7
大祓百鬼夜行⑬〜追儺パチンコ戦線

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#カクリヨファンタズム
🔒
#大祓百鬼夜行


0





 幽世の街角にある駄菓子屋店は、妖怪たちで賑わう癒しスポットだ。
 だが、今その場所はがらんどうの迷宮と化していた。
『アハハ! 何ここ。なんだか面白そうじゃーん♪』
『風情あるし、珍しいのも色々あるし』
『このバチバチしたの美味し~! パチンコと一緒に持って行っちゃおうよ!』
 静かな迷宮に賑やかな声が響く。
 訪れた女の子たちが興味の赴くままに駄菓子屋を物色し、店頭に並ぶお菓子を奪い始めたのだった。
『サンダーパチンコスマーッシュ♪』
 夕焼けを閉じ込めた景観が、みるみるうちに荒らされていく。
 だが楽しそうにパチンコを引く鬼の娘たちの目にそれらは映らない。映るのは雷の魔力を閉じ込めたキャンディと、それが往来の真ん中で炸裂すると同時に轟く稲妻。それだけだ。


「大祓百鬼夜行の攻略、お疲れ様でござる」
 集まった猟兵達に、四宮・かごめ(たけのこ忍者・f12455)が話しかける。
「大戦の影響で巨大迷宮と化した駄菓子屋に、オブリビオンの一群が襲撃を掛けたござる」
 襲撃をかけたのは『かしまし鬼娘』の一群。レトロな雰囲気の漂う駄菓子屋迷宮を、自由気ままに物色しているのだとか。
 それだけなら良さそうなものだが、実はカクリヨファンタズムの駄菓子屋は有事に備えた妖怪たちの「武器庫」でもあったとなれば、話は途端に大きくなる。
「今は鬼娘たちの全員が、雷の魔力を篭めたキャンディとY字パチンコで武装しようとしているでござる」
 強力なパチンコと鬼たちの腕力が組み合わされば、長距離からの雷属性攻撃が可能だ。放置しておけば、強力な「駄菓子兵器」を敵に渡してしまう事になる。
「こちらもいち早く迷宮に飛び込み、鬼娘たちを正気に戻して欲しいのでござる」

 そして駄菓子屋迷宮を利用できるのは鬼娘だけではない。
 猟兵たちもまた店頭に並ぶ「駄菓子兵器」を装備可能だ。
「属性キャンディ弾とか、板チョコシールドとか、ロング麩菓子ソードとか……大抵のものはあるようでござる」
 それら「駄菓子兵器」にはユーベルコードを増幅する力があるのだが、今の鬼娘たちはパチンコを引いて飛ばす位しか使い道を思いついていないようだ。
 対する猟兵たちが上手く「駄菓子兵器」を選び扱えば、戦いを有利に運ぶことが出来るだろう。
「こちらの攻め手は多いものの、おしゃべり好きな鬼娘たちは、基本道端で群れているようでござる。くれぐれも油断なきよう」
 ではお気をつけて、最後にそう言うと、かごめは猟兵たちを送り出すのだった。


白妙
 白妙と申します。宜しくお願いします。
 このシナリオは戦争シナリオです。1章で完結します。

●プレイングボーナス
『ユーベルコードを増幅する「駄菓子兵器」で戦う』です。

●『かしまし鬼娘』
 鬼の娘たちが、比較的弱い骸魂に飲み込まれた存在。
 オシャレにいたずらにおしゃべり。その他楽しい事なら何でも大好き。

●駄菓子
 鬼娘の武器はスリングショット(ゴムを使ったパチンコ)と属性魔法を篭めたキャンディのセット。彼女たちの好みで雷属性ばかり選んでいます。
 「麩菓子の大砲」や「妖怪煙」など、駄菓子屋にはどんな駄菓子兵器もありますが、全シナリオ中で一番カッコよかった駄菓子兵器は「アイテム化」する……かも知れないそうです。

●補足
 カクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出できます。

 全員採用を目指しますが、多ければ絞る場合があります。ご了承くださいませ。
80




第1章 集団戦 『かしまし鬼娘』

POW   :    鬼の刀
【小刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    鬼の鈴
【鈴の音】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    鬼の本気
【自身の妖力の全て】を使用する事で、【立派な角】を生やした、自身の身長の3倍の【大鬼】に変身する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御倉・ウカノ
*アドリブ歓迎
判定:WIZ

UCを増幅する駄菓子か…なんで駄菓子、と思わなくはないが有難く使わせてもらおう。

さて、あたしはこの駄菓子兵器『ステッキ型容器のガム』を使わせてもらおうかな。あたしのUC、ホントは護符を使うんだけど…UCを増幅する効果があるってんなら、中身のガムを護符代わりに出来るはずだ。

戦法はシンプルに、中身のガムを鬼娘たちに投げつけて当たれば良し、当たらなければその場に結界を張ってあたしの戦闘力をあげてステッキ型容器でしばくというやり方でいくよ。

「さてさて、お前さんたちには悪いが…たんこぶの一つや二つくらいは我慢してくれよな?」



 バチィッ!!
 飛来したキャンディ弾を余裕をもって回避した御倉・ウカノ(酔いどれ剣豪狐・f01251)。その後方で派手な雷閃が上がる。
 駄菓子屋迷宮でたむろしていた、かしまし鬼娘たちとの遭遇戦である。
「使い方は単純だけど威力はなかなかだなー……なんで駄菓子、と思わなくもないが」
 幽世には不思議な物品が多いとはいえ、駄菓子が兵器としてしっかり機能するというのは、ウカノは勿論、多くの猟兵にとっても予想外だろう。
「――ま、使えるものはありがたく使わせてもらおう」
 丁度傍にあった木枠だけのシンプルなお菓子台。そこからウカノが何か棒のような物を引き抜く。
 同時に、じゃらん、と涼やかな音。ウカノの手元から響いたその音に、かしまし鬼娘たちの注目が集まる。
 ウカノが選んだ「駄菓子兵器」――それは容器に詰まったカラフルなボールガムだった。
 容器の形はカーブを描くステッキ型。それを構えたウカノの姿は由緒正しい魔法使いか奇術師を思わせる。
「ふふん」
『ナニあれ~。マジックでも見せる気~?』
『撃っちゃえ撃っちゃえ!』
 だが鬼娘たちがキャンディを番えるよりも早く、ウカノはステッキの手すり部分に手を掛け――きゅぽん、と栓を抜いていた。
 そして次には、ざぁ、と音を立て、中のボールガムを鬼娘たちへとぶちまけた。
 色鮮やかなガムの雨を避け、鬼娘たちは素早く後退しようとする。
 だが鬼娘たちは気付かない。地面に落ちたガムがころころと転がり――規則正しい星の配列を描いたのを。
 ビシィ!! と瞬時にガム同士を繋ぎ、光線が鬼娘たちを包囲する。
『きゃあっ!?』
 かしまし娘の一人が見えない壁に角をぶつけて倒れ込み、遅れて逃げる仲間を将棋倒しにした。
『これは……結界!?』
「そ。ホントは護符を使うんだけど、代わりにガムを使わせて貰ったよ」
 ざ、と音を立て、いつの間にかウカノが距離を詰めていた。彼女の周囲には先程よりも強い妖気が渦巻いている。力を強める結界が機能している証拠だ。
 もう、逃げられない。
 必死で見えない壁に取り付く鬼娘たちを前に、ウカノはぽんぽんとステッキで掌を叩きながら、じりじりと近付いていく。
「さてさて、お前さんたちには悪いが…たんこぶの一つや二つくらいは我慢してくれよな?」
『あ、あ……』
 締める時はきっちり締めるのがウカノ。おイタする悪い子にはお仕置きだ。
『んぎゃーっ!?』
 ごちんっ☆ と。ステッキが鬼娘たちの脳天を打ち据えれば、彼女たちの口元から叩き出された骸魂たちが、飛び去る間もなくウカノに祓われたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

空亡・劔
どいつもこいつもこの最強の大妖怪である空亡劔を差し置いて駄菓子兵器を奪おうとするとか
良い度胸ね!!(おこ

駄菓子兵器
うまい棒(名称お任せ

能力
味によって色々な属性の力を宿すわ!
時に物凄い奇跡の力を宿すわよ!

魔剣とうまい棒を構えてきりっ

あんたらがあたしを差し置いて駄菓子兵器を使うっていうならあたしも対抗させて貰うわ
思い知りなさい!
最強の大妖怪の存在を!(誰もそんな事言ってない

【天候操作】
吹雪を巻き起こす
【属性攻撃】で冷気を武器とうまい棒に纏わせて属性強化
時刻みを使うわ
飛び回りながら時空さえ凍結させながら切り裂いていくわよ

うん
駄菓子兵器も中々の兵器ね
でもあたしの真体である空亡ほどではないわ!!!



「どいつもこいつも……」
 空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)は、怒っていた。
 駄菓子兵器。元はと言えば妖怪達が有事に備えて蓄えていた兵器群である。
 ならば何者であれ、幽世の実力者である自分に対して、一言あって然るべきではないか。それを何の断わりもなく奪おうなど。
「……良い度胸ね!!」
 駄菓子屋の店頭でたむろする有象無象……もとい鬼娘たちを、劔は膨れっ面で睨み付ける。ぷんすこ、という擬音が聞こえてきそうだ。
『最強の大妖怪、そんなの知らないし~』
『やっちゃえ~☆』
 その掛け声を合図に、引かれたゴムが次々弾かれ、雷弾の一斉射が劔へと向かう。
 だが劔は素早く飛び退くと同時に、己の本体である殺神魔剣『空亡・紅』を抜いた。
 どこまでも劔にとって気に入らない事ではあるが、大妖怪たる己の実力を見せなければ、鬼娘たちはこの場を立ち去る気は無いようだ。
「しょうがないわね。あんたらがあたしを差し置いて駄菓子兵器を使うっていうなら……あたしも対抗させて貰うわ」
 劔は店頭に立てかけてあった一本の袋を取り出す。
 果たしてその派手っ派手で楽し気なイラストが描かれた包装からは、一本の駄菓子兵器が現れた。
 中央に穴を穿った極太のフォルム。食べ応えのありそうなサクサクとした手触り。その名も『スナックブレイド(サラダ味)』だ。
「思い知りなさい! 最強の大妖怪の存在を!」
 しゃきんと二刀を構えた劔。その左手にある駄菓子兵器の色が変化していく。
 香ばしい焼き菓子を思わせる黄色から、地の底の凍気を刀身に込めたかのような、深い紫色へと。
 スナックブレイドに宿る奇跡の力。それは味の変化と共に様々な属性を宿す、万能魔剣とも言えるものだった。
 色からしてサツマイモ味か何かだろうか。残念ながら何味なのかを確かめる暇は無いが、それでも劔の周囲では冷気が渦を巻き始めた。
『やってやろうじゃん!』
 力を解放した鬼娘たちがぶつかっていくのに合わせ、劔もまた地面を蹴ると同時に、凄まじい速度で飛翔を開始する。
 たちまち戦場を制圧したのは時空ごと全てを凍り付かせる冷気と遅れて迫る鋭い斬撃。鬼娘たちは飛び回る劔と数合打ち合うも、たちまち押し切られて片っ端から戦闘不能に追い込まれていく。
『きゃあっ!』
 吹雪が収まった時、その場に立っていたのは双剣を振り切った姿勢の劔ひとり。足元には正気を取り戻した鬼娘たちが気絶している。
「うん。駄菓子兵器も中々の兵器ね」
 派手に吹雪を巻き起こしたというのに、駄菓子兵器は何事も無かったかのようにその色を元に戻し、折れ……否、刃毀れ一つ無い。
 劔の元居た世界にあっても、名刀で通る作だろう。
「――でもあたしの真体である空亡ほどではないわ!!!」
 迫力と共にそう言い切ると、劔は己の魔剣を下ろすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィロメーラ・アステール
「こちらも雷で対抗するしかないな!」
ちょうどここに雷属性っぽいチョコがある!
『†黒ノ雷†』とでも名付けるべき?

カミナリ級パワーで女性に効果抜群というウワサ!
しかしコイツは通常版じゃない!
大豆パフが搭載された、ふわさく限定品!
つまり鬼に効果抜群!

コイツを【念動力】で勢いよく【投擲】すると着弾地点で爆散して、大豆パフをばら撒くわけ!
敵が驚きや恐怖を感じた所に【響星天意】の出番!
「あれ、節分!?」って混乱を増幅させれば攻撃してる場合じゃなくなるだろ? そこに追撃しちゃうぞ!

この戦法は【先制攻撃】が大切!
【聞き耳】でおしゃべりを探り【迷彩】魔法で姿を隠し【忍び足】で距離を詰めて、集まってる所を狙うぞ!



 迷宮に明るい笑い声が響く。少し聞いた限りでは、イマドキの女子学生の四方山話といった風情だ。
 だが近付くにつれ、その声には何かを物色する音が混ざり始める。
 良い感じに鄙びた駄菓子屋へと辿り着けば、そこにはスリングショットを手にたむろする十人くらいの少女。
 屈託無くころころと変わる表情の上には、人ならざる存在である事を示す二本の角が生えていた。彼女たちこそオブリビオン『かしまし鬼娘』である。
 その店の片隅で、一瞬だけ、きらりと何かが輝いた。鬼娘たちの喋り声を頼りにここまで来た、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)だ。
(「およ? 案外簡単に見つかったぞ?」)
 星の魔法で光と認識を歪め、夕闇に身を溶け込ませたフィロメーラに鬼娘たちは誰一人気付かない。
 フィロメーラは鬼娘たちにそっと近寄り、肩越しに手元を覗き込む。
『やっぱりこれが一番キレー♪』
『全部持ってっちゃおうよ!』
 棚に並ぶ透明な四角い箱。そこに開いた丸穴に、鬼娘たちは手を突っ込んでは、乱暴に飴玉を掴み出す。
 その橙黄色の輝きに秘められた雷の魔力を、フィロメーラは確かに感じ取る。この迷宮の駄菓子が兵器として扱う事が出来るという話は、どうやら本当のようだ。
(「ならば……こちらも雷で対抗するしかないな!」)
 フィロメーラもまた手近な棚から一つの駄菓子を掴み出す。
 それは、チョコだった。黒字に金の稲妻の意匠が施され、『甘さカミナリ級!』『限定復刻版!』などの文字が踊る包装が、子供のみならず大人をもときめかせる代物。
 そっとギザギザに指をかけ、静かに中身を引き出す。
(「おお~」)
 たっぷりと詰まったココアを、デコボコチョコがコーティングしていた。
(「『†黒ノ雷†』とでも名付けるべき?」)
 だが思わずフィロメーラがそう形容したくなった程に、その佇まいは、言うなれば、無骨で強そうだったのだ。
 幾つか黒雷チョコを引き出すと、フィロメーラは持ち前の念動力でふわりと浮かせると。
(「……せいっ!!」)
 次には、少し離れた鬼娘の集団のど真ん中に、思いっきり投擲した。
 バァンッ!! と、空中で一斉に爆散。
『!!』
『何、敵襲っ!?』
 肩を跳ね上がらせ驚く鬼娘たち。急いで周囲を見回すが、先制攻撃を決めたフィロメーラは未だ姿を隠している。
 『†黒ノ雷†』。確かにカミナリ級のパワーを持つ閃光弾だが、それだけでは鬼娘たちを倒すに至らない。程無く彼女たちは驚きから立ち直り、フィロメーラを捜索しにかかるだろう。
(「しかしコイツは通常版じゃない!」)
 ふと鬼娘の一人が、辺りに降り注ぐ物体に気付き、自身の髪に手を伸ばしたところで言葉を失った。
『これは……』
(「そう、大豆パフ! 鬼に効果抜群の限定版だ!」)
 目を見開く鬼娘。その反応を確かめ思わずガッツポーズを決めたフィロメーラ。同時に彼女の横を漂っていた星のような輝きから、不可視の精神波が放たれた。
 響星天意――相手に抱かせた感情を即座に増幅させ、その場の空気を制圧してしまう、フィロメーラの禁断の手札。
 音と衝撃、そして鬼の弱点である大豆。続けざまに生じた驚きの感情を増幅させられた鬼娘たちは、自分達の苦手とするとある行事を連想させざるを得なかった。
『『『……節分!?』』』
 連想に次ぐ連想はありえない事象すらも鬼娘たちの脳裏に浮かび上がらせ、やがて一つの狂気を形作るに至る。
 こうなれば戦いどころではない。集団としての機能を失った鬼娘たちは、たちまち潰走を始めようとする。
 だが。
「ここまでお膳立てしたんだ! 纏めて厄払いといこうか!」
 それに待ったをかけるように、フィロメーラの朗らかな声が響いた。
 降り注ぐ光の閃光。それは全ての鬼娘たちを照らし出し、彼女達の元から逃走しようとする骸魂を跡形も無く消滅させるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ザクロ・シャハブ
キール(f14289)と協力

『キー来てくれたんだな。』
来てくれた妖精に嬉しく思いながら人参型の剣を使おう

迫る攻撃は人参型の剣で【なぎ払い】ながら距離を詰めていこう
距離を詰められれば剣でぽこぽこ殴り斬ろう(鎧無視攻撃使用)

『剣だと思っただろう?はずれだ』
外装が破れ始めればわざと袋を破り【ジャンプ】で逃走
この剣はフェイク
これはポン菓子ボムを袋に詰めて剣に見立てただけだ
『これは衝撃の強さで爆発の力が強くなる代物。さぁ、雷魔法に打撃…そしてフエラムネ砲でどれくらいの衝撃が蓄積されるだろうな?』

フエラムネ砲を持ったキーに手を振りながらトドメの一吹きを頼もう

『食べ物の怨みは恐ろ…ラムネうまい』


キール・グラナドロップ
黒うさぎさん(f28253)にお菓子があるって聞いて来たけど……ほんとだ!
お菓子!(はしゃいでいる

あう、でも、これで戦うんだね……まだ食べちゃダメなんだ……よーし! 食べる時の為にがんばるぞー!

えっとえっと、このフエラムネ? っていうのがいくつも重なってる大砲みたいなの、使うね。吹いて使うみたい……これで大きな音と【衝撃波】を出して、ぶっ飛ばしたり【おどろかせ】たりしちゃおう!(なおこの後自分の出した音にもビビる

驚いてるところをさらに驚かせちゃおう!
……【影の沼へようこそ!】驚きも倍増で捕まえちゃってね影くん!

あーっ黒うさぎさん先に食べてるずるい!



『お兄さんが持ってるのも、ここの駄菓子?』
『アハハ、おっきなニンジンじゃ~ん♪』
 駄菓子迷宮の路上で、鬼娘たちの集団と遭遇したザクロ・シャハブ(懐中兎計・f28253)。その手には長い人参……もとい、ニンジン剣があった。
 元より単純なフェイクが通用する相手だとはザクロも思っていない。その証拠に鬼娘たちは笑いながらも、スリングショットのゴムに指をかけている。
 鬼娘たちにはニンジンが刃物の類であると思っているという事だ。そう。ザクロの想定通り。
「……ほんとだ! お菓子!」
 そこへ、屈託の無い声がかけられた。
「黒うさぎさんの言った通り!」
 ザクロの元に飛んで来たのは、一人の妖精、キール・グラナドロップ(影に縋る者・f14289)。
「キー、来てくれたんだな」
「うん!」
 駄菓子屋迷宮のお菓子をキールは楽しみにしていたようだ。そしてザクロから聞いていた通り、ここにはお菓子が沢山ある。
 はしゃぐキールを迎えるザクロの様子は淡々としているが、それでも何となく嬉しそうだ。
 だがキールはザクロの手元を見ると……その声のトーンを大きく落とす。
「あう、でも、これで戦うんだね……まだ食べちゃダメなんだ……」
「ああ。終わったら食べて良いから」
 しょんぼりとした様子のキールをザクロは優しく宥める。
「よーし! 食べる時の為にがんばるぞー!」
 早速駄菓子兵器を物色しにかかるキール。その行動原理はとても前向きだった。
 キールの隙を埋めるようにザクロはニンジン剣を構えると、鬼娘たちへと接近を始める。
『マジで戦うんだ……ニンジン剣で』
『構わないからやっちゃえー!』
 ひゅんひゅんと飛来する大量の雷の弾丸をザクロは一閃。パチン! と音を立てて真っ二つになった飴玉が彼の足元に次々落ちていく。
 だが集団でパチンコを斉射する鬼娘たちの弾幕は凄まじい。その勢いを前にザクロが足を止めそうになった、その時。
『きゃあっ!?』
「……うわわっ!?」
 遥か後方から発生した音の衝撃に、前方の鬼娘が吹き飛ばされる。
 音の発生源は、笛ラムネが幾つも繋がった駄菓子兵器を抱えたキール。キール自身の身体の小ささもあり、その様子はまるで大砲か何かを構えているかのようでもある。
 キールはこれを思いっ切り吹いたのだろう。あまりの音の大きさにキール自身も腰を抜かしているようだ。駄菓子兵器の威力は予想以上と言うべきだろう。
 混乱する敵陣。その隙を逃さず――とん、と蹴り音だけを残し、ザクロが踏み込む。
 横薙ぎにされたニンジン剣を慌てて防ごうとする鬼娘たちだったが。
『……あ、あれ?』
『痛く、ない?』
 次に訪れたのは、鋭い痛みでは無く、綿で殴られたような軽い感覚。
 そしてザクロの振るったニンジン剣は表面が破れ……中には白い何かが覗いていた。
「剣だと思っただろう? ……外れだ。これは『ポン菓子ボム』。衝撃の強さで爆発の力が強くなる代物だ」
 二重のフェイク。ニンジン剣は刃物ではなく、中に駄菓子兵器を詰めた只の袋だったのだ。
 ザクロは思い切り跳躍。同時に最後の一閃を鬼娘たちにかませば、同時に中のポン菓子が、ざぁ、と辺りにばら撒かれる。
「頼んだぞ、キール」
「うん!」
 手を振るザクロの合図と同時に、再度キールが笛ラムネ大砲を咆哮させた。
 ラムネ砲とニンジン剣の殴打、そして辺りに散らばるキャンディ弾に込められた魔力。蓄積されたそれらの衝撃がポン菓子に引火し――爆発。
 轟音と衝撃。ポン菓子が弾け、辺り一帯が炎に包まれる。
 そこから慌てて逃走しようとする鬼娘たちの足元で――影が揺れた。
「捕まえちゃってね影くん!」
『やーん!』
 そこからしゅるりと伸びた漆黒の触手が、鬼娘たちを保護するように次々捕らえ始めた。倍加された驚きの増幅によって、影の範囲も触手の本数も凄まじい量になっている。
 そして彼女たちに混ざって逃れようとした骸魂をキールは見逃さない。一瞥すれば影の触手たちは従うようにその手を伸ばし、骸魂たちを引き裂いていく。
 残されたのは路上に残された炎の海と、骸魂が抜けてその場に伸びた鬼娘たち。作戦は成功と言えるだろう。
「食べ物の怨みは恐ろ……ラムネうまい」
「あーっ黒うさぎさん先に食べてるずるい!」
 何時の間にか一足先に駄菓子を楽しんでいたザクロの肩を、キールは子供のように揺するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レオンハルト・アウストラリス
あの子たちは操られてるだけ…それだと剣で戦って怪我させるわけには……ん?こ、これは…!

~~~♪
夕焼けをバックにまるでハーモニカでも吹くように、「笛のように吹ける丸いラムネ」を吹きながら鬼娘たちの前に立ち塞がるぞ!

UC【天与の躯体】の身体能力と[楽器演奏]で強化して使えるはず!
攻防一体の音響兵器と化した『笛型ラムネ』を思い切り吹いて、音の衝撃波を飛ばし襲い来るキャンディや鬼娘を吹き飛ばすことで、出来る限り怪我も最小限に無力化だ!

回避専念だが隙を見せたらUCの身体能力で一気に接近し、
近距離で大音量を鳴らし気絶させる!

助けられる相手は助けたい。
だから俺はこの駄菓子兵器を選んだんだ。

【アドリブ大歓迎】



 駄菓子屋迷宮の往来を、レオンハルト・アウストラリス(魔剣の勇者・f20419)は腕組みして歩きつつ、何やら呟いていた。
「あの子たちは操られているだけ……」
 レオンハルトの考えている通り、幽世のオブリビオンは全て、妖怪たちが骸魂に囚われてしまった存在だ。
 怪我をさせずに妖怪を助け出す事が出来れば良いが、生憎レオンハルトの得物は剣。当たれば怪我をさせてしまう危険は拭えない。
 何とか無傷で鬼娘たちを救出する術は無いものか。難しい事はわかっているが、生憎決めた事には頑固になる性分だ。こればかりはどうしようもない。
 思案に暮れるレオンハルトがふと店先に目をやると。
「……ん? こ、これは……!」
 そこに置いてあったひとつの駄菓子兵器に、思わず目を見張った。

 ~~♪
 ~~~♪
 風に乗って響く涼やかな音色。
 店先でたむろする鬼娘たちが談笑を止めれば、そこには見事な夕焼けをバックに歩いて来る、レオンハルトの姿があった。
 ズボンに手をやりコートを揺らし道を踏み締めて来るその様は、まるでハーモニカを吹く風来坊のようだ。
『ふーんだ、あんなのカッコつけてるだけだしっ!』
『撃っちゃえ撃っちゃえ~☆』
 ヒュンヒュンとゴムが弾かれ、降り注ぐ橙黄色に輝くキャンディの一斉射がレオンハルトを襲う。
 だが直撃の寸前で、一足早く、雷弾が爆ぜた。
『な……っ、きゃあ!!』
 次には、往来を真っ直ぐ駈け過ぎる、凄まじい衝撃。
 駄菓子兵器『笛ラムネ』。それはレオンハルトの天性の身体能力を、肺活量を通して音の衝撃波として解き放つ、攻防一体の音響兵器であった。
『!!』
 衝撃に緩む鬼娘たちの手元から、キャンディやパチンコがバラバラと吹き飛ばされていく。
『しまっ……!』
 レオンハルトはその隙を見逃さなかった。
 並外れた身体能力でコンクリートの地面を蹴り、一気に彼我の距離を喰らい尽くすと――そのまま敵群の中心で、渾身の一吹きをお見舞いする。
 至近距離で炸裂した大音量の音塊を前に、全ての鬼娘たちが意識を飛ばされその場に倒れ込んだ。
 衝撃で叩き出された骸魂たちがその場を逃走しようとする。
 だがその動きを見越していたように、あるいは何者かの指示に従うように、レオンハルトは魔剣シャクイスを構え終えていた。
 一閃。
 掻き消える骸魂に一瞥もくれずレオンハルトは剣を下ろすと、鬼娘たちの側に屈み込んで容態を診ていく。
 気を失った彼女たちに外傷はない。もしかすると起きた時に耳がきんとするかも知れないが、それも日を跨いだ頃には収まっているだろう。
 レオンハルトは咥えていたラムネを、確かめるように自身の手に乗せてみる。
 白く硬質な表面には剣を振った際の噛み締め痕。それが赤い夕陽に照らされ、陰影を描いていた。
「助けられる相手は助けたい……だから俺はこの駄菓子兵器を選んだんだ」
 殺さず傷付けず。『大祓百鬼夜行』における猟兵たちの総意だが、最も徹底していた者の一人はレオンハルトだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

六道銭・千里
駄菓子なぁ…小学生の頃に遠足のお菓子買っとった店もいつの間にか店じまいやったり寂しいもんやわ
おっ、こいつなんか面白そうやな…


スリングショットの攻撃に対して駄菓子兵器を『投擲』
俺が選んだんは『カプセルチョコ』…中に骸魂を閉じ込めたカプセルが入ってて一時的に力を貸してくれる…らしい

出てきた塗り壁と自身の御縁玉を合わせた『結界術』
雷やったら土は相性悪いよな?

んで、もう一つ。呼び出すんは金霊…福の神の妖怪や!
招福、祓厄。大量の硬貨を使い、UCの増幅【浄化】

こいつで終いってな



「駄菓子なぁ……」
 駄菓子屋迷宮の往来を歩きながら、六道銭・千里(あの世への水先案内人・f05038)は呟いた。
「遠足のお菓子買っとった店も、いつの間にか店じまいやったり」
 UDCアースの駄菓子屋は今もその数を減らし続けている。現在大学生である千里にとっても、それは遠い小学校の頃の想い出になっていた。
「寂しいもんやわ」
 過ぎし時を想い、千里は独り言つ。
 だがここは幽世。その過去の遺物とも言うべき店が、道の両脇にずらりと軒を連ねる光景に、千里は思わず目を奪われる。
「……。おっ、こいつなんか面白そうやな……」
 ふと呟き、千里はとある店の目の前で足を止めるのだった。

『もうアタシたちしか居ないって!』
『ヤッバいしー!?』
 既に殆どの仲間を救出され、残された鬼娘たちに余裕はなさそうだ。
 往来に姿を現した千里に対し鬼娘たちは、遠距離から駄菓子兵器であるパチンコを放ち始める。
 ひゅんひゅんと飛来する雷弾。その射線上で千里は手に持つ物体を取り出すと、御縁玉と共に地面に叩き付けた。
 たちまち白い煙が上がり、巨大な土の壁がそそり立つ。
 千里が選んだ駄菓子兵器。それは『カプセルチョコ』。チョコの中にあるカプセルに閉じ込めた骸魂が一時的に力を貸してくれる代物だ。
 千里が呼び出したのは地属性の妖怪、塗り壁。
 雷は土に弱い。それに守りの力を増す御縁玉の力が加わり、その身を鉄壁の結界と化して千里を守り切った。
 雷の魔力を吸収されポトポトと地面に落ちるキャンディ弾を見て、鬼娘たちは思わず顔を青くする。
「まだ終わりやないで」
 そう言った千里の周囲で大量の硬貨が飛翔し、空中で渦を描き始めた。
 奥義『斉符大放出・裁銭祓籠』――浄化の力を込めた硬貨に包囲され逃げ場を無くした鬼娘に止めを刺すように、千里はもう一つのカプセルチョコを放った。
 現れたのは福の神。その輝きを周囲の硬貨が派手に照り返し、辺り一帯を浄化の輝きで包む。
 招福転じて祓厄と化す。輝きは鬼娘たちを傷付けず、逃げようとした骸魂を残らず浄化し、そして祓い切った。
「こいつで終いってな」
 千里は片手を目の前に立てて軽く礼をした後、その場を立ち去ろうとする。
「ん?」
 ふと気付いた時、駄菓子屋迷宮はすっかり消え去っていた。
 全てのオブリビオンを倒され、この一帯は迷宮化の呪縛から解き放たれたのだった。
 後に残されたのは、ぽかんとした様子で佇む鬼娘たちと、元通りの駄菓子屋が立ち並ぶ街角。
「まぁ、気が向いた時に訪ねるのもええか」
 その様子を確かめると、今度こそ千里はその場を後にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月14日


挿絵イラスト