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雪乱れ恋降る里

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●初めての雪
「これが雪か」
 村人は、今なお目の前に降り積もる白い雪をただただ眺めていた。吐き出す息は白く、手はかじかんで感覚を無くしている。
「ほら、ぼーっとしてんな! 畑も、道も、ばあちゃんの家も、埋まってしまう」
 ありあわせの防寒着に身を包んだ別の村人が怒鳴り声をあげた。
「まだばあちゃんちはダメか!」
「駄目だ駄目だ! 早く雪をどかせねぇと、ばあちゃん、危ないべ」
 そこかしこで、村の男たちが慣れない除雪作業をしているようだ。
「オラ、雪なんて初めて見た」
「ああ! それは俺もだ! くそ、道が雪で埋もれて上手に移動できない。それに、俺とこの子供は寒くて凍えてしまいそうだ」
 比較的暖かい地域のこの村は、村始まって以来初めての大雪を経験していた。
 当然雪に対する備えなどない。去年までの防寒着は、とても雪降る日には耐えられないものばかり。雪に埋もれてしまった家には、まだ人が取り残されている。助かり身を寄せ合っている女子供、老人たちも、寒さで凍えてしまいそうだ。動ける男たちが畑や道、家の雪を払うが、雪に慣れていない者ばかりでどうにもうまくいかない。村人たちは希望を失いつつあった。
「この村はどうなってしまうんだべ」
「こうなったら、丘の上の夢郷とやらに行くべか」
「ばか! そんなあるかないか分からないものをあてにするな! さあ、作業を続けるべ」
 雪は止むどころか、ますます吹雪いてくる。
 男たちはそれでも懸命に作業するしかなかった。

●雪乱れ恋降る里
「みんな、聞いて! サムライエンパイアでの事件を感じたんだよ」
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)が猟兵たちに呼びかけを行った。
 サムライエンパイアのとある村を吹雪が襲っていると言うのだ。
「雪の降る地域なら、不自然なことじゃないよね。でもこの村は、今までは雪とは無縁の村だったんだよ。それが、急に吹雪き始めて一週間も降り続いているらしいの」
 それは、あまりにも不自然な降雪。しかもまったく降り止まず、今では村全体が雪に埋もれてしまいそうな勢いだという。
「この不自然な雪は、オブリビオンの仕業のようだね。でもまずは、雪に困っている村人を助けてあげて欲しいの」
 雪に埋もれた家から住民を助け出すのも良い。除雪作業をしている男の手伝いをしたり、寒さで身を寄せ合っている女性や子供、老人に、何か温かいものを提供するのも良いだろう。何とか村人の心に希望を届けたい。
「村人を助けたら、何か情報をくれるはずだよ。最近では村に変な噂もあるみたいだけど、とにかく目の前の雪が何とかならないと村人は話をしてくれないと思う」
 とにかく、大雪に困る村人を助けることが第一の目標だ。
「転送するのは吹雪の村だよ。寒さ対策も忘れないでね。村のこと、よろしくお願いします」
 ルビナはそう言って話を終えた。


陵かなめ
 こんにちは、よろしくお願いします。吹雪は辛い。

 さて、1章では雪に困る村人を助けてあげてください。一週間積もりに積もった大雪。力を持たない者ならばもうどうすることもできません。ですが、猟兵の皆さんなら大丈夫だと思います。寒いところですが、よろしくお願いします。

 2章は村人情報の怪しい場所の探索など。3章は今回の事件の黒幕との対決などが予想されます。

 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『大雪の里』

POW   :    筋力を活かして対策する

SPD   :    素早さを活かして対策する

WIZ   :    知力を活かして対策する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レイラ・アストン
オブリビオンの仕業で人々が凍えてしまうなんて
あまりにも理不尽で、気の毒だわ
村に流れるという噂も、個人的に気になるし
何にせよ、お力添えしましょうか

私自身の防寒は現代日本の既製服で整えるとして……

※wiz
多くの人々の身体を暖める術が必要ね
比較的暖かい地域の村とのことだけれど、薪はあるかしら
もし無ければ木の枝を集めるわ

雪面をしっかり踏み固めて、薪を並べて
【ヴァルプルギスの篝火】で点火すれば、焚き火の完成よ
UCの炎はいくつか分散させて
皆様が火に当たれる数の焚き火を作れると尚良し、ね

変に燃え広がってしまわないよう
火力の調整には常に気を配るわ



●暖かな炎
 オブリビオンの仕業で人々が凍えてしまうなんて、あまりにも理不尽で気の毒だとレイラ・アストン(魔眼・f11422)は思う。
 村に流れる噂も気になるところだが、ともかく今は力添えすることが必要だろう。
 レイラは村の中でも比較的広い場所を探して雪面をしっかりと踏み固めた。何より、多くの人が身体を温めることが必要だ。救助や除雪作業をするにしても、この雪の中ではすぐに体が冷えてしまうだろう。
 次に、村で余裕のある薪を集め、雪の上に並べた。
「足りない分は、木の枝を使えばいいわね」
 雪はさらに勢いを増している。
 現代の既製服で防寒してはいるが、それにしてもこの雪の量は凄いと感じた。
 白い息を吐き出しながら、レイラは並べた薪に点火する。
「篝火よ。生者を護り、死者を囲わん」
 それは、ユーベルコード・ヴァルプルギスの篝火による炎だ。暖かな色の炎はすぐに薪に燃え移り、こうこうと燃え上がる。
「ほ、ほのおが……!」
「こんな雪の中で!」
 作業をしていた村人が、レイラの炎を見て集まってきた。
 村人たちの服装は、とても雪をしのげるようなものではない。しかし、炎に手をかざす人々の表情が和らぐのを見た。
「ありがてぇ」
「はぁ、火がこんなに温かいなんてなあ!」
 村人たちがレイラに感謝の言葉を述べる。
「燃え広がらないよう調節しているから大丈夫よ。安心して体を温めてね」
 その言葉通り、レイラは火力を調節して焚火を起こしていた。寒いはずの雪の中で、消えない炎が村人たちを温めていく。
「さあ! もうひと踏ん張りいけそうだべ!」
 十分暖を取り、村人たちが再び除雪作業に戻っていった。
「できれば、皆様が火に当たれるだけの焚火があるといいわね」
 レイラも次の行動に移る。
 いくつか同じ要領で焚火を作り、村人たちの体を温める場所を確保した。
 温まれる場所があれば、作業もはかどるだろう。
 レイラは炎を維持しながら、除雪作業にいそしむ村人たちを応援した。

成功 🔵​🔵​🔴​

神々廻・朏
【POW】
体力には自信があるから、雪掻きが必要そうなお家のお手伝いをするね
自分自身もしっかり厚着して
技能「怪力」で1人で2人分は働くよ、何軒でも遠慮なく任せて

ただ雪掻きするだけだと、精神的にも負担になるかもだから
他愛ない会話を持ち掛けて和ませつつ
楽しく一緒に雪掻きできたらいいな
隙があれば技能「コミュ力」と「情報収集」で一緒作業してる村人から情報を等を得たい気持ち

雪に埋もれた家から人を救出できたら
水筒に入れて持ってきてた温かいお茶をあげたい
本当に、無事でなによりです
怪我とかしてないですか?
等言葉もかけるね


斬断・彩萌
(ふわもこのイヤーマフに、軍手の上から可愛らしい手袋の二重装備。服はいつもの制服から厚着+ウインドブレーカーに着替えて挑む)
ええ~力仕事JKにやらせるー?まぁ出来るケド~……うう、バリ寒い。霜焼けになりそ。割れちゃったら嫌だし、ネイル取ってきて良かった~。

【POW】
とりまやる事は除雪っしょ。こんだけ積もってたら家の中冷蔵庫だろうし、早く掘らないとね。手でやると疲れるしィ、サイコキネシスでどばばーんと削り取っちゃお!新雪はふわふわしてるから、他のヒトが掘りにくい下の圧雪ンとこ狙ってやるわ。

誰か暖かいもの配ってたりしたらちょくちょく貰いに行く~。

※アドリブ、絡み歓迎



●閉じ込められた老婆
 軍手の上に可愛い手袋を装着しながら斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)は雪の上に立った。
「……うう、バリ寒い」
 吐く息が白い。
 仲間が作った焚火のおかげで、村人の除雪作業はさらに活発になったようだ。だが、圧倒的に手が足りていない。
 ふわもこのイヤーマフに手を当てて、彩萌は言った。
「ええ~力仕事JKにやらせるー?」
 唇を尖らせながら、村人たちの様子をうかがう。村人たちは今も必死に慣れない手つきで雪を何とかしようと頑張っていた。
「まぁ出来るケド~」
 そんな姿を見せられては、やるしかない。
「あの家は、お手伝いが必要そうだね」
 隣で神々廻・朏(三日月・f02894)が一軒の家を指さす。小さな民家のようだが、出入り口を中心に雪に埋もれかけている。村人たちが懸命に除雪作業をしているので、おそらく中に人が取り残されているのだろう。
「うん。あんなに積もってたら家の中冷凍庫だろうし、早く掘らないとね」
 彩萌はざくざくと雪を踏みながら、雪の積もり切った家へ向かって行った。朏もその後ろに続く。
 村人たちが、二人を見て首を傾げた。
「助けに来ました。雪かきのお手伝いをしますね」
 朏が丁寧に説明すると、村人たちは二人に感謝のまなざしを向ける。
「ありがてえ」
「この家は、ばあちゃんが一人で住んでいるんだよ」
「わかりました。遠慮なくまかせて」
 道具を受け取って、朏はさっそく雪かきを始めた。
「お、おおー!」
「すんげーはやさだ!」
 村人から歓声が上がる。
 朏は怪力を駆使し、家の前から順に除雪を進めていった。
「それにしてもすごい雪だね」
「まったくなあ! でも、助けが来てうれしいなあ」
 一緒に雪かきをしながら、朏は少しでも皆を和ませようと村人に話しかける。村人は、必死に雪を掻きながら、笑顔で答えてくれた。
「まずは、ばあちゃんを助けなきゃな。お願いするべ!」
「もちろんだね」
 とにかく、村人は家の中に閉じ込められている老婆の心配をしている。朏はそんな村人たちに並んで、除雪作業にいそしんだ。体力には自信がある。この程度なら何軒でも手伝うことができそうだった。
 一方、家の側面に移動した彩萌は、村人が掘れないような圧雪部分を見つけサイコキネシスを構える。
「手でやると疲れるしィ、コレでどばばーんといくよ!」
 言って、サイキックエナジーを放った。
 彩萌の目の前の積もった雪が、一気に吹き飛ぶ。
「なんだ?!」
「いきなり雪が消えたべ!!」
 村人たちの驚きの声。家の側面の雪が、ごっそりと削られた。露出した家の一部を見たが、とても寒さに耐えうるものではないと感じる。
 とは言え、まだまだ積もった雪の量は多い。
「順調順調~。もう一回、やっちゃおう!」
 彩萌は再びサイキックエナジーを放った。

 朏と彩萌、二人の助力により雪で埋もれていた家の周りから雪を取り除くことができた。村人たちは、老婆の名前を呼びながらドアを開ける。
 すぐさま、老婆が助け出された。衰弱して凍えているがまだ生きているようだ。
 朏は持参した水筒から温かいお茶を注ぎ、老婆に手渡した。
「本当に、無事でなによりです。怪我とかしてないですか?」
「これは……ありがたい。ありがたい。ええ、ババは死んでいません」
 村人に支えられながら老婆がお茶をすする。
「ばあちゃん、一人この家に置いておけないべ! みんなのところに行こう」
「それがいいかもねー! この家に一人はヤバいっしょ」
 彩萌がきょろきょろと家の中を確認した。雪かきは終わったが、この吹雪ではまたいつ家に閉じ込められるか分からない。厚着で何とかしのいでいたようだが、これからは食料も不安だろう。
「そいでも、この雪じゃあなあ」
 老婆が雪を見てしり込みする。
「そこは私が付き添うし! 誰か温かい飲み物用意してくれてるかもだし!」
 彩萌はそう言って、目の前の雪をサイコキネシスで吹き飛ばした。こうやって道を作れば、老婆も簡単に移動できるだろう。
「彩萌さん、おばあさんをお願いするね。僕は、もう一軒お手伝いに行こうかな」
 老婆を彩萌に託し、朏は次の家へと急いだ。
 二人の活躍により老婆を救うことができた。村人たちは、ひとしきり二人に感謝し、除雪作業へと戻っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レイチェル・ケイトリン
キマイラフューチャーでお菓子をいっぱいあつめてもってくね。

そしてヘロドトスの戦いでつかえるようになった新型宇宙服をさむくないようにきていくの。

村では念動力で刹那の想いをつかってすばやく救出。

まずいそがないとあぶないおうちにいくね。

わたしなら屋根の雪も下からかんたんにどかせるの。

つぎは道をとおりやすくしてから村人さんたちにお菓子をくばるよ。
甘いものは体力と体温をたもってくれるから。

そして村人さんたちに雪を道にだしてもらって、わたしがどんどん村の外にはこんじゃうよ。

もちろんほかの猟兵さんとも協力してね。

わたしの力は心の力。

ルビナさんがくれたつながりでたすけてあげたい。

それがいまのわたしの心だもの。


秋津洲・瑞穂
んーまぁ、妖狐にとってはどうというコトもなく。
フォックスファイアあるしね。おいでおいで、火の子たち。

一週間降ったって、どれくらい積もったんだろう。
家々が片端から潰れてるって感じでもないし、除雪もできるなら、
そこまで積もってるわけでもないのかな。

雪かきしてる人に話を聞いて、避難所にできる(なってる)家に行こう。
大きい家だろうから、屋内に狐火を置いても大丈夫でしょう。
無駄に熱くならないように、ほのかに温める程度にね。

残りの狐火を連れて、孤立した人を助けに行く。
障害物のない広い場所なら、狐火で雪を溶かすよりも、
【なぎ払い12】を乗せた衝撃波で吹っ飛ばした方が早いかな。
雪かきさんたちも救助手伝ってー。



●避難、着々と
 村の中には猟兵が灯した焚火が見える。徐々に除雪も進み、助け出された村人もいるようだ。
 とは言え、吹雪は止まず除雪作業はまだまだ続いているようだった。
「んーまぁ、妖狐にとってはどうというコトもなく」
 秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)は狐火を呼びながら村の様子を確認する。一週間の降雪量を考えると、雪が家を押しつぶしていてもおかしくは無いのだが、村の中は何とか持ちこたえているようだ。
 村人が懸命に除雪作業をしていたからかもしれない。
 その隣から、レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)が雪に埋もれた家に向かって走っていった。
「いそがないとあぶないおうちを見つけたの」
 見ると、家が雪に埋もれて、かろうじて屋根が見えているような家だ。周辺で村人が奮闘しているので、中に取り残された者がいるのだろう。
「心のなかで時間よ、とまれ」
 レイチェルはすぐにユーベルコード・刹那の想いを発動させた。
「わたしなら、屋根の雪も、下からかんたんにどかせるの」
 念動力を使い、雪をあっという間にどかせて家の扉を開く。
「うん。入り口は狐火で確保しておくね」
 それを見ていた瑞穂は、村人が家に入る道を確保するように狐火を置いた。
 家の除雪作業をしていた村人が、二人に礼を言って家の中へ入る。
 家人が救出される間に、瑞穂は除雪作業を続けていた村人に声をかけ、避難所になっているような家を尋ねた。
「それなら、この道……、いや、普段は道があるんだ。とにかく、ここを真っすぐ行けば避難所に着くべ! さっきも、ばあちゃんが避難したってよ!」
 村人の指さすほうを見ると、確かに大きな家が見える。ただ、道は雪で埋もれて全く見えない。道の除雪まで手が回らないのだろう。
「狐火で雪を溶かすよりも、払ったほうが早いかもね」
 辺りに積もった雪の量は、尋常ではない。家の入り口の雪を溶かしたようにはいかないようだ。すぐに周辺の安全を確認し、瑞穂は避難所への道が開けるよう、雪を衝撃波でなぎ払った。
「お、おおー!」
 それを見ていた村人から歓声が上がる。
「これなら、避難所にかんたんにいけるね」
 開けた道を見てレイチェルもほっと胸をなでおろした。
「わたしは避難所も見てくるね。他に孤立した人も助けに来るから、それまで頑張っていてくれるかな」
「うん。寒くないように装備してきたからわたしは大丈夫。雪をどんどんはこんでおくね」
 瑞穂とレイチェルがそれぞれ確認し合う。
 ちょうど、村人が閉じ込められていた家人を連れて出てきた。
「これを持っていって。お菓子だよ。甘いものは体力と体温をたもってくれるから」
 レイチェルが村人に持参したお菓子を手渡す。
「避難所への道は確保しておいたよ」
 瑞穂が先導し、助け出された者を伴って避難所へと進んでいった。

 仲間と村人を見送り、レイチェルは残った村人にもお菓子を配った。
「俺たちにもくれるのか!」
「うん。みんな、どんどん雪を道に出して。わたしが村の外にはこんじゃうよ」
「あんたがか?」
 レイチェルはニコリと微笑み、念動力で周辺の雪を持ち上げた。
「助かるな! さあ、雪をどうにかしよう!」
「おい、この菓子……甘くて、うめぇ」
「元気が出るべ!」
 村人たちの瞳に輝きが戻る。
 レイチェルと村人たちは、協力して除雪を始めた。
(「わたしの力は心の力」)
 雪を村の外へ投げながらレイチェルは思う。
(「ルビナさんがくれたつながりでたすけてあげたい」)
 それが、今の自分の心だと。

 避難所では、女性や子供、老人が身を寄せ合っていた。中には猟兵に助けられてここにたどり着いた者もいるという。
「おいでおいで、火の子たち」
 瑞穂は避難所を温めるように狐火を置いた。考えていた通り、大きな家の広い部屋なので、屋内に狐火を置いても問題無いだろう。
「火だ!」
「わあ! 温かい!!」
 子供たちが震える手を火にかざした。とは言え、無駄に熱くしてもいけない。
「ほのかに温める程度に調節しておくね」
 瑞穂は部屋を暖める程度に火を調節し、残りの狐火を見た。まだ孤立している村人がいるかもしれない。ひとしきり村人から感謝の言葉を受け取って、瑞穂は部屋を出た。
 そこに、また一人救助された村人が運び込まれる。
「中を温めておいたから、ゆっくり休んでね」
 声をかけると、村人が安心したように大部屋に入っていった。
 瑞穂はそれを見届け、再び救助へと向かった。

 二人の働きにより、更に多くの村人が救われた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『お伽の国?竜宮城を求めて』

POW   :    根性で幻影を破る

SPD   :    幻影に呑まれる前に原因を突き止める

WIZ   :    魔力や精力で幻影に対抗する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちの活躍により、孤立していた村人たちは救助された。
 村のそこかしこに温める炎や焚火がおかれ、これからは体温を保ちながらの除雪作業が可能だろう。
 温かな飲み物や差し入れも、村人たちの心を救った。
「本当にありがとうございます」
 村を代表して、助け出された老婆が頭を下げる。

 それから、村人たちが奇妙な噂を聞かせてくれた。
 実は、この吹雪が始まったころ、『丘の上の夢郷』に避難すれば、夢のような生活が待っているという噂が広まったと言うのだ。
 そこは夢のような場所で、愛や恋を経験でき、食べ物も絶えることなくずっと幸せに暮らせるという。実際、『丘の上の夢郷』を求めて村を出た者も数名いたようだが、誰も帰ってこなかったらしい。
「オラたちも、『丘の上の夢郷』へ逃げたほうがいいべか」
「いや、たどり着けるかどうかも分からないべ」
「でももし幸せに暮らせるお伽の国なら」
「それじゃあ、この村はどうするんだ?」
「山の中にしっかりと道を見つけたって、誰かが言ってたべ! みんなして『丘の上の夢郷』に行けばいい!」
 村人たちは、あるかどうかも分からない『丘の上の夢郷』について、かなり心が揺れているようだ。
 しかし本当にそんな夢のような場所があるのだろうか。いかにも怪しい匂いがする。この雪と共に用意されたオブリビオンの罠かもしれない。それに山の中は様々な幻影で道を惑うようにされている。この幻影も敵の仕業かもしれない。だが上手く幻影を破りながら探索することで、『丘の上の夢郷』にたどりつくこともできるはずだ。
 猟兵たちは、『丘の上の夢郷』が本当にあるのかどうか。それが何者の仕業なのか。さっそく山の中を探索してみることにした。
ユウナ・フリューアー
判定WIZ

んー幻影で道を...ねえ、ちょっと調査しようかな
【第六感】で進んでいきながら【全力魔法】、『裁きの魔法光線』で幻影に対抗するよ
「めんどくさい幻影作りやがって、それがあなたの罪、その罪を消す光の光線、これが貴方への裁きなの」
幻影に言っても分からないでしょうけど...ね

幸せに暮らせるんじゃなくて、そのまま幻影に惑わされ帰れなかったんじゃないかしら?実際にあるところを私は見たわけではないけど...

まあとりあえずこの作戦で進んでいこうかしら、実際にあったらそれはそれでいいのよ、安全かどうかはおいといてね

アドリブ、同行歓迎です


レイチェル・ケイトリン
「愛や恋を経験でき」……

すてきなことだとはおもうよ。
でも、それって「そういう場所に行ったからできる」んじゃなくて、
「すばらしい人に出会えたからできる」んじゃないのかな。

それだけでいやなかんじがするんだけど。

まあ、お見合いとかできるとこなのかもしれないけどね。

スカイステッパーをつかっていくね。
ジャンプできる回数に限界あるけどわたしなら念動力で
空中に足場つくれば回数リセットできるし。

ただ、ひとりでどんどんすすむんじゃなくて
ほかの猟兵さんと協力してまわりの偵察とかをしていくよ。
とおりやすい道とかへんな罠とかおしえてあげる。

みんなでたどりついて、みんなでなんとかしたい。

わたしはそんなふうにおもうから。


レイラ・アストン
『』:技能
【】:ユベコ

吹雪が始まったころに広まった噂……怪しすぎるわ
そもそも、幻影で道に迷う山という時点で普通じゃないし
放っておいたら、村の人々が新たに山に入る可能性もあるわよね
……私たちでどうにかしましょうか(溜息)

※wiz

山道に入る前に【影の追跡者の召喚】を発動
念の為に影の追跡者に先行してもらいながら探索するわ

とはいえ、幻影相手となると……私自身にも対抗手段が必要よね
魔力や呪力の類ならどうにかなるかしら
瞳に宿った『呪詛』と『見切り』の力で幻影を見破れるか試してみましょうか

(他参加者との連携、アドリブ可)


秋津洲・瑞穂
(連携・アドリブご自由に)

あからさまに怪しいね。贄でも集めてるのかしら。

でも、だとすると、村の外に出にくくなる雪はおかしい。
それに幻影で迷わせたら夢郷に着かない。
そうなると目的は、もっと不合理なものかしらね。はてさて。

ともあれ、丘を目指そう。
帰らない村人が向かった方面、またはそれっぽい場所へ。

狐に幻影を仕掛けるっていうのも逆だよねー。
引き連れている狐火はユベコだから幻術に掛からない。
私自身も単純な嘘に騙されるほど甘くない【誘惑12】持ち。
脅かすようなモノが来ても【勇気10】で動じないし、
【オーラ防御12】で防げるのは物理だけじゃないもの。

他の猟兵とも助け合えば、どうにでもなるでしょう。



●重なる幻影
 猟兵たちは、『丘の上の夢郷』を捜索するため山へ入った。
「吹雪が始まったころに広まった噂……怪しすぎるわ」
 このあからさまに怪しい噂について、レイラも溜息をつく。
「……私たちでどうにかしましょうか」
 と、言うのも、そもそも幻影で道に迷う山と言う時点で普通ではない。そのうえ、これを放っておけば、村人が新たに山に入る可能性もあるだろう。
「私も、ちょっと調査しようかしら」
 ユウナ・フリューアー(悪戯好きな自由すぎるゲーマー・f07259)も、周辺をきょろきょろと見回した。
 見たところ、特に何の変哲もない山道のようだ。
「おそらく……こちらが良いような気がします」
 第六感を頼りに、ユウナが一つの道を指さした。
 レイラが頷く。
「それなら、念の為に影の追跡者に先行してもらうわ」
 そう言って、ユーベルコード・影の追跡者の召喚を発動させた。レイラと五感を共有する影の追跡者が、二人の少し先を進んでいく。
 レイラとユウナは顔を見合わせ、影の追跡者の後を追った。
 ところが、しばらく歩くと影の追跡者が同じ場所をぐるぐると回り出す。
「この辺りはさっきも来たわよね」
 レイラは慎重に辺りを確認しながら、立ち止まった。
「そう……ですね。もしかして、幻影かしら……?」
 ユウナも同じように感じていたようだ。
 その場に立ち止まり、周辺の様子を探る。見えるのは、ただの山道。しかし、これ以上進めないとなると幻影を疑うしかない。
「幻影を打ち破る手段が必要よね。魔力や呪力の類ならどうにかなるかしら」
 レイラはそう言って、瞳に呪詛の力を宿した。その上で、見切りの力も上乗せする。
「……これは……やはり、幻ね」
 見えているものと、見えるものに違和があった。確かに山道なのに、ある場所だけは、モヤがかかっているような印象を受ける。
「それは、どのあたりですか?」
 レイラの言葉を聞いて、ユウナが魔法を構えた。
「ここ、この辺りね。魔力的な何かが、道をふさいでいるような印象よ」
 より正確な場所を特定するレイラ。
 ユウナは頷いて全力で魔法を放った。
「めんどくさい幻影作りやがって、それがあなたの罪、その罪を消す光の光線」
 70本ものレーザーが現れ、指示された場所めがけて一斉に飛ぶ。
「これが貴方への裁きなの」
 ユウナの声にのせた魔法攻撃が炸裂した。
「あ……! 空間が、砕けたわ!」
 レイラの声。
 二人の目の前の空間にヒビが入り、ガラスのように砕けたのだ。
 魔法の衝撃が落ち着いたころ、砕けた空間の先を覗き見る。
「この先に進めるようね。行きましょう」
 今までとは違う道が見えた。
 レイラに促され、猟兵たちがその先へと進む。
 後ろを振り返ると、今まで来た道とは違う光景が広がっているように見えた。来る道も、帰る道も、何重にも幻影が重ねられているようだ。
 これでは、対策もなしに山に入った一般人は、確実に迷うことになるだろう。
「幸せに暮らせるんじゃなくて、そのまま幻影に惑わされ帰れなかったんじゃないかしら?」
 ユウナは言う。もっとも、『丘の上の夢郷』とやら本当にあるのかどうか、見たわけではないけれど。
 しかし、二人は猟兵である。これまでと同様の捜索方法ならば、迷うことなく捜索ができそうだ。

●空も地も惑わす幻影
 空中をジャンプしながら、レイチェルは足下を見た。仲間たちも、山道を探索しているようだ。レイチェル自身は空中をジャンプして進んでいるので、ある程度山の様子を見ることができるが、それでも何となく同じ場所を回っている気がする。
 ふと、足を止めている仲間の姿が見えた。
「どうしたのかな?」
 レイチェルは空中を蹴って、狐火を従えてる瑞穂の前に降りた。地上に降りて周辺を見てみたが、特に変わったところのない、ただの山道のように見える。しかし、同じ場所をジャンプしていた気がするレイチェルは、この場所で立ち止まっている瑞穂の感覚を信じたいと思った。
「ここで狐火が止まるということは、何かがあるようね。単純な幻影よ」
 レイチェルに気づいた瑞穂が、そう言って木と木の間を指さす。一見ただの山の風景に見える場所。空中から見た時も、ただの風景に見えた。しかし、やはりどこか違和感があるのだ。
「ここに、幻影があるのかな?」
 首を傾げるレイチェル。
「下がっていてね。焼き払ってみようかしら」
 瑞穂はレイチェルを下がらせて、狐火を気になる箇所へぶつけてみた。狐火が木と木の間に飛んでいく。すると、空間であったはずの場所が砕け、遠くへ続く道が現れた。やはり、幻影に道を阻まれていたようだ。
「すごいね。道が見えたよ」
 レイチェルが胸の前で両手を重ね、現れた道の先を見る。
「そもそも、狐に幻影を仕掛けるっていうのも逆だよねー」
 瑞穂は残った狐火を集め、周辺を確認した。どうやら、この辺りはもう怪しいところは無いようだ。
「それにしても、あからさまに怪しい話ね。贄でも集めてるのかしら」
 ふと、村人の話を思い出す。
 『丘の上の夢郷』へ逃げ込むことを考えていた村人。お伽の国。そこは、夢のような場所だと。
 しかし、である。
 もし村人を集めたいのなら、村の外に出にくくなる雪はおかしいと瑞穂は思う。それに幻影で迷わせたら夢郷に着かない。
「そうなると目的は、もっと不合理なものかしらね」
 と、瑞穂。
 その言葉に、レイチェルも考える。
 愛や恋を経験できることは素敵なことだと思う。ただ、それは『そういう場所に行ったからできる』のではなくて、『すばらしい人に出会えたからできる』ものなのではないだろうか。
「それだけでいやなかんじがするんだけど」
 と呟いて、レイチェルは道の先を見た。
「わたし、ジャンプしてまわりの安全をかくにんしてくるね」
「ええ、お願いするわね。わたしも気になるところは調べておくわ。助け合えば、どうにでもなるでしょう」
 瑞穂はそう言うと、狐火と共に道を進み始める。
 頷いたレイチェルは、スカイステッパーを発動させて空中へとジャンプした。みんなでたどりついて、みんなでなんとかしたい。
 仲間がいれば、幻影の道など打ち破れるという思いは同じだ。
「なるほど、幻影が重なっているのね」
 瑞穂が後ろを振り返る。
 すると、今まで見ていた光景とは違う、別の光景が見えた。これも、幻なのだろう。
 だがそんなことで動揺する瑞穂ではなかった。
 『丘の上の夢郷』を探るため、猟兵たちは進んだ。

●『丘の上の夢郷』
 重なり現れる幻影を打ち砕き、探索を続ける猟兵たちは、ついにその場所を見つけた。
「ああ、あぁ、しあわ、せ、だ」
「たのしい。たくさん、食べれる。おなか、いっぱい」
「うれ、し、ぃ。なにをして、あそんでも、いいんだ」
「ここは、よいこと、ばかり、だべ。きれいな、おねえさんが、やさしくしてくれる」
 その場所では、村人たちが口々に幸せを口にして、笑っている。
 しかし。
「悪趣味なのね」
 瑞穂が冷ややかな視線で敵を見据えた。
「ひどいよ」
 目の前の光景に、レイチェルが呆然と立ち尽くす。
 ここが『丘の上の夢郷』だと言うのなら、村人たちはどんな幻影を見せられているのだろう。幻影を打ち破った猟兵が見ているのは、何もない広い場所で、ただそこに立っている村人たちの姿だ。食事もしていないのだろうか、皆一様にやせ細っている。吹きさらしの山の上で、幻影に踊らされているだけだ。
「所詮はオブリビオンのすること……ね」
 と、ユウナ。
「まだ生きている人たちばかりよ。助けましょう」
 レイラがため息つきながら声をかける。
「あなたの仕業かしらね」
「ほえほえ。また生贄がやってきた~」
 山の上にいた、異質な敵が笑う。これがこの度の事件の元凶に間違いない。
 猟兵たちはすぐに、そう、感じ取った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『白鯨斎髭長ノ進』

POW   :    白鯨の魔力(物理)
単純で重い【体当たり】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    びちびちヒレアタック🐋
【胸ビレ】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    らぶすぷれ~🐳
【顔】を向けた対象に、【愛の潮吹き】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠掻巻・紙衾です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●白鯨斎髭長ノ進
「ほえほえ。また生贄がやってきた~」
 嬉しそうにそう言うのは、一見愛らしい鯨のようにも見えた。
「白鯨斎髭長ノ進、うれしいな~」
 そう言いながら、猟兵たちをけん制するように潮を吹いてくる。
 そして、周辺には、幻影に惑わされ幸せな『丘の上の夢郷』にいるつもりの村人たちの姿があった。
 白鯨斎髭長ノ進こそ、村人を惑わせた事件の首謀者に間違いない。可愛い外見とは裏腹に、この度の事件はとても許せるものではなかった。
 村に吹雪を降らせ、村人を凍えさせる。
 村人を幻影で惑わせ、吹きさらしの山中で衰退させる。
「だって、ニンゲンがほろびるの、たのしいでしょ。凍えて死ぬぅ? 夢の中で死ぬぅ? すきに死ねばいいよ~。ほえほえー」
 敵に理性は無いようだ。
 だが、その力は本物。
 巨体からの体当たりやヒレ攻撃は、かなりのダメージが予想される。潮吹きも要注意。どうやら、幻影による攻撃は無い様子だ。あくまで村人を捉えるためだけのものだろう。
 敵は目の前だ。あとは純粋に戦って滅するのみ。
 猟兵たちは武器を手に取り、敵と対峙した。
秋津洲・瑞穂
連携希望・アドリブご自由に

鯨さんのセリフを聞いた瞬間に【ダッシュ12】で突撃するわ。
両手にUC『縛繭(バッケン)』を二つ生み出し、叩きつけるように使う。
本来は投げる物だけど、今は外せない。
外れたり抵抗されても【2回攻撃12】でもう一発。

「切り札は最初に使うものよっ!」

ここで決めないと絶対にまずい。
この相手は、何の利もなくても、趣味で村人を攻撃しかねない。
そんな余裕を失くさせ、村人たちを眼中から消させるまででいい。
範囲術も投射術も使わせるわけにはいかない。

最初の一発がわたしに向く分には構わない、【オーラ防御12】もある。
でも許すのはそれだけよ。何がなんでも封じてみせる.

「みんな! あとお願い!」


レイチェル・ケイトリン
えと、まどわして獲物をあつめる……
つまりおっきなチョウチンアンコウのオブリビオンなんだね。

念動力と吹き飛ばしの技能でサイコキネシスをつかってたたかうね。
フェイントの技能もつかってよけにくくして攻撃して、敵を村人さんたちがいない方にふっとばすよ。

敵からの攻撃もふっとばしてふせぐよ。
ほかの猟兵さんへの攻撃もふっとばしてふせぐよ。
かばう技能もつかえるから。

村人さんたちがまきこまれそうだったら、ほかの猟兵さんたちと協力して精密にうごかすこともできるサイコキネシスで安全なとこにうつしてあげるね。

まどわしをつかう敵なら、その姿も言葉もきにしないよ。

しなせることだけがほんとのことだもの。



●初撃
 レイチェルは現れたオブリビオンを見て頷いた。
 惑わせて、獲物を集める……それは、つまり。
「つまりおっきなチョウチンアンコウのオブリビオンなんだね」
「白・鯨・斎髭長ノ進!! くじら!!」
 白鯨斎髭長ノ進は怒った。
「この、愛らしいぼでぃ、見て分かってほしい、ほええ~」
 愛らしい潮を噴き上げ、愛らしい瞳で、訴えかけてくる。自分は、愛の鯨なのだと!!
 巨体を反り返らせ、空中から一気に体当たりを仕掛けてきた。
 それを見て、瑞穂も地面を蹴る。
「攻撃が来るわよ!」
「うん、見えてるよ」
 レイチェルは頷き、サイコキネシスを構えた。
「ふふふっ、潰れて、死ねぇ!」
 白鯨斎髭長ノ進が重い体をレイチェルにぶつけてくる。
 だが、それよりも瑞穂の踏み込みのほうが速かった。
「切り札は最初に使うものよっ! 封妖金糸、封道銀糸、絡め取れ!」
 ユーベルコード・縛繭を発動させ、金銀の糸玉を二つ、敵の体に叩きつける。縛繭は白鯨斎髭長ノ進の体に絡みつき、動きを封じた。
「ふぬ~。まだまだぁ!」
 空中で体を反らせ、白鯨斎髭長ノ進は抵抗する。
 ふと、近づいている瑞穂に顔を向けた。愛の潮吹きでダメージを与えるつもりのようだ。
「まだ動けるのね。でも、わたしだって!」
 それに気づいた瑞穂が、更に重ねて縛繭を発動させ、潮吹きも封じ込めた。
 だが体の自由を失いもがく敵は、着地に瑞穂を巻き込もうとしている。
 その時レイチェルが声を上げた。
「ひきとばすよ! 避けて!」
 十分に狙いを定めてサイキックエナジーを放つ。
 吹き飛ばしの技能をうまく使い、見事に白鯨斎髭長ノ進だけを地面に打ち付けるように吹き飛ばした。
「いった~い!」
 敵が悲鳴を上げる。
 びちびちとヒレを動かしていることから、まだ体力はあるようだが、それでも初撃から猟兵たちの攻撃のみが決まったことは大きい。
「ぐっ、ぐぐぐ! ニンゲンなんて、滅びるだけの、モノ、なのに」
 動きを抑えつけられながらも、白鯨斎髭長ノ進は身を起こした。
「ここで決めないと絶対にまずい」
 瑞穂はまだ敵にまとわりついている縛繭を必死に繰り、力を込めた。解除は、しない。
 この相手は、何の利もなくても、趣味で村人を攻撃しかねないと瑞穂は思う。そんな余裕を敵に与えてはいけない。範囲術も投射術も使わせるわけにはいかない、と。
「うん。村人さんたちがいないほうに、ふっとばしたよ」
 レイチェルもこれに同意する。
 村人は、突如始まった戦闘を前にして、身を寄せ合って震えていた。ひとまずは、白鯨斎髭長ノ進を吹き飛ばすことで、守ることができそうだ。
「ちょっと~、ひどいでござるよ~。白鯨斎髭長ノ進は、愛のくじらなのにね~」
 かわいらしいセリフとは裏腹に、敵が瑞穂の技を破ろうと躍起になる。
「まどわしをつかう敵だよね。その姿も言葉もきにしないよ」
 レイチェルは瑞穂への攻撃を警戒して一歩前に出た。仲間をかばうつもりだ。
「しなせることだけが、ほんとのことだもの」
 敵の容姿に、言葉に、惑わされはしない。
「大丈夫よ、何がなんでも封じてみせる」
 瑞穂が決意を言葉にする。最初から敵を抑え、村人をかばうことに成功した。
 二人は後続の猟兵たちを見る。
「みんな! あとお願い!」
 その言葉に、猟兵たちが後に続いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイラ・アストン
『』:技能
【】:ユベコ

何で山に鯨が……いえ、もう流石にツッコミ疲れたわ
オブリビオンという時点で放置はできないし
現に村にも人々にも、こうして被害が出ている
それだけで十分ね。さぁ、死になさい

※wiz

とりあえず、潮に備えて眼鏡は外して戦闘に挑むわ
でも攻撃を受けないのが一番だから
『見切り』で相手の動きを読んで『逃げ足』で回避を試みるわね

何処か引っ掛けられそうな場所があれば
フック付きワイヤーも回避に利用するわ
吹きさらしの山の上、とのことだから難しいかもしれないけれど

敵が隙を見せたら【邪視】を発動して反撃よ
あなたにあげるものなんて『呪詛』くらいしかないわ
冥土の土産に持って逝きなさい


ユウナ・フリューアー
生贄になんかならないよ?だって......あなたはここで倒れるんだから
『裁きの魔法光線』発動、属性は水
「これは罪のない人間を弄んだ貴方への裁き」
相手が濡れなかったら【属性魔法】の水で追い討ち
相手が濡れたのを確認して相手に向かって携帯を投げつけるよ...携帯スタンガンによる【だまし討ち】と【マヒ攻撃】
魔法の水だって純水じゃない、感電だってもちろんするから
相手の攻撃は範囲外や【空中戦】で空中に逃げつつ当たりそうだったら【オーラ防御】を【全力魔法】でさらに強力に
「人間をあまりなめない方がいいよ?私は人間じゃないけど」

アドリブ、同行歓迎です



●追撃、畳みかけ
 先陣を切った仲間が、ある程度敵の動きを封じてくれている。
「了解です」
 ユウナは軽く頷いて、地面でビチビチと跳ねている白鯨斎髭長ノ進の前に立った。
 さらにその隣には、白けた瞳で敵を見るレイラの姿もある。
「何で山に鯨が……いえ、もう流石にツッコミ疲れたわ」
 オブリビオンという時点で放置はできないのはもちろんのこと、現に村にも人々にも、こうして被害が出ていることは確認済だ。
「ほえほえ~。白鯨斎髭長ノ進に立ち向かうとは、おろかものだね~」
 白鯨斎髭長ノ進は可愛らしくレイラに向けて潮を吹いてきた。動きを抑えられているとはいえ、なかなか鋭い潮が何度も細切れに飛ぶ。
 レイラは攻撃を避けるため、ステップした。
 一塊の潮がレイラの頬をかすめる。あれが命中したら、嫌な具合にベトつきそうだ。潮対策で眼鏡を外して戦いに挑んで良かったと思う。
 だが、レイラの見切りと逃げ足なら、フック付きのワイヤーを利用できずとも、敵の攻撃を躱すことができた。
 敵の攻撃を全て避け、体を反転させる。
「さあ、死になさい」
 言って、敵との距離を一気に縮めた。
「ぬぬぬ。みんな、生贄になって、しんじゃえばいいのにー!」
 白鯨斎髭長ノ進が悔しそうに尾びれを地面に打ち付ける。思うように攻撃が命中せずに、イライラし始めているようだ。
 ユウナもまた、敵に向かって攻撃を構えた。
「生贄になんかならないよ? だって……あなたはここで倒れるんだから」
 そう言って、ユーベルコード・裁きの魔法光線を発動させた。
「これは罪のない人間を弄んだ貴方への裁き」
 幾重にも発生した水属性のレーザーが、一斉に白鯨斎髭長ノ進に襲い掛かる。
「あ、イタ、痛い、イタタ」
 一つ一つ、貫かれるたびに敵が悲鳴を上げた。
 だが、なかなかしぶとい。
 猟兵たちの攻撃をこれだけ受けても、なお白鯨斎髭長ノ進は悪態をつく余裕があるようだった。
「も~。ただの生贄のくせに、白鯨斎髭長ノ進を攻撃するなんて、ひどい~」
「……、追い打ちをかけるよ」
 ユウナは畳みかけるように、水の魔法を放った。
「うわ~ん、濡れちゃったよー! でも、くじらだから、おぼれない~」
 ビチビチとヒレを動かし、潮を吹く白鯨斎髭長ノ進。
 ユウナの狙いには気づいていないようだ。ユウナは素早く懐から携帯電話を取り出し、十分に濡れた白鯨斎髭長ノ進に向かって投げつけた。大技のぶつかり合いの中の、完全なだまし討ちだ。
 携帯電話は水に濡れた瞬間、ビリと敵を感電させる。
「ピ、ピギャ?!」
 少しの刺激だが、敵の注意が逸れた。
「……醜いわね」
 呟いたのはレイラだ。
 視界に完全にとらえる範囲まで近づいて、敵の注意が逸れるこの瞬間を待っていたのだ。
 ユーベルコード・邪視を発動させ、呪詛を流し込む。
「あなたにあげるものなんて『呪詛』くらいしかないわ。冥土の土産に持って逝きなさい」
「ぬ、ぬぁ、ぁ」
 ひくひくと、白鯨斎髭長ノ進が痙攣し始めた。
「人間をあまりなめない方がいいよ? 私は人間じゃないけど」
 ユウナが言う。見たところ、敵の体力は尽きかけているようだ。
 あと一押しで確実に撃破できると確信する。
 二人は地に縛り付けられた瀕死の敵を前に、いったんその場を退いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

斬断・彩萌
かーっ、雪に手間取ってめちゃ遅くなったんですけどー!?今どういう状態!?
あっそろそろ倒せそうな感じだしイイとこ持ってくみたいで悪いけどざくっとトドメ差しちゃうね!!

【POW】
遠距離の間は二丁拳銃で銃撃、弱っている相手に畳み掛けるように傷を。距離を詰められたら『Killing Salvation』で強化したOracleで【2回攻撃】、【傷口をえぐる】わ。

敵からの攻撃はTraitorで【武器受け】、ちょっとやそっとじゃ壊れない私の相棒だもの。持ちこたえてよね!

夢の中で死ぬなんて、そんなの絶対お断り!温かい炬燵とおいしい蜜柑用意してから一昨日きなさいってーの!!(ぐりぐり)



●ざくっとトドメ
「ぐす……白鯨斎髭長ノ進、痛い……。ちょっとニンゲンを滅ぼそうとしただけなのに……」
 ビチビチと尾びれを地面に叩きつけながら、白鯨斎髭長ノ進は悔しがる。
 その時、肩に積もった雪を払いながら彩萌がやってきた。
「かーっ、雪に手間取ってめちゃ遅くなったんですけどー!? 今どういう状態!?」
 皆の眼が彩萌に集中する。
 どうやら今までサイコキネシスで雪を削りながら、村人を助けていたようだ。
 彩萌はきょろきょろと辺りを見回し、すぐに察した。
「あっそろそろ倒せそうな感じだしイイとこ持ってくみたいで悪いけど」
 そう言って、二丁拳銃を構え、走り出す。
「ざくっとトドメ差しちゃうね!!」
 敵との距離を詰めながら、畳みかけるように銃撃をくらわせる。二丁の拳銃から発射される弾丸が、白鯨斎髭長ノ進の体を次々と撃ち抜いた。
「むか~! これなら届くよ~! あたれ~」
 地に伏せるようにしていた敵が、彩萌の近づくタイミングで身を起こす。撃ち抜かれ傷を負いながらも、反撃の機会をうかがっていたようだ。
 白鯨斎髭長ノ進は大きく尾びれを振り、勢いをつけて体ごと突撃してきた。
「そう来ちゃった?! でも、ちょっとやそっとじゃ壊れない私の相棒だもの。持ちこたえてよね!」
 彩萌は、最後の力を振り絞った敵の体当たりを、二丁拳銃の片割れ・Traitorで受けた。
「夢の中で死ぬなんて、そんなの絶対お断り!」
 Traitorを握る手に力を込め、敵の躯体を弾き飛ばす。
 すでに力がつきかけているのか、白鯨斎髭長ノ進の体が地面に叩きつけられるように吹き飛んだ。
「息の根を止めてあげる」
 敵との距離ができたその間に、彩萌はユーベルコード・Killing Salvationを発動させ、精神力を実体化させた剣・Oracleを強化する。
 見ると、敵の体は至る所に傷があった。
 その一番深い傷めがけてOracleを振り下ろす。
「温かい炬燵とおいしい蜜柑用意してから一昨日きなさいってーの!!」
「ぐ……無念……」
 傷を抉り、最後にグリグリと踏みつけると、白鯨斎髭長ノ進は消え去った。

 白鯨斎髭長ノ進が消えたことにより、村人たちは幻影からも解放された。もちろん、村の吹雪も止んだ。村は温かな空気を取り戻し、行方不明になっていた人々も戻ってきた。
「本当に、ありがたいことです」
「助かりました」
 村人たちに感謝されながら、猟兵たちはベースに帰還した。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月14日


挿絵イラスト