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願いを叶える白いホシ

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●祈り、願い、呪う
「どうかお願いします、白鯨様。彼と結ばれますように」
「白鯨様、白鯨様。何卒良きご縁をお与えください!」
「ピヨピヨ? ピヨーピヨヨヨヨッ」
 温泉街から程近い、海沿いの街道にある小さな祠。
 そこにはいつからか恋愛成就の神として白鯨が祀られていた。
 何でも、昔この地では白鯨を見た者の間に不思議な縁が生まれ、子孫が繁栄したのだという。
 いつしか白鯨の姿は見られなくなったが、恩恵を受けた者達が感謝の意も込めて祠を作った。それがこの祠であり、子孫に恵まれたお陰で発展したのが温泉街だ。
 その祠の近くに何故かまた人が集まっている。
「白鯨様、うちの畑で取れた野菜です。どうか倅にご縁を」
「うちからは自慢の団子をお供えします。ですのでどうか娘にもご縁を与えくだされ」
「ピヨーー! ピヨッピヨッ!」
 白鯨を見た。
 最近になって巷で再び噂となり、この地へ訪れた人により祠の前はごった返しだ。
 皆が皆、白鯨様と崇めて願いを口にする。
 その願いを聞き届けるものは既にいないとも知らずに。


 猟兵達で賑わうグリモアベースに一人の青年が転移してきた。
 頭には何故か白いもふもふの犬のぬいぐるみを乗せて。
 人を寄せ付けないオーラを放つ青年とは裏腹に、頭の上のもふもふは人懐っこい表情で尻尾をゆらゆらと振っている。
 ……ぬいぐるみではなかった、れっきとした犬だった。
「サムライエンパイアで事件が起こる。興味のある奴は集まれ」
 気付いているのかいないのか、頭上の犬を意に介さず木詞・真央(Unregelmäßig・f10513)はいつものように依頼の話を始めた。皆の視線が明らかに犬の方へと集まってるのは言うまでもない。
「内容は至って簡単だ。人の集まっている場所にオブリビオンが出現するから、被害が出るその前にオブリビオンを叩け」
 これがそのオブリビオンの資料だ、と言って行動パターンが記された資料が渡される。
 かつては恋愛成就の白鯨として人々に崇められていた。
 しかし再び姿を表した白鯨はその人々を殺害し、強力な潮吹きにより破壊活動を行うだけだ。
「ああ、一点だけ。こいつの放つ潮吹きには妙な力が宿っているようだ。長い年月を掛けて願いをその身に宿した為か、その願いは呪いにと変わっている」
 呪い? と聞き返す猟兵に対して頷く真央。
「意識の変格、改変。簡単なものだと催眠と言った所だな。効果に個人差はあるだろうが正常ではいられなくなるだろう」
 曰く、対象の“恥ずかしさ”を浮き彫りにさせてしまうのだと。
 それはどうしようもなくて、抗えないもの。
 誰かを、何かを、盲目的に好きになってしまわせる。
「ま、精々当たらないように気をつけることだ」
 当たらなければ呪いは効果を発揮しない。
 そう言った真央は資料をペラリと捲る。
「今のが今回の依頼のメイン。で、そのついでにもふもふの毛玉を追い払ってもらいたい」
 ぺちん、頭の上にいた白いもふもふ犬が真央の額を肉球で叩いた。
「こいつらは温泉街にある甘味に釣られてやってきたようだが、腹さえ膨れれば大人しくなる。適当にこいつらの腹を甘味で満たした後は好きにしろ。白鯨が出るまで遊ぶなり一緒に寝るなりな。見た目通りもふもふしてるとの事だ」
 またも頭上の犬がぺちんと叩く。
「纏めると、まずは毛玉に餌をやって自由行動。次に現れた白鯨と戦闘。最後に……ああ、最後の説明を忘れてた」
 最後、白鯨討伐後は猟兵を労うために温泉を貸し切りで提供してくれるという。
 様々な効能の温泉に加え、今の季節は星が良く見えるのだとか。
 身も心も癒やされる一時となることだろう。
「……この毛玉を枕に寝たら気持ちよさそうだな」
 ペチン、今までで一番強く肉球パンチが決まった。


天路
 こんにちは、天路です。
 戦争シナリオが飛び交ってる中、息抜きになるようなシナリオを出しました。
 まっしろピヨすけが可愛すぎるのがいけないんです。

●シナリオ補足
『1章 集団戦 まっしろピヨすけ』
 集団戦ですが、戦闘プレ0でも成功します。
 思い思いにピヨすけ達と戯れてください。

『2章 ボス戦 白鯨斎髭長ノ進』
 “らぶすぷれ~”に特殊効果がある以外は通常のボス戦です。
 特殊効果は恥ずかしさで戦闘に集中出来なくするものです。
 効果は一時的なもので遅くても戦闘終了時には消えています。
 何らかの対策、もしくはどういうリアクションを取るかがあると良いかと思います。

『3章 日常 プラネタリウム温泉』
 PC様の望む効能の温泉が用意される事でしょう。
 温泉は男湯、女湯、混浴(水着着用)と用意されているのでお好きな場所をご指定ください。
 貸し切りなので多少はしゃぐのも許されます。
 もしグループ参加する場合は相手の氏名(ID)の記載、又は『グループ名』を記載ください。

 指名がありましたら木詞・真央も温泉に付き合うことでしょう。女湯は無理ですが。
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第1章 集団戦 『まっしろピヨすけ』

POW   :    超もふもふもーど
全身を【膨らませてめちゃくちゃモフモフな状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    もふもふあたっく
【もふもふ体当たり】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    もふもふソルジャーズ
レベル×1体の、【額】に1と刻印された戦闘用【ミニまっしろピヨすけ】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 温泉街へと繋がる街道。
 街道の先には温泉のものだろう、白い湯気があちこちで立っている。
 街道から外れ、少し遠くまで視線を向ければ青い海が広がっている。
 冷たい潮風に打たれながら、それは進行する。
「ピヨー! ピヨヨっ!」
 ヒヨコのような鳴き声を上げながら進行する。
 潮の香り、温泉の香り、そして――
「ピヨヨヨヨーー!」
 饅頭、団子、餡蜜といった甘い香り。
 よし食べよう、今すぐ食べよう。
 ふわふわ、もふもふ。
 ピヨすけ御一行のおなーりだー。

 旅人、行商人、物見遊山。
 様々な人が訪れて観光地として賑わう温泉街。
 オブリビオンの群れが押し寄せているとは露知らず。人々は通りを行き交っている。
「すみません、ここにあるお団子を包めるだけください」
「おっちゃん、ここの団子を持てるだけ売ってくれ!」
 そして訪れた猟兵達もまた、街の喧騒へと溶け込んでいた。
太刀緒・朔
もふもふだと聞きまして!

まっしろピヨすけに甘味をあげて満足してもらった後、モフモフしてからお昼寝します。欲張りコースです。

食べ逸れる子がいない様、お団子いっぱい用意します。
詰まらせない様に、ゆっくり食べるのだよー。

満足して貰ったら一匹……いや、一体?ずつ撫でますね。
(もふもふもふもふ)いやぁ、君は本当にふわふわだねぇ(もふもふもふもふ)

そして満足する迄撫でたら、一緒にお昼寝。
大き目の子を捕まえて枕にしますね。……いや、ここは複数…?迷うなぁ。
直ぐに寝付けるかなー、すやぁ。

万一戦闘になったら(まぁどさくさに紛れてもふもふしますが)手加減無しで戦闘します

アドリブ・絡み歓迎、楽しくどうぞ




「ピヨーー!」
 ついに辿り着いたぞ! と言わんばかりに先頭のピヨすけが鳴き声を上げる。
「ピヨ! ピヨ!」
 それに続くように他のピヨすけ達もピヨピヨと鳴き声を上げる。
 目的は街にある甘味の数々。
 桃源郷はすぐそこだ、いざ参ろうか。
「お待ちしてました、もふもふ……ではなく、まっしろピヨすけ御一行」
「ピヨッ!?」
 何奴、とでも言わんばかりの切れ味ある鳴き声。
 声の主へと視線を向ければ、そこには両手に包みを持った太刀緒・朔(ヤドリガミの剣豪・f08368)の姿があった。
「安心してください。今回は争いに来たわけではありません」
 そう言って包みを下ろし、ピヨすけ達の前で紐解くと、中から沢山のお団子が現れた。
「ピヨーーーー!!」
 ピヨすけ達の間に歓声が響き渡る。
 これは自分のだ、自分にも食べさせろ、甘味だ甘味だ、我先にと飛びつくピヨすけ達。
 いっぱいあるから慌てないで、と制止をすれば、アレほど大騒ぎだったピヨすけが朔の言葉に大人しく従った。
 食べ物をくれるいい人、みたいな認識に変わったのかもしれない。
 満腹になったピヨすけは集団から外れてスヤスヤとお昼寝を始めるものや、何やら遊んで欲しそう朔を見つめるものも。
「それでは失礼して」
 この時を待っていましたと言わんばかりに。
 近くにいたピヨすけを一匹持ち上げては、そのふわふわの毛並みにそっと触れる。
 ほんの少し力を入れるだけで指はその羽毛に埋もれ、ふわふわとした感触と優しい肌触りが伝わってくる。
「ああ……これは……」
 なんて素晴らしいもふもふなのだろうか。
 この……もふもふ……。柔らかな……もふもふ。
 もふもふ、もふもふ、もふもふもふもふ。
 ああ、素晴らしきかな、もふもふ。
 もふもふの虜となった朔からピヨすけが解放されるのはもう少し先となるのだった。

「いやぁ、君は本当にふわふわだねぇ……おや?」
 撫でるのに満足した朔がピヨすけを解放しようとしたところ、最初に比べてピヨすけの体が肥大化していた。
 言うなれば、超もふもふもーど。
「これは枕にどうぞ、ということですね。分かりますとも」
「ピヨ?」
 そんな意図があったのかなかったのか。
 もふもふもーどのピヨすけは枕に。近くで寝ていたピヨすけ達は朔の手の中で抱きしめられて。
「もふもふ、幸せです。こんな状態で寝付けるはずが……すやぁ」
 驚異的な速さで深い眠りへと誘われた朔。
 如何に猟兵と言えど超もふもふもーどには敵わなかったようだ。
 ピヨすけに埋もれている夢を見ているのか、朔の寝顔はとても幸せそうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーサー・ツヴァイク
※アドリブ協力大歓迎
【POW】判定…でいいのかなこれ

おや、こんなところにかわいいことりが
…いや、一応真面目に処理しよう。
餌やればいいんだろ? サムライエンパイアは初めてだから甘味を一から作るのは流石にハードル高いし、そこら辺の奴渡しとこ。【料理】技能もないし。
…人間サイズだと大き過ぎるかな。ウェポン・アーカイブでナイフを召喚して、ピヨピヨサイズに切り分けるか。
しっかしお前フカフカしてんなー何食べたらそんなにフカフカすんの?
…何、でっかくなれんのお前? ホントかー?




「おや、こんなところにかわいいことりが」
 視線の先にはもふもふピヨすけとそれを枕に眠る猟兵。
 わあ、なんてかわいいのだろう。
 と、アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は頭を振って緩んだ思考を追い払った。
 一応これも依頼に含まれた仕事なんだ、真面目にやろう。
「ほら、お前達。街で買ってきた団子だ。食べられてない奴、食べたりない奴は集まれー」
「ピヨー!」
 その声にピヨすけ達の歓喜の声が響き渡る。
 団子の奪い合いが始まるかと思いきや、用意された団子は全て小さく切り分けられえていた。
 人間サイズでは大きいかと思い、アーサーが事前に切り分けておいたのだ。
 その甲斐あってか、争いが起こること無く平和的に団子を食べられたピヨすけ達。
 アーサーはその様子に満足し、近くで寝こけていたピヨすけを手に取る。
「お、おー!?」
 手に取っただけで分かるふわふわ、フカフカのもふもふ。
「お前フカフカしてんなー何食べたらそんなにフカフカすんの?」
 もふりもふり。
 そのフカフカ具合を確かめる様にピヨすけをもふる。
 たかがもふもふ。されどもふもふ。
 気づけばアーサーは無心でピヨすけをもふっていた。
「ハッ!? 俺は一体……中々やるな、ピヨすけ」
「ピヨ?」
 日頃の戦いを忘れるような平和でまったりとした時間。
 ピヨすけのもふもふ具合に思わず気が緩むのも仕方がないというもの。
 アーサーの反応を見て気を良くしたピヨすけは何処と無く自慢気な表情をし、器用に自らの胸をぽふんと羽で叩いた。
「ピヨヨ!」
「……何、でっかくなれんのお前? ホントかー?」
「ピヨー!!」
「見てろって?」
 何故か成立した会話に驚く間もなく、ピヨすけは全身を膨らませた。
 およそ3倍程に膨れ上がったピヨすけは相も変わらず自慢気な顔だ。
「おー、やるじゃねえか。どれ、フカフカ具合はっと」
 もふり。
 ピヨすけのお腹辺りを触れたアーサーの手は、柔らかな感触に包まれた。
 先程までがもふもふだとすれば、今のはめちゃくちゃなもふもふ。
「やべーなピヨすけ。お前やべーよ」
「ピヨヨー!」
 思わず語彙力も吹き飛ぶもふもふっぷり。
 ピヨすけと完全に意思疎通をしたまま、そのフカフカを心ゆくまで堪能するアーサーだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

十六夜・月
もふもふだ、この世界はもふもふであふれている・・・

とりあえずもふもふできればもう、なにもいらない(
もふもふしすぎて倒してしまうかもしれないが、第二、第三のもふもふg

とりあえずもふもふします。隙をつかれてこちらがやられて
しまうかもしれないが、それは仕方がない事と割り切ります。

[アドリブ大歓迎、むしろカモン!]




 この世界はもふもふで溢れている。
「ああ、ここで朽ちるというのならそれもいい……」
 もふもふ。そう、もふもふだ。
 もふもふさえあれば、もふもふできるのならば他には何もいらない。
 満腹になり、スヤスヤと眠るピヨすけ達と共に横たわる女性が一人。
 十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)は満ち足りた顔でピヨすけのお腹に顔を埋めていた。
「ピヨ~」
 ピヨすけもピヨすけで。超もふもふもーどでのんびりと日向ぼっこをしている。
 何故超もふもふもーどが発動しているかと言われれば、先程から月がひたすらにピヨすけをもふり倒しているからで。
「ああ、もふもふ……素晴らしい、最高だね」
「ピ~ヨ~」
 最早諦めの境地なのか、それとも満腹感からやる気がないのか。
 一切の抵抗をやめてただひたすらにもふられているピヨすけ。
 もふもふと、もふもふと。
 ふわふわでふかふかな魅惑のもふもふボディを堪能し尽くして、漸く解放されたかと思いきや。
「こんなに数がいるんだ。一匹で満足するのは勿体無い。そうだろう?」
「ピヨ?」
「またとない機会、楽しませてもらうよ」
 刹那、月の赤い瞳が怪しく光る。
 浮かべる笑顔に悪寒を感じたピヨすけ達は次々に超もふもふもーどで防御の姿勢を取る。
 しかし、いやそれこそが月の狙い。
 膨れ上がり動けなくなったピヨすけを片っ端から抱き上げて、集めたピヨすけに自ら飛び込んだ。
 四方から押し寄せるもふもふはまさに天国かと思わせる極楽。
「このもふもふは人を駄目にする……」
 全てがどうでもよくなり、ただただ気持ちのいい安らぎ。
 月は時間が来るまでもふもふに包まれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペイン・フィン
鯨退治と聞いてたんだけど・・・・・・。
ひよこ?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・(じー)

手招きして、持ってきてたパンをちぎって渡して・・・・・・

・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?
自分は、いつの間に寝てたんだろうか・・・・・・?(ひよこを撫でつつ)




「……」
「ピヨ?」
 一人と一匹がじっと見つめ合っていた。
 他の猟兵達がもふもふに飲まれる中、ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)はいつもと変わらぬ表情のまま。
「鯨退治と聞いてたんだけど」
「ピヨヨ?」
 依頼の内容は確かに白鯨討伐。そこに間違いはない。
 ただ、その前後にオマケもついてると補足はされていた。
 そのオマケがこれだ。
「ひよこ?」
「ピヨ!」
「そうか、ひよこなんだ」
「ピヨー!」
 鳴き声は確かにひよこ。外見も白いのを除けばひよこに見えなくもない。
 ピヨすけも自身もひよこだと思っているのか、全力で応えている。
 それなら丁度良かったと、ペインはピヨすけを手招きした。
 首を傾げながらもピヨすけ達はペインの元へと集まる。
「はい。お腹減ってるんだよね」
 そう言って差し出したのはパンを小さく千切ったもの。
 お腹が空いていたピヨすけ達は遠慮なくパンを啄む。
 ツンツン、ツンツンと。小さな嘴の感触は痛いというよりくすぐったくて。
 ふわふわとした小さな体に、そこからくる感触。思わず頬が緩むというのはこういう事を言うのだろう。
 そんな事を思いながらパンを食べ終えたピヨすけを一匹手に取り撫でてみる。
「ピヨー……」
 満腹感と撫でられる心地よさに、気持ちよさそうに鳴き声を上げるピヨすけ。
 その感触はふかふかで、もふもふで。
 思わず顔を埋めたくなってしまう、そんな欲求に駆られ。

「……?」
 気がつけば、ペインはピヨすけを抱くようにして眠っていた。
 起き上がると体に乗っていたピヨすけが何匹かころころと転がり落ちる。
「いつの間に寝てたんだろう……」
 ふわふわ、もふもふ。
 未だにその手でピヨすけを撫でながら、そんな疑問が口に出た。
 もふもふの力恐るべし。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加。

おや、白いもふもふが沢山・・・(奏の様子を見て)存分にもふってから天に還すんだね。(笑いながら)分かった。瞬もいいね?

いつも使う気配消しの技はあえて使わず、奏に充分もふらせてあげる。(瞬の様子も見て)2人とも堪能してるようで。もふもふの時間が終わったら名残惜しいけど、【二回攻撃】【範囲攻撃】と竜牙の組み合わせで一思いに一掃するよ。来世は普通のひよこに生まれ変わってくることを祈るよ・・・・


真宮・奏
【真宮家】で参加。

(目をキラキラ)可愛い白いもふもふが一杯です!!いっそ群れに飛び込んでもふもふしたい・・・倒さなければいけないのは分かっていますが、その前に一杯もふっていいですか?(瞬の手を引いてぐいぐい)さあ、瞬兄さんも行きましょう!!

一応【オーラ防御】を使用してから、存分にもふりますっ。存分に堪能してから、名残惜しいですけど、【属性攻撃】【範囲攻撃】と信念の一撃で幸せな時間を終わらせます。ありがとう、幸せでしたっ。(黙祷)


神城・瞬
【真宮家】で参加。

・・・・・これは。(黙っているが可愛いと思っている)奏、この手は?いえ、これは倒すべき敵で(ぐいぐいと引っ張られて)・・・分かりました。付き合います。(強引に白い群れに連れ込まれる)


とはいえ、一杯群がられて身動き取れないのですが(二匹程引きはがして放り投げる)奏、そろそろいいですか?可哀想なので【祈り】を込めて氷晶の矢を放つだけにしますか。余り痛い思いさせたくないので(口には出さないがやっぱり白ひよこに魅了されていた様子)




 普段はオブリビオンの脅威から人々を守るために戦っている真宮家の面々。
 今回もその一つとしてこの地へと来たのだが。
「……これは」
「おや、白いもふもふが随分と沢山いるねぇ」
「か、可愛い……!」
 他の猟兵に食べ物を貰ったピヨすけ達は思い思いに日向ぼっこをして過ごしていた。
 その姿に神城・瞬(清光の月・f06558)は可愛さに表情が緩まぬよう冷静に務め、真宮・響(赫灼の炎・f00434)はその量に驚き、真宮・奏(絢爛の星・f03210)はその可愛さに感動して目を輝かせていた。
「もふもふが一杯でとても可愛いです!! いっそ群れに飛び込んでもふもふしたいです!! ……倒さなければいけないのは分かっていますが、その前に一杯もふっていいですか?」
「そうだね、まだ時間もあることだし……分かった、それまで存分にもふってくるといい。瞬もね?」
「え、僕は別に……奏、この手は?」
「ありがとう! さあ、瞬兄さんも行きましょう!!」
「いえ、これは倒すべき敵で……分かりました。付き合います」
 ぐいぐいと手を引く奏に、これは抵抗しても無駄だなと早々に諦めた瞬。
 半ば強引に手を引かれ、二人はもふもふの群れへと飛び込んでいった。
「やれやれ、楽しそうにしちゃって」
「ピヨ?」
 二人を見送った響の元に一匹のピヨすけがやってきた。
 何をしているの? と首を傾げるピヨすけに、ふふっと笑みを零し。
「なに、たまにはこういう息抜きも悪くないなと思っていただけさ」
「ピヨー?」
 そこには年相応にはしゃぐ娘達の姿を前に、一人の母親が居るのだった。

「ほら、見てください瞬兄さん!! すっごいふわふわもふもふですよ!!」
「ええ、そうですね」
 そこはもふもふ天国。
 右を見ても左を見てももふもふしかいない。文字通り奏はわふわふもふもふのピヨすけ達に囲まれている。
 突然やってきた二人を何だ何だとピヨすけ達が押し寄せては体当たりをしてくるが、小さな体にそのふわふわボディだ。
 攻撃というよりもじゃれ合いに近い行為は、むしろ奏の心を刺激するだけだった。
「じゃれついてくる姿も可愛い……!!」
「これは一応攻撃してるつもり、なのでは」
 同じ様に瞬にも纏わりつくピヨすけ達。
 しかしこちらは奏と違ってペイっと引き剥がしては放っている。
 それを見た奏はムッとして。
「瞬兄さん、折角なんですから可愛がりましょう。ほら、この子大人しいですよ。撫でてみてください」
「僕のことは気にせず奏は楽しんで良いんですよ」
「私は瞬兄さんとも楽しみたいんですー」
「……そう言われると無下には出来ませんね」
 テンションが高いせいか、普段より少し幼く見える義妹の頼みを断れず。
 奏が差し出しているピヨすけの頭にそっと手を置く。
 ふわり、と柔らかな感触に。気持ちよさそうに目を細めるピヨすけの可愛らしい姿に。
 むぅ、と言いながらも微かに頬が緩むのを我慢できなかった瞬。
 その姿に奏は満足気に微笑む。

 手元でスヤスヤと眠るピヨすけ、それからピヨすけの群れの中で楽しそうに過ごす二人。
 成長した二人のまだまだ子供らしい微笑ましい一面。
 それらを名残惜しく思いつつも、響は腰を上げる。楽しい時間はそろそろ終わりだ。
「二人共、そろそろ時間だよ」
 手元のピヨすけを一撫でしてから群れへと帰す。
 ピヨすけ達は陽気な日差しを受けて皆眠ってしまっている。
 瞬は響の言葉に静かに頷いて立ち上がる。
 奏はすぐには立ち上がらず、眠るピヨすけを後悔のないように最後までもふっていた。
 後ろ髪を引かれる思いだったが、もう一度響に名前を呼ばれてピヨすけを群れに戻す奏。
「せめて痛い思いはさせないよう、一瞬で終わらせましょう」
 ささやかな祈りを口に。
 そして言葉通りの行動を。
 瞬の放った氷晶の矢は群れの中心に突き刺さり、眠るピヨすけ達を凍てつかせて氷塊へと閉じ込めた。
「幸せな時間をありがとう……!」
「来世は普通のひよこに生まれ変わるんだよ」
 奏の振り抜いた刃が氷塊を叩き割る。
 剣の軌跡から枝分かれするように風の刃が放たれて、真っ二つに割った氷塊を更に細かく分割していく。
 そして最後の仕上げに響の放った竜牙が氷塊を完全に切り刻んだ。
 他の猟兵がどういう行動を取っていようと、これが自分達の選んだ道なんだと。
 迷いのない一撃に、ピヨすけの群れの一部は天へと還っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



 食べ盛りのピヨすけ御一行。
 何人かの猟兵達の元でご馳走になったが群れの勢いは未だに衰えず。
 むしろそれは僥倖か。
 次なる猟兵達の待つ場所へと知らず知らずに歩みを進めていく。
風魔・昴
他の仲間との共闘OK・アドリブOK


恋愛成就の白鯨さんが、なぜオブリビオンになったのかしら?
そのこともちょっと気になるけれどまずは……ピヨすけたちの相手ね?

さて、じゃぁまず姿が見えたら持ってきた金平糖の袋を開けて数個転がしておいてみましょう
「美味しい?これは金平糖っていうお星さまのお菓子だよ」
ちょっとご機嫌になったら少しだけ触らせてもらおうかな?
ふふ、本当にもっふもふだね?

私も十分にピヨすけ達を愛でて、彼らも満足したところで
「この後ちょっと悪い子をお仕置きするから、みんなは安全な場所に逃げていてね?」
にっこりと微笑んで彼らに話します


雨霧・結
白鯨さん、どうしちゃったのかしら…
叶えようと願いを身に宿した結果、呪いとなり人を襲うなんて…
ひとりで頑張りすぎちゃったのかなぁ…止めないと、ね。

ひーよーこーちゃーんー!!!!
えっ、ちょ、めっちゃ可愛いんですけどっ!?!?!?
鳩なら豆なんでしょうけども…甘い物すきなのかしら?
私のおやつのドーナツ沢山あるけど…食べる?
私、ここのお店のドーナツ好きなの、苺がお勧めよ、チョコミントも捨てがたいけど。
欲しそうならドーナツ全部あげて、私は飴玉で我慢する…
飴玉も欲しいならあげるけど、喉詰まらせない様にね?

戦闘する気は欠片もなく、食べる白いもふもふを眺め
写真を撮ったり、目でほわほわ癒されてる

アドリブ絡み超歓迎




「恋愛成就をさせる筈の白鯨さんが、なぜオブリビオンになったのかしら?」
「ひとりで頑張りすぎちゃったのかなぁ……止めないと、ね」
 ピヨすけ一行を待つ間、風魔・昴(父の心と星の力を受け継いで・f06477)と雨霧・結(雪の足音・f06365)の二人はのんびりと先のことに考えていた。
 詳細は語られなかった為に分からない。
 理由があるのかも、偶然なのかも。
 ただ、人々に被害を出す訳にはいかない。それだけは絶対だった。
 二人が意思を固めていると、街道を歩いてくる白い影が目に入った。


「ひーよーこーちゃーんー!!」
 えっ、ちょ、めっちゃかわいいんですけどっ!?
 嘘でしょこれが現実!? 本当に生きてるのこの子達!?
 こんな……こんな……もふもふ可愛い生き物がいるなんて!!
「思っていたよりも可愛いわね、ピヨすけたち」
 両者共その可愛さに驚いていたが、驚きの度合いが違っていた。
 結はあまりの可愛さに感情が高ぶり、耳と尻尾が現れてゆらゆらと揺れてしまっている。
「甘い物が好きなのよね? 金平糖を用意したんだけど、どうかな」
「私はドーナツをあげるわね。チョコミントも捨てがたいけど、甘さならやっぱり苺がお勧めよ」
 二人の差し出したお菓子にピヨすけ達は目を輝かせた。
 キラキラと光を反射させて星の様に輝く金平糖。
 しっとりとした生地やサクッとした生地、チョコのトッピングと色とりどりなドーナツ。
 甘味好きのピヨすけにとっては正しくご馳走だ。
 ピヨすけ達は至福の表情で啄んでいく。
「美味しい? これは金平糖っていうお星様のお菓子だよ」
「ピヨ~!」
 その形が気に入ったのか、甘さがお気に召したのか。
 ピヨすけは昴の言葉にパタパタと羽をはためかせて上機嫌に応えた。
「はい、風魔さんにもあげる」
「え、いいの?」
「この子達にあげて金平糖無くなっちゃったでしょ? だから代わりのおやつ。美味しいよ、ここの店のドーナツ」
「ありがとう、折角だし頂くわ」
 おやつの時間のピヨすけ達。
 その隣でこちらもおやつ休憩。
 ピヨすけが喉に詰まらせないように気をつけながら、まったりとした一時。
 見てるだけで癒やされる瞬間である。
 当然愛らしい姿を写真に収めるのも忘れていない。


 おやつを食べ終えてコロコロと横になって転がるピヨすけ達。
 そしてこの時を待ってましたと言わんばかりの結。
「それじゃ失礼して……ふぁっ!?」
「ピヨヨー」
 ふわり、と羽毛が指先を包み込む。
 ふわふわと、しかししっかりと。
 暖かく包み込む感触には思わず声を上げずにはいられなかった。
 結の反応に自慢の毛並みを持つピヨすけの顔は得意気だ。
「ふふ、本当にもふもふだね?」
 その隣にてピヨすけをそっと撫でる昴。
 撫でられて気持ちよさそうに目を細め、スリスリと昴の手にすり寄っている。
「この後ちょっと悪い子をお仕置きするから、みんなは安全な場所に逃げていてね?」
「ピヨ!」
 分かった! とでも言うような元気な返事。
 白鯨が現れる時間まで後少し。
 それまで二人は癒やしの空間でのんびりと過ごすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御伽・柳
はーーーー可愛いがすぎる
木詞さんには感謝しかない、またこんな可愛いオブリビオンに……前にはいなかった木詞さんのあのわんこ……
すき……真っ白なモフモフ……いつか頼んだらあのわんこもモフらせてくれませんかね……

あ、いけない、今は目の前のモフモ……オブリビオンに集中しなくては
【収集癖】で巾着袋に突っ込んできた金平糖とかチョコとか温泉饅頭とかあげます

そして俺はこいつらを……モフる……っ!圧倒的至福……っ!!
欲を言うと俺が埋もれるくらいこいつらを集めたい……集めさせてほしい……あと持ち帰らせて欲しい……
最後のがダメなのはわかってますけど……




「ピヨー!」
「はーーーー可愛いがすぎる」
 ピヨピヨと、群れとなり進行するピヨすけ一行を前に御伽・柳(灰色の渇望・f12986)は心の内をありのままにぶちまけた。
 素敵な予知をありがとう、依頼を発行してくれてありがとう、ついでに今度あのわんこもモフらせてくれませんかね?
 目の前のもふもふと今はいないもふもふに思いを馳せながら、柳はピヨすけに近づく。
「ピヨ?」
「こんにちは。いい天気ですね」
 それはそれとして、依頼は依頼としてしっかりこなそう。
 以前にも似たようなパターンを経験した気がするがそれはいつだったか。
 巾着袋の中を漁ると、中から金平糖、チョコ、温泉饅頭等など。
 その巾着袋のどこにそれほどの甘味が詰まっていたのかと思わせる程、ドサドサと取り出していく。
「ピヨー!」
「よければどうぞ。皆で食べ……って、聞いてない」
 柳が最後まで言う前に、ピヨすけ達は甘味にまっしぐら。
 器用に金平糖を啄む者もいれば、チョコで嘴の周りを汚す者、酷い者は嘴が饅頭に突き刺さり抜けなくなっている。
 賑やかに、和やかに。
 ピヨすけ達は至福の一時を過ごした。

「ピヨー……」
 満腹となったピヨすけはだらしなく地べたに寝転がり。羽を開いてそのふわふわのお腹を惜しげもなく晒していた。
「……」
 それは、どんな甘味よりも至高の魅力を放っていた。
 何も我慢する必要はない。ここには自分とピヨすけ以外には誰もいない。全て解き放ってしまっていいのだ。
「……!! 至福っ、圧倒的至福……っ!!」
 超もふもふもーどで日向ぼっこしていた一匹のピヨすけのお腹に顔を埋めた。
 するとどうだろう。
 柔らかく暖かな羽毛の肌触り、どこまでも沈んでいく様なふかふか具合、それでいてお日様の香りからくる安心感。
 素晴らしい、最高だ。至高の天は此処に在り。
 天にも昇る心地と言うが、柳にとっては此処こそが正しく天上。
「ああ、全てがどうでも良くなってしまう……」
「ピーヨー」
 一人と一匹は完全に堕ちていた。
 ふわふわとした感触は思考すらもふわふわとさせて。
 このまま意識を手放してしまおうかと思ったその時、ハッと我に返った。
「そうだ、こいつらを持って帰ろう」
 むしろ我を忘れていた。

 結局、他の猟兵がピヨすけを回収に来るまで柳は至福の空間でピヨすけを堪能していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

星舞夜・ユエ
『翠苑』の皆さんと

私はこの、夜空みたいな色をしたお菓子を買いました
細かい金箔がきらきら光って、星の様できれいです
羊羹のようですので、お嫌いでなければ皆さんもどうぞ
(一切れを楊枝に刺して差し出す)

ピヨ助には、温泉街で買った、一口サイズの黒糖まんじゅうです
勿論こちらも、皆さんもどうぞ

屋台で休憩する時に、確保したピヨ助をお膝にのせます
甘い物につられて来たピヨ助はたくさんいるので、皆様のお膝にもおすそ分けです
特別サービスの、超もふもふもーどピヨ助ですよ。もっふもふです

皆さんのお菓子、私も頂きたいです
和菓子が多いような気がするのは、
温泉街だからでしょうか
沢山食べられる様に、苦めのお茶を注文して来ますね


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
『翠苑』で参加

ピヨ助一行を甘味の団子と温泉饅頭でも買い店先の縁台で座り待つ
逢坂と匤は菓子を持ってきたのか?…俺が味見をしてもよいが…?
梅の練り切りに星の様な羊羹…和菓子は形も美しい物が多くて素晴らしいな
朧も甘党か…ならばこれも美味いぞ?と途中買った温泉饅頭を勧めてみる
鳥がやってきたら甘味で釣りつつ思い切りモフらせて貰おう
杼糸は何を食べているのだろうか…と。…狙って等いないぞ?
羅賀が千切った方が鳥が食べやすいと言っていたな。…食べてくれるだろうか?
鯨対策に星舞夜がモフ鳥を確保している様子を羨まし気に見つつも、膝に乗せて貰えば膝の上の鳥に餌付けしつつもふろう
…何と言うかとても幸せだな


逢坂・理彦
『翠苑』で参加 。もふもふの白い鳥さんのためにお菓子を用意したよーちょっと贅沢に梅の形の練り切りを買ってきたんだ。ザッフィーロちゃんはこういうのはあんまりみたことないかなーって綺麗でしょ?ユエちゃんや瑠璃ちゃんはどんなのを用意してくれたんだろうね。ふふ、みんなで見せ合いっこして少しだけ味見をするのも良いかもね。ベンチでのんびり餌付け?できればいいけどねー。とにかく白い鳥さん達にはお帰り願おう。(いいだけもふもふしたうえで)いやーいなくなるとあのもふもふが恋しいねぇ。俺の尻尾のもふもふとはまた違うし。…あ…乙来ちゃんのファーが近い気がする。(じっと乙来さんのファーをみつめる)


匤・璃狐
甘味ともふもふ、同時になんて
行かへん手はないよなぁ


あ、お姉さん。うちはみたらしと胡麻団子頂戴な
あんこ分は温泉饅頭で補います。
皆は何買うたん?
わ、羊羹めっちゃ綺麗!
餡蜜も美味しそうや
せやね、皆で分けこしよか!

ふふ、味見は大事やもんな。
甘い霰と金平糖、少し多めに用意してきたんよ
皆もつまんだってな
理彦さんと乙来さんは何持ってきたん?

――と、もふもふ要員を集めなな
膝の上に懐紙を敷いて霰と金平糖広げとこ

もふもふふもっふ…あかん…幸せ…

はっ…撒いとったお菓子もうない!
ちょうどええ、ちょっと違うもんあげような
乙来さんの真似っ子させてもらいます

お饅頭、美味しい?
あら、元気な鳴き声やなあ
満足した?


杼糸・絡新婦
『翠苑』で参加
折角来とるから、自分は地元の食べ物買ってきて
皆とピヨすけ御一行と一緒に食べよ。

自分は餡蜜かな、果物たくさんやし小豆もいけそうやなあ、
ちょいと多めに買って他の方と交換してもらいましょか。
(集まった食べ物を見て)いや~、色々揃いましたな。
味見ももちろんOKやで。

ほいほい、あんさんは何がお好きかい?
(モフモフ堪能しつつ他の方の様子を眺めながら)
あ~、和む。


朧・遊鬼
【翠苑】の者と同行
甘味と甘味好きの鳥か。まぁ、依頼ならばやることをやらねばな(もふもふと甘味にそわそわしながら)
俺はみたらし団子と…最中もあれば最中も買っていこう…とリコもみたらしを買うたのか、なかなか旨いよな
皆もなかなか旨そうな甘味を持っているな…俺もザッフィーロと味見役を担おう
勿論仲間にも甘味のお裾分けはする。鳥が来たらみたらし団子で釣りながら誰も見てないことを確認してそっと撫でるぞ


羅賀・乙来
『翠苑』で参加
甘味を楽しみながら、愛らしい鳥と戯れるんだ
思う存分、好きなようにさせて貰うとしよう

僕は草団子を持ってきたんだ、香りが良くてとても美味しいんだよ
ピヨすけ用に小さい物も用意しているから与えてみよう
白くてふわふわしてるのは、なんだか親近感が湧くね
それから餌付けをしながら目当ての餡蜜を買いに行こうかな
折角来たんだから現地の甘味は味わってみたい所
それと皆が持って来た菓子も気になっているんだけど、それは頂けるのかな?
それにしても、これから戦うのだと言うのに微笑ましくて参ってしまうね 勿論、幸福を頂いた分だけ仕事はさせて貰うつもりだけどね




 行き交う人々を横目に、一軒の甘味処に集う『翠苑』一行がいた。
「あ、お姉さん。うちはみたらしと胡麻団子頂戴な」
「それと苦めのお茶を7つください」
 出店や茶屋、外から来る客向けの一角。
 土産屋の数もそれ相応。
 様々な甘味が売られ、甘い匂いに釣られる者も少なくない。
 それは何も人に限った話ではなく。
「ピヨー!」
 白くてふわふわとした一行が、元気よく街へと現れた。


「私はこの、夜空みたいな色をしたお菓子を買いました」
「わ、羊羹めっちゃ綺麗!」
 深い藍色に散りばめられた金箔。それはまるで夜空に輝く星のようで。
 食べるのが惜しく感じてしまうそんな一品を、星舞夜・ユエ(天球儀の錬金術師・f06590)は差し出した。
「理彦さんと乙来さんは何持ってきたん?」
「おじさんはね、ちょーっと贅沢に練り切りを買ってきたんだ」
 白く清楚感のある花弁、薄い桃色の淡い花弁。
 梅の花を模して象られた綺麗な練り切りは、逢坂・理彦(妖狐の妖剣士・f01492)が言ったようにちょっぴり値が張っていた。
 どちらも和菓子らしく繊細で色鮮やか。味だけでなく見た目でも楽しませてくれる。
「どう、ザッフィーロちゃん。中々綺麗なもんでしょ」
「ああ。星空の様な羊羹、梅の練り切り……形も美しい物が多くて素晴らしいな」
 その反応に理彦はうんうん、と満足気に頷く。
「僕は草団子を持ってきたんだ、香りが良くてとても美味しいんだよ」
 羅賀・乙来(天ノ雲・f01863)が包みを紐解けばヨモギの香りが鼻孔をくすぐる。
「俺も来る途中の店で団子と温泉饅頭を買ってきた。こちらも中々美味しそうだぞ」
 ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)は団子と温泉饅頭を。
「うちは……丁度きやはったな、みたらしと胡麻団子。それとザッフィーロさんと同じ温泉饅頭やよ」
 匤・璃狐(妖星跋狐・f03415)は注文した品を受け取り、皆の前へ。
「リコもみたらしを買うたのか、なかなか旨いよな。それから俺は最中も用意した」
 朧・遊鬼(心は何処に潜む・f12670)は道中で買ったみたらし団子に最中。甘いタレが食欲をそそる。
「俺も折角だから此処の甘味を買うてきたよ」
 杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)が取り出したのはたくさんの果物に小豆。そこに黒蜜がたっぷりと掛かった一品だ。
「おや、餡蜜を買ってきたのかい。僕も食べたいなと思っていた所だよ」
「そら丁度よかった。たくさんあるさかい、草団子と交換しましょか」
 甘味と共に交わされる談笑。
 皆の手元にお茶が行き渡り、まったりとしたお茶会が始まった。

「ふむ。和菓子は見た目もさる事ながら、味も大変美味いのだな」
「でしょー? おじさんも一つ……うん、美味しいねぇ」
 練り切りを一つずつ味見するザッフィーロと理彦。
 甘い物好きも納得の美味しさ。ザッフィーロは続けて温泉饅頭も味見していた。
 ふっくらもちもち、そしてしっとりとしてツヤのある皮。中のこし餡と共に、食感と味のどちらも素晴らしいの一言。
「これもまた美味い。どうだ朧、一つ食べてみないか」
「温泉饅頭か。一つ貰おう」
 甘党の朧であれば気に入るだろう。
 そう思って差し出された温泉饅頭をパクリと一口。
「ん、イケるな。後で土産に買うて帰るか」
 みたらし団子に最中、そして温泉饅頭。
 加えて、味見役として皆が持ち寄った甘味も一つずつ貰っている。
 その上で更にお土産も買って帰るとは甘党も伊達ではない。
「はい、こちらもどうぞ」
「おーきに、ユエちゃん。ほんと綺麗な羊羹やねぇ」
「星ならうちも持ってきとるで」
「わあ、綺麗な金平糖ですね」
 羊羹を一切れずつ配るユエとお茶を飲んでのんびりしていた理彦の元に、金平糖を持参した瑠狐が。
 陽の光を反射する金平糖は黄金色に煌めく星のようで。
 夜も楽しみやね、なんて。話も盛り上がる。
「ん、餡蜜美味しいね。果物が新鮮で瑞々しくて、黒蜜や小豆ともよく合っている」
「羅賀さんの用意してくれた草団子も美味しいよ。程よい甘さ言うのかな」
 お互いの持ち寄った甘味を交換する絡新婦と乙来。
 気に入ってもらえてよかった、と。
 この世界の甘味も食べられたことだし、来た甲斐があったというもの。そんな視線を街並みへと向けて。
 そしてもう一つ、絡新婦の手元にも視線が注がれて。
「ザッフィーロさんも餡蜜どうでしょか?」
「折角だし味見を仕るとしよう。……狙っていた訳ではないぞ?」
 何も言ってませんよ、と笑いながら餡蜜を差し出す。
 口の中に広がる黒蜜のように、柔らかな幸せな一時が流れてゆく。
「ピヨー!」
 そして幸福を求めてやってきたのは、白くてふわふわなピヨすけ一行も同じだった。

●ユエとザッフィーロの場合
「はい、どうぞピヨ助さん。美味しい黒糖まんじゅうですよ」
「ピヨ!」
 ユエがあーん、と一口サイズのまんじゅうを差し出せば、あーんと口を開いて齧り付くピヨすけ。
 二度、三度と咀嚼をすれば口に広がった甘さにピヨすけが歓喜の声を上げる。
「ピヨヨー!」
「美味しいですか? まだまだあるのでどうぞ召し上がれ」
 つんつん、あむあむ、ピヨピヨピヨ。
 気がつけばユエの周囲にはたくさんのピヨすけが集まっていた。
 もふもふしていて可愛いですね、と撫でた後。他の翠苑一行の元へとピヨすけをお裾分け。
「ピヨ助はたくさんいるので、皆で楽しみましょう。とてももふもふですよ」
 その様子を流石だな、と見詰めていたザッフィーロ。
(確か羅賀が千切ったほうが鳥が食べやすいと言っていたな)
 温泉饅頭を小さく千切って手のひらに乗せ、ピヨすけ達の前に差し出す。
「温泉饅頭だ。こちらも甘くて美味しいぞ」
 自分の方も食べてくれるだろうか、不安に思うザッフィーロ。
 しかしそんな不安は露知らず。ピヨすけは嬉しそうに鳴いて温泉饅頭に殺到した。
「……どうだ、美味いか」
「ピヨー!」
「それはよかった」
 よかった、しかしこれではモフれないな。
 手を動かしてピヨすけ達の食事の邪魔をするわけにもいかない。
 できれば思い切りモフりたかったが、さて。
「はい、ザッフィーロさんにサプライズです!」
「むっ……?」
 突如視界一杯に広がる白い世界。
 それと同時に肌をくすぐる柔らかな感触。
「超もふもふもーどピヨ助ですよ。もっふもふです」
 もふりもふり。膝に置かれたピヨすけはユエの言う通りもっふもふだ。
 ふわふわでサラサラで。柔らかく暖かく心地よい。
 饅頭を食べ終えたピヨすけをユエは指先でツンツンと。
 コロコロ転がりピヨすけも楽しげに。
「……もふもふとは幸せなものだな」
 膝の上のピヨすけをモフり。
 もふもふ、ピヨピヨ。

●理彦と乙来の場合
「いやーピヨすけちゃん凄いね。もっふもふだよ」
「本当に愛らしい。それになんだか親近感が湧くね」
 白くてふわふわ。触れるだけで幸せな気持ちにさせてくれるもふもふ。
 勿論甘味も忘れていない。
 ピヨすけ用の小さい草団子を口元に運んであげれば、あーんと口を開いてパクリと齧り付く。
 甘味が喉をすぎれば幸せそうな表情を浮かべ、見てる側も幸せな気持ちにさせられる。
「贅沢者だなピヨすけちゃん。ほーら練り切りもたんとお食べ」
「ピヨー!」
「あたた、おじさんの指まで食べないでくれよー?」
「ピヨ?」
 練り切りをあげていた理彦。
 勢い余ったピヨすけに指先をパクリ。
 そんなやり取りに乙来がクスクスと笑う。
 笑い事じゃないよーなんて口を尖らせれば。
 それを真似したピヨすけも嘴を突き出して胸を張る。
「全くこいつめ。おじさんだったもふもふでは負けてないんだぞ、うりうり」
「ピヨヨー」
「本当にどこまでも愛らしい鳥だね」
「ピヨ!」
 お腹がいっぱいになったのか、遊びに満足したのか。
 それともただ気まぐれなだけなのか。
 理彦の膝に乗っていたピヨすけはトテトテと歩いて他の甘味の元へと向かっていった。
「あらら、行っちゃった。いやーいなくなるとそれはそれでもふもふが恋しいねぇ」
「ふふ、そうだね」
 ふわふわもふもふ。
 あ、乙来ちゃんのファーが近い気がする。
 最初に感じた親近感。
 触らしてくれるかな?

●瑠狐の場合
「もふもふ……ふもっふ……」
「ピヨヨー」
 ふわふわ、ふわふわと。
 もふもふの羽毛を抱き抱え。
「あかん……幸せ……」
「ピヨー」
 幸せに包まれて、暫くそのまま。

「はっ……撒いとったお菓子もうない!」
 ピヨすけ用にと懐紙を敷いた上に霰と金平糖を広げていたのだが。
 気がつけば既に綺麗に平らげられており、膝の上にいたピヨすけ達が次の甘味を待っていた。
「待たせてすまんなぁ。ちょうどええ、ちょっと違うもんあげような」
 乙来さんの真似っ子させてもらいます、と。
 小さく千切ったお饅頭をピヨすけに。
「ピヨヨー!」
「あら、元気な鳴き声やなあ」
 お饅頭、美味しい? 満足した?
 その答えはお饅頭を幸せそうな顔で食べる姿が表していた。

●絡新婦の場合
「ほいほい、あんさんは何がお好きかい?」
「ピヨー!」
 元気に答えるピヨすけ。
 その視線が見つめる先には乙来が用意した草団子。
「お目が高い子やなあ。はい、草団子」
「ピヨヨー!」
 元気に鳴いて草団子に飛びつくピヨすけ。
 美味しそうに食べる姿はとても愛くるしく、ふりふりと尾羽を振る様が更に愛くるしさを加速させる。
「あー、和む」 
 食べ終えたピヨすけを抱き抱えてもふりもふり。
 ピヨすけももふられてどことなく満足気。
 他の皆はどうしてるかなと遊鬼の方へと視線を向ければ。
「おやおや」
 その様子にまたも笑みが零れてしまう。
 気持ちは分かりますよ、と。
 もふもふには抗えませんなあ。

●遊鬼の場合
 ピヨすけの鳴き声が聞こえてから、一人周りの影でそわそわとしていた遊鬼。
 まぁ、依頼ならばやることをやらねばな。
 とは言っていたものの、皆と甘味を食べる事やピヨすけをモフれる事に期待を隠せないでいた。
「ほら、みたらし団子」
 素っ気ない振る舞いをしながら膝の上のピヨすけにみたらし団子を差し出す。
「ピヨ~」
「美味いか?」
 嘴がタレでベタベタになるもお構いなしにみたらし団子をつつくピヨすけ。
 食べ終えたところを遊鬼がハンカチで拭ってやり。
「ピヨー!」
「満足そうだな。ならいい」
「ピヨっ!」
「……」
 周囲に視線を向ける。
 ユエの差し出す超もふもふもーどのピヨすけに顔を埋めているザッフィーロ、乙来のファーをもふっている理彦、ピヨすけを抱きしめて幸せそうにしている瑠狐。
 皆が思い思いの時間を過ごしているのを確認し。
 ザッフィーロがちょっと羨ましく思いつつも。
 誰にも見られていないと安心してピヨすけを撫でる。
「ピヨ~」
「……もふもふ」
 ふわふわ、もふもふ。
 ピヨすけのもふもふ愛らしい姿に、思わず微笑む遊鬼だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『白鯨斎髭長ノ進』

POW   :    白鯨の魔力(物理)
単純で重い【体当たり】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    びちびちヒレアタック🐋
【胸ビレ】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    らぶすぷれ~🐳
【顔】を向けた対象に、【愛の潮吹き】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠掻巻・紙衾です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 海に最も近い街道沿いに、小さな祠はあった。
 かつては恋愛成就の神として。
 転じて守り神のようなものとして。
 人々に大切に扱われていた。

 時が流れ現在。
 再び白鯨を見たとの噂が流れ始めた。
 それはどこか愛らしい姿をしている。
 それは宙を泳いでいる。
 それは出会った人間の感情を操る。
「キュイー!」
 鯨にしては高く、鯆に近い鳴き声を上げて。
 大きな体躯で悠々と温泉街目指して宙を泳いでいた。
星舞夜・ユエ
『翠苑』の皆さんと

何かを盲目的に…
想像するだけで恐ろしいです
と言うか、そうなった自分が想像出来ません

【レプリカクラフト】を大きいサイズで召喚し、
[白鯨の魔力]の衝撃や、[らぶすぷれ~]をの雨から、
仲間や自分を守る為の壁にします

寿命を削って戦う匤さん最優先、
他、鯨さんから距離を取って戦う仲間を優先的に守ります
余り無茶をしないで下さいね
特に[らぶすぷれ~]が怖いので、鯨さんの顔の動きには要注意です

[白鯨の魔力]の衝撃はわかりませんが、
[らぶすぷれ~]ではレプリカは壊れないでしょうから、
壁として使った後は、そのまま鯨さんにどーんとぶつけて攻撃です
反撃に耐えられる様、すかさず新しいレプリカを準備します


朧・遊鬼
翠苑で参加
「もふもふの次は癒し系鯨か…撫で…いや、気の緩みは命取りだ…容赦なくいこう」
先ずは敵の攻撃を【見切り】ながら【凪ぎ払い】による斬擊を繰り出す
当たっておればラッキー…だな

絡新婦のフェイント攻撃で此方への気がそれている場合は直ぐ様近寄り【炎天の宴】を使用
【鎧砕き】の一撃を与えながら傷口に地獄の炎を移して敵の弱点を増やしていこう
敵の 攻撃は【見切り】はするがもしWIZの攻撃を受ければ…好意と言ったものには疎い故、動物可愛いと思いを馳せておこう


羅賀・乙来
『翠苑』で参加
あのピヨすけといい敵も愛らしいもので困ったね
もふもふなのもとても良かったけど、あのまあるいフォルムも良いものだ
とは言え、体を使った攻撃は本物の鯨の如く一人前
気を引き締めて向かうとしよう

初手で侍龍招来で式神を召喚
彼には前衛で同じ配置の味方と連携して攻撃させる
僕は後衛から破魔の力を込めて、霊符と手裏剣を投げて攻撃していくよ
敵からの攻撃は野生の勘で方向を察知して回避を狙ってみよう
しかし潮吹きばかりは回避が難しそうだ
侍龍に傘になって貰おうかな……ほら、水浴びは好きな方だろう?
受けてしまったら受けてしまったで仕方ないね、はっはっは


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
『翠苑』の皆と
盲目的に好きに…か。想像もつかんが…当たらなければ良いのだろう?

戦闘は基本的に【ジャッジメント・クルセイド】にて遠距離からの攻撃
素早い『高速詠唱』にて『2回攻撃』を心掛けつつ『全力魔法』を放たせて貰おう
又、仲間に体当たりや大威力の一撃の攻撃が当たりそうな場合は手袋から光の盾を呼び出し『盾受け』し『かばう』おうと試みる

もし潮が当たってしまった場合は…猫…はもう盲目的に好きだからな
先のもふ鳥を触りたくて仕方なくなってしまうかもしれん
…頭の中があの小さな鳥で一杯で集中出来ん…!

又仲間が潮を受けた場合は何と恐ろしい攻撃だ…と警戒を強めよう
…本当に恐ろしい攻撃だな


匤・璃狐
『翠苑』で参加
あら、かいらしい鯨さん
あんまり悪さするようには見えへんのやけど
見かけによらず、やねえ

戦いは不慣れやから皆と上手く連携して
後方から支援する形がええ気がする
頼れる仲間がおるし、無理せずうちに出来ること頑張らせてもらうな

攻撃はユエさんの壁の範囲内で中・遠距離から
お狐印のまじない紙の【破魔】の力で【範囲攻撃】

一応【恥ずかしさ耐性】はあるけど
なるべくお顔の方行かんように立ち回ろか
鯨さんがこっち向きそうになったら
【マヒ攻撃】と【七星七縛符】で動き封じてみよ

もし潮被ってもうたらどないなるんやろ…
そないな姿見られたないし、打掛に包まって膝抱えるしかないなぁ…
そうならんよう、全力で回避したい所


杼糸・絡新婦
『翠苑』で参加
願いも下手すりゃ呪いになるてことかいなあ?
ちょいと悲しいことやし、
これ以上被害を出させんように頑張りましょか、
モフモフで英気も養えたしな。


盲目的な好きねえ、
さっきのモフモフか・・・
(カラクリ人形のサイギョウ見て)オマエさん?いや、冗談や。
受けて正気に戻った後も恥ずかしいとか勘弁やわ、
鯨顔の向きに気をつけて行動します。

そうやなあ、んじゃ【フェイント】いれて行動することで、
鯨の意識をこちらに向けて、他のメンバーが攻撃しやすいようにします。

他の攻撃も含めぶっかかりそうやったら、
逆にあえて力を抜いてうけとめ、
オペラツィオン・マカブルで
サイギョウに攻撃させる。
お前さんは何がお好きかいな?


逢坂・理彦
『翠苑』で参加。
これはまた可愛い鯨だね。
願い事て言えば可愛らしいんだけど結局は『欲』だからねぇたくさん与えられれば胸焼けくらいはしちゃいそうだよね。
とりあえずそういうの一度空にしちゃおう。
【範囲攻撃】と【薙ぎ払い】で距離を取りつつ攻撃。援護してくれる子達には。は触れさせないよー。
潮の水量には負けちゃうかもしれないけど潮を吹く兆しが見えたら【フォクスファイア】で相殺。
あれを受けちゃうとなんだか大変な事になっちゃうみたいだから。出来るだけ防ぎたいよね。




「あら、かいらしい鯨さん。あんまり悪さするようには見えへんのやけど」
 見かけによらずやねぇ、と璃狐の言葉に翠苑の面々が頷いた。
「あのピヨすけといい、敵も愛らしいもので困ったね」
 本当に困った、と言いつつも白鯨のまるいフォルムもまた愛らしくて良いものだ。
 もふもふも良かったけど、これはこれで、なんて微笑む乙来。
「もふもふの次は癒し系鯨か……撫で……いや、気の緩みは命取りだ……容赦なくいこう」
 素直な欲求と葛藤し、邪念を振り払い鯨に向き直る。
「キュイー?」
「……くっ」
 顔を傾げて遊鬼を見る白鯨。
 そんな微笑ましいやり取りに皆がクスクスと笑う。
「しかし、願いも下手すりゃ呪いになるてことかいなあ?」
「願い事て言えば可愛らしいんだけど結局は『欲』だからねぇ。たくさん与えられれば胸焼けくらいはしちゃいそうだよね」
「そういうもんかい。このままいうんはちょいと悲しいことやし、これ以上被害を出させんように頑張りましょか」
 モフモフで英気も養えたしな、と絡新婦の言葉を最後に和やかな空気はお終い。
 気を引き締めていこう。誰かの言葉に全員が頷き、行動を開始した。

「出ておいで」
 乙来が霊符を飛ばすと、札は空中に制止し、晴天の中で飛来した雷に打たれ中から龍が現れた。
 召喚した龍は前衛の味方と連携するように指示を飛ばし、自らは霊符と手裏剣を構える。
「それじゃ、体ん中に溜まった悪いもん空にしちゃおうか」
 振るった墨染桜が空を舞う。
 柄に描かれた花弁がヒラリ、またヒラリと。
 理彦の薙ぎ払いに合わせて墨染桜が咲き散る。
 まるで掴み所のない花弁は飄々とした理彦そのもの。
「悪い子にはお仕置き、だよ」
「キュイー!?」
 傷は決して深くはない、だが浅くもない。
 鯨の大きな体躯で見れば小さい傷だが、振るわれた鮮やかな斬撃は体表を安々と切り裂いていた。
「キュイー!」
 涙目の白鯨が猟兵を敵と認識し、攻撃へと転じた。
 まずは最も近くにいる理彦へと。
「おっと、おじさんは失礼するよ」
「そして自分が失礼しましょか」
 一度距離を取る理彦と入れ替わるようにして絡新婦とサイギョウが白鯨の前へと出る。
 理彦とはまた違った余裕のある態度。
 加えて今しがた手痛い一撃を貰ったことで眼前に迫りくるサイギョウもまた驚異的な攻撃をするのではないか。
 白鯨は思わず目を閉じて痛みに備えたが、痛みはおろか何も体に触れた気配がしない。
「鬼さんこちら……この場合は鯨さんこちら、かいな?」
 ふふり、と笑みを浮かべて白鯨に手を振る。
 眼前に迫っていたサイギョウも絡新婦の腕に座っているではないか。
「けど、本当はこちらやなくて」
「こちらだ」
 完全な死角となっている腹部の下に遊鬼と侍龍。
 薙ぎ払いによる斬撃と鋭い爪による一撃で大きな十字傷が描かれる。
「キュイーーーー!!」
「悪いが、容赦はできない」
 ジリ、と義手から唐紅の焔が漏れ出る。
 勢いを増した焔は義手を切り落とし、唐紅の腕と成る。
「炎天の下で息吹け唐紅」
 地獄へと送り出す一撃は、侍龍の息吹と合わさりその火力を増幅させた。
 唐紅の腕は傷口を貫き、地獄の炎は厚い皮膚すらも焼き、癒えぬ傷跡となり焼き尽くす。
「地獄に落ちて遊ぼうか」
 だからこそ。さあ、在るべき場所に帰るがいい。

 それは攻撃に対しての反撃か、痛みに苦しみ暴れているのか。
 前衛にいる面々に向けて胸ビレが振るわれた。
 危ない危ない、と言いながらも理彦や絡新婦は適切に距離を取り回避。
 的確に動きを見切った遊鬼は侍龍に回避を促しながら攻撃を捌いていく。
「暴れられると厄介だね。手荒くなるけど大人しくしてもらうよ。璃狐さん」
「悪い子にはメッ、やで」
 乙来の放つ霊符と璃狐の放つお狐印のまじない紙が白鯨を取り囲む。
 二人が力を込めると破魔の力を以て白鯨に雷が奔り、暴れる白鯨を制した。
「キュイー!」
「大丈夫だ、その罪もまた赦される」
 節を全て読み飛ばし、満ちた魔力を解き放つ。
 天から降り注ぐ光は裁きか。
 動きの鈍っていた白鯨目掛けてザッフィーロの放ったジャッジメント・クルセイドは落とされた。
「あら、もうやっつけてしもた?」
「愛らしい姿をしていてもオブリビオン。この程度では」
 そう、この程度ではやられはしない。
 言葉を言い終わる前に立ち込めた土煙の中から空へ向けて水が打ち上げられた。
「キュイーーーー」
 土煙から現れた白鯨の頭頂部から間欠泉の如く打ち上げられた水。
 それが単なる水でないことは分かっていた。
 浴びれば呪いの効果で恥ずかしさが浮き彫りになるというもの。
(猫……はもう盲目的に好きだからな。今更恥ずかしく思ったりしない。となると先程の鳥……もふもふの虜になってしまうのだろうか。なるほど、それは避けねばいけないな)
(もし潮被ってもうたらとないなるんやろ……。想像できへんけど、そないな姿見られたないし、打掛に包まって膝抱えるしかないなぁ……)
(盲目的な好きねぇ、さっきのモフモフか……。それとも……いや、冗談や。うっかり当たらんよう気をつけな)
(先程のもふもふは素晴らしかった。動物は可愛く、愛らしく……いかん、受ける前からそんな事でどうする。受けたら皆の前で曝け出す事になるのか、恐ろしい)
 打ち上げられた水が雨として降り注ぐ。
 何としてでも避けねばならない。
 皆の間に緊張が走ったその時。
「私にお任せ下さい」
 掲げた手の先にポンッ、と薄く大きな壁を召喚した。
 それはユエが作り出したレプリカクラフト。
 前衛として白鯨の近くにいた者は白鯨自身を盾にしてやり過ごし、後衛はユエの周囲に集まってレプリカの壁の下で雨をやり過ごした。
「助かったわあ、ユエさん」
「私も呪いは怖いですからね。この攻撃は私が防ぎますから、無理はしないでくださいね」
 どこか念を押すような言葉に、ありがとなあと。
 仲間の気遣いに感謝、笑顔で応え。
 そーれと掛け声と共に使い終わったレプリカを鯨目掛けて放り投げる。
 ゴツン、とレプリカの角が頭に当たり白鯨はまたも涙目だ。
 地味に痛そうな攻撃である。

「さーて、おじさんも頑張らないとねえ」
 振り回される胸ビレを捌きながら、相も変わらずヒラリヒラリと。
 胸ビレに薙ぎ払い、トンっと軽く跳躍しては胸ビレを足場に更に跳躍。
 空中で墨染桜を振るいながら器用にも噴出孔にフォックスファイアをプレゼント。
 着地しては墨染桜で肩をトントンと叩き。
「どうよ、おじさんもやるもんでしょ」
 それだけ動いて衣服に乱れなし。
 フザケているようで仲間の立ち位置には常に気を配って立ち回り、今も派手な動きをしたのは後衛から白鯨の視線を逸らすため。
 同じく薙刀を得物としている遊鬼には理彦の技術が卓越していることがよく分かっていた。
 ならばこそ、自分も負けてはいられない。
「夕闇に散れ――」 
「――墨染桜」
 負けじと放った遊鬼の凪ぎ払いは、合わせて放たれた理彦の薙ぎ払いは。
 重なり、交わり、桜花繚乱の一撃となる。
 唐紅の炎を背に、墨染桜の軌跡が舞い散る。
「おやおや、見事なもんや」
 二人の戦う姿に素直に関心し、自分も続こうとした時だ。
 自分達の前を白鯨が猛スピードで泳ぎ抜ける。
 標的は後衛だ。

「皆さん後ろへ!」
 咄嗟にレプリカクラフトで白鯨の突進を受け止めるも、物理的な白鯨の魔力はレプリカを軽々と弾き飛ばす。
「やらせはしない」
 仲間の前に立ち塞がる様にザッフィーロが光の盾を呼び出し、白鯨の魔力を受け止めた。
 しかし白鯨の攻撃は止まっていない。
 ジリジリと押し込まれ、ザッフィーロの頬を汗が流れる。
 このままでは不味い。
 しかし、その隙を見逃す翠苑の面々ではなかった。
「侍龍、璃狐さん」
「はいな。ちょいとおイタが過ぎたねえ、鯨さん」
 乙来と璃狐の放つ札が白鯨の体に隈なく張り付き、動きを封じる。
 その隙きにザッフィーロは距離を取り、それを確認した乙来が侍龍に指示を出す。
 焼き払え、と。
「キュイー―!!」
 放たれた息吹に白鯨の全身は火に包まれ、ゴロゴロと辺りを転がりまわる。
「これはオマケです」
 先程弾かれたレプリカをポイッと投げつける。
 頭頂部目掛けて投げられたレプリカはコーンと小気味いい音を立てて直撃した。

 翠苑の面々のお蔭で白鯨の街への進行は防がれた。
 しかし白鯨は未だ健在。
 防衛に残る翠苑の面々を後に、逃げる白鯨を他の猟兵が追撃に走った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

風魔・昴
幼馴染みの麻生竜星と共闘
彼を『竜』と呼んでいる
他の仲間との共闘も歓迎
アドリブ歓迎

「え?これがボス?」
恋愛良縁の神だったからかな?この容姿は…
でもどんな理由があっても信仰してる人々を襲うのは良くないわ
少し懲らしめてからゆっくり眠らせてあげるね

Bellatrixの『属性攻撃』と『衝撃波』を使って攻撃
「風の精霊、我が友よ。白鯨君を落ち着かせて」

『らぶすぷれ~』は風精霊の強風で回避を試みる
ヒットの場合は子供の頃の恥ずかしい記憶が…
竜星の耳元近くでの大声で解除

呪縛が解けた、又は体力が弱ってきた時は星光雨を使う
「もう!お仕置きをしないと…さぁ、骸の海にお帰りなさい」
「お疲れ様。ゆっくり眠ってね?おやすみ」


麻生・竜星
幼馴染みの風魔昴と
彼女を『スー』と呼んでいる
他の仲間とも共闘OK
アドリブOK


嘗て大切に扱われていた神がなぜオブリビオンに?
しかしこの容姿、俺でも躊躇してしまうな
だけど眠ってもらうしかないか…

まずはサモニング・ガイストで古代の戦士を呼び出し『槍』で先制攻撃
次に【Hesperos】で呼び出した白蛇型のUDCでダメージを
「我が僕よ。そのものの体力と力を奪うがよい」

潮吹き攻撃には月影のルーンの力で風を起こして回避を試みる
ヒットの場合は顔を真っ赤にして動けない
昴の声と背中への『喝入れ』で呪縛解除

呪縛解除か敵の体力が落ちてきた場合
もう一度サモニング・ガイストを使用しダメージを
「さぁ、ゆっくり眠るといい」




「え? これがボス?」
 恋愛良縁の神だったからかな? それにしてもこの容姿は……間違いなく可愛い。
 丸みのあるフォルムも、にこやかなその表情も、とても愛らしい。
 昴の、スーの様子から彼女も同じ考えなのだろうと麻生・竜星(銀月の力を受け継いで・f07360)は察する。
 この容姿は自分でも躊躇してしまう。
 しかし、いつまでも眺めている訳にはいかない。
 元々は大切に扱われていた神なのかもしれない。
「だけど、眠ってもらうしかないか……」
「うん、少し懲らしめてからゆっくり眠らせてあげるね」
 相手はオブリビオンだから。
 猟兵として害のある相手は見逃すことはできないのだ。

「我が尖兵よ。その槍を以て穿て」
 呼び起こされた古代の戦士は竜星の声に応え、手にした槍で鋭い突きを放った。
「キュイー!?」
 突然の痛みに思わず跳び上がる白鯨。
 古代の戦士の攻撃はそれだけに終わらない。
 跳び跳ねた白鯨の落下地点に先回りし、白鯨の勢いを利用して槍を突き刺した。
 押し潰された古代の戦士は消えてしまったが、出来た傷は深い。
「行くわよ、竜!」
「張り切りすぎて空回りするんじゃないぞ、スー」
「またそうやって子供扱いする。私だって立派に戦えるんだからね」
「そうかい? それじゃ」
 実際に見せてもらおうか。
 竜星は取り出した“Hesperos”に力を込める。
 さあ、我が呼びかけに応えよと。
「我が僕よ。そのものの体力と力を奪うがよい」
 その声に、その意志に、応えるは宵の明星神の名から生まれた白蛇。
 その牙は、その体躯は、決して敵を逃しはしない。
 そして呼び出されたのはそれだけではない。
「風の精霊、我が友よ。白鯨君を落ち着かせて」
 その清らかな風を以て荒ぶる御霊を鎮め給え。
 ならば応えよう、我が友の為。
 昴の掲げる銀杖、“Bellatrix”から風が巻き起こる。
 勢いを増す風はまるで意思を持っているかのようで。
「ちょっと荒っぽいけど、ごめんね白鯨君」
「人を襲うのは本意ではないだろう」
「シルフ!」
「僕よ」
 白蛇は地を這い、風は空を舞い。
 暴れる白鯨の体に絡みつき、締め上げながらその牙を白鯨の首筋に突き立てる。
 加えて、衝撃波を伴い風が白蛇諸共白鯨を打ち上げた。
 打ち上げた白鯨を風は飲み込み、無数の衝撃波の檻に閉じ込める。
 声は意思。
 意思は願い。
 そして願いは。

 白蛇と精霊の束縛から解放された白鯨は地に伏していた。
「キュイー……」
 一体誰が自分にこんな事をするのか。
 視線を向けた先には一組の男女。
 そう、男女がいた。
「キュイー!」
 男女がいるならばすることは一つしかない。
 自分は何なのか。何を求められ、何を願われたのか。
「キューーイーー!!」
 ポンッ、と撃ち出されたのはハート型の水泡。
「風の精霊よ!」
「ルーンよ」
 二人はそれが何なのか理解し、即座に防御の姿勢を取った。
 巻き起こされる二つの風が防壁となり水泡を防ぐ。
 水泡は風にぶつかれば弾け飛び、大半が防壁に押し返されたのだが。
「ッ! スー!」
「え? きゃっ!?」
 間一髪、防壁を越えて弾け飛んだ水泡を昴は避けることができた。
 慌てて避けた為転んでしまい、心配した竜星が駆け寄ったが。
「大丈夫、スーのお蔭で当たってないよ。もう少しで恥ずかしい思いするところだったわ」
「そうか。無事だったならよかった」
 そういって竜星は昴の頭をぽんぽんと優しく叩く。
 すると昴はムーっと頬を膨らませる。
「折角呪いを回避できたのに竜が私に恥ずかしい思いさせてどうするのよ!」
「ああ、すまない。つい癖でな。とは言え、乙女を名乗るならもう少し落ち着いた振る舞いを身に着けないとな」
「キュイー」
 言い合いを続ける二人に満足気に頷き、白鯨は二人の下を離れる。
 決して白鯨のお蔭で二人が結ばれた訳でも、らぶすぷれ~の効果が発揮されてる訳でもない。
 そもそも二人は初めから幼馴染の関係で仲がいい。
 それなのに何故か良いことをした気分になり、白鯨は次なる標的を探し始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御伽・柳
行動:【WIS】
使用UC:【過食癖】
使用アイテム:【自分用スマホ】

よし、モフモフを存分にモフって元気モフモフ……違う、元気もりもりになりました
気を取り直してここからは真面目に仕事をします……よ……

か、かわいい……!!

これは……これはスマホに写真を残すしかないのでは?
という訳でスマホでこのオブリビオンを【撮影】します
あ、フラッシュはONで、すっごい光りますよこのフラッシュ
びっくりして逃げられたら寂しいので、【過食癖】を使います

相手の攻撃は気合いで……【呪詛耐性】で耐えます
おい俺のUDC、今殺したらお前のご飯はしばらく抜きだからな分かってるか撮影が終わるまでいい感じに拘束するのに留めろ


雨霧・結
えっ、鯨さん鳴き声かわいいんですけど!?
初めは優しい神様だったと信じたい…
町は破壊させない、守ってみせる!

らぶすぷれ~はやっかいだから封じたいわね
他の猟兵が隙を作ってくれるまで待機
【地形の利用】を活用高台を探し、鯨の頭上が見える位置へ
『薄紅六花』で遠距離攻撃し、潮を吹き出す頭上の穴を凍りつかせ塞ぐ
見下ろせる高台がないなら【属性攻撃】氷で高い足場を【早業】でつくり足場に
ヒレ、突進攻撃が回避しやすいよう、距離をとって戦いましょ
可愛い姿だからって手加減はしないわよ?

私の“恥ずかしさ”って何…?
耳と尻尾に感情がモロに出るの気にしてるから…それ?
とんできた潮吹きは凍らせ回避を図る

アドリブ絡み超歓迎




カシャア、カシャア。
「……」
「……」
「キュイー」
カシャア、カシャア、カシャア。
「……」
「……」
「キュイー?」
黙々と白鯨の写真撮影をする柳と結。
白鯨も白鯨で、特に二人を攻撃することなく悠々と二人の周りを泳いでいる。
「かわいい……」
「鳴き声もかわいいんですけど」
「こんなの、撮るしかないですよ」
「わかる」
 二人の撮影会は暫く続いた。


「オブリビオン、悪いけど仕事をさせてもらいますよ」
 モフモフをモフって元気モフモフ。
 さあ、その可愛い姿を存分に撫で尽くして上げます。
 ではなく、討伐します。
 と、何事もなかったかのように振る舞う柳。
 振る舞っているつもりだ。
「初めは優しい神様だったと信じたい……」
 だから、町を破壊させたりはしない。
 良い神様のままで終わらせてみせる。
 こちらも何事もなかったかのように振る舞う結。
「キュイー!」
 そんな二人に応じる白鯨。
 二人を敵、というより縁結びの対象と見たのか、白鯨も初めからやる気満々だ。
 実際は男二人なのだが、白鯨に細かい判別は付かないので仕方がない。
 最初に動いたのは結だ。
「高台……はない。なら、こっちで」
 周囲に利用できそうな高台はない。
 ちょっとした丘はあれど、戦闘に使えるようなものではない。
 ではどうするか。
 答えは結が生み出した氷柱。
 有利な地形がないなら、有利な地形を作ってしまえばいい。
 突如顕現した氷柱に白鯨は呆気に取られている。
「さて、覚悟は宜しいかしら」


 御伽・柳は考える。
 一体どうすればいいのか。
 どうすれば……あの白鯨を可愛がれるか。
「可愛い姿だからって、手加減はしないわよ?」
 眼前では白鯨と結が戦闘を繰り広げている。
 胸ビレを使った攻撃は距離を置いて対処し、体当たりを繰り出されれば、氷柱の上を飛び跳ねてやり過ごす。
 倒れる氷柱を白鯨が避けようとするのを見ては凍てつく斬撃を放つ。
 斬撃は触れるものの熱を奪い、瞬く間に傷跡に六花を花咲かせる。
 自分のフィールドと化した氷原で着実に白鯨の動きを鈍くしていく結。
「そうか、動きを止めれば……」
 もっと可愛い姿を写真に収めることが出来るのでは?
 有ろう事かこの後に及んでもまだ白鯨を撮ろうとしていた。
 もし何故? と聞けば。
 え、何か問題でもあります?
 と、純粋過ぎる眼差しで見詰めてくるだろう。
 それだけ真面目に真剣に白鯨を可愛がり写真に収めようとしているのだ。
「そっち行ったよ!」
 気がつけば柳から離れ、白鯨と戦闘していた結から声がかかった。
 白鯨は柳に体当たりを仕掛けていたが、柳は特に動じることもなく。
「ああ、丁度いいですね」
 正面からの写真も撮りたかったんですよ、と平然と言いスマホでフラッシュを炊いた。
「キュイ!?」
「少しだけ。ええ、少しだけじっとしていてください」
 笑顔を浮かべたまま、トンッ、と足元にある自らの影を小突く。
 すると、影から無数の触手が伸びて驚く白鯨の体を縛り上げた。
 それは強欲に、貪欲に。
 捕らえた白鯨を喰らう。知識を貪り喰らう。
 これは呪いを宿すものだ。それは知識だ。
 これは願いを受けたものだ。それは知識だ。
 これは祈りを受けたものだ。それは知識だ。
 人の思いから来るものは全て知識だ。
 全てを欲するがままに、力を望むがままに、暴食の信徒が白鯨を喰らう。
 喰らおうとする。
「おい、誰が食べていいと言った。俺が許しを出すまでは邪魔にならない最低限の拘束だけをしろ」
 冷たく言い放つ柳に先程の笑顔はない。
 勝手な行いをする、内に潜む化物に苛立ちをぶつける。
 わかったな、と念押しをすると白鯨を覆おうとしていた触手は尾びれを拘束するだけに留まった。
「それでいいんです、それで」
 殺気も潜めた柳は再び撮影を始める。
 涙目になっている白鯨もかわいいと心行くまで撮影した。


 やっぱり知らない人って怖い。
 そう思いながら一連のやり取りを見ていた結は思うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ペイン・フィン
改めて、鯨退治・・・・・・。だよね?
なんだか可愛いけど・・・・・・。でも、人に迷惑かけるなら、倒さないと、ね。

コードを使用。
選ぶのはスタンガンの“ニコラ・ライト”。
鯨だし、電気が効いたりするのかな?
仲間の攻撃に合わせて、追撃や傷口を抉るのを意識しよう。

・・・・・・うん?これは・・・・・・(恥ずかしさ中)
・・・・・・・・・・・・なんだろ、八兵衛(飼いオコジョ)に会いたくなってきた。
もふもふ・・・・・・。ふかふか・・・・・・。つぶらな目・・・・・・。
・・・・・・っと、危ない。
まずは目の前の戦闘に集中、だね。
集中・・・・・・。ふかふか・・・・・・。




「改めて、鯨退治……だよね?」
「キュイー?」
 首を傾げるフィンに顔を傾げる白鯨。
「なんだか可愛いけど……悪い鯨?」
「キュイー!」
 それは肯定なのか。元気よく答える白鯨。
 そうか、悪い鯨なんだ。
 人に迷惑かけるなら倒さないと、ね。

 コード“ニコラ・ライト”。
 呼び起こすは自由自在の電圧。
 付随する感情は苦痛。
 拷問具らしい特性を持ち合わせたスタンガンを構え、フィンは他の猟兵が与えた傷口にスタンガンを押し当てた。
「ビリっといくよ」
「キュ、キュイイイイ!?」
 果たしてそれはビリッで済むのか。
 流し込まれた電流は痺れさせるに留まらず、傷口を焼け爛れさせている。
 傷口を抉られ、慌てて逃げ出そうとする白鯨をフィンは逃さない。
 腹部にある一際深い傷跡を見つけ、再度スタンガンを押し当て高圧電流を流し込む。
「痛い? ごめんね……こうするしかない、から」
 人を襲うオブリビオンである以上、討伐する以外に道はない。
 こうすることでしか救うことはできない。
 これは仕方がない事だから、そう思い心に蓋をする。
「キュイーー!」
 しかし、そこで白鯨が頭上に潮吹きを打ち上げた。
 打ち上げられた潮吹きは雨となり、逃げ場を無くしてフィンに襲いかかる。
 頭から潮吹きを被ったフィンだが外的損傷はない。
 だが、内からふつふつと沸き起こる感情があった。
 これは……? と思った時には既に呪いに蝕まれている。
「八兵衛……」
 それは飼いオコジョの名前。
 もふもふでふかふかな毛並みにつぶらな目。
 きっと帰ったらいつものように肩に登り、すり寄ってくる事だろう。
 切ない、今すぐ会いたい。
 離れ離れは嫌だよと小さな家族に思いを馳せる。
 名前を呼び、オコジョに手を伸ばすもその手は何も掴めない。
 虚空に伸ばされた手に触れるものは何もなく、またそこはオコジョは待っていない。
「あれ、八兵衛? あ、そっか……人に見られてなくてよかった」
 ある種、ホームシックのような状態だったのだろう。
 人に見られるには恥ずかしい姿だ。
 何とも不思議な呪いだが、戦闘中に意識を奪われるのは危ない。
 フィンは改めて戦闘に集中し直すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

十六夜・月
なんか、可愛い敵が多いよねこの世界ってものは。
そんなことより潮吹きって響き、なんかエロいよね?ぷしゃーってぷしly(自己規制

基本は攻撃を受けずに立ち回ること。それさえ徹底して攻撃を当てていけば大丈夫なはずだ・・・
[見切り][第六感]にて攻撃を回避、それが叶わないのなら[武器受け]での防御をしてダメージを受けないようにしよう。

相手の攻撃手段は潮吹き以外は近接の攻撃がメインのようだ・・・
それならば遠距離攻撃で優位に立つべきだろう。
こちらの主な攻撃は[スナイパー]での長距離射撃。
味方の攻撃に合わせ[援護射撃]を行えば終始優位に立ち回れるかな。 


アーサー・ツヴァイク
※引き続き協力アドリブ大歓迎

あれが今回の本命か…
神様だったとしても、人に害をなすと言うなら容赦しないぜ!

潮に当たると厄介らしいな。ライドランに【騎乗】して当たらないように動き回ろう。万が一こっちに来たらバスターホーンで【盾受け】だぜ!
気化したものを吸い込んでもダメだった場合は…【勇気】で乗り切る! 最後の頼りは自分のハートだ!

ずっと潮吹いてるわけでもねえだろ、相手の攻撃のタイミングに合わせて突撃。バスターホーンをハンマーモードに切り替えて攻撃だ!
鯨のパワーと俺達のパワー、どっちが強いか勝負だぜ!




「なんか、可愛い敵が多いよねこの世界ってものは」
 先程のピヨすけ然り、その同種と思われる黒い鳥や綿毛のような敵。
 他にもいくつかのオブリビオンが月の頭に思い浮かぶ。
「可愛かろうと神様だろうと、人に害をなすと言うなら容赦しないぜ!」
 オブリビオンであり、悪であるというのならそれは敵。
 ドーンブレイカーとして見過ごすことは出来ない。
「それじゃ、後方は任せたぜ!」
「ああ、任されよう」
 ライドランに騎乗したアーサーが月を残して白鯨の元へと向かった。
 残された月は遠くの白鯨を眺めながらふむ、と頷いた。
「潮吹きって響き、やっぱりエロいよね?」
 真面目な顔で何を考えているのかと思えば言うに事欠いてエロいと来た。
「いやもうぷしゃーって、狙ってるよね。恋愛良縁ってもしかしてそういう事?」
 決してそういう事ではない。

「先手必勝、穿けバスターホーン!!」
「キュイ!?」
 バイクで疾走しながらドーンブレイカーへと変身したアーサー。
 他の猟兵から逃げてきた白鯨目掛けてフルスロットルで突撃を敢行した。
 一角獣の角と白鯨の頑丈な胸ビレが火花を散らして交差する。
 超高速で振るわれた胸ビレは単純に強度も上がっている。
 そう簡単には攻撃させてくれないか、とアーサーはライドランで走りながら白鯨の様子を伺う。
「キュイー……ッ!?」
 白鯨が攻撃をしようと身構えた矢先だ。
 飛来した一発の銃弾が白鯨の頭部に弾かれた。
 続けて二発、三発と途切れることなく銃弾が撃ち込まれる。
 それは“ver.pul【1610L-BFS】”を構えた月の長距離射撃。
 任せた、の言葉通り月はアーサーの動きに合わせて的確に援護射撃を行ったのだ。
 ダメージが低くて構わない。
 こちらの目的はあくまで援護。
「そら、ダメ押しのもう一発」
 たとえ距離があろうとその赤い瞳は標的を逃さない。
 撃ち出した銃弾は狙い違わずに白鯨の眉間へとクリーンヒットした。
「キュイー!」
 完全に意識がアーサーから月へと向けられたが、その隙きをアーサーは逃さない。
「いい仕事だぜ。とくれば、俺も負けてはいられないな!」
 大きく振りかぶる“バスターホーン”はその姿も変えていた。
 先程の一角獣の角が備えられた巨大な盾は、巨大なハンマーへと。
「鯨のパワーと俺達のパワー、どっちが強いか勝負だぜ!」
「キュイィーーーー!!」
 【Select…SMASH ACTION!】
 咄嗟に繰り出された白鯨の魔力と力を解放したバスターホーンの一撃が衝突する。
 その余波に周囲の地面が破壊されていく。
 完全に拮抗するお互いの力。
 押し負けた方が敗北するのは間違いない。
 それが分かっている両者は一歩も引かずに全身全霊の力を込める。
「キュイーーーー!!」
「さすがは腐っても神様って所か。中々のパワーだぜ。だが、アンタじゃ俺達には勝てない」
 そう、互いの力が拮抗しているのなら、その拮抗を崩してしまえばいい。
 猟兵には仲間がいるのだから。
「悪いね鯨さん。さよならだ」
 勝負の最中も動きを観察し続けていた月は、白鯨の弱いポイントを見切り、終焉を告げる音を鳴り響かせた。
 銃弾の痛みにぐらりと体が傾き、ここに勝敗は決する。
「バスターホーンの馬力……受け止めてみろおおおおお!」
 乾坤一擲のぶつかり合い。
 それを幕引いたのは悪を打ち破るドーンブレイカーの一撃だ。


 白鯨討伐後、目撃情報も無くなった為に祠に押しかける人は収まりつつあった。
 それでも相変わらず恋愛成就を願って参拝する者はいる。
 「ありがとう」と感謝の言葉を添えて。
 
 尚、お供えされた甘味は通りすがりの白いもふもふが美味しく頂いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『プラネタリウム温泉』

POW   :    温度なんて気にせずに勢い良く飛び込む

SPD   :    景色と温泉を心地よく楽しめる場所をみつける

WIZ   :    星や温泉がより楽しめる知識を披露する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 戦い疲れた猟兵を待っていたのは満天の星空と温泉。
 温泉街という事もあり、様々な効能を持つ温泉が引かれている。
 何より自慢は露天風呂だろう。
 そこでは露天風呂を楽しみながら、満天の星空も堪能出来る。
 その景色には、疲れた心も体も癒されることだろう。
白雪・小夜
【SPD】交流不要
最近温泉にばかり言ってる気がするわね……。
でも温泉好きなんだもの、別にいいでしょ?

騒がしいのは苦手だから、一人でどちらも楽しめる場所を探したいわ。
今まで夜なんて窓柵越しにしか見た事がなかったけれど
自由になって夜空が広々見れて…世界はこんなに広いのだと改めて思う。
大袈裟過ぎるかしら?でもその広さを感じる事すら出来なかったの。

…物思いにふけすぎたかしら…そろそろあがり時ね。
人が増える前に私は帰るわ。



●窓の外の世界

 満天の星空の梺にて、温泉を満喫する影一つ。
 雪女を連想させる色白の肌を仄かに朱に染めて、白雪・小夜(雪は狂い斬る・f14079)は空を見上げる。
「やっぱり温泉は気持ちいいわね」
 一般客も他の猟兵も未だ到着していない完全な貸切状態。
 静かに大好きな温泉を楽しめる贅沢にほんのりリラックス。
 やはり温泉は何度入ってもいいものだ。
 そんな風にぼんやりとしていると、自然と過去を思い出してしまう。
「夜空……ただただ、暗闇が広がっているだけと思っていたわ」
 それは切り取られたキャンパスの画。
 自分にとっての夜空とは、窓柵越しにしか見られなかったもの。
 手を伸ばすことも叶わない。
 冷たく遠い存在。
 でも、今は――。
「世界は、こんなにも広いのね」
 眼前に広がる満天の星空。
 それは小夜が今まで知らなかった世界。
 狭い窓柵越しの偽りの夜空ではなく、本当の星空。
 決してそれは大袈裟な物言いではない。
 小夜にとってはこの広さを感じることすら出来なかったのだから。
「あっ」
 ふと、視界の端を一筋の光が流れ、抑揚のない声が零れた。
 ゆるりと手を伸ばすも既に星は流れた後。
 開いた手には何も掴んでいない。
「……物思いにふけすぎたかしら……そろそろあがり時ね」
 流れ行く星に何を思ったのか。
 来た時と変わらぬ表情で、しかしどこか満足気に。
 他の客が来る前に帰り路に着くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペイン・フィン
温泉……。そういえば、来るのは初めてだったかも。
……やっぱり、八兵衛連れてきた方が良かったかな?
危険だから、置いてきたけど、……一人で楽しむのは、もったいない気がする、ね。

露天風呂、男湯に入浴。
長く息を吐きつつ、身体を湯船に沈めるよ。

……。
……あったかい……。
……これは、また来たい、ね。
知り合いと、八兵衛と、のんびりと、ね……。
旅行計画、立てて、みようかな……。



●思いを馳せるは

「ふー……」
 露天風呂、男湯にて。
 長く吐いた白い息と共に一日の疲れも抜け出ていくような、そんな感覚。
 初めて入る温泉に、これは良いものだなとリラックスするペイン。
 湯船に沈めた手足の先からじんわりと温まる。
「気持ちいい……けど、一人で楽しむのは、もったいない気がする、ね」
 気も緩み、自然と瞼が下りた。
 危険だからと置いてきてしまった小さな家族。
 今頃何をしているだろうか?
 寂しくしていないだろうか。どうせなら連れてきて一緒に温泉を楽しんだ方がよかったかな。
「八兵衛や、皆……旅行計画、立てて、みようかな……」
 温泉は良いものだ。折角なら知り合いや八兵衛にも知ってほしい。
 八兵衛と一緒に温泉でぬくぬくと。
 お湯でぺしょっとした八兵衛も、それはそれで可愛い。
 知り合いの皆と、話に花を咲かせながら温泉を満喫。
 なるほど、それも悪くない。
 静かに楽しむのも悪くないが、賑やかに楽しむのもまた良い。
 なんて、ペインは旅行計画をぼんやりと考えてみた。
「皆、喜んでくれる、かな……?」
 喜んでくれたら、嬉しい、かも。
 そんな風に思いながら、ペインは先の事に思いを馳せる。

 その頭上で一筋の光が星空を流れ落ちた。
 願いを背負い、届ける為に。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーサー・ツヴァイク
※最後まで協力アドリブ大歓迎
【WIZ】判定

温泉の中には飲むことでその効用を得られるものもあるらしいぞ。飲める温泉があるなら、ちょっと飲ませてもらおう。
ついでに俺が持ってる蜜ぷにシロップを少し混ぜて…はちみつ湯みたいにすればもっと美味いぞ、間違いない。まあ、アーサー君は筋金入りの甘党だから直でも行けるが…
…こんな甘い香りを漂わせていると…さっきのピヨピヨが戻ってきそうだな。
いや、むしろ【おびき寄せ】でピヨピヨを呼んで追加モフモフしよ。
…違うよ? これはいわゆる一種のアニマルセラピーだからね。さっきまでの激戦で疲れた体を癒すという正当な理由があるから決してモフり足りないとかそういうことではないから



●ピヨー!!

 それは突然現れた。
 それは白くてもふもふとしている。
 それはピヨーと元気に鳴く。
 それは甘味が大好物である。
「ピヨー!!」
 やせいの ピヨすけが あらわれた!

「ほうほう、飲むことで回復効果が高まるとな?」
「ピヨー?」
 湯治においては、温泉に入るだけではなく飲泉を行うことによってさらに回復効果が高まるという考えがあった。
 実際の効能はさておき、この温泉宿にも飲泉用の温泉が引かれていた。
「折角だ。一口頂こうじゃないか」
「ピヨッ」
 そう言って温泉を掬っては一口。
 ふむ、なるほど。確かにこれは体に良さそうだ。何だかポカポカしてきたぞ!
 と、納得するアーサー。
 実際に効果があるのかは不明である。
「だがこのまま飲むには味気ないな。ここは一つ、俺が持ってる蜜ぷにシロップを混ぜてみよう」
「ピヨヨ~」
 もしかしたら甘すぎる蜜ぷにシロップが薄まりはちみつ湯みたいになるかもしれない。
 アーサー君程の甘党ならそのままでもイケるけどな。
 柄杓に掬った温泉に数滴、指で掬ってつまみ食いする一人と一匹。
「美味い!」
「ピヨ!」
「ん?」
「ピ?」
 先程から視界の端にチラチラと映る白い影。
 ピヨーと鳴いて、甘味に釣られて、ふわふわもふもふ。
 紛うことなきピヨすけだった。
 甘い香りを漂わせていればもしかすれば、なんて思っていたら本当に現れてしまった。
 そう、現れてしまったのだ。
 現れてしまったのなら仕方がない、とアーサーは徐にピヨすけをもふりだす。
「……違うよ?  これはいわゆる一種のアニマルセラピーだからね。さっきまでの激戦で疲れた体を癒すという正当な理由があるから決してモフり足りないとかそういうことではないからあーーお前本当にもふもふしてんなーーもっともふらせろよーー」
「ピヨー!?」
 もふもふ、もふもふ。
 最早温泉そっちのけでアーサーはピヨすけをもふる。
 そう、これは傷を癒やすためのアニマルセラピーであり、ピヨすけが逃走しないように確保しているだけ。
 だから何も問題はないのだと言い張り。
 ピヨすけが回収するまでもふり倒すのだった。

 ありがとうピヨすけ。
 さよならピヨすけ。
 夜空に浮かぶピヨすけの影に、そっと敬礼。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御伽・柳
……うーん
木詞(f10513)さん、今回俺1人ですし、これから長い付き合いになると思いますし、折角なので付き合ってくれません?

あ、身構えたりとかしないでください
あのわんこ……ほらミーティングの時に貴方の頭の上にいたあの子ですよ
あの子のことを教えて欲しいなぁなんて思っただけですから
それに腹を割って話すなら風呂がいいとか言いますしね?

貴方が顔覚えてくださるまで貴方の依頼に参加するつもりなので
いつかそのわんこをモフらせてください、お願いします

ところで俺は平気なんですけど、貴方は長風呂平気でしたか?
いえ、ただその……長風呂は逆に身体に負担になりますし、貴方はこういった事には興味無さそうだと感じたので



●気になるあの子の名前は

「木詞さん、折角なので俺と付き合ってくれません?」
「……」
 いつもと変わらない気怠げな表情だが、その顔が「何言ってんだこいつ」と引いてるのは誰が見ても一目瞭然だった。
 脱衣所にて、二人の間を冷たい風が吹き抜ける。

「違うんですよ。今回俺は一人ですし、これから長い付き合いになると思いますし、親睦を深めるためにも一緒にどうですかとお誘いしたかったんですよ」
「……聞いてない」
 コーン、と何処からか桶の音が響いてくる。
 気持ちが逸りすぎて文面が交通事故を起こしかけていた。
 それを訂正しようと改めて話しかけるも、初めから聞く気がないのか興味が無いのか。
 真央は温泉に浸かりながら星空を見上げている。
 だが柳は諦めない。
 何故なら柳には目的があるからだ。
 是非ともお近づきになりたいという目的が。
「そんな事を言わずに聞いて下さいよ木詞さん」
「お前は黙って温泉に入れないのか」
「腹を割って話すなら風呂がいいとか言いますし?」
「そんな文化は知らんし興味ない」
 相変わらず視線は合わせられない。
 さして星に興味があるようにも見えないのに、その視線は星空に固定されたままだ。
 どこか眠たげだがいつも通りだろう。
 しかし、どうやってこちらに興味を持ってもらおうか。
 いっそストレートに聞いた方が取り合ってもらえるか?
「木詞さん、俺はただ触らせて欲しいだけなんです。一目見た時から頭を離れない。迷惑かと思ったんですが、気持ちを抑えられないんです。駄目だと言われても俺は諦めませんよ。貴方が顔を覚えてくださるまで貴方の依頼に参加するつもりなので」
「お前少し黙れ」
「いいえ黙りません。いつかあのわんこをモフらせてください、お願いします」
「だから……あ?」
 そこで漸く真央の顔が星空から柳へと向けられた。
 すれ違う思惑が漸く噛み合う。
「お前、ましゅまろの事を言ってんのか?」
「ましゅまろ……それがあの子の名前なんですね」
 出発前のミーティングで見た姿を思い出す。
 ふわふわとした白い毛並み。人懐っこそうな顔。
 ああ、やはりとても可愛い。
「改めて、いつかましゅまろをモフらせてください、お願いします」
「お願いするな。触りたきゃ勝手に触っとけ」
 ありがとうございます! と喜ぶ柳を無視し。
 ふぅ、と息を吐き、再び真央の視線は星空へと。
 それに続くように柳も星空を見上げる。
 暗闇に散りばめられた星々が夜空を照らし、一筋の光と成り空を裂く。
 もしかして流れ星が願い事を叶えてくれたのだろうか?
 ともあれ、あのもふもふに触れる権利を得られたので結果良し。
 そういえば、あの子に夢中だったけど彼の事もよく知らない。
 体力があるようにも見えない、というより見るからに不健康そうな様子だ。
 長風呂をして体調を崩されては申し訳がない。
「ところで俺は平気なんですけど、貴方は長風呂平気でしたか……って」
 心配して隣を見れば、そこでは静かに船を漕ぐ真央の姿が。
 面倒くさがりながらもちゃんと付き合ってくれる辺りいい人なのかな?
 そう思いながら肩を揺すって起こす柳なのだった。

 尚、起きた真央に「お前やっぱり……」と引かれていたとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

星舞夜・ユエ
『翠苑』の皆さんと
紺のタンキニ着用

こんなに沢山の友人と温泉は初めてなのでワクワクします
帽子の無い団長さんや、口元を隠していない羅賀さんは貴重です
かく言う私も、湯気で曇るので、眼鏡を外します

星にまつわるお話を、と言う事なので、
丁度あちらに見える青い一等星のお話をさせていただきたいと思います
(輝く星を指さして)
絵本にもなっている、有名なお話なので、ご存知かもしれませんが
余り真剣に聞かれてしまうと緊張してしまうので、
温泉や夜空を楽しみながら、話半分に聞いて頂けると嬉しいです

お話をしながら、たまに匤さんの桶のお湯かげんを気にして足し湯を試みます
狐姿の逢坂さんを見かけたら、匤さんとおソロの湯桶を勧めます


逢坂・理彦
【翠苑】のみんなと参加。
ふわぁ…働いた後の温泉は気持ちいいねぇ。
ユエちゃんの星の話が聞きたくて混浴にしたけど大丈夫?一応水着?ってやつを着たけど。慣れないようだったらおじさん狐姿になるからね。…首の傷はあれだしタオル巻いとこう。

煙ちゃんとも合流だ〜。
ふふ、今回の依頼はなんだか楽しかったよ。気心の知れたみんなと一緒だったからかな。
ザッフィーロちゃんに甘いものをたくさん食べらせてあげれたし。白いピヨはすごく可愛かったよ。
うん、ユエちゃんの星の知識はすごいなぁ。星座の話もとっても面白い。新鮮な気持ちで星が見えるね。あ、お酒もあるの?じゃあもらおうかな?


吉瀬・煙之助
【翠苑】の皆と参加するよ~
途中からの合流だけど、おじさんも皆と星空を見て楽しめたらいいね

水着は和柄のサーフパンツ、髪は温泉に入るといけないから後ろで纏めておくよ
そういえば皆の前で帽子とるの初めてかも、まぁ絶妙に目元は前髪で見えない仕様だよ!

ユエちゃんの冬の星座の話ももちろん聞きたいけど、おじさん的には
皆がどんな感じで仲良く依頼をこなしたかも聞きたいな~
最初の皆がもふもふしながら和菓子を食べてる所とか、聞いてて微笑ましくなっちゃうね♪
璃狐ちゃんと理彦くんのもふ桶は和むね可愛いね~、思わずこれは撫でちゃうよね

皆お疲れ様だよ


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
【翠苑】の皆と
黒の半袖&膝上程のラッシュガード上下を着用
確かに動いた後の温泉は疲れが取れる…と
もしや羅賀は口布、星舞夜も団長も眼鏡と帽子が無いのか…?
気になってまじまじと見てしまうかもしれん
後依頼は逢坂の言う様、甘味と鳥が本当に天国の様だった
朧とは甘味好き同士勧め合いも出来たしな。杼糸の餡蜜も美味かった…
鯨との戦いでは皆に助けられたな
やはり皆と共に戦えると安心感が違う

ん?もしかして逢坂と匤は狐姿になっているのか?
…星舞夜の星の話を聞きつつ星見と温泉ともふ毛玉が温泉に浮く様子を堪能しよう
本当に最後まで贅沢な一日だった、な


朧・遊鬼
翠苑の者達と同行
黒のラッシュガードと膝上の丈の水着を着用する

一人では行くが、こんな大人数で温泉は初めてだな…あぁ、エンノスケと合流すれば小さく手でも振っておこう
最初は皆が甘味が好きと分かった故、今度旨い甘味処を紹介しようと考えながらゆったりと風呂に入る
『む?何か物語を披露するのか?』と、途中からユエの話に興味津々になりながら聞こうか
それと、リコとコトヒコが狐の姿故、流されぬようたまに視界にいれる…別にもふもふが気になるからではないぞ?
『仲間達お露天風呂を楽しみつつ星を眺める。そこに更に星にまつわる物語を聞ける…とても贅沢だな。』


杼糸・絡新婦
『翠苑』で参加
混浴なんで黒のサーフパンツ着用で。
髪もタオルで巻いて纏めておく。
そこそこ髪の長い人多いなあ。
皆の様子眺めつつ、
焼けるのが苦手やけど夏になったら海で遊ぶのもええかもね。
のんびり湯船に浸かりながら星舞夜の話を聞いてます。
桶の中でくつろいでいる狐さんも気になるけどな。
いやはやピヨすけも白鯨様も可愛らしい依頼やったなあ。
星見てて思い出したけど、あそこらへん金平糖持ったピヨすけぽい。
美味しいお菓子もいっぱいやったねえ。


匤・璃狐
『翠苑』で参加

実はめっちゃ試してみたいことがあって…
猫鍋…ならぬ狐桶…?

小さい狐の姿でな、湯桶に入って
それでぷかぷか浮きながら湯あみとか、楽しそうやなって
広いお風呂ならできるんちゃうかなあって…

心身共に染み渡るユエさんの気遣いに癒されつつ
示された星を眺めながらゆったりお話聞かせてもらおかな
…よしんば、上手い事桶が流れていったら
珍しい煙ちゃんと乙来さんの姿をちらりと見てみたいなあと思いつつ
桶の流るるまま気の向くまま、皆の所回れたらええなあ
もふもふ好きさんもたくさんおるし、良かったら撫でこしたって

楽しい一日をおおきにな、またご一緒させたって
…あ、変な所に流れへんよう、誰か見とってくれたら嬉しいかも


羅賀・乙来
『翠苑』で参加
水着は半袖、膝丈ズボンのキマイラフューチャー製
尻尾が生えてるから特注品なんだ

僕だって睡眠やお風呂の時くらいはベールは取るさ
……そうまじまじと見られると照れてしまうから控えめに、ね
ユエさんの話に耳を傾けつつ僕は尻尾のお手入れといこう
周りには狐の姿の理彦さんと璃狐さんも居るし、これなら緊張しないかな
星を綺麗なのもあるし、占いで見たりする事はあるものの
それが何かというのは考えた事もなかったね
だからユエさんの話はとても新鮮だ

今日はふわふわの鳥やら愛らしい鯨やら、楽しい一時だったね
また皆で、こうして楽しめる日が来るのを楽しみにしているよ



●翠いも甘いも

「こんなに沢山の友人と温泉は初めてなのでワクワクします」
「うちもやわ」
 脱衣所にて着替える二人。
 帽子のない団長さんや、口元を隠していない羅賀さんは貴重です。
 と言うユエにうんうんと同意する璃狐。
 そういうユエさんも眼鏡を外してる姿は初めてやな、なんて言えば。
 そういえばそうでした、とクスリと笑みが零れる。
「実はめっちゃ試してみたいことがあって……」
 その試したいこととは、さて。

「ふわぁ……働いた後の温泉は気持ちいいねぇ」
 気の抜けた理彦の言葉に頷く面々。
 ザッフィーロは黒の半袖と膝上程のラッシュガードを上下で着用。
 遊鬼もザッフィーロ同様に黒のラッシュガードを。
 絡新婦は髪をタオルで纏めて巻き、黒のサーフパンツ姿。
 乙来は自らの体に合わせたキマイラフューチャー製の半袖膝丈ズボンの特注品。
 そして理彦も無難な水着を選び着用しているも、どうにも着慣れない。
 首の傷を隠すように巻いたタオルがズレないよう気をつけながら、どうしたものかと。
「エンノスケ、こちらだ」
「皆お待たせー。遅れてごめんねー」
 小さく手を振った遊鬼に気付いた男が翠苑の男性陣が入る露天風呂へと合流した。
 和柄のサーフパンツ、髪は後ろで纏めていつもかぶっている帽子がないが、それは紛れもなく皆がよく知る吉瀬・煙之助(煙管忍者・f10765)だった。
 絶妙に目元が前髪で隠されており、相変わらず表情の全てが分からない。
 温泉に浸かれば、ふわぁと理彦と同じようなリアクションを取る煙之助。
 その様子に一同は思わず笑ってしまう。
「それにしても、口布のない羅賀に帽子の無い団長というのは珍しい物だな」
「皆の前で帽子とるのは初めてかもね~」
「僕だって睡眠やお風呂の時くらいはベールは取るさ」
 とはいえ、あまりマジマジと見られると照れてしまう。
 乙来の言葉に失礼した、と謝るザッフィーロと堪忍なあと頭を下げる白い狐。
 そう、ぷかぷかと浮かぶ湯桶にちょこんと入った白い狐が煙之助や乙来の姿を物珍しそうに眺めていた。
 気がつけばどこからかやってきたもう一匹の茶色い狐もスルリと湯桶の中へ。
 そしてそんな姿を眺める者が一人。
 最初は皆が甘味が好きと分かった故、今度旨い甘味処を紹介しよう。
 そう考えながら温泉を満喫していた遊鬼。
 しかし、目の前にはもふもふとした小動物が二匹。
 気にならない筈もない。 

 そういえば、と煙之助が辺りを見渡す。
「ユエちゃん達は?」
「皆さんお待たせしました」
 噂をすればなんとやら。
 紺のタンキニを着用したユエが現れた。
 温泉に入り一息。
 これで翠苑の八人が揃った。
「あれ、匤さんと逢坂さんは?」
「二人ならここに」
 変な所に流されないようにと見守っていた遊鬼が、皆の前に二人の入った湯桶を流す。
 それは猫鍋ならぬ狐桶。
 柔らかくも綺麗な毛並みに、狐姿の璃狐が一同の前で可愛らしくコーンと鳴く。
 同じくふかふかとした茶色の毛並み、狐姿の理彦が猫撫声でコーンと鳴く。
 集ったのは正確には八人ではなく六人と二匹だった。
「おやおや、もしかして璃狐ちゃん? 随分可愛い姿だね」
「理彦さんも可愛らしい姿になってもうたなあ」
 もふってくれてもいいのよ絡新婦ちゃん、と尻尾をゆらゆら振る理彦。
 二人のアニマルセラピー効果もあり、和やかな時間が過ぎてゆく。

 ゆらゆらと湯桶が揺られ。
 尻尾の手入れをしていた乙来の元へ。
 湯桶の中では璃狐と理彦がお湯に浸かりまったりとしていた。
 そんな姿に思わず顔がほころんでしまう。
 慣れない格好やベールの無い姿を晒す事で緊張していたが、それも失せてしまった。
 ありがとう、と二人を撫でればコーンと鳴きながら再びゆらゆらと。
「もふもふと戯れながら和菓子を食べるなんて、聞いてるだけで微笑ましくなっちゃうね♪」
 聞こえてきたのは煙之助のそんな声。
 愛らしい姿、もふもふとした肌触り、そしてそれを満喫していた翠苑の面々の姿。
 言葉通り、聞いてるだけで微笑ましい姿が想像できたのだろう。
 いいねぇ微笑ましいねぇと煙之助は楽しげに笑みを浮かべている。
 その様子に理彦もうんうんと頷く。
 今回の依頼はなんだか楽しかったよ。これも気心の知れたみんなと一緒だったからかな。
 ザッフィーロちゃんに甘いものをたくさん食べらせてあげれたし、白いピヨはすごく可愛かったよ。
 なんて理彦に続くように。
「甘味と鳥が本当に天国の様だった。朧とは甘味好き同士勧め合いも出来たしな。杼糸の餡蜜も美味かった……」
 その言葉に同じ甘味好きの朧も頷く。
 相変わらず視線は湯桶に入る二匹へチラリ。
 もふってもいいのよ、と尻尾を揺らして誘う理彦に、もふもふが気になっていた訳ではないぞ?
 といいつつもふり。
 そんなやり取りを微笑まし気に眺めるザッフィーロ。
「気に入って貰えて何よりや。いやはや、ピヨすけも白鯨様も可愛らしい依頼やったなあ」
 そんな言葉に、可愛らしい狐さんならここにもおりますよ、と瑠狐が湯桶の縁に頭をちょこんと乗せる。
 良かったら撫でこしたって、なんて視線を向けられるものだから。
 お言葉に甘えて狐姿の璃狐を優しく撫でる絡新婦。
 サラサラとした毛並みに可愛いお狐さま。
 癒やされないはずもない。
 もふもふに始まりもふもふで終わる。
 ああ、焼けるのが苦手やけど夏になったら海で遊ぶのもええかもね。
 楽しかった一日。できればこの先もまた今日のように楽しい日が過ごせれば。
 同じ思いなのか、璃狐もコーンと鳴いて応え。
「お二人とも、お湯加減は如何ですか?」
 二人の背に追加で温泉をゆっくりとかけ流し。
 丁度いいよー、気持ちええよと。
 温泉に、二匹の狐に、癒し癒やされ。
 身も心も温まる一時。

「折角の綺麗な星空ですし、一つ星にまつわるお話を」
 ユエの言葉に皆が何々、と注目する。
「絵本にもなっている、有名なお話なので、ご存知かもしれませんが……余り真剣に聞かれてしまうと緊張してしまうので」
 温泉や夜空を楽しみながら、話半分に聞いて頂けると嬉しいです。
 緊張のせいか、温泉の熱のせいか。
 ほんのりと朱色に染まる顔でユエは言葉を続ける。
 スッとユエが指を指した先には他の星より一際輝く青い星。
 自然と皆の視線もその星へと集まる。
「丁度あちらに見える青い一等星のお話をさせていただきたいと思います」
 そうして、静かにユエの語りが始まった。
 地上から見える全天で最も明るいとされている恒星。
 星の話に始まり、その歴史。
 そして題材とした物語の話。
 愛とは信じること。真実の愛の前では、全ての掟が無意味になる。
 物語のテーマを口にしたユエに、何故その話をチョイスしたのかを察した。
 真の愛は、人の想いは、そう簡単に捻じ曲げられるものでも、捻じ曲げていいものではない。
 想いの強さ、尊さ。
 それを感じ取りながら、紡がれるユエの物語は進む。
 ロマンチックな星の物語。

「あそこらへん金平糖持ったピヨすけぽい」
 それはユエの語りが終わってからの事だ。
 感傷に耽ったり、お酒を飲もうとしたり、話に耳を傾けながら手入れをしたり。
 それぞれの時間を過ごしている中、絡新婦が夜空を指さした。
「ピヨすけっていうと、さっき話してたもふもふの可愛い小鳥ちゃんのことかい?」
「甘味が大好きで可愛らしくてね。星見てたら思い出してもたわ」
 それはユエが用意した羊羹や、星のような金平糖。
 星々に囲まれたピヨすけはまるで大好きな金平糖に囲まれたピヨすけみたいで。
「仲間達と露天風呂を楽しみつつ星を眺める。そこに更に星にまつわる物語を聞ける……とても贅沢だな」
「本当に最後まで贅沢な一日だった、な」
 甘党同盟も星を見上げながら一日を振り返る。
 言葉通り贅沢な一日だった。
 好きな甘味を楽しめ、愛らしい動物を愛で、何より仲間と共有できた。
 そんな楽しい思いは伝染する。
 皆が楽しんでいた話しを聞けただけでおじさんも楽しいよ。なんて。
「今日はふわふわの鳥やら愛らしい鯨やら、楽しい一時だったね」
 また皆で、こうして楽しめる日が来るのを楽しみにしているよ。
 乙来の言葉に璃狐も賛同する。
 楽しい一日をおおきにな、またご一緒させたって。
 ゆらゆらと揺られる狐桶。
 ユエの星の知識に関心して新鮮な気持ちで星を眺めていた理彦もそれは同じ。
 皆と一緒でおじさんも楽しかったよ、と。
 一日の終りに皆と星を眺める。
 それはとても素敵な思い出。
 お誘いに応じてくださりありがとうございますと。
 ユエに皆が笑顔で返す。

 皆、お疲れ様だよ。
 そう、煙之助の言葉に締めくくられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

風魔・昴
幼馴染みの麻生竜星(f07360)と混浴に
彼を『竜』と呼んでいる
ワンピースの水着着用
アドリブOK

「良いお湯の温泉と降ってきそうな星空……もう最高だわ♪」
ん~!と背伸びをして一気に力を抜いて湯につかる
私達の世界であるUDCアースだと、もっと明かりが多くて
ここまでの星空を見るのに山奥まで行かなくっちゃ見れないんだもの
「どの世界でもやっぱり星空は綺麗なんだね?」
「それに、お城のある風景っていうのがまた情緒あると思わない?」

星空の話を始めると、少しだけ父の事を思い出す
星空の素晴らしさを教えてくれたのは父だから……
「あ、流れ星……ほらまた!今のはかなり明るいわ」
あ~、願い事するの忘れたわ!残念……


麻生・竜星
幼馴染みの風魔昴(f06477)と混浴に
彼女を『スー』と呼んでいる
アドリブOK

「あぁ、本当に降ってきそうな星空だな」
隣で星空に感激中の彼女を見て微笑みながら、俺も星空を見上げる
確かに見事な星空で、彼女のテンションが上がるのも分かる気がする
「そうだな。星空はどの世界でも綺麗なようだ」
「あぁ。でも城は満月にも映えるぞ?」

彼女の星の話を聞きながら、少し微笑んで
(流石、星空博士の娘だな。星空を見ている時は本当にイキイキしてるよなぁ)
「ん?……あ、本当だ。今のは火球クラスか?」
願い事とか……そう言う部分はちゃんと乙女なんだな?

もう一度、星空を眺める
(全ての世界が安定する時が必ず訪れます様に……)



●願い受け継いで

「良いお湯の温泉と降ってきそうな星空……もう最高だわ♪」
「あぁ、本当に降ってきそうな星空だな」
 一日の疲れが全てお湯に溶けていく。
 その開放感にぐっと背を伸ばして、パシャリと湯船に浸かる昴。
 気持ちのいい温泉、澄んだ空気、そして広がるは満天の星空。
 これだけの贅沢を味わえるなんて、最高と言う以外にないだろう。
 そんな感激する彼女の様子を見て微笑んでいた竜星も星空を見上げる。
 これは……なるほど、スーが感激するのも分かるというものだ。
 と、竜星もまた星空に視線を奪われる。
 この世界での光源は限られている。
 そして科学の発達もしていないために地上と空を遮る物もない。
 二人が見上げている星空は、プラネタリウムのようにハッキリと映し出される本物の星空だ。
「どの世界でもやっぱり星空は綺麗なんだね」
「そうだな。星空はどの世界でも綺麗なようだ」
 出身世界のUDCアースでも星空は見られる。
 だが、ここまでの星空を見るには山奥までいかなければ見ることは叶わない。
 ここで見られるものは別格と言えるだろう。が、それは他が劣っているという訳ではない。
 見る場所、見る人、見る状況。
 ロケーション次第で、その輝きは変わるのだ。
 正しく星のように。
 ふと、遠くに天守閣の影が見えたので、昴は指を指して
「それに、お城のある風景ってのいうのがまた情緒あると思わない?」
 微かに照らされる城に、背後に広がる星の海。
 この世界ならではの魅力に、楽しげに竜星に話しかける。
「あぁ。でも城は満月にも映えるぞ?」
 月明かりに照らされる天守閣。
 周囲に桜でもあればそれはさぞ綺麗な光景であろう。
 竜星の言葉に一理あるかも、と頷く昴。

「ねぇ、星って凄いと思わない」
「と、言うと?」
 ポツリと呟いた昴の言葉に、竜星が訪ねた。
 静かに持ち上げられた彼女の腕は、頭上にある一つの星を指さしている。
 かつて星空の素晴らしさを教えてくれた父の姿を真似るように。
 星には一つ一つに名前がある。その星が連なるとまた別の名前になる。更にその星々を一括りにした名前も。
 一つ一つの小さな輝きが集まることで綺麗な星空になる。
 星の連なりが星座となり新たな物語が紡がれる。
 ときに嬉しそうに。
 ときに悲しそうに。
 ときに楽しそうに。
 そんな風に星空について語る彼女を見つめる竜星に、懐かしい気持ちが沸き起こる。
 それは彼女とその父親。
(流石、星空博士の娘だな。星空を見ている時は本当にイキイキしてるよなぁ)
 昔は彼女の父親が。今は彼女が。
 楽しそうに星空について語る姿は瓜二つだ。
 その様子が可笑しくて、彼女が楽しそうで微笑ましく、思わず竜星の口に笑みが零れてしまう。
「もー、何を笑って……あ、流れ星……ほらまた! 今のはかなり明るいわ」
「ん? ……あ、本当だ。今のは火球クラスか?」
 昔を思い出していた二人。
 それを遮るように流れ落ちた一筋の光。
 夜空から零れ落ちる星に思わず見惚れる二人。
 一瞬の出来事なのに、とても長く感じて。
 その静寂を破るように昴の声が響いた。
「あ~、願い事するの忘れたわ! 残念……」
 色々お願い事したかったのになーなんて。
 そんな乙女らしい一面に思わず。
「願い事とか……そう言う部分はちゃんと乙女なんだな?」
「竜はまたそうやって!」
 癖なんだすまない、と憤る彼女を宥めながら。
 もう一度、星空を眺める。
 流れる星の背に願いを込めて。
 どうか彼女が、そして世界が。安らげる時が訪れます様に。
 その安定を願う。


 人の願いの数だけ星は輝く。
 星空はいつだってそこにある。
 時間も、場所、世界さえ越えて。
 何処にいようと繋がっているのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト