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Vを襲うRB

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●狙われたバレンタイン
 ここは愉快なキマイラフューチャー。
「どーもー! カンキチでーす!」
「オミユでーす!」
 バカップル2人でーす。
「今日はー、期間限定で出店したチョコレートショップに来ていまーす」
 動画の配信でーす。
 バレンタイン、という、過去から続く謎の風習。
 ショップ内では、たくさんの女子が、カレシにプレゼントするチョコを吟味している。
 カンキチとオミユは、ショップの様子をお伝えするつもりらしい……のだが。
「見て見て、チョコがたくさん!」
「うわあ美味しそう!」
 すっかり2人の世界。
「でもカロリー高そう……」
「ハハハ、ちょっとくらい太ったって、オミユは可愛いよ♪」
「もーカンキチってばー♪」
「「えへへへへへ!!」」
 ちゅどーん!
 バカップルが爆発した。それはもう、盛大に。
「けほっ」
 2人の頭がアフロになった。映えそう。
 というか、周りにいたお客さんとショップとチョコも巻き添えなんですが。
 からん。煙の尾を引いて、ショップの看板が落下してきた。
 ぐりりっ。ハートが描かれたそれを踏みつけたのは、1人の男。
 ……男かな? 何故ならそいつの頭は、爆弾だったからだ。
 マントを爆風の名残になびかせ、その爆弾怪人は、こう告げた。
「リア充は爆破する!!」
 いやアンタもう爆破したでしょ。

●結成? リア充ガーディアンズ
「今回は、お集まりいただきありがとうございます。此度の冒険の舞台は、キマイラフューチャー」
 ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)の言葉と共に、景色が変化した。
「バレンタインを控え、リア充カップルが連続爆破されるという事件が起こります。犯人は、リア充爆破怪人」
 これ以上わかりやすい事があるだろうか? いや、ない。
 という訳で今回の目的は、リア充爆破怪人を撃破する事だ。
「リア充爆破怪人は、『リア充探知センサー』なる特殊能力を持っています。しかし、バレンタインの時期となるとリア充の気配が増して手に負えないのか、配下のマグロ怪人を街に放ち、リア充を確保させているようです」
 猟兵達は、リア充っぽい行動を取り、このマグロ怪人達をおびき出す。そして撃破。
「自分達でリア充っぽい行動をするのもよいですし、リア充キマイラ達がいる場所に先回りして、マグロ怪人が現れるのを待つ、というのもよいでしょう」
 マグロ怪人達が倒されたと知れば、ボスであるリア充爆破怪人が姿を現わす、という寸法だ。
 そうなれば、後はリア充爆破怪人を撃破するだけである。
「皆様がリア充に対して抱く思いは様々でしょう。ですが、怪人を倒すという志だけは共通していると信じています。ドカーン! とリア充爆破怪人を撃破してくださいませ」
 さすれば、皆の活躍は、多くのキマイラ達に称賛される事であろう。
「……ベツニ、ナニカノフラグデハアリマセンヨ?」
 ヴェルタールが、ものすごく棒読みだった。


七尾マサムネ
 予告する!!
 リア充は爆破される!
 ……だと困るので、頑張って怪人を倒しませう。

●マグロ怪人
 リア充爆破怪人によって集められた、非リア充の怪人達。割といっぱいいる。
 猫の恐怖におびえながら、街のリア充を探します。

●リア充爆破怪人
 自己愛と独善、正義の戦士。
 リア充は許さない。リア充に加担する奴も許さない。
 リア充への怒りに同調してあげると、油断します。わかりやすいくらいに。

●第三章予告
 無事、リア充爆破怪人からリア充を守り切った猟兵達!
 しかし、その雄姿を求め、キッズが襲来する!
 果たして、猟兵達の運命は……!?

 それでは、皆様の参戦、お待ちしております!
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第1章 集団戦 『マグロ怪人ツーナー』

POW   :    止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ   :    水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

虚戯・禊
んむ……りあじゅう、と言うのがよく分からないんだけど……とりあえず逢い引きしてる人を尾行してればかち合うかな?

と言う訳で【気付かれない】【迷彩】を使用してカップルを尾行。
マグロが出てきたら、複数のマグロを巻き込むように死角から飛び蹴り、その後はカップルを逃がしてから【殺気】を放ってこちらに集中させた上で刻もうか。

こちらから攻撃する時は、マグロの動きを【見切り】確実に当てに行き。
マグロの攻撃は【残像】【第六感】【野生の勘】で回避、中止出来ない様な攻撃をしてる最中ならばそのまま背後から攻撃を加える。



 街を行く虚戯・禊(薩人ドラゴン・f05214)は、首をかしげていた。
(「んむ……『りあじゅう』、と言うのがよく分からないんだけど……とりあえず逢い引きしてる人を尾行してればかち合うかな?」)
 そう考えた禊は、一組のカップルに白羽の矢を立てた。
 尾行、開始。気取られないよう、迷彩を使用して。
 カップルは、一軒のカフェに入店。
「…………」
 じーっ。
 禊の視線の先。1つのアイスや飲み物を、2人で分け合っている。
 節約志向? いや、これが『りあじゅう』というものなのだろうか。
 すると、カップルに店員さん達がぞろぞろ近づいた。
 ふんどし一丁のマグロ……怪人だ!
「これは誰が見てもリア充! リア充許すまげふぅぅぅぅっ!?」
 カップルの視界から、マグロ怪人達が消失した。禊の飛び蹴りが炸裂したのだ。
「!!?」
「え、なに!?」
 混乱の渦に飲み込まれるカップルに、禊は言う。
「早く、逃げて」
 魚臭くなっちゃうから。
 カップルが離れる気配を確かめ、禊はマグロ達をにらんだ。
 殺気が、マグロ達の半裸をびりりと駆け抜ける。
「邪魔するとは、さてはリア充ツナ!」
 敵に返す言葉は持ち合わせていない。というか、リア充は勉強途中だ。
 捕食される恐怖でドーピングし、襲い来るマグロ怪人達。
 速い。だが、物心ついた時から戦場に身を置く禊だ。背後からの攻撃さえ、第六感、そして野生の勘でかわす。
「甘い! もらったツナ!」
 が、マグロがとらえたと思ったのは、禊の残像に過ぎない。
 たとえ攻撃を外しても、マグロボディは止まらない。止まれない。
 その背中目がけ、禊が抜刀術を見舞った。
 斬撃波が、マグロを料理する。

成功 🔵​🔵​🔴​

テリブル・カトラリー
リア充…定義は、リアルが充実している者。で良いのか?どうもズレているような…しかし、そういう意味だと私は……
少なくとも存在理由はそれなりに果たしている以上、満たされている。
うん、その筈だ。そうでなければいけないのだ。存在理由を果たして死んだ仲間の為にも、だから私は襲われていなければいけないのだ!

という訳でマグロ怪人を見つけしだい襲撃します。

戦争腕に換装した腕で一発。怪力で吹き飛ばす。
さぁ、此処にリア充がいるぞ…戦え。

ブーストを吹かして移動(ダッシュ)で迫り恐怖を与えつつ、
片腕からの電撃でひるませ怪力で捕まえ、今度はもう片方の腕から
冷却ガスで冷却。冷凍マグロにする。



(「リア充……定義は、リアルが充実している者……で良いのか? ……しかし、そういう意味だと私は……」)
 キマイラ達の行き交う街角。
 テリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)は、思考の海に身を浸していた。
(「少なくとも存在理由はそれなりに果たしている以上、満たされている。うん、その筈だ。そうでなければいけないのだ。存在理由を果たして死んだ仲間の為にも、私は襲われていなければいけないのだ!」)
 溢れる使命感が、テリブルを、敵の元へと導く。
「リア充死すべし……ぶぎゃっ!?」
 学生カップルを襲おうとしていたマグロ怪人が、吹き飛ばされた。
駆け付けたテリブルの『戦争腕』が、唸りを上げたのだ。
「さぁ、此処にリア充がいるぞ……戦え」
 ぎん、と輝く黒の瞳は、戦鬼の如く。
「りあ……充?」
 テリブルのたたずまいを見て、首を傾げるマグロ達。
(「なんだこの反応は……リア充ではない、というのか?」)
 そんなはずはない。私はリア充。
 確信を抱いて、テリブルはブーストを吹かした。
 マグロ怪人の1体へ、ダッシュで迫る。
「こっち来るなツナ!」
 その指示は受け付けない。
 片腕からほとばしる電撃。ひるんだ怪人の頭を、そのまま怪力でがっしりつかむ。
 手足をばたつかせる怪人へ、もう片方の腕から冷却ガスを浴びせた。
「ツーナー……!」
 みるみる全身を白く染めていく怪人。
 どさり。無造作に地面に放り出された怪人は、冷凍マグロになっていた。
「さぁ、新鮮なまま冷凍されたいマグロは……前に出ろ」
 たなびく白い冷気を払うテリブル。
 事実上の死刑宣告を受け、マグロ怪人達の目が死んだ魚のようになっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
リア獣のいる所で待ち構えて
生放送開始

【猟兵配信番外~チョコレート専門店食べ歩きの旅~】

どうも、猟兵配信者のブラックです
バレンタインも近いですが、皆様いかがお過ごしですか?

今日はチョコレート専門店のある〇〇通りにやってきました~!

って感じで食べ歩き配信し続けます
めっちゃ旨そうに食べるよ!

【戦闘】
猫虐めてんじゃねーぞ魚人ー!!

敵の動きの法則性を見つけ【見切り】、【オーラ防御】と共に懐に潜り込み光の鎖をぶちかます
そのまま聖者のオーラ、マイクで裁きの言葉をぶつける【衝撃波】

必要に応じて鎖で【武器受け】、【カウンター】狙っていくよ



「どうも、猟兵配信者のブラックです。バレンタインも近いですが、皆様いかがお過ごしですか?」
 突発! 鈴木・志乃(ブラック・f12101)ことブラックの生放送! 題して、【猟兵配信番外~チョコレート専門店食べ歩きの旅~】!
「今日は、チョコレート専門店のあるトヨース通りにやってきました~!」
 食べ歩き配信という体でリア充に混じり込み、マグロ怪人を待ち構える作戦だ。
 次々、名物や新商品のチョコスイーツをレポートしていく志乃。
 にしても、志乃の食べっぷりときたら……めっちゃ旨そう。じゅるり。
 そして、数件目。動画映え間違いなし、絶品チョコアイスの店の行列に並んでいると。
「ツーナー!」
 どこからともなく、声が流れて来た。
 ざっ。
 ざざっ。
 行列を為す一般キマイラ達を、マグロ怪人達が囲んだ。
「さてはオメーらリア充だなツナ!」
「リア充は始末ツナ!」
 勝手に断言する怪人は、猫達に絡まれていた。というか、かじられていた。
 放置していれば猫の餌になるのではないかと思われたが、志乃はそこまで気が長くなかった。
「何者ツナ!?」
「邪魔するとはふてえ奴ツナ!」
 キマイラ達をかばうように割って入った志乃に、怪人達が襲い掛かる。
 志乃が注意を払うのは、敵の挙動の法則性。癖、といってもいい。
 そして謎の飛来物。腕に噛み付いていた猫を、飛び道具にしたのだ。
 しかし。
「猫虐めてんじゃねーぞ魚人ー!!」
 志乃は、猫の軌道を見切り、あるいはオーラによる防御でしのぎ。
 そのまま相手の懐に潜り込むと、光の鎖をぶちかました。
 しかも、一撃では終わらない。
 聖者のオーラ、そしてマイクで増幅された裁きの言葉が、衝撃波となって怪人を連続打撃。
 これでユーベルコードは封じられた。
 それは同時に、猫から逃れられない事も意味していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジョディ・アリゲータ
エキリん(f06202)と参加。
リア充の演技で怪人をおびき寄せて、迎撃します。(おびき寄せ2、視力2)
「リア充ってこんな感じ? えへへ、なんか楽しいね」
キマイラフューチャーって、明るいし美味しいにおいもあちこちからするし、なんか幸せな気分にになるよね。(エキリんと腕を組みつつ、見たことのないお菓子に気を引かれる)
「……美味しそうだね」(ウッカリ口に出してしまって恥ずかしくなる)
お仕事忘れてないからね、という視線をエキリんに向ける。

「そっちが水なら、こっちはお湯です!」
マントの下に隠していたコクリンに出てきてもらい、(某トレーナみたいな指示出しで)【熱湯水鉄砲】を使って煮魚です!(援護射撃4)


エキリ・ナーガクーガ
ジョディ(f06153)と参加。
リア充の演技をするには、年が離れすぎじゃねーかな。
(しかし、ジョディの様子をみて、嬉しくなる)ま、楽しそうにしてるかし、いいか。
ダークセイヴァーから出たてなんだ、ココの食い物が気になるのは良く分かる。
「良い店があったら寄っていこうな」
ジョディの頭を軽くぽんぽん、と叩く。
ん……傍から見ると家族や友人の距離感じゃねーかも。
それはイイとして、保険のため他のカップルに襲撃がないかも気を配っとく。

「出てきてくれて一安心だぜ」
ジョディに援護は任せてダッシュで距離を詰めて、グルメツールのクーガで攻撃する。
【錬成カミヤドリ】で、猫を避けて怪人に牙をけしかける。(カウンター2)



 チョコレートショップのある大通り。
 行き交う人々に混じり、ジョディ・アリゲータ(鰐娘・f06153)とエキリ・ナーガクーガ(牙・f06202)も、腕を組んで歩いていた。
「リア充ってこんな感じ? えへへ、なんか楽しいね」
「そうだな」
 弾んだ声。足取りも軽くなっているのが、ジョディ自身にもわかる。
 リア充の演技をするには、年が離れすぎじゃねーかな……なんて思っていたエキリだったが、ジョディの様子を見ると、余計な心配だったらしい。
(「ま、楽しそうにしてるなら、いいか」)
 エキリの嬉しさは、表情にも出たのだろう。ジョディが笑顔を返してくれる。
 敵は神出鬼没、どこに潜んでいるともわからない。
 ジョディとエキリは周囲に注意を払い、マグロ怪人がおびき寄せられてくるのを待っていた。ジョディの目の良さが活きる時だ。
 通りは賑やかだ。色とりどりの看板が、訪れる者達を迎え、誘う。
「キマイラフューチャーって、明るいし美味しいにおいもあちこちからするし、なんか幸せな気分になるよね」
 チョコレートだけでなく、クレープにアイス、変わり種のコットンキャンディまで。
 見たことのないお菓子が、ジョディを惹きつける。
 ハートをがっちりつかまれてしまったうきうきが、つい零れ落ちてしまう。
「……美味しそうだね」
 思わず発した自分の声を聞いた瞬間、かあっ、と頬が熱を帯びるのがわかった。
 一応視線だけで、「お仕事忘れてないからね」とエキリに訴えてみる。
 とはいえ、ジョディは、ダークセイヴァー世界から出たばかり。キマイラフューチャーの食べ物が気になるのは、エキリにだって良く分かる。
「良い店があったら寄っていこうな」
 ジョディの頭を、軽くぽんぽん、と叩くエキリ。
 ぱあっ、と花が咲くように。
 笑顔になったジョディを見て、言ってよかった、とエキリは安堵した。
 傍から見ると家族や友人の距離感じゃねーかも、と思うが、まあ大丈夫だろう……。
「頭ぽんぽんの気配……これはリア充ツナ!」
 2人の背後。
 通り過ぎたマンホールのふたが突然舞い上がったかと思うと、何ものかが飛び出した。
 すたっ、と着地したのは、マグロ怪人の皆さんだ。
「リア充カップル、一組様発見ツナ……!」
「逃がさんツナ!」
「こっちこそ、出てきてくれて一安心だぜ」
 何だか目が必死な怪人に、不敵な笑みをこぼすエキリ。さりげなく、ジョディをかばいつつ。
「生きて帰れると思うツナ!」
「そいつはこっちのセリフだぜ。援護任せた!」
「任せてエキリん!」
 ジョディと声を交わすと、エキリは敵へと突撃を仕掛けた。
 ダッシュするその手には、グルメツールの『クーガ』。
 すると、怪人が口をすぼめ、次々と水流を射出した。
 が、エキリは左右に体を振って、手荒い歓迎をしのぐ。
「そっちが水なら、こっちはお湯です!」
 ジョディのマントの下から、仔ワニが現れた。たしゅっ、と着地したのは、ドラゴンランスの化身・コクリンだ。
「コクリン、【熱湯水鉄砲】!」
 ジョディの指示に従い、コクリンが口を開いた。
 発射された熱湯が、一直線にマグロ怪人に浴びせられた。
「あちちちち!!」
 湯引きされた。いや煮魚!
 その隙にエキリは、クーガの複製を終えている。一斉に、怪人に向けてけしかけた。
 対する怪人は、腕をぶん、と振った。
 怪人に噛みついていた猫が、飛んでくる。速い。
「自分じゃ手に余るからって、なすりつけてもらっちゃあ困るぜ」
 猫ミサイルは、しかし、エキリを捕まえる事はできなかった。かすりもしない。
 弾幕をくぐり抜け、エキリの牙が、次々とマグロボディに突き立つ。
「魚みたいにウロコがあれば、無事だったかもしれませんね!」
 ジョディの眼前で、ばたばたと倒れていく怪人。
 大勝利、と2人は顔を見合わせ、ぱちん、と手を打ち鳴らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『リア充どもは爆発しろ怪人』

POW   :    リア充は爆破する!
予め【リア充への爆破予告を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    リア充は爆破する!!
【リア充爆破大作戦】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    リア充は爆破する!!!
単純で重い【嫉妬の感情を込めて】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 マグロ怪人達が撃退された直後。
 大通りに、風が吹いた。
「リア充、爆破する。爆破しない。爆破する……」
 カチカチ。
 手にしたスイッチの透明カバーが、音を立てて開閉される。
 翻るマント。良い感じのメタリックの糸で刺繍された『リア充爆破』の文字が、燦然と煌めく。
 奴は誰だ。
 そうだ。『リア充どもは爆発しろ怪人』 だ。
「爆破しな……する! そう、リア充は爆破する!」
 何基準か知らないが、そう決定された。
 いや最初から決まってた。とんだ茶番タイム。
 そして。
「エクスプロージョンターイム!!」
 親指を立ててポーズを決めると、リア充爆破怪人は、爆破スイッチを掲げた。
ジョディ・アリゲータ
「リア充の演技に引っ掛かったわね、怪人さん!」
弓を準備しつつ、ふと疑問が頭をよぎる。
「エキリんと私の関係って何なんだろうね? 恋人は絶対違うし。親も友達もいた事ないけど、カテゴリ的には親友?」
作戦抜きでリア充でないことをばらす。
「私も恋人居ないけど、何で不満なの?」
攻撃の準備をしつつも、怪人に質問。
(ダンピールゆえ友達も居なかった孤児院育ち、ボッチ過ぎて孤独の概念が死んでる)コクリンから憐れみの視線を感じる気がする。
「あれ、そーいえばエキリんはどうなんだっけ?」「そうなの?」
(質問後に若干の殺気を感じて目をそらす)
「うん。黙る。お仕事頑張る」
エキリんが攻撃したら、援護射撃と回復で援護するね。


エキリ・ナーガクーガ
「血縁とか人間関係とか無縁のツクモガミに聞くなよ」
ジョディの親から見るよう頼まれたとかもあるんだが……それを踏まえても関係性を端的にあらわす単語は出てこない。
てか「どう」とか聞くなよジョディ。(辛い)
「……好きで独り身なんだよ」(強がりっぽい雰囲気)
「それ以上言ったら、お前(ジョディ)が相手でも本気で怒る」
マグロ怪人から「我慢せずに爆破仲間になろう」とか「その歳ならもう先はないな残念」みたいに思われたら腹立つ。
「うるせぇ。立ち話で済むような話じゃねーんだよ!」(過去に何かあったらしい)
【想像復元騎乗】で怪人を齧りにかかる。
儂が怪我すんのはイイが、ジョディには痛い思いさせないように立ち回る。



「リア充はいねーがー! あ、カップル風の2人の背中発見!」
 無駄に立派なフォームで疾走してくるリア充爆破怪人。
 いよいよ背中が近づいて来た時、怪人に、弓が突きつけられた。
 振りかえった女の子……ジョディ・アリゲータだ。
「リア充の演技に引っ掛かったわね、怪人さん!」
「人にそんなモノ向けちゃダメでしょうが! これだからリア充は!」
 急ブレーキで停止した怪人が発したフレーズに、ジョディは小首を傾げた。
「リア充……なのかな?」
 そうだろうが、と主張する怪人だが、ジョディにはなんとなくピンとこない。
「うーん、エキリんと私の関係って何なんだろうね? 恋人は絶対違うし。親も友達もいた事ないけど、カテゴリ的には親友?」
「血縁とか人間関係とか無縁のツクモガミに聞くなよ」
 男性の方……エキリ・ナーガクーガが、困り顔を見せた。
 ジョディの親から頼まれたという事情があるとはいえ、それを踏まえた上でも、関係性を端的にあらわす適当な単語は出てこない。
「ところで、私も恋人居ないけど、何で不満なの?」
 何気なく怪人に質問したジョディに、コクリンから憐れみの視線が注がれる。
 ナチュラルにリア充じゃないって告白しちゃってる……と。
 なにぶん、ダンピールという事情ゆえ、友達も居なかった孤児院育ち。独りぼっちの環境が普通だったため、『孤独』という孤独の概念は、既に死んでいる。
 が、幸い、怪人はその辺はスルーしてくれた。
「自分がリア充じゃないのがイヤなんじゃない。ただリア充が憎いだけだ!」
 えー……とエキリの口が横に広がった。
 ダメだコイツ。ツクモガミにもわかるレベルで。
「あれ、そーいえばエキリんはどうなんだっけ?」
「『どう』とか聞くなよジョディ」
 エキリは、質問主であるジョディはもちろん、怪人からも目をそらすと、
「……好きで独り身なんだよ」
「そうなの?」
 強がりっぽい。
 しかし、ジョディも、エキリから感じる気配が、殺気である事は理解できた。
「それ以上言ったら、本気で怒る。お前が相手でも」
「うん。黙る。お仕事頑張る」
 そういう事になった。
 臨戦態勢の2人に対し、怪人は棒立ちだった。というか、エキリに対し、哀れみの雰囲気を醸し出している。
「そうか……どうだ、爆破仲間にならないか」
「うるせぇ」
 エキリは申し出を一蹴した。
「お前も人に言えない黒歴史があるんだな」
「簡単に言うな! 立ち話で済むような話じゃねーんだよ!」
「わかるぞ。かくいう自分も放課後の下駄箱で……」
「だから勝手に納得すんな……!!」
 怒りはユーベルコードの発動を誘発した。
 エキリは、オパールグリーンのティラノサウルスを召喚するなり、その背にまたがった。
 エキリが攻撃にかかったのに続き、ジョディも援護射撃を開始した。
「RB仲間になれそうだったが、仕方ない!」
 ジョディの攻撃をマントを防ぐと、怪人は手袋に包まれた五指を握る。
 そして、
「リア充は、爆破する!!!」
 地面を打撃した。
 しっとの念のこめられた威力は凄まじく、一瞬で大通りにクレーターが生まれた。
その衝撃もまた激しい。
 エキリは、乗騎を操ってジョディの前に飛び出すと、衝撃波の全てを受け止めた。自分はともかく、ジョディには痛い思いはさせたくない。
「これが親心って奴か?」
「じゃあ私のは子ども心?」
 無事で済んだジョディは、自分の体力を矢に変えると、傷ついたエキリを治療した。
 高速で復活したエキリは、ジョディに礼を告げると、怪人をかじりにかかった。
 がぶり、と。頭から。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドアクローザ・バックチェック
リア充を爆破……怪人はこの手の恨みを持っているやつが多い気がする。気のせいだろうか。
怪人には出会いがないのか? 怪人は男ばかりなのか? というかこいつは男なのか?
確かめてみよう。

奴が爆破予告とやらをしている隙に、全力【ダッシュ】で接近し、【スライディング】で懐に入り込む。
そうしたら、奴の股間を下から蹴り上げてやろう。闘気で強化した足で、容赦なく。
大半の男性はこれがものすごく痛いらしい。奴が痛がったのなら、まあたぶん男なんだろうな。

それが分かったところでどうなるのか、というと……まあ、うん。どうにもならないのだが。ただ知りたくなっただけ、というか。
その……すまない、爆破怪人。



 なんだか怪人には『こういう』類の奴が多い、とドアクローザ・バックチェック(ケーキナイフ・f11864)は思う。
 怪人には出会いがないのか? 怪人は男ばかりなのか? ……というか、こいつそもそも男なのか?
 確かめてみよう。
 猟兵と怪人の戦いに惹かれたようで、いつの間にか周囲には、キマイラ達が集まっていた。
 ギャラリーの中に、カップルっぽい2人組を見つけた怪人は、
「そこのリア充! お前達は五秒後に爆破される!」
 戦闘中だぞ。
 しかし、爆破予告の隙に、ドアクローザは、全力疾走。
 だが、敵もさるもの、無駄に秀でた身体能力で、なかなか捕まえさせてくれない。……単に、パーソナルスペースに、他人に入り込まれるのが嫌なだけかもしれないが。
 しかし、ドアクローザの執念の方が、最終的には勝った。
 ずざざっ、とスライディングで、相手の懐に入り込む。そのまま、怪人の股間を、下から蹴り上げた。思いっきり。
「……!?!?」
 ただのキックではない。闘気で強化されている。しかも、ドアクローザの容赦という精神的リミッターも外された状態。
「…………ッ」
 すると、怪人はゆっくりとその場でうずくまり、小刻みに震えはじめた。
 ふるふる。と。
「しばらくまて」
 ドアクローザは待った。
 そして納得した。怪人がここまで痛がったのなら、男なんだろうな、と。
 だが、それが分かったところでどうなるのか?
 ……どうにもならない。
 ただ知りたくなっただけ、というか。
「その……すまない、爆破怪人」
 ドアクローザの謝罪を受けても、怪人はノーリアクションだった。
 今の怪人には、痛みが過ぎ去る事こそ、何よりの願いだったから。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

テリブル・カトラリー
……少々、取り乱していた。いかんな。
今は任務中だ。余計な思考は捨てよう。

敵の爆破予告から
情報収集で敵の爆破タイミングを見切り、
早業で【爆破工作】敵が爆破をする前に敵を爆破する。

リア充を爆破すると言っておきながら自分が爆発するとはな…
お前はリア充か?

軽く怪人のアイデンティティーを揺さぶり(破壊工作)ながら、
ダッシュ、ジャンプ、ブースターの吹き飛ばし併用で怪人に接近。
機械刀で斬り(属性攻撃)、ブースターの吹き飛ばしと怪力を使用しスクラップフィストで殴り飛ばす

どんな理由からリア充爆破なんぞしようと思ったかは知らんが、迷惑だ。



「……先ほどは、少々、取り乱したようだ。いかんな」
 テリブル・カトラリーは、自戒し、軽く頭を振った。
 今はリア充爆破怪人との戦闘任務中。余計な思考は、廃棄する。
 そう、戦闘中……なのだが。
 敵の視線は時折、別の方へと向けられる。
「リア充はっけーん!!」
 怪人は、テリブルを跳び越えると、ギャラリーたちの前に着地。
 見せつけるように手をつなぐカップルを、びしぃっと指さすと、
「お前達を爆破する! 20秒後に!」
 ちゅどおおおおおん!!
 爆発が起きた。3秒と経たないうちに。
 しかも、爆破されたのはカップルではなく……怪人その人だった。
 テリブルが、仕掛けておいた不可視の小型ロボ爆弾を機動させたのである!
「けほっ」
 もうもうと立ち込める煙の中から、怪人が現れる。
「リア充を爆破すると言っておきながら、自分が爆発するとはな……お前はリア充か?」
「ぐ、ぐああああ!?」
 テリブルの言葉は、怪人のアイデンティティを揺さぶった。精神的破壊工作。
 地面に手をつきうなだれる怪人だったが、
「この程度で心折れてて、RBなんてやってられるかあああ!」
 頭の導火線から火花を散らし、テリブルに殴り掛かる。
 ギャラリーを背に、怪人と拳を交えるテリブル。チョコレートショップの外壁を蹴って跳躍すると、同じ軌道で怪人が追って来る。
 空中で反転したテリブルは、機械刀で迎撃。
「くそっ」
 超高熱でマントを切断されながら、落下していく怪人。
 そして未だ対空状態にあるテリブルは、ブースターを起動。勢いを増した怪力の拳が、怪人を地面に叩きつけた。
「どんな理由からリア充爆破なんぞしようと思ったかは知らんが、迷惑だ」
 着地するテリブル。
 その言葉が、怪人のハートまでも切り捨てた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
……なんでだろうなあ
なんかお前ムカつくんだよ
私恋人いないんだけどなあ

UC発動
オラトリオの羽を展開
空中から【歌唱】の【衝撃波】攻撃を繰り返すよ
吹っ飛んでくれるとありがたいんですけど
男性ボーカルの恋愛ソングをしっかり歌い上げて【パフォーマンス】で意識を【誘惑】
観客が盛り上がれるような選曲でリア充アピールするか【コミュ力】

怒った攻撃は【見切り】易そうね?
第六感も合わせて避けていくよ
どうしても近づかれたら鎖で【武器受け】し【カウンター】狙うわ
常時【オーラ防御】は発動するね


(怪人からは一瞬鈴木の背後に鬼のような形相をした
オラトリオの女霊が見えるかもしれないが
きっと気のせいだろう!
凄い殺気とばしてるぞ!)



 何度猟兵の攻撃にさらされようとも。
 心折れず、爆破活動に勤しむリア充爆破怪人が、突然、蹴り飛ばされた。
 転がって行って、ゴミ箱に激突。
「……なんでだろうなあ。なんかお前ムカつくんだよ」
 蹴撃の主は、ゆっくりと足を降ろした鈴木・志乃。
 なんでだろうなあ……と、不穏を含んだ声色で、そう繰り返しながら、
「私恋人いないんだけどなあ」
「何!? な、なら一緒にリア充をばく……げふっ!?」
 懲りずに勧誘活動に勤しむ怪人が、吹き飛ばされた。
 今度は別のゴミ箱にシューッ!
 オラトリオの翼を広げ、空に浮かぶ志乃の声が、衝撃波を生んだのだ。
「いや容赦なさすぎだろ……はッ」
 頭からゴミ箱を引き抜いた怪人が、凍り付いた。
 志乃の背後に、鬼のような形相をしたオラトリオの女霊が見えたからだ。
 怪人が目をこすった後、霊は消えていた。
「気のせいか……気のせいであって欲しい……」
 そんな志乃の殺気にあてられたせいだろうか。
 RB大作戦を掲げた怪人の攻撃は、志乃にかすりもしない。
 パンチ、キックにチョップ。全てを、余裕でかわしていく志乃。
 その口から、誘惑の歌声が紡がれる。男性ボーカルの恋愛ソングだ。
 リア充を誇示するかのようなそれに、
「イラつく歌詞だあああ!!」
 怪人の頭から、火花がほとばしる。
 だが、志乃の歌声に魅了され、観客の方は、すっかり盛り上がっていた。
 歓声、手拍子。この場の空気は、志乃の味方。
「うざーい! リア充どもはすぐはしゃぎやがって……げふぁっ!?」
 すっかりアウェーとなった怪人を、志乃の衝撃波が、地面に這いつくばらせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドアクローザ・バックチェック
その、本当にすまなかった。せめての情けだ。介錯してやろう。
いや、お前はかなりできるようだから、難しいかもしれないが。何がお前をそこまで強くするのか…………そこまで問うのは野暮か。

機械太刀を構えよう。
機械、と言っても今はただの重い刀だが。そこは純粋な剣術の見せ所だ。
奴の攻撃は、体術を中心としたもののようだ。では、筋肉や重心の動きに注目して、奴の動きを先読みしよう。
奴の動作を読み、攻撃の溜めの瞬間を狙って斬る。
フェイントを入れてくるタイプには見えないが、先読みをする以上、それも警戒して戦おう。

あ、そうだ。いっそのこと男同士に目覚めるというのはどうだろうか。非リア怪人同士なら、馬が合うかもだぞ?



「その、先ほどは本当にすまなかった」
 だしぬけに、ドアクローザ・バックチェックが、怪人に陳謝した。
 返ってきたのは、怨みがましい視線……視線?
「目はどこに……」
「ここだ!」
 爆弾頭を指さす怪人。……わからない。
「ともかく、せめての情けだ。介錯してやろう」
「わかった、それなら……って非道の仕打ち!」
「いや、お前はかなりできるようだから、難しいかもしれないが」
 怪人のツッコミを受け流し、ドアクローザは、機械太刀を構えた。
「何がお前をそこまで強くするのか……そこまで問うのは野暮か」
 機械と言っても、今はただの重い刀。しかし、ドアクローザの剣術が真価を引き出す。
「修行、鍛錬、努力……そんなものは不要! 真の強さは『しっと』の心だ!!」
 刀を紙一重で交わすと、怪人のキックがくる。
 爆破という一芸重視と思われがちだが、体術も、いける。
 おそらくは、『しっと』の心が知らず知らずのうちに怪人を研鑽させていたのだろう。ただ、自覚がないだけで。
「あ、そうだ。いっそのこと男同士に目覚めるというのはどうだろうか。非リア怪人同士なら、馬が合うかもだぞ?」
「目覚めたくないわ! ってか、それ今言うこと!?」
 ツッコミながらも、敵の攻撃は重たく的確だった。
 ドアクローザは、敵の筋肉や重心の動きに注目し、先読みを試みた。
「今だ! 喰らえ!」
 地面を踏みしめる怪人。渾身の一撃が来る。
 だが、溜めの瞬間、そのタイミングこそを狙っていたドアクローザ。
 闘気に満ちた体を、高速で振る。
 そして、力強い斬撃が、怪人の胴を横薙ぎにした。
 血の代わりに、火花が噴き出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

虚戯・禊
んむ、未だにりあじゅうが良く解らないけど……。

「……お前大将首だろう?……なら、その首おいてけ」

敵大将に接近し【殺気】全開で斬りかかる、そのまま相手の動きを【見切り】確実に当てに行き動きを制限する。
そうすれば周りを気にする余裕も減らせるだろうし。

逃げようとした場合【第六感】と【野生の勘】で動きを予測して距離を離さない様にする。
出来れば葬天・刹那で首を狙おうかな?



 猟兵達によって、追い詰められたリア充爆破怪人。
 そこへ駆け付けた虚戯・禊は、そんな怪人と、しばしにらみ合いを演じていた。
(「んむ、未だにりあじゅうが良く解らないけど……」)
 彼女だの彼氏だのがいれば、とりあえず『りあじゅう』なのだろうか。だとしても、なぜそんなに嫉妬するのだろうか……。
 禊の疑問は絶えない。が、はっきりしている事はある。
「……お前大将首だろう? ……なら、その首おいてけ」
 そう宣言すると、禊は刃を抜いて斬りかかった。
 怪人の嫉妬とは別種の殺気が、怪人の体を震わせる。びりびりと。
「何だろうと、リア充の味方をする奴は爆破だ!」
 怪人の右ストレートが、来る。
 禊は、紙一重で一打をかわす。一重、と言っても、無駄のない回避の結果だ。ぎりぎり何とかかわした、というのとは、わけが違う。
 そしてカウンター。斬撃が、怪人の足を、腕に傷を刻む。挙動に支障が出るよう、きっちりとそれらの部位を狙っていく。
 余所見すればバッサリやられかねない。怪人も、全力で応じるしかなかった。
 とはいえ、怪人の体力も限界。その証拠に、導火線の火花の勢いが弱まっている。消えかけの線香花火のよう。
「リア充を爆破する前にやられてたまるか!」
 怪人のマントが、禊の視界を覆った。逃走するつもりだ。
 が、禊は、怪人の動きを予測していた。
 行く手に回り込み、至近から抜刀術を繰り出す。
 一閃。
 怪人の首が、宙を舞う。グロテスクな趣はなく、爆弾が分離したような。
「リア充死すべし!」
 頭だけになっても、最期の力で自爆するつもりか。
 だが、その直前、禊が頭を蹴り飛ばした。
 天高く舞った怪人ヘッドは……盛大な花火となって炸裂した。
 おおー、とギャラリーから歓声があがった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『キマイラキッズに囲まれた!』

POW   :    無限握手会や撮影会に、気力と根気で付き合い続ける

SPD   :    素早く逃げたり、どこかに隠れてやり過ごす

WIZ   :    口八丁でキッズの包囲から逃れる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 無事、リア充爆破怪人達を退けた猟兵達。
 ひと安心……と思いきや。
「へーすげー! 猟兵ってゆーのかー、オレ初めて見た!」
「かっけー! さっきの爆弾頭フルボッコにするとこめっちゃ興奮したし!」
「いやオレの方が最初から見てたし。魚ふんどし野郎と戦ってたとこから」
 キッズだ。
 元気爆発、キマイラキッズだ。
 ギャラリーの中に混じっていたキマイラの子ども達が、猟兵の活躍に興奮して集まって来たのだ。
 未来ある子ども達を守る事が出来たのは僥倖。それに、自分達の努力がこうして認められるというのは、悪い気はしない。
 だが……。
「オレと握手して握手!」
「記念写真撮ろーぜ!」
「今から動画配信するから、ゲストで出てよ!」
 リクエストの嵐。
 しかも数が多い。少子化と無縁なのかキマイラフューチャー、って思うくらい。
 子ども達の要望を断るのは、しのびない。だが猟兵にはやる事がある。色々。
 適当に付き合ってあげるもよし。涙を呑んで逃走するもよし。
 あるいは、良い感じの言い訳……もとい言い回しで、キッズの前から颯爽と去るもよし。
 とにかく、キッズ達から逃れ、一件落着を迎えるのが、最後の任務である。
 帰るまでが、猟兵の戦いです。
ドアクローザ・バックチェック
キマイラの子どもたちは相変わらずだな。元気が良い。
付き合ってやりたいのは山々だが、ちょっとでも譲歩すれば、怪人を倒すよりも苦労する羽目になるのは確実。
すまないが、これにて御免、だ。

スカイステッパーで上方向に逃げるぞ。とりあえずビルの屋上あたりまで飛んで、そこからは建物から建物へ飛び移るようにして去って行こう。

許せ、子どもたち…………。
……何か、あれだな。私が子どものころに好きだったヒーローと、同じことやってるな、私。



「ねー、さっきの剣見せてくれよ!」
「何か切って見せて! 配信するから!!」
 キマイラキッズに囲まれるドアクローザ・バックチェック。皆、目がきらきらしている。好奇心の化身。
「キマイラの子どもたちは相変わらずだな。元気が良い」
 自身もキマイラであるドアクローザも内心、微笑ましさを覚える。
 キッズに付き合ってやること自体には、異論はない。だが、少しでも応じてしまったが最後。怪人を倒すよりも苦労する羽目に陥るのは、確実だ。
 ゆえに、
「すまないが、これにて御免、だ」
 そう言い残すと、ドアクローザは、虚空を蹴って上方へとジャンプを披露した。
 華麗な技に、キッズ達から歓声が上がる。
「何それ、すげえー!」
「って、おい猟兵逃げんなー!」
 ビルの屋上までたどりついたドアクローザに、キッズの声が飛んでくる。
 それどころか、地上を走り、自分の方を追いかけてくる。執念深い……というのとは違うか。自分の欲求に正直なだけなのだ。
 建物から建物へ。悠々跳躍して、風のように去らんとするドアクローザ。
「待ってよー! 握手、握手してよー!」
「許せ、子どもたち……」
 懇願の声を背に受けて、ドアクローザは若干断腸の思いで、キッズを振り払うように跳躍を続ける。
 さすがに、猟兵の身体能力にはかなうはずもなく。みるみる、キッズの声が遠くなっていく。姿は、とっくに見えなくなっている。
 不意に、自分が剣の道を志した頃の事が、脳裏をよぎる。
「……何か、あれだな。私が子どものころに好きだったヒーローと、同じことやってるな、私」
 すっかり声も聞こえなくなったキッズ達が、ドアクローザをそんな感慨に浸らせたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

虚戯・禊
ん……ちみっこか……。

とりあえず【目立たない】様に気配を薄めて隅っこに移動。
そしたら【迷彩】込みで存在を限りなく薄めたらりあじゅうについて考えつつ、他の猟兵達の様子を眺めようかな。

ついでに、自分に気付いたちみっこが居たらそのちみっこの相手をしよう。

しかし、自分みたいな影薄くした無口無表情のちみっこ相手にする奴居るのかね?


鈴木・志乃
アドリブ絡み大歓迎
【POW】

慣れてます(状況が楽しい+ヤケになってる)
私キマFがホームグラウンドですし
配信者やってますし
(ぶっちゃけ疲れてるが自分で自分を偽るの大事)

何とか自分の得意なフィールドに持ち込まないと!(必死)
私が歌ってたの見てるはずだから、そのまま歌う流れに持ち込みたい【歌唱】
音楽プレイヤーにこの世界の戦隊とか魔法少女バトルとかのOPEDは
入ってるんだからな!!【コミュ力】
(特に戦隊物は得意な音域な上自身の声量が半端ない為かなり【パフォーマンス】できる)
さ、皆歌おう、踊ろう!
(超面白がって頑張って賑やかすし、のらせようとする【誘惑】)

上手くいけばそのままライブ状態にしてしまえ



 なんかちょっと大変な集まりになっている一角。
 大変の原因であるキマイラキッズに、鈴木・志乃も囲まれていた。
「慣れてます。慣れてますよ」
 自分に言い聞かせるように、志乃はそう繰り返す。
 まあ、志乃はキマイラフューチャーがホームだし、配信者をやっているというのもある。この程度の騒がしさ、何のことはない、日常茶飯事レベル……。
 ……ぶっちゃけよう。志乃は怪人との戦いでお疲れモード。賑やかで騒がしいこの状況がなんだか楽しいのが半分、ヤケになってるのが半分。自分で自分を偽るのも、時には大事だ。
 ……いや今の状況の何がよくないって、キッズのペースなのがよくない。自分の得意なフィールドに持ち込まないと!
 そんな風に賑やかなキマイラキッズを、虚戯・禊は無表情で眺めていた。
 既にその姿は、目立たないよう、気配を薄めてある。更に、迷彩で存在をますます希薄なものにする。そのため、キッズ達も禊には寄りついてこない。
 すると、ばらばら、好き勝手に騒いでいたキッズたちが、一体となって盛り上がり始めた。
 ライブだ。志乃が、歌を披露し始めたのだ。
 先ほどの戦いを見ていた事もあって、キマイラ達も、志乃の歌唱力は認識済み。
 そして何より、今度は戦隊もののオープニング。キッズに合わせた選曲だ。志乃の 音楽プレイヤーには、この世界の戦隊ものや魔法少女バトルものの主題歌が、ばっちり入っている。
「おおお! この歌、俺聞いたことある!」
「ってか見てたし、このヒーロー!」
 志乃にとって、戦隊ものの楽曲は、特に得意な音域。その上、声量が半端ではないため、ベストマッチ感が強い。
「さ、皆歌おう、踊ろう!」
 間奏中にキッズを積極的にあおり、盛り上げる志乃の様子を、遠目に眺める禊。『りあじゅう』というものについて考えつつ。オブリビオンすら目の敵にする『りあじゅう』とは一体どんな概念だというのか……。
「次の曲、行くよ!!」
 自分のペースに巻き込んでしまえば、こちらのもの。
 志乃自身、面白がってキッズやギャラリー達にアピールし、場を盛り上げる。
 コール&レスポンス。すっかり街はライブ会場。楽しく賑やかな事が好きなキマイラ達にとって、ご褒美以外の何ものでもない。
 その様子を見届け、す~……と音もなく賑わいから離れていく禊。
「……ん」
 不意に、禊は、視線を感じた。
 他のキッズの輪から離れ、1人立つ少女。真っ直ぐ禊を見上げている。
(「ん……ちみっこか……」)
 何処かはかなげというか、気弱そうな黒髪のキマイラは、そっと、何かを差し出した。
 色紙と、ペンだ。
 しばし、見つめ合う2人。
 禊は色紙とペンを手に取ると、さらり、とサインを書いた。
 どんな風にしたらいいかよくわからなかったが、サインとは、突き詰めれば、自分の名前を書くだけの行為だ。
「……どうぞ」
 すっ、と禊が色紙とペンを返すと、少女は胸に大事そうに抱きかかえ、
「ありがとう」
 小さな声でお礼を言って、たたたっ、と駆けて行った。
 自分を相手にするちみっこもいるとは、と禊は思った。いや、リア充爆破怪人にとどめをさしたのは、他ならぬ禊である。
 その背後では、志乃とキマイラキッズ達の歌が、響き続けている。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジョディ・アリゲータ
「見事に退治されたねぇ」
最初の攻撃の後、他の猟兵たちの連係プレイを眺めている形になったので、出だしの囲まれ具合は平穏かな?
「親心、親心かぁ……へへへ、お父さんがいたら、こんな感じなのかなー?」
さっきの戦闘の時の会話を思い出して、ちょっと嬉しくなる……んだけど、エキリんの方はちょっと不満っぽい?
「えっと……」(何といえばいいのか悩んでいるうちにキマイラキッズに見つかる)
「え、銅が背信!? え、わ、何、これでいいの?」
(ダークセイヴァーから出てきたばかりで、近代的な物は良く知らないので混乱しつつ、子供たちの要望に応える)


エキリ・ナーガクーガ
「倒せたなら良し。ジョディ、怪我ないか?」(最初は笑ってジョディの様子を見る)
話していないが、彼女の両親の事は知ってる。だから……父親に、あのロクデナシに、例えられるのは物凄く不本意。
「それはどーかね」(不満が顔に出る)
キマイラの子供たちがこっちに気付いたら、
「よし、クレープ買って来てやる。あと、ティラノサウルスも置いてくから、頑張れ」(笑顔でジョディの背中を押す)
キマイラの子供連中なら危ない事ないだろうし、ジョディとティラノライドを囮に逃げ…いやいや、一足先に買い物してくるな。(機嫌は元通り良くなっている)



 他の猟兵が、キッズの興味を惹いてくれている間に、エキリ・ナーガクーガは、ジョディ・アリゲータの様子を確かめた。
 落着した事もあって、エキリの顔には、笑みが浮かんでいる。
「ジョディ、怪我ないか?」
「うん、大丈夫。それにしても、見事に退治されたねぇ」
 ジョディも心穏やかに答える。というのも、あれだ。
 ボスであるリア充爆破怪人に、真っ先に攻撃を仕掛けたのは自分達だが、その後は、他の猟兵たちの連係プレイを眺めている形になった。よって、囲まれ具合も大した事ないだろう。そんな読みがあるからだ。
 ふと、さっきの戦闘の時の会話を思い出し、ジョディは嬉しそうな笑みをこぼした。
「親心、親心かぁ……へへへ、お父さんがいたら、こんな感じなのかなー?」
「それはどーかね」
 だが、エキリは、ちょっと不満げな様子だ。
 ジョディには話していないが、エキリも、彼女の両親の事は知っている。だから、父親に……あのロクデナシに例えられるのは、正直、物凄く不本意だったりする。
「えっと……」
 どう言えばいいだろう。
 笑顔から一転、不機嫌に変わったエキリへと、ジョディが言葉を探しているうちに、
「あ、さっき恐竜出してたオッサン達だっ!」
 キマイラキッズが、2人に気づいた。
 やばい囲まれた。
 かたやヤドリガミ、かたやダークセイヴァーのダンピール。キマイラフューチャーのノリには不慣れな所がある2人にも、わかる。こいつはやばい。面倒の匂いがぷんぷんする。
「よし、わかった」
 ずいっ、とエキリがジョディの前に出た。何だか頼もしく見えるのは気のせいだろうか?
 結論から言えば気のせいだった。
 エキリは、ジョディの背中を押した。キッズの前に。
「え、ちょっと、エキりん?」
「クレープ買って来てやる。あと、ティラノサウルスも置いてくから、頑張れ」
 笑顔で気前のいい事を喋って片目を閉じてみせると、エキリは、どーん、とティラノを召喚した。
「でっけー!」
「乗っていい?」
「撮っていい?」
「いいぞいいぞ」
 キッズは、早速ティラノに夢中。キマイラの子供連中なら、危ない事もないだろう。
「それじゃあちょっと逃げ……いやいや、一足先に買い物してくるな」
 その隙に、エキリは脱兎のごとく逃げ出した。
「ちょっ、もう、クレープは一番高いのにしてよ!?」
 ジョディの悲鳴めいたリクエストを聞く頃には、エキリの機嫌は、元通りになっていたのだった。
 ……が、ジョディの受難はここからが本番だ。
「ほらこっちこっち! このカメラに目線ちょうだい!」
「え、銅が背信!? え、わ、何、これでいいの?」
 ダークセイヴァーから出てきたばかりで、近代的な物の事は良く知らない。
 わたわた混乱しつつも、キッズの要望に、素直に応えていくジョディ。そしてティラノ。
 結構ウケが良かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テリブル・カトラリー
ぐ、もしやヴェルタール氏が最後棒読みだったのはこれを予想しての事か…?
(恥ずかしいし)逃げたいが、私の図体で無理矢理逃げたら子供達を傷つけてしまわない
だろうか…いやしかし…

判断に迷い逃げるタイミングを失い、諦める。

…仕方ない。1時間だ。1時間だけ、付き合おう。

はぁ…戦い以外できる事など、対してないのだが…どうしたものか…
ん?戦い…そうだ。

両腕を大型の戦争腕に換装。

ほら、場所をあけろ。
握手も写真も動画撮影もしてやれないが、
手に乗って持ちあげるぐらいなら良い。

あ、無理に乗ろうとするな、危ない。
順番に数人ずつだ。全員乗せてやるから…

こういうのは、時間を忘れるから困る。



 テリブル・カトラリーは、ピンチに陥っていた。
 まさかその相手がキマイラキッズだとは、倒されたオブリビオン達もびっくり。
「ぐ、もしやヴェルタール氏が最後棒読みだったのはこれを予想しての事か……?」
 気づいた時には、既に当事者。キッズの好奇の視線が痛い。
 逃げたい。……恥ずかしいし。
 だが、テリブルは2メートル超過の巨躯。傍に寄られた今の状態で無理矢理逃げたら、うっかり、子供達を傷つけてしまわないか。
 かといって、ここにとどまっているわけにも……。
 などと思考している間に、キッズ包囲網は完成されていた。
 数多の戦場をくぐり抜けてきたテリブルすら判断に迷う。キッズおそるべし。
「……仕方ない」
 テリブルは人差し指を立てると、
「1時間だ。1時間だけ、付き合おう」
 キッズ、拍手喝采。
「はぁ……とはいえ、戦い以外できる事など、大してないのだが……」
 戦い……そうだ。
 テリブルはおもむろに両腕を、大型の戦争腕に換装した。
「ほら、場所をあけろ。握手も写真も動画撮影もしてやれないが、手に乗って持ちあげるぐらいなら良い」
「よっしゃあ! じゃあオレー! オレから!」
「おい、ボクの方が先だったぞ!」
 握手会ならぬ猟兵に乗る会が始まった。が、なにぶん、キッズのする事だ。ルールも何もあったものではない。
「あ、無理に乗ろうとするな、危ない」
 我先にと殺到するキッズをなだめるテリブル。体を優しく支えながら。
「順番に数人ずつだ。全員乗せてやるから……」
「たかーい!」
 何やかんやで一番乗りになった女の子が、歓声を上げる。
 キッズの無邪気な笑顔と笑い声。
 こういうのは時間を忘れるから困る、とテリブルは思った。
 テリブルがこの場を後にしたのは、1時間を大分過ぎてからだった。

 かくして、怪人どもの引き起こしたRB騒動は、無事、終結した。
 キマイラ達の賑やかな日々は、続いていく。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年03月01日


挿絵イラスト