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大祓百鬼夜行⑩〜先取り・大盛り・かき氷

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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「さあ、食べてもらうよー」
「やっぱり夏はかき氷だよなあ」
「うん、ここのは頭痛くならないんだよね」
 夏の夜に、屋台を回り最後にさっぱりと冷たいものをと願う者達で賑わっていた、かき氷の屋台。
 まだ夜は肌寒く時期は早いというのに、屋台には明かりが灯され氷の旗が翻る。
「まだ寒いよね、分かってる……分かってるんだけど」
 店主であるフロストサラマンダーの少女は苦悩しつつも氷を用意する手を止めない。
「食べてもらわなきゃ……耐えられない!」

「夏はやっぱりかき氷だよなァ」
 集まった猟兵達を前に、唐突にそんな事を言い出したのは樹・怜惺(Guardiano della Dea Verde・f31737)。
「カクリヨに行ってもらうんだけどさァ。今回はー、かき氷のー、大食いをしてもらいまーす」
 骸魂と融合したことによってもてなし衝動が高まり過ぎ、まだ時期が早いにも関わらず屋台を開店し、通りかかるものを無理やり引きずり込んでかき氷を食べさせ続けようとしてしまう。
「このままだとその辺通りかかった妖怪がめっちゃ食わされちゃって可哀そうだから、出来るだけ食べたげてー。種類も多くて味はめっちゃ評判良いらしいし」
 果物をたっぷり使ったシロップ、添える白玉や餡子も全て手作りというとても手の込んだ出来。氷もゆっくりと凍らせた質の良いものを使い、薄く削られた氷は頭が痛くならないと好評だそうだ。
「寒いけど、食べれば食べる程骸魂が弱体化するらしいぜ」
 少し寒いけれど、旬の果物を使ったかき氷を堪能し骸魂を取り込んだ妖怪を助けよう。


真空。
 見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。
 かき氷は苺が好きです、早く食べられないのでいつも最後は苺水になりますが。

 プレイングボーナスは【屋台グルメを食べまくる(戦わずともダメージを与えられます)】です。
 頑張って食べましょう。

 1章完結戦争シナリオのため、公開後即受付し、少数採用となるかと思われます。

 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。
 今回のシナリオの構成上、大人数は厳しいかと思います。

 皆様の参加、心よりお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『三障の悪女・フロストサラマンダー』

POW   :    讃称三唱
戦闘力が増加する【メキシコサンショウウオ】、飛翔力が増加する【ウーパールーパー】、驚かせ力が増加する【アホロートル】のいずれかに変身する。
SPD   :    コールドインフェルノ
レベル×1個の【あらゆるエネルギーを奪い燃える冷気】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ   :    三障WAR
【煩悩障(迷いや欲望を増幅させ操る思念波)】【業障(術者の都合の良い悪事へ導く甘言)】【報障(対象の過去の悪事を具現化した存在)】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。

イラスト:麻風

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠中村・裕美です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スミス・ガランティア
氷菓が食べ放題と聞いて!
冷たいもの食べ放題とか我の為の依頼じゃないかな! 遠慮なく振る舞ってOKだよ!(めちゃくちゃテンション上がってる神

……せ、戦争中なことは忘れてないけどね、うん。

さて、季節の果実……と言っても我、そういう旬とかは分からないからね、店主殿は何かオススメとかそういうのはないかな。それを頂こうと思うよ。

食べ切れるかって? 多分問題ないと思うよ。
何せ我、氷も司っている神だからね! 寒さへの【環境耐性】とか問題ないし、沢山食べても問題ない! むしろ冷たいもの大好きだからね!【気合い】入れて食べるぞー!


鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

さて、食べますかね…
まだまだ時期には早いけど、妖怪さん達が騒動に巻き込まれるのも見過ごせないからね
無理やり引きずり込むのは勘弁してほしいなぁ…びっくりするから(涙
そのおもてなし衝動の高さにドン引きし恐怖心を抱く
その恐怖心より防衛衝動発動

こうなれば人海戦術
分身達にも協力してもらってガンガン食べよう
【大食い】×106人で立ち向かおう!
骸魂が弱体化するのはおもてなしする為にエネルギーを消耗するからなのかな?
まぁ、それはそれとして…、旬の果物を使ったバリエーション豊かなかき氷は食べ飽きなさそうだ
いくらでも食べてやる!



 月明かりに翻る氷の旗。
 猟兵達が近寄れば、明かりの灯った屋台に向かいたいという衝動に襲われる。抵抗する術の無い一般の妖怪たちなら逃げる事は不可能だろう。
 可愛らしい装飾をされた暖簾をくぐり、座布団が敷かれた椅子に座れば待ち構えていた店主の少女がぱっと顔を上げる。
「いらっしゃいませ! ああ、ようやくお客さんだ……どれにします? トッピングは?」
 今回訪れたのは二人。
 スミス・ガランティア(春望む氷雪のおうさま・f17217)は氷菓の食べ放題にわくわくと青い瞳を輝かせる。
「食べ放題と聞いて!冷たいもの食べ放題とか最高じゃないかな! 遠慮なく振る舞ってOKだよ!」
 お品書きを差し出され、我に返るとその陰でぽそりと呟く。
「……せ、戦争中なことは忘れてないけどね、うん」
 本当だろうか。今の一瞬は食べ放題につられていたような感じもするが、この戦場に関しては食べるために来ているのだから問題は無い。
 そしてもう一人。
「さて、食べますかね……まだまだ時期には早いけど、妖怪さん達が騒動に巻き込まれるのも見過ごせないからね」
 同じくお品書きを受け取った鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は並ぶ果物の名前におお、と声を上げる。
「さあ食べましょう今すぐ食べましょう! 一つ目は何にしますか二つ目の注文もしちゃったらどうですか!?」
 店主のフロストサラマンダーの少女はお品書きを眺めている間にも身を乗り出さんばかりの勢いで注文を急かす。その勢いに負けそうになるひりょ。
「え、ええと……今頼みますので一寸待って」
 前のめり過ぎてさすがに怖い。と素直に告げるわけにもいかないので、慌てて並ぶ字を目線で追う。
「さて、季節の果実……と言っても我、そういう旬とかは分からないからね、店主殿は何かオススメとかそういうのはないかな。それを頂こうと思うよ」
 スミスはあっさりと店主に任せる事にしてお品書きを返却。ひりょも一つ目は同じようにお任せにして、かき氷が届くのを待つことにした。
 しゃりしゃりという、氷を削る音。シロップの瓶を開ければ香る甘い香り。
 暫くして二人の前に置かれたのは、果肉交じりの赤が美しい、イチゴのかき氷だった。横にちょこんと練乳の小瓶が置かれ、小匙を渡される。
「さあどうぞ、特製苺シロップですっ!」
「じゃ、頂きます」
 口に運べば、甘酸っぱいイチゴの香りと爽やかな甘み、冷たい氷の刺激が程良いバランスで口の中に広がる。練乳を追加すれば、そこにまろやかな甘みが加わり味の変化にいくらでも食べられそうだ。
 食べ進めつつ、ひりょは感じた恐怖心を元に自らの分身を更に席に着かせていく、座れない分は外で順番待ちだ。増えた客に小躍りして喜ぶ店主。
「お客さんがこんなにたくさん! さあ食べましょう、今時期の苺に枇杷に、終わりがけだけど林檎や伊予柑もお勧めですよ!」
 静かな夜の空間に氷を削る音が響く。大忙しの店主だが、その顔はおもてなしの喜びに満ち溢れていた。
「さて、次は何にしようか……店主、この枇杷のかき氷を頼むよ」
 あっさりと食べ切ったのはスミス。寒さを感じる様子もないその姿にひりょがこそりと問いかける。
「寒くないんですか?」
「我、氷も司っている神だからね!  寒さへの環境耐性とか問題ないし、沢山食べても問題ない!  むしろ冷たいもの大好きだからね! 気合い入れて食べるぞー!」
 言われてよく見れば、頭の辺りに氷の結晶が浮かんでいる。薄い金色の髪、氷のような青の瞳。人外の美貌は神と聞けば納得がいく。
 寒さに負けるどころか、更にテンションを上げていくスミスにつられ、ひりょもかき氷に向き直る。
 「骸魂が弱体化するのはおもてなしする為にエネルギーを消耗するからなのかな?」
 食べつつも目を凝らしてみれば、僅かに黒い靄が店主の身体から立ち上っているような。
「まぁ、それはそれとして…、旬の果物を使ったバリエーション豊かなかき氷は食べ飽きなさそうだ、いくらでも食べてやる!」
「良い心意気だな! 我もまたおかわり、今度は林檎を頂こう!」
 二人は暫くの間、無心で氷に挑み続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

藍沢・織姫
かき氷!
一気に食べると頭が痛くなるのは「アイスクリーム頭痛」と言って、喉の奥にある神経が急激に冷やされる事によってうんぬんかんぬん…らしいです。
対策として激痛耐性や氷結耐性あたりを駆使すれば行ける筈。
それはさておき、果物で作ったシロップもトッピングも多種多様との事なので、色々な種類を食べられるだけ食べてみましょう!
どうしても体が冷えて耐えられなくなったら、温かい飲み物(お茶などをブレイズフレイムで温める)で小休止。


アイン・セラフィナイト
かき氷!最近暑くなってきたからね、いいタイミングかも!
冷たいもの食べ放題はお腹に優しくなさそうだけど、ここは精霊にも頼もうかな。

というわけで、UC発動!イフリートを召喚して一緒に食べてもらおう!一応火の魔力で体を温めながら食べることにするよ。(属性攻撃)
イチゴにメロンにレモン、ブルーハワイも良いよね。あとは宇治金時!

あ、えーと、使い魔の『神羅』と『万象』も食べるかな?……人の姿だったらまだしも鴉の姿だと厳しいかも。(早業でもぐもぐしまくる)

というかこれ、フロストサラマンダー本人で作った氷だったりするのかな?
まあでも、無料で食べられるんだから食べた者勝ちだよね!

(アドリブ等歓迎です)


臥龍岡・群青
かき氷か
少し早いが夏を先取りするかのようで良いのではないか?
せっかくだから頂いていこうではないか!

しかしどの味にするか迷うな……
白玉や餡子もあるならやはり宇治金時がいいだろうか
しかし果物を使ったものも気になるなぁ
イチゴとかもやっぱり王道で美味しいだろうし
変わり種に挑戦してみるのもよさそうだ

わし一人で食べるのが難しいなら、剣魚の友達に助太刀を頼むぞ
お前もかき氷、楽しんでいるか?
わしはめっちゃ楽しんでるぞ
ほら、食え食え

なんというか5月なのに一年分くらいかき氷を食べてる気がするな……
だがこれも妖怪達を救うため
それに美味しいしな、かき氷
妖怪達も満足してるなら嬉しいぞ
こういうのも良いものだな!



 続いて、屋台へとやってきた猟兵達。
「かき氷!」
 藍沢・織姫(紺碧の歌姫・f03959)は目を輝かせてお品書きに見入る。
「一気に食べると頭が痛くなるのは「アイスクリーム頭痛」と言って、喉の奥にある神経が急激に冷やされる事によってうんぬんかんぬん……」
「お客さん! うちの氷は頭が痛くならないって評判なんだよ! だからたくさん食べよう!」
 にこにこ顔の店主――フロストサラマンダーの少女が氷を持って見せてくれる。持った手が完璧に透けて見えるほど透明な氷は丁寧に作られたものだと分かるだろう。
「少し早いが夏を先取りするかのようで良いのではないか?」
「最近暑くなってきたからね、いいタイミングかも!」
 臥龍岡・群青(狂瀾怒濤・f30803)とアイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)もわくわくとした表情を浮かべている。
「さあ、どれから食べる!? トッピングは!? おかわりもあるよ!?」
 ぐいぐいと迫る店主に、3人はそれぞれに注文を済ませかき氷が届くのを待つ。
 削られ、ふんわりと積もる白い雪のような氷。色とりどりのシロップにトッピングもきらきらと。作られていくかき氷を見ているのも楽しくて、つい見入ってしまう。
「はい、宇治金時に苺白玉、柚子にはゼリーのトッピングね!」
 宇治金時は天辺につやつやと光る餡子が乗せられ、薫り高い抹茶のシロップがかけられている。苺白玉は果肉の残る苺のシロップにちょこんと白玉が乗り、柚子のかき氷には淡い金色に光るゼリーが散りばめられて。
「うわあ、どれも美味しそう!」
 3人とも、色々な種類を食べてみたいと思っていたようでそれぞれが頼んだものを見比べ、歓声を上げる。
「次は違うの食べたら良いよ、まだまだ氷も沢山あるよ!」
「イチゴにメロンにレモン、ブルーハワイも良いよね」
「色々な種類を食べられるだけ食べてみましょう!」
「他の果物を使ったものも気になるなぁ……変わり種に挑戦してみるのもよさそうだ」
 まずは目の前のかき氷を食べてから、と渡された小匙をすっと氷に差し込む。掬い上げた氷はきめ細かく、口に含めばシロップの香り豊かに喉へと滑り落ちていく。
「「「美味しい!」」」
「でしょ、でしょ! うちのかき氷、みんな喜んでくれるんだよ! 待ってた、って言ってくれるの!」
 喜びの声に、こちらも万歳して喜ぶ店主、その身体から次第に黒い靄が抜け落ちていっているようだ。
「よし、次は何にするか……やはりここは王道のイチゴを」
 1杯目を食べ終わった群青はすかさず次を注文し、剣魚の友達を呼び出すと共に新たに届いたかき氷を楽しむ。ちょんちょんとかき氷をつつく剣魚は戦力になっているかは不明だが、どことなく楽しそうだ。
「お前もかき氷、楽しんでいるか? わしはめっちゃ楽しんでるぞ。ほら、食え食え」
そんな様子を微笑ましげに眺めながら、アインもブルーハワイを頼む。こちらは果物を使っていない分、トッピングが豪華なようで飾り切りにしたパインやカラフルなゼリーが乗せられ、南国の海のようだ。
「うん、一寸冷えてきたかも――万物を浄化する意志持つ火焔よ来たれ」
 小さな声で詠唱し、呼び出したのはイフリート。そして、何をするかと言えば。
「隣に座ってかき氷食べてよ、後一寸体を温めてくれると嬉しいな」
 どん、とメロンのかき氷がイフリートの目の前に置かれる。張り切って出てきたらかき氷を食べろと言われるイフリートは多少面食らった様子だったが、大人しく身体の温度を下げ、椅子に座るとかき氷を食べ始める。
「神羅と万象も食べれるかな……鴉の身体じゃ厳しいか」
 もぐもぐもぐもぐ。早業であっという間に食べ進めながらも、肩に止まる鴉たちに軽く手を触れ交互に優しく撫でた。
 織姫は大人しく一人食べ進めていたが、身体の冷えに軽く身を震わせる。
「うん、次は林檎にしよう……ちょっと寒いですけど」
 呟かれた言葉が聞こえたのか、アインが呼び出したイフリートが織姫の方へと手を向けると、ふわりと温かな空気に覆われる。
「わ、ありがと。これでまだまだ食べられます!」
 目の前に置かれたのは、薄い桃色のシロップが駆けられたかき氷。上からさらに刻んだ甘煮の林檎が散らされ、見た目の食感も楽しい一品となっている。
「美味しそう……見た目も可愛い」 
 ぱち、と軽く手を合わせ再び小匙を持つ織姫。ゆっくりではあるが、楽しんで食べている事が分かる食べ方に店主は満足げだ。
「嬉しい、嬉しい……皆食べてくれてる、喜んでくれてる!」
 身体から盛大に黒い靄を立ち上らせ、感謝の言葉を口にするフロストサラマンダー。そして。
「ありがと……っ」
 靄が薄れ始めたところで、ぱたりと倒れる。次第にその姿が変化し、残ったのはまだ幼げな雰囲気を残した雪女だった。
「おや、骸魂が消えたようですね」
「おもてなし衝動とやらが満足して、倒せたって事かな」
「ふむ、こちらも楽しませてもらったしこういうのも良いな……なんというか5月なのに一年分くらいかき氷を食べた気がするが」
 3人はしっかり食べ終わると、店主の少女を介抱し屋台を後にする。穏やかで平和な戦い。たまにはこういうのも良いなと思いながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月08日


挿絵イラスト