大祓百鬼夜行⑯〜恋愛バラエティブラックヒストリア
ザザッ……ザザザッ。ブンッ。
UDCアースのゴミ捨て場。もはや今は何も移さないはずのアナログテレビにおもむろに電源が入る。誰もいないというのに、そのブラウン管は猥雑なピンク色の光でゴミ捨て場のゴミを赤々と照らしていた。
『はーい視聴者の皆さん、ラブばんわ♡ 今宵もあなたの恋バナが、灰色生活を彩っちゃう! みんなのラブ友、恋獄姫アヤラがお届けしまーす♡ この番組は参加者のみんなの恋愛の恥ずかしいエピソードを話してお炊き上げしようという恋愛お祓いバラエティになっておりまーす♡ 恋の恥はコキ捨てコキ捨て♡ それでは張り切って行ってみましょう♡』
画面の女性が口上を述べると、ゴミ捨て場を照らしていたピンクの光がたちまちにゴミ捨て場の敷地を超え、拡がっていく。染まった地面からハート型の風船がひとつふたつと浮き上がりふわふわと浮遊する。よくみるとその風船はマイクが内蔵されていた。ハートの風船たちは語り手の口元に到達すれば、マイクとしての本領を発揮するだろう。
●「皆サンお疲れ様ヨ。大祓百鬼夜行の攻略、順調に進んでるアルか? ウォンサンもグリモア猟兵として皆サンをしっかり転送するアルヨ」
集まった猟兵達を見回したロバート・ウォン(東方妖怪の猟奇探偵・f30564)は語りだした。
「UDCアースのゴミ捨て場にあるテレビに、存在しないテレビ番組が映し出されているヨ。今回はどうやら恋愛トークバラエティのようネ。ただ見てる分には面白おかしいかもしれないケド、放っておくと現実世界がその番組に切り替わってしまうアル。番組を放送しているのは画面に映っている恋獄姫アヤラという妖怪ネ。見えるネ?」
ロバートの掲げる端末には破線で荒い画質のブラウン管に映る恋獄姫アヤラの画像が表示されている。
「どんな番組でもその中には番組のルールがあるヨ。そのルールにのっとって番組に参加し放送を完結させれば骸魂から取り込まれた妖怪が解き放たれるはずネ。戦争を恙なく勧めるために、恥を忍んでぶっちゃけトーク、やってきチャイナ」
そう言うと、ロバートは転移の準備を始める。
「苦い思い出もその人を形作っている歴史だカラ、簡単に黒歴史なんて言葉で片付けないで今の自分ごと受け止めるのも、たまには悪くないんじゃないかネ」
星野ユキヒロ
星野ユキヒロです。
今回は一章だけの甘くて苦い恋愛トークバラエティです。
●恋愛バラエティブラックヒストリア
プレイングボーナスは「番組の企画に全力で乗っかる(戦わずともダメージを与えられます)」となっております。
忘れてしまいたいような恋愛の失敗の記憶を赤裸々に語り、笑って忘れる恋愛トークバラエティです。ちょっと皮肉くらいは言うかもしれませんが、異性相手の話でも同性相手の話でも、変に茶化すことなくアヤラは明るく笑ってくれると思います。
下ネタ系も話せますが、番組なのでお茶の間に放送できないきわどいものはピーが入りますのでよろしくおねがいします。
それでは皆さんのプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『恋獄姫アヤラ』
|
POW : ウィッチクラフト・プロポーズ
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【呪い】属性の【愛の言霊】を、レベル×5mの直線上に放つ。
SPD : 恋獄の縛り
命中した【恋】の【視線】が【対象を魅了する呪詛】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ : 愛の結晶
無敵の【対象と自身との間に産まれたベイビー】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
イラスト:ひえのひろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ナギ・ヌドゥー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
数宮・多喜
あー、恋愛の失敗談?
まぁ、のろけよりは話しやすいけどさ。
ただこれ、マジでお茶の間に流していい奴かな?
アレだったら編集で没にしとくれよ。
あれはアタシが中坊の頃……そこそれだけで笑うなっ!
いいじゃねーか最近じゃなくても!
コホン。
いい感じになった男子がいてね、カレシになっていざオトナの階段を登る!
ってなったのよ。
何もわからないまま2人きりになって、いざマッパで事を始めようとして……
アタシ、錯乱して(キンコーン)思い切り蹴っちまったのな。
その話がどこから漏れたか、地元じゃ「クラッシャー」呼ばわりで、そいつと別れた後は浮いた話もからっきしさ!
だーかーら引き笑いするなってーの!?
「さーて今日一人目のゲストが来てくれたようでーす♡ 気の強そうなお姉さん、お名前を教えてもらいましょーか?」
ピンク色に照らされたステージで、これまたピンク色のスポットライトが足を踏み入れた最初の猟兵を照らす。ワイルドな顔立ちの彼女はちょっときまり悪そうに自己紹介を始めた。
「え、えーと……数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)……。あー、恋愛の失敗談? まぁ、のろけよりは話しやすいけどさ。ただこれ、マジでお茶の間に流していい奴かな? アレだったら編集で没にしとくれよ」
多喜が頬をポリポリ搔きながら脳内の奥に押し込めていた恋愛の失敗談を発掘する。見つかったものはやや際どい要素のあるものだったようだ。
「だいじょーぶ♡ 放送禁止用語はこっちで自動的に消しが入るようにしてありまーす♡」
「そうかい、じゃあ話させてもらおうかねえ……。あれはアタシが中坊の頃……」
「ファ――――――――――――wwwwwwwwww」
「そこそれだけで笑うなっ! いいじゃねーか最近じゃなくても!」
「クスクス……♡ ごめんごめん、続き話して~♡ 聞きたい聞きたい♡」
「コホン。ったく。いい感じになった男子がいてね、カレシになっていざオトナの階段を登る! ってなったのよ。何もわからないまま2人きりになって、いざマッパで事を始めようとして……」
「やだ~♡ 初々しい~♡ お姉さんにもそういう頃があったのねえ♡ かわいい~♡」
「アタシ、錯乱して【キンコーン】思い切り蹴っちまったのな」
「ええ~!!!!!????? カレシかわいそ~!!!!!」
「もうその日は【バキューン】どころじゃなくてさ。泡吹いたカレシに水飲ませたりしてゴメンネってことになってバイバイしたんだけど……その話がどこから漏れたか、地元じゃ『クラッシャー』呼ばわりで、そいつと別れた後は浮いた話もからっきしさ!」
「ッファ――――――――――――――――――――wwwwwwwwwww」
「だーかーら引き笑いするなってーの!?」
「ハッ、ハーッ!! お、お腹いたーい♡ まあ、受け入れる側は怖いもんね~♡ わかるわかる♡ そんで、ずっと地元にいるとそういうあだ名って拭えないんだよね~♡ 別天地でお姉さんにいい出会いがあることを願って~? コキ捨てコキ捨て♡」
恋獄姫アヤラはハートのついたマイクスタンドを上下にさするジェスチャーで、どうやら番組のお馴染みフレーズらしい言葉で締めた。
「あっ、これ深夜番組だな!?」
「それでは次のゲスト、どうぞ~♡」
大成功
🔵🔵🔵
梅力岩・じぇしか
あたしと仕事どっちが大事なのって言われて咄嗟に仕事!と元気よく答えてしまいました、彼女はできますが続きません梅力岩じぇしかです
なんで俺はあん時仕事ぉって言ったんやろかね。そら今も仕事好きやし、だーいぶ元カノの顔思い出せんけど……
いや違うよ好きだったよ興味あったよ!? ただ仕事がその上行くだけで……そういや似たような話もう一個あったな
デートに遅刻する中、患者さんだった女の子に声を掛けられて世間話しとったら元カノが迎えに来てね、修羅場りました
女の子が俺んこつ本気で好いとう言うてねえ……元カノと女の子の保護者さんにバリ睨まれつつ、説得と罵倒とマウントを浴びた俺は言っちゃったんよ。仕事が一番好きですて
「あたしと仕事どっちが大事なのって言われて咄嗟に仕事! と元気よく答えてしまいました、彼女はできますが続きません梅力岩・じぇしか(ラストポリフェノール・f27845)です……」
次にスポットライトの元に足を踏み入れたのはピンク色の髪がポップな男性の猟兵だった。ピンク色に満ちたステージにその姿はこの上なく似合う。
「次はカワイー素直なお兄さんが来てくれました! 仕事って言っちゃったの? 素直っていうかなんて言うか~」
「なんで俺はあん時仕事ぉって言ったんやろかね。そら今も仕事好きやし、だーいぶ元カノの顔思い出せんけど……」
サングラスの隙間の眉間をぐりぐりと人差し指で押しながらじぇしかは彼女の顔を思い出そうとするが、やはり思い出せなかった。
「ええ~、まあ別れたら他人だからいつまでも覚えててもあれだけど~、全然覚えてないってなると彼女立つ瀬がないんじゃない~?」
「いや違うよ好きだったよ興味あったよ!? ただ仕事がその上行くだけで……そういや似たような話もう一個あったな」
「もう一個あるんだ~ブレないね~♡」
「デートに遅刻する中、患者さんだった女の子に声を掛けられて世間話しとったら元カノが迎えに来てね、修羅場りました」
「あららららぁ~」
「女の子が俺んこつ本気で好いとう言うてねえ……元カノと女の子の保護者さんにバリ睨まれつつ、説得と罵倒とマウントを浴びた俺は言っちゃったんよ。仕事が一番好きですて」
「あはははは! お兄さんみたいな男の人があわあわしてるとこ想像すると……ぷぷぷ。ダメぇ、笑っちゃう~♡ まあ、まあねえ、大人としては一番無難だっただろうけど~、そこは彼女が一番好きって言うのが恋愛的にはベストかな~♡ 正解だけど正解じゃないって感じ? けど、仕事に一生懸命なのは好感度高いよ~♡ 元気出してね♡」
恋獄姫アヤラはとても楽しそうに笑う。こころなしか、つま先がさっきより透けているように見えた。
「あーね、こうやってダメージが溜まると……ほんなこつ、おかしな戦闘たい……」
大成功
🔵🔵🔵
サリー・オーガスティン
恋愛の失敗談?
「朴念仁」といわれたボクには、沢山あるけど、いいかな?
あ、「つまんねーぞ」とおもったら、容赦なくボツで構わないから。
あれは、ボクがまだ大事故やらかす前だったかな?
良い感じになった女の子がいて、バイクでツーリングに誘ったんだ。
……ここまでは、まだよかった!(だん!・脚を踏みならす音)
ここからが、ボクの大シクジリ。
休憩に入ったレストランで、何か話さなきゃ、と、自分の興味のあることなら場が繋げる。そう思ったのが運の尽き。
……バイクの性能や、走り、パーツに至るまでアツく語りすぎて、ドン引かさせてしまい、そのまま一人で帰路につくハメになりました
(溜息)
ゴメン。あまり艶話にはならなかったね。
次に照らされたのはバイクにまたがったままの茶色い髪の青年だ。
「わぁ。カッコいい♡ ライダーさんのお名前を教えてくださぁい♡」
「サリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)。恋愛の体験談を話せばいいんだよね。『朴念仁』といわれたボクには、沢山あるけど、いいかな? あ、『つまんねーぞ』とおもったら、容赦なくボツで構わないから」
「それは聞いてみないとわからないから~。聞いてから判断するね~♡ 今はまずお話を聞くモード~♡」
「あれは、ボクがまだ大事故やらかす前だったかな? 良い感じになった女の子がいて、バイクでツーリングに誘ったんだ」
「大事故したの? 見たところ体は無事そうだけど……そっちの話も気になる~♡ でも今は恋愛の失敗談! 聞かせて聞かせて♡」
「ちょっとね……。まあ、とにかくその子を誘ったんだよ。ツーリングに。……ここまでは、まだよかった!」
だん、と足を踏みならしてサリーは話を続ける。なかなかテレビ的には話がうまい。
「ここからが、ボクの大シクジリ。休憩に入ったレストランで、何か話さなきゃ、と、自分の興味のあることなら場が繋げる。そう思ったのが運の尽き。……バイクの性能や、走り、パーツに至るまでアツく語りすぎて、ドン引かさせてしまい、そのまま一人で帰路につくハメになりました。はーあ……ゴメン。あまり艶話にはならなかったね」
「ううん~♡ 艶はなくてもあるある失敗談としてちゃんと面白かった♡ そうそう~♡ 黙るよりマシって思うと好きな話しちゃいがちだけど、自分だけが好きな話になってないかちゃんと相手の反応見ながら話すの、難しいんだよね~♡ これから初デートの人~♡ ちゃぁんと教訓にしてね♡ アハハ!!!」
「でもスピード出してバイクを飛ばすのは本当に気持ちいいよ。こればっかりはやめられないね」
「きっとわかってくれる女の子もいるから、負けずにがんばれがんばれ♡」
骸魂に出会いを応援される日がくるなんてな……と頭をポリポリと掻いたサリーだった。
大成功
🔵🔵🔵
相沢・友子
あれはそう、私がまだ高校一年生のころ、父の帰りが遅い事もあって、門限など忘れて当時お付き合いしてた同学年の彼の学生寮に闇鍋の材料を持ち込んだ時のお話だよ。
ソース、フルーツ、ヨーグルト、せんべい、単品で食べればきっと満足の行く品々だったろうにね。
電気を消したコンロの青い火と手元の化学発光ライト、一つ、また一つと、調理済みのそれらは鍋に落ちていく。
ぽとん・ぽとん、だんだんと湯気の香りが変わっていったよ。
「少し味見しようか」彼の言葉にうなずいて私は、お玉でソレをお椀に入れて、彼に出したよ。
(熱いから気を付けて)と、その一言が言えていたらと今も思うよ。
私の前だったからかな?思いっ切りの良い彼だったよ。
次にふわりと現れたのは人魚の戦巫女だった。
「相沢・友子(水使いの淡水人魚・f27454)だよ」
「あらぁ♡ 人魚さん♡ 人魚はどんな恋愛をするのか興味津々♡」
「あれはそう、私がまだ高校一年生のころ、父の帰りが遅い事もあって、門限など忘れて当時お付き合いしてた同学年の彼の学生寮に闇鍋の材料を持ち込んだ時のお話だよ」
「門限を忘れて! 彼の寮に! 甘酸っぱいけど、闇鍋かぁ。でも暗い中内緒のことするのは青春って感じ~♡」
「ソース、フルーツ、ヨーグルト、せんべい、単品で食べればきっと満足の行く品々だったろうにね。電気を消したコンロの青い火と手元の化学発光ライト、一つ、また一つと、調理済みのそれらは鍋に落ちていく。ぽとん・ぽとん、だんだんと湯気の香りが変わっていったよ」
「うんうん、どきどき♡」
「『少し味見しようか』彼の言葉にうなずいて私は、お玉でソレをお椀に入れて、彼に出したよ。『熱いから気を付けて』と、その一言が言えていたらと今も思うよ。私の前だったからかな? 思いっ切りの良い彼だったよ」
「あはははかわいそ~♡ カッコつけて大失敗♡ どっちかっていうと人魚さんじゃなくて彼の失敗って感じだね♡」
「そうだね。火傷でもう闇鍋どころじゃなかったし、味なんかもうわかんなくって大変だったよ」
「でも可愛い♡ 高校一年生らしいほほえましい失敗の話だったね♡ 次があったらふーふーしてあげたらいいと思うの♡」
恋獄姫アヤラは恋愛の話を心から楽しんでいるようだった。友子の話にうんうんと相槌を打つ姿はまるで普通の女の子のようだ。
大成功
🔵🔵🔵
ケイ・エルビス
女友達の朔梛ちゃん(f12701)と参加
失恋エピソードを愛想よく
長年ハートブレイクして引きずってる影のあるダメ男を
コミュ力高く演じて同性や異性の同情を誘い
番組の企画に全力で乗っかる
経験談だから説得力もあると思うぜ
可愛そうなダメ男を慰めてあげたくなる女性もいるしな
「昔、女友達だった子と些細な事で口ケンカしてから
連絡通じなくなって会ってくれなくなってな。
そうなってから気付いたんだ。
その子の事がオレ、大好きだったんだ、ってさ。
アレは応えたぜ……!」
忘れてしまいたいような恋愛の失敗の記憶を赤裸々に語り
笑って忘れるよ
UCは保険だな
婀鎖路・朔梛
ケイ・エルビス(f06706)と参加
恋は未だにした事はないけど、企画に乗る為に全力で演じるよ!
昔よくいう喧嘩カップルの彼が居たんだ。
まあでも一応上手く付き合えてはいたのだよね。
でも高校は別々になってとうとう酷い喧嘩をしちゃってさ。
後で仲直り出来なくて友達に何度も相談した上に手伝って貰ったけど…お互いに頑固な所があったから結局最後にまた喧嘩して別れちゃったんだよね。
黒歴史を話すのは少し恥ずかしいね。
(まあ、手伝った゛友達”があたしなんだけどね。ずっと愚痴聞いたり手伝った迷惑料という事でごめん。)…まあもう笑い話だからいいかな。
次の猟兵は二人で現れた。二人とも企画に乗るために全力で演じる気構えで臨んでいる。今ここでの彼らはかたや長年ハートブレイクして引きずってる影のあるダメ男、かたやしたことのない恋のエピソードを語る女だ。
「ケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)だぜ」
「婀鎖路・朔梛(表裏一体の双子・f12701)だよ」
「次は二人での参加だね♡ ふたりは恋人同士だったりするのかな?」
「朔梛ちゃんは女友達だぜ。それはそうとさぁ~聞いてくれるか? 俺のハートブレイク話」
ケイはがっくりと肩を落としショボーンとした風情を見せる。同情を誘う演技だ。
「聞く聞く~♡ 話して話して♡」
「昔、女友達だった子と些細な事で口ケンカしてから連絡通じなくなって会ってくれなくなってな。ホント、俺にとっては些細なケンカだったし、すぐ頭が冷えて謝ろうとしたんだぜ? その子も怒り終わったらしょーがないなってまた仲直りしてくれるだろうと思ってたんだよ。なのにすぐ着拒されててさ。えっ!! ってすげーショックで、びっくりして、そうなってから気付いたんだ。その子の事がオレ、大好きだったんだ、ってさ。でもそれに気づいたところで謝ることも許してもらえなきゃやれることもなくてよ。アレは応えたぜ……!」
「逆鱗に触れちゃったんだね~♡ その子にとっては全然些細なことじゃなかったってことだね! 人間関係ってそういうことあるよね~♡ でも失って輝く恋愛感情って鮮やかだな~♡ 聞かせてくれてありがとう~♡」
「次はあたしが話すね」
「うんうん、続けて聞けるの嬉しいな~♡」
「昔、よくいう喧嘩カップルの彼が居たんだ。まあでも一応上手く付き合えてはいたのだよね。なんだかんだで好きだったし。でも高校が別々になってからとうとう酷い喧嘩をしちゃってさ。今まで次の日には仲直りできてたのに、前ほど距離が近くなくなったからなのかな。全然仲直りできなくてさ。友達に何度も相談して間に入ってもらったりして手伝ってもらったけど……お互いに頑固な所があったから結局最後にまた喧嘩して別れちゃったんだよね」
実はこの話の中の『友達』のポジションにいたのが朔梛である。自分の関わったことのある友達の黒歴史を利用させてもらったのだ。
「黒歴史を話すのは少し恥ずかしいね。……まあもう笑い話だからいいかな(ずっと愚痴聞いたり手伝った迷惑料ってことで……ごめん)」
「ああ~♡ 物理的な距離って心の距離と比例するっていうよね~♡ だから遠距離恋愛って難しいんだもんね~♡ でもその友達も優しいよね~♡ 大事にしたほうがいい友情だよ~♡」
演技であっても、二人のした話は現実にあった体験談のため説得力は十分であり。恋獄姫アヤラのお気に召したようだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティー・アラベリア
奉仕人形、所謂メイドという立場ですので、艶話を伺うことも当事者となることもございます
ボクが当事者となった物で、お茶の間に流せる類のお話ですと、そうですね……
失敗談と言えるかは少々微妙なところですが、とあるご夫婦にお仕えしていた時のお話がございます
共に実業家であった奥様と旦那様はお互いの不貞を疑い合っておりました
お屋敷内のことはボクが全て把握しておりますので、お二人は互いの合意の元、真相を話すようお命じになりました
……結果ですか?
めでたく不貞の疑いは解消されましたが、ボクはお掃除も含め寝室への一切の立ち入りを禁止されてしまいました
いかに夫婦とは言え、共有したくない物もある、ということでしょうね
次に躍り出たのは金髪のメイドだった。彼女はスカートの裾をつまみ、優雅に瀟洒にお辞儀をする。
「ティー・アラベリア(ご家庭用奉仕人形・f30348)と申します。お見知りおきを」
「あらとっても綺麗♡ お人形さんはどんな話を聞かせてくれるの?」
「奉仕人形、所謂メイドという立場ですので、艶話を伺うことも当事者となることもございます。ボクが当事者となった物で、お茶の間に流せる類のお話ですと、そうですね……。失敗談と言えるかは少々微妙なところですが、とあるご夫婦にお仕えしていた時のお話がございます」
「小説みたい♡ 素敵♡」
「共に実業家であった奥様と旦那様はお互いの不貞を疑い合っておりました。お屋敷内のことはボクが全て把握しておりますので、お二人は互いの合意の元、真相を話すようお命じになりました」
「全てってどこまで?」
「全ては全て……でございますよ」
「それでそれで? どうなったの?」
「めでたく不貞の疑いは解消されましたが、ボクはお掃除も含め寝室への一切の立ち入りを禁止されてしまいました。いかに夫婦とは言え、共有したくない物もある、ということでしょうね」
「お人形さんは一体何を話したの?」
「先ほども申した通り『全て』、でございます」
ティーは球体関節の指を口元にあて、ふふふ、と含み笑いをした。
「なるほどね~♡ これは恋愛を通過した二人がこれ以上失敗しないための工夫の話だね! 勉強になったし、そういう夫婦関係憧れるな~♡」
恋獄姫アヤラの体はずいぶん薄くなっている。番組の終わりも近いようだ。
大成功
🔵🔵🔵
久遠・翔
アドリブ絡みエロ歓迎
選択UC常時発動
これ恋愛なのかどうなのか微妙っすけどある事はあるっすよ?
何でか知らないんっすけど…俺女性が絡むとトラブルになりやすいんっすよ。しかもエロい方面に
気の強い系だと押し倒されて無理やりとかあるんっすけど…その結果何故かご主人様にされるという…首傾げられても俺だってわかんないから答えようがないんっすよ
こうゆうトラブルに巻き込まれないようにしたいけど何故かそうな…ねぇ、何かさっきっから近いんだけど?
経験豊富になればそんな事ばっちりになるって何…んぅー!?
襲われました
ソファーで隠れて音声と水音のみ有
その後UC無自覚の使役術で使役獣化したアヤラが番組終了のお知らせをします
ピンク色のスポットライトを浴びて、灰色の髪の男装の女は魅力的に光る。お? という表情で恋獄姫アヤラはそのかんばせを見つめた。
「久遠・翔(性別迷子・f00042)っす……。あ、あんまりじっと見ないでください……」
真っ赤になって恥じらう顔に、恋獄姫アヤラはなぜか胸が高鳴るのを感じた。
「お兄さん……あれ? お姉さん? ううん、どっちでもいいよ♡ 話を、声を聴かせて?」
「これ恋愛なのかどうなのか微妙っすけどある事はあるっすよ? 何でか知らないんっすけど……俺女性が絡むとトラブルになりやすいんっすよ。しかもエロい方面に……」
「うん……♡ わかる……♡ なんだろう……見てるときゅんきゅんするから……♡」
「気の強い系だと押し倒されて無理やりとかあるんっすけど……その結果何故かご主人様にされるという……」
「どういうこと?」
「……首傾げられても俺だってわかんないから答えようがないんっすよ」
「ううん……♡ もっとよく見たらわかるかも……♡」
「こうゆうトラブルに巻き込まれないようにしたいけど何故かそうな……ねぇ、何かさっきっから近いんだけど?」
「そんなことばっちりになるくらい、アヤラと経験してみるのはどうかな? 女の子どうしでもベイビー作れるし……」
「なんすか! それどういう理屈っすか!!? んぅ~!!」
翔の唇に恋獄姫アヤラの唇が触れると、ハート型の風船マイクが殺到し二人の姿を完全に隠した。集まった風船の中には白い小さな風船もあり、『しばらくお待ちください』の文字を描き出した。
「聞いてるだけじゃなくて最後に燃えるような恋愛ができて、アヤラ満足♡ ありがとう、『ご主人様♡』。それでは、恋愛バラエティブラックヒストリア、今宵はおしまいです♡ みんなは恋の恥、コキ捨てられたかな? おやすみなさ~い♡」
自分の体を抱きしめたまま恋獄姫アヤラはカクリヨの空に昇天していった。あとには服と髪を乱れさせた翔だけが残される。
「ま、またこのオチに……なんでいっつもこうなるん?」
ーーーーーーー
かくして、猟兵たちの恥を忍んだ活躍により番組は大成功。その後骸魂から解き放たれてただの妖怪に戻ったアヤラが夢のご主人様を探す姿が目撃されたとの話もあったとかなかったとか聞くが、それはまた別の物語だ。
大成功
🔵🔵🔵