3
【猟書家戦】その太刀、ヤドリガミ殺し

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #真柄十郎左衛門直隆 #ヤドリガミ #風魔小太郎 #猟書家 #魔軍転生 #マイ宿敵 #ヤドリガミの剣豪・研馬 #ヤドリガミの陰陽師・舞香

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#真柄十郎左衛門直隆
🔒
#ヤドリガミ
🔒
#風魔小太郎
🔒
#猟書家
🔒
#魔軍転生
#マイ宿敵
#ヤドリガミの剣豪・研馬
#ヤドリガミの陰陽師・舞香


0




●サムライエンパイア 炎に包まれた街にて
「なん……で?」
 大太刀に斬られた青年、計三は、疑問を口にして膝をつく。その身体には傷一つついていないが、その様相は今にも息絶えそうな姿である。
「斬られたのは仮初の肉体で、本体が無事であればこの身体も蘇る……まあ、普通はそう思うわな」
 大太刀『太郎太刀』を肩に担いだ巨漢、猟書家『真柄十郎左衛門直隆』はニヤリと笑う。
「俺と太郎太刀の【ヤドリガミ殺し】はヤドリガミの命を断つ。例え斬ったのは仮初の肉体だろうが、斬撃は本体へと届く。大方、そっちの身体で時間を稼ぐ間に本体を遠くへ逃そうって算段だったんだろうが、俺に出会ったのが運の尽きだったな」
 直隆はしゃがみ込むと、目線を計三に合わせる。
「それによ、お前達ヤドリガミをぶっ殺す為にこの街に隕石を降らせたんだ。それなのに、標的のお前さんが生き延びたら、巻き添えになった奴らも浮かばれねえだろ?」
「!?」
 その言葉を聞いて計三が目を剥く。
「なぜ……そのような……」
「何故って? 百年以上の時を経て自我を得たヤドリガミ。その積み重なった過去の力がオブリビオンになった時、どれだけの強さに変わるのか、考えてみただけでワクワクするだろ?」
 遠足に向かう前日の子供のように直隆は楽しげに笑う。
「それに部下に調べさせたんだが、お前さん、算盤の計三って言うんだってな。この街を作った大商人が使っていた算盤のヤドリガミって言うじゃねえか。お前さんと一緒にそんな大商人がオブリビオンとして蘇ったらどうなる? その商才を戦闘に転用したユーベルコードに目覚めるのか? それとも国を傾けるようなスゲェ戦略でも見せてくれるのか?」
 計三の顔が絶望に染まる。自分だけでなく、今は亡き自分を使ってくれた敬愛すべき主人をおぞましき過去の怪物として蘇らせようと言うのだ。
「……申し訳ありません……旦那様」
 だが、命の尽きかけた計三に出来ることはもはや何も残っていなかった。

●グリモアベース
「ってのが自分の見た予知っすね」
 そう話すのは狐のお面型ヒーローマスク、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)だ。
「猟書家『真柄十郎左衛門直隆』って奴が自分の部下に隕石を降らせて、街に住むヤドリガミを街ごと亡き者にしようとしてるみたいなんすよ」
 クルセイダーの秘術【超・魔軍転生】により、魔軍将『風魔小太郎』を憑装したオブリビオン達によって風魔忍法【隕石落とし】を起こさせるのだという。
「で、そんな中でもなんとか逃げ出そうとするヤドリガミがいても猟書家に殺されてしまうんすよ」
 それが先程の予知で出て来た場面だというのだ。そして殺されたヤドリガミ達はかつて自分達を使っていた主と融合した形のオブリビオンとして蘇るのだという。
「みんなにお願いしたいのは大きく分けて二つっす。一つは【隕石落とし】の阻止っす。街の中で儀式を行なっているオブリビオン達を見つけて倒して欲しいっすよ」
 オブリビオンは特徴的なこともあり、この街に長年住んでいるヤドリガミ達から情報を集めれば見つけるのは容易いだろう。彼らも天下自在符を持った猟兵達の要請なら快く手伝ってくれるだろう。
「ちなみに、儀式を行っているオブリビオンはコタツみたいな見た目っす。季節外れも甚だしいから違和感バリバリっすけど、防御力が高いから注意が必要っす」
 相手の目的は儀式の遂行。猟兵と戦う必要はないので、相手は完全に守りに入ってくるだろう。
「ちなみに、風魔小太郎の力を宿しているせいか、こたつの中にいっぱい腕が生えてるらしいっすよ。それのおかげで完全な防御姿勢でも儀式を行えるらしいんで、そこをどう崩すかも考え所っすね」
 相手の防御を突破し、素早く倒す方法を考えないといけないようだ。
「そいつらを倒せば、力ずくでヤドリガミを叩き潰そうと猟書家が出てくると思うっすから、そいつを撃破して欲しいっての二つ目っすね」
 コタツはコタツで厄介な相手だが、猟書家自身も厄介な相手だと言う。
「いくつかのユーベルコードを使ってくるっすけど、どれも注意が必要っすね」
 一つは太刀を巨大化させて嵐のような広範囲無差別攻撃を起こす技、もう一つは大太刀二刀流になって理性を削りつつも大暴れする技。
「そして最後に、ヤドリガミの仮初の身体を斬った時、本体の命を一緒に断ち切る技っすね。名前もその通り【ヤドリガミ殺し】っすけど、ヤドリガミ以外にも応用が利くみたいなんで注意が必要っす」
 例えば、仮初の肉体から本体へ、道具から使い手へと斬撃のダメージを遡らせることが可能だと言うのだ。
「相手はこちらの闘い方に合わせてユーベルコードを変えてくると思うんで、それらも踏まえた対策を考えておくと良いかもしれないっすよ。それじゃ、頼んだっすよ」
 そう言うとリカルドは準備のできた猟兵からサムライエンパイアへと転送するのだった。


麦門冬
 だんだん暑くなってきましたね。夏への備えはみなさんいかがですか? どうも、マスターの麦門冬(むぎとふゆ)です。
 今回は、ヤドリガミの命を狙う猟書家達の野望を打ち砕いていただきます。
 第1章では【隕石落とし】の儀式を行っているオブリビオン(コタツ)を探して倒してもらい、第2章では猟書家『真柄十郎左衛門直隆』と戦って倒してもらいます。それぞれの使用するユーベルコードは猟兵のプレイングのユーベルコードの能力値に対応しますので、そこから戦い方を考えてもいいでしょう。
 また、このシナリオは全章通して以下のようなボーナスが得られます。

 プレイングボーナス(全章共通)……ヤドリガミ達と協力して戦う(猟兵ほど強くはありませんが、周辺の地形を熟知しています)。

 なお、『こういうヤドリガミを出して欲しい』という意見がプレイングになければ、オープニングに出て来た算盤のヤドリガミ、計三が出てきます。

 以下、補足情報です。

●コタツ
 コタツ型オブリビオンです。相手を堕落させてやる気を奪う力があるので、ある意味今回のような時間稼ぎにうってつけてのオブリビオンです。風魔小太郎の力を宿していて自由に動かせる手足が生えたようですが、風魔小太郎の意識があるかどうか不明です。

●真柄十郎左衛門直隆
 戦場こそが死に場所と、戦いを求めるバトル大好き系オブリビオン。今回の作戦でヤドリガミが犠牲になることには『すっごい強くなって蘇るんだから、どんだけ強いのが出てくるかワクワクするよな』くらいにしか思っておらず、巻き添えで死ぬ人達はどうでもいいみたいです。

●計三
 かつてこの街を作ったと言われる大商人に使われていた算盤が自我を持ったヤドリガミで、今はその子孫のやっている商家で働いています。猟兵ほどの戦闘力はありませんが、八の地理は熟知しており、算盤を弾く音を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強するサポートなども出来るようです。
76




第1章 集団戦 『堕落へと誘いしモノ』

POW   :    鉄壁たるぬくぬく
全身を【ぬくぬく超防御モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    さぁどうぞお入りください
技能名「【誘惑】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    こっちのコタツは温いぞ
【山積みのみかん】【ふかふか抱き枕】【丸くなった猫】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

待鳥・鎬
おこたの中に手足がいっぱい?
なんか……ダンゴ虫みたいな奴だね

街のヤドリガミに協力をお願いして索敵
仕舞い忘れのおこたを見ませんでした?
ちゃちゃっと畳んであげようかと思いまして

敵を見付けたらUC発動
93体の大型にゃんこロボが誘惑されるまま全力で突撃
入れられるものなら入れてみろっ
そのまま卓袱台返し宜しく引っくり返して、轢き潰しちゃえ!
虫の甲羅が硬いのは軟らかい中身を守るため
その中身を、更に「花香」で撃ちまくるよ

神隠しでサクラミラージュに落ちて以来、十数年振りか
もう知り合いは皆鬼籍に入ってて、懐かしいけど寂しくなってしまうから今まで来る勇気がなかった
……親玉倒したら、昔住んでいた土地を探してみようかな



●護る為に
「おこたの中に手足がいっぱい? なんか……ダンゴ虫みたいな奴だね」
 薬匙のヤドリガミ、待鳥・鎬(町の便利屋さん・f25865)が抱いた感想がそれだ。コタツのオブリビオンに風魔小太郎の霊が憑依され、なんとも奇怪な姿になっているようだ。
 そんな奇怪な姿とはいえ、手掛かりも無く探すには骨が折れる。その為、街の地理に詳しいヤドリガミから情報を集める鎬だった。
「仕舞い忘れのおこたを見ませんでした? ちゃちゃっと畳んであげようかと思いまして」
 そう声を掛け、事情を説明する鎬。算盤のヤドリガミである青年はその話を聞いて思案した後、口を開く。
「そうしたコタツの姿のオブリビオンだというのであれば、空き家などを拠点にしているかもしれない。本来人の住んでいない場所に誰か住んでいれば不審に思うだろうけど、家具に擬態出来るのであれば、前の住人の残したものと思って、そこまで気にしないかもしれない」
 そう言うと、仕事場から地図を持ってきてくれた。
「この街の地図だ。空き家になっている家も案内する。だから、平和になったこの世界に再び戦乱が訪れないよう頼む」
「ええ、任せてください」

 ヤドリガミの青年の案内で一件の空き家へと足を踏み入れた鎬。家の中を探し回ると、標的はすぐに見つかった。
「……」
 コタツ型オブリビオン『堕落へと誘いしモノ』。【さぁお入りなさい】と言わんばかりの妖しげな雰囲気を漂わせている。もしもその誘惑に負けてこたつに入ろうものなら、二度と抜け出すことは叶わないだろう。
「入れられるものなら入れてみろっ! It's showtime ! なんてね」
 だが、鎬はその誘惑を振り払い、【ガジェットショータイム・鎬式】を発動させ、呼び出したのは93体の大型にゃんこ型ガジェットロボだ。
「にゃ〜ん」
「ッ!?」
 機械ですら抗えないコタツの魅力に猫まっしぐら。ガジェットロボ達はコタツの中に次々と入っていくが、流石に容量というものがある。中へと潜り込んだ猫達の山が盛り上がり、その勢いのままひっくり返ってしまうコタツ。
「そのまま轢き潰しちゃえ!」
 そう言ってひっくり返ったコタツを押さえ込むよう命令する鎬の手に握られているのはリボルバー式の拳銃『花香』。
「虫の甲羅が硬いのは軟らかい中身を守るため。それともヤドカリの方が例えとしては合ってるかな? 元々別のところから来てる部分だし」
 などと言いつつもにゃんこガジェットの押さえている隙間から見える手足、憑依した風魔小太郎が顕現している部分を撃ち抜く。手足を撃ち抜かれたコタツはしばらくすると大人しくなる。
「コタツ部分はまだ生きてるみたいだけど、手足が動かなければ儀式は無理かな?」
 猟書家が再び【超・魔軍転生】を使えばどうなるか分からないが、そうされるまではただの防御力の高いコタツであり、猟書家さえ倒してしまえば、後でゆっくり倒せばいい。
「次の場所へ行こう」
 見張りに最低限のにゃんこを残して鎬は次の敵が居るであろう場所へと向かう。
「神隠しでサクラミラージュに落ちて以来、十数年振りか」
 その途中で視界に入るサムライエンパイアの街並みを見て独りごちる。彼女の知り合いは皆既に鬼籍に入っており、懐かしいこの世界も寂しくなってしまうため、今まで来る勇気がなかった。
「……親玉倒したら、昔住んでいた土地を探してみようかな」
 親玉、真柄十郎左衛門直隆はヤドリガミを殺し、かつての使い手とともにオブリビオン化させることを目論む猟書家である。その行いはヤドリガミ達の過去の大切な人達との思い出を踏みにじる行為にも繋がり、到底許されるものではない。
「その為にも、親玉を引きずり出さないと」
 そして鎬は街中を進み、次の標的の元へ向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

備前・編笠丸鬼矗
エンパイアに仇為す魍魎共ッ!!
誉れ高き武士の名の元に殺すッ!!!

【行動】
誉れさえあらば魍魎共の術なぞ恐るるに足らずッッ!!!

まずは【範囲攻撃】である程度周囲の敵を備前地国を100mまで刀身を伸ばしてぶった斬り傷を負わせるッ! 彼奴等の術には【オーラ防御】で防ぐッ!!

頃合いを見て誉れ魂を【力溜め】で集め、エンパイアの者達から集めた膨大な誉れエネルギーをぶつけるッッ!!

エンパイアの者達よッ!!!
某に誉れを分けてくれッッ!!、

クラエエエエエ誉レ魂ァァァアアアッッ!!!



●剛よく硬を制す?
「エンパイアに仇為す魍魎共ッ!! 誉れ高き武士の名の元に殺すッ!!!」
 殺意の高い口上と共にコタツ型オブリビオン『堕落へと誘いしモノ』の前に現れたのは長身の剣士、備前・編笠丸鬼矗(鎌倉武士・f29057)だ。場所は町外れの廃材置き場。ゴミに紛れて儀式を行おうとしていたのか、そこを鬼矗が見つけて今に至る。
「……」
 コタツは鬼矗に反応する素振りも見せず、そこに佇んでいる。その実、コタツの内側で風魔小太郎の手足が忙しなく動き、風魔忍法の準備を行なっている訳ではあるのだが。
「誉れさえあらば魍魎共の術なぞ恐るるに足らずッッ!!!」
 佇むコタツ目掛けて妖刀『備前地国』を巨大化させ、叩きつける。
「ム!!!」
 だが、コタツには傷一つついていない。グリモア猟兵から防御力の高い敵とは聞いていたが、超防御モード【鉄壁たるぬくぬく】がここまで硬いとは予想外だった。
 そして、そこから敵の反撃が来るであろうと備える鬼矗だったが、敵からは攻撃の気配が見えない。どうやら完全に防御に徹して儀式を終わらせるまでの時間を稼いでいるようだ。
「為れば!!! エンパイアの者達よッ!!! 某に誉れを分けてくれッッ!!」
 相手が動く気がないならばと、力を溜め、自身に誉れエネルギーを集める鬼矗。
「クラエエエエエ誉レ魂ァァァアアアッッ!!!」
 そして周囲を吹き飛ばすほどの威力を持ったユーベルコード【誉れ魂】の一撃を放つ。
「やったかッッ!!」
 衝撃によって周囲に巻き上がる土煙の向こうを見据える鬼矗。煙が晴れた先には佇むコタツがいた。完全防御に徹したコタツに対して分が悪いか。そう思った矢先。
「ム!!!」
 鬼矗はコタツの天板にわずかなヒビが入っているのを見つける。
「為さねば成らぬ何事も!!! 某の誉れが尽きるまで!!!」
 このまま【誉れ魂】を打ち込み続けていれば、いつかは相手の防御を貫けるかもしれない。
 鬼矗がコタツを打ち倒すのが先か、コタツが耐え切って儀式を完成させるのが先か、勝負は長期戦へともつれ込むのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

エルヴィン・シュミット
忍法で隕石を呼ぶ…忍法ってそこまで万能じゃないと思うんだが、気にしたら負けなんだろうな…。

さて、どちらにせよ敵を見つけなければ話にならん。
下町に住んでるヤドリガミと接触して人目に付き辛い場所の心当たりが無いか聞いてみよう。
大掛かりな儀式のようだし、コソコソやってるに違いない。
とは言えそこまで時間がある訳でもなし、出来るだけ急ぎたい所だ。

敵を見つけたらUCを発動して、コタツをそのまま掴んで【怪力】で放り投げてやる。
ダメージは受けなくても儀式が出来なけりゃ意味がないだろうからな。
まあ、隕石の代わりにコタツが降ってくるがソレは勘弁して貰いたい。

『見つけたら最後、一瞬で終わらせてやるよ。』



●鉄壁でも通るもの
「忍法で隕石を呼ぶ……忍法ってそこまで万能じゃないと思うんだが、気にしたら負けなんだろうな……」
 ドラゴニアンの青年、エルヴィン・シュミット(竜の聖騎士・f25530)はグリモア猟兵からの反芻しつつ、そのように呟く。実際、風魔忍法【隕石落とし】は過去に戦争にて風魔小太郎の手によって引き起こされ、猟兵達が隕石を対処できなければ、あわや交通の要が破壊されるという大惨事になっていたかもしれないのだ。現実にそうした忍法がある以上、それ以上は口を挟んだところでどうしようもない。
「どちらにせよ敵を見つけなければ話にならん。話によればこの辺りが怪しいと言うが……」
 街に住むヤドリガミから情報を集め、人目につきにくい場所……街の路地裏や空き家となっている家屋などを探るエルヴィン。
「大掛かりな儀式のようだし、コソコソやってるに違いない。おっと、早速お出ましのようだな」
 人の住まなくなった家屋に鎮座するコタツ、『堕落へと誘いしモノ』。ただのコタツででない事を見破られたのを悟ってか、超防御モード【鉄壁たるぬくぬく】で攻撃に備える。
「そこまで時間がある訳でもなし、出来るだけ急がせてもらうぜ!」
 そう言うとエルヴィンはユーベルコード【BLOODY OVERDRIVE】により、天井に頭がつき破りそうな程の巨大な竜人へと変貌する。
「これが……竜の血の力だ!」
 そう言うと、おもむろにコタツを掴み、家の外へと放り投げるエルヴィン。
「見つけたら最後、一瞬で終わらせてやるよ」
 そう言うと、ひっくり返ったコタツの裏側にある風魔小太郎の手足目掛けて雷光を纏わせた爪を突き立てる。バリバリと鋭い雷鳴と光が放たれた後、そこにあるは、こつたう部分に傷は付いていないものの、雷で痺れているのか、手足をヒクつかせているコタツ。
「ダメージは受けなくても儀式が出来なけりゃ意味がないだろうからな」
 相手がしばらく動けないであろうことを確認して竜人形態を解くエルヴィン。
「割と疲れるんだよな、コレ。儀式が完成する前に残りを倒しておかないとな」
 そう言うと、次の標的を探しに、街中を駆けてゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御剣・刀也
炬燵ねぇ
冬ならまだしも、夏になりかけてるこの時期に?
ないわ。まじないわ。それに俺暑いの苦手だからな。見付けしだい壊そう。ぶっ壊そう

ヤドリガミの子供と古物商等を見て回って炬燵を探す
見付けたら壊す。容赦なく壊す。徹底的に壊す
鉄壁たるぬくぬくで超防御状態になったら、近づいてグラップルで強引に引っくり返して攻撃する
逃げようとしたら第六感で方向を読み、ダッシュで逃がさず、捨て身の一撃で斬り捨てる
「ないわ。この時期に炬燵はまじないわ。我慢大会とかしたいわけでもないかは、ちゃっちゃと壊れてくれ。マジ、召喚した奴のセンス疑うわー」


夜鳥・藍
確かに冬の炬燵は魔窟そのものです。その手で引きずり込むのでしょうか。
ですが今は初夏ですから逆効果なのではと思うのですが。
周辺の方々の避難は済んでいるのですよね?一応それを残ったヤドリガミの方に確認します。あとは潜んでいそうな場所を訊ねて。
避難も済んでいるのなら目標の家ごと雷公天絶陣で雷で吹き飛ばします。
ちょっと手荒ではありますが、雷でみかんも炬燵布団も抱き枕も燃やして差し上げます。
あと猫もできれば逃げて欲しいです(切実)
それでもなお立ちふさがるのなら再度雷を落とします。飛んできたものは基本青月で斬り捨てますけど、猫は全力で回避します(切実)
いくらオブリビオンでもモフモフを切る勇気はありません。



●夏のコタツの恐怖
「炬燵ねぇ。冬ならまだしも、夏になりかけてるこの時期に?冬ならまだしも、夏になりかけてるこの時期に?」
 今回の敵の情報を聞いて御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は思わず呟く。
「確かに冬の炬燵は魔窟そのものです。その手で引きずり込むのでしょうか?」
 刀也に続いて口を開いたのは夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)だ。今回のコタツのオブリビオンには風魔小太郎が憑依しており、その手足が付いているのだという。
「ですが今は初夏ですから逆効果なのではと思うのですが」
「ないわ。まじないわ。それに俺暑いの苦手だからな。見付けしだい壊そう。ぶっ壊そう」
 凍えるように冷える冬の日には歓迎したいところだが、あいにく今は夏。湿気が不快指数を跳ね上げるこの時期に聞きたくないワードである。しかも相手のユーベルコードには、そんな季節外れであることお構いなしに、中に入ってくるよう誘惑するものがある。もしそれを使われでもしたら、地獄は必至である。
「あそこが古物商だよ」
 ヤドリガミの少年がそんな2人に声をかける。この少年、刀也に呼びかけられて古物商の場所を案内していたのだ。ヤドリガミとして形を成したのが日は浅くても、器物として百年以上過ごしている分、この街の地理には詳しい。
「しかし、周辺の方々の避難が済んでいないのが厳しいですね」
 今回の任務は儀式が完成する前に敵を倒さなければいけないスピード勝負。避難勧告はするものの、それが済むまで待っていれば、儀式を終えられてしまう可能性が高い。特に相手は防御特化のオブリビオンであるのだから。
「建物ごと吹き飛ばせればよかったのですが……」
「やり方を工夫すればいいさ。お、もしかしてあれか?」
 古物商の主人に事情を話し、商品の置き場を見て回っていると、不自然に固まるコタツの群れを見つける。売り物なのにみかんが乗っており、猫もいるあたり怪しいが、今まで気づかれなかったのも、憑依していた風魔忍者のなせる技だろうか。
「よし、ぶっ壊す」
 刀也が日本刀『獅子吼』を抜き、斬りかかる。
「……」
 刀也の攻撃に反応してコタツ達は【こっちのコタツは温いぞ】と、みかんや抱き枕、猫を飛ばしてくる。
「相手の攻撃は任せてください」
 それらの攻撃に対し、藍が打刀『青月』でみかんや抱き枕を切り払い、猫は優しく受け止める。
「いくらオブリビオンでもモフモフを切る勇気はありません」
「ああ、モフモフなら仕方ねえな。だがコタツ、てめぇはダメだ! 容赦なく壊す。徹底的に壊す」
 至近距離まで接近した刀也が【剣刃一閃】でコタツを叩っ斬ろうとする。
「!!」
 その攻撃に今度は【鉄壁たるぬくぬく】で超防御モードになって攻撃を防ぐコタツ達。無敵状態になられてはユーベルコードの一撃も致命傷には至らない。
「この瞬間を待っていたんだよ!」
 だが、無敵状態の敵は動くことができなくなり、反撃のリスクが消える。その瞬間を見逃さず、刀也は流れるような動きで刀を収め、コタツを掴む。
「ゴミ出しならお手の物なんだよ!」
 そして膂力だけではない、武術者の独特な体重移動を以って器用に店の外へとコタツを投げ飛ばしてゆく。
「!!?」
 いきなりのことでなす術もなく古物商の外へと放り投げられてゆくコタツ達。落下先での向きも考えれているのか、みんなひっくり返っており、憑依した風魔小太郎の手足が見えている。
「外に出たなら、ちょっと手荒にしても構いませんね」
 そこへ藍が『青月』を振るい、ユーベルコード【宝貝「雷公天絶陣」】を発動させる。コタツ達に降り注ぐ雷。
「みかんも炬燵布団も抱き枕も燃やして差し上げます。でも猫はできれば逃げて欲しいです」
 どこか切実な表情でそう口にする藍。例えオブリビオンを構成する一部だとしても、攻撃したくないものはしたくない。
「ないわ。この時期に炬燵はまじないわ。我慢大会とかしたいわけでもないし、ちゃっちゃと壊れてくれ」
 そして、感電して動きが停止して無防備になったコタツ目掛けて、刀也が【剣刃一閃】で叩き斬ってトドメを刺してゆく。
「我慢大会……猫とのぬくぬくがあるとはいえ、この時期にコタツに入ることを強制させられたら地獄でしたね」
「想像しただけでもゲンナリするわそれ。マジ、召喚した奴のセンス疑うわー」
 もしかしたら、そうした相手のやる気を奪うことも作戦の一環だったのだろうか。暑いのが苦手である刀也の気分は敵を全滅させてもどこか晴れないようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クロム・エルフェルト
冬ならば逆らい難い誘惑だけど
この水無月の蒸し暑さの中
炬燵に入るのは御免蒙りたい

生憎妖力に縁薄い身、術に関してはからきし故
呪術に知悉したヤドリガミと協力
星を降らす程の術、妖力か何かで屹度居場所を辿れる筈

呪術で突風を起こせないかな
現場に急行中、ヤドリガミにお願いをしたい
炬燵を発見し次第、突風で炬燵を持上げて欲しい
肝心要の部分を"視界に納めないといけない"から

会敵すぐ、示し合せた通り突風を起こして貰い
内部の手足が視えた瞬間、UCを発動
手足を中心に火災旋風で包み▲焼却
誘惑が己に掛かっているなら灼熱の焔纏わせた侭
刀を腰だめに▲ダッシュで突撃
可能なら激突の瞬間に▲早業の刃閃かせ
炬燵を真っ二つに▲切断しよう


宴・段三郎
こたつじゃ。
入りたいが先客が入っておるようじゃのう。
のいてもらおうかのう…

此奴ら硬そうじゃのう
アレを使うかのう

号『閂兵衛』の特性、指定した物質以外を通り抜ける力を活かし、炬燵の防御を【鎧無視攻撃】、【貫通攻撃】の技能付きで内部機能や手足をピンポイントでぶっ刺し斬ろうかのう。
じゃが、1匹ずつ倒すのは面倒くせえのう
閂兵衛でゆーべるこぉど、屍山血河を発動し、これまた【鎧無視攻撃】、【貫通攻撃】でまとめて炬燵の中の者だけを串刺しにしようかの。


もしそれでも無理なら、
号『獄悶』の【貫通攻撃】でこたつにちょっぴり傷つけて、内部で核爆発起こさせるかの。

あんまりこれ使うと周りの者が煩いがのう。



●儀式阻止最終線
 猟兵達の活躍により、だいぶコタツ達も排除されてきており、儀式の阻止まで後一歩というところだろうか。
「星を降らす程の術、妖力か何かで屹度居場所を辿れる筈なのですが……」
 生憎妖力に縁薄い身。そう話すクロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)は、なればこそと呪術に詳しそうなヤドリガミに協力を仰ぐことにしたのだ。
「街の地脈に乱れがあればそこから辿れると思います」
 かつて陰陽師の使用していた扇子だというヤドリガミは、猟兵の申し出を快く受け、敵の居場所を探るのに協力してくれたのだ。
「これは……もしかしたら正しい手順で曲がり角を曲がって進まなければ、たどり着けないように細工されているみたいです。ですので、私に付いてきてください」
「何やら面倒じゃのう」
 クロムと共にヤドリガミに付いてゆく猟兵の少年、宴・段三郎(刀鍛冶・f02241)は思わずそう漏らす。だが、それだけ相手が周到に準備をしており、守らなければいけない最後の砦でもあるのだろう。
「もうすぐ、着くと思いますので、後はお願いします」
「ちょっと待ってもらえないかな? 協力してもらいたいことがあるのだが……」
 戦いになれば足手纏いになるかもしれないと話しかけてきたヤドリガミにクロムが何やら提案する。
「……なるほど。それなら出来そうです」
「む、コタツが見えてきたのじゃ」
 クロムとヤドリガミが何やら相談している間に、路地の開けた場所に複数のコタツがたむろっていた。その異様な光景が人目につかなかったのは、やはり人払い的な術が使われていたのだろうか。
「入りたいが先客が入っておるようじゃのう」
「正気か!?」
 冬ならば逆らい難い誘惑だけど、この水無月の蒸し暑さの中で炬燵に入るのは御免蒙りたい。そう思っているクロムにとって、段三郎がとんでもないことを言ってのける。
「……」
 そして、侵入者の存在を感知して【鉄壁たるぬくぬく】で超防御モードに入るコタツ達。通常、相手は身動きが取れなくなるが、コタツ達に憑依している風魔小太郎はその中で粛々と儀式を執り行うだろう。
「此奴ら硬そうじゃのう。アレを使うかのう」
 そう言うと、段三郎が出したのは仕込み刀『閂兵衛』。指定した物質以外を通り抜ける妖刀である。だが、
「む、硬いのう」
 ユーベルコードで強化された防御力の前に妖刀の異能も歯が立たない様子。こうなれば、ユーベルコードにはユーベルコードをと段三郎が仕掛けようとするが、
「やはりな。手筈通り頼む」
「はい!」
 クロムの合図に合わせ、ヤドリガミが手にした扇子を舞うように振るうと、つむじ風が巻き起こる。
「!?」
 無敵状態のコタツには、猟兵でもないヤドリガミが放った風などで傷がつくことはない。だが巻き上がる風が、コタツを上へと持ち上げてゆく。
「見えた! 十面埋伏。埋め火の恐ろしさ、身を以て知れ」
 コタツが持ち上がり、ひっくり返ることでその内側にある風魔小太郎の手足が白日の下に晒される。すかさずクロムはユーベルコード【灼落伽藍・敷火】によって全身を焼くような焔を纏う。そして『対象を視界内に納める』ことで、そこから火災旋風を巻き起こすのだった。
「1匹ずつ倒すのは面倒くせえから、あれを使うかのう。無象鍛刀」
 段三郎も好機を逃すまいと、露出したコタツの中目掛けて、自身が鍛刀した妖刀達を召喚して放ち、露出した手足を串刺しにしてゆく。
「これは奥の手を使わんで済んだのう」
 奥の手……小規模な核爆発を引き起こす刀があるのだが、それを使った際の周囲への被害は未知数。街の住人やヤドリガミに被害が出れば元も子も無くなるので、使わなくてよかったと安堵する段三郎。
「これで終わり? ……違う!」
「!!」
 風魔小太郎の手足を封殺した今、ここのコタツ達が超忍法を使用することはできないだろう。だが、クロムの焔で燃やされているコタツの一つが無敵状態を解除する。途端に、布団や天板まで焔が燃え広がる。
「ようやく、あのコタツの中にも入れそうじゃのう」
「くっ」
 猟兵達に『コタツの中に入りたい』という気持ちが湧き上がってくる。クロム自身の肉体にも火傷を及ぼす焔がまとわりつくコタツだ。そんな中に入ろうものなら、蒸し殺されるどころの騒ぎではなく、純粋に焼け死ぬ可能性が高い。
「だが、それも想定内だ」
 腰だめに刻祇刀『憑紅摸』を構え、ユーベルコードの相性が働いたのか、コタツに入りたいという気持ちを加速力へと加え、神風の如き速度で肉薄する。
 わずかな呼気を放ったかと思った刹那、抜かれた刃を閃き、道連れを目論んでいたコタツは真っ二つに切断されていた。
「地脈の流れが戻りつつあります。これで、もう大丈夫かと思われます」
 儀式が中断されたのを確認し、安堵するヤドリガミ。だが、猟兵達はまだ緊張は解かない。
「あとは親玉だ」
「うむ」
 今回のコタツ達を放った猟書家『真柄十郎左衛門直隆』がまだ残っている。儀式が失敗すれば、隕石の代わりに自らヤドリガミに手をかけるだろう。
 猟兵達は猟書家に備えるべく、動き始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『真柄十郎左衛門直隆』

POW   :    太刀嵐
【太郎太刀】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD   :    戦場こそが我が死に場所
【防具】を脱ぎ、【戦を求める鬼】に変身する。武器「【次郎太刀】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
WIZ   :    ヤドリガミ殺し
【道具やヤドリガミ目掛けて、気合】を籠めた【太郎太刀】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【使い手や本体の命】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠リカルド・マスケラスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


● 猟書家『真柄十郎左衛門直隆』
「全滅したか。防戦に回せばいい勝負になると思ったが、うまくいかないもんだな」
 街の外縁部に、身を隠す気も無く堂々と現れた巨漢、真柄十郎左衛門直隆はそう呟く。
「後ろで見てるだけなんざ性に合わなかったんだ。俺達は前に出て暴れるのが結局のところ性に合ってた訳だ。なあ、太郎太刀」
 そう愛刀に語りかける。そして、己の侵入に駆けつけてきた猟兵達の存在に気付き、目を向ける。
「来たか猟兵。骸の海に沈むことなく生命の埒外へと到達した者共か」
 そこで、ふと何か思いついたのか猟兵達に声をかける。
「なあアンタ等、オブリビオンになる気はないか? 俺みたいに何度だって蘇ることができようになるし、もしかしたら、二度と会う事が叶わなくなった相手にも、骸の海が侵食していけばまた会えるようになるかもしれないぜ?」
 だが、そんな彼の提案に賛同しない者の姿を見て、直隆はニヤリと笑う。
「だよな。ここでこっちについちまうような奴はつまらねえ。思いっきり殺り合おう、そしてお前達の強さ、見せてもらうぜ!」
 そう言って太郎太刀を構え、猟兵達へ戦いを仕掛けるのだった。

(※今回の戦いでもヤドリガミの協力でプレイングボーナスが得られます。ヤドリガミに演出上危険が及ぶ可能性もありますが、それによって判定にペナルティが出ることはありません。
 また、戦場が街の外縁部となるので、第1章と比べ、周囲の被害をあまり考えなくて大丈夫な仕様となっております。
 それでは皆様のプレイングをお待ちしております)
待鳥・鎬
※真の姿

既にねー……刀で叩き斬られて百年以上眠っていたことはあるんだ
はっきり言うと一回死んだよね
だから本当はヤドリガミ殺し凄く怖い
でも、だからこそ

住人の方は避難誘導や支援だけお願いします
杞柳も、後ろで皆を守って
アレに触れたら君も聖獣様も危ない
杞柳や皆、そして僕自身も全部守ってみせる
それが僕の【宣誓】

翼を使った《空中浮遊》と「山吹」の光学《迷彩》で間合いを読み難く
《クイックドロウ》からの《早業》で間断なく「花香」を撃ち込むよ
攻撃は基本回避
万が一後方が狙われた場合は全力で《かばう》けど……避けられない時は《武器で受け》るしかないな

胸の傷痕がじりじり熱いけど気にしない
自分の《限界なんて突破》してやる


夜鳥・藍
二度目の対戦ですが。
ヤドリガミとその持ち主とをオブリビオンにする。
もちろんオブリビオンにすることは許せませんが、安寧の休みに入った方を無理やり起こすようなことはなおさら許せません。
それに私は一度死したものが転生し、新たな生を得たもの。死した命は戻らない、それを誰よりも知っています。
周辺被害が少なくなるようですが、念のため同行いただいたヤドリガミの方に周辺に人がいないか再確認を。
いないのであれば青月をかざし最大出力で雷公天絶陣を放ち、雷は収束させダメージをまとめるようにします。

思うのです。ヤドリガミの方の本体と私が使う神器、何がどう違うのでしょうか?違いはあるのでしょうか?



●ヤドリガミ殺しの太刀 断ち切れぬもの
「二度目の対戦ですが」
 そう前置きをして真柄十郎左衛門直隆に話しかけるのは夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)だ。
「ヤドリガミとその持ち主とをオブリビオンにする。もちろんオブリビオンにすることは許せませんが、安寧の休みに入った方を無理やり起こすようなことはなおさら許せません」
「安寧? 退屈の間違いじゃねえのか? 過去の存在としてそのまま澱み腐り、消えてゆくのなら、返り咲いた方がいいんじゃねえのか?」
 藍の言葉に直隆はそう問いかける。
「いえ、返り咲くなどさせません。死した命は戻らない、それを誰よりも知っています。私は一度死したものが転生し、新たな生を得たものですから」
「なら、オブリビオンの、黄泉がえりの力をその身に刻んで思い知るといい」
 手にした『太郎太刀』をこちらへ向け不遜な笑みを浮かべる直隆に、これ以上の会話は平行線であると悟る藍。だが、時間は稼げている。

「避難誘導は終わりましたか?」
「ええ、このあたりにいるのはあなた方猟兵と我々ヤドリガミだけです」
 藍の後ろでヤドリガミの青年にそう確認しているのはヤドリガミの猟兵、待鳥・鎬(町の便利屋さん・f25865)だ。
「分かりました。では、決して前に出ないで支援だけお願いします」
 そう青年、計三にお願いした鎬は、今度は自身の使い魔『杞柳』に語りかける。
「杞柳も、後ろで皆を守って。アレに触れたら君も聖獣様も危ない」
 直隆の【ヤドリガミ殺し】。その危険性はヤドリガミである鎬がよく理解している。
「杞柳や皆、そして僕自身も全部守ってみせる。それが僕の【宣誓】」
 そう言い放つ鎬の背に、様々な草花で編み込まれた緑の翼が生える。これが真の姿となった鎬の姿だ。そして、守るべきもの達に対しての誓いがユーベルコードとなり、鎬に力を与える。
「ここなら街中と違って全力を出せます」
 藍も打ち刀『青月』を振るい、最大出力まで力を溜める。
「させるかよ!」
 だが、そんな大技を黙って見過ごす直隆ではなく、その巨漢に見合わぬスピードで藍の元へと間合いを詰めようとする。
「させないよ!」
 真の姿に戻ったからか、口調が少しフランクになった鎬が飛び出し、輪胴式拳銃『花香』を素早く抜き放つと、直隆めがけて弾丸を撃ち込む。
「ちぃっ!」
 直隆は弾丸を大太刀で受け、致命傷を回避するも、緑の翼による飛行と迷彩効果を持つ被衣『山吹』の力によって間合いを読みづらくしている鎬になかなか手が出せない。
「小賢しいな」
 口では鬱陶しがっている直隆だが、その表情は実に楽しげだ。
 このまま牽制を続けていれば藍の攻撃が決まる。そう思わせた矢先だった。
「セエエエエイッ!!」
 裂帛の気合と共に太郎太刀で自身に撃ち込まれてきた弾丸を斬る。
「ぐぅっ!!」
 そしてその直後、身体をビクンと震わせた後、地面へと墜落する鎬。直隆の放った【ヤドリガミ殺し】の一撃が鎬の道具……弾丸を通して鎬の命そのものへと打ち込まれたのだ。
「まずは一人。なかなか楽しませてもらったぜ」
 斬り捨てた相手を見る事なく次の標的へと駆けようとする直隆だったが、

 タァンッ!!

 乾いた銃声が響き、直隆の背に撃ち込まれる。
「何っ!?」
 そして確認する暇もなく次々と撃ち込まれる弾丸。
「既にねー……刀で叩き斬られて百年以上眠っていたことはあるんだ。はっきり言うと一回死んだよね」
 銃口から硝煙をたなびかせ、ふらつきながらも照準を合わせていたのは鎬だ。
「ヤドリガミ殺しは通ったはず!」
「そう。だから本当はそのヤドリガミ殺し凄く怖い。でも、だからこそ」
 過去を思い出したからか、それとも自分の生命そのものを攻撃されたからか、ジリジリと熱くなる胸の傷痕を押さえつつも鎬は高らかに宣誓する。

「自分の限界なんて突破してやる!!」

「ハハッ、何だそりゃ。魂で肉体を凌駕したとでも言うのか? それで俺のヤドリガミ殺しに耐えた? 面白えじゃねえか!」
 その様子に敵ながら称賛を送る直隆。
「こちらを忘れてもらっては困りますね」
 そんな直隆に、藍の言葉とともに最大出力の【宝貝「雷公天絶陣」】による雷が降り注ぐ。
「思うのです。ヤドリガミの方の本体と私が使う神器、何がどう違うのでしょうか? 違いはあるのでしょうか?」
「知るかよ」
 ふと口から出た藍の問いに直隆はそっけなく答える。
「強けりゃ、何だっていいだろうがよ。なあ、太郎太刀」
 強力な攻撃を立て続けに受け、決して少なくないダメージを負いながらも、直隆は太郎太刀を構え、不遜に笑うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御剣・刀也
お前さんが大将か
まぁ、確かに。お前さんの性分的には後ろでじっとしてるのは無理だよな
折角こうして出会ったんだ。一勝負していけ。駄賃はお前の命だけどな

覇気でヤドリガミたちが近づかないようにして、太刀嵐でリーチが伸びても、焦らず、おくさず、勇気で恐怖を捩じ伏せ、第六感、見切り、残像で相手の攻撃を避け、掻い潜り、大振りになった分見切りやすくなった攻撃を避け、ダッシュで懐に飛び込み、捨て身の一撃で斬り捨てる
「攻撃が大きくなるってことは動きを読みやすくなると言うこと。大振りだけの攻撃じゃ、俺には届きはしない。出直してきな」



●嵐に立ち向かうは
「お前さんが大将か。まぁ、確かに。お前さんの性分的には後ろでじっとしてるのは無理だよな」
 相手の性分を色々と知っているのだろう。御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)はどこか納得したように言うと、日本刀『獅子吼』を構える。
「折角こうして出会ったんだ。一勝負していくさ。駄賃はお前の命だけどな」
「そんなもんでいいなら、構わねえぜ。強え奴と戦えるなら命の一つや二つくらい安いもんだ」
 傲岸不遜な刀也の啖呵を嬉々として受け、直隆の大太刀『太郎太刀』が巨大化する。
「食いやがれ【太刀嵐】!!」
 そう言って直隆が太郎太刀を振るえば、斬撃とともに剣風による嵐が巻き起こり、彼の半径300メートル近くが必殺の暴風域となる。刺突を点、斬撃を線に例えるなら、まさにこれは面で迫り来る暴力。
「ただの大振りじゃないってことか」
 だが、太刀を掻い潜り、残像は吹き散らされつつも剣風もギリギリを見切り回避する刀也。烈風が肌を掠めてゆくが、臆さずに前へと進む刀也。
「無差別攻撃ゆえに精度が甘かった。そんな攻撃じゃ、俺には届きはしない。出直してきな」
 剣風の嵐を抜けてきた刀也が直隆めがけて【雲耀の太刀】による上段からの振り下ろしを叩き込む。深くない傷をうけ、派手に血飛沫を上げる直隆。
「見事だ! だが、まだ終わるわけにはいかねえ。まだまだ暴れたりねえ」
 赤い髪を振り乱しつつも、直隆は獰猛な笑みを崩さず、猟兵達を見据えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宴・段三郎
太郎太刀とくればこちらは次郎太刀で向かわなばのう。

研ぎ石のヤドリガミがおるとよいのう。刀を上手く扱えそうじゃ。

使用する妖刀は三振り
号 『化生炉』
号 『無音慟哭』
号 『原刀狩令』

まずはヤドリガミと共闘せねば

わしの鍛治仕事でそこらの残骸、死骸を原料に化生炉で一瞬で次郎太刀に鍛えあげてヤドリガミに渡すのじゃ。
ほれ、○○よ、ぱすじゃ
それでわしと闘え。まあ、取り敢えずその太刀、振れば判るのじゃ。

さて、わしは原刀狩令、無音慟哭で奴の次郎太刀を【部位破壊】するかの。んで頃合いをみて化生炉【焼却】しながら敵を妖刀へと鍛える

刀鍛冶が刀で負けるわけにゃいかんでのう。本気じゃ。

攻撃には【見切り】【残像】で回避じゃ。



●新しき次郎太刀?
「太郎太刀とくればこちらは次郎太刀で向かわなばのう」
 宴・段三郎(刀鍛冶・f02241)がそう口にしながら手にしているのは大太刀。己の妖刀『化生炉』とユーベルコード【鍛治仕事】により、今回の戦闘で出来た残骸やコタツオブリビオンの破片などを原料に鍛えた刀だ。
「それが次郎太刀だと?」
「ほれ、研馬よ、ぱすじゃ」
 訝しむ真柄十郎左衛門直隆を尻目に、この戦場に来るまでに見つけた砥石のヤドリガミ、研馬と呼ばれた青年に大太刀を投げ渡す。
「うわっ、と、危ないな」
 投げ渡された青年が危なげながらも大太刀を受け取る。
「それでわしと闘え。まあ、取り敢えずその太刀、振れば判るのじゃ。砥石のヤドリガミなら刃物の扱いなどお手の物じゃろ?」
 そう言いながら、段三郎も二振りの刀二振りの刀『無音慟哭』『原刀狩令』を抜く。
「それが次郎ダチと名乗るに相応しいか見極めてやろう。ただの鈍であれば、次郎太刀どころか三郎太刀すら名乗らせるつもりはねぇがな! 【戦場こそが我が死に場所】!!」
 そう言うと直隆の防具が弾け、手には太郎太刀と、それよりやや小振りな大太刀『次郎太刀』が握られる。
「オラァ!!」
 力任せの、それ故に実直で強力な大太刀の一撃を段三郎へと振り下ろす。
「そらそらそらぁっ!!」
「片手で振っている速度ではないなこれ」
 狂戦士と化した直隆の連撃を、残像が残るような動きでかわしてゆく段三郎。
「逃げてばっかじゃ戦いにならねえぞ小僧!」
 理性が削られつつも、直隆の斬撃はさらに苛烈さを増す。
「研馬!!」
「応!」
 段三郎が合図を出し、今まで機を伺っていたヤドリガミ、研馬が大太刀で斬りかかる。
「遅ぇ!!」
 猟兵でもない剣士の一撃など意に介さないとでも言わんばかりに太郎太刀で振り払おうとする直隆。段三郎が次郎丸と名付けた大太刀ごと叩き潰そうとしたが、
「っつあっ!」
「ぬぅ!?」
 太郎太刀の一撃に吹き飛ばされる研馬だが、吹き飛ばした方の直隆も何か攻撃を受けたかのように一瞬動きを止める。
「隙ありじゃ!」
 その瞬間を見逃すことなく段三郎は妖刀を振るう。刀を破壊する妖刀と刀を喰らう妖刀の攻撃を受け、次郎太刀の刀身が砕ける。
「次郎太刀!!」
「ふむ、ヤドリガミと使い手が融合したオブリビオンを生み出す事に拘っていたようじゃが」
 すかさず砕けた破片を拾い、何かに気づく段三郎。
「そういうことじゃったとはな」
「なかなか面白い技を使うじゃねえか」
 得心がいったような表情の段三郎を見据える直隆。
「さっきのヤドリガミが持っていた大太刀、俺のヤドリガミ殺しと同じような力があったとはな。仮にでも次郎太刀を名乗るだけのことはあったってことか。面白ぇな猟兵ってのは」
「刀鍛冶が刀で負けるわけにゃいかんでのう。こちらも本気じゃ」
 オブリビオンから妖刀を鍛える刀鍛冶は、今手に入れた素材を手に、笑みを浮かべるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クロム・エルフェルト
――真柄、直隆
音に聞く怪力剛勇の猛将
骸の海の者でなければ、武勇を聞いてみたかった

……ね、扇子のキミ。
もう一つだけお願いしても、いいかな。
キミが持てる最大の力で
砂嵐を起して欲しい。

無視界の中、ヤドリガミを背に庇いつつ狐耳を欹て
太刀嵐の発動に合わせてUCを発動
巨大化した太刀ごと攻撃を▲切断する

私は満身創痍になるけれど
逆に刀は刃毀れ一つ無し
▲騙し討ちとして残像と気配を残し
ヤドリガミの局所的な風で敵の上空に飛ばして貰う

仮に腱を斬られても、落下する分には支障無し
砂塵の残像に気を取られた隙を突き
落下の加速乗せ、兜割りに両断

――兼元に出来て光忠に出来ぬ道理は、無い。
『真柄切』、一刀奏上仕る……なんて、ね。



●嵐の中で煌めいて
「――真柄、直隆」
(音に聞く怪力剛勇の猛将。骸の海の者でなければ、武勇を聞いてみたかった)
 クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)はそのようなことをふと思う。だが、口数少ない彼女からわざわざ思い吐露することはなく、それよりはとこれから必要なことの為に口を開く。
「……ね、扇子のキミ。もう一つだけお願いしても、いいかな?」
「はい! ここまで来れば何なりと言ってくださいな」
 コタツ型オブリビオンを倒すのに協力してくれたヤドリガミ……名前は舞香と言うらしい……彼女もこの戦いに付いてきてくれたようだ。
「お前はどんな強さを見せてくれる?」
 猟兵達の猛攻を受け、致命傷を負いながらも戦いを楽しむ猟書家は何やら打ち合わせをする二人に対して、そのような言葉を投げかける。
「では……お願い」
「行きます!」
 クロムの合図にヤドリガミの手から扇子が振るわれ、それに合わせてあたりから風が舞い上がり、砂嵐となって直隆の視界を覆う。
「目眩しか。だが、俺の【太刀嵐】の前には無意味だぜ!」
 折れた次郎大刀を投げ捨て、直隆は太郎大刀を巨大化させ、見えなければあたり一面無差別攻撃をすればいいと言わんばかりに斬撃と剣風の嵐を巻き起こす。砂嵐に剣の嵐がぶつかる。
「このままぶった斬られろ!」
 そう言って攻撃を続ける直隆に対して、砂嵐の向こうからキラリと光る物が見えたかと思うと、それは剣閃の煌めき。
 クロムのユーベルコード、間合いに入った物を斬り捨てる【仙狐式抜刀術・朱八仙花】による太刀筋が太郎大刀の刀身を切り飛ばす。
「神速剣閃、陸ノ太刀――万象を断つ」
「確かさっきの猟兵は妖狐か。やるな!」
 砂嵐で視界を奪った上で、狐の聴力でこちらを把握して攻撃してきたのだろう。だが、攻撃が来ればこちらも位置は分かる。
「なら、食らっとけや!」
 気配と声のした方向にさらに攻撃の密度を増して太刀を振るう。刃が折れようとも、その勢いは衰えない。そして、不意にかき消える砂嵐。
「いない! 今の攻撃で跡形もなく吹き飛んだとかはよしてくれよ?」
 そんなのつまらないからなと言わんばかりに周囲を見回し、クロム達の位置を探る直隆。
「ッ!! 上か!」
「――兼元に出来て光忠に出来ぬ道理は……無い」
 直隆が気づいて見上げた時には、【太刀嵐】の斬撃を受けてか満身創痍状態のクロムが刻祇刀『憑紅摸』を構えた状態で落下してくる。
「うおおおお!!」
 直隆も迎撃に入るが、クロムの刃の方が早い。閃く切先は直隆を捉え、落下の勢そのままに兜割の形となって直隆を両断する。

「『真柄切』、一刀奏上仕る……なんて、ね」
「……見事。楽しかったぜ、猟兵達。またどこかで戦える日を待ってるぜ」

 その言葉を残して猟書家、真柄十郎左衛門直隆の身体と太郎太刀は崩れ、骸の海へと還っていった。
 クロムの立てた作戦はこうだ。まずはヤドリガミの陰陽師、舞香に砂嵐を起こしてもらい、敵の視界を塞いだ上で攻撃を仕掛けて正面に意識を向けさせる。そして、その直後に舞香に上空へと飛ばして攻撃する。
 ただ、その為には術を行使する舞香を直隆の攻撃から護るために、自分が攻撃を受ける量が増えてでも舞香へ飛んでくる攻撃を迎撃する必要があり、それ故に今のクロムはボロボロではあったのだが。
「大丈夫ですか?」
 クロムの懐から扇子がこぼれ落ち、それを掴むような形で舞香の姿が現れる。術を行使してクロムを上空へ打ち上げた後は本体だけになっていたようだ。
「ん……大丈夫。敵を斬る分には、問題ないから」
 舞香に打ち上げてもらうだから、最悪足の腱が切れても問題ないと言いたいようで、相手にも伝わったようだが、「それは大丈夫の範囲ではないです」と応急の手当を受けることとなったのだった。

 織田信長が斃れた今も、猟書家に狙われているこの世界に本当の平和が訪れるのはもう少し先かもしれない。それを思い出させるかのように初夏を過ぎた強いは日差しが街に降り注ぐ。
 だが、これまで猟兵達の活躍を見てきた住人達に不安の表情はない。街は少しずつ平穏へとその貌を戻してゆくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月26日
宿敵 『真柄十郎左衛門直隆』 を撃破!


挿絵イラスト