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唸れ冒険商人！キングVSメリー！

作者：椿油

●冒険商人のキングとは俺の事だ
　ここは宝が眠ると言われる島、トミヒル島。星の砂が砂浜に沢山あり名物だが、そんな事より……。
「うォォォ!!　あるんだろう!?　『オタカラ』がよォ!!」
　巨漢の冒険商人が島を駆け巡る。それを密かに見る、なんか見た事ある一人の女性。
『何アレ怖……って、私だって負けてられない！　この宝島にある宝は私のモンだァァ!!』
　猟書家となったメリー・バーミリオンも負けじと島を駆け巡る！
「うォォォォ!!!!!　宝はどこじゃあ!!!!!」
『私が一番乗りだァ!!!!!』
　島中に二人の声が響いたという……。

●グリモアベース
「抗争みたいな事してるけど、猟書家戦よ」
　グリモア猟兵、ジェルダ・ヒーメィ（銭の亡者・f27900）が注釈を入れた。
「宝島に猟書家にとって大切な宝があるみたいね？　でも運良く冒険商人が味方サイドに居るわ！　協力してもらいましょう！」
　冒険商人の名はキング。明らかに強そうな巨人の男性である。
「知能が残念ながらキングじゃないそうだけど、パワーと脚力はピカイチらしいわ。猟書家のメリー・バーミリオンより早く宝を見つけてついでにやっつけちゃうのよッ!!」
　骸の月を押し返し最終戦に持ち込んだ世界もあるが、グリードオーシャンもある意味猟書家戦の要ではある。
「カクリヨで戦争も起きてるけど…力を貸して貰えると嬉しいわ……！」
　グリードオーシャン、そこはジェルダの第二故郷でもあった。

第1章 冒険 『宝探しをしよう』

POW   :    数打てば当たる！たくさん探す SPD   :    唸れ文明の機器！道具を使い探す WIZ   :    たぶんあっち！勘で探す 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「ま、適当に探せばきっと見つかるのだ」
　みすずは砂浜で、目印等が無いかを一応探しつつ、後は勘を頼りに進む。
「星の砂キレイだな～、ってそうじゃないんだよね」
　星の砂が何かの目印になってないか？　念の為確認するが、特にこれといった手がかりはなし。

「100%勘だからなぁー」
　と言っていると、足元に何かの這いずった跡を見つける。
「何これ？」
　よーく見ると、ワニ……にしては小さいし両手の間隔が細かい。もしかしたらこれは、亀が歩いた跡ではないか？
「コレ、亀だ!!」
　島に居るのだから、ウミガメに違いない。踏まないように追ってみると、ワニがいた。
「……食べられちゃったのかな？」
　しょうがなく、UC《超絶攻撃》でバールのようなものによるダイレクトヒットをかました。ワニは吹っ飛んだ。

「うーん、亀は食べられちゃったしイチから探し直しかな……」
　周囲のUCで砂が吹っ飛んだ砂浜を見てみると、なんとそこには卵を産んだであろう巣の一部が見える。
「卵が残ってた！　良かった……みすずちゃんが埋め直してあげるからね！」
　と、近づいて分かった。その亀の卵の近くには、いつから埋まっていたか、白くて丸いカプセルがあったのだ。
「ん？」

　そーっとカプセルを取り出し、亀の卵を傷つけないように砂で隠したのちカプセルを開けてみると『②●U●●の●』と書いてある紙が出て来た。
「何これ……？」
　さらにその紙には『①②③を揃えよ』と書いてある。

「……あー、もしかして①と③も見つけなくちゃいけないやつかな……」
　砂浜にこれ以上は何も無さそうだ。恐らく、ジャングルの中だろう。
「お宝……どんなのだろ？」

大成功 🔵​🔵​🔵​

「ほぉ……閃いた！」
　姿を自由に変えられるラモート、今回はお姉さんスタイルで島に来た。
「キングさーん、虫集めしよう」
「ほう？　俺が欲しいのはオタカラだが虫集めに協力してやらん事もない!!　んで、何を集めるんじゃワレ」
「爬虫類か節足動物で、毒が無くて見た目が気持ち悪いやつ。籠なら持ってるよ」
「お嬢ちゃん趣味悪いのう!!　あの海賊にでもぶちまける魂胆ってか！　ハハハ!!」

　その推測、恐らくだが正解である。
「よし、ジャングルの中ならこいつなんかどうじゃ」
　ムカデに近しいトゲトゲした何かが採れた。キングは素手で触っている。
「はい、一匹目ー。後は？　どこにいるかな」

　足元には、長い紐状の物が。
「これは……蛇かな？」
　ラモートは推測するが、よく見ると動かない。
「ただの紐じゃのう」
「なんだ、紐か」
　キングがぐいっと引っ張ると、そこには紙が。
「おぉ、オタカラのヒントじゃあ！　よぉく見とけ！」
「『③●●M湖●●、①②③を揃えよ』　……はい？」

　既にあるヒントと揃えてみると、『●UM湖の●』となる。
「うみみずうみ？」
「いや、これは何かの略語じゃけぇ、①を揃えるのが先決じゃ！　虫は沢山集めといたから嬢ちゃんにやろう！」
「わーい、さて……これだけあれば良い写真撮れるかな？」
　にやにやしているラモートであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「宝探しかあ、昔お義母さんと研究所でやってたね。でもここは研究所の何倍も広いし二人で探すのは大変だよ」
　キングと共に、オタカラのヒントを探す事にした。今までのヒントは前のリプレイを参照されたし。

　ニクロムはUC《哀れな姉妹達》で、姉妹を大量召喚して手分けして作業する事にした。
「キングさん、ボク乗せて？」
「おーし、肩車じゃ！　ついでにクライミングするぞワレェ！」
「クライミングかぁ……大丈夫？　落ちない？」
「巨人の肩幅舐めたらいかんぞ嬢ちゃん！　まだ崖上を探索しとらんのじゃ！」
「そっか、じゃあ崖上の探索手伝うよ」

　ファイト一発で崖上にひょいひょい登るキング。さすが巨人の肩幅、猟兵が乗っても大丈夫。
「おー、広い所に出たね」
「ここには一本しか木が無いのう」
「それって逆に怪しくない？」

　姉妹達も数名、木の周りに集まってきた。
「下は何も無かったって。あと、湖があったみたい」
「ふむ、湖……ん？　湖？」
　キングは以前のヒントに湖と書いてあったのを思い出した。ニクロムがとりあえず木を揺らしてみると、軽い音のヤシの実が一つ落ちて来た。
「やけに軽い音……怪しいね」
「どれ、開けてみぃ」

　いとも簡単に開封すると、中からヒントの書かれた紙が。
「成程？　こんな風にお宝見つけるんだ」
「何々……『①R●●●●底、①②③を揃えよ』……分かった！」
「今までのヒントは何なの？」
「繋げると『RUM湖の底』、つまりラム酒が湖の底にあるって寸法じゃけぇ湖まで降りるぞ嬢ちゃん！　肩に乗れぃ！」
「えっ」

　姉妹達が見つけた湖に、何かあるのだろうか？
　……というか、ラム酒が本当にお宝なのだろうか？

大成功 🔵​🔵​🔵​

　ミリアリアは、箒を手に持ち島へ来た。
「海辺で宝探しなんて、ロマンティック。では、まずは情報収集からいきましょうか！」
　箒を縦にして、パタン、と倒した。ジャングルの方に倒れる。
「あっちですか」
　何やら箒は不満げだ。
「え、意思があるんだから飛んで探すですって？　それじゃあロマンが台無しですよ！　宝探しなんですから！」
　宝探しにはこだわりがあるようだ。
「ところで今示したのはキングさんの居場所でしょうか、それともお宝の場所でしょうか？」
　箒は知らないぞという感じでそっぽを向いた。

　とりあえずジャングルへ向かうと、キングが居た。
「湖はどこじゃあぁあぁ!!!」
「あ、キングさんですね！　湖探してるんですか？」
「宝のラム酒が沈んどるんじゃけぇ、あの海賊より俺が先に見つけるんじゃあ！」
「ラム酒？」
「暗号を解いたら『RUM湖の底』になってのう」
「酒ってどこにも書いてないですよ。はは〜ん、実は呑みたいだけでしょう〜」
「何言っとるんじゃ！　ラム肉のラムはLAMBでラム酒のラムがRUMじゃけぇ酒に決まっとろうが！」
　キングは頭は強くないが、確かにラム酒は好きだ。なのでつづりだけは知っていたらしい。

「んー、それならお宝は酒かもしれない。しかし湖ですか……。規模は書かれてないんですよね」
「そうじゃのう」
「大きかったらすぐに見つかるだろうし……思ってるより小さいんじゃないですか？」
「ふむ？」

　小さいかもしれない、という事を加味しつつ探してみる。すると、ギリギリ湖と言えそうなサイズの場所を発見した。

「ここの底じゃ！　潜るぞ！」
　と言って一人で勝手に潜ったキング。
「大丈夫かなぁ……」
　ミリアリアが心配そうに底を眺めると、キングはもう上がって来ていた。

　ザバァ！　キングは確かに片手にラム酒の瓶を持っていた。
「ラム酒ゲットじゃあ!!!」
「おぉ、本当にラム酒が……！　で、それ本当にお宝なんです？」
「おう、かなりの年代物じゃけぇオタカラじゃ」

　確かに、そのラム酒の瓶は古びて見える。すると、猟書家メリー・バーミリオンがようやく湖にやってきた。
『先越されたぁぁ!!!』
「ふっ、遅かったのう！俺の勝ちじゃあ!!!」

　お宝のラム酒はこっち側の手にある。いよいよバトルだ！

大成功 🔵​🔵​🔵​

第2章 ボス戦 『メリー・バーミリオン』

POW   :    野郎共、仕事の時間だ！ レベル×1体の【海賊船団員】を召喚する。［海賊船団員］は【したっぱ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。 SPD   :    お宝発見アイ〜伝説の海賊を添えて〜 対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【大海賊の霊】が出現してそれを180秒封じる。 WIZ   :    大逆転！ 元の木阿弥大津波 自身の【サーベル】から、戦場の仲間が受けた【屈辱の数】に比例した威力と攻撃範囲の【津波】を放つ。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「キング、戦ってみて！」
　みすずは、キングに提案してみる。
「俺がか？あの女海賊は確かに邪魔じゃが……」
「コレで勝てば、あなたはヒーローだよー。みすずちゃんは、キングがケガしたら治してあげるからね」
　治療UCはいつでも使える、と心構えを見せたみすず。
「おう、それなら戦っても安心じゃけぇ行くぞ!!　ワレェ!!」
　メリー・バーミリオンに殺意の如く目線を向ける、キング。
『面倒だけど消えてもらうしかないわ！　覚悟！』
　視線の先は、バチバチ火花が飛んでいる。

「本当にラム酒……？」
　ニクロムは疑問の瞳でお宝と思わしきラム酒を見つめる。
「メリー・バーミリオン、アナタはラム酒のために命を賭けてボク達と戦うの？　うんまあオブリビオンだし仕方ないかな？」
『邪魔しないで頂戴!!!』
　サーベルから津波を放った、メリー・バーミリオン。
「そういうのはもっと後に取っときなよ、仕方ないキングさん飛ぶよ！」
「俺は飛べんぞ！」
「いいから掴まって。反抗の竜チタノよ降り立て」
　UC《絶対反抗領域》で場を無重力にしたニクロム。

「うおおぉおぉ!?　飛んどるぅぅぅ!!!」
　無重力初体験で、驚くキング。ニクロムにとっては朝飯前なのだが、慣れという物もある。
「さあ今度は超重力を掛けてキングさん、ダブルキックだ！」
「うおぉおぉぉおぉ喰らえこのアマァァァァ!!!　俺の体重は153キロじゃぁぁぁぁぁ!!!」
　凄まじいスピードで落ちていき、ダブルキックをかました……と、思ったら、足が先にメリーにめりこんだのはキングの足。
「うん、そうだよね？　キングさん巨人だから、キングさんのキックが先にヒットするよね……」
　既にメリーは頭にひよこが飛んでいるが、格好よく決めたかったニクロムだった。

「わぁ、凄い。で、ホントにラム酒がお宝？」
　拍手している、みすずも問いたくなる。年代物とは言うが……はて？
「だからこれは正真正銘オタカラじゃけぇ、飲んだらいかんぞ！」
「いやみすずちゃん、未成年なので飲めません」
「ボクも未成年だから飲めないよ」

「……おっ、おう」
　キングの足りない頭で良く考えたら、二人共10代らしい可愛い背丈だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

『野郎共、仕事の時間だァ！』
『オー!!』
　メリー・バーミリオンが召喚した海賊船団員達は、意気揚々にオーと声を荒げる。
「泣き顔のメリーを拝みたくないかー！」
　そしてラモートのUC《胸に刺さる言葉》は、メリーの部下達に刺さる。
『おっ…オー!!!!』
『えっ、何してるんだ猟兵お前』
　思わずメリーがツッコむ。

「何って？　バトルという名の乗っ取りですけど？」
『いやうちの野郎共を勧誘するなァ!!　ってお前ら何ロープ持ってきてるんだ!?』
『何って？　お頭を縛るんすよ』
『は？』
　ロープを持った海賊船団員が真顔で答えたのに対し、メリーもスンと真顔になった。

　数分後、手足を縛られた挙句、亀甲縛りになったメリー。
「はーい、虫さんお行きー」
『うわぁぁぁ!!　ゲジゲジを顔の前に置くなぁぁ!!　毒無くても気持ち悪いわ!!』
『ぷはぁ、縛られたお頭をツマミに飲む酒は美味いっすねー』
『後で島流しにしてやるぞ野郎共ォォォ!!!』
　ラモートは記念に写真を撮っていた。

　そして皆がメリーをツマミに宴会を楽しんだ後、全員解散という名の放置プレイ。
『えっ、ちょっと……野郎共？　もう野郎共じゃなくてお前達とかって呼んでやるから戻って来て？　ねぇ、お前達？　君達？　貴方達？　……誰か助けろォォォ!!!』

　かなり経って、UCの効果が切れた一部の団員が優しい顔でロープを切ってあげた頃には、メリーの顔が涙でぐちゃぐちゃになっていたという。
『許さねぇ……ぐずっ』
『お頭、あの、その俺……』
『お前は今すぐ腹を斬れ』
『すみませんでしたァァッ!!』
　その後、優しくロープを切ってあげた団員がどうなったかは誰も知らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「この泣き顔の写真が欲しかったら飲み比べでのみ勝負してあげる。但しこっちが勝ったら言うこと聞いて貰うからね？」
　さっき撮られたメリーの恥ずかしい写真が、メリーの前でチラつかされる。なお、部下達はUC《胸に刺さる言葉》で再洗脳もとい、やんややんやと騒いでいる。メリーも負けてられないと勝負に乗った。
『飲み比べなら勝てる！　色々破廉恥な事を私にさせたのを後悔させてやる……！』

　だが、メリーは気が付かなかった。ラモートには、アルコールを吸収する『胃』が無かった事に。

「スピリタスおかわり」
『承知っす姉御！』
『おつまみ用意してきやした！』
　度数96の脅威のお酒スピリタスを樽単位で呑んでいくラモート。
『あんだぁ……その胃どうなってんだぁ……！？　そこなしかぁ……！？』
　酔っているメリーでもにわかには信じがたい光景だ。まるで水を飲むかのようにスピリタスをごくごくと飲んでいくラモート。
「はい、勝った。じゃあ約束通り言う事聞いてもらうよ」
『んなあほなぁ？！』

「そーれ、メリーの痛々しくてダサい衣装かつ寄り目の変顔で肩痛めたポーズしながらブレイクダンスする所見てみったいー」
『かたいためたポーズぅ……わけわからんわぁぁ、ぶれいくだんすってなんだぁぁ』
『見ってみったいー！　見ってみったいー！』
　部下がイッキのノリで手を叩く。そして結局、破けた海賊服を纏って変顔でブレイクダンスしながら肩痛めたポーズをしているメリーの、写真を撮るラモート。

「いやぁ……こうゆうのもやっぱ良い！」
　満面の笑みのラモートであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年05月14日