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竹竹竹紙竹竹蜘蛛

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●遠りゃんせ倒りゃんせ
 サワサワサワ。薄い葉が風で擦れる音が心地よく広がる。それは頭の上で滝の様に零れ落ち、耳の中に響き落ちた。しかし、それを起こしている風が止んでも音はいつまでも滑り落ちてきた。豪雨かと思えるほどに、くだらない雑談を延々するように、音はもう止まらない。誰にも止められない。
 増える葉音も、増える節も、延々と続く竹の根も。

●あそこは何処の細道じゃ?
 筆で一筆、一拍置いて、また一筆。そろりそろり、と線、点々。
「ん。よし、上手く描けたな。……ああ、すまんすまん」
 筆で絵を描いていた我孫子・堅は掌をひらひらと仰いだ。墨を乾かす動作のそれに揺れる紙は白い半紙で、集まった猟兵が覗き込んで見てみれば抽象的な竹の墨絵が出来上がっていた。
「昔から筆の扱いには覚えがあってな。竹林は描きやすいからよく見ていたものだ。……その奥に、何か発生しているのもよく分かるぐらいには」
 我孫子は竹の墨絵を増やしていく。今回のカクリヨファンタズムの一角に起こった幽世の超現象、それがこの絵だと我孫子の眉は曲がっていった。
「【竹が無数に発生し妖怪たちを飲み込む現象】……起こしたのはオブリビオンで間違いない。そいつはこの竹林もとい竹迷路の中に潜んでる。これに飲まれ、彷徨う妖怪はオブリビオンに成り兼ねない。すぐにでも止めなくては」
 元は奥が視認できる程度の竹林しかなかった場所は、今では竹の迷路になっているらしい。それを掻き分け原因を討伐するのが猟兵に課せられた目的だ。
「竹迷路にしっかりした道はない。目星をつけて地道に進むか、自身で切り開くか……自分が迷わない方法で進んでくれ。竹自体は無限に出現するから進むために傷をつけても問題ないぞ」
 細い幹であるにも関わらず奥が見えない程の密集度。迷わない様な工夫をすることに越したことはない。
「それと、竹林の中に元凶のオブリビオン以外の気配も幾つかするようだ。何があるか本当に分からない。すまないが、用心してほしい」
 そう言って我孫子は伏せた目を猟兵達に向ける。それはこの現象に関する憂いと打開への決心の色を浮かべていた。
「本来は風に揺れる葉音が心地いい場所だったはずだ。それを危険な場所にしたオブリビオンは許し難い。どうかこの現象解決に力を貸してくれ」


楪カジ光
 お久しぶりです。カジ光でございます。今回は竹林探索をして頂きます。
 竹林にしては生えすぎの竹だらけな場所を行ったり来たり切ったり薙いだりして進んでください。
 竹は生え散らかっているので、傷を付けたり切り倒しても問題ないです。進みやすいようにプレイングしてくださいませ。

 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『不知藪』

POW   :    ひたすら歩いて法則性を見出す。

SPD   :    竹を伐って一直線に道を切り拓く。

WIZ   :    印や痕跡を頼りに同じ場所を避けて進む。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

荒珠・檬果
立派な竹林ですねぇ…。普段なら、風情あるんでしょうが。
さて、話によると、この竹林は薙ぎ倒してよいと。

ならば、カモン【バトルキャラクターズ】!今回は力自慢の薙刀装備武士ですよ!
数多いので、合体で残り二人になるまでにして。
私自身も、紅紋薙刀(七色竜珠の赤より変換)携えて。

では…竹林を薙刀で薙ぎ払っていきましょう!
迷路というのは、存在する道をただただ行くために成立するもの。
なれば、薙ぎ払って別の道を生成すれば、壊れるものですよね!奥まで一直線に薙ぎ払って道つくって進んでいきますよ!

…なんか呼ばれてる気もしますので。



 荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)の目の前には早速の竹林が蠢くように揺れていた。まるで一つの生物であるかのようなそれは檬果の来訪を拒んでいるようにも見える。
「ん~。立派な竹林ですねぇ……。普段なら、風情あるんでしょうが、このままでは危険なだけ。ささっと解決してしまいましょう!」
 そう高らかに宣言した彼女は【バトルキャラクターズ】によって召喚した武士二体に指示を出す。命は一つだけ。至ってシンプルなものだ。
「目の前の竹を切って切って切りまくってくださーい!」
 御意、と意志を露わにするかのように武士の一体は手にしている薙刀を振り、腰程の竹節を一つ切断した。竹は横向きに倒れてくるが、それが地面に倒れ伏す前にもう一体の武士が小さく節分けとばかりに切り刻む。水筒のような大きさになった竹の雨は武士の力で止むことを知らない。
「うんうん。実に良き薙刀捌き。迷路というのは、存在する道をただただ行くために成立するもの。なれば、薙ぎ払って別の道を生成すれば、壊れるものですよね!」
 実際、彼女らの背後には道が出来ている。それの後押しとばかり、檬果は自らも『紅紋薙刀』を構えた。反りの浅い刀身は静型の薙刀の特徴であるが、紅く染まった刀先は唯一無二、彼女の得物だ。
「さてさて、私も参戦します。奥まで一直線に薙ぎ払って道つくって進んでいきますよ!」
 その耳に少しばかりの喚び声がしたような気を覚えながら、彼女もまた武士に劣らない一閃を繰り出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

神代・凶津
今回は竹藪の奥にいるオブリビオン退治だ。
葉が風で擦れる音が心地いいぜ。のんびり竹林浴だったら最高だったんだがな。

んじゃ、相棒。頼んだぜ。
「・・・式、召喚【捜し鼠】」
鼠の式神を多数呼び出してこの竹の迷路の出口を捜索するぜ。
必要なら妖刀で竹を叩き斬って進むぞ。

「・・・元凶のオブリビオン以外の気配もあるって話だけど。」
さてな、相棒。
果たして鬼が出るか蛇が出るか。はたまたもっとヤバいのが出るかってな。
「・・・縁起の悪い事、言わないで。」


【技能・式神使い】
【アドリブ歓迎】



 竹藪と化したその竹、竹、竹の光景に神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)はうげぇ、と声を潰した。依り代の神代・桜はその声音に首を傾げる。
「どうしたの」
「いや、竹藪っつっても生えすぎだぁな、ってよ。ま、葉が風で擦れる音は聞いてるよりもまだ心地はいいぜ。元の場所ならのんびり竹林浴ってのも最高だったんだろうがな」
 原型はどのようなものだったのか。竹林と呼ばれていたのだから手入れの行き届いた景色だったに違いない。誰かが丹精込めて魅せた場所だったのかもしれない。
「今考えることじゃねぇか。んじゃ、相棒。頼んだぜ」
 そう。今はまだ派手に動く力は呼ばれていない。凶津の言葉に一つ頷いた桜は静かに印を結ぶ。
「……式、召喚【捜し鼠】」
 囁かれた言の葉は桜の元に幾つもの【捜し鼠】をもたらした。小さな姿は竹の間を器用に駆け抜け、二人の行く道を正しく割り出す。
「さて、と。原因がいるってなると動けねぇ程せまっ苦しいところってわけでなし、とりあえず【鼠】にはある程度の場所に案内してもらうか」
「……元凶のオブリビオン以外の気配もあるって話だけど」
 桜の言葉に凶津は、ははっ、と笑った。
「んなもん、鬼が出るか蛇が出るか。はたまたもっとヤバいのが出るかってだけの話だろ。俺らなら余裕だ、余裕」
「……縁起の悪い事、言わないで」
 釘を刺す桜の声音は硬いままだが、それでも歩みが止まらないのは互いの信頼の現れなのだろう。二人の影は竹の合間にするり、と抜けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラガルルク・デンケラ
WIZ

あらら、こりゃ随分と立派な竹藪だ。隠れるには最適だけど、うっかり己さえ見失いそうになるほどに背の高い迷路だね
切り倒してもいいのなら、単純に真っ直ぐ進んでみようか。伐採は海竜の赤星にお願いするよ。お前の鋏でどんどん僕を前に推し進めてくれ
ああでも、一本だけ竹を残しておいてくれ。幹にアーマーリングで傷を付けて、目印を付けておきたくてね
傷は横一線に。そして先で折れ曲がって……と。うん、綺麗な矢印記号の完成だ。迷った際の頼りがあるとないでは心労が大違いね

さて、進んでいる間に僕は迷路の法則性について長考しているかな。そもそもどうして迷路を作って、竹林を作ったのだろう。管理人は何を拒んでいるのかしら?



「あらら、こりゃ随分と立派な竹藪だ。隠れるには最適だけど、うっかり己さえ見失いそうになるほどに背の高い迷路だね」
 そう一人呟いたラガルルク・デンケラ(先見の魔女・f28988)は手元にあった『赤星』の頭を撫でた。硬い装甲はびくともしないが、やるべきことは理解しているとばかりに両の手を打ち鳴らした。
「ふふふ。気合は十分か。ではお前の鋏でどんどん僕を前に推し進めてくれ。……ああでも、一本だけ竹を残しておいてくれ」
 そう言付ければ『赤星』は大きく掌をかち鳴らし、竹の節に構わず幹を切断し始める。バキリ、バキリと竹が打ち倒れる様は中々に驚異的だ。そんな光景も当たり前の如く流すラガルルクは残してもらった竹にさらりと傷を付ける。
「横一線に。そして先で折れ曲がって……うん」
 そこに刻まれたのは誰が見ても分かる程に綺麗な矢印記号だった。迷った時の目星があるのは良いとばかり、ラガルルクの顔は満足な笑みを浮かべている。さて、『赤星』の伐採が済むまで時間がある。この空き時間でラガルルクはしばしの考察に耽った。
「そもそもどうして迷路を作って、竹林を作ったのだろう。管理人は何を拒んでいるのかしら?」
 そもそも拒む為の竹なのか、竹ありて迷路なのか。中に潜む怪異がどのような答えを抱えているのか、それはまだまだ藪の中に潜んでいるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニクロム・チタノ
確かに竹林って落ち着くよね、でもこのままくつろいでも居られないね
しかしこの迷路どうしようかな
こんな時は
チタノ反抗の祝印を
ボク一人だと大変だから先代反抗者の皆さんにも来ていただいたよ!
みんなで竹を壊しまくろう!
チタノボクを乗せて
さあ、これより反抗を開始する
反抗の竜チタノの加護と導きを



 ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は静かに息を吐く。少しばかり気温が低いのか、息の白い霞が竹藪の合間を縫って消えた。
「さあ、これより反抗を開始する。反抗の竜チタノの加護と導きを」
 そう紡いだ言葉は虚空に消え、竹は何処かの風を受け揺れ動いた。しかし、地に近いこの場所には風などない。ただ竹だけが感知し得ない風に煽られているのだ。まるで、意志を持つかのような動きの不可思議を前にして尚、ニクロムは声を上げる。
「私に反抗の祝印を」
 祝詞は紡がれた。ニクロムの眼前には喚ばれた【反抗の竜チタノ】と【先代反抗者達】が我在りてと並んでいる。
「チタノ、ボクを乗せて。みんなで竹を壊しまくろう!」
 オオ、と声ともつかぬ士気が上がる。数ある力に竹は無残にも破壊され後には憐れな短節がささ立っていた。
「迷わせるモノに反抗を。惑わせるモノに反抗を。さぁ、行こう!」
 反抗の先に解放を。解放の先に自由を。自由の先には元通りの景色が広がることを信じて。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『流しヒトガタ『ヒンナ』』

POW   :    ヒンナの権能
攻撃が命中した対象に【最高の金運】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と発生する「死への苦痛」】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    ケガレ
【首くくり縄に変化させた穢れ】【足枷に変化させた穢れ】【手枷に変化させた穢れ】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    増えていく
レベル×1体の、【黒い紙の体】に1と刻印された戦闘用【式神(自身と同じ形)】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●人形見様の細道ジャ
 猟兵達が思い思いの方法で竹藪を進んでいると、不意に何かの気配を感じた。一つ、二つと少ないそれは、やがて十と半分、それ以上に膨らんでいく。一体なんだ、と視線を向けると、竹の間……その隙間という隙間から黒色の薄い『何か』が此方を窺っているのが見えた。上方に丸、横に銀杏型の切れ込みと下方は槍先のように尖っている。それは正しく人のカタチ。人を模した紙であった。彼方よりこの手のものは人を守護する役目を持っている。しかし、猟兵に迫っているものはどうして人に害を為すものにしか見えない。
 そう感じている猟兵に紙の大群は軟体な動きで迫っている。これを討たなければ先に進めない。猟兵達の勘はそう各々に告げる。己の得物を構えた猟兵達に、今度こそ黒紙は襲い掛かってきた。
神代・凶津
おっと、漸く敵のお出ましみたいだぜ相棒。
また、みょうちくりんなヤツが来たもんだぜ。さっさと片付けて先を急ぐぜッ!

雷神霊装でいくぜ、相棒ッ!
「・・・転身ッ!」
先ずは戦い易いように妖刀に雷撃を収束させて放つ斬撃放射で広範囲の竹をなぎ払うぜ。
動き易くなったら高速移動で戦場を駆け巡りながらヒトガタの動きを見切り叩き斬っていくぜ。

ヒトガタが穢れを放ってきたらカウンターで破魔の雷撃を纏った斬撃放射で逆に浄化してやるぜッ!
「・・・御魂まで焼けたならば、それは精進が足りぬ証拠。」


【技能・見切り、カウンター、破魔、浄化】
【アドリブ歓迎】



 ひらひら、くるり。黒い紙の大群が凶津達の行く手を塞いで集まっていく。
「おっと、漸く敵のお出ましみたいだぜ相棒。また、みょうちくりんなヤツが来たもんだな」
「…………身代わり?」
「さてな。それにしても黒すぎだ。んなこと考えるより、さっさと片付けて先を急ぐぜッ!」
 凶津が気合良く声を上げれば桜もそれに頷いた。臨戦の気を感じた紙々もつられるかのように鋭く舞い始める。
「雷神霊装でいくぜ、相棒ッ!」
「……転身ッ!」
 その掛け声は一瞬の轟雷にて紙を周りの竹ごと一閃する。【雷神霊装(スパークフォーム)】の【霊装】から溢れんばかりの雷が『無銘の妖刀』に宿る一撃に、火花散り紙の幾つかは燃え消えた。が、残った黒共は返しとばかりに【ケガレ】を放つ。
「相棒っ!!」
「……分かってる」
 薙いだ衝撃で竹の消えた周囲は動くのに十分な広さがある。桜は一つ二つと身を翻し錦織の様に放たれる【ケガレ】を避けた。
「……御魂まで焼けたならば、それは精進が足りぬ証拠」
 受けよ、と桜の言の葉が再び雷を纏った一閃を撃った。紫雷の竜が如き捌きは黒のケを飲み込み穿ち舞う。
「調子いいぞ! このままやっちまおうや!」
 凶津は笑い、桜は黙して得物を構える。紙はひらりとまだ集まってくるようだった。しかし、何度集まろうが二人は全て斬るのみである。

成功 🔵​🔵​🔴​

荒珠・檬果
(紅紋薙刀を七色竜珠の赤に戻して)
なんぞ、彼らではないか(無意識発言)
はて?何言った私。

しかし、この竹藪だと光遮られるところもあるせいか、彼ら見にくくなってますね…。しかも、薄いのでなおさら。

まだ周りは竹もあるということは。【七色の夢】(状態異常:炎上)の出番ですね。
光は遮られましょうが、見えない衝撃波はどうしようもないでしょう?まして、周りに集まってるのなら。
増えても、その体は紙。燃えますね。
こちらに来ようとしても、焼却の結界術を張りましたので、自滅方向になります。

この先に用があるので、進ませてもらいますよ。


前世関係なので因縁覚えてないです。



 はても、さても、遠い昔の話である。いや、ここで語ることはないだろう。ただ、遠い昔のことであった。神が紙になり、白が黒になる程には。
「なんぞ、彼らではないか」
 ふと、檬果はそう零した。それに応えるかのように黒い紙が幾つも幾つも増えていく。呼声あるか、喚声あるか。其を誘うあの声は。
「……はて? 何、言った私」
 しばしの沈黙から檬果はいつもの声音で顔を上げた。今先程していた行動が思い出せない。しかしそれは仕方なしとして得物を持ち帰る様はいつもの彼女らしいと言えよう。
「うんうん、何もなかった。きっと黒い紙が見えにくかっただけですね。光も薄いですし。うんうん。したらば、これは如何か!」
 そう高らかに懐から取り出したるは透き通った色味を持つ七つ球『七色竜珠』。御球はその内に秘めた輝きを増して黒い紙へと迫る。
「七色よ、その力を発揮せん」
 紡がれる光布は【七色の夢(ナナイロノユメ)】。見えぬ力と熱さにより、集まった黒カミは次々燃え上がった。それ一つ一つが御伽噺によくある宙に浮く魂に似ているのは皮肉か否か。
「この先に用があるので、進ませてもらいますよ」
 集まる紙は檬果の行く手を遮ろうとするも、次々に灰と成ってしまう。上場とばかり檬果は何事もないかのように紙々の中を歩き進んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニクロム・チタノ
不気味な相手だね、こういう敵は厄介なのが多いから気をつけなくちゃ
なるほど、増えるんだね?
なら、降り注げ反抗の星屑
どれだけ増えても数多の星屑で貫いてやる!
散開なんてさせないよ
なんせ鈍足効果もあるからね!
密集して移動力低下状態なんていい的だ
悪いけど容赦しないよ
反抗の竜チタノの導きのままに



 ニクロムの目の前にはまるで竹藪の隙間を埋めるかのような大量の黒い紙がひしめき合っている。全くもって良い光景ではない。
「不気味な相手だね、これは」
 顔もない、声もない、只の紙であるのに気配と殺気はある可笑しな敵。しかしニクロムには意志がある。志が。反抗の竜チタノの加護が。
「降り注げ反抗の星屑」
 そう唱えたニクロムの得物が光る。反抗の竜チタノがニクロムに与えた『反抗の妖刀』……その刀身から繰り出された【反抗解放(チタノギンガ)】は鋭い恒星の欠片を黒紙共に放ったのだ。鈍い音を立てて破れていく紙と、巻き添えに折り目を付けられ動きが鈍くなる紙で竹藪は怪しく鳴いている。
「反抗の竜チタノの導きのままに。さぁ、通してもらおうか」
 遠くまで降り注ぐ流星は紙共には止められない。それでも覆う紙は次々と穴あきに落ちていった。辛うじて動ける折り目歪んだ紙が追うニクロムはもう遠い。チタノの名を背負う背中はそれだけではまだ止まらない。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラガルルク・デンケラ
あらまあ、僕と同じ迷子かしら? それにしては敵意は明確だ。じゃあ僕も攻撃意思を示そう

元々数が多いのにさらに増えて合体する、か。己の利を理解している知性はあるようね
じゃあ自分の棲家も知っているね? どちらにせよ、お家にお帰り。拒否するならばダメージだ
ただ、地形が地形だ。迷いの竹林の中で戦うからには、不意打ちには気をつけないと。竹ごと転送とはいかないだろうからね、誘導弾で誘ったりしながら魔法を放とう
敵の攻撃は脚を動かして悪路なる迷路を駆け抜けてみるよ。先程、竹につけた目印が役に立てばいいね



 思考に至りながら進んでいたラガルルクの前にそれは集まっていた。
「あらまあ、僕と同じ迷子かしら? それにしては敵意は明確だ」
 これが竹に潜む何かだろうか。それにしても元凶とは違うようだ。ラガルルクは自身の前に飛び交う黒い紙達を見てやれやれと溜息を付いた。
「そんなに集まってどうしようと言うんだい。お家にお帰り」
 切り開いた竹の一角に誘導するよう動けば紙はすぐに集まってきた。そこに静かと照準を合わせる。
「お前の事について、もっとよく知りたいな」
 そう言ったラガルルクの手元から【プラズマを纏ったフラワーショット】が放たれる。これは着弾範囲内のラガルルクが指定した対象を文字通りの【棲家】へと転移させるもの。それを拒絶した者にはそれ相応の傷も入る。
「さて、口はないけど教えてくれないかな。その黒が帰る場所をさ」
 しかし、全ては黙したまま。着弾範囲の紙は全て切り刻まれて動かなくなった。どうやら棲家に戻ることは拒否しているようだ。
「そうか、そうか。なら仕方ないな」
 元より言の葉の無い物だ。ラガルルクは広い場所へとまた紙を誘導する。先程作った傷のある竹を背にすれば迷うことはない。方向違えず、そのまま真っ直ぐ進めばいい。この黒い迷子達が戻らぬ意志の固いように。自分の行く道もまた固く変わらない。

成功 🔵​🔵​🔴​

仲佐・衣吹(サポート)
オルタナティブ・ダブル発動!

それじゃ行ってみよー!
分身は僕ことベスト
ルーンソードやカルテを使って精霊属性の連携技で戦うのが好きだよ
僕が先に水属性で戦場をずぶ濡れにしていくから
続けて氷属性でガッチリ固めて動けなくしちゃうってのはどうかな?
愉快な敵だともっと楽しいよね
遊んでるように見える?
僕が一番本気が出せるのは、楽しくて夢中な時だよ!

足ひっぱんなよ!
本体はオレことサーベル
まぁ悪かねぇな
それでも逃げるやっかいなヤツは、ハサミ撃ちで即ぶった斬ってやろうぜ
んくらい根性あるヤツがいなきゃ、オレも楽しめねぇからな

使う精霊属性は敵に合わせて変更可
使うアイテム技能も好きに選んで下さい



 ばら撒かれる紙々を、冷静に見つめる眼が二つあった。それの持ち主を仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)と人は言う。しかし彼には《名前》がある。サーベルという名前があるのだ。
「はっ。ただの紙切れじゃねぇと思って切ってみりゃ、想像通りの脆さじゃねぇか」
 そう言ってサーベルの撒いた紙屑を楽しそうに見つめる眼が二つあった。それの持ち主は仲佐・衣吹の【オルタナティブ・ダブル】で生成された【もう一人の自分】と人は言う。しかし彼にも《名前》がある。ベストという名前があるのだ。
「あはは。でも数が多くてひらひらしてて……綺麗だと思うけどなぁ」
「こんな黒い奴らがか?」
「凍らせて切れば綺麗だよ! 一筋、一閃! なんちゃってね」
 言葉より早く、紙が動く。それに合わせてベストが魔法剣を振りかざせばあっという間に周りには氷塊が散乱した。それを一思いに薙げば氷は音もなく霧散する。きらきら、薄暗い周りによく映える。
「さて、そろそろお仕舞かな?」
「ああ。……こいつで、最後だ」
 ベストの行動に呆れつつサーベルは得物たるダガーで最後の一枚を両断した。これにより、竹藪は再び静寂と薄暗い緑の空気を取り戻しつつある。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『鬼喰らいの絡新婦』

POW   :    蜘蛛の巣の主
【戦場全体に張り巡らされた糸による拘束】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鋭い脚での串刺しや、鬼の膂力での縊り殺し】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    蜘蛛糸の舞
見えない【程細いが、鋼鉄よりも強靱な蜘蛛の糸】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ   :    可憐なる母蜘蛛
【呼び出した子蜘蛛達の放つ糸】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天御鏡・百々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●生きは好い宵還りは強い
 竹藪での混戦を終わらせた猟兵達は各々がこの迷宮の中心地へと辿り着いたことに気付いた。周りは相も変わらず竹の間であるが、その場だけ少し拓けている。まるで誰かの為に敢えて空けてあるような。と、猟兵達の耳に童子の笑い声が響き渡る。
「あらあらまあまあお客様だわ獲物だわ。ようこそ我家へ竹の魔へ。さあさあお出でおいでませ。楽しい愉しい噺をしましょうそうしましょう」
 滅裂な言葉で韻を踏みながら語り掛けてくる八本足の大蜘蛛……を半身に持つ鬼の少女。これは過去の残像。中身のない只のオブリビオン。何があったかも何をしたのかも今は関係ない。猟兵達は各々得物を手に握りしめた。さぁ、魔を間に戻す時が来た。
ニクロム・チタノ
ようやくたどり着いたけどこのヒトがここのボスだね?
糸を張り巡らして動き難いったら・・・あ、そうだ良いこと思いついたよ!
まずはわざと糸に捕まって動けなくなる
そして捕まえたと思って油断して近づいて来て鋭い脚で貫こうとした時に脚に重力を掛けて上がらなくする
ボクは蒼焔で糸を焼き切って驚いてる所に反抗の一撃を入れさせてもらうよ!
どうかこの反抗にチタノの加護と導きを



 蜘蛛の巣張り子の糸の規模。逝きも孵りも皆平等。十梁十梁、着物の帯よ。視えない意図に止まったのは誰?
「ようやくたどり着いたけど、糸を張り巡らして動き難いったら……!」
 ニクロムの眼下に立ち塞ぐ絡新婦は可笑しな言葉を並べながら周囲を糸で囲んでいく。竹の間が蜘蛛の糸で真っ白になる様は逃げられぬ檻のようであった。
「んー……こうなったら……あ、ああぁ~~~~糸が絡まって動けなくなっちゃうな~~~~」
 声を上げたニクロムの足は確かに蜘蛛の糸が絡みついている。絡新婦は声の上がった方へ顔を向けた。勿論、ニクロムの足もしかと目に焼き付けた。
「あらあらあらあらまあまあまあまあ御飯物だわ得れしいわ。今宵は沢山召上れるわ」
 またも滅裂な言葉を吐く八本足がニクロムへ近づいていく。……が、それは寸での所で地に落ちた。
「あら? あらあらあらあら????」
 動かそうにも上手く上がらないそれに脳が追い付かないのか、絡新婦は不思議そうな顔を隠さない。目線は自分の足先から動かず、まさか目の前のニクロムが既に糸から抜け出しているのにも気付きすらしない。
「よし、成功! さて、反抗の時間だよ」
 ニクロムの手に握られ掲げ上げるはチタノの声音。どうかこの反抗にチタノの加護と導きを。動けぬ蜘蛛奴にそれは重く振り下ろされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

神代・凶津
あの蜘蛛女がこの竹藪で起こっている怪異の元凶か。ならコイツをぶっ倒せば事件は解決だぜッ!
「・・・怪異祓い、始めます。」

風神霊装でいくぜ、相棒ッ!
「・・・転身ッ!」
先ずは周りの蜘蛛の糸が邪魔だな。この竹林に吹く風を操って蜘蛛の糸を排除する。
動きやすくなったら蜘蛛女に近付いて薙刀で攻撃だ。

子蜘蛛を呼び出しやがった。あの糸に絡まったら厄介だな。
「・・・なら、風の力で。」
おうよ、風を周りに纏わせて放たれる糸を吹き飛ばしてやる。そして子蜘蛛を薙刀でなぎ払うぜ。
蜘蛛女が少しでも動揺したならその隙に風を操り浮遊して上から破魔の力を宿した薙刀で叩き斬ってやるぜッ!


【技能・浮遊、なぎ払い、破魔】
【アドリブ歓迎】



 網編羅網命を紡げ、網羅編在身形を繋げ。其処退け底避け嵐が徹る。
「あの蜘蛛女がこの竹藪で起こっている怪異の元凶か。何言ってるか分かりゃしねぇがコイツをぶっ倒せば事件は解決だぜッ!」
 凶津の言葉に桜が頷く。支離滅裂な言葉は変わらず、絡新婦はにこにこと笑みを浮かべたまま足に掛かる衣を揺らした。その下から這い出てくるのは彼女の【呼び出した子蜘蛛達】であり、通常の蜘蛛より倍はある体躯からそれぞれ糸を吐き出してくる。
「チッ、ありゃ厄介だ。風神霊装でいくぜ、相棒ッ!」
「……転身ッ!」
 言うが早く、凶津達の周りを大きな風の衣が包んでいく。蜘蛛の糸は耐久力自体ないのか憐れに千切れ飛んでいった。
「……怪異祓い、始めます」
 構えた薙刀に風が集う。刃は見えぬ圧の衣を纏い、より強大な力となった。それを凶津達は一閃する。糸と共に蜘蛛も、絡新婦も巻き込む風の流れは竹を大きく撓らせ揺らし、音は一層大きくなる。
「竹の在竹の在……ああ、麗しいこと」
 割かれた衣をそのままに、絡新婦はその騒音に耳を澄ませうっとりとしている。自分の体に受けた傷も気にしないまま。
「うわぁ……気味が悪すぎんだろ……相棒、さっさと仕留めるぞ」
「…………分かってる」
 再び構えた得物を、絡新婦はやっと見た。抵抗の気はあるようだ。二人は、それでこそ、ともう一度薙刀を振りかぶり、相手を薙いでいく。

成功 🔵​🔵​🔴​

荒珠・檬果
乗りかかった船というやつです。最後までいきますよー!

おう、蜘蛛糸そこら中にありますね。焼却して破いちゃいましょう。
あとですね、ここ、ほどほどに狭いですよね?
ならば…【兵貴神速】発動!どれだけ拘束し刺し貫こうとも。これだけの数を全てそうはできないでしょう?動けないでしょうし。
とあるゲームで例えると、騎兵ハウスである。
(※前回被害者:二の王笏)

私は後方から、七色竜珠によるビームしますね。ええ、目の前に騎兵隊がいるので、自然とそうなるんですよ。



 彼方此方貴方其方。仮名哉金奏。葉音が響く。
「狭くて丁度いいと思ったのでここは速さで攻めましょう」
 不可解な言葉を並べる絡新婦に臆することなく、周りの蜘蛛の巣を焼き払った檬果は自身の目の前に【兵貴神速(ゴッドスピードストラテジー)】を展開する。【白い光を纏った召喚騎馬兵】はその数で場を埋め尽くし、相手の足場すら無くそうとしている。
「ふふーん。これだけの数を全て拘束はできないでしょう? そもそも動けないでしょうし」
 条件は檬果も同じであるが、手に持つ得物『七色竜珠』の遠距離狙撃は確実に大きな蜘蛛の体を捉えている。その放たれる閃光は絡新婦の右足関節を焼いた。
「多いわ。覆いわ。とっても沢山。ああ、嬉しいわ得れしいわこんなにこんなに……在るなんて」
 絡新婦はそう笑い、【残った張り巡らされた糸】を前列にいる【召喚騎馬兵】に絡めた。負傷していない足が動かない兵達を惨たらしく串刺しにしていく。
「むむむ、ちょっと攻撃手が緩みませんか。でも、押し切るのみですね!」
 少なくなる【召喚騎馬兵】に指示を出し人海の波を作る檬果の目は新しい戦術を披露する為目をキラリと光らせた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ラガルルク・デンケラ
おうおうご招待ありがとうよ、おひいさま。竹を絡めて蜘蛛の巣とは洒落た考えをするね……おっと、居座るのは遠慮しておくよ。長居はしないからね

さて食べられるのも遠慮したいなあ。食べるのも、僕は虫食はそんなにでね。包囲攻撃で一掃と行こうじゃないか。おや、おやおや蜘蛛糸は避けないと僕の魔法は発動出来なさそうだね! 封じるだなんて、意地悪なのね
だが、体力は続くかしら。僕は非力だが体力は無駄にある羅刹でね、我慢比べは得意なものよ
……まあ、その無駄にある体力も、使えば一気に枯渇するのだけれどね。うん、良い勝負だね、うん、バテてないよ?
こういう時の、為の無酸素詠唱だ。魔法をかけた靴でも、歩き回ると、疲れは来るね



 操り竹間の御姫様。追いしそうで、負いしそうで、老いしそうで。貴方は貴女は彼方はどうかしら。
「おうおうご招待ありがとうよ、おひいさま。竹を絡めて蜘蛛の巣とは洒落た考えをするね……おっと、居座るのは遠慮しておくよ。長居はしないからね」
 狂った言葉に返したラガルルクは冷静に周囲を取り囲む小さな蜘蛛の位置を把握する。この蜘蛛の放つ糸に捕らわれたら最後、猛攻撃に晒されるのは目に見えているのだ。慎重に。そして、正確に。蜘蛛が動くその隙をついてラガルルクの足は糸を少ない動きで回避する。
「燻る黎明は光裂く毒の花。発火した煙霧は独の奏律を汚染するだろうよ」
 そう口にされた言葉はラガルルクの手で描かれた幾何学模様と共に【直線状に放たれる極太のプラズマスパーク】へ姿を変え、絡新婦ごと蜘蛛達を焼き切った。
「篤いわ厚いわ。とても。とっても捕っても盗っても」
「そうか。ではここからは体力勝負だね。こちらは一応体力は無駄にある羅刹でね、我慢比べは得意なものよ。そちらはどうかな」
 この言葉に返事はない。それでも、呼び出す【子蜘蛛達】の手を止めない絡新婦の行動に、応えは得たとばかりラガルルクは闘志の瞳を少し滲ませ笑った。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。



 二つ球があった。球は一つを求めた。でも、玉は、球は、弾は、魂は。そもそも一つになりはしない。
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の目の前には【鋼鉄よりも強靱な蜘蛛の糸】が張り巡らされている。攻撃を受け続けた絡新婦でもまだ糸を張る力は残っているようで、その体力には感心すらしてしまう。
「だからってこのままにするわけにはいかないんだけどねぇ」
 そう言って彼女が用意するのは『カスタマイズドキャバリア "JD-Overed"』。その巨体は絡新婦のみならずその配下の蜘蛛の目線までもを奪い去る。
「さぁ、糸を切るのは刃物だけじゃないってことを見せてあげるよ」
 その音は【暗黒空間に羽ばたく翼とけたたましい怪鳥音】……あまりにも大きすぎる寄音は【レイブン(ウマレカワッタラトリニナリタイシッコクノライダー)】の名を持つ大音波だ。衝撃破ともとれるそれに糸はもちろん、絡新婦も巻き込まれる。
「カタ、カナカタカタカタカタカタカナカタ」
 虫の音を人の口から吐き出す怪異はもう足元に配下を蓄える余裕がないように見えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPDの方がクリアしやすいと判断したら、そちらを使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使う形です。
主に銃撃UCやヴァリアブル~を使う雰囲気です。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
他人の事は気にしない素振りを見せますが、基本、不器用なので、どう接したらいいのかわからない感じです。
ですが、合せるところは合せたり、守ってあげたりしています。
特に女性は家族の事もあり、守ってあげたい意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。



 カナカタカタカタカタカタカタカタカアカタカタカタサカタカタカタンカタカタカタカタカタカタ。
「さて、始めるとしよう。……最後の幕引きをな」
 アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)は最早音だけになった絡新婦の言葉にそう返した。怪異の野放しは出来ない。絡新婦が何を求めていたのかを詮索する気はない。だが、たった一つの慈悲として痛む苦しみを取り除いてやれるのなら。傲慢で自己中心的な感情であるのかもしれないが、それがアスに出来ることだと胸に秘める。
「撃ち貫け、イーグルショット!!」
 愛用の『ブルーブラスター』が放つ【イーグルショット】が絡新婦の胴体に巣食う心の臓を穿つ。空虚に空いた穴は見事に敵の致命的箇所を射抜いていた。ぐらり、と体勢が崩れていくのを、得物を構え続けるアスは見送る。
 最早【それ】に言葉はなく、言音もなかった。紡がれるものは一つとして空気に消え、やがて辺りは明るくなる。そこにあった迷宮は消え、ただの竹が一つだけ群を離れて生えているだけであった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年06月02日


挿絵イラスト