい飛んだけど……大丈夫よね?」
ちょっと申し訳なさを感じる劔と心配げなパルピの側で夜野がユーベルコードを発動する。黒猫たちが落ちるはずだった地面は植物に覆われ、ポヨンと植物ではねて3人の方に飛んできた。
「わわっ」
「わっ!?」
「おっと」
黒猫たちを受け止めてゆっくりと地面に下ろす。グルグルと目を回している黒猫から骸魂が飛び出しパキッと音を立てて割れた。
「よしよし、大丈夫かなー」
パルピは早速介抱という名目でモフモフをはじめる。優しく、それでいて毛皮を楽しむように撫でていくと、黒猫も目を覚ましてそのまま気持ちよさそうになで続けられる。
「こういうのもどう?」
劔は天候操作の技能でぽかぽか陽気にする。そしてその陽気につられて目を覚ました黒猫にそっと手を伸ばした。意図を察した黒猫は軽く鳴いてスリスリと頭をこすり、懐に飛び込む。
「じゃあ、触らせてもらうわね。はぁ……日向の香りは良いものよね……」
一方、夜野はまったりモフっている2人とは少し離れた物陰で黒猫と交渉していた。
「モフモフさせていただけないだろうか……」
おずおずと言う夜野に黒猫は満面の笑みで答えて飛びつく。
「いいのかい?なら……好意に甘えさせてもらおうかな」
両手を黒猫に回してモフりはじめる。
こうして3人の猟兵は救出に成功してモフモフを堪能するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
「戦争だもん、しょうがないね」
これは正気に戻すための措置!
好きでヒドい事してるわけじゃないから!

【錬成されし対の双星】を発動だ!
妖怪電車のマネをした分身を召喚するぞ!
そして敵を追跡!

これ、電車の姿はしてるけど【空中浮遊】して線路と関係なく飛んでくるので正直だいぶ恐い!
対する敵の反応は……思わず逃げてしまうか、反撃しようとするかの二択だと思う!

逃げる場合はそのまま線路に追い込むよ!
追ってくる電車と電車の来てない線路だったら、まあ線路の方が安全に思えるじゃん?

反撃してくる場合はライト点灯!
閃光で【目潰し】するぞ!
まんまるお目々は瞳孔開いてるワケで、強い光は厳禁!
その隙に線路へ【吹き飛ばし】ドーン!



●空飛ぶ列車
「戦争だもん、しょうがないね」
黒猫たちを見つけたフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は自分に言い聞かせるように呟く。
「これは正気に戻すための措置!好きでヒドい事してるわけじゃないから!」
オブリビオンと聞いていなければ戦いたくないぐらいには可愛い黒猫が相手ではしかたないだろう。
「よーし!一気にせめて助けちゃおう!」
自身のユーベルコード、『錬成されし対の双星』を発動する。彼女が召喚したのは踏切迷宮を走るレトロな空気を纏った妖怪電車の姿をした分身であった。
「いけー!黒猫を追跡だー!」
その声に従って分身の妖怪電車たちが走り出した。空中を。
「にゃ、にゃっ!?」
突然空中を走り、鳴き声のように警笛を鳴らしながら迫ってきた妖怪電車に気付いた黒猫たちは大慌て。ぶわっと体毛が膨れ上がり尻尾がピーンと立つ。
「にゃにゃにゃにゃー!」
異様な光景に加え、妖怪電車という猫たちからするとあまりにも大きいサイズのものに追われてあちこちに逃げ出す。
「よしよし、良い感じ!」
ピッピーと音を立てながら逃げる猫たちを踏切に向かうように追い立てる。
(追ってくる電車と電車の来てない線路だったら、まあ線路の方が安全に思えるじゃん?)
そんな展開を望んだフィロメーラの思惑どおり進んでいく。黒猫はキョロキョロと線路と浮かんだ妖怪電車を見比べると線路に飛び込んだ。すると高速で走ってきた妖怪電車にぶつかり高く舞い上がっていった。
「よしっ!」
グッと手を握るフィロメーラ。一方跳ね飛ばされた仲間を見て怒ったのか、ハンターモードに変化し飛びかかって倒そうとする猫たちも出てきた。
バッと跳び上がったところで妖怪電車のライトをカッと光らせた。
「んにゃー!!??」
まん丸お目々に強烈な閃光を浴びた黒猫はゴロゴロと転がり回る。
「隙ありー!」
そこにどーん!と体当たりをして残りの黒猫も線路に吹き飛ばした。そして迷宮のルール通りにぶつかって飛んで行く猫たち。
「作戦成功ー!」
わーっと喜んだあと、飛んで行った黒猫たちの元へ駆け寄り骸魂の破壊を確認すると、頭を優しく撫でる。
「よしよーし、痛かったかなーごめんねー」
そして目が覚めた黒猫たちをモフらせてもらうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーンハルト・ハイデルバッハ
おや、猫も踏切をちゃんと守りますとは。賢いですね、さすが妖怪。
ですが骸魂に飲み込まれているなら慈悲はありません、すっ飛ばしてご覧に入れましょう。

キャバリアには乗らずに出撃。
踏切はしっかり守り、遮断器が降りている踏切には侵入いたしません。
その上で『惣暗』を使って黒猫に魔力を流し込み『射手』で攻撃いたします。
爆発の勢いで相手を遮断器の降りている踏切の中に飛ばし、列車に轢いていただきましょう。
「痛いこととは思いますが、いっときの我慢でございますよ。お覚悟!」
吹っ飛ばされて骸魂が抜けた黒猫さんは安全な場所に移動していただきましょう。

アドリブ・連携歓迎


夜奏・光花
アドリブ/連携ok

敵ですが可愛い。
本当は猫さんが轢かれる所は見たくないですが…うう、これもお仕事です。
しかたありません!

猫らしいつまり猫の習性があるって事でしょう。
それならやりようがありますね。

まずこのままだと不利なのでわたしもUCで猫になり、見切りや地形利用をして攻撃を避けつつ時に体の一部(尻尾とか)をUCの能力で蝙蝠に変えてなど踏み切りのギリギリの所まで誘い込みます。

黒猫が侵入したら直ぐにわたしは早業退避です。
正気に戻ったらブラッシングでも何でもするので許して欲しいです。



●猫を助けて
物陰から黒猫たちを観察する影が2つあった。1人はリーンハルト・ハイデルバッハ(黒翼のガイストリヒェ・f29919)。キャバリアパイロットなのだが今回は戦場の都合もあり、生身でやってきた。
「おや、猫も踏切をちゃんと守りますとは。賢いですね、さすが妖怪」
踏切の前でじっと待つ姿にちょっと楽しそうに呟く彼だが表情が鋭くなる。
「ですが骸魂に飲み込まれているなら慈悲はありません、すっ飛ばしてご覧に入れましょう」
もう1人は夜奏・光花(闇に咲く光・f13758)。こちらは相手が相手だけに困惑気味だ。
「敵ですが可愛い。本当は猫さんが轢かれる所は見たくないですが……うう……」
ギュッと目をつぶって気合いを入れる。
「これもお仕事です。しかたありません!」
2人はうなずき合うと踏切に近づいていった。
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カンカンとなっていた警報器が止まり、遮断機が上がっていく。ゆったりと渡るリーンハルトと1匹の猫、こちらは光花がユーベルコード『月夜に溶け込む』で変身した姿である。
「さて……お相手しましょうか」
そう言ってリーンハルトが一歩前にでる。視線の先には再び踏切があり、その上に黒猫たちが乗って見下ろしている。
「なるほど、攻撃の準備万端と言った雰囲気ですね」
パシッとステッキを自分の手に乗せた瞬間、1匹が飛びかかってきた。ひらりと躱すとステッキ『惣暗』で黒猫を突く。
「キャバリアなしでもこのくらいは容易いですよ」
その言葉と共に魔力を流し込み爆発を起こす。
「にゃーっ!?」
爆発で吹き飛んだ猫は踏切に飛び込んでしまい、そのまま跳ね飛ばされた。仲間が吹き飛ばされたことに怒って続けて飛びかかってきた。そこに光花が動く。
小さなコウモリの翼を出して飛びかかった黒猫の前を横切る。突然の飛行物に驚いた猫は動きが止まった。
「このまま誘い込みます」
猫の姿に戻りスタッと着地する。そしてわざと踏切の方に近づきながら飛びかかってくる猫を素早く回避し、再びコウモリに姿を変え、攻撃が届かない高さまで素早く上がる。
「痛いこととは思いますが、いっときの我慢でございますよ。お覚悟!」
視線が光花に集まったところをリーンハルトが攻撃して踏切に吹き飛ばした。線路に転がり込んだ猫たちは即座にやってきた妖怪電車に跳ね飛ばされる。
「やっぱり、かわいそうだけど……今は我慢!」
光花も自身に向かってくる黒猫の攻撃を引きつけながら避ける。次第に踏切に近づいていき、飛びかかった猫がそのまま線路に飛び込むように誘導する。回避にコウモリの飛行能力も生かすことでこの思惑は予想以上に上手くいっていた。
次第に襲ってくる黒猫たちの数も減っていき、最後の1体をリーンハルトが吹き飛ばした。
「これで最後、ですね」
リーンハルトは戦いながらも、隙を見つけて骸魂の抜けた黒猫たちを踏切から離れた場所に移動させていた。目を回している黒猫たちに光花は猫用のブラシを持って近づいた。
「ブラッシングでも何でもするので許して欲しいです……」
伸びた猫を撫でながらブラッシングをしていくと目を覚まして、ゴロゴロと喉を鳴らして花火に甘える。
「許してくれた、かな?ふふ、嬉しいです」
その様子を微笑ましく眺めながらリーンハルトも猫を撫でるのであった。
「よく我慢できました。ゆっくり休んでくださいね」
その言葉に応えるようにゴロゴロと喉を鳴らした。
こうして踏切迷宮での戦いは終わり、黒猫たちは無事解放されたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月14日


挿絵イラスト