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大祓百鬼夜行⑰〜わいわいちゃんばら

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行


 UDCアースに突如として、橋のような土台の上に床版が置かれただけの謎な物体が現れた。橋っぽいのだから橋の建築物? 下は平坦な地面だけで川も何もない。
「なんだろ? こんなのあったかな?」
「うん? ……あれ? 無かったよね?」
 偶然にも通りかかった男の子が、それを見つければ、記憶にないらしく、首を傾げ、一緒にいる子も同じように見つけて、やっぱり記憶にないと首を傾げた。
 見ればみるほど、どのような使い道があるのかも分らない。
「でもさ、なんかこれ—」
 見ようによっては舞台のようにも見えるよね? とう、続けようとした瞬間―。
「さあ、私は誰の挑戦も受けるぞッ!!」
 その上で、刀……ではなく木刀を持った少女が突然に男の子達に啖呵を切っていた。

「お家でゲームばっかりじゃなく。身体も動かしてみるのもいいのかしらねー?」
 猟兵達が集まった中で、メルティール・ヒサメが引きこもり体質の人にダメージが行きそうなことを呟く。てか、この騒ぎの最中にいきなりなんなんだろう?
「カクリヨからUDCアースの子供達を相手に遊ぼうってしてるそうだわ」
 遊びたいだけなら、相手してあげればいいんだし、特に問題なさそうだけれども……。今の騒ぎを考えればそう簡単には行くことはないのだろうのは胸中に去来する思いだ。
「分かってるようね? 当然だけれど、遊びたいって思ってる妖怪は骸魂のせいで歪んでいて……遊びで子供を打ち負かして喰らおうとしてるそうだわ」
 確かに、それは子供に危険が迫っていると言える。だから、そんなことが起きてしまう前に子供を助け出し、代わりに遊び相手になってほしいとのこと。
「それでどんな遊びかってことだけど、木刀とか枝とか……それっぽいのを使ったちゃんばらごっこよ」
 その遊びの内容であるなら……剣や刀を武器にしている人であるならば、やりやすい方かもしれないかも?
「そうそう、骸魂の方も倒せれば、元になっている妖怪も助け出せるわ」
 まあ、ブンドドに近いんじゃないかしらと、メルティールが頬に指を置いてそんなことを言いつつも、子供達以外にも助けて欲しい者がいると付け足す。
 今回の大騒動、妖怪側の協力で、猟兵達を信じてあえて骸魂を取り込んだそうなので、その思いに応えて欲しいとも添えながら。


にゃんさん。
 このシナリオは戦争シナリオです! 一章のみで完結する特殊なシナリオとなります!
 どうも、にゃんさん。です。カクリヨにて戦争が始まりました。

 プレイングボーナスは『子供を救出し、代わりに懐かし遊びを受けて立つ。』です。遊びの内容は【ちゃんばらごっこ】。
 相手は真剣の刀ではなく木刀を持って勝負を挑んできますので、そのノリに乗っかりながら返り討ちにしちゃいましょう。
 けれど注意! 相手は強く、木刀だからと気楽に行くと危険ですよ? ユーベルコードや持てる技能を使って相手してあげましょう。
 他には……躯魂を取り込んだ妖怪も倒せば救出することもできますよー。まあ、その辺りはカクリヨでやることと変わりないかな。
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第1章 ボス戦 『流浪の刀剣士』

POW   :    無双の構え
【天の構え】【陰の構え】【金の構え】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    一刀
【刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    一閃
【刀から衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
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星川・アイ
アドリブ歓迎
いいよね木刀……修学旅行で買おうとして先生に怒られたりとか……
じゃなかった。遊びとはいえ、そんなの振り回すのは危ないから止めないとね

武器改造で刀身を伸ばしたバイブレイドでお相手してあげよう
まずは相手の前で大見栄切って、狙いがアタシに向くようにするよ(パフォーマンス・挑発)
更にUCで「侍モノのアクションゲームにある竹林ステージ」を形成、場もそれっぽく整えて雰囲気を盛り上げていこう

(まぁ、それだけじゃないんだけどね……!)

後はあちこちに生えてる竹を利用して跳躍・翻弄し、相手の衝撃波を見切って躱しつつ近づいて両断。取り込まれた妖怪を助けていくよ
今度はちゃんとしたお遊びで相手しようね~


アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎!

悪ある所に正義あり
罪無き子供を傷つける悪逆非道を正すため…
暁の戦士ドーンブレイカー、世界を越えて只今参上!!

…とまあ、こんな感じで出て行くぜ!
だって「ちゃんばらごっこ」だしな、見得を切る方が、それっぽいだろ?
ごっこでもありったけの【情熱】を込めるのが、ヒーローの嗜みって奴だぜ

後はまあ、普通に戦うだけだな。手抜ける相手じゃなさそうだし
【アブソリュート・ペネトレイション】で木刀っぽく形状を変えたドリルを作って攻撃を仕掛けるぞ
あと、攻撃前に巻き込まれた少年たちの前に割り込むように飛びこんで、敵が少年たちを攻撃しないようにしておこうか


實生・綿糸楼
【アドリブ、連携歓迎】
親分や妖怪たちの心意気、無駄にはしない。必ず戦争に勝利して見せる
形式は遊びでも、手を抜くわけにはいかんな
息まく彼女に呼応するように名乗りをあげよう。足元に手裏剣を投げ気を向けることで子供たちが逃げる隙を作ろうか
「ではその勝負、私が受けようではないか」
私の得物は巨大手裏剣。投擲でなく手に持って切り結ぶこともできる

大技を使うなら大仰なセリフやかっこいい前動作も必要だろうな
相手のUCを【見切り】【受け流し】たところで一気に形成を変えよう
【指定UC】をUC名を言いながら放ち、相手の行動パターンを覚えたところで勝負を決めに行くぞ
「いい一太刀だ。次はこちらの奥義を受けてもらおうか!」



 やけに、懐かしそうな顔を星川・アイ(男の娘アイドル風プロゲーマー・f09817)がしていた。
「いいよね……木刀」
 修学旅行で買おうとして先生に怒られたりとか……。
 そんな想いを馳せているのは、男の娘に見せてもやはり男性であるからか。
「解らなくもないが……それで罪もない子供が襲われるのは、違うだろう」
 懐古しているアイの気持ちに同意をしつつも、引き戻したのはアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)だ。
「……そうよね。遊びとはいえ木刀を振り回すのは危ないだし、ちゃんと止めないとっ」
 回顧していたアイだけれど、今はそれどころではないと気分を変えて、舞台のような橋の方へ顔を向ける。
「自分達の身をあえて差し出した親分や妖怪の心意気を無駄にせぬためにも、必ず止めなければ」
 先に橋の方に視線を向けていた實生・綿糸楼(二代目實生忍軍棟梁・f31351)も、協力してくれた妖怪達の為にもここで挫かれる訳にも行かないと気合いを入れた。

 木刀を持つ少女が、子供達を睥睨している。
 いやに迫力のあるその目に見つめられた子供達は、その迫力に負けて身体を強張らせていた。
「むぅ、得物を持たねば勝負が出来ぬ。なんでもいい、武器を持て」
 流石に、何も持たない者への勝負をするの定めたルールに反するのか、すぐに襲うようなことはなかったらしい。
 カランカランと軽い音を立てさせながら、数本の木刀を子供達の目の前に転がして持つように促すが、強張る子供達は息を飲むだけ。
 目の前に転がる木刀と、その先に立つ斬られる錯覚しそうな気配を放つ少女。
 子供達の目は忙しなく2つを行き交いながら、やがて今の状況を打ち破れるならと、意を決した一人の少年が転がされた木刀に手を触れようとした。

 ―その時。

 刀剣士と子供達の間に割り込む様に、誰かが降りてきた。
「悪ある所に正義あり、罪なき子供を傷つける悪逆非道を正すため…暁の戦士ドーンブレイカー、世界を越えて只今参上!!」
 降りて来た誰かが、着地するなりの名乗りをあげる前口上。刀剣士は興味を抱いたようで肩眉を上げる。
「ほう、この童達の代わりに相手するということか?」
 名乗りといい、どうやら戦ってくれそうだと、獰猛な笑みを浮かべながら刀剣士は構えと取ろうと木刀を掲げると、その機先を制するかのように、足元に手裏剣が刺さった。
「誰だっ!?」
 出鼻を挫かれた刀剣士は、邪魔をされたと怒り散らしながら誰何する。
「その勝負、この私―實生・綿糸楼も受けようではないか」
 誰と聞かれたから、そしてなにより、子供達から自分に興味を引かせるため、綿糸楼が姿を見せながら名乗った。
 勝負する意志を見せるためにもナイフを組み合わせたかのような大型の手裏剣を手に携えながら。
「そんなわけだから、アタシ達がアナタとの勝負してあげるわ」
 アーサーと綿糸楼に刀剣士の意識が行ってる間に、アイはアイで一仕事。
「ほらしっかり、これから衝撃の強いことが起きちゃうから、此処から離れましょ」
 強張っていた子供達の緊張を解しながら、その場から逃がすアイ。
 それが終わり次第に、辺りを時代劇に使われそうな竹林に変えながら先の名乗りで自分の存在を明るみに出す。
「いいぞ、いいぞ。相手が多数といえ、私はそのすべてを受けるぞっ!!」
 3人の名乗りと、勝負を受ける意志を見せられた刀剣士は、全身に力を漲らせる。その様子から、子供達の事は既に頭の中から無くなったようだった。

 ただ広かった橋上が、竹林に様変わりしている。
 ともすれば障害物ともなりそうな竹林の中で刀剣士は木刀の先を上にしながら顔の横に置く……陰の構えをしながら3人を常に視界内に捉えようと位置取りしている。
 多数を相手にするために疲れにくい構えを取りながら死角を無くし、足をどう動かすかを重視しているようだった。
 迂闊に打ちかかれば、逆に打ち負けてしまいそうな気迫を感じてしまうが、だがそれで怖気づくわけでもない。
 先に動いたのは【夜明けをもたらす者】の名を自らに冠したアーサーだ。 
「勝負を受けたんだからな……行かせてもうらう!!」
 アーサーが、よく見れば刀っぽい形なったドリルを手にして刀剣士の頭上に振り下ろそうと迫る。
 刀剣士は構えた剣を水平にして受け止めようとしたようだが、アーサーが持つのがドリルであることに近づいたことで気づき、このままでは木刀が圧し折られると察してそれを避けるために、足を滑らせて軸をずらした。
 軸をずらされたことで、アーサーのドリルは刀剣士を真横を通り過ぎてしまうが、アーサーはそこで足を止めずにそのまま通り過ぎる。
 背中を見せるような行為、勝負の中では隙だらけだろう。だがそれは1対1の場合だ。
「ただそれらしくするために竹林に作り変えただけだと思った? それだけじゃあないよ……!」
 周囲が竹林であるのを利用してアイと綿糸楼は立体的な機動を取りながら、アーサーをやり過ごした刀剣士に追撃を仕掛ける。
「ちぃっ!」
 大型の手裏剣と、超振動する刀身が刀剣士に突きたてられようとする……刀剣士は体勢が崩れるのも厭わずに、構えも崩して後ろに飛び退く。
「逃がさぬっ!」
 だが、その飛び退いた距離ですら綿糸楼の手裏剣の間合いだったようで、綿糸楼は手裏剣を横に薙ぐ。
 刀剣士は飛び退いたことで体勢を崩している。そこを狙った一撃。誰もが取ったと確信する瞬間―。
「甘いっ!!」
 刀剣士が崩れた体勢のままで木刀を振り上げてきて、それで手裏剣が跳ね上げられそうになってしまう。
 木刀と大型な刃物、質量も考えればどう見ても木刀で打ち上げるのは無理のように見えるのだが……、飛び退く勢いと、なにより綿糸楼の手裏剣を“斬る”意志を刀剣士が乗せたそれは、その不利を覆したようだ。
 綿糸楼は自分の武器が刀剣士によって弾かれたと理解した瞬間。その勢いに逆らう事なく手裏剣で木刀を滑らせる。だが、木刀と大型の武器の違いが出たようで、僅差で刀剣士が体勢を立て直すのが速かった。
 まだ体勢を戻せない者と体勢が整った者。刀剣士にとっては絶好の好機。だけれど、取った姿勢は防御。
「あぁ!? もうっ! けどっ!これなら!!」
 先ほども言ったことだが、一人で戦っているわけではない。
 誰かが無防備になったのなら、それをカバーするように動けばいいと、アイは綿糸楼の体幹が崩れた瞬間に刀剣士に攻勢に出たからだ。
 それを受け止めるための、防御の姿勢だった。だが、刀剣士にとってはそれも悪手。
 木刀と振動する刀身がぶつかり合ったことで、アイのブレードが刀剣士の木刀に喰いこむ。
「このまま、押し切ってあげるわ……!」
 振動していることによって、少しづつ木刀に刀身が減り込んでいく。もう力押ししなくても、木刀ごと断ち切って刀剣士に一刀を入れられるだろう。
 それをただ手をこまねいて待つような気は、刀剣士の方は持ち合わせてはいないのだけれど。
「もう勝った気でおるのか? は、あぁっ!!」
 刀剣士の身体がほんの僅か、膨れ上がったかのように見えた。
 両手に木刀を握り締め、アイのブレードを押しのけるようにしながら上に振りかざしながら裂帛の気合いを籠めて刀剣士が叫ぶと、その気合いが物理的な衝撃となったようでアイはその衝撃で吹き飛ばされてしまう。
「ちょっと!? 今の何なのっ!?」
 飛ばされてしまったが、体勢を立て直して着地するアイ。今何をやったのよと叫ぶ余力を見るに、至近で受けたにも係わらず、致命的な事になるのは避けたようだ。
「あれは……おそらく剣気、ではないか?」
 アイの問に、綿糸楼が冷静に返してきた。
 本来なら、刀に籠めて放つそれをそうせずに放ったのではないのかと、そのため、ある程度は弱まったのではと憶測を語る。
「だけどよ、好機だぜ?」
 最初に仕掛けたアーサーが攻勢に出ていた姿勢を正しながら、今が好機と言いながらももう一度、攻撃の姿勢を取る。
 そうだろう、今の刀剣士はアイを引き離すために武器である木刀を上にかざしたままから体勢を戻せていない。
「先ほどのはいい一太刀だった。お返しだ。次は私の奥義を受けてもらおう!」
「例えどのようなものであろうとも、全てをぶち抜いてやるぜっ!!」
「さっきのお返しよ!」
 3人が3人、刀剣士へと必殺を放つ。
 迫る危険に刀剣士を木刀を持ち直そうとしてるようだけれど、それがどうにも遅く見えてくる……。
「させると思う?」
 竹林の一本の駆け登ったアイによって、落下の勢いを乗せたブレードを受け止めさせて……木刀が、刀剣士の頭上に留められる。
「今のうちにっ!」
「了解した! ぶち抜けーッ!!」
「實生流忍法奥義【押刀】!」
 綿糸楼の手裏剣が分裂。無数に分かれた刃は刀剣士の身体を打つ。アーサーがあらゆる壁を打ち破るドリルが、それに続く。
 2人の攻撃を、上から刀剣士を食い止めたままで見届けたアイは、先程吹き飛ばされたお返しとばかりに身体を振って刀剣士を吹き飛ばす。
 一瞬の内に多くの手傷を負った刀剣士は力が抜けているようで、アイが身体を振り子にしても一切逆らうことなく、飛んでいき、地面をごろごろと転がった。
 だけれど、刀剣士を打ち破れたとはどうしても思えない。構えたままで様子を窺っていると、刀剣士は立ち上がろうと地面に手を着く。
「なか、なか、やってくれる…ッ!」
 満身創痍と言っていいほどの手傷を負いながらも横になるままを良しとしないようで、立ち上がろうとしたようだが受けたダメージはそうさせるのを許しはしなかったようだ。
 木刀を杖にして片膝を着く刀剣士であったが、それでも未だやりあう気がある様で、見せる顔は獰猛な笑みのままだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カグヤ・アルトニウス
○チャンバラは遊びじゃない(スポーツだ)

(アドリブ歓迎)
チャンバラですか…
師匠にしごかれていた時代を思い出しますけど、今度はカクリヨでも…
まあ、頑張ってみましょうか

得物はサムライ風にしたトランスキャストウエア付属の非殺傷の太刀で、基本スタイルは新陰流風の一刀流です

攻撃は、チャンバラの打ち合いに【マヒ攻撃】・【体勢を崩す】を仕込んで弱体化を狙い、防御は【第六感】・【読心術】で先を読んで、特に一閃に対しては【念動力】で強化した【オーラ防御】に【武器受け】を重ねて攻撃を凌ぎます

あとは【覇気】を叩きつけて隙を作り、流れる様な動きでエクストラ・ブルーに持ち替えて、居合からUCに繋いで仕留めに掛かります


神代・凶津
ちゃんばらごっことは懐かしいな。
先ずは『式神【ヤタ】』を飛ばして『結界霊符』をガキ逹に張り結界を展開して救出だ。

よう、嬢ちゃん。そんなにちゃんばらしたいなら俺達が相手してやるよ。掛かってきな。
嬢ちゃんの攻撃を見切り妖刀で受け流しながら、フェイントを交えながらこっちも攻撃したりと斬り結んでちゃんばらしてやるよ。

・・・思った以上に強ぇな!?
いいぜぇ。興が乗って来たッ!
相棒、アレやるぞ。妖刀憑依ッ!
「・・・【鬼面の大霊剣】。大人げなくない?」
いいや、こっちも本気でやるのが礼儀ってヤツだぜ。
大霊剣でなぎ払ってやるぜぇッ!


【技能・式神使い、結界術、見切り、受け流し、フェイント、なぎ払い】
【アドリブ歓迎】



 橋の造りであった所の上に竹林になっているという、もはや何でというような事になっている。
 その竹林の傍には、子供達の姿が見えた。そして、その傍にも子供ではない別の人影が紛れるように入り込む。
「ちゃんばらごっことか懐かしいな」
 紛れた人影……「神代・桜」が顔に被った鬼面こと神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)が懐かしいなんて言いながらだ。
「え、えっと……」
 子供達はびっくりである。
 なにせ巫女衣装を着てるからで女性であるのは判るんだけど、その顔が鬼面で隠されるもんだから、ちゃんと人って判別していいのか分らないから。
「チャンバラですか……師匠にしごかれていた時代を思いますけど、今度はカクリヨでも…」
 凶津が懐かしんでいる横で、カグヤ・アルトニウス(辺境の万事屋兼宇宙海賊・f04065)も、何か懐かしがりながら輪に入り込む。
 懐かしといいつつも、その想いが向く方向はまったく違うようだが。
「それじゃあガキ共、ちょっとここで待ってろよ?」
「え? あの?」
 困惑してる子供達をよそに、凶津は式神のヤタを子供達の周りに飛ばして身を護るための結界を張り、そのままで竹林へと入って行く。
「その中にいれば安全でしょうから……まあ、頑張ってみましょうか」
 カグヤも、なるだけ安心していいからと述べながらも、纏っていた変装用の外套を侍風に変え、その外套に付属していた造り物の太刀と他にも一つ、腰に佩きながら竹林の中へと進んでいった。

 竹林の中を進む。進むほどに、熱気のような物を肌で感じられてくる。
 その感触に目指すのはこの先だと足を止めずに進めていけば、膝を着いている刀剣士の少女の下に辿り着く。
「む……新手かっ」
 すでに交戦はされていたようで、少女の身体中に付いた傷があり、痛々しくも見えた。
 けれど、そのような傷を負っていながらも少女から発せられる戦意は衰えているようには見えない。
「よお、嬢ちゃん。そんなにちゃんばらしたいなら俺達が相手してやるよ。掛かってきな」
「かなりの満身創痍ぶりですが……こちらがやることは変わりません。お相手務めてもらえますよね?」
 戦意に中てられて、ということでもないが、別の所に行かれるのも面倒と凶津とカグヤが遊び相手となってやると宣言。
「ふぅ…いいだろう。お相手いたそう!」
 少女は一つ、息を深くして立ち上がり、木刀を構え直す。その様は剣士と言える気迫だった。

 カグヤが模造の太刀の切っ先を刀剣士の少女に向けながら、膝に余裕を持たせながら構える。
「その構え……新陰流か?」
「……解るので?」
 構えを見せただけで流派を見抜くとは、と思ったけれど、良く考えれば相手は妖怪なのだ。かつての剣術を見た事がある妖怪もあるだろうと納得するカグヤ。
 対して、凶津の方は構えらしい構えを見せないまま、業物の切れ味を持ちながら出自も解らぬ刀の切っ先を向ける。
「そちらは……よく分らぬな」
「あー、これといった流派は覚えてねーしな、まあ気にするなや」
 まともに剣術の師事を受けたこともないと言いつつも、それでも気にするなと言える凶津。
「しかとした流派と我流が共に当たってくるとは、面白いな!」
 同門でもない者同士が共に自分に当たってくることに刀剣士はしんそこ面白いと快活に笑いだし……その笑いも治まって来れば、浮かぶ顔は戦いの顔そのもの。
「さあ、いくぞ」
 圧のように感じる戦意とは裏腹に、やけに落ち着いた声音で刀剣士は戦いの火蓋を切ってきた。

 木刀の先が相手に向けるように水の構えを取ってくる刀剣士。
 常に武器の先を突きつけられてしまえば、どのような手でこようとも。全て払ってやろうという気迫を感じてしまう。
 その気迫のせいで、どうにも有効打を与えれる像が上手く結ばず、2人ともにたたらを踏んでしまう。
「こないのなら、こちらから行くぞ?」
 掛かってくる様子もなさそうと感じらしい刀剣士が、ならばと切り掛かってきた。
 受ける事にも向いているからと、カグヤがその一撃を受け止める。
 受け止めたことで太刀を持つ手にかかる、重圧。
「ぐ、ぅ…重い!?」
 刀剣士の身なりや傷だらけの姿からは想像もつかないほどの重撃に、カグヤが膝を折れそうになった。
「やらせっかよっ!」
 助けようと凶津が刀剣士に刀を叩きつけようとしたが、刀剣士はそれを読んでいたかのように身体を少しだけずらして避け、反撃とばかりに木刀をカグヤの太刀の上を滑らせながら凶津に振るう。
「うおっ、……と」
 咄嗟に刀を引き戻したことで、木刀に刃を当てて滑らせて受け流すことに成功する。
 受け流せたんだからと、隙が出来ただろうと今度こそと刀を振るおうとした凶津だが、刀剣士は既に身を引いていたようで、刀が届く間合いではなかった。
「思った以上に強ぇな!? これもうごっこの範疇じゃあねぇだろ!?」
「ええ、そう思いますよ……これ、言いかえれば子供ではまともな勝負にはならない、ってことですよね…」
「強ぇってのは聞かされてたが、思ってた以上だぜ…」
 自身の隙を極力小さくしながら、こちらが気を抜けば重い一撃を叩きこもうとする刀剣士に凶津は戦慄―。
「いいぜッ! 興が乗ってきたッ!」
 ―することもなく、むしろやる気を滾らせていた。
「おら、行くぞ!」
 滾らせたままに、凶津が仕掛けていく。
 刀を荒々しく、しかし、一瞬の間を置いて斬りつける。
「お主は、意味が分らぬな!」
 凶津の刀をよく分らないと怒鳴りながらも、対処しようと凶津がどう刀を振るおうとしているのかを読もうとする刀剣士。
 解りにくいにのも仕方ないだろう。凶津の刀は我流の上に、ゲームの動きも反映さているのだから。
 ともかくも、刀剣士は置かれた間よりも先に動いてしまったために、木刀で凶津の刀を受け流そうとしていると実際にそう動かされてしまう。
「もらった!」
 隙が出来た。その好機に、胴を斬り捨てようと凶津が刀を薙ぎ払う。しかし、木刀の引きが速かったらしく、その薙ぎ払いも止められてしまった。
「中々、虚を衝いてくるとは肝が冷えたぞ」
 凶津の一撃を防いだ刀剣士であるが、冷や汗を流しているところも見るに、不意を突くのは効果があったらしい、だが、不意を衝くのは最初がもっとも効果があるのだから、もう一度はその選択もあると警戒さててもう一度は難しい。
「わたしの事を忘れてもらっては困りますよ?」
 そこに、カグヤが仕掛けだす。
「そちらは、まだ癖はあるが素直だな」
 カグヤの太刀筋を刀剣士はそう評する。少しは知っているから、対処しやすいと多少の余裕さえ感じられた。
 しかし、だからこそ、それが命取り。
 カグヤの振るった太刀を、木刀で受け止める。瞬間、腕に違和感が走る。
「……む?」
 なにか、可笑しいと感じたようであるが、カグヤはそれを知る時間を与えない。
「呆けてる余裕、あるんですかね?」
 もう一度、太刀を振る。今度も木刀で防がれる。
 刀剣士の身には、どうしても太刀が届かない。でも、それでいいと何度も斬りつける。
 防いでいるはずの刀剣士は、明らかに腕の動きが鈍りだしてくるのだから。
「……いつまで、持ちますか?」
 そして、とうとう、木刀での護りが間に合わず、カグヤの太刀が刀剣士の身に届いた。
「ここ! 覚悟ッ!」
 カグヤが太刀を手放し、もう一つの腰に差していた刀に手をかける。
 鞘に走らせながら抜かれた刃は、その抜いた勢いのままに、刀剣士の胴を斬り裂く。
「相棒、アレやるぞ! 妖刀憑依ッ!」
「…【鬼面の大霊剣】大人げなくない?」
 続けとばかりに凶津も大技の準備に入り、ここまで大人しかった桜もやりずぎにならないかと口を開く。
 苦言が言われる程とはどのような物なのか?
 それは……妖刀に凶津そのものを憑依させて、妖刀を巨大な得物に変えてしまうものだった。
「いいや! こっちも、お本気でやるのが礼儀ってヤツだぜ?」
 桜の苦言も、全力が礼儀だろうと捻じ伏せてしまう凶津。
「なぎ払ってやるぜぇッ!」
 巨大な刀となった妖刀を、今までと変わらない速さで振るわれる。
 その一刀は、カグヤが刀剣士の胴を斬った所に重なるように、一文字に身体を薙いだ。

 2回連続で身体を裂かれ、2回目に至っては巨大な武器で斬られた刀剣士は、足で轍を作りながら押されていっていた。
 それも止まると、前のめりに倒れ込み、しかし手を着いて倒れ込むのを避ける。だが……。
「げほ、ごほ…」
 口からは血が吐き出されていた。
 ひとしきり赤い液体を吐きだした後、がばりと顔を上げてくる。
 血は散々に吐きだし、流したというのに、血色はいささかも悪くなっているようには見えない。どころか瞳を爛爛と輝かせてすらいた。
「く、ははっ。やはり勝負事は楽しまなくてはなぁ!?」
 口元を赤く染めながらも快活に笑うその様子に、こいつ根っこの部分は狂戦士じゃないのかと少し引いてしまう2人だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミスミ・アクティブハート
WIZ 連携アドリブ歓迎

あたしゃこれでも騎士の端くれ、異国の剣には負けはせぬ!
東方の剣士よ、いざ勝負ー!ってね。
名乗って子どもへの注意をこちらに引き付ける意味もあるけれど、
せっかくだもの、お互い楽しみましょ。

UCで反射神経を強化、衝撃波を撃ちづらいように出来るだけ接近戦で挑みたいわ。
【見切り】で刀を振る瞬間を見極めて衝撃波の大きさや方向を確認、
【ダッシュ】で回避しながら一気に間合いを詰める。
剣の間合いに入れば【武器受け】【怪力】や【切断】【貫通攻撃】を生かしてチャンバラ三昧よ。
近距離を維持しつつ【マヒ攻撃】やUCの能力上昇を駆使して相手の動きを徐々に鈍らせたいわね。
騎士たるもの持久戦上等よ!



 ちゃんばら、言い換えればそれは剣の勝負。
 木刀を手にしている刀剣士の少女と、頑丈そうな剣を持つ女性が対峙していた。
「あたしゃこれでも騎士の端くれでね。異国の剣には負けはせぬ! 東方の剣士よ! いざ勝負ッ!」
 騎士と名乗った、ミスミ・アクティブハート(しるべ無き三角獣・f27984)が勝負を挑む。
 挑まれた少女の方は、ここまでの度重なる戦いで受けた傷が目立つが、両の足でしっかりと立ちながら、挑戦を受けるようだ。
「異国の剣か、それはこちらも同じだな。ならば、戦うしかあるまい!」
 痛々しいほどに赤く染まった身体であることを感じさせないような戦意を放ちながら、少女は木刀を突き出す。
「せっかくよ、お互い楽しみましょ?」
 ミスミも剣を突き出して、自分の剣と少女の木刀を軽く合わせた。

 互いに武器を相手に向けたままで、動かない。
 どう動くのか、一挙手一投足を見逃さないようにしているようだ。
 けれど、動かなければ決着もつくはずもない。
 刀剣士がどのようにするのかを様子見するつもりか、木刀を横に構えると、そのまま水平に薙ぐ。
 それに合わせて、ミスミに向かって斬撃の衝撃が飛ぶ。
 ミスミは、横にも後ろに避けるのを選択せずに、むしろ前に向かう。
 斬撃の衝撃波を走るに合わせて腰を低くしながら、頭上を通り過ぎさせる。そのまま姿勢のまま、刀剣士へと肉薄していく。
「接近戦で負けるわけにゃいかないのよ!」
 距離を取ったままではさっきみたいに衝撃を放たれる。ミスミはそれを嫌って接近戦に持ち込んだのだ。

 自分達の武器が届く範囲のままに、木刀と剣を打ちあう。
 下手に大振りしてしまえば、それだけ大きな隙を見せてしまうからか、刀剣士は木刀を振る動きを小さくしていた。
(攻めにくい…! けど!)
 動きが小さいおかげで痛打にはなりえず、ミスミは打たれるのも構わず剣を振る。だが動きが小さいのは逆に言えばそれだけ次に移るのが早いのだ。そのためかミスミの剣がどうやっても防がれてしまう。
 とはいえ、纏う電気によって身体能力が強化されているミスミの剛力に耐えるほどの剣の衝撃の圧は例え防がれていても通っているようで、刀剣士の足は確かに後ろへと下がっていた。
「思った以上の剛力だな!」
(このまま、押し切るッ!)
 徐々に木刀を持つ手も鈍って行くのもあり、ミスミは攻勢に出るタイミングだと、攻撃の手を強めていく。
「ぐっ……!!?」
 そして……とうとう手が痺れたのか、刀剣士は木刀を下げてしまう。
「そこだぁ!!」
 引き寄せたチャンス。ミスミはそれを見逃さずに剣を振り下ろす。
 しかし、刀剣士もただ黙ってやられるつもりもなく、下がった木刀を蹴り上げて切っ先を跳ね上げさせると、峰に腕を当てて身体ごと突きを放ちに来た。
 身体そのものを動かれてしまえば、剣の間合いを外されてしまう。どころか、ぶつかるままに突きにくるものだから剣を振るどころではなく……。
 ぶつかるのを避けるために身を引いたことで、好機そのものも逃してしまった。
「まさかそんな避けかたするなんてね…」
「危なかったのは確かであったがな……」
 引いた事でミスミと刀剣士の距離が離れる。けど、一休止を挟むつもりなのか追撃の衝撃波は無い。
 手をプラプラさせながら、刀剣士はミスミに向けて楽し気な笑みを見せた。
「まだまだ勝負はついてないぞ? さあ、やりあおう!」
「ええ、こちらも騎士。持久戦は望むところよ!」
 ミスミも、まだまだこれからと応えて、互いに仕切り直しというように武器を構え直して、また対峙する。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ユメ・ウツロギ
魔女にチャンバラやれとか無茶も良いところです(手に木刀持ってブンブン)
まぁ、私、ナイフ使えたりはしますが…。

それはともかく、チャンバラごっこですか…それなら、凝った演出で炎を纏って炎の○吸とか…ダメですか?
それなら、私の奥義を見せるです。必殺こーそく剣ー


魔術で一瞬砂嵐を巻き上げて【スパーダ】を召喚する瞬間を子供達から隠しつつ、手に持った木刀に合わせて魔法剣(990本)で一斉に攻撃。
命中したら魔法剣消して誤魔化し。あくまで剣技だと言い張る所存


ふっふっふっ…これが私の必殺剣。
あまりの速さに剣が990本にも分裂して見えるという奥義です。
実際に剣自体が増えてるだろ、とかそんな事は決してありませんので。


川谷・茉莉
ただの遊びなら兎も角、それにかこつけて食べちゃおうなんて見逃せないわね(子供の守護者を自認する身として)
というわけで皆、下がってて頂戴な。私がやるわ。

得物は自前の聖剣「雨傘」。チャンバラごっこといえば傘かその辺の木の枝よね?
ごっこ遊びらしく、最初はお互いの得物を打ち合わせていくわ。尤も、隙あらば身体に直接打ち込むつもりで打ってくけど。
相手がユーベルコードで構えを取ったら、私も必殺技を使っていきましょう。
怪異顕現「あの頃流行った必殺剣」。雨傘を逆手で構えて、【斬撃波】を飛ばす技で攻撃よ。今リメイクアニメがやってるらしいし、今の子達も知ってるんじゃないかしら。
上手く魅せられれば僥倖ね。



「な、なあどうする?」
「どうするって言っても……どうするんだよ?」
 橋の上に繁った竹林の端で、子供達がどうしようかと悩んでいた。
 護られているのは理解しているようだが、だからこそ、この場から離れるべきか留まるべきかと迷っているよう様子だ。
「ただの遊びなら兎も角、それにかこつけて食べちゃおうなんて見過ごせないわね」
 突然、女性の声が聞こえた。
「え!? えっと…?」
 子供達はその声を発した人を認めると、困惑する。
 子供達が見つけたのは、川谷・茉莉(n番目の花子さん・f32951)であり、背丈は同い年か年下に見えるのに、身体つきは大人顔負けであったから。
 同じ子供と見ていいのか、それとも大人として見ていいのか、どっちがいいのか迷っていしまっている。
「魔女にちゃんばらやれとか無茶も良いところです」
 悩みが増えてしまった所に、また女性の声。
「だ、だれ?」
 またどっちに取っていいのか分らない人なんじゃ……怖々としながら新しく聞こえた声の持ち主をみると、木刀をブンブン振り回している美少女がいた。
「まぁ、私、ナイフは使えたりはしますが…」
 見られているのを理解しながら、ユメ・ウツロギ(蒐集の魔女・f30526)は気にせずにどうやって戦えばいいかな、って考えているようだった。
「え? …え?」
 ユメのことは子供達は歳が近いと見れているようだ。けれど、なんだか雰囲気が大人とも感じているみたい。子供達の混乱が加速した。
「というわけで皆、下がってて頂戴な」
「危ないですから、着いてきちゃダメですよ」
 混乱しているのを置いて、茉莉とユメは言葉をかけつつも竹林の中に入り込んでいった。
 少々、少年たちの性癖を歪めたかもしれないままで。

 刀剣士の少女は最初から木刀を持ち、ユメも木刀を自前で用意して、茉莉は雨傘で代用するようだ。
 今までて一番ちゃんばらごっこに近くなりそうな得物である。……まあ、実際に勝負が始まればごっこを越えるのだろうけど。
 その証明か、ユメが木刀を前に立ててながら柄に手を置き、背後に炎を背負う。
「どうです? 最近見た映画を真似てみましたけど?」
「炎とは……それほどの覚悟があると見た!」
 刀剣士の少女は元が何かであるのかはさっぱりわかっておらず、単純にやる気を滾らせてると判断するだけだった。
「いいんじゃ……ないの……?」
 茉莉の反応はというと……最近の妖怪として産まれたからか元にしたのが何か分かっているようで、良いのでは言っておくようだ。ただし顔を背けながらだけど。
 そんな反応を返されたユメは―。
「……この炎はダメでしたか? 炎のこ―」
「さ、始めましょ?」
 なにか危険を察知したのか、茉莉はユメに最後まで言わせずに、勝負の合図を切り出した。
「その意気や良し! さあ来るといい!!」
 いい勝負ができそうだと、刀剣士の少女は犬歯をむき出しにするほどの笑顔を浮かべて、勝負に乗り出した。

 刀剣士との打ち合いに入って行く茉莉。
 木刀と傘をぶつけ合う様は、ごっこ遊びのようにも見える。どちらも振るう速度は遊びなんて一切感じられないけれど。
 刀剣士が木刀を横に薙げば茉莉は傘を立てて防ぐ。お返しとばかりに、傘を振り上げれば、小さく飛び退いて避けられてしまう。その上、ただ飛び退くだけではなく、引き戻した木刀で牽制すらもしてみせて。
 が、茉莉は牽制されながらも、足を地から離した以上は当てられると、強引に前に出た。
「そうくるか!」
 強引なまでの茉莉の踏みこみに、刀剣士は詰められないように木刀を当ててくるけれど、足の踏ん張りのないそれは茉莉をいささかも怯ませることはない。
 ある意味、捨て身とも取れた茉莉の特攻で、確かに刀剣士の脇腹にまともに傘を当てることが出来たのだった。

「あんなこと、よくやるものだ……!」
 まさか特攻染みた行為を仕出かすとは思わなかったのか、刀剣士は脇腹を抑える。
 かなりの強さで打たれたからだろう。相当に苦しそうだ。
「はぁ…ふー、ふっ…」
 だがそれも深く短くと息をつくのを繰り返して息を整えるまでだったようだ。
 与えた痛みも薄れていくのか、息が安定してきていた。
「はー……、再開だ」
 刀剣士は木刀を再度握り直して、小さく、それでもはっきりとした声を発しながら今度は頭の上に構える。
 その構えを見た茉莉は、雨傘を逆手に持ち直す―。

「うーん、この炎はやっぱりダメでしたかね?」
 台詞を被せられてしまっていたユメはそのため、出遅れてしまっていた。
 というより、流石に全部を真似するのはダメでしたか?と、考え事で足を止めているっぽいが。
「仕方ないですね。それなら私の奥義を見せるです」
 最初に考えてた手がダメになったらと、どうももう一つ、別の手を用意していたようだ。
 それに、茉莉と刀剣士が必殺を放つ体勢に入ったのも丁度よいタイミングだろう。
「必殺こーそく剣ー」
 ……奥義とか必殺とか言いつつも、すっごく棒読みであったけど。
 木刀を振ったユメを基点にして、千に近い剣が現れる。
「ふっふっふっ…これが私の必殺剣。あまりの速さに剣が990本にも分裂して見えるという奥義です」
 どう見ても魔法の類である。けどユメは武器の勝負だからとそこにこだわったようで、魔法であっても必殺の剣と言い切ってしまう。
「今、すべてを斬る!」
 後ろでユメの語りを聞きながら、傘を逆手に持った茉莉は、懐かしくも今まさに放送されているとあるアニメのあの技を衝撃波として再現する。
「な、なん……!?」
 茉莉が放った必殺剣の衝撃波が刀剣士を飲みこむ。続くのはユメが奥義と言った剣だ。
 2人が放ったそれらは、刀剣士を為す術も無く、吹き飛ばした。
 転がる刀剣士の少女。うつぶせのままであったが、良く見れば肩で息をしている。
 まだまだ、倒し切れなてないようだが、すぐには起きてくる様子もなく、茉莉は一度、小休止を入れるために身体の力を抜いた。
「ふぅ、ところで、あれって魔法ね?」
 休みながら、茉莉はユメをじーっと見ながら問いかける。さっきのあれはどう考えても魔法でしょうと。
「いえ? 実際に剣自体が増えてるとか、そんな事は決してありませんので」
 しれっと答える。ユメはあれはどうしても剣技であると言い張るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

古賀・茉莉
ごっこかぁ、たまにはいいかもね!
次に真剣にやり合う試金石?

ごっこといえども真剣勝負、痛い目にあうかもね?
ま、ボクは剣士何かとは違うから戸惑うんじゃないかな?

追跡者で互換を共有しスキを探しつつ戦う
ごっこだから殺戮刃物はさやに入れたまま

まぁ、えぐいとこ狙うからあたれば相当痛いと思うけど
お腹丸出しだから腹部の急所を狙ってみようかな
殺人術というよりはボクシングなのりで

レバーブローやストマックブローみたいな感じで
死なないけどげろ吐くくらいには苦しいと思うよ

しかしリーチの差はきついかも
懐にもぐり込めれば…

ジグザグに的を絞りこませずに!

守備力はボクは無いから食らったら逆に履くかも
ボクもお腹丸出しだからね



 ふらっとその子はやってきた。
 求めるのは持ちうる力の限りを尽くせる相手。
 だからなのだろう、戦えるからと古賀・茉莉(人間の殺人鬼・f33080)が興味を持ったのは。
「ごっこかぁ、たまにはいいかもね!」
 明るそうにしているけれど、今度は真剣でやり合うための試金石とでも思っているようだった。
 自分の身を危険にさらすことへの躊躇もないのか。
 そんな感覚のままに、茉莉は刀剣士に話しかける。
「ねー? ごっこでも真剣勝負だよねー? なら痛い目にあうかもよ?」
 受け取りかたによっては挑発とも取られそうな内容で。
「痛み? 元より上等! お前も同じであろう?」
 刀剣士は挑発とは取らず、むしろ同じ穴の狢として受け取ったようだが。
 木刀を突き出してながら、言い切った。
 そう指摘されてた茉莉は、心底楽しそうな笑顔を浮かべた。

 刀剣士は木刀を、そして茉莉は、肉も容易く斬り裂けそうに鋭利な刃物を。
 まあ、相手が木刀だからそれに合わせるためか、鞘から抜かないままだけど。
 お互いが、どんな武器を使うのかを見せあっていると、茉莉は影を呼び出す。
「ほう、そやつと共に来るか? 私は構わないが」
 影を見咎めるのかと思いきや、そうはせずに、一緒にかかってきてもいいといってくる刀剣士。
 でも、茉莉は共闘するために呼んだわけではない。
「違うよー。この子は見ててもらうだけ」
 構わないと言われたことを否定して、茉莉は何をさせようとしてたのか―見ているだけだと伝える。
「……そちらがそれでいいのなら」
 何もなく、見るだけに留まらせることに怪訝そうにされてしまうけれど、実の所はそうさせているだけでも仕込みは済んでいた。、

「ともかく、さあ、勝負を始めようか」
 影は気になるけれど、勝負の邪魔にもならないならと、刀剣士は戦う姿勢に入った。
「ところねー、ボクは剣士何かとは違うから―戸惑っちゃうんじゃないかな?」
 茉莉も同じように戦う意志を見せて、間合いを測りあいながら武器と武器をぶつけ合う。
 とはいえ、茉莉の武器は木刀よりも短く、リーチの差は如実で一進一退の攻防……とは言い難い。
 その差で抑えこまれないよう、的を絞らせないように身体を左右に揺らし、他にもこの戦いを観察させている影の客観の視界を共有して、主導権を握られないようにどうにか凌ぐ。

 強く攻めに出ている刀剣士の方だが、茉莉よりも余裕がありそうにみえて、その実、やり辛そうだった。
 今は武器同士が叩かれあっている状況だが、自分が隙を見せれば躊躇せずにその隙を衝くと茉莉から感じているようで、攻め込みにくそうにしていた。
 何度も、木刀と刃物が何度も交差しては弾かれ合う。
 このままでは埒が明かないと、両者は覚悟を決めた。
 互い、全身全霊を籠めた一発とでもいうように、ただ、それを当てることだけを考える。
 刀剣士が茉莉に迫り、逆に茉莉も刀剣士に向かう。
 茉莉が刃物を顔に目掛けて放つと、刀剣士はそれを木刀で切り伏せる。その時に刃すでに刃物からは手を離していて、簡単に弾き飛んだ。
 目くらましに成功した茉莉は身を屈めて懐に潜り込み、拳を握りしめる。
 ―たった1秒にも満たない間の中で数度の衝撃音。
 茉莉も刀剣士、密着するほどに近いが、どちらも動かない。いや、動けないのか。
 胃をせり上げられるかのような拳が刀剣士のお腹に突き刺さり、茉莉の方は木刀の柄部分がお腹にめり込んでいいたからだ。
 ややすると、2人してその場に崩れ落ちる。
「「げふっ! ごぽっ…!」」
 地に手を着きながら、逆流してきた中身をぶちまけてしまった。

 出すだけ出した、だがまだ苦しい。
 立ち上がるような気力もなく、上体を起すだけに留まってしまう。
 そうすれば、目の前には同じことになった相手の顔が触れてしまいそうなほどに間近に。
 小さく笑いあうと、ゴツリと頭をぶつけ合う。
 お腹に力が入れられないからか、力なく頭同士を合わせてしまったような形になってしまうのだけれど。
「ふ、ふふふ―」
「あ、ははは―」
 2人の眼は未だ勝負をしていた時の眼のままで、笑い声を漏らしてくる。
 まだ決着はついてないと、笑い声はそう言っているかのようだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

私が救済したオブリビオンの中には剣士も居るわ。
守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力と【戦闘知識】を高め
こちらも木刀を用意して応戦。
【オーラ防御】を纏わせる事で強度は金属以上に

さあ、いらっしゃい?

相手の攻撃を【第六感・見切り】でひらりふわりと避けつつ
【怪力】を乗せた【ダッシュ・切り込み】で
腕を痺れさせる【マヒ攻撃】

更に【誘惑・催眠術】のフェロモンで徐々に魅了し
痺れと魅了で脱力した彼女を
『八艘後光刃』【2回攻撃】の18回斬りで
【武器落とし】しつつ全裸に♥

ここからは大人のチャンバラよ♥

【化術】で肉棒を生やし
駅弁体位で【串刺し・慰め・生命力吸収】しつつ
汗ばんだ腋や平坦な胸を舐め回すわ♥



「なんと……面妖な……」
 刀剣士の少女が、目の前に立つドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)をそう評した。
 強者であることは理解できたようだが、その強さも自分とは毛色が違うと、最初はそう感じたようだが……。
 だが「私が救済したオブリビオンの中には剣士も居るわ」なんて言葉を、そのつもりもはなくても聞かせた途端、ドゥルールの立ち振る舞いが剣士のそれに変わったと肌で感じたようなのだ。
「さあ、いらっしゃい?」
 刀剣士からしてみれば中身ごと変わったとしか思えない、困惑をよそにドゥルールは木刀を構えて挑戦してくるようにと誘う。

 逆に挑まれた形にされたことで困惑をひとまず横に置くらしく、刀剣士はドゥルールとの間合いを測りだす。
 少し踏みこめば木刀の届く範囲。仕掛けるようで、踏みこみ小さな距離を詰めて木刀を叩きつけてくる。
 ドゥルールはその叩きつけを木刀で護るように見せて、いなして避けた。
 いなされた刀剣士は反撃に備えてすぐに距離を取る。だがドゥルールはやられたことのお返しとばかりに踏みこみ、木刀を振るう。
 距離を離させないままにドゥルールの攻撃が当たりそうになるが、刀剣士は身を護ろうと木刀を差し込んできて、受け止められてしまう。
「くぅ……ああっ!?」
 身体に届かせることが出来なかった。だが、受け止められたまま押し切ってやろうと構わず振り切る。
 無理矢理な剣によろけさせるようにたたらを踏ませる。だが足よりもなによりも、一番に影響が出たのは腕らしく、刀剣士は木刀を取り落としかけていた。
 そこを逃すことなく、ドゥルールは木刀を一瞬の内に数度と振るう。
「ふふ、可愛い姿になったわね?」
「何を言……って、あぁ!?」
 勝負とは関係ないことを言われたことで怪訝そうにするが、すぐに肌寒いと違和感に気づき、刀剣士の少女は自分の身体を見る。
 そこには斬り裂かれた衣服の切れ端と自分の裸が見えた。
 何をされたの知ったことで、少女は驚きと、それ以上に恥ずかしいと思ったのだろう、持っていた木刀すらも手放して腕で身体を隠した。
 ドゥルールは本来、何かを斬れるはずもない木刀で衣服だけを斬り裂いてしまうのだった。
「ここからは大人のちゃんばらよ♡」
「お、大人って……?」
 羞恥に染まり切った、その中に期待も混じらせた少女にドゥルールが妖しい雰囲気を纏いながら近寄っていく……。
 抱きかかえると、準備した刀を少女に、僅かな抵抗も虚しく突きたてる。
「ほら、入ってるのが分かるでしょ?」
「いっ、ひ…あぁ……」
 突きたてた刀を激しく動かして、中を抉って行くと、少女の口からは悲鳴が出た。ただ艶のあると付くが。
「愛しい子ね♡」
 上げられた悲鳴も、動かれることと痛みから流される汗も、ドゥルールには全てが愛おしい。
 ぎゅうっと抱きしめて、少女の恥ずかしい所も全てを味わいたいと舌を這わせてしまう。
「――ッ!!」 
 そこまでされて、少女はとうとう意識を飛ばしてしまった。
 同時に、感じられていた骸魂の気配もなくなっていく。どうやら憑りついていた骸魂を祓うことができたようだ。

 ようやく、目的を果たすことができた。けど、戦った影響は少なからず残ったようで。
「おねーさまー」
 憑りつく前の元が狼の化生だったのか、狼耳と尻尾を生やした女の子がドゥルールにべったりとくっ付いていた。
 まあ、こうなってしまった原因は魅了した上で、初めての体験までさせてしまったからだろうけど。
 もう躯魂の影響が抜けた以上はこの狼少女はオブリビオンではないのだが……今の状況はドゥルール的にはどうなのだろう?
 それは本人にしか判らないのだろうが。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月05日


タグの編集

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 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#カクリヨファンタズム
🔒
#大祓百鬼夜行


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天帝峰・クーラカンリです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト