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【猟書家】逆襲のデストロイ・プライム

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #デストロイ・プライム #アームドヒーロー

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●滅びの星
 ぞっとするような冷たい宇宙の片隅で、ソレは脈動していた。始まりは小さな金属の塊に過ぎなかったソレは、宇宙に漂う機械の残骸を取り込んで少しずつ大きくなり、ついには数十メートルほどの大きさにまで成長した。

 ――報復の時は来た。あと二十四時間で我が肉体はオマエ達の基地を跡形もなく焼き尽くすことができる規模に到達する。否、それだけでは済まさん。ヒーローも、人々も、世界も、全て破壊し尽くしてやる。

 ワタシから博士(ちち)を奪ったオマエ達を、ワタシは決して許さない。
 オマエ達も、オマエ達の守りたいものも、全て破壊し尽くしてやる!!
 ワタシから博士を奪った憎きヒーローたちよ。今度こそ、ワタシはオマエ達への逆襲を果たす!

 破壊の意志を具現せし塊(プライム)は、燃え上がる炎を宿した瞳で青き惑星を見つめていた。

●グリモアベース
「猟書家『デストロイ・プライム』の暗躍を予知した。場所はヒーローズアースの宇宙空間、ラグランジュポイント。戦争で忙しい時期なのは承知しているが、放置するわけにはいかん。手の空いている者はただちに撃破に向かってくれ」
 パンダ型ロボのグリモア猟兵、ルンバは猟兵たちにそう呼びかけた。

 ラグランジュポイントとは、ヒーローズアースの大気圏外に広がる異星人文明の領域のことだ。かつて『侵略者の時代』と呼ばれた頃、ヒーロー達は侵略異星人達と戦い、これを退けた。その時解放された侵略異星人の奴隷たちは、今も戦いで使用された宇宙船の残骸を住処に、地上とは異なる文明を築いているという。

「デストロイ・プライムは宇宙空間のどこかに身を潜め、今もソラに散らばる超兵器の残骸を吸収し続けている。放っておけば、あと二十四時間で宇宙空間から地上を砲撃できるほど巨大な超兵器となってしまう。そうなる前にヤツを破壊してほしい。
 奴の居場所は、現地のヒーロー部隊である『スペースナイツ』が知っているはずだ」

 スペースナイツとは、ラグランジュポイントの超文明がヴィランに悪用されないように見張る使命を帯びたアームドヒーローの軍事組織だ。彼らは『スペースマンタ』と呼ばれる宇宙戦闘機を駆る凄腕のパイロットたちであり、ラグランジュポイントの地形を熟知しているという。

「ラグランジュポイントの地形は俺にもよく分からんので、現地のヒーローに聞いて猟書家の位置を特定してくれ。彼らの宇宙戦闘機スペースマンタに乗せてもらえば、宇宙空間での移動も速やかに行えるはずだ。
 ただし、デストロイ・プライムの手下の騎士型巨大ロボットがたくさん潜んでいるようなので、助手席でコーヒーを飲みながらのんびり、というわけには行かない。猟書家の元に辿りつくには、外に出て迎撃するか、砲撃手または運転手を替わるなどの協力が必要だぞ」

 デストロイ・プライムの近くにはキャバリアほどのサイズとなったロボットオブリビオンの部隊が展開している。速やかにデストロイ・プライムを破壊する為には、ヒーロー達と協力する必要があるだろう。

「説明は以上だ。では、準備ができた者からヒーローの宇宙基地に送る。地球の平和を守ってくれ。頼んだぞ」


大熊猫
 こんにちは。おおくまねこです。今回は宇宙空間で戦闘機やロボットが入り乱れる機動戦士なバトルものシナリオです。
 舞台は宇宙空間ですが、猟兵は生身でも平気らしいのでその点は特に工夫がなくても大丈夫です。気になる場合はヒーローから宇宙服を借りて下さい。

●一章
 デストロイ・プライムの手下である『デュランダル騎士』たちとの集団戦です。彼らはデストロイ・プライムから彼らの甲冑を模した巨大ロボット(キャバリアサイズ)を与えられており、通常よりもパワーアップしています。また、彼らは負けそうになると撤退してデストロイ・プライムと融合しようとする為、逃がさずにトドメを刺す必要があります。ちなみにコックピットは胸部です。

●二章
 猟書家幹部『デストロイ・プライム』とのボス戦です。サイズは四十メートルほどですが、一章の展開次第ではさらに大きくなります。

●プレイングボーナス(全章共通)
 ヒーローと共闘する。
 猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る。

●スペースナイツ
 ラグランジュポイントを警備するアームドヒーローチームの一つです。戦闘員であるパイロットたちの他、すごいメカニックやオペレーター、サポートロボットなどの人材がいます。プレイングでおおまかに登場ヒーローを指定することができます。
 例:サングラスで顔を隠している元ヴィランの伊達男、戦闘機と直接合体して性能を引き出せる冷蔵庫型ロボット、女軍人口調で話す美少女オペレーターなど。

●スペースマンタ
 エイのような平べったい形状の宇宙用戦闘機です。基本装備はミサイルとビーム砲ですが、プレイングの内容次第ではさらなる超兵器が生えたり、エースパイロット専用にチューニングされた専用機が出現したりします。彼らとの共闘は上に乗せてもらうか、運転手か砲撃手を交代するのが基本となります。また、それなりに大きいので、キャバリアごと上に乗れます。
 ※戦闘機に相乗りするのが基本となりますが、自前の乗り物がある場合はパイロットだけガンナーとして借りるとか、戦闘機用の兵器だけ借りる、という形の協力も可能です。

●文字数省略用記号
 アドリブ歓迎→☆、連携歓迎→★、何でも歓迎→◎(☆★と同じ)、ソロ描写希望→▲。

●合わせプレイングについて
 グループ参加の場合は、迷子防止の為プレイング冒頭にグループ名をご記載下さい。
 以上です。皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『デュランダル騎士』

POW   :    デストロイブレイド
単純で重い【量産型魔剣デュランダル】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ケイオスランサー
【魔槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【仲間のデュランダル騎士との怒濤の連携攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    不滅の刃
【量産型魔剣から放たれる光】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●宇宙基地スペースラグーンにて
「デストロイ・プライムと思しき金属塊を発見しました!」
 宇宙ステーションに美少女オペレーターの声が響いた。猟兵たちがスペースナイツたちの基地に転移してきて早二日。ついにレーダーが猟書家幹部デストロイ・プライムの居場所を発見したのだ。
「デストロイ・プライムの周囲にも多数の高エネルギー反応あり! 映像、映します!」
 基地のメインモニターには、黒い西洋騎士のような巨大なロボットが映し出されていた。地上では『デュランダル騎士』と呼ばれているオブリビオンたちをそのまま全長五メートルほどまで大きくしたような姿だ。
「これより、デストロイ・プライム破壊作戦を開始します。戦闘員及び、猟兵の方々は直ちに出撃してください!」
「よし、スペースナイツ出撃だ! 猟兵の皆さん、この世界を守るため、共に戦いましょう!」
 猟兵達は次々とスペースナイツの戦闘機に乗り込み、出撃していった。

「ヒーロー......そして猟兵共め......ヒーローなど、この世界には不要だ。デストロイ・プライムの邪魔はさせん!」
 暗黒の宇宙に巨大な騎士達が散らばっていく。かつてヒーローに迫害された過去を持つデュランダル騎士達と、世界を守護する者たちの戦いが始まろうとしていた。
忌月・カルタ

ふむ、中々に重厚な鎧ですね
それに、量産型とは言え魔剣に魔槍…普通に考えれば相当な脅威でしょうが、魔剣の銘を冠すモノとして負けられませんね

UCで大剣に変形し、運転手にギリギリですれ違うように指示します。あぁ、主が私を振るう為に能力ブーストはするから安心して…それにソードブレイカーと鎧通しの概念を付与するので持って横切るだけで何とかなりますよ

一命取り留め、逃げようとする相手には魔槍形態になるので投擲してもらいましょう
必中の呪いでコックピットを外しませんから

最近あまり活躍してませんでしたから、久しぶりに主に振るわれてる気がしますね(表面上は出ないが幸せな気分でルンルン状態)



●武具の本懐
「敵機、接近! あと五秒で接敵します! 迎撃準備はいいですか? ミス・カルタ?」
 宇宙戦闘機スペースマンタの外部スピーカーから少女の声が響く。目前にデュランダル騎士が迫り、マンタを操縦していたヒーローが戦闘機の上に立っている忌月・カルタへと警告したのだ。
「問題なく。……ふむ、中々に重厚な鎧ですね」
 真っすぐにこちらへと向かってくる巨大騎士の威容を目にしたカルタ――正確には、彼女が握っている『ナイフ』に宿る人格ティラムは唸った。あの分厚く巨大な鎧を貫くのは、並の武具では難しいだろう。
「プラムさん、ギリギリですれ違って下さい」
 ティラムはコックピットにいるヒーローにそう声をかけた後、小ぶりなナイフから大剣へと一瞬にして姿を変えた。この姿こそが『運命の魔剣ティル・クラウ・グラム』の本来の姿なのだ。大剣を構えたカルタの体はぼんやりと赤色に輝き、ティラムから力が流れ込んでいく。
「ここから先は一歩も通さんぞ! 我が魔剣デュランダルの錆びとしてくれる!」
 目前にまで迫った黒鋼の騎士は戦闘機ごとカルタを両断せんと、黒い剣を振り上げた。彼が手にする剣の銘は魔剣デュランダル。正確にはそのコピーをデストロイ・プライムが巨大化したものだが、全長五メートルの鋼の巨人が振るう魔剣の威力は、カルタごと戦闘機を真っ二つにするには十分な威力を有している。
「……」
 臆さずに敵を見据えた少女が一歩前へと踏み込んだ直後、暗黒の宇宙空間で二振りの魔剣が交錯した。
「チッ。仕留め損ねたか」
 プラムはティラムの注文通り、騎士の攻撃をギリギリで躱し、奥へとすり抜けていた。初撃を外した騎士はコックピットの中で舌打ちし、すぐさま身を翻してスペースマンタを追撃しようとしたが――。
 バキィン!
 ぐるんと機体を旋回させた途端、デュランダル騎士の手にした剣は根元からへし折れ、ロボットの全身にも無数の細かい罅割れが走った。ティラムは敵機とすれ違う瞬間、デュランダル騎士の剣と鎧に、ソードブレイカーと鎧通しの概念を付与した二連撃を叩き込んでいたのだ。
「ぐっ! ここまでか!」
 これ以上続けるのは悪手と判断した騎士は即座に踵を返し、全速力でこの場からの撤退することを選択した。しかし。
「逃がすとお思いですか?」
 ティラムは自身を投擲に適した魔槍形態へと変化させた。すかさずカラムは遠ざかっていくデュランダル騎士の背に向けて槍を投擲した。

「お、おのれぇ! こ、こんなところで――ッ!」
 必中の呪いを纏って放たれた魔槍は正確に巨大ロボットのコックピットを貫通し、騎士の心臓を貫いた。宇宙に爆炎が瞬き、操縦席のプラムは口笛を吹く。
「ひゅー! お見事! あ、次、また来ます! 今度は二機!」
「は、はい……」
 カルタは大急ぎでティラムを手元に呼び戻し、再び構えた。
「最近あまり活躍してませんでしたから、久しぶりに主に振るわれてる気がしますね」
 新たに出現した騎士達に視線をやりながら、ティラムは密かにルンルン気分になっていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

中村・裕美


「……世界に不要……ね。……本当に不要かなんて誰も分からないのに」
かつて捻くれて自分は世界に不要と思っていたこともあったけど
「……たとえ不要でも……居座ったっていいじゃない。……自分が……そして誰がが望むなら」

マンタの中から戦闘支援
「……真っ直ぐ突っ切って。……その方が読みやすい」
一応マンタに【ハッキング】かけて【防具改造】で装甲は強化するが、近づく前に敵はすべて撃ち落とす
「……座標設定……ロックロックロック…………起爆」
【おびき寄せ】た敵を空間に【早業】【罠使い】で仕掛けたUCで爆破。こっちが攻撃を誘う分、【見切り】やすいはず

「……今を生きる人達の……邪魔をするなら……吹き飛ばしてあげる」


エクス・カリバーン

「ヒーローズアース世界を侵略しようとする猟書家は、秘密結社スナークの一員であり、勇者であるこの俺が許さん!
来い、三種の神器よ!」

勇者の剣、盾、鎧を身に着けて【超勇者覚醒】し、デュランダル騎士がいる宇宙空間を聖なる闘気を放出して飛翔しよう。

「スペースナイツ司令部、敵騎士のポイントまでナビゲートしてくれ」

ラグランジュポイントの地理を熟知したスペースナイツの指示でデュランダル騎士達を攻撃しよう。

「そのような量産型の魔剣など……俺の勇者の剣の前では無意味だっ!」

高速治療の隙を与えず、魔剣を叩き折って、そのまま騎士本体も斬り裂いてやろう!
デストロイ・プライムと合流させるわけにはいかないっ!



●宙域戦闘
「我らはヒーロー共を滅ぼす! 正義を振りかざす者がいるからこそ、悪が生まれる!この星にヒーローなど不要なのだ!」
 偵察機のマイクが拾ったデュランダル騎士の演説が戦闘機の中に響く。後席に座りながらそれを聞いていた中村・裕美は溜息をついた。
「……世界に不要……ね。……本当に不要かなんて誰も分からないのに」
 かつて捻くれて自分は世界に不要と思っていたこともあったけど、それも今となっては昔の話だ。猟兵となってからは、あちこちの世界で必要とされている。
「……たとえ不要でも……居座ったっていいじゃない。……自分が……そして誰かが望むなら」
「猟兵のみなさんのご協力に感謝しています。我々には貴方達の助けが必要です」
 裕美の呟きに、運転席の青年ヒーロー、クラントルが応答した。独り言のつもりだったが、インカムが音を拾ってしまっていたらしい。
「…………」
 会話が途切れた。こういう時はどういう返事をすればいいのだろうか。素直に「ありがとう」でいいの? それとも「そこは貴女と言って欲しいわね」などとシニカルに返答した方が自然? いや、やりすぎ? そういえば普通に出撃してしまったけど狭い空間に男女で二人きりというのはどうなのか、などと裕美が悩んでいると、突然機体がガクンと揺れた。青年が機体を回転させてスペースデブリを避けたのだ。
「……乱暴な操縦ですみません。中村さん、カリバーンさん、大丈夫ですか?」
(……あ。そういえば、『外』にももう一人いたわね……)
 裕美はテンパってすっかり忘れていた、もう一人の仲間の存在を思い出す。
「大丈夫だ。問題ない」
 その時、エクス・カリバーンの合成音がスピーカーから聞こえた。


 エクスは裕美とクラントルが乗るスペースマンタの上に乗り、敵の接近に備えていた。剣と盾を得物とする自分には、戦闘機の操縦よりも白兵戦の方が向いていると判断しての行動である。
「そろそろ戦闘があった宙域だな。スペースナイツ司令部、敵騎士のポイントまでナビゲートしてくれ」
「了解。データ転送します」
 エクスの要請に司令部が即座に応答した。ロボットヘッドであるエクスは指令部と直接交信し、スペースナイツの偵察機のデータを受け取っているのだ。この方が説明する手間も省けるし、人間のような聞き間違いや勘違いもなくて済む。エクスは隕石や宇宙船の残骸の中に隠れていた敵の位置情報を受け取り、己のレーダーに反映させた。……すぐ近くだ。
「ヒーローズアース世界を侵略しようとする猟書家は、秘密結社スナークの一員であり、勇者であるこの俺が許さん! 来い、三種の神器よ!」
 エクスが剣を掲げて叫ぶと、三種の神器である勇者の剣、勇者の盾、勇者の鎧がどこからともなく飛来し、力強く輝いた。黄金の光に包まれ、エクスは『超勇者覚醒』(スーパー・ブレイブ)を遂げる!
「うおおおおっ!」
 エクスは不死鳥の如く輝きながら、レーダーが示す敵の位置へと突撃した!
「な、なにっ! スナークだと!? それになぜこの場所が!? ええい、小型のロボットなど恐るるに足らず! かかれっ!」
 隠れていたデュランダル騎士たちは隠れていた場所から飛び出すと、猛禽類を思わせる鋭い方向転換と共に、魔剣を振り上げて一斉にエクスへと襲い掛かった。三方向からの同時攻撃。巨大な騎士たちの魔剣の威力には、人間サイズのロボットなど一撃で鉄くずと化すのみ。しかし。
「なんだと……!?」
 エクスは自身の五倍近い巨体のデュランダル騎士たちの攻撃を、全身から放たれる聖なる闘気で全て受け止めていた。
「び、びくともせん! どうなっている!?」
「それどころか、押し戻されて……! うあああっ!」
 エクスは光の闘気を爆発的な勢いで放出し、デュランダル騎士たちを吹き飛ばした!
「今度はこちらから行くぞ。そのような量産型の魔剣など……俺の勇者の剣の前では無意味だっ!」
 エクスは黄金色の闘気を纏い、瞬間移動の如き速度でデュランダル騎士の懐へと迫る!
「はああああっ!」
 エクスの聖なる闘気を籠めた一太刀は受け止めようとした敵の魔剣ごと、デュランダル騎士を真っ二つに切り裂いた。機体が爆発し、爆炎が噴き上がる中、エクスはすかさず次の敵の懐に飛び込み、立て続けに二体の騎士を一刀両断した。

「敵増援を確認。さらに三機来ます!」
「……次は私がやるわ……本番はまだ先だしね……」
 クラントルが警告を発すると、今度は裕美が迎撃役に名乗りを上げた。エクスが敵を倒している間に、自身も攻撃準備をしていたらしい。
「了解した。では俺は少し休ませてもらおう」
 エクスは全身から放出していた闘気をひっこめ、戦闘機の上に戻った。エクスはロボットとはいえ、その体力は無尽蔵ではない。裕美の言う通り、エネルギーは節約するに越したことはない。
「……真っ直ぐ突っ切って。……その方が読みやすい」
 クラントルに指示を出し、裕美は真っすぐに敵へと突っ込む。当てられる前に倒すつもりだが、念の為、戦闘機と上に乗っているエクスを包むように空間をハッキングし、防御力を上乗せしておく。
「まっすぐ突っ込んでくるとは愚かな! 墜ちろぉー!」
 裕美たちを迎撃せんと、デュランダル騎士たちは突撃槍を構えて突進してきた。突進力に優れるランスで真っすぐ突っ込んでくる裕美を迎え撃つつもりなのだ。
「……座標設定……ロックロックロック…………起爆」
 しかし、それが裕美の仕掛けた罠だった。裕美が軽快にキーボードを叩くと、突如として騎士達の目の前の空間そのものが一斉に火を噴いた。裕美の『ステルスボム』の爆風は騎士達の燃料タンクに引火し、あちこちで大爆発を起こした。
「……今を生きる人達の……邪魔をするなら……吹き飛ばしてあげる」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

バーン・マーディ
…ふざけるな
我が同胞達を奴の糧とさせるものか

機神搭乗
大戦艦招来

極めて業腹であるがヒーロー共の動向を了承
元ヴィランのサングラスの男に砲撃を任せ

いくぞマーズよ
【戦闘知識】
騎士達の陣形と巨大ロボットの構造把握

戦艦
【集団戦術・貫通攻撃・運転】
意外と早い機動で動き乍ら徹甲弾を乱射
但し…コックピットは外し無力化して…デュランダル騎士を容赦なく捕縛

【オーラ防御】展開
【武器受け】で攻撃を受け止め
【カウンター・二回攻撃・怪力・鎧破壊・生命力吸収】
軍神の剣で切り返しロボットの体を破壊し生命力とエネルギーを強奪
コックピットを引きずり出し中の騎士を無力化して戦艦に回収させる

後で本来の在り方を思い出させるのだ



●真のデュランダル
「……ふざけるな。我が同胞達を奴の糧とさせるものか」
 破壊神機マーズのコックピットの中で、男の目は怒りに燃えていた。名はバーン・マーディ。かつて対神組織『デュランダル』を率いた男である。
「君の名は聞いたことがある。彼らはかつての君の部下たちというわけか」
 砲撃手兼ナビゲーターとしてバーンの隣に座っている男の名はアースマン。元ヴィランなのだが、アースクライシスでヒーローと共に『世界の敵』と戦い、大戦後にヒーロー陣営として宇宙に上がってきた変わり者だ。
「その通りだ、アースマン。業腹ではあるがこの戦い、貴様らに手を貸してやる」
 バーンの中にある、かつて自分たちを迫害した『正義の代弁者』たちへの怒りは消えたわけではない。だが、この美しき青き星を守る為なら、私憤を抑え、ヒーローと共に戦うことも耐えられる。ましてや、立ちはだかる敵が猟書家に利用されているかつての同胞ならばなおさらだ。
「あの大戦を経て、地上は変わりつつある。いつかは君の理想とした世界が実現するかもしれない。そうなる前に地上を焼き払おうという真なる邪悪を討つ為ならば、私も喜んで手を貸そう。バーン・マーディ」
 サングラスの元ヴィランの言葉に、バーンは無言で頷いた。
「来たれ我が不滅の騎士団。死して尚我と共に歩む不条理に対する叛逆を望みし騎士達よ。我が城と共に叛逆の狼煙をあげよ!」
 バーンが魔剣「Durandal MardyLord」を掲げると、巨大な武装戦艦が召喚された。名はデュランダル大戦艦。そして、この艦のクルーは全て、かつてバーンが率い、死してなお彼に忠誠を誓うデュランダル騎士団の英霊たち。彼らこそが真の『デュランダル』なのだ。
「いくぞマーズよ」
 機神マーズを駆るバーンに続き、巨大な戦艦が宇宙へと飛び出していった。

「来たな、ヒーロー達よ。我らデュランダル騎士団が宇宙の藻屑へと……何ッ!?」
 宇宙に展開し、ヒーローを待ち構えていたデュランダル騎士たちは驚愕に目を見開いた。大挙して押し寄せてきたのは、在りし日の自分達と同じ黒鎧と、自分たちの誇りたる量産型魔剣デュランダルで武装した騎士達だったのだ。
「目を覚ませ! 同胞よ! お前達の真の主はデストロイ・プライムではない! ここにいる!」
 一斉に巨大ロボットに向かって混沌の槍を投げつけるデュランダル騎士たち。その攻撃よりも、むしろその姿にオブリビオン達は大いに混乱した。
「こ、こいつらは一体……!?」
 ドウッ!
 その時、機神から二発の徹甲弾が放たれ、一体のデュランダルロボの両腕を吹き飛ばした。バーンの注文通り、アースマンがわざとコックピットを外したのだ。
「くっ!」
 両腕を失った騎士はすぐさま撤退を図る。だが、一瞬で間合いを詰めた機神マーズは手刀でコックピットを抉り出し、中にいた騎士を容赦なく戦艦へと放り込んだ。
「容赦なく、か。むしろ慈悲深い気がするが」
「一人でも多く騎士達を回収する。後で本来の在り方を思い出させるのだ」
 オブリビオンであるか、亡霊であるかの境界線は世界に対する破壊の意志を宿しているか否かだ。もはや生き返らせてやることは叶わなくても、ユーベルコードとしてデュランダル騎士達の亡霊を従えるバーンならば、捕まえたデュランダル騎士達からも破壊の意志を失わせることはできるかもしれない。

「バーン、二体来るぞ!」
「わかっている」
 アースマンの警告とほぼ同時に、スペースデブリの陰に隠れていた二体のデュランダルロボがバーンへと切り込んできた。
 バーンは機神からオーラの防壁を展開して二本の剣を弾き返すと、目にも止まらぬ速さで軍神の剣を振るい、騎士達の量産型魔剣ごとデュランダルロボを両断した。コックピットは外して。
「……今は眠れ。つもる話は後だ」
「おお……! そのお声はまさか……!?」
 バーンは軍神の剣で敵機の残留エネルギーを根こそぎ奪い取ると、脱力したデュランダルロボから騎士を引きずりだし、戦艦の甲板へと放り投げた。後はバーンに従う騎士達が回収してくれるだろう。
「我の声を、覚えていたか」
 バーンは感慨深げに目を閉じた後、一人でも多くの同胞を連れ戻す為、再び戦域へと飛び込んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジェット・アームストロング

鋼の巨体、私の力だけでは破壊するのは難しそうだ。
だが、共に正義を志すスペースナイツ達がいる。立ち向かえない相手じゃあない。そもそも、悪に背を向ける等有り得ない選択だ。
行こう、戦友よ。

ベテラン女パイロットのヒーローに操縦を任せ出撃。
攻撃を回避しつつ、敵に向かって突撃して貰う。
機体の外に出てUC【スーパージャスティス】使用。全身をオーラで覆う。
私の力だけで破壊困難ならば、戦闘機の突進力を加えて破壊力を増す。
敵に激突する直前で機体の軌道をそらし激突を回避、タイミングを合わせて機体を蹴り、自身の能力以上の高速飛行で敵に突進。
全ての力をガントレットに集中させ、渾身のパンチを叩き込む。



●正義同盟(ジャスティス・リーグ)
「鋼の巨体、私の力だけでは破壊するのは難しそうだ」
 ドッグで出撃準備をしているスペースマンタの前に立ちながら、ジェット・アームストロングが呟いた。敵は人間より遥かに巨大なロボット兵器たちだと言う。たとえスーパーヒーローと呼ばれるジェットといえど、一筋縄では行かない相手だ。

「だが、共に正義を志すスペースナイツ達がいる。立ち向かえない相手じゃあない。そもそも、悪に背を向ける等有り得ない選択だ」
「よく言ってくれたわ、地上のヒーロー。宇宙のヒーローである私達も力を貸すわ。一緒に戦いましょう」
 美しき女性ヒーローが微笑むと、スペースマンタの後部座席のドアが開いた。彼女の名はゴールデンアイ。スペースマンタの熟練パイロットだ。今ここに、地上のヒーローと宇宙のヒーローの同盟が結成された。
「ああ、行こう、戦友よ」
 ジェットは悪を討つ使命に燃えながら、スペースマンタへと乗り込んだ。


「フライトは快適かしら? ……もう少し、広く作っておけばよかったかしら」
 操縦席から後ろを振り返ったゴールデンアイが苦笑した。ジェットはお世辞にもスマートとは言えない体型をしており、座席がキツキツだったのだ。
「大丈夫、問題ないさ」
 ジェットはキラリと歯を見せて笑った。強がりではない。ぽっちゃり体型のジェットはこのような状況に慣れている。いざとなったら機敏な動きを見せてくれるはずだ。

「来たな! ヒーロー共め! 魔剣デュランダルの錆にしてくれる!」
 やがて、前方に巨大な敵影が出現した。デストロイ・プライム配下である、デュランダル騎士だ。
「来たわね! どうする!?」
 機体が激しく揺れた。デュランダル騎士からのロックオンを避けるため、ゴールデンアイが無茶な機動をしたからだ。
「まっすぐ突っ込んでくれ。私が奴を破壊する! 信じろ!」
「OK、信じたわ! お願い、地上のヒーロー!」
 ゴールデンアイはジェットの言葉通り、急加速して真っすぐデュランダル騎士ロボへと突っ込んだ。このまま衝突すれば二人まとめて木っ端微塵だが、仲間が「信じろ」と言ったら信じるのが正統派ヒーローの不文律だ。
「うおおおっ! 『スーパー・ジャスティス』!」
 ジェットは機体の外へと飛び出すと、黄金色のオーラを纏い、矢のような勢いで直進した。ジェットは音速を超える速度で航行する戦闘機の運動エネルギーを上乗せし、デュランダル騎士の装甲を叩き割るつもりなのだ。
 激突の瞬間、ジェットは大きく息を吸いこみ、全ての力をガントレットに集中させた!
「I`m "HEAVYSET"!」
 ジェットの渾身の一撃はデュランダル騎士のコックピットを深々と貫き、敵機を爆散させた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャム・ジアム

強そうな怪獣。彼らを逃すと強くなる?
わかったわ、私も戦う!
秘密結社スナーク、里帰りのジアム参上!よ。
マンタさん、ヒーロー、一緒に頑張りましょ?

服?
うん今日はうさぎの服を仕立ててもらった帰りだったの
ヒーローさんも素敵なコスチュームね、カッコいいわ
ジアムが先に切り込むわ、助けてくれる?

……さあ、故郷のため。全力よ
『疾影』に乗り込み『朱雷枝』による先制攻撃
同時に『朱白緞』で念動力を増幅、『護り現』に注ぎ捕縛を試みる

作った隙にUC『夢の御伽噺』発動
戦士を念動力で鼓舞し、敵の回復を妨げながら彼の刃で追撃するわ
力を削って鈍らせたい
ヒーロー、どうか背後をお願い!

狙いはコックピットよ。共に叩き込みましょう!



●故郷を守るために
「強そうな怪獣。彼らを逃すと強くなる? わかったわ、私も戦う! 秘密結社スナーク、里帰りのジアム参上! よ。マンタさん、ヒーロー、一緒に頑張りましょ?」
 基地のスクリーンに映し出されたデストロイ・プライムの映像を見て張り切っているのはジャム・ジアムだ。デストロイ・プライムはロボット兵器だが、三つ首のドラゴンのような形状をしている。機械の怪獣とも呼べるだろう。そして、デストロイ・プライムも幹部猟書家の一人であるならば、秘密結社スナークの恐怖を広げる使命を帯びているはずである。だからこそ、ジアムもその野望を打ち砕くべくスナークを名乗るのだ。

「素敵なファッションのお嬢さん。一緒に頑張りましょう」
 宇宙人っぽいデザインの鎧を着こんだヒーロー、スペースファルコンは微笑んだ。
「服? うん。今日はうさぎの服を仕立ててもらった帰りだったの」
 オーダーメイドの服を褒められたジアムははにかんだ。彼女は故郷に里帰りの途中だったのだが、地球が危ないと聞き、そのまま宇宙まで駆け付けてきたのだ。
「ヒーローさんも素敵なコスチュームね、カッコいいわ。ジアムが先に切り込むわ、助けてくれる?」
「ええ、もちろん」
「ありがとう」
 ジアムは微笑むと、手を差し出してくれている紅の巨人の手の上に乗った。すると、巨人はひとりでに動き、ジアムをコックピットに収納した。この頼もしいナイトの名は『疾影』。助けが必要な時はどこからともかく駆け付けてくれる不思議なキャバリアだ。
「さあ、行きましょう。怪獣からこの世界を守る為に」
 紅の巨人は翼を広げ、無限に広がるソラへと飛び立った。


「……さあ、故郷のため。全力よ」
 紅の巨影がスペースデブリの合間を縫うように宇宙を駆ける。あっという間に黒い騎士に肉薄した疾影は白銀の大鎌『朱雷枝』を一閃し、騎士が手にしていた魔剣ごと腕を叩き斬った。
「何!? は、速いっ!」
 狼狽しながらも、デュランダル騎士は残った左腕でジアムに応戦を試みる。
「――朱白緞、護り現」
 ジアムが念じると、紅血を思わせる朱の地金に浮かぶ、白き魔眼が虚空に浮かんだ。ジアムは魔眼で増幅されたオーラをデュランダル騎士へと浴びせ、オーラの檻で機体ごと捕縛を試みる。
「う、うおおおおっ!」
 デュランダル騎士は必死に抵抗し、なんとか脱出しようともがいた。

「おのれ、同志は墜とさせんぞ!」
 その時、彼方より新たなデュランダル騎士が飛来した。増援はジアムの背後に回り、少しずつ間合いを縮めていく。
「ヒーロー、どうか背後をお願い!」
「任せろ!」
 ジアムの呼びかけに応じ、スペースファルコンがビーム砲を乱射した。騎士は咄嗟に回避行動を取り、一瞬の隙が生まれる。その隙にジアムは一気に距離を開け、ユーベルコードを発動した。

「とっておきの、手よ。『夢の御伽話』(グリッサンド)」
 召喚されたのはジアムがその昔聞いたお伽話の英雄。ジアムがその庇護を願えば、いつも応えてくれる守護霊だ。
 ジアムの念動力の力でパワーアップした戦士の霊は、ジアムがオーラで抑え込んでいたデュランダル騎士に切りかかった。鋭い一太刀は一撃で騎士を真っ二つにした。残るは、一体。
「狙いはコックピットよ。共に叩き込みましょう!」
「了解!」 
 ジアムの意志に応え、疾影のカメラアイにサイキックの炎が灯り、白銀の刃が閃いた。
「ハイパービーム砲、発射!」
「お願い、疾影!」
 ドンッ!
 二人が放った渾身の一撃は、デュランダル騎士のコックピットを貫き、機体を爆散させた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『デストロイ・プライム』

POW   :    グラウンド・ゼロ
単純で重い【足や尻尾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ジェノサイド・ブラスト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【全身のビーム砲】から【破壊光線の雨】を放つ。
WIZ   :    トリニティ・バースト
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【悪】属性の【破壊光線】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミネルバ・アレキサンドリアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●Fury
「全滅したか。デュランダル騎士団」
 部下たちの識別信号が全て途絶えたことを察したデストロイ・プライムはぽつりと呟いた。彼らにはスペースナイツの戦力を遥かに超える強力なメカを与えていた。それが破れたということは、猟兵たちはこの世界のヒーローを遥かに上回る力を持っているということだ。

「だが、ワタシのやることは変わらぬ。ワタシは我が憎しみを以て地上を焼き払い、ヒーローたちに報復する。ワタシを悪(ヴィラン)と呼びたくば、好きに呼ぶがいい。ワタシはデストロイ・プライム。ヴィランの息子にして、猟書家幹部。世界の敵だ!」

 破壊の化身たる機械竜は消えない憎しみの焔を瞳に宿し、猟兵たちの到来を待っていた。
中村・裕美


「……その気持ち……ある程度は共感できる。……けど……私は貴方を納得させられる程……お喋りは得意じゃない。……悪いけど……力ずくて止めさせてもらうわ」
外に出て【魔竜転身】でデストロイ・プライムサイズの竜へと変身し、暴れ回る。一応、仲間には巻き込まないよう警告
「……全てを虚構へ消す滅びの竜……あなたとどちらが強いかしら?」
【ブレス攻撃】による敵のボディの電子データ化や【早業】による爪での【切断】で相手の肉体を削り取ってゆき、後続がコアは攻撃しやすいようにしておく
敵の攻撃は、理性が無くなっているし、超耐久力で耐えるしかないかな


ジェット・アームストロング
復讐か。それともそれを言い訳とした殺戮衝動か。
敢えて問いはしない。だが、君がヴィランを、世界の敵を名乗るならば、私はただヒーローを名乗り世界を守ろう。

機体の操縦、敵への接近と回避はパートナーのパイロットヒーローを信頼し任せる。宜しく頼む。
機首に立ち「ヘビーフォース」を展開する。体脂肪を純エネルギーに変換するミュータント能力。【オーラ防御】の力場を展開、自身と機体を包み守る。
急激に脂肪が消耗され痩せ細っていくが構わない。全ての力を一撃に込める。
射程距離に入り次第【エネルギー充填】したパワーを【衝撃波】として敵に叩き込む。

殆どの体脂肪を消費した細マッチョイケメンの姿で機内に戻る。後は任せたぞ、皆。



●スペース大乱闘!
「行くぞ、殺してやる! ヒーロー共!」
 グオオオオオオ!
 宇宙に機械の竜の雄叫びが木霊し、ヒーロー達を破壊の烈光が襲う。
「むん! ヘビーフォース!」
 操縦をゴールデンアイへと預け、戦闘機の機種に立っていたジェットは自身の脂肪を燃焼させて防御フィールドを展開し、破壊光線を受け止めた。
「復讐か。それともそれを言い訳とした殺戮衝動か。敢えて問いはしない。だが、君がヴィランを、世界の敵を名乗るならば、私はただヒーローを名乗り世界を守ろう」
「……その気持ち……ある程度は共感できる。……けど……私は貴方を納得させられる程……お喋りは得意じゃない。……悪いけど……力ずくで止めさせてもらうわ」
 デストロイ・プライムの世界の全てを呪うような憎しみを感じ取り、裕美はかつての自分に近しいものを感じていた。けれど、裕美には彼の悲しみを癒すような包容力も、彼を止められるような詐欺師じみた弁論術もない。出来ることは力づくで彼を排除するだけだ。
 二人の世界の守護者はデストロイ・プライムの思想を否定はせず、ただ敵として相対する。

「近づくと巻き込まれるわよ……! 全てを1と0の世界へ……目覚めなさい……滅びの竜」
 クラントルの操縦する戦闘機のハッチから飛び出した裕美は、彼女にしては珍しく大声を出した。直後、裕美の全身から黒いオーラが迸る。一瞬の静寂の後、裕美はデストロイ・プライムに引けをとらない大きさの漆黒の魔竜へと姿を変えていた。
「行くわよ……」
 魔竜と化した裕美は機械の竜へとテールスイングを叩きつけた。デストロイ・プライムは左の首で尻尾を受け止め、お返しとばかりに裕美に破壊光線を放った。裕美はドラゴンの体力にものを言わせて破壊光線に耐えると、デストロイ・プライムの腹に反撃の鉤爪を叩きつける。数十メートルほど吹っ飛ばされたデストロイ・プライムは怒り、三本の首からビームを乱射しながら戻ってくる。
 裕美は敵の破壊光線を浴びながらすう、大きくと息を吸いこむと全てを電子データ化するブレスを放った。デストロイ・プライムは電子化の波を浴びながらも分解された部分をナノマシンで再構築し、裕美へとキックを叩きつける。核シェルターすら軋ませる超質量のキックを浴びた裕美は、それでも止まらずにデストロイ・プライムに組み付き、三本ある首の一本にかみついた。破壊を撒き散らしながら激しく相争う二人の戦いはさながら怪獣大決戦だ。

「ゴールデンアイ! 防御は私に任せろ! なんとか奴に近づいてくれ!」
「了解! 信じてるわよ!」
 二体の大怪獣が破壊光線と致死の電子化ブレスを吐きまくりながら暴れまわる中、ジェットは必死に防護結界を維持し、戦闘機ごとデストロイ・プライムへの接近を図る。みるみるうちに脂肪が燃焼し、体がやせ細っていくが、今は出し惜しみをしていられる状況ではない。
 そして、ジェットを乗せたスペースマンタがついにデストロイ・プライムの頭上をとった。デストロイ・プライムは――魔竜とがっちり組み合っており、頭上からの攻撃に対応する暇がない!

「全ての力をこの一撃に込める!」
 ジェットは脂肪を全て燃やしてエネルギーを拳に集中し、デストロイ・プライムの脳天へと燃える拳を叩きつけた!
『Caloric Blast!』
 ベキゴキゴキゴキ!!
 ジェットの拳に確かな感触が伝わる。無防備な所にユーベルコードの直撃を受けたデストロイ・プラムの頭部がひしゃげ、一瞬動きが止まった。
 その隙に裕美は電子化ブレスを全身に浴びせて装甲を引き剥がし、デストロイ・プライムの内部のメカを露出させた。
 再生機能を有するデストロイ・プライムとて、ここから再生するには時間がかかるはずだ。
「ち。時間切れか……」
 ここで裕美は魔力を使い果たし、人の姿へと戻った。ゴールデンアイは大急ぎで裕美を回収し、ジェットと裕美を連れて宙域を離脱する。

「……まずは先制点取得ってところかしら……」
「ああ。我々は役割を果たした。後は任せたぞ、皆……」
 殆どの体脂肪を消費し、細マッチョの姿になったジェットと、ゴールデンアイから急遽毛布を借りた裕美はスペースマンタの中で疲れた体を癒すのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

バーン・マーディ
機神搭乗

ヒーローは基本行動は全て任せる

我はバーン・マーディ
ヴィランであり…対神組織「デュランダル」が首魁である

貴様もヴィランなら知っておろう
ヴィラン同士が常に共闘する訳ではないと
貴様は我がデュランダル騎士を利用した
ならば…我が叛逆の対象である

貴様の憎しみが地上のヴィランの未来を奪うなら…我は貴様を此処で粉砕する

【オーラ防御】展開
【戦闘知識】
是までの戦いと経験から敵の動きと癖の把握

対SPD
即座にUC発動
超高速戦闘開始
マーズよ
貴様も破壊を司るならその力を示せ
【武器受け】により軍神の剣で破壊光線を受け止め
【二回攻撃・怪力・生命力吸収。鎧破壊・鎧無視攻撃】
破壊のオーラを纏い
軍神の剣での怒涛の猛攻



●破壊機神VS破壊機竜
「我はバーン・マーディ。ヴィランであり……対神組織『デュランダル』が首魁である」
 破壊神機マーズを駆り、デストロイ・プライムの元へとやってきたバーンは厳かに宣言した。デストロイ・プライムは新たな敵の出現を認め、三本の頭部でギロリと睨み付ける。
「貴様があの騎士達の真の主か。ならばワタシの邪魔をするな! 地上の神も、ヒーロー諸共ワタシが皆殺しにしてやる! 手伝え、とまでは言わん。黙って見ていろ!」

 デストロイ・プライムが召喚したデュランダル騎士達はオブリビオンであったとはいえ、特に理由もなくデストロイ・プライムに従っていたわけではない。『地上のヒーローを憎む者』という共通点があったからこそ、デストロイ・プライムに協力していたのだ。

「貴様もヴィランなら知っておろう。ヴィラン同士が常に共闘する訳ではないと。貴様は我がデュランダル騎士を利用した。ならば……我が叛逆の対象である。それに、貴様の野望はもはやヒーローのみならず、地上そのものの破壊であろう。貴様の憎しみが地上のヴィランの未来を奪うなら……我は貴様を此処で粉砕する」
 しかし、バーンの返答はあくまで否であった。バーンの中の憎しみは消えたわけではない。だが、人類全てを巻き込んで地上を焼き滅ぼさんとするデストロイ・プライムの暴挙を看過することもできはしない。マーズは敵へと剣を向けた。

「宇宙に散った騎士達の落とし前はつけさせてもらう。行くぞ!」
 バーンを乗せたマーズは背中から炎を噴き上げ、音を置き去りにするほどの速度でデストロイ・プライムへと突撃する。
「マーズよ。貴様も破壊を司るならその力を示せ」
 バーンはマーズの剣に宿る破壊の力を解放し、デストロイ・プライムへと切りつけた。強烈な一撃にデストロイ・プライムの胴が軋み、千切れた部品が宙を舞った。
「おのれ、その鉄クズごと宇宙の塵としてくれる!」
 デストロイ・プライムの姿が掻き消える。否、デストロイ・プライムがその機動力を解放し、高速飛行しているのだ。全長約四十メートルの巨躯を誇るデストロイ・プライムは内蔵されたスラスターにより、図体に見合わぬ超高速移動を可能としていた。デストロイ・プライムは恐るべき速度で高速移動しつつ、バーンを消し去るべく全身の砲門からビームを乱射した。

「貴様を地上には行かせん!」
 マーズはユーベルコードを解放し、高速機動でビームの雨を回避する。だが、個体としての力はデストロイ・プライムの方が上だ。次第にマーズは追い込まれ、ついにデストロイ・プライムのビームがマーズの動きを捉えた。
「まだだ! マーズよ、今こそ貴様の力を示せ!」
 破壊の光の雨が機体を串刺しにせんと迫る中、マーズは軍神の剣を空高く掲げた。
「何ッ!?」
 ビームの雨は確かにコックピットを串刺しにするはずだった。しかし、軍神の剣は飛来した破壊の光を軍神の剣の刀身で吸収したのだ。
「今ここに叛逆の刃を突き立てん!!」
「おのれぇええええっ!」
 マーズの剣から万物を砕く破壊の力が迸る。デストロイ・プライムの破壊の力をも上乗せした叛逆の刃の嵐はデストロイ・プライムの首の一本を切り刻み、跡形もなく消滅させたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャム・ジアム

有難う、スペースファルコン。貴方とても強い
私は少し、念を使い過ぎたけれど……来たわね、猟書家
——なぜ?失ったなら奪われる悲しみも知ったはず

敵は力を溜め放とうとしてるみたい
危険よ、急がなきゃ。ヒーロー、また頼める?
光線や尾に気をつけて
彼に作戦を伝え『護り現』を纏わせ、せめて一助に

真の姿を解放
白炎を纏う姿、少し力も補える筈
『疾影』と共に。力を送り蓄えながら全速前進
攻撃は必死に避けつつ、UC『万象の牙』で制圧射撃を
詠唱部位や射出口を狙って集中を削ぐの
間に敵の分析を彼に

距離を詰め、念動力で合図
死角から同時に『朱雷枝』と彼のマンタで
首か、動力供給路の一つへ万力を込め一撃を
当たって

苦しみは広げさせないわ



●芝居
「おのれ、猟兵共! どこまでもワタシの邪魔をするか!」
 首の一本を失い、一旦身を隠したデストロイ・プライムは吠えた。残る二本の頭部に破壊の光が溢れ出る。デストロイ・プライムは限界までエネルギーをチャージし、ヒーローも猟兵も全てまとめて葬り去ろうとしているのだ。
「有難う、スペースファルコン。貴方とても強い。私は少し、念を使い過ぎたけれど……」
 ここまでずっとついてきてくれた戦闘機乗りのヒーローにジアムは礼を言った。
「こちらこそ。……いよいよ本番ですね。あのデカブツをなんとかしましょう」
「いえ、ここからは私一人で。あなたは危険を他のヒーロー達に伝えて」
 ジアムは静かに首を振り、スペースファルコンへと告げた。
「し、しかしー―いえ、分かりました。ご武運を」
「ありがとう」
 ジアムの真剣な眼差しに思うところがあったのか、スペースファルコンはすぐ引き下がり、指示に従った。ジアムは残り少ない『護り現』をスペースファルコンに被せ、彼を見送る。
 一人となった、否、疾影と二人きりになったジアムは慎重に宇宙戦の残骸の中を歩いていく。それらの光景を、宇宙船のカメラをジャックしたデストロイ・プライムは全て観ていた。

「――来たか」
 ジアムの接近に気付いたデストロイ・プライムは二本の首を動かし、来訪者を見据える。
「出たわね、猟書家。——なぜ? 失ったなら奪われる悲しみも知ったはず」
 ジアムはデストロイ・プライムの目に宿る深い悲しみを感じ取っていた。彼の破壊衝動は世界の敵対者であるオブリビオンの本能に起因するものではない。生前から元々持っていた感情に由来するものだ。
 それは、本来なら愛と呼べるものだったはずなのに。せっかく心を持ったはずのロボットが地上の全てを焼き滅ぼさんと暴走する姿は、ジアムにはただ悲しかった。
 
「もはや問答など要らぬ。宇宙の塵となるがいい」
 デストロイ・プライムの口腔が強く輝いた。
『トリニティ・バースト』
 ドゥッ!
 目もくらむほどの強烈な閃光が、デストロイ・プライムの口から迸り、ジアムを襲う。爆風が乱舞し、ジアム達が乗っていた宇宙船の残骸はその一撃で粉々に吹き飛んだ。
「終わったか――」
 宇宙船の爆風が生み出した赤い焔が陽炎のように揺らめく中、デストロイ・プライムがセンサーをフル稼働させる。ジアムの生死を確認しているのだ。

 果たしてジアムと疾影は――。
「ぷはっ!」
 大爆炎の中から、ヒトガタの紅い影が飛び出した。再びデストロイ・プライムの前に現れた疾影は白炎を纏っていた。コックピットの中にいるジアムが真の姿を解放し、その力を疾影に纏わせているのだ。
 
「愛しい貴方たちの輝きを。『万象の牙(スピリトゥアーレ)』」
 疾影の全身から、万象の精霊の加護を纏い、燦然と輝く無数の針たちが飛び出した。白炎を纏う針は複雑な幾何学模様を描くように何度もカーブしながら、デストロイ・プライムを串刺しにしていく。
 ジアムは針たちがデストロイ・プライムを縫い留めてくれている間に、疾影と力を溜めながら距離を詰めていった。
「おのれ、この程度の攻撃で――」
 デストロイ・プライムの首の一つがジアムを睨むつける。その口からビーム砲が迸ろうとした時――
 ドゥン!
 スペースマンタのビーム砲がデストロイ・プライムの口に直撃し、暴発したデストロイ・プライム自身のビームが彼の頭部を焦がした。
「貴様、逃げたのでは――」
「油断したな! ヒーローが女性を置いて本当に逃げるわけないでしょう!」
 スペースファルコンは逃げたふりをしつつ、気配を殺してデストロイ・プライムを奇襲する隙を伺っていたのだ。ジアムとのやり取りは実は芝居であった。
 動揺し、致命的な隙を晒したデストロイ・プライムへと、ジアムと疾影は必殺の一撃を叩き込む。狙うは動力炉のあるその心臓!
「苦しみは広げさせないわ」
 一閃。疾影の放った朱雷枝での一撃は深々とデストロイ・プライムの動力炉を抉り、大爆発を引き起こした。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●幕間
「ぐううっ……! どこまでもワタシの邪魔をするか、ヒーロー共!」
 猟兵たちに与えられた傷は深い。三本あった首は残り二本となり、ナノマシンによる胴の再生も追い付かず、中の回路があちこち剥き出しとなっている。このままでは……。
 この戦域から撤退すべきか。彼の電子頭脳は今は宇宙空間に身を潜め、回復の時を待つべきだと判断していた。しかし、「感情」がそれを許さない。デストロイ・プライムにとってヒーローを前にして尻尾を撒いて逃げ出すことは、死よりも屈辱的なことであった。

 ――ファヴニール。ワタシはお前を息子のように想っている。心を持ったお前はもはや兵器ではない。一個の生命体なのだ。ワタシはこれからヒーローとの最後の決戦に臨むが、お前は好きに生きればいい。それが、ワタシの最後の望みだ。
 ――行かないでくれ。博士! いや、父さん! 
 そして、父はヒーローとの戦いで討たれ、ワタシの前から永遠に姿を消した……。
 
 父は好きに生きろと言った。だから、ワタシは。
「我が名はデストロイ・プライム。猟書家幹部にして、怒りと憎しみの炎で地上を焼き尽くす逆襲の機械竜なり」
中村・裕美(サポート)
副人格・シルヴァーナ
『すぐに終わってしまってはもったいないですわね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
特徴 長髪 のんびり 社交的 惨殺ナイフを愛用 実は胸が大きい
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で社交性と近接戦闘特化。
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】を【早業】で繰り出す。
ドラゴンランスを使うことがあれば、相手を【串刺し】にするか、竜に変えて【ブレス攻撃】
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー

あと、虫が苦手


エクス・カリバーン

「そこまでだ、人々を苦しめる悪の猟書家、デストロイプライム!
秘密結社スナークの一員である勇者カリバーンが相手になろう!
来い、アヴァロン、キャメロット!
聖剣合体だ!」

スーパーロボットである聖剣勇者エクス・カリバーンに合体して敵に対峙しよう!
キャバリアサイズになった勇者の剣を抜き、デストロイプライムに向かって斬りかかる!

「破壊光線は勇者の盾で防いでみせよう!」

高速飛行する敵の光線を防ぎつつ、動きを見極めて――。
――そこだっ!

「正義の一撃、受けてみろっ!
聖剣両断エクスカリバー!!」

勇者の剣に正義の闘気を纏わせて、破壊光線を斬り裂いていき、そのままデストロイプライムも斬り裂いてくれる!



●聖剣の勇者と竜の女騎士
「そこまでだ、人々を苦しめる悪の猟書家、デストロイ・プライム! 秘密結社スナークの一員である勇者カリバーンが相手になろう!」
 スペースマンタから勢いよく飛び降りたカリバーンは勇者の剣を構え、デストロイ・プライムの前に立った。

「裕美ばかりずるいですわ。あんな大きい獲物を独り占めするなんて……今度は私と遊んで下さいませ」
 カリバーンの隣には、全力を出し切って撤退したはずの中村・裕美の姿があった。否、今の彼女は普段は裕美の内に眠っているもう一人の人格、シルヴァーナである。主人格である裕美が力を使い果たし、うたた寝している間に目覚めたシルヴァーナは再びデストロイ・プライムの前へと舞い戻ってきたのだ。人格交代の証左として牛乳瓶の底のような分厚い眼鏡が外され、真っ黒だった髪は白く染まっていた。
「串刺しにして差し上げます」
「お前の野望もここまでだ」
 黒竜と対峙するは、ドラゴンの槍を操る美しき女騎士と、聖なる剣を携えしハガネの勇者。それはまるでお伽話の英雄譚の再現であった。

「わたくしから行きますわ」
 シルヴァーナの体がゆらり、と流れる。残像を残すほどの速度でデストロイ・プライムへと肉薄したシルヴァーナは閃光のような突きのラッシュを浴びせ、デストロイ・プライムの装甲に幾つもの穴を穿った。
「ぐおおおっ! この、雑兵が!」
 デストロイ・プライムは怒り、長い首をくねらせて破壊光線をシルヴァーナへと浴びせかける。
 シルヴァーナはデストロイ・プライム自身の体を足場にして器用に逃げ回り、破壊の雨を凌いでいた。タタン、タタン、と優美なステップを刻み、紙一重で光線を躱し続けるシルヴァーナの優美な姿は、遠巻きに戦いを眺めているヒーローたちにヴァルキリーを連想させた。

「よし、今のうちだ。来い、アヴァロン、キャメロット! 聖剣合体だ!」
 カリバーンは勇者の剣を天高く掲げて叫ぶ。主の呼び声に応え、空間を超えてオーバーフレームの『アヴァロン』、アンダーフレームの『キャメロット』が飛来した。
ロボットヘッドたるカリバーンはロボットの頭部へと変形し、巨大なキャバリアボディと合体していく。
「聖剣合体! 聖剣勇者エクス・カリバーン!」
 全長約五メートルの巨人となったカリバーンのカメラアイが黄金色の眼光を放つ。真の姿となったカリバーンは今の自分にふさわしいサイズとなった勇者の剣を抜き、デストロイ・プライムへと突撃した。

「待たせたな、狂える破壊竜よ! この世界の平和は俺達が守るっ!」
「ほざけっ! 二人まとめて跡形もなく焼き尽くしてくれる!」
 デストロイ・プライムの全身から破壊光線が放たれる。超出力で放たれたビームの嵐は、死の流星群となって二人に降り注いだ。
「うおおおおっ! 俺の仲間は傷つけさせない!」
 カリバーンは裕美の前に回り込むと、勇者の盾をかざし、デストロイ・プライムのジェノサイド・ブラストを受け止めた。カリバーンは正義のエナジーを盾に全開で注ぎ込み、光の壁で光線に耐える。

「なんとか凌いだか……はっ! 奴がいないっ!?」
 光の雨が止んだ時、カリバーンたちと対峙していたはずのデストロイ・プライムが忽然と姿を決していた。あの巨大な図体で一体どこへ?
「ここだ!」
 ギュルルルルッ!
 カリバーンの背後から出現したデストロイ・プライムは二本の長い首を蛇のようにしならせ、カリバーンの胴を締め上げた。
「ぐああああっ……!」
「このまま押しつぶしてやる。喜ぶがいい。貴様のパーツはワタシの新しい部品にしてやろう」
「やめろ……!」
 苦し気にもがくカリバーン。しかし、突然ぐるぐると巻き付いていたデストロイ・プライムの首に糸状の閃光が無数に走り、デストロイ・プライムの首がかば焼きのようにバラバラになった!
「ギャアアアア!」
「わたくしを忘れてもらっては困りますわね。さあ、早くトドメを刺しなさい。スーパーロボットさん!」
 ドラゴンランスを肩に担ぎ、シルヴァーナが不敵に笑う。

「ありがとう! いくぞ、デストロイプライム! これで終わりだっ!」
 首をバラバラにされたデストロイ・プライムは今、頭部のメインコンピューターと胴体の信号が途絶えている。再生が間に合わない!
「お、おのれええええええっ! また、ワタシはヒーローに敗れるというのか!」
 苦し紛れにカリバーンに向かって腹部からビームを放つデストロイ・プライム。

「正義の一撃、受けてみろっ! 聖剣両断エクスカリバー!!」
 正義の闘気を全て剣に込めたカリバーンは煌めく聖剣でビームを切り裂き、そのままデストロイ・プライムの胴を両断した。

「グアアアア! と、父さん……!」
 それが、彼の最後の言葉となった。デストロイ・プライムは大爆発を起こし、跡形もなく消滅した。
 こうして、宇宙から地上への攻撃をもくろむ猟書家幹部の野望はここに潰えたのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年05月15日


挿絵イラスト