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星空の花梅

#サムライエンパイア #ぶんちょうさま #『妖狐』明日香

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#サムライエンパイア
#ぶんちょうさま
#『妖狐』明日香


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●とある梅林。
 とめどなく湧きだす温水からもくもくと湯気がたちこめあたりを包む。赤、白、黄色の梅が咲きほこり、香ばしい爽やかな香りがあたりに漂う、のどかな山中の温泉と梅林。
 されどその平穏を引き裂く鳥の鳴き声が響きわたる。

 チイチイ! ピィッピピピピピ!
 チチッ! ピイーッ! ピイーッ!

 道端の茂みに枝葉を集めた小山がひとつ。
 白い小鳥が顔を出したり、潜ったり、何かを探してうろうろ、うろうろ……。長らくの間繰り返したが、目当てのものは見つかる気配がなく――。

●グリモアベース
「サムライエンパイアでのお仕事を紹介するっす! 手すきな猟兵さんはいないっすか?」
 グリモアベースに香神乃・饗の威勢良い声が響く。戦争中でもオブリビオンの侵攻はとまらない、スペースシップワールド以外の世界でも猟兵の力は必要とされているのだ。

 山中の梅林のなか、地元の人が愛用している小さい温泉があるという。その温泉に通じる山道に白い小鳥の姿をした『ぶんちょうさま』と呼ばれるオブリビオンが複数出現し威嚇しているところが見えた。
「巣のようなものも見えたっすから、ちょっと前から住み着いていたのかもしれないっす。でも、なんで今になって凶暴化したんっすかね?」
 事情はわからないっすと眉をひそめて香神乃は言う。現地にいけば何かわかるかもしれない。
「見た目はかわいい鳥なんっすけど、オブリビオンには違いないっす。だいぶ気がたってるっすから、油断しないで討ち取ってきて欲しいっす。」
 戦場に到着するのは昼頃になる。
 山道は昼間は人通りが無いが、夕方になれば地元の人が温泉に入りにくる可能性もある。手早く倒さないと巻き込むかもしれない。

「そこの温泉、良い景色みたいっす! 仕事が終わったらひとっ風呂どうっすか?」
 今は蝋梅と紅白の梅が楽しめる絶好の季節だ。満天の星空とともに広がる梅林は、さぞ幻想的な眺めになるだろう。
「小さな温泉っすから混浴っす、異性に見られても良い格好で入って欲しいっす。もちろん、破廉恥なことはしちゃダメっすからね!」
 ビシッと指をつきだして念押しをする。温泉に入るには湯着や水着の着用が必須だ。
 温泉に入らず星空や梅林を見ながらくつろいでもいいだろう。
 山の麓にある茶屋では、梅の名がつく酒や梅の花を浮かべた甘酒、飴湯も提供されている。温泉にはいる夜には営業を終えているのだが、夕方のうちに買いおきをし、温泉に持ち込んでも良いかもしれない。

 ここまで説明した香神乃は、ぱん! と両手をあわせ梅のグリモアを発動させる。
「じゃあ、ご案内するっす! 猟兵さん、どーんとお願いするっす!」


ごは
 戦争中ですが今を逃すと来年までご案内できませんので、今年の梅の話をお届けします。

 第一章:集団戦、第二章:ボス戦闘、第三章:温泉です。プレイングは全て採用する予定ですが、公序良俗に反するものは不採用にします。ご了承ください。

 最初にいただいたプレイングが返却されないように執筆を始めます。
 マスターページ、もしくはツイッターで日時を告知しますので参考にご覧になってください。

 チームで参加したい場合は【グループ名】もしくは【相手の呼び名・fから始まるID】を冒頭にご記入ください。

 皆さまのプレイングをお待ちしています。宜しくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『ぶんちょうさま』

POW   :    文鳥三種目白押し
【白文鳥】【桜文鳥】【シナモン文鳥】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    文鳥の海
【沢山の文鳥】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    魅惑の視線
【つぶらな瞳】を向けた対象に、【嘴】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ノイシュ・ユコスティア
【はんなり】
【メリナ・f13268】と参加。

【SPD】能力を使う。
ぶんちょうさま→敵 と略す。
「かわいいけど、オブリビオンには違いない。
油断は禁物だよ、メリナ。」

視認できる範囲で、複数の敵を同時に攻撃できる位置に布陣。
メリナの少し前に立つ。

千里眼射ちで攻撃するが、タイミングが合わなければロングボウで2回攻撃。

敵の攻撃で文鳥が放たれたら、すべてを撃ち落とす勢いで千里眼射ち。
「狩猟は楽しいなぁ~。」

つぶらな瞳を向けられたら「かわいいっ」と油断しそうになるが、持ちこたえる。
「この鳥を焼き鳥にして食べたら美味しそうだな~。」
「戦闘後の楽しみのために、今は集中だ!」
メリナに攻撃が来たらできるだけ庇う。


メリナ・ローズベル
旅団【はんなり】で参加
【ノイシュ・ユコスティア・f12684】と一緒

そんなに行きたいのなら一緒に行ってもいいわ
(花見は楽しみ)

ぶんちょうさま、かわいいわ
もふもふしたい
…わかったよ、戦えばいいんでしょ?

私はノイシュさんの近くに立って、彼が攻撃した敵を狙う
私の矢のほうが強いじゃない
焼き鳥にしてあげるわ!

ぶんちょうさまの攻撃に対してはオーラ防御を試す
飛んでくる文鳥は避ける

動きがかわいくて見とれる
(羽毛まみれね…、痛いのに何だか幸せ…?)
油断したとでも思った?

使用武器はウィザードロッド
ノイシュは偶然知り合って行動を共にする人
素直になれないが気になってはいる



 旅団『はんなり』のメリナ・ローズベル(紅い花・f13268)はノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)に頼まれ梅林に足を運ぶことにした。
「そんなに行きたいのなら一緒に行ってもいいわ」
言葉とは裏腹にメリナの足取りは軽い、植物好きの彼女にとっては梅林はとても興味深いもの。
「うん、こんなところまでつきあってくれてありがとうなんだよ~」
ノイシュは長年の付き合いからメリナの好みを知っていた。だが、普通に誘っても素直についてこないのは解りきっている、こう言うように仕向けたのである。
そうこうしながら山道を進むと、茂みからぴょこぴょこ! とぶんちょうさまたちがが顔を覗かせ、チィチィ! チィチィ! と威嚇するように鳴く。

「ぶんちょうさま、かわいいわ。もふもふしたい」
「かわいいけど、オブリビオンには違いない。油断は禁物だよ、メリナ」
エメラルドの目を輝かせ近寄ろうとするメリアを静止するようノイシュは出し手を差し出す。
「……わかったよ、戦えばいいんでしょ?」
つんと拗ね、メリナはウィザードロッドを構える。

2人の敵意を読み取ったのか、ぶんちょうさまもと警戒するよう低い声で鳴き、飛び掛ってきた。
「(距離は十分、山道の真ん中なら視界を遮るものもない、複数の敵を同時に狙える位置取り――だが、狙っている時間はない)」
経験則からおかれた状況を即座に把握し、ロングボウに2本の矢をつがえ、放つ。1体が地に落ち、もう1体は命中したものの、浅い。続けざまに射ろうと狙いを定めた、そこに――炎の花が咲く。
「私の矢のほうが強いじゃない、焼き鳥にしてあげるわ!」
「もふもふしたいんじゃなかったのかな、次がくるよ~」
強気な声に、からかい声、矢が貫き、残りを炎の矢が刈り取る。次々と討ちとられる同胞に、勝ち目が無いと踏んだのか、ぶんちょうさまは一箇所に集まってもこもこし始める。
「チィィチィチィーー!!」
ぽこん! ぽこん! と見る間にぶんちょうさまは増え、羽毛の山ができあがり、2人をおしつぶすように雪崩れてくる。

ドドドドドドドドドドドドドドッ! ――矢の雨が降る。

「狩猟は楽しいなぁ~」
ぶんちょうさまが分裂して射る間に狙い済ましていたのだ。ノイシュの放った無数の矢が波を大きく削り取る。
僅かに残った小波が2人に迫る――ぶわり、紅薔薇の花弁が嵐となし残りの波を打ち払う。メリナの纏うオーラだ。
「油断は禁物よ?」背に声をかけると、「油断はしてないよ~」かえってくる。護る心積もりで少し前に立つノイシュを、寄り添うようメリナが支える。連れそう2人の阿吽の呼吸だ。

「チィ……チィ……。」
大多数を討ち取られたぶんちょうさまは、つぶらなひとみでみつめてくる。きらきら輝く瞳は「もういじめないで」と訴えかけるよう。
「かわいいっ」
思わず攻撃の手をとめ、ぶんちょうさまを見つめる。否、見つめさせられる。
「ピピピ! チイ!」
攻撃開始! といわんばかりに、ぶんちょうさまは2人に群がり、つんつん! もふもふ! チィチィ!
「(羽毛まみれね…、痛いのに何だか幸せ……?)」
羽毛と嘴が2人の全身をうつ。メリナは手で顔を庇いながら、ちゃっかりもふもふ羽毛の感触を堪能していた。
「この鳥を焼き鳥にして食べたら美味しそうだな~」
「こんどはあなたが食べる気なのね?」
いつもと変わらない穏やかな声に、笑いを堪えるようにメリナが返す。
「戦闘後の楽しみのために、今は集中だ!」
「油断したとでも思った?」
薔薇の花弁が群がるぶんちょうさまを吹き飛ばす。正気に戻った2人がぶんちょうさまを全て討ち取るまで、あともう少しかかるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
戦争中だってのに
どこの世界も容赦ないよなあ
しゃあなし、行くしかない
可愛いのにねえ……

そこら辺に落ちてる砂利とか砂とか拾っておいて
接近された所を鎖で【武器受け】し、【オーラ防御】で防ぎながら目潰ししますか
UCでも目潰し出来るかなあ?【カウンター】
視界の撹乱も狙っていくね

視界が悪くなったら当然、次に便りにするのは音
わざと地面で音を立てて移動し敵を【誘惑】
自分の有利な場所に移動させたら空を飛んで空から毒を塗った鎖で攻撃【毒使い】

音に過敏になった耳に
マイクでトドメの【衝撃波】攻撃だよ


今の時期に現れた君が悪い
本当に、私達には時間がないんだから


アルファ・ユニ
…待って、これはだめだよ。こんな可愛い鳥さんを倒さなきゃいけないの?
でも温泉荒らしてるんだよね。害悪なら、倒さないと。

せめて痛みなく葬ってあげよう。音銃クラハライツから鳥の集団に【壊感音波】を放つ。痛覚ごと五感を奪って行動不能にし、高圧電流を纏ったトンファーで一体ずつ仕留めていこう。

一緒に戦ってる猟兵さんは、音波を発している時耳を塞いでね?


目面・真
アレを退治する、のか?
いくらなんでも鳥を退治するくらいならオレ達猟兵の役目ではナイと思うが。

まずは様子見だな。普通の鳥という疑念が拭い去られるまでは手が出せない。
アレは文鳥と言うのか。カワイイな。
と、眺めている場合ではナイか。一応油断をせずに対処しよう。残像、見切り、フェイントあたりは使えるだろう。山道で林の中、という事も忘れないでおかないとな。
こんなところで大太刀を振り回すわけにもいかないので、鉄扇で対処しよう。閉じた状態で振るので小回りも利くからな。衝撃波技能で広範囲にも使えるだろう。
文鳥も翼を叩いてしまえば飛べなくなろう。一羽ずつ丁寧に叩いて、トドメは剣刃一閃だ。剣ではナイがな。



「戦争中だってのに、どこの世界も容赦ないよなあ。しゃあなし、行くしかない。」
 正義の味方は忙しい。ぶつぶつ漏らしながら、鈴木・志乃(ブラック・f12101)は時折屈み何かを拾いながら、山道を歩いていた。説明があった辺りにさしかると、チィチィ! チィチィ! と威嚇するような鳴き声が聞こえてきた。ぶんちょうさまだ。
 ぴょこ! ぴょこ! 茂みから顔を覗かせた白い鳥は猟兵たちの姿を見るなり体当たりを仕掛けてきた。あるものは勘に頼ってかわし、またあるものは残像が残るほど己の気配を色濃く発して逃れる。
「……待って、これはだめだよ。こんな可愛い鳥さんを倒さなきゃいけないの?」
 アルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)は、疑念を示す。
「可愛いのにねえ……」
「アレを退治する、のか? いくらなんでも鳥を退治するくらいならオレ達猟兵の役目ではナイと思うが」
 志乃も口ごもり、目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)もむやみに小動物を手にかけては武士道に背くと戸惑いを示す。
「でも温泉荒らしてるんだよね。害悪なら、倒さないと。」
 ユニは思いなおして冷静に言い放つ。
 そう、見かけは鳥だがオブリビオンには違いない、ほうっておけば未来を喰らってしまう。世界の崩壊をとめられるのは猟兵たちだけなのだ。猟兵たちは意を決し攻勢に転じる。

 まず動いたのは志乃だ。ぶんちょうさまの体当たりを身に纏った光の鎖と己の体から発する気の力で軽減しながら、マイクを構えカウンターの一撃となる一節を紡いだ。ぶんちょうさまが近づいてくるのを待っていた志乃にとっては今が絶好の機会だ。
「また、海で会う日まで」
 マイクからマーガレットの花弁があふれ出す。手元に用意していた砂をあわせて巻きあげぶんちょうさまの群れに吹き付ける。
「チ! チ!」
 ぱたぱたたた! 目標を見失ったぶんちょうさまは縦横無尽に飛び回る。花弁と砂に目を潰されたのかもしれない。
「(視界が悪くなったら当然、次に便りにするのは音)ついてきなさい、ぶんちょうさま!」
 鎖を引きずりじゃりじゃりと音をたて移動すると、音を目指してぶんちょうさまが群がりなだれ込む、志乃を押しつぶしたかのように見えたが――純白の大翼が空に舞う。志乃は翼を広げられる広さがある場所に移動していたのだ。空から鎖でなぎ払うと、ぶんちょうさまの一山が仕込まれた毒にのまれてぴりぴり痙攣した。

「チィチィ! ピピピィ!」
「チィッチィッ!」
 毒の範囲から逃れていたぶんちょうさまが、もこもこ集まり呼びかけると、ぽん! ぽん! と桃色とシナモン色のぶんちょうさまが現れる。ぶんちょうさまはなかまをよんだようだ。
「チイーーーー!!」
 とつげきー! と、いわんばかりに桃、シナモンにくわえ白のぶんちょうさまの群れが猟兵たちに向かいくる。

「眺めている場合ではナイか」
 ぶんちょうさまがユーベルコードを使い仲間を呼ぶのを目にした真は即座に攻勢に転じた。武士としての誇りを貫く為、オブリビオンであると確信できるまで様子を見ていたのだ。志乃を護るよう前に立ちふさがる。
 山道という非常に狭い地形ではあるが真ほどの技前ならそれをものともせず大太刀をふるうこともできる。だが、小振りな鉄扇のほうが周りを気にせず立ち回れると考え、手にした鉄扇を閉じて構える。超硬金属製の骨は刀の強度にもとどく、打撃力は十分すぎるものだ。
「(翼を叩いてしまえば飛べなくなろう。)」
 鳥の弱点にめぼしをつけ翼を割るように叩く、刀の刃を返すように扇子を翻しもう一閃。先陣をきって飛び込んできた桃色一羽を紅二羽に染め上げる。
 ――と、同時に背筋にゾクリと寒気が走り、鉄扇を握る手の感覚が鈍るのを感じた。直感的に次に迫るシナモンと白を闘志を囮にして像を残し避け、間合いをとりなおす。
「(命中した者の力をそぐ、これがぶんちょうさまの狙いか)」
 油断せず敵の技を見切っていた真だからこそ目的に気づけたのだ。「面白いな」と無意識の間に呟いていた、鳥の見かけによらぬ習性に手ごたえを感じたのだろうか。残り2体が全て命中した場合に何が起きるのかは試す気にはならないが、――ならば。
 体勢を立て直して向かってくるぶんちょうさまの群れに駆け込み駆け抜けながら丸ごと全てを斬るよう大振りに扇子をふりぬく。
 閃光が走り衝撃波が突き抜ける、シナモンとそのあとに続く白の群れごと二つに割れた。

 猟兵たちの活躍でほとんどのぶんちょうさまは討ち取れたのだがまだ群れて襲い来る。ただ、目標を見失うような惑い飛ぶふうにも見受けられた。
「(最初の一撃の効果は続いてるのかな、それなら音に過敏になっているのかもしれない)」
 志乃はマイク『魂の呼び声』を構え、ユニに目くばせをする。
「猟兵さん、耳を塞いで。」
 意図を汲み取ったユニは音銃『クラハライツ』の設定を自分以外の周辺に向くよう調整し、トリガーに指をかける。ヒュオンと息を吸い込む様な起動音、その旋律に世界は従い天変地異をも発生させるというシンフォニアの力を宿す銃の力を開放する。自然音しか発生しないこの空間なら、音を遮るものはなにもない。
「失え、全てを。――◎△$♪△$♪×¥●&●&%#¢%#¢×¥£%#&□△£%◆■ッッ……!!!」
「今日もげんきにいっくぞおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああ!!!!!」

 名状しがたき冷たい異音と志乃のよく響く熱い声が、ぶんちょうさまに押し寄せ飲み込む。
 脳を混ぜ、中枢を貫き、痛覚を奪い、正常を異常に変える。
「チチョ……?」
 ぶんちょうさまはぴたりと動きをとめ、ぼとぼとと地に落ちる。ぴくぴくと痙攣しているものの、再び飛び立つ気配はない。唐突にふりかかった災難を理解すらできていないかもしれない。
「せめて痛みなく葬ってあげよう」
 ユニは物悲しげに瞳を揺らしながら、まだ息のあるものを高圧電流を纏ったトンファーで1体づつ丁寧に躯の海に還していった。
「今の時期に現れた君が悪い、本当に、私達には時間がないんだから」
 志乃の声が届いたかは、誰も知らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月藤・紫衣
文鳥も、大きくなる時勢なのですね。梅の香りがして、景色も素晴らしいところですから、居着いてしまったのでしょう。
それにしても、何故急に暴れだしたのでしょうか?
文鳥の動きから、何かしら【情報収集】出来れば、今後に活かせそうです。

ともかく、今はあの文鳥を退治せねばなりませんね。
……見目は可愛らしいので少し罪悪感もありますが。

ふむ…どうやら、あの文鳥が主に攻撃するというわけではなさそうですね。
沢山現れる文鳥達の方が厄介そうです。
【満月夜に歌え、藤花のように】で他の猟兵方も含めて戦闘力を強化します。
【見切り】【残像】で攻撃をかわしつつ、隙をみて【なぎ払い】ましょう。


鳴北・誉人
やべェ…いやもう、…やべェ!!
可愛すぎんだろ…!
このナリでオブリビオン?ズルすぎじゃない!?
触れンなら触ってみてェな…やらかそう…!(そわ
でも戦闘は真剣にする、惑わされない!(言い聞かせ

鳥どもへの思いのたけを叫び声(人狼咆哮)でぶつけるぜ、だってこの可愛さは言葉にできねェからな!
向かってくるヤツは刀で斬りつけ、2回攻撃で追い打ち
俺の残像に鳥どもが攻撃しちまうくらい素早く躱す

この先の温泉に興味あるんだ
てめえらと遊びてェが、敵だから倒さねェと
「斬りたくねェ…!けど、うああ!(葛藤」
でも、悪ィことすンなら懲らしめッからな

突然凶暴化したみてえだが…
なんだろうな…産卵?それか梅の香りにでも当てられたか?


クルル・ハンドゥーレ
う、ううう…
なんてきょうあくなてき…
オブリビオンのかつてないおそろしさに、わたしはいませんりつしている!

なあ、これ倒さなあかんの?
いや、わかってんねんけど!けどね!
ほぼ半泣きになりながら武器を振るう
こんな見た目でこられたらほんまきついわー
これも作戦の一部やったら怖いわ
…これからの行動に関して一考の余地あり案件かなあ


WIZ
敵攻撃には見切りと武器受けで対応しつつ
(いーやー、そんな目で見んといてー!って、つつくん痛い、痛い!
範囲攻撃+マヒ攻撃乗せた薙刀でUC幻月夜行発動、複数迎撃
特に強力な個体は合体炎で攻撃

他の猟兵攻撃しやすいよう毒使いとマヒ攻撃で敵能力削りサポート



 山道脇の梅林には色とりどりの梅が咲き誇り、爽やかな香りが鼻をくすぐる。
「文鳥も、大きくなる時勢なのですね。梅の香りがして、景色も素晴らしいところですから、居着いてしまったのでしょう」
 月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)は、味わうようのんびりと景色を眺めていた。
「それにしても、何故急に暴れだしたのでしょうか?」
 現場に行けば何かわかるかもしれないと聞いている、ぶんちょうさまの動きを見れば気づきがあるかもしれない。
「(情報を集めてみましょうか)」
 脳内で作戦を練り整理をしていると、説明を受けた茂み辺りにさしかかった。

「あ?」
 鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)ざわつく音に反射的にギン! と睨むと、
「チ!」
 茂みから飛び出そうとしていたぶんちょうさまたちはぴたっと固まり――とまりきれなかった数体がころころんこぼれ転がる。誉人が発する獣の気配を本能的に感じ取ったのかもしれない。つぶらなひとみでじー……っと一行をみつめ、様子を伺っている。

「やべェ……いやもう、……やべェ!! 可愛すぎんだろ……!」
 静寂を破ったのは誉人だった。
「このナリでオブリビオン? ズルすぎじゃない!?」
 目を輝かせぶんちょうさまたちをビシ! ビシ! と指さす。
「う、ううう……なんてきょうあくなてき……オブリビオンのかつてないおそろしさに、わたしはいませんりつしている!」
 クルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)も手で口元をおさえ肩を震わせながら同意を示す。
「触れンなら触ってみてェな……やらかそう……!」
 動物好きにはたまらない、ふわもこなぶんちょうさまを前にそわそわとうわつく心を隠さない、寧ろ溢れさせていた。

「ピピッ!」
「チィチィ!チチチ!」
 はっ! と気づいたぶんちょうさまが、隣のぶんちょうさまをつつく。つんつく、つんつく!
 正気を取り戻したぶんちょうさまたちは猟兵たちが悶えている間に、もっこもっこと仲間を増やし白い山を作っていた。

 可愛さに悶える面々を他所に、紫衣は群れの動きを眺め戦力を分析していた。
 鳴き声は同じ、形も同じく、見た目の個体差はほぼないと思われる。だが、時折『塊』ができる。相談、いや呼びつけるような動きだ。
 流れの中央にいる2体が周りにピィピィチィチィ指示をだしているように見える。一つの塊に指示をだし終えると群れに紛れて隠れ、また別の群れを呼びピィピィチィチィ指示をだす。
「ふむ……どうやら、あの文鳥が主に攻撃するというわけではなさそうですね。沢山現れる文鳥達の方が厄介そうです」
 核の目星はついたが数が多い。戦力を殺ぐのが先決だ。
「ともかく、今はあの文鳥を退治せねばなりませんね。……見目は可愛らしいので少し罪悪感もありますが」
 ぶんちょうさまの数は続々と増え、今にも雪崩れてきそうだ。対抗力を高めるべく、凛と咲く藤はマイクを握る。ぶんちょうさまを刺激しないよう、仲間が気づき慌てないよう、音が届く範囲を最低限に絞りひそやかに速やかに唄う。
「満ちる月に踊り咲くは藤の花、共に唄うは祝福の歌」
 微かに鈴が弾ける音が響き、猟兵の周りに光の粒が舞う。ぶんちょうさまが雪崩れくる前に間に合った。

「ピィーーーッ!」
 先手をとったのはぶんちょうさま、とつげきー! もふっ! もふっ! と体当たりをお見舞いしはじめる。

「うおおおおおおおおおおおおんっ!!!」

 感動があふれ出た。言葉を失うほどの可愛さに誉人の腹の底からこみあげてきた咆哮は強力な波動を生みぶんちょうさまたちを弾き飛ばす。
「(もう、惑わされない!)」
 ぜえはあ言いながら心を静めるよう自分に何度も言い聞かせ――深く息をはきサムライブレイドを抜き放つ。顔をひきしめ抜き身の刃のような鋭い眼光を宿しなおした誉人はぶんちょうさまを睨みつける。
「この先の温泉に興味あるんだ。てめえらと遊びてェが、敵だから倒さねェと」
 体勢を立て直したぶんちょうさまたちはまた猟兵に群がろうとする。
「同じ手は喰らわねぇ」
 先陣を振り下ろす刃で屠り、返す刀でもう1体。野生的な荒々しさが垣間見える連撃が白の群れを喰らう――が、相手の数が多い。刃をかいくぐり嘴がふりそそぐ。
「チィ?」
「ピピピ?ピィ?」
 そこに誉人は居なかった、神がかった速さで避けた誉人の像が目に焼きついていたのだ。ぶんちょうさまがそれを理解する頃、背後に忍び寄った誉人の刃が群れを喰らい尽くすのであった。

「なあ、これ倒さなあかんの? いや、わかってんねんけど! けどね! こんな見た目でこられたらほんまきついわー」
 自問自答するクルルはほぼ半泣きになりながら薙刀を振るう。言葉とは裏腹に無慈悲な刃が次々と屠る。刃に仕込んだ毒が群れを蝕み動きをとめていく。

「ピ!」
「チィ!」
「チィ!」
「チィ!」
 一山ぬけた先には、指示を出しているようなぶんちょうさまが居た。紫衣が見抜いていた力のある固体だろう。
「ピピピ!」
「チィー……、チ?」
 クルルに気づいたぶんちょうさま達はきゅと首を傾げる。つぶらな瞳に見つめられるときゅんと心が高鳴り、目が離せなくなる。

「(いーやー、そんな目で見んといてー! って、つつくん痛い、痛い!)」
 身動きがとれないクルルに群がる嘴――一陣。ルーンを刻んだ刃が翻り、白が崩れる。
「お怪我はないですか」
「おおきに。はあ、もう、これも作戦の一部やったら怖いわ」
 見たところたいした怪我もないようだ。紫衣は安堵の息をつき、クルルは肩をすくめる。
「これ以上惑わされへんよう、はよ決めてしまお」
「お願いします」
 藤の嵐が白の群れを薙ぎ、風を纏って蹴散らす。

「詠え、惑え、舞い踊れ」
 クルルは詠唱を唱えながら薙刀をぐるり回して群れを薙ぐ。夜空に輝く銀月のごとく鈍く輝く刃の円弧は白を巻き込み空に歪な銀の炎をともす。
「虚ろ月炎に」
 屠るごとに灯る炎は火力をあげ、命を喰らい灯すがごとく燃え盛る。
「――呑まれかし」
 全ての分身を消され、2体残ったぶんちょうさまを銀の大炎が呑み喰らう。ぶんちょうさまは鳴き声をあげる間もなく躯の海に消えていった。

「……これからの行動に関して一考の余地あり案件かなあ」
 ぶんちょうさまを燃やし尽くしてなお燻る炎を消しながら、クルルは大きな溜息をついた。



「突然凶暴化したみてえだが……なんだろうな……産卵? それか梅の香りにでも当てられたか?」
 首を傾げる誉人に、紫衣はぶんちょうさまが出てきた茂みをかき分けながら告げる。
「卵を産んだのかもしれませんね。2体のぶんちょうさまが指示をだしていましたから、つがいかもしれません」
 そこには枝を重ねて作った巣のようなものがあった。
 中を覗き込む。
 つがいが住んでいたのであれば、あるはずのものがない。そう、中は空っぽだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『妖狐』明日香』

POW   :    妖狐の炎
レベル×1個の【妖狐の力 】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    野生の開放
【真の妖狐の力 】に覚醒して【九尾の狐】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    スコールシザーズ
自身が装備する【鋏 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠暁・碧です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


2章OPは2月10日(日)中に掲示します。申し訳ございません、もう少しだけお時間をください。
【2月11日(月)午前8時30分】以降にお送り頂いたプレイングをリプレイに反映いたします。
「ひゃん!」
 振り返ると妖狐の娘が盛大にすっころんでいる。
「あいたたたぁ! もーー! なんでこんなところに根っこがあるかなぁ。」
 ぶつけた膝をなでながら、ぷうと膨れ悪態をつく少女は刺さるような視線に気づき振り返る。

「ひゃん!」
 猟兵たちと目があい、再び悲鳴をあげて飛び上がる。
「は!わ!わ!見つかっちゃった!小鳥ちゃんもやられちゃったから逃げるつもりだったのに。もー! 小鳥ちゃんたち弱すぎぃ」
 立ち上がり服についた泥をぱんぱんはらった妖狐はズビシと猟兵たちを指差す。
「あすかちゃんの温泉卵でデリシャスデリシャス!露天温泉独り占め計画が台無しなの。ゆるさないんだからねっ」
 無邪気に自白し不満を爆発させる。その感情の起伏に呼応するよう湧き上がった狐火が猟兵たちを取り囲む。
 こうして再び火蓋が切られた。
ノイシュ・ユコスティア
【はんなり】【メリナ・f13268】

「えっ、女の子!?
…でもオブリビオンなんだね。」
心のスイッチを切り替える。
「強敵かもしれない…、気を引き締めよう。」

敵(明日香)を視認できる範囲でなるべく遠くに布陣。
敵の死角に入るように動き回りながら矢を射つ。
2回攻撃を利用。
【POW】に対しては走ってかわせるかな?
【WIZ】で召喚された鋏は千里眼射ちで撃ち落とせるかやってみよう。
失敗したらそれは無視してひたすら敵を狙う。
「その鋏は君の趣味かい?
怖いなぁ。」

敵が逃走したら、走って回り込み攻撃する。
「逃すわけにはいかないよ。」

メリナに声をかける。
多分疲れているだろう。
「振り回してごめん。
でも、あと少しだ。」


メリナ・ローズベル
旅団【はんなり】
【ノイシュ・ユコスティア・f12684】と一緒

さっきは遊びすぎたわ…
次は真面目にやるからね!

先手を取るためにウィザードロッドを振りかざし嵐を起こす
「小鳥はあなたの仲間だったの?
かわいいペットがいてうらやまし…
何でもないわ」

ノイシュさんの近くに立つ
そんなに動き回らないで!
ついていくのが大変なのよ

鈴蘭の嵐で妖狐が召喚した炎もハサミも吹き飛ばすわ
無理ならオーラ防御
ノイシュさんに来た攻撃も庇ってあげるわ
氷の属性攻撃で炎の勢いを減らせないかしら

妖狐に
「あなたって動かないのね
私達のことが怖いの?」

ノイシュに
「疲れなんて全然感じないわ
あなたこそ平気なの?」
意地を張る


月藤・紫衣
…温泉卵?そういえばぶんちょうさまの番の巣に、あってもいいはずの物がありませんでしたね。

つかぬことをお聞きしますが、その温泉卵に使う卵はどこから用意したのでしょう?
もしや、ぶんちょうさまの番の卵なのでは?
弱肉強食、自然界でもあることではありますが、今回は流石に見過ごせませんね。

狐火と鋏が厄介です。
いっそのこと、本体ごと巻き込んでみましょうか。

【なぎ払い】【範囲攻撃】で飛んで来る攻撃を露払いしつつ【見切り】【残像】で撹乱を。
もしそれでも攻撃が当たるなら【激痛耐性】で耐えてみせます。
隙が出来れば【宵華嵐舞】で相手の攻撃ごと巻き込んでしまいたいですね。


目面・真
そうか、オマエが黒幕か。地元の民が大切にしている憩いの場を独占するとは何事か。
その浅ましき欲望の前には手加減は要らないようだな。この大太刀で斬って捨ててやろう。

相手は狐火と鋏を操るのが巧みなようだ。
フェイントと残像で攻撃をかわして、大太刀の間合いに入る隙を伺おう。
かわし切れなかったら刀で弾くが、それは最後の手段だ。
間合いに入ったら一太刀浴びせて怯ませ、トドメで剣刃一閃で袈裟懸けに斬る。

やれやれ、なぜ地元の人々に温泉を使わせてほしいと頼めなかったのだろうか。
今からでも遅くはナイぞ。オレから頼んでみようか?
温泉卵は食べられナイのでキライだが。


鈴木・志乃
【絡みアドリブ歓迎】
【声かけして連携大事にします。コミュ力、礼儀作法】

【目立たない】死角からこっそり近づいてUC発動
可能なら【オーラ防御】で炎を【スライディング】で突っ切れればより確実かもね
考えないでしょ? 炎の中から敵がやってくるなんて

【毒を塗った】鎖で捕縛して二度三度とUCぶち当てたい
攻撃を【武器受け】しながら【カウンター】狙っていく

1、炎消せ
2、これ以上燃やすな
3、鋏使うな

敵を観察し【見切り】
発する音を拾って【第六感】と共に避ける

【スライディング】と飛行で縦横無尽に逃げて敵を混乱させる
味方が攻撃しやすいように誘導したいな【誘惑】
【歌唱】の【衝撃波】でもっと引き寄せよう

皆耳塞いでね
ごめん


鳴北・誉人
アドリブ連携可

てめえが元凶か…
その卵を食うって?へええええ…
温泉も独り占め?ほおおおお…
あー、ダメだわ、あったまきた…!
てめえなら心置きなく斬れそうだわ!
また、さっきのぶんちょうみてえなのが出てきたら、どうしようかと思ったぜ
そんときゃ死んでたな…確実に、萌え死んでただろうけどなァ…

唯華月代を構え、剣刃一閃で叩っ斬る
2回攻撃でダメージを重ねて、向かってくる狐火も斬って消してやる(武器受け
回避はしない、しつこく追い回して(追跡)刀を振るうぜ

「刀の錆にしてやる――覚悟しろよ、女狐ェ!
「勝手なことぬかしてんじゃねえ!
「ひとつも可愛くねえ!
「卵返せや!

家族を奪われる悲しみっつーのを、痛みでわからせてやる


白雪・小夜
【SPD】交流不要
戦闘としては初依頼になるかしら。
ひ弱な鬼なりに斬っていくわよ。

まずは『殺気』立てていこうかしらね。
ねぇ、悪さをした者は成敗されるって知ってるでしょ?
モフモフの狐だからって容赦なんてしないんだから。
温泉は私も一人派だけど、別に独り占めしたいとは思わないわ。
…と言うか、貴方が独り占めしたら私も温泉に入れないもの!

妖刀による斬撃を繰り返しながら『雪夜の一振り』で斬り刻んであげる。
まだまだ速さは負けてるのかしら?でも引き下がってはあげないわよ。
私は意外としつこいの、もっと斬らせてちょうだい…っ!
トドメはさせたら良い程度で。勿論『雪夜の一振り』で決めるわよ。
…さぁ、凍えて眠りなさい…。


クルル・ハンドゥーレ
他の猟兵と協力・連携
アドリブ歓迎

(じっと敵を凝視
……属性の盛り合わせ?
うん、あざとい!
こういうんキライやないけど、
文鳥さんの試練を乗り越えた私には恐るるに足らず!
さらに美味しいもんと温泉を独り占めしよ思うもんには慈悲はない!
……っと。
……温泉……卵?
え、もしや文鳥さんのん……とか?(恐々
もしそうやったら、ますますアレや!
成敗!

WIZ
見切りと武器受け、範囲攻撃となぎ払いで敵攻撃対応
避け、受け、それでもあかんのんは薙刀でまとめて吹っ飛ばす
フェイントいれたUC幻月夜行の炎で
気を散らせつつ
迷彩で鋏を掻い潜り
合体させた幻月夜行の炎(毒使い、マヒ攻撃のオマケつき)をぶつける


アルファ・ユニ
なにそれ。そんなことの為に小鳥さんを派遣したの?ユニ達にあんな残酷な戦いさせたの?なにそれ。不愉快、消えて。

精霊を周囲に散開させてその視界をPCクローネに纏めて戦況把握や敵の攻撃の予測、その情報から他の猟兵達に指示を出す。
あとUCでクラハライツから援護射撃を行うよ。直接狙うんじゃなくて味方の攻撃の方へ誘導するように撃ったり、周辺のオブジェクトに当ててそれを操って攻撃する。敵が鋏を飛ばしてきたら、それもUCで横取りしよう。



「えっ、女の子!? ……でもオブリビオンなんだね」
 ノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)が驚きの声をあげるのも無理はない。こんな所に女の子がいると誰が予想しただろうか。
「んー? おぶりびおんー? あすかちゃんわっかんなーい」
 無邪気に悩むしぐさから正体は探れない。
「(強敵かもしれない……、気を引き締めよう。)」
 弓を握る手に力をこめる。
「小鳥はあなたの仲間だったの? かわいいペットがいてうらやまし……何でもないわ」
「ねっ! いーでしょー! 小鳥ちゃんはね、あすかちゃんのお友達なんだよ」
 メリナ・ローズベル(紅い花・f13268)の呟きを聞き逃さず、耳をぴょこっと揺らし満面の笑顔で応える。

「……温泉卵? そういえばぶんちょうさまの番の巣に、あってもいいはずの物がありませんでしたね」
 月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)は妖狐の言葉を思い返していた。
「そうか、オマエが黒幕か」
「てめえが元凶か……」
 目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)と鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)が声をそろえて問いただすと、
「ん? んんん?」
 あすかちゃんきこえなーいとでも言いたげな仕草の相槌に、紫衣は更に踏み込む。
「つかぬことをお聞きしますが、その温泉卵に使う卵はどこから用意したのでしょう?」
「んーっと、あすかちゃんがお散歩してたらおいてあったんだよ」
「地元の民が大切にしている憩いの場を独占するとは何事か」
「ひゃん! おじさんあすかちゃんのお風呂見る気なの? えっちー、やーだぁー」
 妖狐は猟兵たちの怒気をものともせず、きらきら笑ったりぷうと頬を膨らませたり、ころころと表情を変える。
「で、その卵を食うって? へええええ……温泉も独り占め? ほおおおお……」
 誉人は徐々に語彙を強める。ふつふつと沸き立つ熱を帯びながら。
「皆耳塞いでね、ごめん」
 煮えたぎる心の音が漏れそうになり、鈴木・志乃(ブラック・f12101)は同じ戦場に肩を並べる友たちに侘びを入れるが、怒りに燃える面々はそれすら追い風に出来そうな音を発していた。遠慮は要らないと確信をもつ。

 その頃クルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)はじっと敵を凝視していた。
「(ケモ耳、ケモ尻尾、肩だし甘ロリ、黒スト、ドジっ娘、ブリッ娘……属性の盛り合わせ?)」
 脳をフル活用して全ての属性を洗い出し冷静に分析していた。導かれた結論は――、
「(うん、あざとい!)」
 端的かつ的確である。
「こういうんキライやないけど、」
 刹那、狐の像が消える。
「あ・り・が・と♪お礼にキレイにしてあげるね」
 再び像を結んだのは薙刀の間合いのうちのうち。眼に笑顔の鋏が迫る。

「――っ!」
 反射的に顔を逸らしたものの、吹き抜ける風の後つ、とこめかみに熱いものが流れるのを感じる。志乃が鎖を投げたが間に合わず後に鋏を捕らえるばかり。
「んもー、燃えちゃえっ」
 絡んだ鎖をじゃらり鳴らして、新たに宿した狐火を鎖絡んだ鋏に灯し轟とお返し。志乃を炎が包み込む。
「離れろっ!」
 クルルから引き剥がそうと真が刃を振るうと呼び戻された鋏に受け流される。
「おじさんこっわーい!」
 じゃれるように身くるり回して蹴りとばす。真はクルルのもとに倒れこみこぞって地に転ぶ。
「あー、ダメだわ、あったまきた……! てめえなら心置きなく斬れそうだわ!」
 間髪いれず切り込んだ誉人の刀を全身のバネを使って鋏で跳ね上げ、その腹に炎を。
 耳をぴくりと揺らし、身軽に狐が飛びのくとそこに矢の竜巻が降る。
「もー、こわーい!」
 弓と杖を構えるノイシュとメリナに炎の雨が迫る。
 メリナが築いた氷結紅薔薇の波動は炎をとめるかのようにみえたが、炎に蝕まれ突き抜ける。じゅうとこげる音にメリナが目を開けば、庇うよう立ちふさがり肩を焦がしたノイシュがいた。
「怪我はないかな」
 笑顔を向けるが、脂汗を浮かばせて少々ひきつってみえる。だが、怪我そこまで深くないようにも見える、氷結紅薔薇が概ね護りきっていたのだろう。
「さっきは遊びすぎたわ……次は真面目にやるからね!」
 メリナの瞳が揺れたが、ふいとそっぽをむく。
「(怪我があるのはあなたのほうでしょ。)」
 今は戦いのさなか取り乱すわけにはいかない。ノイシュを傷つけて……赦さない、言葉を飲み込み心を燃やしメリナは交戦中の狐を睨む。

「その卵、もしや、ぶんちょうさまの番の卵なのでは?」
 2人に追撃をしないよう意識をひきつけるよう紫衣がルーンを閃かせ斬りかかる。
「んー……囲いがあったかも? あすかちゃんおぼえっ……ひゃん!」
 軽やかに身をよじりかわそうとした妖狐はバランスを崩しぺたんと尻もちをつく。足が、動かない。

 動きをとめた正体は氷、妖狐の足を氷の檻が縫いとめていた。ひょうと肌に刺さるような冷気が吹きぬける。
「ねぇ」
 語りかけるは白き鬼。白雪・小夜(雪は狂い斬る・f14079)が雪の冷気を纏い白く輝く刃を握り降り立っていた。
「悪さをした者は成敗されるって知ってるでしょ?」
 空から純白の結晶がしんしんと降り、みる間に地を覆いつくし雪原にかえる。
 雪女が手にした刃がゆらりとゆれると、その雪原に抜き身の刃が次々と降り注ぎ突き立った。携えた一振りの刀に宿る幾つも力を具現化させたのだ。
 白い息をはきながら、足の氷を炎で溶かし妖狐は小夜に獣の目を向ける。
「なんのことさ、あんたには関係ないだろ」
 豹変したドスのきいた声が投げ返される。足を傷つけられた痛みに素が出たのだろうか。
「モフモフの狐だからって容赦なんてしないんだから」
 表情さえも凍てつかせ淡々と言葉をつむぎながら冷気を纏い斬り結ぶ。鋏と鍔、合わさる鉄の振動がその手にぎりぎりと響く。
「温泉は私も一人派だけど、」
「へー、そうなんだ」
 ぐっと押し返され、白雪の刃が宙に舞う。身を翻して駆け月のように美しい刃を地から抜き放ち、追いすがる炎を受け流す。
「別に独り占めしたいとは思わないわ」
「どうしてさ」
「…と言うか、貴方が独り占めしたら私も温泉に入れないもの!」
 飛来する炎を右に左に受け流し、半月切り上げた、返す刀を袈裟におろして満月、月の刃が狐を刈り取ろうと迫る。
「入らなくていいだろうが、あたしのなんだから」
 妖狐は身軽に後方転回をしてかわし、追撃の刃を両の手に握った鋏を交差して受け、捻り落とす。
 小夜はひ弱な鬼だと自覚をしていた、それゆえに知恵を使って補い挑む。一つ飛ばされれば、次、また次と雪原を駆け狂い斬る。手に握る刃が何度はじきとばされても、刀を予め展開しておくことにより隙なく立ちあえるのだ。
 斬られた跡はないのだが、小夜の口元はいつしか紅に濡れていた、この大技は命を蝕むのである。それでも身勝手を赦すまじと歯を食いしばり刃を振るう。

「ここはユニ達の舞台。勝手に動くことは許さない」

 ぎいん! と、頭に直接響くような外皮を裂くほど振動の大きい『音の波動』が突き抜け、妖狐の表皮を浅く切り裂く。チッと妖狐が舌をならす音が聞こえる。
 目立たないよう気配を消していた、アルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)が力を発動させたのだ。
 手にした万能型パソコン『クローネ』の画面にはcompleteの文字が表示されている。
 天候、地形、風向き、妖狐の体格、重心など戦場に関するあらゆる情報と妖狐の戦い方を入力し分析していたのだ。
 一帯に電子精霊の力が満ち、場を制圧する。猟兵たちも電子コードが入り込む気配を感じた。
「なにそれ。そんなことの為に小鳥さんを派遣したの?ユニ達にあんな残酷な戦いさせたの?」
 静かに問いかけるが、答えを聞かずに続ける。
「なにそれ。不愉快」
 再び告げる声は絶望を突きつけるよう冷え渡る。
「不愉快はあたしのほうだ」
 ユニに襲い掛かる狐の鋏が――空をきる。
「右、左、次は炎の群れ、これは隠れ蓑。突き抜けて上段から鋏」
 ミエル、見える、見得る――。
 目立たないよう髪で隠している金の右眼がらんらんと輝く。
 他者の未来を読み取れるサトリの力、もってうまれたその瞳の力を解き放ったのだ。
 ユニは5つ目の次、6つ目の感覚を研ぎ澄まし読み取った未来をもとに避け続ける。
 電子画面は力を補助するように情報が表示し続けられる、左の目で読み取り理解を深める。
「皆、ユニに力を貸して。いくよ。」
 同意の気配に、ユニは勝利を掴むための未来情報を展開し始める。

「ノイシュさん、メリナさん、500m東にぬけた丘に移動して」
 頷き2人は指定された場所にむけてかける。
「志乃さんお願い。当てたら空で待機して」
「これ以上の狼藉は許されません」
 流れ落ちる流星のような業火が妖狐の足に向け流れ落ちる。
「考えないでしょ?  炎の中から敵がやってくるなんて」
 志乃は炎に包まれ朽ちたようにみえたが、自らの気を高め耐え続けながら好機をうかがっていたのだ。
 妖狐は足をすくわれ、たたらを踏む。
「炎消せ」
 高らかに宣言すると、志乃を燃やし続けていた炎が消える。

「真さん、誉人さん行って。斬られたら後ろに下がるよ」
 東から真、西から誉人、挟みこむように駆け地に座り込む狐を斬る。刃をかわすよう後方回転する狐の動きを追うように2対の連撃が襲う。
「ぐっ……」
 妖狐は両手の鋏で辛うじて斬撃を受け流したが、2人の剣圧がその体を吹き飛ばす。
「炎がくるよ、2人とも退いて。志乃さん、もう一度お願いするね」
「るせェ、刀の錆にしてやる――覚悟しろよ、女狐ェ!」
 ユニの声にも退かず、避けず、狐火を叩ききりながら誉人は突き進む。
 熱く突き進む誉人の背に若者独特の青さを感じ溜息をついた。気持ちを切り替え真は飛来する炎に視線をうつす。ユニの言葉通り一旦退いたのだ。
 大太刀をぶんと振れば空が割れる。斬り、弾き、消す、続けざまに飛来する狐火を真面目に堅実な太刀筋で火の粉を振り払う。狐火は一つたりとも真を焦がすことはなかった。

「勝手なことぬかしてんじゃねえ!」
 かすめた炎が人狼装束を焦がすのをものともせず、もう一太刀妖狐に浴びせかける。
 鋏で刃を受け流し刃を擦りながら一息で間合いをつめる妖狐の横っ面を飛来した志乃の足が蹴り飛ばす。
「ってぇ!」
 妖狐はぐらりと体を揺らし、志乃が舞う空に牙をむき炎を放とうとする。
「これ以上燃やすな」
 志乃の言葉が術を溶かす。炎を消されてくっと唸る妖狐に再び刃が迫る。両手の鋏を交差させ受けとめる、刃がこすれギリギリと鳴り妖狐と誉人は睨みあう。

 誉人の煮えたぎる腹は収まる様子がなかった。
 ぶんちょうさまに続いて愛らしい鳥のような動物が襲いかかってきたら誉人に勝ち目は無かっただろう、敗因は萌え死。本望を遂げる。
 動物、家族、どちらも誉人が愛するものだ。目の前にいるものはそれを無碍に踏みにじった敵としか言えない存在だ。
「ひとつも可愛くねえ!」
「っせぇ、あんたの見る目がないんだよ」
「卵返せや!」
「もう茹でたし、返しても孵るわけないだろ」
 オブリビオンは躯の海から生まれるものだ。卵生ではない。卵を産んだとしても無精卵しか生まれない。
 そんな言い訳、聞く耳持たなねェと誉人は力任せに刀を振るう。

 その刃の合間に当てたら逃げて、逃げては蹴り飛ばす。縦横無尽に飛ぶ志乃がかく乱し妖狐の集中力を殺ぐ。
「志乃さん、地上におりて真さんのほうに呼んで」
「鬼さん、こちら♪鬼じゃなかった、もっと醜い化け狐かよ」
 歌いながら地上に降り立ち、誘いこみ挑発するように手をうつ。引き寄せれば仲間が攻めこむ隙が出来ると信じ、無防備な囮になる。
 誉人の刃をいなすのに忙しい妖狐は、先ほどから横槍をいれる志乃の歌に苛立ちをあらわにし食いつく。

「真さん、今だよ。邪魔したら炎がくるから避けて」
 真は大太刀を鞘に収め静かに時がくるのを待ち構えていた。ユニの呼び声に妖狐の進路に割り込む。
「退けよ、おっさん」
 襲う炎は真を突き抜け消えるのみ。再び姿を現したのは数歩進んだ大太刀の間合い。
 おもむろに鞘から抜き放つ。大太刀が一閃。轟と吹きすさぶ暴風は喰らえば骨すら打ち砕く。
 間髪いれず袈裟懸けに斬る。妖狐の前面に決して浅くは無い紅十字が刻まれる。
 その背に追い討ちの一閃、誉人の刃が刻む。肩ごしにぎろりと睨んだ妖狐は2人を振り払うよう狐炎の嵐を巻き起こす。

 追撃の刃から逃れる狐を追い矢と鈴蘭の嵐が降り注ぐ。地を転がり右に左に避けながら、妖狐は矢と花弁が飛来した方角にむけ闇雲に鋏を放つ。
 ユニに指定された場所からは妖狐を見通せるが妖狐からは見つけ辛い、おそらく死角だとノイシュの射手の経験が告げる。
 射る方角、本数が指定され、その通りに打ち込んだら、またユニから移動先が指定される。
 指定どおりに打ち込めるのもノイシュの腕があるからこそ、飛来する鋏の群れを狙い済まして射ち消す。
「そんなに動き回らないで! ついていくのが大変なのよ」
 指定に応じて花の嵐を吹かせ終え、ぼやくメリナの隣の木にドスッと鋏が刺さる。足をとめては補足されるかもしれない。
「振り回してごめん。でも、あと少しだ」
 2人は駆け、死角から矢と花の嵐を射ち続けた。

「クルルさん、そっちにいくよ。炎のあと懐に潜りこんでくるから、紫衣さんフォローをお願い」
「よっしゃ!任せてや」
 クルルに向かって妖狐が駆けてくる、自慢のドレスを赤く血に染まっている。
「退けよ!」
 威嚇するよう炎をけしかけられる、薙刀をぐるり回してまとめてもみ消す。万一受け損ねても炎使いであるクルルは炎に対する耐性ももっていた、炎上を耐え凌げただろう。
「文鳥さんの試練を乗り越えた私には恐るるに足らず! さらに美味しいもんと温泉を独り占めしよ思うもんには慈悲はない!」
 なぎ払う刃を掻い潜り、妖狐はクルルに肉薄し鋏を振りかざす。
「弱肉強食、自然界でもあることではありますが、今回は流石に見過ごせませんね」
 背後に控えていた紫衣がクルルその身を入れ替え鋏を受ける。薙刀と剣の間合いの差を利用したのだ。
 森で育った紫衣にとって森の和平を乱すこの狐の行為は赦しがたいもの。普段はあまり感情の起伏をみせないのだが、アメジストの瞳を闘志で一層深く燃え上がらせ睨みつける。
「チッ……いいだろ、ちょっとくらい」
 妖狐は苛立ちを溢れさせ牙をむく。刀身に風の精霊の力を呼びおこし鋏を跳ね上げ間合いを広げると、クルルと身を入れ替え交代する。
「文鳥さんの卵を襲うやなんて、ますますアレや!」
 クルルの刃が足から肩に向け一直線に花の嵐が振り抜ける。
「は? なんだっ……と!」
 妖狐が身を捩ってかわすと、水面にうつるつきのようゆらゆらと形を変え歪に揺れるぎんいろの炎がまとわりつく。すかさず呼んだ狐火で相殺する――と、中からルーンの刃が生え肩に突き刺さる。
 ぐっとうめき声をあげる妖狐、何かの気配にもうひとふりの鋏を振るうも胴に鈍い衝撃を受け血が流れ出る。
 クルルだ。間合いをつめられないよう、気配をたち光の屈折を利用し身を隠して薙刀で切り込んだのだ。
「アレ、あかんやつや!」

「志乃さん、鋏は消せる?」
 ユニの問いかけに頷き応える。ぶんちょうさま、妖狐、どちらもオブリビオンだ。同情の余地はない、どちらも正義として等しく討つべき存在だ。でも、今日、今だけは、
「――お前を赦さない!」
 低空を飛びスライディングで足を薙ぐ、2人に集中していた妖狐は足をとられて倒れこむ。
「鋏使うな」
 鋏が忽然と消えうせる。
「宵咲きの華は嵐に舞う」
 酔蜜月刀の剣先を妖狐に向け、マイクを片手に歌い上げる紫衣。
「詠え、惑え、舞い踊れ――虚ろ月炎に呑まれかし」
 歪なぎんいろの炎を呼びなおし、その全てをあわせるクルル。
 護る手段を失い、目を見開く妖狐を毒と痺れを孕んだ歪なぎんいろの炎と鋭利な月下美人の花弁の竜巻が飲み込んでいった。

「ギャーーーーーーッッ!!」
 耳をつんざくような悲鳴をあげる。狐本来の声だろうか。びくんびくんと体をのけぞらせた後、化ける力を失い少女は醜い獣の姿をあらわした。その尾は九尾、永く生き人を惑わしてきた力の証だという。
 最後の力を振り絞り、猟兵たちの包囲を突破し一目散に山奥めざし消えていく。

「逃すわけにはいかないよ」
 矢をつがえ構えるノイシュと、杖を構え寄り添うよう続くメリナが行く手を阻む。逃げる気配を察し、まわりこんでいたのだ。遠めの陣地も先回りに役立った、獣との距離は十分ある。矢の狙いを定める。
 前には猟兵、後ろにも猟兵。左右どちらかに逃げたとしても姿を隠すものはない。意を決して手負いの獣は持てる全てを使い前方の2人を突破しようと駆ける。
「300m……200m……100m……50m……20m……15m……」
 メリナがおおよその距離を読みあげる。
「10m、9、8、7、6、5……」
 みる間に詰まり、獣が喉笛を噛み切ろうと牙をむき出す。
「2m……ノイシュ!」
 迫り来る危機にメリナが声をあげる。
「待たせたね、メリナ行くよ」
 10秒、刹那のようで永い時間だ。狙い済まして射つ。
 1つの矢がまたたく間に200を超えて増え、開いた口のど真ん中に鋭く刺さる。口に入りきらぬ矢と白い花弁が皮を切り裂く。そう、合図にあわせてメリナも杖の力を開放し鈴蘭の花弁に変え放っていた。
「ぐあああああああっ!」
 喉が潰れ醜い悲鳴をあげ、妖狐は口から、胴から、全身から血をぼたぼた流し跳ねる。

 そこに残りの猟兵たちが駆けつけた。
「逃がさん」
 先陣をきり豪快に風を纏う大太刀が切れ味鋭く前脚を絶つ。
「成敗!」
 咲き乱れる薄紅と白の薙刀の花が切り裂き穿ち目を奪う。
「お前の音はあたしの正義に響かない!」
 燃えあがる大声が耳を潰す。
「家族を奪われる悲しみっつーのを、痛みでわからせてやる!」
 荒れ狂う白銀の刀身が腹を喰らう。
「終わりです」
 星の輝きが鈴音を残し後ろ脚を清め消す。
「消えて」
 淡々とした音銃の波動が脳を割る。
「……さぁ、凍えて眠りなさい……」
 氷妖の刃が命の炎を冷たくなで凍らせる。芯まで凍った魂は微塵に砕け埃に消えた。
 ありとあらゆる責を受け、妖狐は躯の海にかえっていった。

「やれやれ、なぜ地元の人々に温泉を使わせてほしいと頼めなかったのだろうか」
 温泉卵は食べられナイのでキライだが、かわりに地元の人に頼んでやることくらいはできたかもしてないと消えた虚空を眺めながら真は思案していた。
「振り回してごめん。疲れてないか」
「疲れなんて全然感じないわ。あなたこそ平気なの?」
 ノイシュはメリナに声をかけると、メリナはいつも通り強気に返すのだが、いたわるようにノイシュの肩に触れ、
「ありがとう、ノイシュ」
 微笑む顔は花のよう。

 このあと猟兵たちは温泉を見に行ったが温泉卵の網らしきものがのこるばかりだった。親鳥が消えたときに卵もともに消えたのかもしれない。
 こうして、この地からオブリビオンの脅威は去った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『プラネタリウム温泉』

POW   :    温度なんて気にせずに勢い良く飛び込む

SPD   :    景色と温泉を心地よく楽しめる場所をみつける

WIZ   :    星や温泉がより楽しめる知識を披露する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 見上げる空は星の海。月のない寒空に星だけがちりちり震え瞬いて。
 溢れんばかりの星たちが一つ二つ流れおち気まぐれに君の願いを叶えるかもしれない。
 のんびりと星の話はいかがだろう。

 眺める山は一面に赤・白・金。梅咲き誇る花の海。
 夜闇が視界を閉ざしても、香りは消えず優しく包む。
 行灯片手に巡れば、丘の星のごとく闇に浮かびあがる花々を見られるだろう。

 小さな温泉にはもくもくと湯気がたちこめる。湯気に臭いはなく、花の臭いが仄かにかおる。
 本日は利用者の気配がない、猟兵たちの貸切になりそうだ。
 木々の切れ目にあたり見晴らしが良い、空と山とを同時に眺め愉しめる。
 傾斜が緩んだところを利用し岩で囲まれた湯だまりに、少し離れた源泉から湯をひいてある。
 湯にうつるのは星の影、水面にきらきらゆれる。
 所々に浮かぶのは梅の花。赤白黄色とぷかぷかうかぶ。
 二月とはいえ、夜はまだしんと冷えわたる。
 優しい肌触りの湯だが、冷えた体に少し染みる熱目の湯加減かもしれない。

 討伐後に手当てを済ませ、麓の茶屋に立ち寄り準備を整えた猟兵たちの安らぎのひとときが始まる。

 ※茶屋では梅の名がつく酒、梅酒、甘酒、飴湯に梅の花弁を浮かべたもの、そのほか茶屋にありそうなものは手に入ります。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※

3章 日常パートは、お誘いあわせしやすいよう1日多めに相談期間を設けさせていただきます。
【2月16日(土)午前8時30分】以降にお送り頂いたプレイングをリプレイに反映いたします。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 ※選択肢は一例です、温泉にはいらず景色だけをお楽しみ頂くこともできます。
境・花世
綾(f01786)と梅見温泉

ふたり並べば揺れる水面の梅
匂やかな花びらを掬うばかりで、
どうしてか言葉がうまく出てこない

いつもは、きみといると
話したいことが沢山なのに
戸惑うように睫毛を伏せて

綾に話しかける代わり
腕に抱かれた縫にきもちいいね、と
囁くのがせいいっぱい

…、……照れてないよ、たぶん

揶揄われれば唇尖らせて、
流れくる梅をつついて誤魔化す
ひそやかなきみの笑い声は、
春のやさしい微風のようで

幽けき星明りと湯気とで、
互いの姿が霞んでいてよかった
だって、今、どんな顔をしてるか
自分でもよくわからないから

! あ、だめ、見たらだめだよ

盃を受け取りながら、
紅梅みたいに染まってく頬は
のぼせたせいだ、――きっと


都槻・綾
f11024/かよさん

縫を連れ
三人で楽しむ宵の露天

凪いだ水面には宙が映り
浮かぶ花弁は小舟の如く
まるで星海を揺蕩う心地

傍らからの囁き声は
私を素通りし人形へと掛けられたもの
縫が首肯を返し
次いで
じっと隣を見つめている

二人の遣り取りへと
花揺らす悪戯な微風めいた笑みを零し

…照れていらっしゃる?

常は朗らかな彼女が
借りてきた猫のように大人しく
拗ねた口振りの返答がまた愛らしい

かよさんの緊張を解そうと差し出すのは
梅花を肴に味わう冷酒と盃

一献如何です?

淡き湯気の向こうの
彼女の顔を覗き込む

慌てた姿に目を瞬いて
今度こそ堪え切れずくつくつ上げる笑い声

――可愛いですね、花のひと

項も肩も
耳まで染まる其の色艶は
正に絢爛の花姿



 境・花世(*葬・f11024)と都槻・綾(夜宵の森・f01786)は並び湯に。その膝に座るは世話焼き人形である式の縫。三人で楽しむ宵の露天。

 凪いだ水面には宙が映り、浮かぶ花弁は小舟の如く。
 まるで星海を揺蕩う心地。綾はゆるり湯に身を預ける。

 揺れる水面に梅の花。
 湯を手ですくいあげると、花世の白磁の指の間からはらはらと花弁が流れ落ちふわりと香る。

 暫しの間、湯が流れる水音だけが2人を包む。
「(いつもは、きみといると、話したいことが沢山なのに)」
 どうしてか言葉が出てこない。戸惑い揺れる瞳を隠すよう睫毛を伏せる。
「きもちいいね」
 花世が漸くつむいだ言の葉は簡素な感想で。
 綾に話しかける代わりにその腕に抱かれた縫に囁くのがせいいっぱい――。

 縫が首肯を返す。次いで、じっと隣を見つめる。

 綾は二人の遣り取りへと、花揺らす悪戯な微風めいた笑みを零す。
 そのひそやかなきみの笑い声は、春のやさしい微風のようで。ふわり花世を撫でる。

「……照れていらっしゃる?」
「…、……照れてないよ、たぶん」

 綾に揶揄われれば拗ねるように唇尖らせ、流れくる梅をつついて誤魔化す。心音が漏れることがないように。
 幽けき星明りと湯気とで、互いの姿が霞んでいてよかった。
 だって、今、どんな顔をしてるか。自分でもよくわからないから。

 常は朗らかな彼女が、借りてきた猫のように大人しく。
 拗ねた口振りの返答がまた一段と愛らしい。
 かよさんの緊張を解そうと差し出すのは、梅花を肴に味わう冷酒と盃。
「一献如何です?」
 なみなみと盃に注いだ冷酒を片手に、淡き湯気の向こうの、彼女の顔を覗き込む。

「! あ、だめ、見たらだめだよ」
 綾が覗き込む気配に口をついて出た軽い拒絶。
 盃を受け取りながら、紅梅みたいに染まってく頬は。
 のぼせたせいだ、――きっと。

 慌てた姿に目を瞬いて、今度こそ堪え切れずくつくつ上げる笑い声。
「――可愛いですね、花のひと」
 項も肩も、耳まで染まる其の色艶は、正に絢爛の花姿。
 もうもうと湯煙が隠しても艶やかに色鮮やかに匂いたつ。

 その戯れは沸き立つ泉の湯の熱を一段とあげるよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ノイシュ・ユコスティア
【はんなり】【メリナ・f13268】

【SPD】能力で行動する。

温泉には1人で入りたいんだ…。
ちょっと外を散歩してくる。

景色が良くて、静かな場所を探す。
3色の梅を同時に見られるスポット。
寒いけれど寝転んで夜空と花が見たいので、平らな地面。
「ここで火をおこすわけにはいかないね」
メリナに自分のストールを差し出す。

メリナの話は難しくてよくわからない。
でもちゃんと聞いているよ。

流星を見つけたら「オブリビオンがいない世界が増えるように」と願う。(故郷を滅ぼされているため)
「メリナの願いは?」

後で人がいない時間に温泉に入る。
湯が傷口にしみるな…、でも心地いい。
「うわっ、メリナ、いつから…」


メリナ・ローズベル
旅団【はんなり】
【ノイシュ・ユコスティア・f12684】と参加

温泉に入るの、楽しみなの
もう用意しちゃったし、1人で入るわ

でも、つまらなくなって…早々と出てノイシュを探しに行く

「あら、偶然ね?
お湯が熱くて涼みに来たのよ」
「(くしゃみ)寒いんじゃないわ
花粉…かしら?」

横になると空がよく見えるね
不思議…私の世界で見た空と同じだわ

ノイシュに花の話をする
梅の種類、バラ科の木の特徴など
寝ないで聞いて!

流れ星ね!
私のお願いは、もっとたくさん友達がほしいな
それと…もう、多すぎる!

ノイシュの後に付いていき、また温泉に入る
「寒かったら温まりたいでしょ?」
彼とは少し離れる
(恥ずかしいけど一緒がいい)



「温泉に入るの、楽しみなの」
「温泉には1人で入りたいんだ……。ちょっと外を散歩してくる」
「もう用意しちゃったし、1人で入るわ」
 うきうきと温泉用具を手にするメリナ・ローズベル(紅い花・f13268)にノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)はすまなさそうに断りを入れる。傷を見られるのを避けたかったのかもしれない。
 こうしてノイシュは外へ、メリナは温泉へそれぞれ別れて行動することにした。

 ノイシュは梅の林を歩きまわる。景色が良くて静かな場所を探していた。
「ここらへんでいいかな」
 梅が密集している赤白金の梅が同時に見られる丘だ。野に横になり見上げると、夜空の星がまたたいて。
「あら、偶然ね? お湯が熱くて涼みに来たのよ」
 見上げた空に紅薔薇が咲いていた、微笑みを浮かべたメリナだ。
 メリナは寝転ぶノイシュに寄り添うよう腰を降ろす。
 ノイシュが居ない風呂はただただ広くつまらない、そう思っての行動だったが口にはださず静かに空を見上げた。
「……っしゅん。」
 メリナの可愛いくしゃみが静寂を破る。
「寒いんじゃないわ花粉……かしら?」
「ここで火をおこすわけにはいかないね」
 ノイシュが纏っていたストールをメリナの肩にかけると、メリナは大人しく包まった。冷え込みがきいたのもあるが、布に残る彼のぬくもりが嬉しくて――メリナの顔はほころんだ。
「風邪じゃないから火はいいの」
 緩んだ顔を隠すよう横になり、ともに星空を見上げる。
「(横になると空がよく見えるね、不思議……私の世界で見た空と同じだわ)」
 アルダワ魔法学園の家の庭から見上げた空にも幾つも星がまたたいて。遠く彼方の故郷に想いを馳せる。

「ノイシュ、知ってる?」
 メリナは梅の種類、バラ科の木の特徴などを語り始めた。咲き誇る花梅は花好きなメリナの口を自然と軽くした。 図書館で読んだ花の本のこと、かつて見た花のこと、次々と話しはじめる。
「(メリナの話は難しくてよくわからない。でも)」
 一生懸命聞いているのだが、所々に出てくる専門用語はノイシュには理解できなかった。だが、どこか楽しげであった。語る彼女の姿を幾ら眺めても怒られないのだから。隣に咲く大輪の紅薔薇に目を細める。
「寝ないで聞いて!」
「ちゃんと聞いているよ」
 彼女の話を沢山聞けるように、話題を広げるよう相槌を打ち続けていた。

「あ、流星だ」
「流れ星ね!」
 声をあげたのはどちらが先だっただろう。
「オブリビオンがいない世界が増えるように」
 ノイシュが生まれたアックス&ウィザーズの故郷は今はもうない、同じ悲劇を辿る世界がないように願いを星に託した。当時の記憶が心を埋めそうになるのを首を振り断ち切る。
「メリナの願いは?」
「私のお願いは、もっとたくさん友達がほしいな。それと……もう、多すぎる!」
「欲張りすぎだよ」
 四苦八苦する姿も可愛くて、ノイシュは笑みをこぼした。

 他の猟兵が温泉を後にした頃、ノイシュは独りで楽しむべく温泉に向かっていた。傷口が漬からないようにゆっくりと湯につかる。
「(湯が傷口にしみるな……、でも心地いい)」
 僅かに顔をしかめたものの、温かさに痛みは溶かされていく。のんびりと体をゆだねた頃合に誰かが入ってくる気配がした。
「うわっ、メリナ、いつから……」
「寒かったら温まりたいでしょ?」
 メリナは、ノイシュが慌てるのを他所にざぶざぶと湯に漬かる。
 純情な彼女は流石にノイシュの隣に座る度胸はなかった、少し離れたところに腰を降ろす。
「(恥ずかしいけど一緒がいい)」
 ほのかに赤く染まる頬はきっと湯気が隠してくれる。
「良い湯ね」
 メリナは歌を唄いはじめた。ノイシュの怪我が治るよう祈りをこめた聖なる唄だ。優しい音色が辺りを包み込む。
 その旋律と幸せな2人を夜空の星と花梅だけが見守っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

二神・マ尾
【三日月形】の二人と温泉へ。
星空が綺麗で思わずうわって感嘆のため息。
どことなく梅の花の香りがして、めっちゃ居心地いいな。

三人で浸かって、一緒に冷酒で一杯する。
こういうの、大人の付き合いみたいで楽しい。
俺はお酒初心者だけど、二人に付き合って人並みに飲めるようになったらいいなーなんて。

「あ、乾杯しない?」
口をつけようとして二人に問いかける。
ユウキさんの真似をしてくいっと飲み干そうとするけど、俺にはまだ早かったみたいで思わずむせた。

ふと、何か徳利のお酒や梅酒が減ってる事に気づいてみかの方を見遣り笑う。
ちょっと。飲むスピード、早くない?

ほろ酔い気分に浸りながら、三人でのんびりした時間を過ごすよ。


神々廻・朏
【三日月形】で参加
ユウキの言葉に「わかってるよー!」と返しながら
マ尾の提案に「お、いいね!やろっか!」と三人で乾杯する
お猪口に注がれた冷たい冷酒
その水辺には頭上の星空が映り込んでいて
真ん中には浮かぶ梅の花弁
なんて贅沢な酒だろう
飲みすぎるななんて無理な話

二人が話してる間にスッとお酒が注ぎやすい場所へ
先ほど茶屋で買った梅酒等もグビグビと
二人が気づいた頃には結構減らしていて…掛けられた言葉に笑って誤魔化し
「これね、おいしかったよー」なんて事後報告
「でも流石に全部は飲んでないよ?二人の分もちゃんととってるから大丈夫」
ほら、二人とも飲んで飲んで!とお酒は僕が握りしめてるから
二人のお猪口に注いでるあげよう


ユウキ・ネストラ
【三日月形】で参加
寒い中で入る温泉は格別だよな。酒付きなら尚更。
「熱燗もいいけど俺は冷酒派だな」
飲み過ぎるなよ、と年長者らしく釘を刺すけど、刺した先から抜けてくのが見えるようだな…。
「乾杯か!いいな」
お猪口を軽くぶつけ合って、一気にあおる。杯を傾ける際に星空が眼前に広がるのもすごくいいな。釘刺した側の俺もつい飲みすぎそうだ。

と思ったのも束の間。
「なんか酒が無いな??」
いや、無いことはないんだろうけど、さっきまで近くにあったはずの酒達が大分ない。
ペース早い、の言葉にそうだそうだと頷いて、
「しかもお前それ…酒をおかわりしやすい位置に段々移動して行ってるのなんなんだ」
悪質な奴め、と思わず笑う。



 旅団『三日月形』の一向は温泉でくつろいでいた。
「うわっ」
 二神・マ尾(真尾・f07441)はきらきら輝く星空はまるで夜空に浮かぶ宝石のよう、感嘆の声をあげる。
 星空うつる湯を手ですくうと宝石がきらきらと手から流れおち、心地よい梅の香がふわりと鼻をくすぐる。
 ユウキ・ネストラ(人間のバーバリアン・f05741)は岩壁に肩をあずけくつろいでいた。
「寒い中で入る温泉は格別だよな。酒付きなら尚更」
 ふうと吐息を漏らす。温泉で飲むと酔いがまわりやすいのだが、中々味わえない風情が酒を美味くする。そう、酒は風情で飲むものだ。
「飲み過ぎるなよ」
「わかってるよー!」
 酒豪の神々廻・朏(三日月・f02894)に向け釘をさすものの、返ってきたのは刺した先から抜けてくのが見えるようなマイペースな返事だった。

「そろそろ始めない?」
 マ尾は温泉脇に置いていた徳利を持ち皆に勧める。
「こういうの、大人の付き合いみたいで楽しい」
 瞳に酒をきらきらと写しながら、杯になみなみと注ぐ。
「俺はお酒初心者だけど、二人に付き合って人並みに飲めるようになったらいいなーなんて」
 マ尾は年末に20歳の誕生日を迎えたばかりだ。今まではしらふで眺め蚊帳の外だったが、酌み交わせれば同じ舞台で酔い踊り肩を並べられる。オトナの仲間入り出来たことが嬉しい。

「あ、乾杯しない?」
 最後に自分の杯にも注ぎ、そのまま口をつけかけた。が、その手をとめ、二人に問いかける。
「お、いいね! やろっか!」
「乾杯か! いいな」
 同意を示し、星空に向け三つの杯をつきあげ、声をあげる。
「「「乾杯!」」」
 お猪口を軽くぶつけ合う。ひといきにあおった酒がきりりと身に染みわたりる、飲みなれたものたちはそれぞれに舌鼓をうつ。
 マ尾もくいっと一気に飲み――むせる。
「ユウキさんの真似は俺にはまだ早かったみたい」
 目に涙を浮かべ苦笑する。見慣れた粋な飲み口を真似ても、酒の辛さに喉がおいつかない。酒飲み修行はまだこれからだ。

「口に含んでからゆっくりのみこんでみろ。もう一杯、注いでやる」
 今度はユウキが徳利を預かり酌をする。なめるように飲めば飲みなれてない者でもむせることはない。アドバイスをしながら次を勧める。
「朏とは前に飲んだことがあるが、お前と飲むのは初めてだな」
 出会った頃は未成年だったので、酒の席には誘えなかった。その成長っぷりに目を細める。
 マ尾が四苦八苦しながら初々しく飲むさまを眺めつつ、自分が飲み始めた頃はどうだったかと昔の記憶を思い返す。食うにも困る毎日だった、初めて飲んだ酒の味は刺激的で衝撃的で――。
 酔いが覚めぬようぐいと飲み干しもう一杯。新たに手酌で注ぎなおす。
「杯を傾ける際に星空が眼前に広がるのもすごくいいな」
 星空が写るのは温泉の湯だけではない、杯の酒にも写りこむ。吸い込めばまるで満天の星を飲むが如く。
「釘刺した側の俺もつい飲みすぎそうだ」
 ユウキは漏れた笑みとともに一気に飲み干した。

 男談義に花が咲くなか、朏が続いてお猪口に酒を注ぐと、ふわりと舞い降りた花弁が杯に浮かぶ。温泉を囲む梅の木々からの贈り物だろう。
 湯にうつる満点の星、杯に梅花。
「なんて贅沢な酒だろう」
 思わず朏の口元が緩む。飲みすぎるな、なんて無理な話だ。

 酒宴もたけなわ、移動するのも面倒臭いと朏は酒瓶を手にとりやすい位置に移動して飲んでいた。酒飲みの本能、あるあるである。
 もともと温泉酒宴が目的だったので、十分な酒を持ち込んでいたのだが、我慢しきれず茶屋で購入していた酒の封をきる。
 この地の酒がどのような味なのか、試しておくべきだろう。
 梅の名のつく澄んだ清酒を一口。爽やかな酸味が口に広がる。控えめな香り、仄かに果物の味が広がる優しい飲み口で初心者でも飲みやすいだろう。熱燗で飲むとどうだろう、興味本位に徳利を湯に浮かべ、待つ間に梅酒を一口。
 強烈な梅の香りがツンとくる。数年寝かして作られた琥珀の蜜は砂糖水と違えるほど甘い。されど、なめると舌がびりりと痺れ度の高い酒で漬けた原酒ならではの濃厚な波が体を揺さぶる。
 さて、そろそろどうかと、浮かべておいた熱燗をぐいと飲む。冷酒で飲んだ時より果物のような甘味が増し深さが広がる。飲み干すとその余韻がふっと途切れ、次を誘う。

 思いのほか空き瓶が多い。空いた徳利を整理していたマ尾は酒の減りが早いことに気づいた、土産に購入した酒も減っている気がする。
 犯人にはめぼしがついている――みかだ、みかしかいない。密やかに飲みまくる酒豪を見遣る。
「ちょっと。飲むスピード、早くない?」
「なんか酒が無いな??」
 ユウキも気づき、マ尾の言葉にも頷き同意を示す。酒が全くないわけではないが、近くに置いてあった酒瓶が空になっている。
「ふっふっふ……!これね、おいしかったよー」
 朏はとてもイイ笑顔、誤魔化すように事後報告。
「しかもお前それ……酒をおかわりしやすい位置に段々移動して行ってるのなんなんだ」
 悪質な奴め、とユウキは呆れ声を漏らす。
「でも流石に全部は飲んでないよ? 二人の分もちゃんととってるから大丈夫」
 ほら、二人とも飲んで飲んで! と、朏は2人のお猪口にずいと注いだが、新しく手に入れた酒は離さなかった。
「次は梅酒の清酒割りだよー」
 ほろ酔い三人組みの梅酒宴は賑々しく過ぎていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

目面・真
温泉、という習慣は知らないんだが。服を脱いで湯に浸かるのか?
茹でられるつもりはナイが、試しに入ってみるかな。

なるほど、これは気持ちがイイな。体中の体温が上がって血行が良くなるのを感じる。しばらく浸かっていよう。
調子に乗って浸かり続けていたら、体がだるくなってきた。これが湯当たりというヤツか?
こういう場合は何か飲むとイイんだったかな?
この白い、甘酒とやらを頂こう。妙に落ち着く甘さだ。美味い。

景色も楽しみたいね。
空にはオレの主戦場の宇宙が広がっているが、アレがオレの知っている宇宙ではナイなんて、不思議な気持ちだ。
ここは梅の花が多く咲いている、命に満ちた世界だ。しばらくは宇宙を忘れるコトにしよう。



「温泉、という習慣は知らないんだが。服を脱いで湯に浸かるのか?」
 宇宙船の中で生活する目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)にとって、温泉にはいる風習は奇抜にうつった。
 茹でられるつもりは無いのでためらったが、心地よさげに入る面々を見て、試しに湯着に着替えて漬かってみることにした。
「なるほど、これは気持ちがイイな」
 体中の体温が上がって血行が良くなるのを感じる。
 しばらく浸かっていよう、と手足を伸ばして大の字になる。戦いのコリが解されるようだ。

 ぐらりと目の前の景色が揺らぐ。何か、体がおかしい。
「これが湯当たりというヤツか?」
 あがって涼んだらどうかな、と誰かの声が聞こえた気がする。言われた通り、湯からあがって洗い場に戻り、手で顔を仰ぐ。
「こういう場合は何か飲むとイイんだったかな?」
 先ほど買っていた甘酒がある。徳利から杯に注ぎぐいとのむ、妙に落ち着く甘さだ。美味い。

 真は少し体の熱が冷めるのを待って、もう一度入りなおすことにした。温度が低い目のところを教えて貰い、とっぷりと漬かり、夜空を見上げた。
「アレがオレの知っている宇宙ではナイなんて、不思議な気持ちだ」
 サムライエンパイアの人類は宇宙に進出する技術力をまだ持ち合わせていない。
 そこには争いのない平和な空が果てなく広がっている。たとえ星が流れても、人の命は流れない。

 ふわりそよぐ風が梅の香りを運んできた。地上に目線を戻すと咲き乱れる梅が微笑むように匂いたつ。――ここは命に満ちた世界だ。
「おかわりの甘酒でも貰おうか。誰か一緒に飲まないか?甘酒だ」
 しばらくは宇宙を忘れるコトにしようと、真は杯を再び手にとり周りで騒ぎ立てる猟兵たちに声をかけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月藤・紫衣
天に星々の海、地に梅花の海
美しい景色ですね。

麓の茶屋で梅酒と金平糖、あと湯着を手に入れて温泉に行きましょう。

少し熱めの湯のようですから、まずは足湯のように足だけを湯につけて、梅酒を楽しもうかと。

湯の熱さに慣れればゆっくり温泉に浸かります。
日々の疲れを癒しながら、流れ行く星でも眺めて、手元にある星、金平糖でも摘まんでのぼせない程度に楽しもうかと思います。

そういえば、混浴だったのでしたね?
どなたか温泉に入っている方が居れば、金平糖のお裾分けをいたしましょう。


アルファ・ユニ
温泉あるなら入らなきゃだめだよね。んん…あぁ、つかれた。気持ちいいね。独占しようとした気持ち、ちょっとわかるかも…温泉卵?ユニは温泉饅頭派。

梅酒か…お酒は最近飲めるようにはなったけど、まだ良さがわかんないから、やっぱり牛乳かな(グビッ)
…楽しそうなみんなの声。音。居心地いい。ねぇ、ユニも会話に混ぜて?お喋りしたい!

綺麗な景色を見てると無意識に鳥さんを探しちゃう。オブリビオンのぶんちょうさまはもういないんだろうけど…

[紺の湯浴み着を着用]
アドリブ、絡み歓迎


鳴北・誉人
アドリブ絡み歓迎
未成年だから飲酒はできないが、甘酒なら飲めるし、せっかくだから買っておこう
あとは、梅干しの入ったおにぎりとかねえかな…ハラ減って倒れそう、なけりゃなんでもイイや、腹にたまりそうなの買っていく

「あぁぁぁ…きもちいいぃい……(じゃぽん」
あー、溶けそう…
ぼんやり星空を見上げる
ぶんちょうのことを思い出しながら、風呂の中で買い込んだもんを食おう
「甘酒、うまァ…(ほくほく」
梅も咲いてンなァ…もう春も近ェか…ぶんちょう可愛かったなァ…
存分に温泉を楽しむぜ



 鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)もじゃぽんと湯に漬かっていた。
「あぁぁぁ…きもちいいぃい……」
 隣の猟兵と並んで大の字になり、声をあげる。このまま湯に溶けてしまいそうだ。常日頃清潔にしている誉人にとって、風呂は身体へのご褒美だ。

 月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)も湯着に身を包み、梅酒と金平糖を手に温泉にむかっていた。
 湯に手を入れるとやはり少し熱いようだ。足だけつけて慣らすことにした。じんわり熱が包み込む。
 梅酒を片手に眺めると、天に星々の海、地に梅花の海。
 戦いの最中は中々眺めることができなかったが、改めてみると見事な花が咲き誇っている。
「美しい景色ですね」
 この風景を新曲に使えないだろうか、などと思案しながら梅酒に沈めた砂糖漬けの梅を、ぐい呑みのなかころりころりと転がした。
 梅の香りに誘われてぐいと飲むと、冷えた体に熱が宿る。ほうと思わず声が漏れた。
 甘いものが好きな紫衣は水割り梅酒に蜂蜜もいれてもらっていた。甘さは濃厚さを極めるのだが、その甘さが心地よい。

 湯の熱さに慣れた頃、紫衣はゆっくりと全身を湯につけ空を見上げた。
 出立の際、スペースシップワールドを救いに戦場へ赴く友の背を沢山見送ってきた、そろそろ攻略し終わっている頃だろうか。
 つ、と星が零れ落ちる。
「無事を、武運を――」
 想いはきっと宇宙の果てまで届くだろう。

「温泉あるなら入らなきゃだめだよね」
 紺色がしっくりと馴染む湯浴み着に身を包んだアルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)も皆と一緒に温泉につかっていた。
「んん…あぁ、つかれた。気持ちいいね」
 両腕をあげ大きく伸びる。酷使した目に、脳に、体に心地よく湯が染み渡る。
「独占しようとした気持ち、ちょっとわかるかも」
 ぽつりと口から漏れでた言葉、そう考えてしまうほど心地良かった。
「(……楽しそうなみんなの声。音。居心地いい)」
 酒宴をするもの、物思いにふけり湯を混ぜるもの、ユニの周りは賑々しく盛り上がる。
「ねぇ、ユニも会話に混ぜて?お喋りしたい!」
 見慣れた一団に混ざろうと、湯をかきわけて歩みを進める。

 星は空だけではなく紫衣のてのひらにも広がる。金平糖、小さな甘い星々を口にに放りこみかりこりと噛み砕く。甘さに顔がほころび疲れを癒す。
 ふと見ると、誉人が食欲旺盛におにぎりをほおばっていた。その見事な食べっぷりに穏やかに笑む。
「美味しいですか」
「あぁ、ハラ減って倒れそうだったけど、落ち着いたァ……」
 戦が終わって緊張が解ければ押し寄せてきた空腹感、誉人は堪えきれずにたらふく食べていた。
 今食べているものは、ほぐした梅を飯に混ぜて握ったものに海苔が巻かれているおにぎりだ。さっき食べたものは中央に肉厚柔らかい梅の塊が仕込まれていた。
 飽きないように食感を工夫して握ってくれたようだ。どちらもさっぱりした梅の風味が一層食欲をそそる。大きめに握られていて食べ応えもするのだが、ぺろっとたいらげられる。まだ幾つもある。
 誉人はおにぎりを掴んで。
「一つ食うかァ?」
「お返しにおひとつどうですか? ユニさんも、甘いものはお好きですか?」
 そこにどうぞと差し出される金平糖。
「ユニは温泉饅頭派、みんなも食べる?」
 温泉饅頭を浮かべていた桶から取りだして。おにぎりと金平糖、饅頭の物々交換が成立する。
「それは何?」
「蜂蜜割りした梅酒です。ユニさんも飲んでみますか?」
「梅酒か……お酒は最近飲めるようにはなったけど、まだ良さがわかんないから、やっぱり牛乳かな」
「牛乳は湯あがりじゃネェのかよ」
「お風呂で飲んでも美味しいよ」
 誉人がつっこむが、ユニはものともせず腰に手をあてグビっと飲み干す。

 未成年だから飲酒はできないが、甘酒ならのめる。一緒に飲まないかという呼びかけに誉人は杯をさしだす。
 自分で購入した分もあるのだが、誰かに注いでもらってのむのも醍醐味だ。
 誉人はお返しになみなみと注ぎ返し、杯あわせて乾杯を。
「甘酒、うまァ……」
 ほくほくと飲み干し、ぼんやり星空を見上げる。
「ぶんちょう可愛かったなァ……」
 白い丸っこい鳥がぱたぱた飛ぶさまが目に浮かんだ。オブリビオンでさえなければ、幾らでも愛でられただろう。
「梅も咲いてンなァ……もう春も近ェか……」
 スンと鼻をならせば花梅が爽やかに香る。

 ユニはきょろきょろと何かを探していた。何をしているんですかと問われると、
「鳥をね。オブリビオンのぶんちょうさまはもういないんだろうけど……」
 綺麗な場所なら鳥が居るかもしれない、そう思ったのだが夜目のきかない鳥たちは夜闇に閉ざされている間は飛び回らない。どこまで見渡しても鳥を見つけることはできなかった。
 ユニはもう一度空を見上げた。
 冬の星座はハト座がある。あの辺りだろうか、記憶を掘り起こし南の地平線近くを指先でついっとなぞってみる。
 夜空に小さな翼を広げ、きらきらと飛びまわっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
……なんか、人集まってるな
知り合いもいたけど、今はひっそり呑みたい気分なんだよね
(梅酒片手に)

【目立たない】格好で、隅の方で座り込む
空を見上げて、お酒飲んで
星を数えて過ごすんだ
……まあ話しかけられたらしゃべるけれども

自然の中にいると癒されるよね
自分も自然の一部だって気がする
世界と繋がったような、溶け込んだようなそんな気分
……猟兵は生命体の理から外れてるけれども

酔ってきちゃった
喧騒が遠くに感じるな
なんにせよ、この景色を守れて良かった

流れ星を見つけたら【祈る】よ
もっと私に、力をちょうだい
皆を守る力を
過去の自分を乗り越えて行く力を

この景色を、世界を守り続ける為に
いつかまた、帰る日の為に



「……なんか、人集まってるな」
 先ほど肩を並べて戦っていた猟兵たちの姿もあるが、鈴木・志乃(ブラック・f12101)は独り静かに隅に座り湯につかっていた。
「(今はひっそり呑みたい気分なんだよね)」
 無論、話しかけられたら喋るつもりだったが、誰も邪魔するものはいなかった。
 冷えた梅酒の杯をぐいと飲んで、空を眺める。

「(自然の中にいると癒されるよね。自分も自然の一部だって気がする)」
 目を閉じて耳を済ませると、風と湯の音がざわざわと鳴る。自然音が包み込む。
 自分と言う存在が希薄になり、身体が世界と繋がったような、溶け込んだような気分になる。
「(……猟兵は生命体の理から外れてるけれども)」
 猟兵といえども特殊な能力はなく戦い慣れた一般人程度の力しか持ち合わせていないのだが、戦闘が続くと精神は極限まで追い込まれ『そう』ではないものに変わっていくように感じていたのだろう。超常であるという想いは彼女の心を苛み続けていた。
「酔ってきちゃった」
 自嘲するような薄笑いを浮かべる。周りの喧騒が随分と遠くに感じられた。

「なんにせよ、この景色を守れて良かった」
 ふたたび星空を見上げると、きらりと一筋零れ落ちて。
「もっと私に、力をちょうだい。皆を守る力を――過去の自分を乗り越えて行く力を」
 ヒーローを『演じる』のは、いつか必ず来る一日の為の準備。
 この景色を、世界を守り続ける為に。
 いつかまた、帰る日の為に。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト