大祓百鬼夜行⑫〜桜舞い散る団地にて花咲く闘法~
●カクリヨファンタズム・桜木妖怪団地
骸魂の元凶であり、UDCアースの大いなる邪神が一柱「大祓骸魂(おおはらえむくろだま)」復活。それによってカクリヨファンタズムだけではなく、UDCアースすらも崩壊の危機を迎えようとしていた。
だがカクリヨファンタズムに住む妖怪達も座して滅びを待つわけではない。忘れられたが故に、誰も、大祓骸魂の姿を見ることができないが故に、一計を案じ、決死の覚悟で猟兵達に一抹の希望を託す。
「わたし達がやるしかないね……」
「そうわたし達、この妖怪団地を守る『女桜武装組合』ね」
そしてこの桜木妖怪団地に住む古桜に宿る妖怪達もまた覚悟を決めていた。敢えて雷獣の骸魂に飲み込まれることによって、大祓骸魂の軍門に下る。そうすることで、大祓骸魂打倒の一助になろうとしていた。
すべては今までカタストロフを防いでくれた猟兵達の力を信じているからである。彼女達に恐怖がないわけではないが、それだけは信じていた。
「怖いけど、これがこの世界に必要なら……」
そして古桜に宿る妖怪達は雷獣に飲まれる。これから死闘が始まり、滅びるとしても彼女達は決して怨みはしないだろう。
●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「その覚悟に応えてやらねばならんじゃろーのー」
そう電脳ウインドウに戦場となる「桜木妖怪団地」を映し出しながら、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は猟兵達の顔を見る。皆も同じような気持ちであることにほっと一息つく。
骸魂の元凶、大祓骸魂は厄介な存在である。全ての知的生命体に忘れられた究極妖怪が故に、誰も知覚することができない。故にUDCアースの破壊は猟兵達ですら止めることはできない。
「だから大祓骸魂を覚えておる妖怪達の力を借りるわけじゃのー」
今回の古桜に宿る妖怪達のように、大祓骸魂の事を覚えている妖怪達が敢えて、その軍門に下る。そうすることで骸魂妖怪の軍団……百鬼夜行を認識する事で、大祓骸魂をも認識できるようになる。
そうやってはじめてその力を削ぐことができ、打倒することも可能となる。つまり今回の桜木妖怪団地での戦いはその一歩となる戦いなのだ。
「じゃけど、団地武装団『女桜武装組合』はこの団地を知り尽くしておるからのー。注意は必要じゃのー」
桜が舞い散る中で、何百の桜木が立ち並ぶ迷路のような団地。その中で優位に戦いを進め、骸魂を倒さなければならない。妖怪達の覚悟を無駄にするわけにはいかないのだ。
「骸魂を倒せば古桜に宿る妖怪達も救出できるけー、頼んだのー」
そう言ってメイスンは転移術式を発動する。究極の妖怪、邪神の一柱、骸魂の元凶。それを倒してカクリヨファンタズムを救う為の戦いが今、始まる。
ライラ.hack
大祓百鬼夜行(おおはらえひゃっきやこう)、開幕!
どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。
このたびは大祓骸魂を弱める為、敢えて骸魂を宿した古桜の妖怪達を倒すのが目的です。
『女桜武装組合』はこの桜が舞い散る桜木妖怪団地に住み、団地の地形を利用した「団地闘法」を操る妖怪集団「団地妖怪団」の一つです。
彼女達は骸魂と合体しながらも辛うじて意志を保ち、団地の中で、自分達を倒してくれる猟兵を待ちわびています。全力で戦う事が、大祓骸魂を弱めると共に、猟兵達にその居場所を教える助けになります。
補足としてカクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出できます。
以下、特殊ルールとなります。
プレイングボーナス……迷宮のように改造された団地を利用して戦う。
以上となります。桜舞い散る団地を利用して戦う武装団ですが、彼女達の献身に応えましょう。
それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『雷獣古桜』
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POW : 桜の枝の先には、桜の樹の下には
【首吊り紐や短刀】で武装した【呪われた自決者】の幽霊をレベル×5体乗せた【妖怪桜】を召喚する。
SPD : 紫電一閃
自身の【雷光】が輝く間、【雷獣が変化した片刃剣】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 桜の癒やし・狂い花
【心地よい電流を帯びた桜の花吹雪】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
イラスト:ekm
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アイン・セラフィナイト
綺麗な団地だなぁ。でもここで戦わなくちゃいけないんだよね?
妖怪たちのためにも……本気で行かせてもらうよ!
UC発動、シルフ!風を操って僕の周囲に桜吹雪の怒涛を纏わせて!
視界錯誤に陥った敵に風の刃を打ちはなってみるよ!(属性攻撃・全力魔法・オーラ防御)
もちろん、敵の花吹雪もシルフの風の壁で弾いてみる。
こういう場所は、死闘じゃなくてお花見に限るね!
お酒は……ボクは飲めないから、ジュースか何かで……。
妖怪たちがもとに戻ったら、みんなと一緒に宴会なんていいんじゃないかな?
(アドリブ等歓迎です)
メンカル・プルモーサ
……さぁて……全力で相手すれば良い、という事か……
…団地闘法がどんなものか判らないけど地形を利用するとなると中々に強敵だね…
…雷獣と合体しているのであればその雷撃が驚異か…交戦したら術式組紐【アリアドネ】の導電性を高めて団地の金属部に巻き付け。雷撃を逸らしながら戦って相手の骸魂の位置を分析…
…相手が団地を利用するならこっちは団地を壊す…天井や壁を派手に破壊して一時身を隠して心理隠密術式【シュレディンガー】を起動……
…発見されないうちに骸魂のみを【慈悲深き死神の手】で破壊して救出するよ…
…殺すのは寝覚めが悪い…それに大祓骸魂についても教えて欲しいしね…
桜舞い散る美しき団地。そこは古き桜の妖怪達が住む団地としてひっそりと知られる桜木妖怪団地である。
だが今はその妖怪達は雷獣の骸魂に飲み込まれ、踏み入れる者を排除しようと動く。それは団地闘法を活かして防衛する武装団「女桜武装組合」の戦い方をもってだ。
桜の花びらが舞い散る景色は視覚を惑わし、多くの桜木が回り込む余地や盾や死角を作ることができる。その団地を最大限に生かして、雷獣古桜は襲い掛かってくるのだから。
「綺麗な団地だなぁ。でもここで戦わなくちゃいけないんだよね?」
その団地に足を踏み入れてアイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)が口にした感想がこの美しき風景であった。団地妖怪団なる者達が守ろうとするのも無理はない話だ。
とは言っても今は『女桜武装組合』も雷獣の骸魂に飲み込まれて容赦なく襲撃してくる。すでにそこら中から殺気を張り巡らし、アインを狙っている。
「妖怪たちのためにも……本気で行かせてもらうよ!」
とは言ってもアインも古桜の妖怪達の覚悟に応えなくてはいけないと思っている。機先を制するべく能力「悪意を排せ、転変の祖よ(シルフ・リジェクト)」を発動させる。
白翼の杖から発するのは悪意を拒絶する狂飆結界。呪詛や精神攻撃さえも受け流す大風精の聖風が吹き荒れ、飛来する桜花びらを寄せ付けない。
「逆巻く波濤、拒絶の大界、翠嵐の谷に斜光が満ちる―――!」
実はその桜花びらは狂い花、心地よい電流を帯びた桜の花吹雪であった。雷獣古桜が放ったもので、触れれば眠りを誘うものであったのを、アインが感じ取ったかはわからない。
だがそれに触れる前に風を操って、桜吹雪の怒涛を纏わせる姿に雷獣古桜も混乱する。さらに視界錯誤に陥った敵に、アインの風魔法の刃が斬り裂く。
「こういう場所は、死闘じゃなくてお花見に限るね! お酒は……ボクは飲めないから、ジュースか何かで……」
雷獣古桜達が崩れ落ちていくのを見て、そんなことを口に出すアイン。そう思ったのは、雷獣だけを倒し雷が抜けていく古桜を見たからであろう。
こんな場所に住む桜ならばきっと楽しい花見になる。雷獣古桜達が眠らせようと電流を帯びた桜の花吹雪を放つが、シルフの風の壁で弾くアイン。
「妖怪たちがもとに戻ったら、みんなと一緒に宴会なんていいんじゃないかな?」
桜が吹き荒れる中、倒れ込む古き桜の妖怪達を保護しつつ、アインはその光景に思いを寄せる。そうなればいいと、シルフの風は今だその加護を発揮し続けていた。
「……さぁて……全力で相手すれば良い、という事か……」
一方、アインの場所から少し離れた所でメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)が雷獣古桜達に襲撃されている。こちらは電流を帯びた桜の花吹雪ではなく、片刃剣による襲撃だ。
団地闘法というだけあって、その戦い方は巧みだ。桜吹雪の中に紛れながら襲撃したり、樹々の間からすり抜けるように斬撃が襲来する。その初めての戦い方にメンカルも苦慮する。
「…団地闘法か……この地形を利用するとなると中々に強敵だね…」
メンカルは襲撃された実体験と分析から、そんな感想に至る。確かに地形を利用され、ホームを知り尽くしている相手に対しては、アドバンテージはあちらにあると言わざるを得ない。
だがすでに分析は完了している。その雷光が輝く間に、攻撃回数が増えることをメンカルは的確に見抜いていた。
「…雷獣と合体しているのであればその雷撃が驚異か…」
そして打った手は使用者の意の侭に伸び動き、魔力を込めると頑丈になる術式組紐【アリアドネ】の導電性を高めて団地の金属部に巻き付けることだった。これによって雷撃を逸らしながら戦って相手の骸魂の位置をより鮮明にしていく。
メンカルは思考する。団地闘法攻略の鍵はこちらが団地を如何に利用することではなく、団地を活用させないことだと。
「…相手が団地を利用するならこっちは団地を壊す…」
そう言って自身の破壊術式を展開して、桜並木や団地の壁を破壊して地形を崩していく。あまりに突発的な攻撃に雷獣古桜達も困惑する。
その戸惑いこそがメンカルの付け入る隙だ。即座に破壊した残骸に身を隠し、心理隠密術式【シュレディンガー】を起動して存在を認識され辛くする。
「空なる孔よ、開け、閉じよ。汝は切削、汝は虚現。魔女が望むは世界切り取る虚空の手」
そして雷獣古桜がメンカルを見失っている間に、能力「慈悲深き死神の手(クー・デ・グラース)」を発動させる。自身に気づいていない相手に対して発動する指定地点のみを削り取る空間術式は容赦なく襲い掛かる。
だが命を奪うというわけではない。雷獣の骸魂のみを狙って、つまりは雷獣が変化した片刃剣のみを抉り取って、古き桜の妖怪達を救出していく。
「…殺すのは寝覚めが悪い…それに大祓骸魂についても教えて欲しいしね…」
骸魂を倒せば妖怪達を助け出せるのは周知の通り。だがメンカルはなるべく身体を傷つけないようにピンポイントで骸魂達を滅ぼしていく。
そのメンカルの優しさはアインの口すさんだ宴会をしてみたいという気持ちを尊重したのかもしれない。カタストロフの危機が横行するカクリヨファンタズムならではの花見になるかも、と想像して苦笑するメンカル。
雷獣の骸魂達は着実に滅ぼされていく。古き桜の妖怪達が身体を張った作戦は功を奏しようとしていた。
その功績は誇るべきものであろう。そしてそれに応えたアインとメンカルの先制攻撃によって百鬼夜行攻略の幕が上がった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
八重咲・科戸
ここは奴らにとっても大切な場所だろうしなぁ
可能な限り地形には傷を付けない事を念頭に置いて動こう
狙うのは奴らのみだ!
UCを発動し三人に分身!
【回風合羽】で姿を消し、【風巻下駄】で「空中浮遊」
桜の木を足場に「悪路走破」で飛び回りながら「空中戦」だ
さらに「属性攻撃」のを戦場全体に吹かして相手の「体勢を崩す」
相手が見えない上に機動力を削がれるとあってはたとえ地の利があろうとそう簡単には捉えられんだろう!
そのすきに【烈風鎖】と風に乗って全方位から飛来する無数の【颯太刀】で動きを止め、一気に詰め寄って鎌の一閃でとどめだ!
滅ぼさせなどせぬとも
そんな理不尽な結末はまっぴらだ!
スコグル・ノルン
その戦略、乗りましょう
これは妖怪たちと私達との共同戦線、おーはらむくろだまとやらとの闘いです
紛れもなく意志による戦
ならば、その意志に報いましょう
●対策
迷宮化しているのであれば、むやみに動くのは得策では無いと考えます
ドアもたくさんありますしね
…団地は踊り場を除き狭いので、その狭さを利用します
●戦闘
では、狭さを利用しましょう
『戦乙女の祝福』をひとりの雷獣古桜へ――
そして片っ端からデタラメに操ります
狭い廊下でそうするとどうなるか、お解りですね
廊下の背後はそれで蓋しましょうか
倒れたら新たに一体補充して背後へまた飛ばしましょう
正面は槍で突きます
狭い廊下なら片刃剣が届きにくい距離から槍で突くのは有効なはず
「桜よ、桜。雷鳴る方へ」
「桜木団地は良い場所。危険な場所」
そんな奇妙な歌声が桜木妖怪団地に響き渡る。それを口すさんでいるのは、この地を守る骸魂・雷獣に飲み込まれた古き桜の妖怪達だ。
大祓百鬼夜行を止める為に敢えて骸魂に取り込まれる作戦は成功しており、その企みを潰す為の戦いだ。彼女達の献身に報いる為にも骸魂を叩き、救出もしなければならない。
「ここは奴らにとっても大切な場所だろうしなぁ。可能な限り地形には傷を付けない事を念頭に置いて動こう」
桜舞い散る美しい風景を見ながら、八重咲・科戸(一人一組の鎌鼬・f28254)はそう強く決意をする。自身もカクリヨにおいてさえ滅びゆく一族の一人として、古き桜の妖怪達には共感すると所もある。
同時に自分の一族は一人しかいない寂しさも感じつつ、今はシンパシーを感じている場合ではない。すでに桜の木や花びらに隠れながらも、雷光を発して科戸を狙っているのだから。
「狙うのは奴らのみだ!」
そう力強く宣言し、能力「漆式・連舞鎌風陣(シチシキ・ツレマイレンプウジン)」を発動する。印を結んだ瞬間に、科戸が三人に分身し、雷獣が変化した片刃剣の連続攻撃が振るわれる前に散開する。
疾風(かぜ)と共にあるというのはよく言ったもので、透けて見える程きめ細かい合羽「回風合羽」で姿を消し、風に乗り飛び上がる事が出来る下駄「風巻下駄」で各々が空を舞う。桜の木を足場に俊敏に駆け抜ける姿はまさしく忍者を彷彿させる。
「ふっ、呆れるほどに有効な戦術だな」
地形を生かすといえ、単純な太刀筋は科戸にとっては読みやすい。攻撃が来る前に戦場全体に風刃をまき散らして相手の体勢を崩していく。
相手が見えない上に機動力を削がれるとあっては、たとえ地の利があろうとそう簡単には捉えられない。まさしく科戸の戦術が有効的に機能している証拠でもあった。
「滅ぼさせなどせぬとも。そんな理不尽な結末はまっぴらだ!」
科戸の魂の叫びは攻撃にも乗る。態勢を崩した雷獣古桜達を狙って麻痺の呪いを纏う烈風鎖で反撃ができぬように縛り上げる。
風に乗って全方位から飛来する無数の颯太刀を当てて、転倒の呪いで相手をひっくり返す。その隙に治癒阻害の呪いを纏う塵旋鎌の一閃で、雷獣が纏った刀を壊していく。
「スコグルどの!」
「その戦略、乗りましょう」
そして科戸は戦略で誘引も担当していた。機動力を発揮して、狭い桜並木で佇むスコグル・ノルン(気ままな戦乙女の悪魔・f32014)がいる場所まで誘い込んでいたのだ。
スコグルはその瞳で雷光を纏う雷獣古桜を見据える。その覚悟、その戦いっぷりはこの桜木妖怪団地を守る者達に相応しい戦いっぷりであった。
「これは妖怪たちと私達との共同戦線、おーはらむくろだまとやらとの闘いです。紛れもなく意志による戦。ならば、その意志に報いましょう」
科戸の機動戦術とは対照的にスコグルは待ちの戦術であった。迷宮化しているのであれば、むやみに動くのは得策では無いと感じたからだ。
この桜の樹々と花びらであれば容易に迷い込む。さらに団地での狭さを利用し、そこで待ち構えることを選択したのだった。
「では、狭さを利用しましょう」
そう言って能力「戦乙女の祝福(イクサオトメノシュクフク)」を発動させ、ひとりの雷獣古桜へ飛行可能な翼を生やす。その翼はまさしく祝福と言っても過言ではなく、雷獣古桜の戦闘能力を増加するものだった。
だがスコグルの狙いは強化ではない。その翼、生やした背中はスコグルが自在に操作することが可能なのだ。
「狭い場所でそうするとどうなるか、お解りですね」
そこから片っ端からデタラメに操って吶喊していき、雷獣古桜の片手刃を同士討ちさせる。その個体を背後に回らせることで蓋をするような挟撃の形を取る。
正面は勿論待ち構えたスコグルが対応する。戦乙女の槍を構えて、押し寄せられてくる雷獣古桜達を突いて、雷獣の刃を片っ端から破壊していく。
「そのリーチ差ではこちらが圧倒的優位です」
後ろから暴れる翼の生えた雷獣古桜によって体勢を崩された状態でスコグルの方に向かってくる。加えてスコグルは冷静な槍捌きで対応。
狭い一本道であれば、片手刃が届きにくい距離からの槍の刺突は避けられるまでもない。正面から次々雷獣だけを狙い、穿っていく戦法は有効であった。
「まだまだ大丈夫です。どんどんいきましょう」
「任せておくのだ!」
スコグルが誘い出した雷獣古桜を殲滅することに、科戸におかわりを要求する。彼女もまたそれに応える為に戦場を疾駆する。
動く者と動かざる者。その二人の連携によって「女桜武装組合」の雷獣古桜は大きく数を減らすことになる。その一帯を制圧するのは時間の問題であるほど、有効的であったという。
大成功
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死之宮・謡
アドリブ歓迎
己の身を犠牲にしても勝利を願うか…惜しむらくは自力で状況を打破し得るだけの力を持たんことだが…その覚悟、見事なり…
まぁ貴様等の望み云々は関係無しに、私は私の前に立ちはだかる総てを破壊して進むまで…
迷宮を探索しながら炸裂する・呪詛の球体をばら撒きながら進み、同時に壁や床に呪いを浸透させて罠も作っていく
会敵したら相手の攻撃を呪いで呑み込み、壁を削りながら逃げ場を無くしてイレンアトラでバラバラに
そのまま最後は【黒滅】でフィニッシュ
佐伯・晶
妖怪達の覚悟を無駄にしないためにも
全力で戦うよ
接近戦は分が悪そうだから
ガトリングガンで牽制しつつ
迷宮と化した団地に逃げ込もう
攻撃されたら攻撃の時間を停めて防御
これは僕なりのオーラ防御だよ
視界が遮られる分は
使い魔を先行させたり
後に隠れて残らせたりして補うよ
相手が僕を追って団地に入ったら
邪神の涙で建物ごと冷却しよう
壁越しでも範囲内まとめて冷やしまえるからね
扉や壁に触れたらくっついてそれまでだよ
まあ僕も凍るけど氷結耐性があるからね
凍ったままでも普通に動けるよ
邪神の体だから割とその辺いい加減なんだ
十分に冷やしたら移動しつつ
凍ってない相手を使い魔の凍結攻撃で無力化しよう
できるだけ傷つけずに倒したいからね
水鏡・多摘
向こうは迷宮の如きこの地を知り尽くし、こちらはそうではない。
それでも勝たねば救えない、ならば持てる力でやりきるしかなかろう。
移動は空中浮遊と機動を活かし桜木の間をすり抜けるように低空飛行。
周囲の地形を確認しつつ、敵に発見されたら不慣れな演技をして道中見つけた行き止まりへと逃走を図る。
途中符に式神を降霊し足止めを試み本気で追い込まれている風に見せかける。
ある程度ひきつけたら振り向きざまにUC起動、破魔の属性を付与したブレスを吹き付け幽霊達ごと黒き荊で拘束する。
恐らく各個撃破で叩くよりも纏めて叩くのが速いじゃろう。
骸魂が飛び出し元に戻ったら荊を解除、妖怪達の手当と救助を行う。
※アドリブ絡み等お任せ
「女桜武装組合」の団地武装団は大きく数を減らし、猟兵達による制圧が続く。このまま行けば骸魂である雷獣達を駆逐することは、そう難しいことではないだろう。
だが油断はできないのも事実である。彼女達はこの桜舞い散る中での戦場効果を十二分に発揮できる団地闘法を発揮できる戦闘集団。
さらに桜の樹々が連ねるこの団地を熟している利点もある。数を減らしたといっても十分に猟兵達を押し返す地力を保有している。だからこそ猟兵達に手抜かりという言葉は存在しない。
「己の身を犠牲にしても勝利を願うか…惜しむらくは自力で状況を打破し得るだけの力を持たんことだが…その覚悟、見事なり…」
桜花びらが舞う華やかさとは対極にあるような漆黒の女性。死之宮・謡(存在悪:狂魔王・f13193)は古き桜の妖怪達に賛辞の言葉を贈る。
力無き者であろうとも、巨悪に立ち向かう覚悟。そこに謡は感銘するものを感じ取っていた。だからこそ、この敵は駆逐せねばならない。
「まぁ貴様等の望み云々は関係無しに、私は私の前に立ちはだかる総てを破壊して進むまで…」
そう、それこそが存在悪であり、狂った魔王とも呼ばれる謡の本領。立ち向かってくるならば排除するのが、彼女の本性でもある。
そんな不吉を運ぶ佇まいに危機感を感じたのか、雷獣古桜達は心地よい電流を帯びた桜の花吹雪を舞わせる。接近することすら許さない圧倒的な桜吹雪、眠りを誘う力が謡の前に立ち塞がる。
「雷獣共、永遠にお別れだ」
能力「千年呪法:黒滅(クライシス)」、発動。空間が引き裂かれ、虚空から不条理な迄の呪詛を籠めた紫焔と黒雷が降り注ぐ。
紫の焔が桜吹雪を燃やし尽くし、黒い雷が雷獣古桜達を射抜く。例え桜の木に隠れていようとも生命反応を追尾するのか、謡の呪詛から逃れることはできない。
「さて、念の為にこれも作っておくか」
そして謡は油断をしない。触れれば炸裂する呪詛の球体をばら撒きながら進み、同時に壁や床に呪いを浸透させて罠も作っていく。こうすることで団地を逆に自分の陣地として浸透させていく。
離れれば黒滅による紫焔と黒雷が襲い掛かり、何もしなければ呪詛の球体と団地が呪詛に侵食される。躊躇する雷獣古桜に謡が一気に距離を詰める。
「己の領域で迷うとは…駄目だな」
そして振るわれるは冒涜と狂気に彩られたグレイブ「哀想旋刃イレンアトラ」によって雷獣の剣をバラバラに粉砕する。漆黒の殺意が桜団地を飲み込み、骸魂を屠っていく。
桜木妖怪団地の一角が謡の呪詛に飲まれる中で、他方面からアプローチをかける猟兵がいた。強い光を瞳に宿すのは佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)だ。
「妖怪達の覚悟を無駄にしないためにも、全力で戦うよ」
自らの身体を捧げて骸魂を呼び寄せた古き桜の妖怪達に応える為にも、強大なる大祓骸魂に挑む為にもここは負けることはできない。晶は最初の一歩で敗北する気などない。
それは雷獣古桜達も同じであった。自身の身体から雷光を発し、雷獣が変化した片刃剣がその身を斬り裂かんと、桜並木を潜り抜けながら接近してくる。
「接近戦は分が悪そうだね」
そもそも晶は接近戦で立ち回るタイプではない。故に距離がある間にガトリングガンを構えて牽制射撃を敢行する。
桜並木の迷宮と化した団地に侵入しつつ、雷獣古桜にガトリング弾を撃ち込む。地形を生かして射撃を掻い潜ってくる敵に対しては、一瞬攻撃の時間を停めて銃身で防御する。
「これは僕なりのオーラ防御だよ」
そう言って再びガトリング射撃で雷獣古桜を吹き飛ばす晶。この桜並木での視界が遮られる分は、邪神の力で創造した妖精型の使い魔を先行させたり後に隠れて残らせたりして補う。
そして桜並木が入り組んだ団地の奥深くまで入り込んだ所で晶は時が満ちたと判断する。能力「邪神の涙(ゼロ・ケルビン)」が発動し、自らも徐々に凍りつつ範囲内に極低温の物質をまき散らす。
「人間にはできない無茶だよなぁ」
そう言いながら、氷漬けになっていく桜の木を見ながら晶は呟く。桜並木や団地の壁や扉も纏めて凍らせていく為に、扉や壁に触れたらくっついてしまう。
そのようになってしまえばもはや終わりだ。十分に冷やされていき、捉えられた雷獣古桜達は氷像となって動けなくなっていく。
「まあ僕も凍るけど……邪神の体だから割とその辺いい加減なんだ」
晶はその氷結地獄の中でも平然と動けることができる。邪神の身体による氷結耐性を保有している故であろう。
そしてまだ動くことができる雷獣古桜達には対し、使い魔の凍結攻撃で無力化する為に指示を出していく。その瞳は優しさを宿している。
「できるだけ傷つけずに倒したいからね」
氷漬けになった雷獣古桜の片手刃のみを的確に破壊していく晶。こうして骸魂達は極寒の中で痛みなく滅ぼされていく。
そして最後の団地の一角では険しい表情で水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)が見据える。かつてUDCアースで邪神達を滅ぼした竜神達の一柱であるが、油断や侮りなどない。
「向こうは迷宮の如きこの地を知り尽くし、こちらはそうではない」
黒き呪詛や、何者をも飲み込む氷結を感じ取ることができる。だがそれでも雷獣古桜達にとっては、自らのフィールドである桜木妖怪団地である。
多摘は力をもっていても、それを発揮させることができない戦法を取るかもしれない。それでもこの地に踏み入れずに戦うという選択は取れない。
「それでも勝たねば救えない、ならば持てる力でやりきるしかなかろう」
そうでなければわざわざ骸魂に飲み込まれて百鬼夜行の一部となった古き桜の妖怪達に申し訳が立たないであろう。竜神である以上、力を行使して救う義務があると多摘は思っている。
その竜神の身体を活かし、桜木の間をすり抜けるように低空飛行していく。その動きは雲の合間を抜ける中華のドラゴンの如しであった。
「ぬっ、見つかったか」
その中で雷獣古桜達と会敵する多摘。強大な竜神であると察した骸魂達は首吊り紐や短刀で武装した呪われた自決者の幽霊軍団を乗せた妖怪桜を召喚する。
それを見て多摘は多勢に無勢といった感じで慌てて逃走を図る。だがさすがに不慣れな桜並木の迷宮である故にうまく逃げることができない。
「この先は……逃げ場なしか」
途中、龍の力が込められている符に式神を降霊し足止めを試みる多摘。行き止まりに追い込まれるように見えるが、実はそうではない。
それを証明するように振り向きざまに能力「悪霊龍の息吹(ドラゴンブレス)」を発動する。引き寄せられた雷獣古桜や妖怪桜の軍団も纏めて巻き込み、破魔の属性を付与したブレスを吹き付け幽霊達ごと黒き荊で拘束する。
「恐らく各個撃破で叩くよりも纏めて叩くのが速いじゃろう」
その通りであり、多摘のブレスの中に含まれる対象に浸透する霊力と呪詛が黒き荊に宿る。巻きつけられた自決者の幽霊達はそれだけで消滅していき、妖怪桜ももはや動くことはできない。
そして骸魂である雷獣達はたまらず古き桜の妖怪達から脱出するが、それを逃すほど多摘はお人よしではない。すぐさま破壊し、妖怪達を再び飲み込まれることがないようにする。
「大丈夫かのう?」
そう言って優しく妖怪達の手当と救助を行う多摘。それが終わる頃には、女桜武装組合の構成員はすべて骸魂から解放されており、桜木妖怪団地は百鬼夜行から離脱を果たしたのだった。
それを通信で確認した謡は呪詛を解き、晶も氷結を解除する。そして敵意のない桜吹雪が団地を吹き抜ける。
美しくも儚い桜の花びらの乱舞が戻って来た。その光景はまるで猟兵達の勝利を祝福しているようだった。
しかしまだ大祓百鬼夜行は始まったばかり。これから勝利を積み重ね、カクリヨファンタズムの妖怪達を、世界を救う為に猟兵達はこの美麗な光景を目に焼き付け、次の戦場に向かうのだった。
大成功
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