4
大祓百鬼夜行⑲〜急には止まれない火鼠車〜

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#カクリヨファンタズム
🔒
#大祓百鬼夜行


0




●カクリヨファンタズム 地球・H県 とある踏切
 そこはH県でも辺鄙なところで、人が滅多に通らない踏切であった。だがそれ故か、その異変に気付く者は少ないのだろう。
 その踏切で信号待ちをしようものならば、異空間に誘い込まれる。単線の筈が数百本の線路や踏切に増幅し、遮断するのを待ち構える迷宮と化していた。
「信号が長いなぁ……」
「そもそもここって踏切こんなに多かったっけ?」
 だがそれに疑問を思わないのが、UDCアースの人々である。それも当然か、カクリヨファンタズムより降り立った骸魂・輪入道の結界によって、異変を異変と思わないようにされているからだ。
 そしてその信号待ちに火車が止まる。それは車でも馬車でもない。炎の車輪がついた巨大なる鼠であった。さらに車輪には顔がついており、その人々を見つめる。

「見ないで下さい。祟ります」
 淡々と輪入道は一般人に対して死の宣告を行う。そして踏切を燃え盛る牛車が埋め尽くしていくのだった。

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「という風に放置していると一般人に対しても被害出て大変なことになるよ!」
 そう言ってこれから起こるであろう未来の予知の画面を見せるグリモア猟兵のエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)。残酷ではあるが、このまま放置すればこの「火鼠車」の大群はこの踏切で災厄を齎すだろう。
 さらに人的被害だけではなく、電車も進行できず、UDCアースの物流が崩壊してしまう事態も予想される。その前のこの踏切迷宮を広げている一団を駆逐しないといけない。
「それでね。この踏切は妖怪列車も通行しているんだけど、踏切を無理矢理渡ろうとすると跳ね飛ばされちゃうんだー」
 妖怪列車は凄まじい高速移動・超重量もあり、猟兵が力づくで止めるは不可能。だがこの妖怪列車は、迷宮の原因である火鼠車をも吹き飛ばすので、有効活用できれば殲滅速度もあがるだろう。
 今回の踏切迷宮を作り出している火鼠車は、火鼠は妖怪の方、人面車輪である「輪入道」が骸魂になる。そこは間違えないように攻撃して火鼠達を解放していきたい。
「ともかくこんな迷宮は迷惑以外何者でないから、一刻も早く壊してねー!」
 そう言ってエィミーは転移術式を展開する。転移した先は多くの踏切の音が聞こえる世界。妖怪列車が走り去る中で、大きな鼠退治を猟兵達は敢行する。


ライラ.hack
 夢の国のマウスではないのでご注意を。
 どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。

 このたびは大祓骸魂を弱める為、とある迷宮化した踏切に出現する大祓骸魂勢力のオブリビオン集団を撃破するのが目的です。
 UDCアースに現れたオブリビオン妖怪の群れにより、とある地域の踏切が「迷宮化」しました! 単線の筈が数百本の線路や踏切に増幅し、UDCアースの人々はその事態を現実と認識できないまま、無限の踏切迷宮の只中で、遮断機が上がるのを待ち続けています。電車も進行できず、UDCアースの物流が崩壊してしまうでしょう。無理に踏切を渡ると、謎の「妖怪電車」に跳ね飛ばされます(敵も)。基本的には踏切を守りつつ、うまく戦う必要があります。

 補足としてカクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出できます。

 以下、特殊ルールとなります。
 プレイングボーナス……踏切と妖怪電車を利用して戦う。

 以上となります。妖怪列車をうまく利用し、輪入道から火鼠を助け出しましょう。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
119




第1章 集団戦 『火鼠車』

POW   :    見ないで下さい。祟ります。
自身が【敵意を含んだ視線】を感じると、レベル×1体の【燃え盛る牛車】が召喚される。燃え盛る牛車は敵意を含んだ視線を与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD   :    餌の時間です。邪魔しないでください。
非戦闘行為に没頭している間、自身の【周囲の空間】が【高熱の炎に包まれ】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    死者は友達です。力を合わせて戦います。
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【片輪車兵】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:聖マサル

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

隠神・華蘭
うーん、線路がごちゃごちゃでわけわかんない所ですねぇ。
ま、わたくしには都合がいいと言いますか。

敵さんを視認次第ちょいと離れまして。
化術にて見せかけの線路を火鼠の周りにいっぱい出してあげます。
あちらもここの危険さは理解しているでしょう、動きも鈍るはず。
ついでに手持ちの葉っぱも固めて化術で偽の電車とし念動力で
本物のように周りを走らせぱにっくを誘発させます。

己のレベル分の距離ぎりぎりで本物の踏切前で止まれるように位置を合わせてからUC発動!
汽車に化けて敵に突進ですよぉ!

巻き込みに成功しましたら終点は妖怪電車の踏切!
わたくしが直前で止まるなら前の敵は線路の中ですぅ!
本物に吹っ飛ばしてもらいましょう!


七那原・望
幸い目隠しで相手のユーベルコードは封殺出来るはず。

第六感と野生の勘で相手の動きを見切りながら踊るように近接戦で攻撃を捌きましょう。
火鼠さん本体は傷つけたくないので攻撃はしません。

その間に魔力を溜めておいて、ここぞというタイミングでリミッター解除。光属性魔法で目潰しを。

今のうちに離れて解放すればわたしの勝ちです!

と言いつつ踏切の前に移動。向こう視力が回復しきらない内に慌ててわたしを止めるために突っ込んで来たら、ひらりと躱しつつオラトリオで踏切に押し出しましょう。

火鼠さんだけ結界術で衝撃を和らげ、跳ね飛ばされてくれたら背中の翼で飛んで追いつき、体勢を立て直す前に輪入道だけを絶・蘇威禍割で粉砕です。


烏丸・都留
SPDアドリブ共闘OK

自身と見方はUCの効果で回避力を高め、自身の縮小召喚した無数の装備群で周辺状況を観察し、敵や味方、妖怪電車、捕らわれた人達などの位置を把握する。

捕らわれた人々は、クラスタードデコイなどで渡れそうな別の踏切を艤装し、ステルス状態のスレイプニル内に誘導保護。
または人々が行こうとしている場所経由のバスなどに艤装したスレイプニルを横付けし内部に保護し離脱し、ステルス状態に。

またUDCアースの伝承を調べ輪入道は、「此所勝母の里」と記載の紙などで誘導できそうなので立て札に擬態したガードユニットにそれを貼り付け、「妖怪電車」の進路状に誘導して跳ね飛ばしてもらう。



 その踏切の数は異常とも呼べるほど増殖していた。もはやどこに踏切の終わりになるのか、誰にもわからなくなるくらいだ。
 一般人はその迷宮に迷い込んだしまえば、出るのは難しい。とはいえ、ルールを守る分には彼等の安全は保障されるだろう。
 ただしこの迷宮を作り出した骸魂に取り込まれし火鼠車に害されなければ、の話である。そしてその鼠達は妖怪列車が走る中で、獲物を探して疾走する。
「幸い目隠しで相手のユーベルコードは封殺出来るはず」
 そう言い放って大胆に接近するのは、七那原・望(封印されし果実・f04836)だ。視覚という情報を遮断しているが、カーンカーンッという踏切の音を聞き取りながらも正確に火鼠車の方向へと向かう。
 火鼠車の輪入道の顔達もまさか視線を感じさせずにここまでくる輩は初めてなのだろう。戸惑いながらも、燃え盛る牛車を召喚することができない。
「近づかないでください。攻撃します」
 火鼠車は召喚を諦め、直接攻撃で望を排そうとするが、目隠しで研ぎ澄まされた第六感で華麗に回避していく。火鼠車の攻撃に対して、まるで天使のダンスでも披露しているような躱し方だ。
 望は火鼠本体は傷つけたくないので攻撃はしない。だが回避の間に魔力を研ぎ澄ませ、輪入道の視線がこちらに向いた瞬間に、光魔法の目潰しを敢行する。
「ぎゃあああああああああああああ!」
「今のうちに離れて解放すればわたしの勝ちです!」
 見事に輪入道達や火鼠の視界も潰した望は、そのまま踏切の前に移動に移動する。一般人を解放する気か、と思って火鼠車も慌てて望の羽ばたく音がする方向へと殺到してくる。
 だが視力が回復しきらない内に行動するのは悪手である。望はひらりと突進を躱しつつ、あらゆる姿に変化する、実体のあるエクルベージュ色の影「影園・オラトリオ」で踏切へと押し出す。
「火鼠さんだけは助けますよ?」
 妖怪列車が通る前に火鼠本体には結界を施し、防御力を上げる望。そして踏切が閉じているのに渡ろうとするルール違反者を妖怪列車は容赦なく轢いていく。
 火鼠車は結界術で衝撃は和らいだものの、派手に跳ね飛ばされて飛び上がる。そしてその無防備になった空中で背中の翼で飛んで追いつき、能力「絶・蘇威禍割(アブソリュートリィ・ディバイド)」を発動する。
「外すなんて有り得ない。絶対に割ります」
 視界を閉ざして放つ超高精度かつ神速の一刀が輪入道達を斬り裂き、後から概念的に粉砕する無数の剣閃がその骸魂本体を滅ぼす。悲鳴を上げる間もなく、輪入道達は消滅していく
 地面に落ちる火鼠達を結界術で保護しつつ、邪気が落ちた瞳をする火鼠達を感じてほっとする望。とりあえずは成功したと、胸を撫で下ろす。

「うーん、線路がごちゃごちゃでわけわかんない所ですねぇ。ま、わたくしには都合がいいと言いますか」
 一方、火鼠車が闊歩する集団を発見した隠神・華蘭(八百八の末席・f30198)は不敵に笑う。伊予国の総帥の元に集った八百八の化け狸の封印され損ないとはいえ、この異常状況を解決しに参上したわけだ。
 そしてその火鼠車の集団を視認したと同時に少し離れる華蘭。印を構えて念じるは化術、妖怪が使えば千人力が発動するは見せかけの線路を出現させることだ。
「ここの危険さは理解しているでしょう?」
 華蘭は悪戯っぽく笑みを浮かべる。妖怪列車は火鼠車であっても轢き倒す危険な代物、故にうかつに超えることはできない。
 それ故に火鼠車達の動きは鈍る。ついでに手持ちの葉っぱも固めて化術で偽の妖怪電車を具現化し、念動力で本物のように周りを走らせてパニックを演出する。
「さてさて、どれが本物かなー?」
「ではわたしも仕事を始めるとしましょう」
 そう言って楽しそうにしている華蘭が動いている間に、烏丸・都留(ヤドリガミの傭兵メディック・f12904)も動き始める。自身の縮小召喚した無数の装備群で周辺状況を観察し始める。
 まずやることは敵や味方、妖怪電車、この踏切迷宮に閉じ込められた人々の位置を把握することだ。それが完了したならば、その情報を華蘭にも共有し、自身は別行動を取る。
「原初の天空神よ、時の記憶より最善の道筋へ、我らを導き給え」
 さらに能力「天空神の加護(ブレス・オブ・アイテール)」を発動させ、自身と味方は、最適解となる行動で火鼠車の行動予測を導き出すことで回避率を上げていく。そうやって援護を完了した都留は火鼠車は華蘭に任せ、一般人救出へと向かう。
 加護を一般人にも分け与えて危険を減らしつつ、クラスターデコイなどで渡れそうな別の踏切を艤装していく都留。一応、護衛・保護の為に火鼠車に発見されないようにステルス状態のスレイプニルを向かわせる。
「おお、誘導か? 迷ってて助かったよ」
 そういう一般人の男が都留に言うのはバスなどに艤装したスレイプニルを見たからだ。行先はこの踏切の先にある場所を示しつつ、踏切事故があったことを説明して、内部へと誘導していく。
 内部に保護し離脱させるさいにはスレイプニルは再びステルスモードへと移行する。これで発見されることはないだろうと都留は思案する。
「確かUDCアースの伝承によれば、輪入道は……」
 そう言って検索した情報を参照して、輪入道の誘導方法を導き出す都留。「此所勝母の里」と記載の紙を張り付けた立て札に擬態したガードユニットを配置し、華蘭の偽の踏切と電車で迷っている火鼠車をポイントへと誘導していく。
 それは華蘭が待っていた瞬間でもあった。一般人もいなくなり、火鼠車達が集結する瞬間が訪れ、能力「容易く止まらぬ偽の汽車(タヤスクトマラヌニセノキシャ)」を発動する。
「汽車に化けて敵に突進ですよぉ!」
 華蘭は化術で実物大の汽車に化け突進攻撃を敢行する。踏切でない場所での妖怪列車の突撃かと勘違いした火鼠車たちはさらなる混乱へと叩き落される。
 そして華蘭の突撃は計算されたものだった。自身が突撃して押し出す距離ぎりぎりで本物の踏切前で止まれるように位置を合わせて、能力を発動していたからだ。
「わたくしが直前で止まるなら前の敵は線路の中ですぅ!」
 そう、華蘭がギリギリ止まる中で、押し出された火鼠車達の終点は妖怪列車の踏切内であった。巻き込まれて中に入った火鼠車達は本物の妖怪列車に吹き飛ばされて空中へと飛んでいく。
 輪入道達が粉砕されて、骸魂から解放される火鼠もいるが、そう言った個体は都留がガードユニットで破壊していく。できる女はアフターフォローを欠かさない。

 こうして一か所で迷い込んでいた一般人達は火鼠車に襲われることなく、踏切迷宮から脱出することに成功する。さらに火鼠達も多少の手傷を負いながらも輪入道から解放された。
 これにより踏切の数が減り、妖怪列車の運行数も減っていく。これは骸魂の力が散逸した結果ではあるが、これを続けていけば踏切消滅も可能と、猟兵達はさらに猛攻を強めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

死之宮・謡
アドリブ歓迎

ほうほう…まぁ何かしらの境界はそれを境に異界化することは稀によくあることだからな…
今更驚くようなことでも無いが面倒だ…それも此方にも面倒な仕様もあるとは…
………適当に利用すれば楽に済むようだから今回は赦してやろう…

認識阻害・惑乱の:呪いにより領域を構築して鼠共に列車を認識できないようにした上で線路と安置を正常に認識できないようにして事故らせる
自分は動かずクレイアスターによる射撃と【槍吟】によって攻撃


愛天・真澄
これ程までに多くの線路、人を惑わす危険な怪奇、ですね。
被害の及ぶより先に、事態を解決いたしませんと。
「神よ、迷える者達に道をお示しくださいませ」

戦車には乗らず生身での参戦です。
踏切付近にて、神へと【祈り】精神を整えつつ敵を待ち構えます。
敵を確認次第、その祈りを以て浄化の神雷を発動し敵を順次攻撃。
「神の眼の届かぬ場などありません」

基本的にはこれ一本で攻撃を重ねていきますが、敵の接近を許した場合は愛の鉄鎚を以て殴打、線路の方へと【吹き飛ばし】ます。
以て、敵が列車に撥ねられるよう仕向けようかと。
「皆様のあるべき処へ、疾くお帰りくださいませ。神のお導きのあらんことを」


黒木・摩那
開かずの踏切とかめちゃ迷惑ですね。
それで物流止めたり、一般人まで襲ったりするとなったら許すわけには行きません。
ネズミ退治します。

ここはコイン落としゲームよろしく、火鼠車達を踏切の中に押し込んで、あとは妖怪電車に轢いてもらいましょう。

マジカルボード『アキレウス』を使います。
まずはじめにUC【偃月招雷】でボードを帯電します。

そしてボードを火鼠車や牛車達に向けて【ダッシュ】を掛けて【シールドバッシュ】でドロップキック。
さらに【衝撃波】&【重量攻撃】も加えて、一気に押し込みます。

これであとは列車が跳ね飛ばしてくれれば、コンボ達成になるでしょうか。



 火鼠車が減ったことによって、無限を思わせる踏切の数が減り、異界の空気が弱まる。これはつまり、骸魂たる輪入道達がこの踏切迷宮を形成している要因と判明したことと同義であった。
 一般人が迷い込んでいるとはいえ、襲われる前に倒してしまえばいい。非常にシンプルかつ、簡単な解決方法である。
 そして妖怪列車は生み出した火鼠車であろうとも容赦なく轢き倒してくれる。これをうまく使わないという手はないだろう。
「ほうほう…まぁ何かしらの境界はそれを境に異界化することは稀によくあることだからな…」
 そんな踏切の音を聞きながら死之宮・謡(存在悪:狂魔王・f13193)はこの異界の仕様に感心する。UDCアースに作り出されたこの踏切迷宮は何の違和感もなく、人々にも受け入れられている。
 たまにお目にかかるとはいえ、これほどの規模は滅多にある事象ではない。それがカクリヨファンタズムのような異界化しやすい場所ではなく、UDCアースというのだから珍しいことではある。
「今更驚くようなことでも無いが面倒だ…それも此方にも面倒な仕様もあるとは…」
 それはそれとして、縦横無尽に動けず暴れることができないのは謡にとってはフラストレーションがたまるというもの。さらに火鼠車も小癪にも一般人を殺して片輪車兵として操ろうとしている素振りも見せる。
 そんな非道な真似を謡が許すはずもない。正義の為ではない、蹂躙するのは自分だということを認識させる為に歩を進める。
「…適当に利用すれば楽に済むようだから今回は赦してやろう…」
 認識阻害・惑乱の呪いをばら撒き、己の領域を構築していく謡。そうすることで火鼠車達が妖怪電車を認識できないようにする。
 その上で線路と踏切の安全地帯を正常に認識できないように誘導していく。一般人を殺したい火鼠車達は正確な踏切を渡ることが出来ずに、妖怪電車に跳ねられて事故を起こしていく。
「悉く息絶えよ」
 その跳ね飛ばされた火鼠車の輪入道を穢煌葎弓クレイアスターの凝縮された穢れの矢が射抜いていく。それで破壊されて正常に戻って貰えば御の字。
 それでも粘る相手には能力「狂葬:槍吟(ロスト・エデン)」を発動させて、夥しい数の呪詛を籠めた黒紫槍の乱舞を振らせて殲滅していく。敵を駆逐するという点では謡は容赦はない。
「これ程までに多くの線路、人を惑わす危険な怪奇、ですね」
 そんな漆黒の破壊が巻き起こっている謡の場所とは対照的に、愛天・真澄(愛神の使徒・f32265)の場所は清らかとも言える。その異質な場所においても戸惑いはなく、受け入れようと努力をする。
 とはいえ、一般人に被害が及ぶことを真澄が望むはずもない。被害が及ぶより先に、この妖怪電車の事態を解決に導き、人々の心を安寧を齎さんと行動する。
「神よ、迷える者達に道をお示しくださいませ」
 普段は愛用の戦車と共に参戦するが、今回の真澄は生身で戦場へと立つ。妖怪電車が走り去る踏切付近で、神への祈りをして精神を整えつつ火鼠車を待ち構える。
 その姿は命乞いしている一般人に見えたのかもしれない火鼠車が死体にして戦力にしようと近づいてくる。
「死者は友達です。力を合わせて戦いま……」
 だがその言葉を言い切る前に、能力「浄化の神雷(ステンレス・ライトニング)」を発動して火鼠車を撃ち抜く。それは真澄の神への祈りが通じて、奇跡を再現しているようだった。
 実際には神へと浄化を願う祈りを捧げながら発動しているだけだが、真澄にとっては祈りは力だ。天から空間を超越して降り落ちる雷は正確に撃ち抜いていく。
「神の眼の届かぬ場などありません」
 その言葉通り、真澄の祈り、視線を向けた火鼠車は逃れることができない。次々と神の雷に撃たれて黒焦げにされていく輪入道達。
 それを逃れようと祈りの元凶になっている真澄を直接叩こうと接近するも、取り出すのは愛の鉄槌。真澄の信じる神への愛の高まりに比例し、無限に威力が上がる(本人談)ハンマーである。
「皆様のあるべき処へ、疾くお帰りくださいませ。神のお導きのあらんことを」
 そんな祈りの文句を唱えながら、神の徒とは思えないフルスイングで火鼠車を殴打する。そして一気に線路の方へと吹き飛ばし、踏切内へと送り出す。
 そうなった火鼠車は情け容赦なく、妖怪電車に轢かれて吹き飛ばされる。そして祈りの雷に撃たれて浄化されるという、まさしく無慈悲なコンボを繰り出す真澄の顔は眩いほどの笑顔を放つ。

「何か二人とも楽しそうですねー。それはそれとして開かずの踏切とかめちゃ迷惑ですね」
 謡と真澄の暴れっぷりを鑑賞して苦笑しながら、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は周囲を見渡す。辺り一面が踏切となり、線路が走り、妖怪電車が走る様は圧巻である。
 これが現実ではなくカクリヨファンタズム内であれば問題はないかもしれない。だがUDCアースに侵食し、物流止めたり、一般人まで襲ったりするとなれば、許すわけにはいかない。
「しょうがないですね。ネズミ退治します」
 そう言って、様子を伺っていた火鼠車が襲い掛かってくる。摩那の方に向かってきたのは、あの二人を恐れた結果かもしれない。
 その集団の突進に対しても摩耶は動じることはない。耐火耐爆と様々な環境に対応したマジカルボード『アキレウス』を取り出し、能力「偃月招雷(エペ・ド・エクラ)」を発動させる。
「ここはコイン落としゲームよろしく、踏切に押し込んで、あとは妖怪電車に轢いてもらいましょう」
 そう言ってアキレウスを帯電させ、そのまま対抗するようにダッシュして激突する摩耶。強烈なシールドバッシュを決めて、火鼠車の集団にも負けない衝撃力を発揮する。
 驚きを隠せない輪入道達だが、そこに摩耶の追撃のドロップキックが炸裂する。それによって一気に圧力がかかり、押し込まれる要因となる。
「あとは妖怪電車が跳ね飛ばしてくれれば、コンボ達成!」
 感電して抵抗が弱まったと確信すると摩耶は一気に火鼠車を押し込んでいく。周りの火鼠車も巻き込むように雷を広げて包み込むように踏切へと押し出していく摩耶。
 その重量と圧力は少女のそれではない。だがサイキックと魔力の合わせ技をしている摩耶にとっては、難しいことではなかった。
「いっけーーー!」
 相撲の寄り切りの如く、線路内へと火鼠車集団を押し込んだ摩耶は、妖怪電車に跳ね飛ばされていく光景を見て爽快感を得る。一仕事やり終えたような爽やかさを感じることができたようだ。
 そして輪入道達が粉々にされていく中で、火鼠達も正気に戻っていく。そして一様に皆はこう思ったという。
「猟兵怖い。近づかんとこ」

 それは今回救出された火鼠達の共通認識であろう。助けて貰ったことは感謝はするが、その力は妖怪をもってしても絶大であったのだから。
 そして踏切の数がさらに減り、迷宮空間に亀裂が入りつつある。この世界の維持できる力があと少し。最後の一押しをする為に猟兵達は火鼠車を追い詰めていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

パティ・ポップ
【ラッティ(f24457)と一緒】
今回の相手、妖怪火鼠はネズミちゃんの妖怪。これは、たちゅけないとでちゅ!
というわけで、ラッティを引き連れて参戦。
邪な回転する奴をブチのめすあちし、参上。
てなわけで、連中が来たら、ラッティに小柄な身体を投げてもらって、ここでシーブズ・ギャンビットを発動させてミスリルソードで乱れ切り。
「ちょんな円盤、今ちゅぐにぶっ壊ちゅでちー!!」
そして、火鼠車の大群に向けて挑発「ちょんな所いると、巨大な猫に襲われるでチュよ!」
そして、踏切前で相手の攻撃を避けて、相手を電車に轢き逃げアタックさせてもらう形にする。

アドリブ・連携歓迎


ラッティ・ポップ
【パティ(f24456)と一緒】
ぢゅーっ、ぢゅっぢゅー!!(同族を助けるために倒さないと)
ラッティは基本的にパティと共に行動。
今回は、信号待ちの火車を見つけて行動をする。
そもそも思うことだが、妖怪電車は、どのように発生しているのかである。
UDCにはあまり出向かないが、これはどうにかしないと思っていたりする。
バイオミック・オーバーロード。
敵の理不尽な状態に憤り、巨大化する。
突撃する敵を噛み付いたり道具を使って倒したりとするし、今回は妖怪電車も使ってやろうと思う。
まずは、パティを火鼠車に投げる。
火鼠車の突進は【怪力】【激痛耐性】【覚悟】で受け止め、そして【カウンター】【吹き飛ばし】で踏切に投げる。



 火鼠車達は焦っていた。これだけの踏切と妖怪電車を駆使すれば、猟兵達を出し抜くのも無理ではないと思っていたのだ。
「侮っていました。これは誤算です」
 火鼠車の輪入道の顔がそう口にする。そう、猟兵達はこの異界を作り出した本人達よりも巧みに妖怪電車を利用してこちらを潰しにかかってくる。
 このままでは全滅も視野に入れなくてはならないと決死の覚悟を決める輪入道達。だが彼等は一般人よりも、火鼠を助けることに情熱を傾ける猟兵がいることを想像できなかった。
「今回の相手、妖怪火鼠はネズミちゃんの妖怪。これは、たちゅけないとでちゅ!」
「ぢゅーっ、ぢゅっぢゅー!!(同族を助けるために倒さないと)」
 そんな輪入道達に乗っ取られている火鼠を助ける為に、パティ・ポップ(ドブネズミ行進曲・f24456)とラッティ・ポップ(ジャイアントラット・f24457)が救援に現れる。同類のネズミの危機とあれば駆けつけずにはいられない。
 パティが思い立ったが吉日と共に、相棒のラッティを引き連れてこの踏切迷宮まで足を踏み入れたのだ。ラッティは喋れないものの、人語を介する優秀な頭脳を駆使して、パティを助けようとと動く。
「邪な回転する奴をブチのめすあちし、参上!」
 興奮するパティが火鼠車を見つけ次第、名乗りを上げてかっこよくポージングを決める。最初は仲間かと思った火鼠車達であったが、異物であると分かると襲い掛かってくる。
 それを見てラッティがパティを持ち上げて、敵陣へと投げつける。小柄な身体のパティは軽く、あっという間に敵陣へと到達する。
「いくでちゅ! ちょんな円盤、今ちゅぐにぶっ壊ちゅでちー!!」
 そう言って能力「シーブズ・ギャンビット」を発動させて、手に持ったミスリルソードで輪入道達を斬り刻む。目にも止まらない高速の斬撃に何が起こったのかわからずに輪入道達の顔が細切れにされていく。
 その乱れ切りはパティの小柄の身体を駆使した攻撃でもあったが、その軽い身体が能力の底上げを齎す。そしてパティは、怒りに染まる輪入道達に挑発も忘れない。
「ちょんな所いると、巨大な猫に襲われるでチュよ!」
「餌の時間です。小さなネズミを食べましょう」
 挑発になったかは知らないが、パティを追って火鼠車達が動き出す。勢いのままにパティを圧し潰さんと行軍する火鼠車の群れ。
 だが小柄なパティからすれば、その隙間を抜けることは容易い。踏切前で火鼠車を潜り抜けて、そのまま火鼠車は踏切内へと突進していく。
「車は急には止まれないでちゅ!」
 そして踏切に入った火鼠車達を待っていたのは、妖怪電車の轢き逃げアタックであった。それによって輪入道達が粉々に粉砕されて火鼠が宙に舞う。
 その光景を見て、ラッティは怒りを覚えていた。なぜ火鼠達がこのような理不尽な目に合わなければならないのかと。
「ぢゅーっ、ぢゅっぢゅー!!(UDCアースにはあまり出向かないが、これはどうにかしないと)」
 踏切の迷宮、妖怪電車の発生、思うことは色々とあるが、すべての元凶は骸魂の輪入道達が原因であると思うラッティ。ならばその怒りを攻撃へと向ければいい。
 能力「バイオミック・オーバーロード」を発動し、敵の理不尽な状態に憤りを感じながら、信号待ちの火鼠車達にその巨大化した腕を叩きつける。突撃してくる敵には噛み付いたり、そこら辺にある道具を使って薙ぎ倒したりするラッティ。
「ぢゅーっ、ぢゅっぢゅー!!(今回は妖怪電車も使ってやろう)」
 やり方はパティを参考にする。とはいってもパティのように器用に立ち回り、相手を誘導するような真似はしない。
 さきほどパティを投げたように火鼠車を持ち上げて踏切内に放り込んでいくラッティ。その方法は荒っぽいとはいえ、効果的であった。次々と輪入道達が破壊されていき、火鼠達が救出されていく。

「よーし、どんどんいくでちゅ!」
 そう言ってパティとラッティが頑張った結果、気絶した火鼠の山が築かれる。そして踏切の異界に亀裂が入り、妖怪電車もボロボロと崩れ去っていくのが二人にもわかる。
 救出を頑張らなくてはならないという気持ちが、いつの間にか火鼠車を全滅させていたようだった。一般人も違和感に気づかずに、UDCアースの日常へと戻っていく。

 その光景を見てパティとラッティは一安心する。これで火鼠達は助かったのだと、気絶している彼等を介抱する。
 こうして無限と思われた踏切の音は聞こえなくなった。妖怪電車による物流破壊も阻止し、次なる百鬼夜行を止める為に、猟兵達は二つの世界の戦いへと身を投じるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月11日


挿絵イラスト