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ブラキエル決戦編~石よ、翼よ~

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ブラキエル #オウガ・フォーミュラ #石化 #状態変化 #固め

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 ここは古代城壁都市サーマ・ナト。石造りの古く四角い建物が立ち並ぶ。
 住人は色取り取りの布をかけて自身の住居を指し示し、街のあちこちには古代文明ゆかりと思われる様々な残骸が整備も半ばに転がり飾られている。
 訪れた多様な種族が集まり、近くにある多数の遺跡に通う為の足掛かりとして拠点にし過ぎた結果、都市の規模は一国の大都市に近い程に拡大された。

 それは夜に起きた。月から、巨大な何かが落ちて来た。
 それはサーマ・ナトの中心部の上空に寸での所で止まり、浮いた。
 それは翼を纏った卵の様だった。
 その翼の卵は、否、「天使」は、翼の中から、彼を見て驚き指を差す都市の人々を、ゆっくりと、見下ろしていた。

「わが友よ」

 翼の卵が、開いた。

「恐らくは、最後の手段となるだろう」

 中から、鳥が。
 無数の、鳥が。
 岩を纏った、鳥が。
 眼光を赤くし、爆ぜるように飛び出し、城壁都市の者達に、蹂躙せんと襲い掛かる。


「こんにちは。今日はおっきな戦いに参加してもらうよ!世界はアックス&ウィザーズ!」
 グリモアベースで君達を迎えたのは、グリモア猟兵のポーラリア・ベル(冬告精・f06947)だ。
 新調したのか、今回の彼女のグリモアの一室はちょっと変わっていた。
 水族館にあるような円柱の巨大なガラスケースに、バーのカウンターの様な出っ張りがバウムクーヘンの様に取り付けられている。
 カウンターの上で妖精が両手を広げると、ガラスケースに大きく彼女の姿が映る。
「アックス&ウィザーズの猟書家さんのリーダー、おっきな天使のブラキエルさんっていうのが、大規模殲滅作戦を仕掛けてきたの!映像映すね」
 ポーラリアは掌級の雪だるま型グリモアを込めた手をガラスケースにタッチすると、ガラスケースから映像が浮かび上がった。

 巨大な石造りの都市に、無数の鳥が襲い掛かっている。
 鳥は小さいのと大きいのがいた。
 1メートルくらいのサイズの小さな鳥には少女が乗って、都市の住人達を石に変えている。
 鳥の翼はごつい岩で出来ており、さながら岩のコカトリスのようだった。
 少女の腕も岩で出来ており、万一と飛び掛かってきた居住の冒険者達を力任せに掴んでは投げ飛ばす。
 2メートルを超えるサイズの大きな鳥は、小さい鳥の指揮をしていた。
 その身体は見たことも無い質感の鎧で覆われており、ここまでたどり着いた冒険者達を目を光らせて石に変え、竜巻を起こして吹き飛ばしていた。
 そして都市の中央、それら大小の鳥を束ねるが、大きな翼を羽ばたかせ、後光を神の如く光らせる、猟書家。
 オウガフォーミュラー、大天使ブラキエルであった。

「みんな逃げたり戦ったりしてるけど、猟書家さんが強化して放った鳥さんが予想以上に速くて強くて、このままだとみんな石になっちゃいそうなの!」

 ポーラリアの話によると、住民達は外側に逃げ惑いながら、戦える者は戦い、ブラキエルの軍勢の進行を食い止めているらしい。
 だが時間の問題だった。先に言ったように、彼らは強くて速い。
 城壁の外からは既に回り込まれ、まるで古代の彫刻の名残めいた遺品の一部めいた石像になって転がる者が、一人、また一人。
 そして映像から見えるブラキエルの眼光は、一人も逃がすまいとする威圧的な眼光をしていた。

「みんなも急いでこの戦いに参加して、大天使さんをやっつけて欲しいの!」
 ポーラリアは映像そのままに、ベル型のグリモアをもう一方の手から取り出し、転送の光を作り出す。

「えっとね、今転送するんだけど……直接ブラキエルさんの所に転送はできなくて、ちょっと離れた所に出るの。まずたくさんいる『小さい鳥と女の子の群れ』を倒しながら進んで、多分お邪魔してくる『指揮してるおっきな鳥』を倒してから、『都市の中心に居るブラキエル』と決戦になると思うの。頑張ってー!応援してるー!」
 せめてものエールを、グリモアを持つ手を振りながら、ポーラリアは猟兵達を見送った。


 冒険者達と猟書家。
 既に大混戦が始まった戦場のやや中心辺り。
 徐々に蹂躙されつつある都市の中、転がる2つのツボがあった。
「は、わわ。おっきな街にふらりと寄ったら大変な事になってたの」
 壺の一つから、ぎゅう詰めの動物の頭と共にフェアリーが顔を出す。
「やぁ、大変な事になってるね。何かボクも手伝える事があればいいんだけど」
 もう一つの壺からもやや薄汚れたフェアリーが顔を出す。
 するとそんな二人の懐から、何かが輝きだした。
「えっ?」
「これって確か……猟兵さんが言ってた、天上界の……」


古塔
 こんにちは。
 このシナリオは古塔マスターがオウガフォーミュラー、猟書家の大天使ブラキエル決戦をお送りします。

●目的
 石造りの城壁都市サーマ・ナトで、住民全滅プレイに勤しむ大天使ブラキエルをしばく。

●状況
 襲われ始めのやばい所で、都市の入り口に入った辺りからスタートです。
 古風で遺跡っぽい街の中で、3章フラグメント全部鳥さん(と大天使)との戦闘となります。

●1章
 1メートルくらいの鳥さん(とそれに乗った少女)の軍勢と戦います。
 みんなを石にしてきます。
 大天使ブラキエルの力によって腕部分に岩を纏い、いつもより強化されています。
 周りの冒険者達も援軍として戦っています。
 協力すると少しながらプレイングボーナスが付きます。

●2章
 2メートルを超える、1章の敵を指揮してるかの様な腹心級オブリビオンが立ち塞がります。
 みんなを石にしてきます。
「絶対物質ブラキオン」
 と呼ばれる、未知の単一物質で出来たやべー鎧で凄い防御力をしています。
 倒す為には、鎧の隙間を縫って攻撃する(難しい)か、もしくは……。
 詳しくは2章になった時に。

●3章
 街の中心部に居る大天使ブラキエルとの決戦です。
 みんなを石にしてきます。
 必ず先制攻撃をしてくる強敵です。
 どうかお気をつけて。
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第1章 集団戦 『石化コンビ『コカメデューズ』』

POW   :    かわいいわたしを見て見てー?
【視線】が命中した対象に対し、高威力高命中の【石化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    裸婦像にしようよ~?(どうなっても知らないっス)
【石化毒が含まれるコカトリスの嘴】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    (石化ブレス…喰らえっス!)
【コカトリスの嘴】から【広範囲に石化ブレス】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

全てを石に…無関係の人々を巻き込むなんて許せませんね!
石化には石化で対抗!【メデューサの矢】で石化合戦ですよっ!
冒険者達は相手の動きを止めるだけで良いです!そこに矢を撃ち込んで石像に変えていきます!
逆にもしわたしが石化される際は冒険者達を逃がしつつも【石化ポーション】を投げつけて敵の追い討ちを妨害していきます




 街が蹂躙される。
「みんなー!遺跡の建造物のお仲間入りになる覚悟はできたー?」
「クエエエェェ!!」
 外側の建物に緊急避難したA&Wの者達に襲い掛からんとする、怪鳥コカトリスとその背に乗る怪物メデューサの少女。
 両者ともに見た者を石に変える眼光を使い、おまけにコカトリスからは石化効果の豪風をもたらすブレスまで備えている。

「怯むな!撃てー!」
「石化解くポーションは!あったな!」
 矢を放ちながら後方でプリーストが魔法や薬をかけてもとに戻そうとするも。
「だ…駄目です!効きませ」
 回復を試みていたプリーストが突如石化のブレスに巻き込まれ、物言わぬ石像と化した。

「あ、可愛い。ねえコカトリス、あいつの服砕いて裸婦像にしようよ」
「クエェェェ!!(今そんな事してる余裕あるッスか!?)」
「させるかぁ!」
「っきゃあぁ!」
 飛び掛かった冒険者の剣閃が石化コンビの身体を切り裂くと、彼女達は光に包まれて消滅する。
「よくもやったわね!(クエェェェ!)あんたも裸婦像化決定よ!やってコカトリス!(クエェェェ!?)」
 まだ諦めてないの?と言いたげな石化コンビの増援が、矢次早に冒険者を囲む。

 サーマ・ナトの者達は飛び掛かって剣を振るったり魔法を振るったりし、何体か撃ち落としているものの半分近くは見事に回避。
 カウンターで石化攻撃を喰らい、どんどんその体を石くれに明け渡していた。

「んふー。強ぉい人達を石に変える私可愛い。一緒に戦ってくれるコカちゃんも可愛い。みんなー!もっとわたしを見て見てー!」
 そんな風に1体のメデューサが両手を挙げてアピールしながら石化の視線を放とうとした時であった。
「ぎゃ!?痛……えっ嘘、動け…な…」
「クエェェェ!?(どうしたッスか!)」
 メデューサは脇腹に矢を受けると、そのまま動かなくなり、着撃個所からみるみるうちに石化していき、バンザイ姿の石像となってコカトリスの上から街に落ちた。

 その矢を放った人影を見た時、冒険者達はうなりをあげた。
「その異様な姿とオーラ!」
「アンタ猟兵だな!加勢に来てくれたのか!」
「はいぃ!」
 うさ耳とうさ尻尾を生やした可愛らしいキマイラの男の娘、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)が真っ先にグリモアから転送。
 やってきたぞ!第六の猟兵がこのステージに!

「急に来たと思ったら街の人々を巻き込んで全てを石に…」
「なんだ譲ちゃん、あの卵みてーなの知ってるのか?」
 戦闘中ながらも冒険者が訪ねる。
「えっ?そうです!あそこにいる大天使さんは各地で人類をみんな石に…じゃなくて、殲滅しに来てる悪い奴なんです!ここはわたしにお任せください!」
「あいつの光を浴びた奴は真っ先に石化したんだが、言い直した…?純粋に殺しに来てるのか?」
「ふぇっ?あ、お気になさらずに!どんどん行きますよ!」

 テフラは矢をつがえ、石化の呪いの籠った矢を次々と石化コンビ・コカメデューズに撃ち放っていく。
「猟兵さんじゃない人は相手の動きを止めるだけでいいです!できれば逃げて欲しいのですが!」
「あんた一人にやらせるかよ!可愛い嬢ちゃん!」
「ちょっと聞き捨てならないわね。可愛いのはわたし……あっ、あいつ!」
 コカメデューズの一人が声をあげる。
「ちょっと、どこかで見たことない?」
「えっ?」
 突如コカメデューズは攻撃を控え、次々とテフラを囲んでいく。
「ちょちょちょちょっと!ボク何かしました!?大天使さんと戦うのも初めてなんですが」
 驚き慌てるテフラは何故か顔を赤らめて興奮的だ。口調も変わっている。

「各地のコカメデューズが噂する、西に東に石化とあればホイホイやってきて石化する……特殊系ドMウサギキマイラのテフラ(f03212)じゃない?」
「え?ええぇ!?」
 聞いて欲しい。テフラと呼ばれる彼とコカメデューズは宿敵関係にある。
 彼女達はオブリビオンになる前、テフラとは何かの因果かどこかで縁があったのだろう。
「……うん。よく見るとアンタも中々可愛いじゃない。殲滅優先変更!このテフラっ娘を二度と元に戻らないようにしてブラキエル様に献上するわよ!」
「クエエエェェ!!」
「具体的には裸婦像に変えてお持ち帰り、その後ブラキエルの力で、石の材質をブラキエルに変える!そしたらまあ戻らないでしょ。多分。」
「ブラキエル彫像化ですか!!?」
 ブラキエル。良く分からないが何か凄い未知の物質らしい。
「そ、それは固められたらどんな気分に……いえいえ!そんな事絶対にさせません!」

 テフラは次々と石化の矢をつがえ、コカメデューズを撃ち落としていく。
「クエエエェェ!!」「きゃあぁぁぁ!!」
 次々と命中しては石像と化して落ちていくコカメデューズ。
「まだまだ!」
 次に当たりそうなコカトリスは岩腕となった翼を翻し、その矢を岩で受け止める。
「お返しよ!やっちゃえコカちゃん!」
 メデューサの号令と共に防いだ矢が飛んでくる!
「わわわわっ!まるで石化合戦ですっ!」
「大丈夫か嬢ちゃん!」
 石化の矢から逃げ惑い、命中しそうになった矢は戦闘中の冒険者が盾で防いだ。
「悪い。相手の動きを止めようにも難しいわ!」
 冒険者が告げる。
「あっ、いえ大丈夫です。こうして攻撃を受けてくれるなら…えいっ!」
 テフラは大量に矢をつがえて上空に放射!
「曲射だったかしら?そんな見え見えの対空攻撃、避けてコカっち!」
 メデューサを乗せたコカトリスはひらりひらりと空中で躱していく……筈だったが。
 1体、また1体、回避の先に山なりに落ちて来た矢がコカメデューズに刺さっていく。
「あっ!?」
 叫びをあげたコカメデューズが一瞬にして石化、墜落。
「どうですか!」
「なっ、何ですって!」
 テフラもまたコカメデューズの宿敵。彼女達の動きの癖はなんとなくわかるのだった。

「こうなったら作戦変更よ!コカ!やっちゃって!」
「クエ!クエエエェェ!!(いたた。あいつを狙うっスね!)」
 メデューサにばしばしと叩かれたコカトリスは、口から灰色の煙を溜めて、冒険者を狙う!
「あっ!ブレスが来ます!皆さん逃げてください!」
 テフラは(準備万端というかの様に)両手を広げて冒険者達を庇いながら、叫ぶ。
「言ったろ!嬢ちゃん。俺達があいつらの攻撃を防ぐぜ!」
「いえ、作戦があるのです!」
「なにッ!?」

「クエエエェェ!!(石化ブレス…喰らえっス!)」
 宙に浮くコカトリスからの、一斉飽和広範囲石化ブレスが、辺り一帯を包み込もうとした時。
 テフラが勢いよく、コカトリス達に何かを投げる!
「クオォォォ!?(んぐぅ!何か飲まされたッスー!?)」
 それは丸型フラスコに入ったポーションだった。それもテフラが用意する物だからただのポーションではない。
「ク…クカ…(…………)」
 石化ポーションだ!
 怪しげな石化ポーションを飲まされたコカトリス達は口の中で石化ポーションと石化ブレスが暴発、浸透。
 たちまち1メートル級の鶏の石像となって、ゴトゴトと街の地面に落ちていった。

「やりました!今のであらかたこの辺りの敵は……あれ?」
 今落としたコカメデューズの石像に、コカトリスに乗っていた筈のメデューサがいない。
「あっ!?いつの間……」
 危ないと叫ぼうとした冒険者達もあっという間に石化し。
「え?」
 何か得体の知れない危機感を覚えたテフラは振り向くと。
「つーかまーえたっ♪」  
 そこにはテフラを岩の腕でハグして、石化の視線を光らせる可愛いメデューサ達が!
「えっ!?ああっ!そ、そんな……」

「やったやった♪可愛い兎のおにいちゃんおひとり様、ブラキエル様にご案内ー♪」
 メデューサの少女達は街中、見事に不意を突かれて石化したテフラを、愛しそうに複数人で抱きかかえながら、奥へと引きずっていく。
「あっちょっと、他の連中はどうしよっか?」
「……わたし達、残ってる人数は?」
「6人ー」
「コカちゃんも全滅した今、勝てると思うー?」
「「怪しいー!」」

 というわけで、テフラは石化したまま、次の戦場へとお持ち帰りされていったのだった。
 この戦場でまだ戦う者は、他のコカメデューズ部隊に任せて。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ニクロム・チタノ
ブラキエルめ、これ以上はやらせない
その侵略に反抗するよ!
沢山の人が石になってるよ、ひどいことお
あの鳥に乗った女の子がやったんだね?
あの岩石の腕が厄介だね
接近したいけど近付いたら捕まっちゃうそうだ
重力波を放って防御させてそのまま接近、でもその間に迎撃準備が済んじゃうね?
迂闊?それはどうかな
重力波は相手に放つだけじゃない、重力波ジャンプ、この距離じゃ岩石の腕は使えないね?
嘴にも重力波を食らわせて隙アリだよ!
反抗の一撃を受けてみろ!


ステラ・エヴァンズ
あまりいい思い出がなかったとしてもA&Wは私の故郷…好き勝手していただくわけには参りませんね

まずは自らに結界を張りまして石化ブレスから身を守ります
次いで高速詠唱にて目に入った全ての人に同じく結界を
その方々に解除術なりアイテムなり使って石化解除しながら他の方を救出していただき、防空壕のように四方を囲まれた場所があればそこへ避難してもらいましょう
皆さんの事、お願い致しますね

さて、鳥さんが多いですが…数ならば私もご用意できますね
UCを攻撃力5倍、装甲半分にて発動
お相手は私ですよと皆さんから注意を反らすようにあちらこちらと誘惑して動かしながら光線を放って攻撃

鳥さんは好きですが…悪い子にはお仕置きです!




 激しい戦火と石化の煙が舞う戦場の中、突如としてあり得ない方角から光が迸る。
「な、なんだ!?」
「何!?」「クエェェェ!?」

 現れたのは、反旗を掲げた、多数の妖刀を携える、半面をつけたセーラー服の銀髪ツインテール少女。
「猟兵、ただいま参上!残ってる人はいる!?ボクは反抗の竜『紅明日香』(反抗者・f32208)。ブラキエルの侵略に反抗する者だよ!」
 そしてもう一人。今しがたコカトリスから放たれた石化ブレスを巫女の結界で防いだ、青髪で和装の女性。
「まだ石になってない方、居られますね?ステラ(泡沫の星巫女・f01935)とお呼びください。皆様の避難を助けに参りました。」

 ステラが手をかざし、光の結界を起こすと、バリアの様に近くの冒険者と建物が攻撃から護られる。
「うわっ!なにこれぇ!?」
「クエェェェ!(攻撃が効かないッス!?)」
「コカっち、ここは物理で行くよ!ブラキエル様から携わった、岩の、腕ー!」
 ガシンガシンと鈍い音を立ててステラの結界を力任せに殴っていく少女とコカトリス。
 特にコカトリスの岩翼腕が痛い。純粋にサイズが大きいからだ。
 
「もしかして結界の中から攻撃出来ないと思っているかい?」
 紅明日香が妖刀を構える。その刀には蒼き焔が宿り、更に超振動を起こして不可思議な光の歪みを起こす。
「絶命せよ――フォールンインパクト!」
 振り抜く一閃が重力波を起こし、破壊の力となって少女とコカトリス、コカメデューズに襲い掛かる!
「クエェェェ!!」
「あっ、コカちー!」
 メデューサの隣で結界を叩いていたコカトリスの岩腕翼が片方、ありえない方にへしゃげて破壊される!
「反抗の時だ!どんどんいくよ!」
「くっ、一時撤退!戦略練り直すわよ!」
「クエェェェ!(あの結界どうしたものっスかねー!)」
 ばさばさと羽ばたくコカトリスの群れに乗ってメデューサ達が逃げていく。
「あら、撤退ですか?では今の内に」ステラが言うと。「そうだね今の内に」紅明日香もうなずき。

「反抗の追撃だ!」
「皆さんの保護を」

 真逆の方針に一瞬固まる二人。
「……あ、ああうん。ボクそういう方向で行くから、宜しく。」
 紅明日香はあまり他者と喋り慣れていない。取り繕いながらも目先に帆を向けようと、そそくさと駆けだしていく。
「そうですか。では時間稼ぎ、宜しくお願いしますね。」
 対してステラも他人行儀。常に距離を保つ性質。
 単騎特攻の紅明日香を特に諫めも呼び止めも無く、自身の目的に従事を開始した。


 少し、空を見る。
 澄み渡る景色は夜空。
 満点の星と、それを映す闇は大天使ブラキエルの後光の余波で白く輝き、割と昼の如くに明るい。
 ブラキエルが落ちてきたという月は、この世に飛び込んで来る為の衝撃かやや煙に包まれ、ほころぶ様に霞んでいるが。
 壊れた建物は光に反射して薄黄緑色に輝き、かがり火……あの火の灯りが多き場所に、逃げた人がいるだろうか。
「A&Wは私の故郷。…たとえあまりいい思い出がなかったとしても」

 ステラは駆けだす。
「そこな冒険者様方、一旦後方へ避難を。この場の護りを盤石にしたく」
「だ、大丈夫なのか!?」
 さっきまでステラ達の前に戦っていた冒険者は狼狽え、その隙にステラは冒険者に手をかざし光を纏わせる。
「うおっ!?」
「結界です。万一不意を受けても簡単には石化しないでしょう。」
「そんな事が……」
「まだ動ける人全員に施すつもりで御座います。」

 次にステラは戦場に転がる石像を見る。
「私に出来る事は祓う事と、護る事……。」
 コカメデューズに石化された冒険者を治すのは、彼女には難しい。
「すみません、今は戦うよりも避難を。石化した者達をどこかに避難させる事は出来ますか?」
「ああ、すまねえ!外壁宿はあるにはあるが、手狭のぎゅうぎゅう詰めだ!」
「建物よりは、防空壕の様に四方を囲われた所等あれば」
「そんな事急に言われてもな。」
「おい、あそことかどうだ?」
 急に多数の冒険者が集まり、何やら話し出す。
「……分かった!事が事だ。何とか話をつけに行こう!来てくれ!」
 僅かでもと石像を抱えながらステラは冒険者達に案内され、都市外側近くの宿へと急行する。
「あてがあるのですか?」
「今から、店やってる奴らの店の地下を解放させてもらう。あいつらごねるわ宝隠してるわで、この緊急時でも断固として開けてくれないんだが……」
「わかりました。私も話せるだけ話してみます。」
 解放されれば地下に石像を置ける。その場が石化被害者達の救護地点となるだろう。
「治せる方は居りますか。」
「いるにはいる!けど、普通の石化より治りが遅い!いつまでかかるかわからんぜ」
「解除用のポーション等あれば、できれば幾つか私に」
「万一の為か!」
「万一の為です。」


 紅明日香が逃げていくコカメデューズを追う。
 その際、街のあちこちを見る。
「沢山の人が石になってるよ、ひどいことお」
 驚く住人、樽を運んでる最中に襲われ慌てるな柄も抱えたまま石化して倒れる住人。
 金槌を掲げて反撃しようとするドワーフも、その金物まで全て無機質な石となって、無惨に壊れた街の中で佇んでいる。
「やったのはあの鳥と、鳥に乗った女の子か……。」

 すると紅明日香の頭上を大きな影が覆う。
 コカメデューズの増援の大群だ。
 そして気が付くと紅明日香の目前に居るコカメデューズも振り返って彼女を見た。
 その手には、そのコカトリスの足には、壊した建物の残骸岩が掴まれていた。
「私達のパンチで駄目なら~、もっと強いパンチならどうかな~?」
「って、さっきのバリア女いないの?残念ー」
 怪力か、コカトリスに乗るメデューサは片腕に岩を乗せながら『相手になるのかしら』と言いたげに紅明日香を見下ろしている。
「ああうん、あの人とは別行動だよ。ボク一人でも皆、倒せるからね!」
 妖刀を構え、紅明日香は反抗の構えを取る。
 一触即発の空気が辺りを包む……。

「あっそ。それじゃあアンタは裸婦像逝き、決定って事で~!」
「クエェェェ!(まあ先に事物理攻撃ッスけど!)」
「クエェェェ!(潰されたらそれまでっスー!)」
 コカトリスの足から大岩が離される。無数の岩の絨毯爆撃が紅明日香を襲う!

「無駄だよ!」
 紅明日香は素早いステップで岩を躱し、当たろうとするものは尽く妖刀で切り捨てていく。
「迂闊~っ!そんな所に逃げるなんて」
 メデューサの声が聞こえた時、紅明日香の背に岩が当たる。
 気づくと当たらなかった岩に囲まれ逃げ場のない状態に陥っていた。
「終わりよ!岩の瓦礫に埋もれた所で、石化ガス流し込んであげちゃうんだから!」
 無数の岩が紅明日香に向けて投下されていく。
「迂闊?それはどうかな」
 紅明日香は突如妖刀を地面に突き刺すと、円を描いて周囲の地面がいきなり上に浮き上がる。
「なっ、何よそれ!?」
「クエェェェ!?(浮いてこっち来てるッス!?)」
「重力波ジャンプだよ!そして飛んでくる岩は…!」
 更に紅明日香は重力波を周囲に展開。投下された岩さえもミキサーの如く岩を弾き、削り飛ばしていく。
「あぁーん!でも空中じゃあ身動き取れないんじゃない?」
 悶えたメデューサ、そしてコカトリス。宙に浮いた紅明日香にメデューサが投げた岩が迫る。
「全然っ!むしろ同じ高さでやりやすいってね!」
 紅明日香は重力波で削りもせず、浮いた地面を蹴り、飛んできた岩を蹴り、空中を、舞い猛る竜の如き動きで跳び回り、コカメデューズに妖刀を向けた!
「コカっち!ブレス!」
「クエェェェ!」
 それをブレスで迎撃しようとするも。
「甘いよ!」
 手をかざし重力波で無理矢理コカトリスの口を閉ざす!
「だったら嘴!突いて石にしちゃえー!」
「クエェェェ!(もうヤケっす!やってやるッス!)」
 無理矢理岩の腕翼で急加速するコカトリス!
 だが紅明日香が手をかざし更に重力波を強めていくと、その勢いも落ち……。
「反抗の一撃を受けてみろ!」
「クエェェェー!」
 紅明日香の妖刀がコカトリスを真っ二つに切り裂いた!

「……メデューサは!?」
 だが乗っているメデューサの手ごたえがない!見失った!?
「こっちよ!」
 切り裂いたポーズの背中、紅明日香に重い衝撃。
 空中に跳んだメデューサが岩の腕で紅明日香を抱きしめていた。
「くっ」
「この距離じゃそのおかしな力も使えないみたいね~?」
 にやりと笑むも、纏う蒼炎に火傷し汗を流しながらも、離してくれないメデューサの少女。
「……迂闊だった。岩腕とコカトリスばかりに気を……!」
 落下していく紅明日香達。岩の腕で強化された力による羽交い絞めは猟兵の力でも中々解けない。
 そんな彼女達を包囲するかの様に、他のコカメデューズ達が飛翔。突っ込んで来る!
「私達は数いるの。一人二人犠牲になって猟兵さんをやっつけられたら……ね~?」
「クエェェェ!」
「さっきの兎さんみたいに、裸婦像にして」
「ブラキエル様に献上してあげるーっ!」
 重力波の狙いもおぼそかにコカトリス達の嘴が迫る。
 あわや、反抗の英雄は無惨にも真裸の石像となり、文字通り侵略者の礎となってしまうのか。そう思われた時だった。
「クエェェェー!?!?」
 周囲のコカトリスが突如光り、爆ぜる!
「きゃあっ!」
「なになに~……あーっ!」
 更に落下するメデューサも残らず、飛んできた光弾の直撃を受け消滅!
「な、何が起き……ふみゃっ!」
 地面に落下したコカメデューズは衝撃で紅明日香を離してしまう。
 転がる体からかろうじてその眼で見たのは、光を纏い、光の珠を周囲に浮かせる、青髪の巫女。
「げっ……ここでさっきの!」
「……どうやら反抗の目は潰えてないみたいだよ!」

 ステラだ!
 ステラが一通りの処置と指示を急いで終えて、戦線に復帰したのだ!
「これ以上好き勝手していただくわけには参りません…悪い子にはお仕置きです!」
「むーっ!生きるために私達も必死なんだから!そんな光、私のビームで!」
 ステラが手をかざし、光の珠から光線を放つ。
 それをぱちくりウインクし、目からせくしぃ(メデューサ談)な石化の呪いを放って迎え撃つメデューサ。
「……あ……っ」
 彼女は横から来た斬撃により、呪いを放つ前に倒れて消滅した。
「ボクを忘れてもらっちゃ困るよ?」

「増援、来たわよ!」
「クエェェェ!(戦力手薄と聞いてきたッス!)」
 中央のブラキエルが更に羽ばたき、コカメデューズの部隊を新たに繰り出してくる。
「あら、まあ。鳥さんの多い事。…数ならば私もご用意できますので」
 ステラが両手を広げると、周囲に浮く珠は更に数を増し。
『星唄うは光の旋律、光の音は数多の星の煌めきへ。【ルクス・メロディー・カンターレ】』
「「「クエェェェ!!?」」」
 星が歌うかの様な、無数の光の光線が放たれる!
「きゃあぁぁぁ!!」
 乗っているメデューサごと次々とコカトリスが光線に飲まれ、焼かれ、消滅!
「クエェェェ!(まだまだッスー!)」
 だが一部のコカトリスは岩腕翼を前に掲げてガード!光線を吸収したり弾いたりして防ぎ、進む!
「コカっち!ブレスよ!光くらいその煙で覆っちゃいなさい!」
 光線の合間にコカトリスのブレスとメデューサの眼光を差し込もうとしていくコカメデューズ。だが。
「させないよ!フォールンインパクト!」
「クエェェェ!」
 紅明日香の放った重力波に嘴が歪む!
「ちょ、ちょっと、目が……今何がどうなってきゃー!」
 更にメデューサも謎の困惑。その隙に光線が叩き込まれていく。
「重力は光。歪めれば女の子の視線の光も曲がり、潰す!反抗の狼煙は今だよ!」
 防御を解き、光線を当て。以外にも取れた連携に凄まじい速度で殲滅されていくコカメデューズ!
「やだやだー!アンタ一人だけでも!」
「石化して」
「沈んじゃえー!」
 紅明日香を影にすれば光線は届かないと踏んだコカメデューズの三機編成が一斉に襲い掛かってくる。
 だが臆する事も無く。
「覚悟の時……」
 冷静に見据え、顔の左の印が輝く。
「反抗の!」
「クエエエエェェェ!」
 狙いすました紅明日香の妖刀の突きが、コカトリスを口から串刺しにする!
「一撃を!」
「「クエエエエェェェ!!」」
 更に重力波と絶命の蒼炎が刀から蒼き光の刃を生成。後ろにいた残りのコカトリス2羽も串刺しにする!
「受けてみろーっ!」
「「「きゃああぁぁーーーっ!!!」」」
 刺した刀を強く上に振り上げ、斬撃!乗っているメデューサ3人諸共縦一閃に切り裂いた!

「部隊、開きました。無尽蔵でも沸きの速度は限界があるみたいですね。」
「よし!ブラキエルめ、これ以上はやらせないよ!」
 二人はコカメデューズの部隊を突破していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミリアリア・アーデルハイム
冒険者の皆さんの犠牲が増えないよう、結界防御

古式ゆかしき石化対策と言えばやっぱりあれでしょう、ミラー反射。
自身は屏氷万里鏡を展開してオーラ防御、撹乱しつつ
箒に乗って空中戦をしかけます

空を飛ぶのはウィザードだって得意ですから。

敵が石化を使ってきたらユーベルコード・ケージを掲げてUC使用
手を抜ける相手ではなさそうですね(全力魔法、2回攻撃)

私は永劫炉の使徒…以後お見知り置きを




 街の別の場所でも、またしても戦火が起きる。
「かわいいわたしを見て見てー?」
「う、うわっ、体が石に!あっあぁぁ!」
 石化ブレスやメデューサの視線で次々と石化して倒れる冒険者達。
 だが不意に神秘的な光に覆われると、コカメデューズ達の目に映ったのはコカメデューズ達だった。
「えっ、何!?」
「ぐっ、ブレスが……石化が……なんだ?何ともねえ。」

「大丈夫ですか?これ以上犠牲は増やしたくありませんので。」
 冒険者達とコカメデューズ達の間の空間に円形の縄が浮かび、縄の間から鏡の結界が張られていた。
 やったのは、かけだし神姫(f32606)のミリアリア・アーデルハイムだ。
「古式ゆかしき石化対策と言えばやっぱりミラー反射。いかがです?」
「うわっ、これ私……?どう?どう?綺麗に映ってる?」
「クエェェェ!(悠長な事してる暇ないッスよ!?)」
 メデューサはさしたる自爆もする事無く、鏡の護りを気に入ってお色直しをしているが、そこに鏡を貫通しての砲弾や矢が飛んできた。
「うわきゃあぁぁ!!何するのよ!」
 コカメデューズ達は何体か直撃を受けて墜落。冒険者達がいきり立っている。
「反射はしねえが石化はしなくなったぜ!これならやれそうだ!」

「ああん、むかつく!でもでも空からの攻撃に耐えられるかしら!」
 岩を投げて来るコカメデューズや石化ブレスを吐いて目くらまししてくるコカメデューズ。
 空の上に入る分、戦況はまだコカメデューズ達に分があった。
「嬢ちゃん!」
「大丈夫です。空を飛ぶのはウィザードだって得意ですから。」
 そう言うと箒を取り出し、跨ったミリアリアは、魔法の力で空を飛び、瞬く間にコカメデューズと同じ高度を取る。

「クエェェェ!(かかったッスね!)クエックエェェェ!(単騎で飛んでくるなんて、袋のネズミっス!)」
 自らの周囲に縄を浮かせ、そこから鏡のバリアで護りを固めるミリアリア。
 だが周囲からはそれをも石化せんと石化ブレスを溜めるコカトリスの群れがいた。
「クエェェェ!!(石化ブレスを喰らえっス!)」
 だがそこでミリアリアはユーベルコード・ケージを掲げる。
『生命を成す炉の炎、ここに勅(いまし)を発すれば 抗う事ぞ六ヶ敷(むつかしき)!』
 ミリアリアが放った炎の縄のようなものがコカトリス達の嘴を締め付け、吐き出させないようにしていく。
「クエェェェ!?(な、何っスかこれー!)」
 ユーベルコードによるコード収束呪禁である。だが炎の縄はコカトリスを縛るだけで終わらない。
「ぎゃっ!私まで……嘘よね、嘘よね……!?」
「2体一組で加護による強化、手を抜く事も許されません。天誅!」

「「グエェェェーー!!」」
 それぞれのコカトリスとメデューサが炎縄で縛られ、焼かれるコカメデューズ達。
 それをバックにポーズを決めて、派手な光景におののく冒険者たちにミリアリアは凄んだ。
「私は永劫炉の使徒。以後お見知り置きを」
「お、おう。」

「後は私にお任せください。皆さんはどこか安全な所に避難を。」
「それならさっき青い巫女の嬢ちゃんが街の店の地下を解放したとか言ってたな!」
「ちっ……猟兵一人に全部やらせたくねえが仕方ねえ!後は任せたぜ!」
「青い巫女……?多分別の猟兵の人ですね。進みましょう。」
 ミリアリアは燃え盛る戦場を後にして、街の中央へと向かっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日野・尚人
あーちゃん(f06524)と参戦

俺たちが来たからには好き勝手はさせないぜ!
あーちゃん、ほら・・・な?
(少し照れつつアイシャの手を握り、互いの魔力と想いの力でUC発動)

高速飛翔の<空中戦>で<先制攻撃>だ!
戦ってる冒険者を援護しつつ、住民の避難誘導なんかを頼んで・・・
鶏もどきの石化能力は嘴、っと!
喰らえ!<部位破壊>の<誘導弾><乱れ撃ち>!
そこの壺フェアリーは大丈夫か?

で、蛇女は・・・へ?可愛い私を見て?
悪いけどそういうのは間に合ってるんで結構だぜ!
石化の呪いを<呪詛耐性>で<受け流し>て<カウンター>!
へへ♪あーちゃんナイスアシスト♪
(俺にはもっと可愛い幼馴m・・・彼女、が居るんだからな♪)


アイシャ・ソルラフィス
尚くん(f01298)と一緒に参加します
絡みとアドリブOKです

時間をかけるだけ相手にとって有利な状況になっちゃうね
ならとにかく速攻で! 【愛はすべてに打ち勝つ】で尚くんと戦場を高速で縦横無尽に飛び回って【視線】とか【嘴】とか【石化ブレス】から逃げ回り、〈全力魔法〉や〈属性攻撃〉など使える技能総動員で、鳥さんを撃墜したり、尚くんの背中を守ったりします
ユベコ発同時にひと悶着あったりするかもだけれど……それはともかく!! 尚くんの背中はボクが守るからね!!(赤面

冒険者さんたちは避難誘導するつもり
フェアリーちゃんたちもこんな所にいると危ないよ!
必要ならフェアリーちゃんたちを抱えて戦場の外まで運びます




 徐々に激しい戦火を抑えながらも猟兵達は市街を回る。
「ねえ~♪可愛い私を見て見て~♪」
 メデューサからの光る視線が冒険者達を石化させていく。
 光る視線は石化だけでなく、床から石の柱を突き出し。
 隙あらば石化毒のある嘴や爪がコカトリスから飛び出して。
「くっ……!」
「畜生、こいつまで石に!」
 追い詰められた冒険者にコカトリスからの石化ブレスが迫る。
「くそっ!」
 冒険者は石化したほかの冒険者を盾にし、やり過ごそうとするも、ブレスの粉塵がかかる手足が徐々に石化していく。
「あははっ、動けないでしょ。アナタ達はー、そのまま盾にした人とくんずほぐれつしたようなー、裸の石像さんにしちゃおう♪」
 ブレスを吐いていないコカトリスが石化の嘴を突き出して迫る!

 ここで新たに二人の猟兵が駆け付けた。

「クエェェェ!」
 冒険者に向けて飛び込んで来るコカトリスの嘴に、突如銃弾が突き刺さり、逸れる。
「ちょっと!……コカちゃんの攻撃に横槍?あんた達誰よ!」
「悪いな!だけどここまでだぜ!」
 メデューサの問いに駆け付け、銃を、杖を構えるは男女一組の二人。
「俺たちが来たからには!」
「好き勝手させないんだからね!」
 一方は茶の短髪の少年、日野・尚人(f01298)。
 もう一方は金髪に紅い瞳のエルフの少女、アイシャ・ソルラフィス(f06524)。年は尚人と同じくらいである。

「ここは俺達が引き受けた!先に避難経路を見つけてきたんだ!あっちだ!」
「すまねえ、恩に着るぜ!」
 ステラの結界が張られているであろう方角に誘導していく尚人達。
 コカメデューズは今や狙いを冒険者でなく尚人とアイシャに向けていた。
「軽口叩いて、英雄気取りなんだ~?決めた。カトちゃん、先にこいつら石に変えちゃお~!」
「クエェェェ!(いいけどそのあだ名何とかならないッスかね!)」
 いい気になった様な二人に、コカトリスとメデューサのコンビは徐々に数を増やしていく。

「うおっ、なんだか全然減る気配ねえな!?」
「時間をかけるだけ、相手にとって有利な状況になっちゃいそうだね……」
 だが二人は臆す事無く武器を構える
「なら当初の目的その1、速攻で行くか!あーちゃん!」
「うん!アレをやろう!……アレを……アレ、を……」
 途端にアイシャが顔を赤らめる。
「ほ、ホントにやらなきゃだめ……?ここ市街地だし、まだ残ってる冒険者さんもいるけど……。」
「だっ、打ち合わせしたのに大丈夫かよあーちゃん!?」

「そんなにもたもたしてー。イチャラブの石像さんになりたいんだね?トリちゃん!」
「クエェェェ!」
「うっ!?」
 飛翔して突っ込んできたコカトリスの爪が尚人を捕まえる。
 爪にも石化毒があるのか、パキパキと音を立てて掴んだ尚人の服が石になって行く。
「うおっと!やべえ!」
 だが尚人は咄嗟に上着を脱いで床に転がると。
「トリちゃん!こっちもー!」
「クエェェェ!」
「させるかよ!」
 アイシャの方に飛んできたコカトリスを避けようと、アイシャを抱き留めながら横に跳び、間一髪回避する。
「な、尚く……!?(あああ胸が、は、はだけた下着が当たっ……)」
「もたもたしてる暇あんまりねえぞ!」
 咄嗟に反応できなかったアイシャは更に顔を赤らめる。
 上着を脱いだ薄着の尚人の胸が、その、当たっている。

 そこでアイシャの理性は一段階、臨界点を突破した。

「わかっ……わかった!!もうヤケだよ。尚くんの背中はボクが守る!」
「おう!そしてあーちゃんの背中は俺が守るぜ!」

 追撃をかけようとするコカメデューズは、やや異様な光景を目にした。
 尚人とアイシャの二人が突如抱きしめ合ったのだ。
 赤面するアイシャ。軽く覚悟を決めながらも、やっぱりちょっと照れている尚人。

  『俺たちの』
  『ボク達の』
『『とっておき……』』

 二人の周りに、ハートの形をした光の旋風が巻き起こる。
 旋風が回転し、二人が回転し、そして……浮いた!

【愛はすべてに打ち勝つ(オムニア・ウィンキト・アモル)!!】

「好きだぜ!あーちゃーん!」
「ボクもだよ!尚くーん!」
 ハートの、愛の旋風を巻き起こしながら抱きしめ合う二人は飛んだ!
「な、何これ!?恥ずかしくないのそんなうわっ!!?」
「クエェ!!」
 一瞬の刹那にコカトリスの眉間に次々と銃弾が撃ち込まれていく。
「スピードはこっちが上だぜ!どんどん落としてやる!」
「恥ずかしいけど、四の五の言ってる場合じゃないもーんっ!!」
 アイシャは落とし損ねたメデューサに、炎の弾を、水の槍を、氷の塊を、雷を。
 様々な魔法を竜巻の様に放ち、落とし。

 ドリルの様に宙を回転しながら高速飛翔する二人からの、銃弾と魔法の嵐。

「うっそ、愛ってこんなに強いの!?というかあの人達そんなに愛してるの!?」
「クエェェェ!」
「そうだよねそうだよねコカっち。私達も愛情たっぷり、ベストパートナーなんだから!いくよーっ!」
 メデューサの視線はアイシャの水のバリアが中和し、飛んでくる嘴は尚人の銃弾が逸らし。
 石化ブレスはアイシャの風魔法がバリアの様にかき消しながら、ブレスの無い方へと飛んで躱していく。
「隙だらけだぜーっ!」
 コカメデューズの横を通った尚人達がすれ違い様に銃弾の連打を放つ!
「ま、まだまだ……うわっ腕が!?」
 防御した岩の腕があっという間にボロボロになり。
「ばっくさーん!」
 そこにアイシャが爆発魔法の光を放ち、コカトリスの岩腕翼による追撃も空振りながらコカメデューズ達が爆散する。
「うわぁん、もう滅茶苦茶だよ~!」
「クエェェェ!(と、止められないッスー!)」
 愛の力とは、カップルの力とはこうも強力なのか。

「だったら私達も力を合わせるわ!」
 コカメデューズの内3組が、次にやってくる二人の進行上に寄って集まると。
「3人揃えば!」
「ステンノ―!」
「エウルアレー!」
「ゴールゴーン!」
「かつて愛の3姉妹と呼ばれた私達の!」
「「「ウルトラかわいいメデューサパワー!!」」」
 3人がそれぞれせくしぃ(本人談)なポーズを取り、ぱちくりウインクをして尚人達に立ち向かう。
 可愛ければ可愛い程力を増す石化の呪いの魔眼の力が、今3乗になって飛翔する二人に解き放たれた。
「うおっ、何だありゃ!」
 それは3人の愛の力か、魔眼の呪いは可視化され、ハートのビームとなって二人に直撃、石化させようとする!
「ま、負けるか!こんな所で石になったら……!」
「「「可愛い私達を見て見てー!」」」
「うっっ!?」
 愛の魔法で護りを固める尚人とアイシャの二人の旋風が、徐々に石の色へと変わっていく。
 それを必死に持ってるナイフや銃から受け流し、アースの様に体を通して腕から足にかけて排出しようとする尚人。
 それを魔杖イルミンスールの全力の魔力でサポートし、何とか進もうとするアイシャ。
「わ、悪いけど可愛いは間に合ってるんで……!俺にはもっと可愛い幼馴染……」
「尚くん!」
「……!彼女が、いるんだからなーっ!!」
 笑顔で抱きしめる力を強くするアイシャ。
 その気持ちに応えた尚人は高速回転。受けた呪いを水の様に跳ね飛ばすと、その場で停滞。
「あーちゃん!」
 アイシャと共にハンドガンを握る。
「尚くん!いけるよ!」
 そのハンドガンにアイシャが爆炎の魔力を溜めると。
「いっくぜぇぇぇ!喰らえ!」
 残像が出来る程の超速クイックドロウの雨を、コカメデューズ3人に向けて発射!
「いやっ!?」「避けて避けて!」「こ、こっちに向かって来るー!」
 弾幕は光を帯びてミサイルの如くコカメデューズ達にホーミングで飛んでくる。
「コカっち!」
 着弾前にコカトリスが岩腕翼で防御するも、次々と爆散し、岩が壊れ、貫通してメデューサ諸共爆炎に包んでいく!
「「「そ、そんなあああーっっ!!!」」」
「「「クエエエェェェーーッッ!!!」」」
 土台となっているコカトリスごと、大きな愛の爆発が、コカメデューズ達を見事爆散させたのであった。


「一旦数が落ち着いてきたか……?」
「うん……は、恥ずかしかった。でもこの後まだ2戦もあって……ああもう。でもここでくじけてちゃポーラちゃんに……ぶつぶつ」
 コカメデューズはひとまず一掃された。
 アイシャはやり切った後のぶり返すような恥ずかしさに身を震わせるも、ふと思い出すように飛び跳ねて。
「そうだ!フェアリー!」
「おっと!当初の目的その2だな!」
 彼らは転送の瞬間、或る光景を見た。
 それは壺に隠れていたら突如ポケットの何かが光った、二人組のフェアリーの事だ。
「確かこの戦場にいるはず……もう避難した?おーい!」
「よう!すっごいアツアツだったな!もう出来てんのk」
「わーっ!」「ぐえぅ!?」
 駆け付けた冒険者に先制でアイシャの猫パンチが炸裂する。
「そ、その話は今は置いといて!恥ずかしいから(小声)」
「っと俺が取り次ぐぜ!ここら辺に二人組のフェアリーを見なかったか?」
 アイシャの肩を取って尚人が質問すると、冒険者はどこか確信のつかない顔をして。
「んん?フェアリーなんてこの街にゃ幾人かいるが……壺に隠れるよりさっさと宿に避難してるはずだぜ?」
「あいつらちっこいから見失いやすいんで真っ先に避難させたんだが。壺持ちながらってのはピンとこないっつーか」
 他の冒険者も思案する。
「んん……まあいいや。避難出来てるんなら心配も杞憂だな?……あっ!?」

 そう思った尚人だが、周囲を見てある事に気が付いてしまった。
「どうしたの尚くん?」心配そうに見るアイシャだが、同時に街の光景を見て彼女もまた「あっ」となった。
「っ……この街、この壁の色……」
「お、そうだよそうなんだよ。この街はちょっと変わっててな。」
「壁の石は光に当たると薄く緑に輝くんだが」

「街の中心にいけばいくほどこの輝きが濃くなるんだ。」
 ……予知で見たフェアリー達の壁を瞬間、思い出す。
 あのフェアリー達のいた場所はもっと濃い緑色をしていた事を。

「っ、街の中心にも冒険者ってまだ残ってるか!?」
「ああ勿論だ!撤退戦みたいなもんだから、生きてりゃ今もあの卵野郎の近辺でヤってる奴も、逃げてる奴もいると思うぜ!」
「尚くん……」

「ああ、急ぐぜ!壺フェアリー達のいる街の中心部に!」
 尚人はアイシャの手を取り、一瞬お互い目を配せ。
「うん、行こう!」
 仲睦まじく二人は駆けだした。
 その若さを肴に避難しに行ってる冒険者達を尻目にして。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『魔鳥コカト』

POW   :    魔の羽撃き
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【身体】から【殺傷能力のある羽の矢】を放つ。
SPD   :    風魔法
【杖】を向けた対象に、【風の魔法による竜巻】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    石化光
【両目】から【赤い光】を放ち、【相手を石化させる事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニーヤ・カトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 サーマ・ナトの中心部に向かう階段だらけの、起伏の激しい住宅地帯。
 その場所の一番目立つ場所にて、大きな鳥が鎮座していた。
「クルルルルル……」
 その鳥は体長2メートルを超え、鶏の様な外見。
 彼こそがコカメデューズの乗るコカトリス達の長、そして今回はブラキエルの忠実なる腹心、魔鳥コカトだった。
 その身体は不思議な色をした鳥用の鎧に包まれている。
 動きを邪魔しないデザインで、ご丁寧にトサカなどの装飾もつけられていた。

「キルルルルル……」
 コカトは機嫌が悪い。
 攻め入り、征服しようとしたこの街の戦火が、あと1歩という所で巻き返され始めたからだ。
 猟兵達によって自身に従うコカトリス、あとそれにオマケで乗っていたメデューサは尽く打ち倒され、今彼らはこちらに向かっている。

 猟兵達よりも前に、コカメデューズ達を突破した冒険者はいた。
 今コカトの足元に転がっている石像群がそれだ。
 彼らは意外と強く、コカトに幾度か剣や魔法を突き立てはしたが……その鳥の鎧に、傷は一切ついていないようだった。
「クルルルル……ロロロロロ……」
 我はブラキエルから受け賜わりし『絶対物質ブラキオン』の鎧を身に纏いし者。
 例え猟兵が来ようと結果は同じ事と、言わんかの如く、嘲笑したような鳴き声をあげた。

「コカト様ー!」
 6人くらいのメデューサの少女が兎耳少年の石像を運んでくる。
「これ、ブラキエル様に頼んでブラキオンに変えてくれる?」
「石化しても戻ってきそうな、とっても厄介な『猟兵』なの~!今は石化してるけど」
「クルルルル……」
 コカトは不機嫌そうな顔をしている。
「えっ?」
「あっ、うん、ごめんなさい。乗ってたコカちゃん、全滅しちゃっ――」
 その瞬間、コカトの目が赤く光り、眼光がメデューサ達をレーザーの様に貫く。
「「「「「「……………………」」」」」」
 あっけにとられた様な姿で、メデューサ達はたちまち全員石の像となってしまった。
「キルルルルル……!」
 我が忠実なる部下のコカトリスを死なせた『オマケ』にはもう用が無いと、そう言いたげに唸ったコカトは、一瞥。
 兎少年ことテフラの石像を止まり木にして乗っかり、怒りを込めんと掴み締め上げる。
 みるみるうちにテフラの石像の衣服部分は、大事な所を残して砕けていき……。


「これって確か……猟兵さんが言ってた、天上界の……」


 するとどこかで声がした。それと同時に、謎の輝きが発生した。
 コカトはふと上に飛び、街を見下ろすと、意外と近い場所の建物の隅に……壺から顔を出す二人のフェアリーを見つけた。

「…………」
 コカトは睨んだ。
 あの輝きが、何か、何か、彼の中で不安を掻き立てるのだ。
 彼女らの会話の内容はよく聞こえないが……。
「キイィィィィ!!」
「えっ!?」
「うわっと!!」
 コカトは一直線に、2人のフェアリー目掛けて突撃!
 フェアリー達の鍵を奪い取らんとけしかけた!

 だがフェアリーの一人は逃げるどころか立ち塞がる。
「ほ、本当に大丈夫?というかこの鍵、天上界とかいうのを開けるのに使うんじゃ」
「ちょっと違う使い方もできるって、この鍵が言ってるの。……なんでか分からないけど今ならわかる。頭の中に伝わってくる……!」
 その若い、緑の服をしたフェアリーは持っていた天上界の鍵を……真上に掲げると、妙な空間に鍵が差し込まれた!
「ギイ!?」
「――来て!」
 何という事だろうか。
 フェアリーの呼び声と共に、空の雲が割れ、光と共に何かが舞い降りたではないか!
 それは金色と美しい白い毛で彩られた、ライオン……によく似るが、様々なごつい角が体のあちこちから生え、黄金の装飾を所々に散りばめた、神秘的で大きな四足獣。
「グルルルル……」
「キイィィィィ!!」
 体躯は目の前のコカトとさして変わらぬその獣は、威嚇から飛び掛かり、コカトの鎧に食いつく!
「ギ、ギイイイィ!?」
 なんとコカトの、絶対物質ブラキオンが、突き立てられた牙によって破壊されていくではないか!
「な、何これ何これ!?」薄汚れた方のフェアリーは驚く。
「あの動物さんが何か言ってる……我は、『聖獣』……?鍵の呼び声で助けに来たって!」
「ガアオオォォ!!」
「ギイイイィ!!」
 コカトはそのライオンの様な獣、聖獣の攻撃を何とか振り切る。
「ゴオオオオッ!」
 続けざまに聖獣が一撃、二撃をぶつけんと飛び掛かるが。
「キィィィィ!!」
「グオオォォ!?」
 コカトはもう見切ったかの様に聖獣の攻撃をかわし、逆にカウンターで持っている杖による殴打を放ち、吹き飛ばした。
「うわーっ!」
「だ、大丈夫聖獣さん!?」
「ギイイイィ!」
 追撃に出るコカト!
 フェアリー達はたまらず、聖獣を叩き起こすと聖獣と共に逃げる!逃げる!
「い、一瞬戦えると思ったんだけど……!」
「くっそう、ボクも鍵あるんだけど、どう使っていいかわかんないや!」
 そうこうしている内に追い詰められていく二人は、住宅街の扉を背にした。
「クルルルル……」
 勝利の笑みを浮かべて赤い石化の眼光を放とうとするコカト。
「人間さんには悪いけど中のもの使わせて……あっ、鍵が!?」
 後ろの家屋は窓もなく鍵のかかったものだった。慌てている内にコカトがやってくる。危ない!
「聖獣さん、どうにか避け……ちょっちょっと何して!」
 気が付くと汚れた方のフェアリーの、天上界の鍵がその家屋の扉に刺さっていた。
「わ、分かんないよ!気が付いたらこう…ちょっと待ってハマってる!?捻ったら……あっ開いちゃった!?」
 何故か天上界の鍵で開いた家屋!咄嗟に妖精達は住宅の中へと避難。即時扉を閉めてコカトの眼光から間一髪逃れる。
 木造りの扉が石造りになっていく……。
「中に入ったけどどうしよう。窓から別のお家に移るか隠れるか……うわっ!?」
「えっ何、きゃっ!?眩し!」
 何と二人と1匹の入った家は、飛びきり輝く光に包まれていたではないか!
「これ……黄金とかじゃないや!この部屋自体が何か分からないけど光って!?」
「もしかして、天上界の鍵で開けたから……それでこれ、どうなるの?」
「えっ、わ、分かんない……。」
「クロロロロロロ!!」
 戸惑っている内に力づくでコカトが扉を破壊して侵入!
「「うわーっ!!」」

「!? グギイィィィ!!!」
 だが突如、輝く部屋に入ったコカトはもだえ苦しむ!
 何と光に触れたブラキオンの鎧が焼けただれるように崩れていくではないか。
「キイィィィィ!!」
 ひとまずと逃げていくコカト!
「た」
「助かっ、た……?」
 逃げる間際に、徐々に再生していくコカトの鎧に恐怖しながらも、一時凌いで安堵するフェアリー達。
 だが、聖獣に先行させ外を確認したフェアリー達がある者を見た時、ただ逃げただけではない事を悟る。
「あっ、あれ……!」
「猟兵さんが来たんだ!」


「クルルルル……ギイイイィー!!」
 魔鳥・コカト。コカトリス達の長が、不思議な物質でコーティングされた大きな翼を広げて、駆け付けた猟兵達を威嚇する。
「さしずめさっきの鳥のリーダー格ってところか……反抗するよ!」
 紅明日香は旗と共に妖刀を構える。
「こちらの方、猟兵の気配がします。解除薬が効くといいのですが……」
 ステラがその場に、メデューサ達と共に倒れていたテフラを回収し、石化の解除薬を口に入れる。
 しうしうと煙を立てて石が溶けていくが、やはり効きが遅い。
「っと、次はこいつか!?フェアリーは……どこだ!?」
「あっ、テフラくん!また石化してる……そうだよねこれだけコカトリスがいたら居るよね」
 駆け付けた尚人、そして手をつなぐアイシャは謎の納得をしながら始終を見届け。
「あれがオウガ・フォーミュラー前の一番の大敵という所でしょうか。あの鎧厄介そうですね。どう崩しましょう。」
 ミリアリアも駆けつけると、その異様な鎧への対抗策をどうにかと思慮を巡らせる。

 その時である。
「「猟兵さーん!」」
 予知の最中、壺から顔を出していたあの2人のフェアリーが、見た事も無いようなライオンに近い獣に乗って、猟兵達に合流した。
「あの鎧、とっても硬いけど、私達なら何とか出来るかもしれない!」
「具体的には」
「「かくかく、しかじかー!」」


★第二章・プレイングボーナス

 2章の敵はブラキオンの鎧なる、『絶対に攻撃が効かない鎧』を着ています。
 これを打破してボーナスを得る手段が、以下の3通り存在します。

①『聖獣』と連携して攻撃を当てる。
 担当は動物保護系フェアリー 名はラフカ(薄緑色のフェアリードレスを着た11歳ちょっとのフェアリー少女)。
 参照シナリオ:【レスキュー!アニマル!】https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=29614
 一人称はボク。

 彼女の『天上界の鍵』で召喚した、光り輝くライオンにごつい角や装飾が付け足されたような四足獣『聖獣』は、不思議な事にブラキオンの鎧を貫通して砕く『牙』を持ちます。
 ラフカがライオンライドして操る『聖獣』は、猟兵とさして変わらぬ程の力を持ちますが、今回の敵にスピードで負けています。
 魔鳥コカトは『聖獣』の攻撃を全力で回避する事でしょう。
 どうにかライオンの攻撃を当てる為に、誘導や足止めをする必要があります。

②『光の部屋』に叩き込む。
 担当はトラップ収集系フェアリー 名はラヴィータ(通称ラビ やや使い古した茶色の冒険者の服を着た15歳くらいのフェアリー少女)。
 参照シナリオ:【※良い子のフェアリーは真似しないでください】https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=29793
 一人称はボク。

 彼女の『天上界の鍵』は、鍵を使って開けた部屋一つを『眩しく輝く光の部屋』に変えてしまう効果があります。
 不思議な事に、この『光の部屋』にブラキオンの鎧が入ると、鎧は削れるように消滅し、鎧をつけていた皮膚は火傷したように爛れていきます。
 魔鳥コカトは『光の部屋』に入らないよう、全力で立ち回るでしょう。
 何とかして誘導するか、力づくで『光の部屋』に無理矢理ぶち込む必要があります。

※戦場の至る所にある建物の扉に『最後に鍵を刺した建物』の一部屋が光の部屋となります。
 部屋の形状は廊下や通路を含まぬ四方形で、部屋の壁と同じ高さ。詳細は開けた部屋に応じて変わります。
 光の部屋になるまでは1秒のタイムラグがあり、レベル×3秒まで効果が続きます。
 例え光の部屋化した屋内が壊されても、光の部屋の空間は壊れる事無く効果終了までその場に発生し続けます。

③『ブラキオンの鎧』の鎧の隙間を攻撃する。
 天上界の鍵に頼らない唯一の攻撃方法です。これ以外の攻撃は全てシャットアウトされますので、できなければ失敗(🔴🔴🔴)します。
 勿論魔鳥コカトは隙間を生まぬ様立ち回ってきます。
 どうにかして隙間を生み出し、間髪入れずそこを突く為の知恵と作戦が必要になってきます。

※それらしい事を書きましたが、どの手段をどの能力値で挑んでも構いません。
 プレイングお待ちしてます。

★テフラ・カルデラ(f03212)様へ。
 石化が完全に解け切ってない状態からのスタートです。
 テフラPL様任意で、体の3カ所程度(片腕や頭など)が戻っているものとし、行動プレイングにペナルティが付きます。
ニクロム・チタノ
く、あの鎧のせいでこっちの攻撃が全然通らないどうすれば・・・
うん、フェアリーのヒトどうしたの危ないよ?
あ、うんラフカさんだね?
なるほど、アナタのライオンならあの鎧を壊せるんだね、よし連携して鎧を壊すよ!
でもアイツかなり早いとてもじゃないけど・・・
そうだ、反抗の導きが降りて来たよ
ラフカさんボクが絶対隙を作るから信じて突撃の準備をして
まずはわざと足を止めて隙をみせる、からの【オーラ防御】を展開して【斬撃波】で遠距離から焦らすやっぱり石化光線撃ってきたね
ボクの【オーラ防御】が砕かれる、でも
反抗は終わらない
チタノ達の超重力を食らえ
今だよ、ボクが石になる前に鎧を壊して
みんな後お願い
信じてる


ステラ・エヴァンズ
ふむ、私は支援として回った方がお役に立ちそうですね

いざや変身、大きさの割にはずっとスピードの出るこの姿にてフェアリーさん、聖獣さんを乗せて運ぶとしましょう
一人、二人程度なら他の猟兵さんも乗せられるかと
水竜巻で魔鳥さんの移動ルートを誘導しつつ、この速さで近づいて空中からの奇襲作戦です
大きさでかばう事もしておりますし、この姿のどこから攻撃をされるか読めないでしょう

先程の敵よりも強いのは確かでしょうから防御もより強固に…呪詛耐性と炎を練り込んだ結界術を何重にも施しておきましょうね
これなら石化を防げますし羽の矢も焼け落ちる筈
乗せた方を落とすわけには参りませんから

それでは、後をよろしくお願い致します!




「先手必勝だよ!」
 紅明日香が飛び掛かる。
 彼女はこれまでに何度もブラキエルとの戦いに赴いた経験者。
 ブラキエルの鎧の攻略・対処法も熟知している。
『ボクの名、紅明日香の名を以て――』
 紅明日香の周囲から6体の竜が現れる。
『降り注げ反抗の星屑!』
 そして6体の竜から数多の星屑が放たれる。
 追尾ミサイルの如く放たれるそれはコカトへと飛んでいく。
(命中すれば動きを鈍らせる力があるこれが当たれば、鎧の隙間なんて狙い放題だよ!)
「キイィィィィ!!」
 だがコカトは空中で身を翻すと無数の羽のミサイルを放つ。
 それはブラキオンのような色の岩でコーティングされたもので、チタノの星屑にも負けない程の火力を有していた。
 竜の星屑が一つ残らず爆散していく!

『反抗は終わらない』
 だが、爆風の周囲から6体の竜が口を開けてコカトに襲い掛かる。
 チタノの竜は全て、近くにいる対象を地に落としへしゃげさせる、重力の領域を纏っていた。
「キイィィィィ!!」
 コカトは光らせた杖を横薙ぎに払うと、周囲のチタノ竜全てに対応するかのような巨大竜巻を展開。
「そんなもの、重力で風ごと落ち……えっ!?」
 コカトの竜巻は重力にも負けず、見た事の無い色をし、重力領域をへしゃげ飛ばしながらチタノ竜を巻き込み、吹き飛ばしていく!
 この色は……ブラキオンの色だ!
 ほんの少し、自己的に粒子レベルで削ったブラキオンを竜巻に仕込んでいる!
 重力にさえ支配されない絶対無敵の竜巻はたちまちチタノの竜を破壊。消滅させて吹き飛ばす。

 眼光鋭くコカトが、回転して竜を吹き飛ばしながら万策尽きた紅明日香を見やる。
 いや、見やれない。いない。消えた。どこだ!
 上だ!
「その攻撃の隙を待っていたんだよ!」
 上空にいる紅明日香は胸の印を握ると、体内の力を光らせて開放する。
 その背後には守護霊の如く巨大な竜、チタノヤタテが現れ、8本の槍を携えて射出準備を完了していた。
「位置も上を取った、今こそが反抗の時。超重力の槍をくらえっ!」
 体を捻る事で鎧にわずかな隙間が出来たコカトに超重力の槍が超高速で迫る!
「キイィィィィ!!」
 だが……!コカトはここで90度回転して超重力の槍を一瞥すると、眼から赤い光のレーザーを放つ。
 薙ぎ払う様に放たれた光が槍を飲み込むと、たちまち槍がただの石槍と化し、超重力の力を失わせていく!
「キイィィィィ!!」
 そして勢いを減じた槍に向かってきりもみ回転しながらコカトは突撃。
 紅明日香にぶつかり、地面に弾き飛ばしたのだった。
「ぐっ!く‥‥‥全然攻撃を通してくれない。どうすれば・・・」
 地面に対してなんとか受け身を取るも、よろめいた紅明日香にコカトのかぎ爪が迫る!

 その時である。後ろから巨大な白い鳥が迫ってきたのは。
 その鳥は寸でのところで紅明日香を掴み、ぶん投げると上に乗せ、離脱。
 コカトのかぎ爪は空を裂き、距離を取った白い鳥と魔鳥が対峙する。
「これは……!」
 それは青い髪の巫女、ステラがユーベルコードによって変身した、巨大な白い鳥(鳳凰)である。
 まるで聖獣のような佇まいだ。
 そしてその白い鳳凰の上には先客がいた。
 緑の衣装をした小さなフェアリー、ラフカ。
 そして荘厳なる佇まいをした聖獣も乗っていた。
「ぁ……うん。礼を言っておくよ一応。ボクも竜だし、猟兵で合ってるよね?」
 正確な種族でいえばレプリカントではあるが。
 白い鳳凰は、この話になっての特別さか、鳥の姿ながら美しい音色を奏でるような声で話す。
「はい。猟兵です。以後お見知りおき……等と言ってる場合でもないでしょうか」
 厄介なフェアリーも乗せている事に気づいたコカトは、白き鳳凰に攻撃を仕掛ける。
 コカトが仰ぐ様にブラキオンで出来た羽を弾道ミサイルの様に放ったり、弾幕の隙間から突撃してくるのを、羽ばたく度に起こる水の竜巻で視界を悪くしながら危なげなく避けていく。
 コカトよりも大きなサイズをしていながら、そのスピードはこの魔鳥についていけるほどには速い。
「私は支援に回ります。どうにかして仕掛ける隙を作りますので、その間に獅子の牙を。」

「……うん?獅子?」
 チタノは竜のはずであると思ったのもつかの間、一緒に鳳凰に乗るフェアリーがくいくいと紅明日香を引っ張る。
「そうだ、フェアリーのヒト。ちゃんと避難場所まで連れて行かないと……」
 フェアリーはふるふると首を横に振り。
「ボク、ラフカ。……土壇場だし怖いけど、ここに戦いに……来たの。」
「あ、うん?ラフカさん?だね」
 紅明日香はラフカから話を聞いた。
 ラフカの隣でぐるると唸りしがみついているこの獅子は、牙を突き立てればコカトの鎧も貫通するという事を。
 この獅子……聖獣に戦闘を任せれば、見るも内にコカトに全て攻撃を躱されてしまうので、支援して欲しいという事を。
「なるほど、分かった。……一応言っておくよ。覚悟はできてる?」
「出来て……出来てる。出来てるよ覚悟。ボクのフェアリーランドを燃やした人のリーダーみたいなのがこの先にいるとかで……頑張って、嫌だって言いに行きたくて」
「良い言葉を聞いたよ!」
 紅明日香は妖刀をぐっと握った。
「その意志は反抗の導き。侵略するオブリビオンを必ず倒す光の一筋……ラフカさん!」
「は、ひゃい!」
 一瞬ステラが強引な避け方をして舌を噛みそうになりながらも、応えるラフカ。
「連携するよ!ボクが絶対隙を作るから信じて突撃の準備をしてて!」
「わ、分かった……!」

 コカトの弾幕を、竜巻を、幾度となく対処し続けているステラ。
 消耗されていく気力、体力の差で刹那に攻撃を仕込まれれば落ちそうな鳳凰の身に、紅明日香の声が響く。
「聞こえる?合図をしたら動きを止めて欲しいんだ。」
「それは……」急な指示に何をする気なのかと疑問に思うステラ。
「隙を生むにはまず自分から。きついかもしれないけど、相手も止まる筈。そこで仕掛ける!」
「ではしっかりとお掴まりに。善き事へと繋がるよう――。」

「うわっと!?」
「我が身をもって導きましょう。」
 ステラは指示に反するかの様に速度を速める。
 羽ばたくと共に、力に無理を起こして、おぼろげながらも水竜巻を乱射していく。
「ギィィィィー!!」
 目ざわりと言わんばかりに羽ばたき、竜巻を起こして壊しながら追っていくコカト!
 電撃を帯びた水竜巻は、ブラキオン粒子が混入された竜巻と合わさると、静電気で荒れて視界が悪くなる。
 必然的に無敵ながらに視界の良い所に立ちまわっていくコカト。
 磁気嵐で街中が天変地異に陥る中、右に、左に、縫う様にステラを飛翔し追っていく。
 その飛翔ルートが直線に入った時。
「今がいい!」
 急にステラは急ターン。コカトと真正面から対峙する!
「行くぞ!ラフカさんライオンさん、後ろから跳んで!」
「キィィィィ!!」
 コカトは正面のステラを落とさんと、鎧の身体の至る所から、超合金めいたブラキオンの羽ミサイルを生やし、充填。
 サーマ・ナトの城壁をも砕き貫通するような威力の羽ミサイルが、一斉に高速で撃ち放たれる!
「私一人、落ちるわけには参りませんから」
 覚悟を決めて羽ばたいた白き鳳凰のステラは、呪詛と炎を練り込んだ結界をミサイルに対して張る。
 1重、2重、3重、4重。
 別種の結界を22もの層にして交互に展開し、受ける。受ける!
「焼け落ちてしまえば……だめですか。もって数秒といった所」
 ブラキオンの要素が混じった羽は想定外。だが多重に貼った結界は功を奏し、次々と潰れていくが潰れる分だけ時間を稼ぐ。
 完全に破壊される前、その背中が異様に軽くなった事を感じたステラは、結界の全消滅と共に全速力で旋回、回避し、戦場を一時離脱していった。
「後を宜しくお願い致します。どうかご無事で。」

「キィィィィ……」
 渾身の防御虚しく明後日の方に墜落していく様に見えたステラの鳳凰。
 一瞬、勝った。とコカトは思った。
「! ギィィィィー!!」
 だが次の瞬間、すぐに気を引き締める。どこだ!?また上か!
「ボク達が生きている限り、何度でも反抗は起こるんだ!」
 あの紅明日香が!6体のチタノ竜を体に纏わせて、真上から急降下だ!
「くらえーっ!」
 オーラを纏った妖刀、そして超重力を纏った6体のチタノ竜による肉弾高速突撃。
 数と力に物を言わせた攻撃が迫る!

「クコキキキキキ!!」
 だがコカトはふんじばり、空中で無理矢理真上を向きなおす。
 先と同じ石化光線を両目に宿して、放つ!

 コカトは紅明日香の第二波により、完全に油断した。
 先程と違い槍でもない。今度は自分から突っ込んで来る。
 それを石化光で迎撃すればどうなる?自棄なっての突撃で、ブラキオンの鎧が崩せるとでも――。

「う……あ……ああ!」
 光を真正面から浴びる。
 対策をしていようがこの光は歪まない。
 邪悪で、絶対なる、見た者をただの石の塊に変えてしまうその光を、紅明日香は、チタノ竜は、揃って全員直視してしまう。
「(後……お願い……)」
 壮絶な一撃をかまそうとした構えは、二度と振り放つ事ができぬまま、ただの石像となった……紅明日香と6体のチタノ竜。
 超重力も妖気も失ったそれらを悠々とコカトは躱す。
 地面に激突する様を、鈍い音と煙を立てて落ちる様を、愉悦を帯びた目で一瞥した。
 一瞥してしまった。

「もらったーーーっ!!」
「ギ、ギィィィィ!!?」
 紅明日香を盾に、更に上空に跳んでいたラフカの乗る聖獣が、今コカトの背に聖なる牙を突き立てた!
「グルルルルルォ!!」
「ギィィィーーッ!!」
 聖獣は空中で噛む!砕く!しがみつく!何度も噛む!
 突き立てた牙はたちまちコカトのブラキオンの鎧を壊し、貫通して本体の羽毛も引き裂いていく。
 崩れた鎧の隙間から尋常でない血とへしゃげた羽をまき散らしながら墜落していくコカト!
「石にされたみんなの仇、皆の悲しみ、ここで、もらってけーっ!!」
「ギィィィーーーーッ!!!」
 鎧を破壊されながら聖獣とコカトは、紅明日香に続いて地面に激突!

「ギイッ、ギイッ、ギイイーッ!!」
 回転して聖獣を力任せに振り切り、ボロボロになりながら一時離脱していくコカト。
 無論猟兵達はその隙を逃すつもりはない。追撃が始まるのだった。

「…………」
「とりあえずここまでは追いつきました。」
 他の猟兵達が戦を挑む中、元に戻ったステラは石化して街中に転がっている紅明日香を発見する。
「石化してすぐなら治る見込みも高いはず……まだ大元締めが残っています。どうか、動いて……。」
 ステラは紅明日香に残っている石化解除ポーションを、その意を決して食いしばる口の隙間に流し入れていく。
 煙が沸き立ち、元の身体を取り戻すのは、もう少し時間が経ってから……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

無事復活…していない!?微妙に!?
頭と両腕ぐらいしか動かないのですよぉ…
それでも満足に動けません…

こうなれば【性癖少女『はいいろ・きゃんぱす』】さんを召喚しましょう
狙うは光の部屋に叩き込むことを目的に立ちまわっていきましょう
相手も入らないように立ち回ると思われるので、はいいろ・きゃんぱすさんは黄金の手を複数召還、光の部屋に入るように囮にしたり、妨害などをします
光の部屋の前に来たら黄金の手による鉄拳で中にぶち込みましょう!

…わたしとはいいろ・きゃんぱすさんは狙われると危ないので安全な場所に隠れています
(石化フラグはお任せします)




「無事復活…していない!?微妙に!?」
 コカト暴れる戦場で意識を取り戻したテフラ。
 石化解除ポーションのおかげで肉体の一部は石から戻るものの、頭と両腕だけであった。
 両足がまだ石化しており、まともに動く事を許さない。
「とりあえずあの鳥さんが皆に向いている内に、何とか安全な場所へ避難を……きゃあーっ!?」
 性別は男の筈なのに女のような悲鳴をあげるテフラ。
 先の流れで、コカトによって石化した衣服が破壊されており……
大事な部分は異様なバランスで衣服の破片が引っかかっているが……ほぼ全裸であった。
「な、何か着るものを。ああっこの状態だと手さぐりでも上手く動けません!?」
 胴体もまだ石化しているので、上手く上体を捻れない。
 今のテフラは、腹を上に向けた状態で蟲の様にもがく事しかできなかった。

「こ、こうなればあの人を召喚しましょう!……ちょっとどうなるか分からないですが……相手コカトリスさんですし背に腹は代えられませんし」
 テフラは瓦礫の上で精一杯に魔法陣を書き、頑張って動いて魔法陣の傍から離れる。
 オブリビオン的な、かつての残影を実体化・召喚する魔法陣だった。
「ユーベルコード発動!出てください!『はいいろ・きゃんぱす』さん!」
 魔法陣に光があふれると、そこにはサクラミラージュで見たような、
はいからな給仕和服に身を包む曇りメガネで両三つ編みの女の子が現れた。
「……うへへ……うへへへ……」
 みるからにやばい奴である。
 彼女の名前は、はいいろ・きゃんぱす。長いな。はいいろと呼ぼう。

「テフラくぅ~ん……大ピンチですかぁ~?体半身石になって絶体絶命。襲われるのは巨大なコカトリス。というか既に街の人達も散々に襲われてるみたいですね。……あぁ!良い!情景が浮かんできたでござるよぐふふ……!」
「あ、いえ、浮かぶどころか目の前で起こっているのですが、どうか護る力をお貸しいただけると!?」
「あらテフラくんらしくもない。やられるか固めるかばっかりでいつも私を呼ぶくせにぃ。うーん動機としては……あのコカトリスがもう少し小さくて沢山いれば石化した後も体の至る所を啄みプレイする春画が」
「あっそれもう倒しました。」
 コカメデューズならさっき街で狩ってた。
「……がっでぇぇむ!!?」

 そうこうしているテフラとはいいろコンビのうるささに、コカトが目を光らせ向いた。
「ギィィィィ!!」
 竜巻を纏って突撃してくるコカト!

「あぁん、もう。物理やだやだでござりますわよ!」
 そう言ってはいいろが手を地面に着くと、黄金の腕がにょきにょきと這い出てコカトとテフラを捕まえる。
 コカトを掴んでいるのはとりわけ大きな腕だ。
 この腕でいつもは不思議な力を流し込み、黄金像に変えるのだが……。
「キィィィィ!!」
 鎧からブラキオンの羽を針ネズミの様に突き上がらせると、黄金の腕をくし刺しにし、回転して粉砕機の如く壊していくコカト!
 だがその隙にテフラとはいいろは地面から突き出た大量の黄金の手でゴロゴロと転がされ、街中を高速移動していく。
「うっ……体がいつもよりガチガチに……」
 テフラの石化した体は、生身の部分も含めて徐々に黄金の塊へと変わっていく。はいいろはこれでも不思議な力を抑えながら動かしているが。
「石化した上で黄金にコーティング……はっ新しい!幸福な王子様像化として黄金化し街中で……そこからボロボロに崩れた中から石像が……!シチュが滾ってきましたわ!」
「それ、今やってる戦争で見た事が……と言うかボクも一度仮装したような……!」
「おのれ現実!どこまで私を苦しめうあ゛ぁ゛ー!?」
「キィィィィ!!」
 追いついてきたコカトからの渾身の頭突きがテフラとはいいろを吹き飛ばした!

「うぐ……もう少し自由が効けば……」
「おうい、大丈夫……?」
 吹き飛んだ建物の瓦礫の中から、ふらふらと意識を取り戻すテフラ達のおでこを、ぺちぺちと叩く君は。
「あ…え?あっフェアリー……確かさっきの話で出てきた……」
「名乗る程じゃないけど一応名乗るよ!ラビってんだ!とりあえずこっち来て一旦やり過ごそう!」
「えっ、フェアリーさんの秘密の部屋……?石化ガスとか蜜の部屋とか……ああちょっと待って!スケッチに書くから!」
「やろうと思えば出せるけどスケッチ待って!来てるよコカトリス!」
「キィィィィ!!」
 弱った獲物にとどめを刺さんと、石化の瞳から光を放とうとするコカト。
「ひいぃぃぃ!?」
「テフラくん!石化チャンスでござるよ!満身創痍で全滅石化とか最強の定番シチュ……あら、これ私も射程に入ってない?」
「良いから早くこっちー!」
 後ろにあった小屋の扉に、天上界の鍵を差し込んだラビは、急いでテフラを引っ張る。
「お、重……!」
 石化と黄金化した体を、しょうがないにゃあとはいいろも手伝って小屋の中へ。
「キィィィィ!!」
 眩しく輝く黄金の部屋に避難するのだった。
「ギィィィィ!!」
 だがコカトは諦めない。自身の鎧から羽をミサイルの様に突き出すと、そこからブラキオンの力を削ぎ落す。
 更に羽に石化の瞳を当てると、その羽は赤く輝いた。
「キィィィィーー!!」
 石化の力を持った羽ミサイルが、光の部屋を貫通してテフラ達に襲い掛かる!
「ふええぇぇ!?」
 爆音と共に部屋が削れていく。
 四方体の黄金空間は無事だし、今の所狙いが雑でおびえてうずくまるテフラ達には当たってないが、破壊力が高い。
 直撃すればたちまちボロボロの石像となって転がる所だろう。
「というか石になった後粉々に崩れそうなシチュエーションで御座いますね。どうですかねテフラくん。彫刻破壊に興味はおありで?」
「言ってる場合じゃないですよぉぉ!?」
「うわっ、うわわ、石化ビームは効かないのにそんなのアリぃ!?」
「そういえばラビくんは石化ガスとか蝋蜜とかどこに隠してるでござるか?」
 はいいろが問う。
「あっ、この土壇場で聞く?ここだよ。フェアリーランドっていうんだけど」
 ラビが壺を見せる。今まで冒険した遺跡のトラップがごちゃ混ぜに詰まっている壺だった。
「それ、ひっくり返したらどばーって出るとかは……」
 テフラが物珍しそうに覗く。
「残念だけどそれはちょっと。でも発生装置的なのを取り出してぽーいとかはできるよ。」
「……それ、拙者……こほん、私でもできますか?」
「! これで何か打開できそう?」
「はいいろさん……?」
「ぐふ、ぐふふふ。町が収まったらこの壺貸して欲しいなーって言ったらどうでござりますかね」
「えっ……ボ、ボクが付いていたら、何に使うか知らないけど……」
「合点承知!」
 はいいろはスケッチブックを取り出す。
 高速で書き記す黄金の手が実体化し、ラビの壺を持ち上げ始めた。
 黄金の手によってラビの壺は徐々に黄金に染まっていく。
「あっいいなそれ……いらない価値のお宝とか全部黄金に出来る?」
 ラビの方から興味を持ち始めたぞ。
「そ、その辺り終わってから相談しましょう?」
 テフラがラビをぎゅっと抱えて、少しでも守ろうとしながら。
「さあ、反撃開始でござるよ!」

「!?」
 コカトの目の前に、いきなり煙が噴き出る爆弾のようなものが飛んできた。
 迎撃しようと羽ミサイルを放つ。
「ギィィィ!?」
 それはすぐさま爆発し、そして羽ミサイルは灰色に染まり上がって墜落する。
 石化ガスの噴出装置だ。
「そーれ、彫刻変換ボムの一斉せぇると行くでござるよー!」
 画用紙から生み出した黄金の腕を壺に突っ込ませては様々なトラップを投げつけるはいいろ。
「ギィィィィ!!」
 コカトは体を急回転してそれらを弾き撃ち落とす。
 何度目かの爆発の後、パラパラと画用紙が降り注ぐ中で、コカトは眼を見開いた。
「……クルルルル……」
 周囲に、輝く光の部屋がいくつも出来ていたのだ。
「クロロロロロ……キィィィィ!!」
 激昂するコカト。恐らく光の部屋は一つを覗いて偽物だろう。幻覚作用の罠でもかまされたか。
 光の部屋はどれ一つとっても突っ込めばコカトにとって致命傷。
 だが部屋に入る分にはあちらも動けまい。
 コカトは一度離脱して、向こうが体制を立て直す所で奇襲をかける事にした。
 だが。

「でゅふふ……何か考えているようですが、あのコカトリスは最早袋のネズミ……冷凍触手トラップの上に立ったテフラくん……」
「えっ?」
「例えでござるよぉ……しょうたいむといくでござる!」
 はいいろがくいっと指を動かす。次の瞬間である。
「!!」
 いつの間にかコカトに見えない糸が絡まっていた。
 ワイヤートラップだ。壺から取り出し、黄金の腕で器用に張り巡らしている。
 それも、かかれば爆弾が爆発するタイプの……!
「ギィィィィ!!」
 コカトの空中で爆弾が爆発!爆発!
「ギィィィィ!!」
 連鎖するように爆発し、ふらふらとあちらこちらへ逃げるコカト。
 まんまとその動きが、光の部屋へと誘導されてるとも知らず。
「あっ、ごめん……!この部屋実は制限時間があって!以て3分くらい!」
「んんー!時間はかってないけどそろそろ3分きそうな所!こうなったら実力行使でござるよ!」
「グギギギギギギ!!」
 態勢を立て直そうとするコカト。その瞬間、爆炎の中から突如黄金が飛び、迫りくる!
「ギィィィィ!!」
 予め壺から飛ばした、舞い散る画用紙が集まって誕生した、巨大黄金手のグーパンチが横からコカトを殴る。
 吹き飛ぶ。だが吹き飛ぶだけ。コカトには何のダメージもない筈だった。
「ギ、ギィィィィ!ギィィィィィーーー!!!」
 次の瞬間、コカトの全身がやけどしたかの様に燃え上がる!
「ふひひ、誘導成功でござるよぉ!」
「すごいです!はいいろきゃんぱすさん!」褒めるテフラ。
 崩れ落ちていくブラキオンの鎧。ここであと一撃かませばコカトリスの彫刻が出来上がるか。
「いい感じに弱ってきたでござりますねぇ。……ぐふふ、その目ん玉摘出すれば、いつでもめでうさごっこができ放題?さぁ……!」
 鎧が剥がれてピンチになったコカトに迫る黄金の腕。
 だがその時、光の部屋が消えてしまう。時間が経ったのだ。
「あっ!……た、退避ー!」
「グギギギギ……!」
 びっくりするテフラ、ラビ。
「あひぃ、もう動けるでござるか!?というか、う、腕ぇ!」
 あっという間に再生したブラキオンの鎧が、掴んで来る黄金の手を阻み、光る眼光で石化させる。
「「「たいさーん!」」」

 はいいろに抱えられ、あっという間に3人は逃げ出していった。
「ギィィィィ!ギィィィィ!」
 悪態をついて翼をはためかす、手負いのコカトを1羽残して。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミリアリア・アーデルハイム
箒で飛びつつ、屏氷万里鏡で光線を防ぎ、結界を張る
結界を前面に集中して聖獣の後ろに回りながら、

ラフカさん、聖獣さん、聞いて下さい
私がブースター代わりになってあなた達を高速移動させます。
接敵したら攻撃をお願いします。

結界で聖獣を押してコカトへ向かう

UCは【ミゼリコルディア・スパーダ】を使用
接敵直前に目眩しの攻撃を一度(フェイント)、聖獣の攻撃が当たれば全力で追撃を行う

絶対の防御を笠に着ての暴虐、赦し難し! 


アイシャ・ソルラフィス
尚くん(f01298)と参加
絡みとアドリブOKです

魔鳥・コカト。ブラキオンのコーティングがすっごくうざったい!
でも僕ではコカトの防御能力は突破できないかもだけど、コカトの攻撃能力は封じれるんだからね!
ボクの〈天魔の祈り〉を使って聖獣さんと尚くんを常時回復し続けるよ。
これは負傷だけでなく石化も解呪するからコカトの攻撃は怖くなくなるはず!
ボク自身は祈りに集中して身動きが取れなくなるから、『光の部屋』に入れてもらおうかなぁ…

聖獣さんにはボクの〈動物と話す〉で作戦内容を伝えたり

あとテフラくんの通常運転には思うところはあるけれど、必要なら〈天魔の祈り〉で石化の解除を試みます


日野・尚人
あーちゃん(f06524)と参加

コカト・・・
も、まあ強敵なんだろうけど、問題はブラキオンだよなぁ?
普通に攻撃したんじゃ通らないってのは面倒だ。
けどあーちゃんが一緒なら・・・よし、手段①で行こうぜ!
そんな訳だからラフカと聖獣もよろしくな!

聖獣がスピード負けしてるだけっていうなら話は簡単。
UCを発動。
<先制攻撃><ダッシュ><早業><2回攻撃><フェイント>で<体勢を崩す>!

へへ♪防御力に自信があるみたいだけど、こいつは避けなきゃダメなんだぜ♪
でなけりゃ徐々に身体が凍りついて・・・

コカトのスピードが落ちたら一気に勝負だ!
聖獣が噛み砕いた鎧の隙間に<誘導弾>を叩き込む!
あーちゃんに手は出させないぜ!




 逃げおおせたコカトに尚人とアイシャが追撃をかける。
 だがコカトのブラキオンの鎧に、尚人の銃撃もナイフによる斬撃も、アイシャの魔法も弾かれる様に防がれてしまう。
「キィィィィ!!」
「うおぉ!」
 コカトの竜巻に吹き飛ばされ、一時後退する尚人とアイシャ。

「コカト・・・も、まあ強敵なんだろうけど、問題はブラキオンだよな」
「そうだね、魔鳥・コカト・・・ブラキオンのコーティングがすっごくうざったい!」
 尚人達はブラキエルから授かった、コカトの鎧の脅威に晒されていた。
 
「けどあーちゃんが一緒なら・・・」
「尚くん・・・」
「皆大丈夫!?」
 ぎゅっとお互いの手を握りしめ、気合で持ちこたえようとする二人。
 そこに聖獣にしがみついたラフカが現れ、追撃するコカトの攻撃を爪で何とかガードしていく。

「ごめんね、本当は前線に出したくないけど……えっと」
「ボク、ラフカ。」
「ラフカくんキミの力をちょっと借りるね?」
「……!任せて!ボクもお役に立てれたら、大万歳なの!」
 実際にバンザイするラフカ。それに共鳴して前足をあげる聖獣。

「よし、手段①で行こうぜ!」
「うん。防御能力は突破できないかもだけど、攻撃能力は封じれるんだからね!……あとはラフカくん、お願い。」
「ラフカ!聖獣共々よろしくな!」
「頑張る!」
 ラフカは元気よく返事すると、尚人が先行し、陣形を構築。
 コカトへの反撃が始まった。

「うおぉぉ!」
 尚人は銃撃を放ちながら飛び掛かる。
「スピード負けしてるだけっていうなら話は簡単。ゲラーティオーニス・ペルペトゥウス(永続する凍結)を仕掛けるぜ!」
 その隙にアイシャはもう一人のフェアリー、ラヴィータの下へ駆ける。
「ラビさん!お願い!」
「おおっと、助けが必要?手近な扉は……っと!」
 ラヴィータことラビは天上界の鍵で近くの建物の扉を開け、光の部屋を作ると、そこにアイシャが駆け込む。
「扉は開けっぱにしてて!ボクはここで全力で祈ってる。」
 開けた扉の先から、素早い飛翔で回避し続けるコカトに何度も攻撃を当てようとする尚人が見える。
「石化も、半端な攻撃も、みんな何とか防げるようになるはず。『どうか弱きを助け、邪悪を払う力をボク達に……』」
 アイシャの祈りが尚人に届く。時折放たれる石化の魔眼の光がかすり、尚人の腕等が石になる度、光に包まれて石化が治っていく。
「怖くない。怖くないよ……お願い!」

 だが開始4分、全く持ってと銃撃が当たる気配がない。
「くっ、すばしっこ過ぎ……っつうか、あの竜巻も厄介だ!甘く見てたぜ」
 コカトの放つ、ブラキオンの粉塵が混入された竜巻に、尚人の銃撃はかき消され、逸らされる。
 それでなくても2メートルを超えるあの巨体に、フェイントも連射も織り交ぜた尚人の攻撃が全く当たらない。
 だがコカトの攻撃もまた、尚人は回避し続けていた。
「クルルルル……」
 魔眼、羽ミサイル、竜巻……。
 相手もまたすばしっこく、万一当たっても後ろの女が回復させ、不利さえもかき消していく。
 どう仕掛けるか、そう思っていた時だった。

「……え?」
 アイシャを包んでいた光の部屋が、消えた。
「うわわわ、そうだこれ制限時間が!また新しい部屋を探さないと……うわあっ!」
 強烈な竜巻が一陣、アイシャのいた建物を吹き飛ばす。
「あーちゃーん!」
 コカトは更に追撃にとびかかる。なんという事か、狙いをアイシャに変えたのだ。
「うおお、間に合えーっ!」
 石化の光を放ちながらの突撃!
 だがその攻撃は、突如透明な壁によって防がれ、激突が、魔眼の光ごと止められてしまう。
「キィィィィ!?」
 それは、鏡だった。
 空中に地縛鎖で作られたリングが浮かび上がり、その中に出来た、鏡のバリアだ。
 アイシャの前に立ち、手をかざす、一人の少女が微笑んだ。

「もう1手足りないみたいですね。力を貸しましょう」
「アンタは!?」
「問われて名乗るは2回目ですが、私は永劫炉の使徒。以後お見知り置きを」
 ミリアリアだ。ミリアリアがこの場に駆け付けたのだ。

「まずは少々、この場から遠のいてもらいましょう……はっ!」
 ミリアリアが力を込めると、結界的なバリア力場が鏡のバリアから弾かれる様に発生。
「キィィィィ!!」
 その力場はもがくコカトを押し続け、戦場から遠ざけていく。
 その隙にミリアリアは尚人に近づき、箒を取り出し跨った。
「乗ってください、尚人さん。今から私がブースター代わりになってあなたを高速移動させます。」
「えっ!?」
「スピードが足りないなら、強化すればよかろうというもの。接敵したら攻撃をお願いします。準備を。」
「……!分かった!悪いなあーちゃん!ちょっと行ってくる!」
「え!?それは……が、頑張って尚くん!」
 箒に跨る女性の後ろに乗る尚人に、ちょっと嫉妬そうに眼を見開いたアイシャだが、祈るように(そしてラビに次の光の部屋に引っ張られる様にして)応援する。
「止めましたら……後はお願いしますね、ラフカさん。」
「わ、わかったよ!」「ガウウ!」

 尚人とミリアリア、人と神との力を乗せた、超高速の箒がコカトに向けて飛んでいく。
「キィィィィ!!」
 鏡を押しのけたコカトがここぞと石化光線を撃ち放つ!
「くっ……!」
 光の乱舞を鏡の結界ではじき返しながら、急旋回するように動くミリアリア。
「この反射で石化してくれればいいのですけどね……ともあれ、私に集中して何よりです。」
 ふとコカトが気づく。いつの間にか乗っていた尚人がいない。
「ここだぜーっ!」
 尚人は途中、箒から飛び上がり、空中でコカトの死角から銃撃を放っていた!
「グギィ!?」
 後頭部、背中、足辺りに銃弾的な衝撃が入る。
「キィィィィ!!」
 だが冷たさも痛みも感じないコカトはそのままミリアリアに突撃。
 並走し、同じ速度を合わせ、並行ゼロ距離で……目を光らせる!
「っ!」
 鏡を抜けた先、無理矢理押し光る石化光線が目の前で炸裂しようと……するが。
「!?」
 躱される。
 ……回避されたのではない。コカトが……失速したのだ。
「ギ、ギィィ!?」
 自身が、何故だか重くなっている。
 気づいた。その正体はさっきの銃弾だ。
 着弾個所から氷が付き、分厚く重い氷塊となってコカトを凍らせ蝕んでいるのだ。
「キィィィィー!!」

「かかったな!こうなりゃもうこっちのもんだぜ!凍てつく永劫の弾丸。徐々に凍り付いていく気分はどうだ?」
「キィィィィ!!」
 もがきながらも、自前の馬力で無理矢理速度を補おうとするコカト!
 だが先程よりスピードが、明白なまでに落ちている。
「キィィィィ!!」
 怒り狂うコカトは銃撃の本人、地面に着地して受け身を取っている尚人に襲撃を仕掛ける。
 ……その後ろから黄金の獅子がコカトに向けて牙を立てに来た!
「ガオオァァァァ!」
「ギィィィィ!!」
 コカトの氷を砕き、鎧を砕く!
「やっちゃって、聖獣さん!」
 爪を立て、牙で噛み、砕かれていくコカトの鎧!
「キィィーーー!!」
「グルルルル!」
 ボロボロになっていくコカトは、しかし火事場力を発揮。聖獣を振り払い……道連れにせんと向かったのは、アイシャだ!
「ちょ、うわ、今ちょうどお部屋が消えたとこー!」
「!な、尚く――」
「うおおぉぉ!」
 全力で大地を蹴り、尚人がコカトより先にアイシャの前に立つ!
「あーちゃんに……手ぇ出すなーっ!!」
 コカトの石化の魔眼が尚人を襲う!
「うおおおぉぉ!!」
 尚人はナイフをかざし、光を逸らしていくが、反射しきれぬ体が石化していく……。
「だめ、尚くん、石になっちゃ、だめーっ!」
 アイシャが全力の祈りを捧げ、聖痕が血のように輝き出す。
 尚人の身体に光が。尚人の前面に光の層が。
 地の精霊が、石化を治し……光を押し返していく!
「ギ、ギィィ、ギイィィィ!」
 それでもと、ブラキエルの腹心たるコカトは光を強めていくが……。
「そこまでです」
 その時、コカトの全身に無数の刃が突き立てられた。

「絶対の防御を笠に着ての暴虐、赦し難し。我が魔の剣(つるぎ)はあなたの全てを刺し貫く!」
 ミリアリアの魔法剣が、崩れたコカトの鎧を縫って、皮膚という皮膚を刺し貫き……勢いを衰えさせず……えぐる!
「ギ!…………ガ…………」
 全身から、口から、夥しい血を吐き出し、眼から光が消えたコカトは、遂にその体を地に伏せ……そして、動かなくなったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『大天使ブラキエル』

POW   :    岩腕
単純で重い【岩石でできた巨大な腕】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    絶対物質ブラキオン
【「絶対物質ブラキオン」の鎧】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、「絶対物質ブラキオン」の鎧から何度でも発動できる。
WIZ   :    大天使の光輪
自身が装備する【大天使の光輪】から【破壊の光】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【徐々に石化】の状態異常を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「……そうか。やられたか」
 石化の呪いを治していきながら、猟兵達は遂に街の中心に辿り詰める。
 そこには光を放つ、大きな翼を広げる天使がいた。
 オウガフォーミュラー、大天使ブラキエルである。

「だが、私の侵攻にさして変わりはない。」
 ブラキエルはその翼を、より一層強く羽ばたかせ……強力な光の波動を放つ!
「うわーっ!?」
「きゃーっ!?」
 猟兵達と一緒に駆け付けていた、フェアリーのラフカとラヴィータは、街の端へと吹き飛ばされていく。
 この戦いで彼女らの力を借りる事は難しそうだ。
「何故なら……我が殲滅はこの世の者達だけではない。」
 覚悟を決めたような眼で、ブラキエルは駆け付けた猟兵達を、睨む。
「――我が前に立つ汝ら、猟兵も含まれているからだ。」

★3章について
 ブラキエルとの決戦です。
 彼は必ず先制攻撃を仕掛けてきます。これを何らかの手段で防ぐとプレイングボーナスを得られます。
 2章で仲間になったラフカ・聖獣・ラビの助力は得られません。

★紅明日香ことニクロム・チタノ(f32208)様へ
 2章の石化が完全に治っていません。
 ステラ様の助力もあって治りは早いですが、(ニクロムPL様任意で)体のどれか1カ所が戦闘終了時まで石化したままになっているものとし、行動プレイングにペナルティが付きます。
ミリアリア・アーデルハイム
箒で飛びつつ、屏氷万里鏡で防御・撹乱
先制攻撃がご自分だけのものとお思いですか?

愛する友を喪ったにしろ、都市殲滅とは正気の沙汰とは思えません
本来大天使とは人々を導き、諌める存在なのでは?
あなたの心は彼の者に縛られ過ぎています

今、束縛から解放して差し上げましょう 浄化の祈り
「権無くして・・・速いっ!?」(UC解放の誓いフリ、フレーバーで◯です)

結界が砕け、氷の欠片と共に吹き飛ばされ壁に激突
私には使命が、此処で斃れる訳には・・・

UC発動(神罰使用)

物が石化しなければ、エンディングは箒に起こして貰います
敵とは申せ、願わくば幻朧桜の元 唯人となり親しき友として・・・(祈り)


テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

相手が先制攻撃するのであれば…こちらは自ら硬い黄金になって防御するのです!
【兎少年黄金像】によって絶対防御の黄金像に変化させて何とか攻撃を防ぎます…!

あとは…魔法少女(?)に変身しつつ、【石化ポーション】や【氷結の指輪】で敵の動きを阻害して、この杖で思い切りぶん殴るのです!
(石化フラグに関してお任せします!)


ニクロム・チタノ
なんとかここまでこれたけどブラキエルをどう倒すか、左足は石化してるけど踏ん張ることはできるまだ戦えるよ
ボクの真の名紅明日香の名を以てチタノヤタテを降臨させる
まずは八つの盾で先制攻撃を受け止めるそこから盾をブラキエルに撃ち出して視界を遮り八つの重力槍の内七つを岩石の腕にくらわして超重力で岩石の腕を地面に縫い付ける
そこからの金剛輪天ゴルディウスを槍に変えて投げつけるそこに最後の重力槍の超重力の力も上乗せして破壊力を上げる
ボクの今出来る最善を尽くして反抗を開始する
どうか反抗の竜チタノの加護と導きを


ステラ・エヴァンズ
殲滅なさると仰るならばこちらも猟兵としてそれを防ぐのみでございます

広範囲であるのなら威力も分散されましょう
高速詠唱の多重詠唱で破魔・浄化・祈り・生命力吸収を練り込んだ結界をいくつも張り防御
その攻撃も物理ではなく光であるなら一種の生命エネルギーのようなもの
ダメージを負ったとしても大分弱められるでしょうし、石化の状態異常も防げる筈
それにダメージは激痛耐性である程度我慢できますから

こちらも反撃…しなくてはなりませんね
真の姿を解放
属性攻撃の全力魔法にて氷塊に包まれた精霊彗星を展開
強力な鈍器であり、刺突でもございます
そろそろ地に伏していただきましょう
これが最後であるなら残った力を全て使い切るのみっ…!




「愛する友を喪ったにしろ、都市殲滅とは正気の沙汰とは思えません。」
 永劫炉の使徒、ミリアリアが鎖と箒を手にブラキエルと対面する。
「失わせた張本人がそれを言うか。」
 ブラキエルは翼を広げ、見下ろすように腕を構える。
「本来大天使とは人々を導き、諌める存在なのでは?あなたの心は彼の者に縛られ過ぎています」
「……天界を望む意思は、私のものだ。なんとでも言うが良い。」

「なんとかここまでこれたけど、あのブラキエルをどう倒すか」
 紅明日香は左足が石化し、万全には動けない状態いにいる。
 そんな紅明日香と、テフラを支えてやってくるはステラ。
「そこなキマイラさんは大丈夫でございましょうか。」
「あ、だ、大丈夫です。何とか石化は解けました……けど、やばそうですね。」

「まだだよ、反抗はこれからだ。ボクの真の名紅明日香の名を以て、チタノヤタテを降臨させる……!」
 光り輝くまばゆい石の街の中、各々が臨戦態勢についた。

「滅せよ」
 猟兵達が何かする前に、ブラキエルが纏う光の輪から、破壊の波動が放たれる。
「チタノ……うわっ!?」
 石化した足のせいか、反応が遅れた紅明日香はこの波動をモロに受け、体が徐々に石化していく。
「くっ…くそぅ、思ったより早……」
「まだです!」
 紅明日香達を庇う様にステラが前に出ると、多重詠唱の結界を張りあげてその光の波動を防いでいく。
「殲滅なさると仰るならば、こちらも猟兵としてそれを防ぐのみ……。」
 破壊の力に破魔の力や、浄化・祈り、吸収の力を練り込んだ多重詠唱の結界。
 その1要素1要素がひび割れて壊れていきながらも、その光が止むまで防いで……。
「石よ、翼よ――」
「っ」
 ブラキエルは防ぐ彼女らに、空いた腕をと巨大な岩の腕を瞬時に作りあげ、力任せに殴りこんだ。
「ぐっ……ああっ!!」
 巨大岩腕の一撃がステラの結界を破壊。
「なっ……速いっぐっ!」
「え?ふぎゃあっ!?」
「うわあああっ!」
 そのまま貫通して残る3人にもねじ込まれる!
「光に飲まれぬならば物理。単純な話だ」
 4人は吹き飛ばされ、岩の壁に叩きつけられる。
「っ……大丈夫ですか、皆さ……」
 ステラは眼を見開いた。
 横を見るとそこにはブラキエルの巨大岩腕。
 攻撃が直撃した幾人かが、その岩腕に、吸収されるかの様に取り込まれていった。
「う…ぁぁ……か、硬……岩……ボクの身体、どうなっ……て……」
 ブラキエルの右の岩腕にテフラが取り込まれ、岩の腕に浮かび上がるごつごつとした岩彫刻と化した。
「く…そ…こんな……まだ本気を出して……ごめ……」
 ブラキエルの左の岩腕に紅明日香が取り込まれ、岩の腕に浮かび上がるただの岩彫刻と化した。
「……こんな事が……もう一人いたはずです。大丈夫ですか!」
「……ぅ……っ……。」
 残るミリアリアは咄嗟の事だが鎖を使った氷の結界防御を張っているも、叶わず。
 装備の全てが破壊され、血を吹き出し、瀕死の状態で項垂れていた。
「大丈夫、大丈夫です。今回復しますから……。」
 唯一ユーベルコードを使わず、ちゃんとした防御結界で身を包んでいたステラは無事であるが、他は最早満身創痍であった。
 ステラは祈るように巫女の力を使い、ミリアリアを癒そうとする。
「もう一度告げよう」
「!」
「滅せよ」
 ブラキエルが再び翼を広げ、破壊の光の波動を放つ。
「させるわけにはいきません……!」
 回復を一時中断し、再び結界で防御を固めるステラ。
 だがダメージを受けているミリアリアは、防壁を貫通して光の影響を受けてしまう。
 急激に、体が石になって行く。神として、自由の体現者として現れたかの猟兵は、ここで石の存在となり、永遠にその身を縛られようとしていた。
「私には使命が……此処で、斃れる訳には……。」
 気力を尽くして重い瞼を開いていた瞳が、光を映さぬ、灰色の石と化した。
「……よもや、ここまで……」
 指先も、体も、折れた箒も、鎖も、衣服も、そして、肉体の全て。
 ブラキエルの光により、肉体という存在を破壊されたミリアリアは、他に転がる無機質な石の像の仲間入りを果たす事となった。
「…………」

「まだです。まだ……これが最後。あなたを倒せば終わりであるなら……!」
 3人が石化して尚、戦いを続けるステラ。
 サポート重視で立ち回る状況ではもはやなくなった。気を抜けばブラキエルの光によって自身が石化する。
 限界を超えるように結界を強めながら、ステラはブラキエルへと進撃する。
 その身と衣服が光を帯び、真の姿へと変貌しようとする。
「否、見せずともよい」
 間髪入れずに、凄まじい速さの。
「ここで仲間共々、朽ちろ。猟兵よ」
 先の結界を破壊した、巨大な岩腕の拳が迫る。
 一瞬取り込まれたテフラの岩彫刻が目に映る。その光景はステラの結界を一瞬で破壊し、そして。

 その巨岩を直撃の瞬間に、止めた者がいた。
「あな、たは……?」
 ステラの目の前で、2人の人影。大人の男女のカップルの様だった。
 二人はその身に纏う鎖から氷の鏡のような結界を張り直し、その力で巨岩腕を押し止めていた。
「何でしょう、初めて会うはずの人なのに、こうして声をかけても何も答えて頂けないのに。」
 ステラはその見知らぬ男女に、妙な既視感を覚え、言う。
「……先の方……ミリアリアさんといいましたか。彼女の、縁者……!」
 そのカップルはこくりと頷くと、強力な力を発揮して腕を横に逸らし投げた。
 そうだ。彼らはミリアリアの切り札、ユーベルコードで発現した存在。
 トリガーは彼女が瀕死になった時現れる、他人を装ったミリアリアの両親。
 世にも強力な、【最強の守護者】が、幼き同胞を護り給う為に現れたのだ!

「……やるようだな。」
 ブラキエルは巨大な腕に力を籠める。すると巨大な岩の腕は力が凝縮されていき、みるみる内にブラキエルの一回り程度のサイズにまで小さくなる。
 右手は兎耳の生えたごついロックガントレットのようになり、左手は紅明日香の仮面が浮き上がった様な傷とトゲと炎模様のロックガントレットのようになる。
 その隙に駆け出し、ブラキエルに飛び掛かる守護者の二人。
「来い」
 そう言った瞬間、ブラキエルは消えた。
 轟音が鳴り響き、守護者の二人に岩腕を叩きつけるブラキエルが出現した。
「…………!」
 凄まじい衝撃波と共に打ちつけられた攻撃は、守護者達の身体をも軋ませる。
 また消える。だが今度は守護者も消える。
 打ちつけられる拳と鎖。
 また消え、また現れれば、1方の腕を神の力が宿る守護者の箒が、もう1方の腕を守護者の鎖が打ちつける。
 だが弾かれてしまう。守護者達はめげる事無く何度も、何度も、ブラキエルに拳打を打ち込んでいく。

「何という戦い……ですが、ここで下手に補助をしても恐らく、先程の結界の様に破られてしまうでしょう。」
 ステラは石の世界ともいえる様な戦場に転がり佇むミリアリアの石像に、石化解除ポーションを持って駆け付ける。
「気を引いている間に、一人でも多くの命を。」
 祈りを込めた石化解除ポーションと、浄化の光をミリアリアに浴びせていく……。

 幾度かの戦いを経て、守護者が光と共に、ぶれだしていく。
「そろそろ終わりの様だな。」
 猟兵一人の、神の少女を護るために現れた両親は、ブラキエルを捉える事も難しく、膝を着き、窮地に立たされていた。
「人を護る愛、人を想う愛、しかと我は受け取った。……お前達はそれでもなびかないのか?天上界よ……。」
 ブラキエルは巨大な岩の手刀と化した右腕を振りかぶり、守護者達に叩きつける……。

 筈だった。
「何……!」
 その手刀はリーチが足りず空ぶる。
 遅れて鈍い、地面に重いものが落ちる音がした。
 見ると、ブラキエルの右腕の岩が、ごっそり剥がれ落ちていたのだ。
「これは……そうか、この者は、既に仕込んで……。」
 落ちた岩の腕から、兎耳が見えた。
 その兎耳は黄金で出来ていた。
 岩の腕が、割れて、剥がれる。
 中から黄金の兎キマイラの像が現れた。
「(ボクは黄金像……ボクは黄金像……はぅ、もういいでしょうか……?)」
 あの時直撃を受け、岩腕と同化したテフラは、岩の中でユーベルコードを発動。黄金像となって、岩の材質を塗り替えていたのだ!
 黄金像の過重により、負加がかかっていたブラキエルの右腕が、今剥がれ落ち。
 そして光と共にテフラは黄金像から元に。
 否、更に光り、兎のステッキを持った魔法少女の姿へと変わっていく。
 念のために報告すると彼ことテフラは男の子だが、細かい事は気にしないでおこう。
「魔法少年…いえ、魔法少女【ラビット・ラビッツ】、ただいま参上です!ここから反撃させてもらいますよ!」

「……計画とは、実にうまく回らぬものだな……構わん。来……何!?」
 数が増えてもお構いなしと動こうとしたブラキエルは、更に左腕の方にも違和感が起きた。
 遅れて鈍い、地面に重いものが落ちる音が、先より大きな音で響いた。
 ブラキエルの岩の左腕だ。
 紅明日香の仮面が、岩模様でなく火のようなものが灯る。
「(反撃の機は今と見たよ……ボクも石になってなんかいられない……!)」
 岩の左腕がひび割れていく。テフラとは別の力。
 ニクロム・チタノの持つ超重力の力によって、強力な加圧がかかり、岩を破壊していく。
 紅明日香が岩腕を破壊し、飛びあがるように現れた!
「ボクの名、紅明日香の名を以て、チタノヤタテよ来たれ……反抗を開始する!」

 形勢は一気に逆転していく。
 岩腕を破壊されても尚小さく強化された岩腕を再展開したブラキエルは、襲い掛かるテフラ、紅明日香、守護者達人の攻撃をいなしていく。
「そんなに石がいいなら、石化ポーションですっ!」
 テフラが石化ポーションを投げつける。
 石を操るブラキエルに効かないように見えるが、一瞬硬化し、違和感という隙が出来る。
「く……。」
「チタノヤタテよ!」
 そこに畳みかけるように紅明日香が8つの蒼い炎を纏った盾を飛来し、ぶつけていく。
「こざかしい真似を……。」
 ブラキエルは翼を広げると、そこから瞬時にいなくなる。
 次の瞬間上空に浮かび上がり、8つの盾を次々に岩の腕で握りつぶしていく。
「龍の者よ、獣の者よ、汝らにも翼有り……しかし、飛ばさせん。」 
 巨大な岩の腕を錬成し、隕石の様にぶつけようとしてくるブラキエル。
 その上空にテフラがいた。
「させませんよっ!」
「いつの間に――」
 ミリアリアの守護者が、力任せにテフラをぶん投げていたのだ。
「飛ぶ鳥は吹雪でカチコチになって落ちるのが定石ですっ!ふりーず!」
 テフラこと魔法少女ラビット・ラビッツの指から氷の光が生まれ、放たれると、ブラキエルの身体が、翼が凍り付き、浮力を失って落下していく。
「っ……!」
 地面に落ちたブラキエル。その地面から槍が撃ちだされ、凍った翼を貫通していく。
「これは……先の龍の仕業か」
「そうだよ。超重力チタノヤタテの槍さ!そしてとどめを」
「させん!」
 ブラキエルは抵抗といわんやに翼を光らせ、破壊の波動を放つ!
「くっ!」
 怯んで石化していく紅明日香。侵食は先より遅いが、手が固まって攻撃出来なくなっていく。
「さっきの二の舞にはいかないよ……今のボクには仲間がいる。」
 動けなくなっていく腕をぎこちなく上にあげると、金剛の魔界金でできた巨大重力槍が浮かび上がる。
「今出来る最善を尽くす!後は頼んだよ!」
 投げる事も叶わず、再び石像となって動かなくなっていく為に投げれない紅明日香だが……後ろから守護者が飛ぶ!
 守護者、ミリアリアの両親の二人はその巨大槍を二人で手に取り、飛び上がり……ブラキエルに打ち付ける!
「まだ、だ……!」
 だがブラキエルは咄嗟に巨大な岩腕で防御し抵抗!
 超重力さえ、大天使の力では軋む事なく防がれ続けている。
 このままでは槍は弾き飛ばされ、拘束を脱したブラキエルが反撃に出るだろう。

「ぐ……!」
 ブラキエルの身体に、突如別のものが飛来してぶつけられた。
 氷に包まれた彗星……隕石の、流星群が戦場に降り注いだのだ。
「措置は終わりました。あなたは確か……反抗の龍といいましたか」
「…………」
 石化した紅明日香の後ろから、龍の様な翼を生やし、浮遊するように飛び迫る、青き巫女がいた。
「その想い、受け継ぎましょう。こちらも反抗…させて頂きますね。」
 真の姿を現した、ステラのユーベルコードだ!
『星の源 根源を織り成すもの そのまま我が声に応え続けよ。』
 氷の星の彗星は更に勢いを強め、ブラキエルにダメージを与える。
 それは強力な鈍器となって岩の腕を響かせ、強力な刺突となってブラキエルの身体をえぐり続ける。
『地に堕ちよ!殲滅せしめんとする者よ…!』
 ブラキエルの腕がどんどんと軋んでいき、みしみしと超重力の巨槍が食い込んでいく。
 上空にいた
「もう一息でしたら、だめ押し行きましょう!どっかーん!」
 テフラが上空から更に追撃をかける。氷の力で大きくして石化させた、巨大な兎彫刻の杖を、飛び上がった勢いで強く、強く、ブラキエルに叩きつける!
「ここで……ここで倒れる、わけには、いかんのだ……!」
 岩の腕がひび割れ、あと一息で串刺しにならんとするブラキエル。
 だが底力をみせると、身に纏う光の輪が更に輝きを強め、周囲の者に破壊の光を放ち続ける。
 そしてその光が力となり、超重力の巨槍を……押し返そうとしていた!
「神族の、祖よ。炉を守護する、者よ……。」
 巨槍を押し続ける守護者に、血を吐きながら手を、鎖を添える者が一人、増えた。
「私にもどうか、力を添えさせてくだ、さい……!」
 所々が石化しているがかろうじて動けるようになった、瀕死のミリアリアが、守護者と共に、力を、籠める。
「……!!……そ、うか。これが、これが……猟兵……。」
「大天使ブラキエルよ、敵とは申せ、願わくば幻朧桜の元 唯人となり親しき友として・・・」
 神の力が、反抗の力が、守護者の力が籠った、超重力の金剛魔金巨大槍が。
 遂にブラキエルに押し勝ち、その腕を破壊。
 ブラキエルの胸を貫き、恐るべき超重力の大爆発を引き起こした。

「皆さん、大丈夫ですか!」
 超重力と破壊の光による爆発で、皆が吹き飛ぶ中、持てる力を使い果たし、真の姿が解除されたステラが、慌てて3人に駆け寄る。
「……まだ、生きているのですね。」
 手を上にかざしたまま石像となった紅明日香。ボロボロになりながらも再び石化侵食が入ってまともに動けないテフラとミリアリア。
 特にミリアリアは今の一撃でユーベルコードの効果も消え、立てない状態になっていた。
 だが、遠く先の方、煙の中から、ブラキエルが、大きな翼をあげて立ち上がろうとしていた。
「回復します。反撃の用意を、すぐに……。」
 3人を寄せ集めて、解き放った力を無理に再起動しようとするステラだったが。

 ブラキエルの横から突如飛んでくる銃弾。
 先のミリアリアが出したと思われる二人組とは違う。
 若き少年とエルフの少女が、ブラキエルと交戦を開始していた。

「後はあの人達に任せましょう。本当に、良く頑張りました。本当に……。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

日野・尚人
あーちゃん(f06524)と参加

げっ!?巨大な岩の腕で殴るとか見掛けに寄らず泥臭い攻撃だなっ!?
あーちゃんをお姫さま抱っこしてとにかく回避だ!
<見切り><ダッシュ><オーラ防御><受け流し><足場習熟><地形の利用>
悪いがこういう攻撃には慣れっこなんだよ、っと!
まあポーラのは氷の腕だけど。

先制攻撃を往なせたら本日2度目のアレを・・・
抱きかかえたあーちゃんを下ろす前にその頬へキスをしてUC発動。
(照れ隠しもあって)全力全開でブラキエルをぶっ飛ばす!
<早業><集中力><2回攻撃><零距離射撃><武器受け><カウンター>
高速飛翔の超速連続格闘を受けてみやがれ!

へへ♪この(愛の)力に上限は無いんだぜ♪


アイシャ・ソルラフィス
尚くん(f01298)と参加
アドリブOK

行動原理は尚くんへの支援オンリー
でもなんでお姫さま抱っこ?!尚くんこれ恥ずかしっ!
あ。基本はブラキエルからの攻撃を全て[全力魔法][属性攻撃][見切り][多重詠唱][高速詠唱][第六感][盾受け]の複合技能による『魔法障壁』で対処して尚くんを守ります
尚くんに怪我なんてさせないんだから!

な! なななおくんっ!? 嬉しいけどこういう時に不意打ちキスはちょっとっ?!(耳まで真っ赤
尚くんへの支援は[見切り]や[第六感]を含めた戦闘用技能を総動員して、支援射撃したり光属性攻撃で目つぶしを狙ったり、[コミュ力][勇気]でがんばって挑発したりします




「真打登場!俺達が来たからには好き勝手はさせないぜ!」
 最終決戦に駆け付けた尚人とアイシャ。
 そこでアイシャはブラキエルに違和感を覚える。
「あれ……?剣、持ってる様に見えたけど……。」

 少し画面を上にスクロールして欲しい。
 君達の目の前に居るブラキエルは、イメージ的に大きな剣を右手に抱えていないだろうか?
 だが、今尚人達が対峙しているブラキエルは、その剣を装備しているようには見えなかった。素手だ。
「かの剣は、今は無い。……だが、汝らを全て倒すに十分な力を私は持っている。」
 ブラキエルはその腕に巨大な岩を纏い、尚人達に襲い来るのだった。

「げっ!?」
 凄まじい勢いで迎い来り、巨岩腕の一撃を見舞うブラキエル。
 速すぎて尚人の反応速度を超えてねじ込まれようとしたが。
「尚くん!」
 それを見切ったアイシャの光の魔法障壁が岩の腕をブロックする。
「サンキューアイシャ!巨大な岩の腕で殴るとか、見掛けに寄らず泥臭い攻撃だな!っ!?」
 その障壁は瞬く間にヒビが入り、間もなく破壊されようとする。
「言ってる場合じゃねえ!ここは一旦退くぞ!」
「えっ!?」
 咄嗟に尚人はアイシャをお姫様だっこで抱きかかえ、その場から離脱。
 次の瞬間破壊された障壁からブラキエルの巨岩腕が飛び出し、地面を破壊した!
 破壊したままショベルカーの様に地面をえぐって迫りくる岩の腕!
「ま、待って尚くんこれ恥ずかし…っ!」
「我慢してくれ!こうでもしないとやられちまう!」
「え、あ、あぅん……我慢って……嫌とかじゃないけど」
 しどろもどろに複雑な顔をしながら抱かれて逃げるアイシャ。
 うねる大蛇の様に飛び交う岩腕を、尚人は更に加速して回避する。
 地を蹴り、建物を蹴って三角に跳び、追撃する岩腕を跳び越すと、そのまま岩腕から岩腕へと踏み台にして跳び、どうにかして態勢を整えられる広い場所に行こうとする。
「悪いがこういう攻撃には慣れっこなんだよ、っと!」
 着地した瞬間、視界が暗くなる。
 ブラキエルが手と手を握り、アームハンマーとして上空から叩き潰そうと、巨岩腕を降り下ろそうとしていた!
「尚くん!」
 アイシャが咄嗟に魔法障壁でその一撃を防御する。
 真正面から受けていない。斜めに傾けた障壁で、滑り払うかの様に障壁を使った。
「今だよ、あっちへ跳んで!」
 滑り落ちるアームハンマーとは逆方向に尚人は飛ぶ。地面が砕かれる衝撃。
 その余波をあまり喰らう事なく、何とか尚人とアイシャは持ち直した。
「ありがとな!アイシャ!」
「いいんだよ!尚くんに怪我なんてさせないんだから!」

 新たな巨岩腕を幾つも作り出し、それを浮かしながら迫りくるブラキエル。
「余裕が出来たな……相手は一筋縄じゃ行かねぇ!本日二度目のアレでケリをつけるぜ、準備はいいか?」
 尚人はアイシャを降ろそうとして……不意打ちでアイシャの頬にキスをした。
「な!」「へへっ」
「なななななおなおくんっ!?嬉しいけどこういう時に不意打ちキスはちょっとっ?!」
 アイシャの顔は真っ赤に染め上がり、耳の先までも火照り上がる。
「こういう時だからこそだぜ!おっかねえあの大天使相手に、少しでも俺に力を頼む!」
 改めて降ろされるアイシャは、少しの間動かず、目をぱちくりとした。
「それって……」
「……言わなきゃダメか?」
「え、えっとその、二度目のアレって言うとやっぱり」
「あ、うん……あ、愛、だぜ。」
 尚人もまだ若い身ゆえに、その言葉を口にすると顔を赤らめ、照れ始めてしまった。
 だがすぐそこにブラキエルが眼光と翼をはためかせて、迫ってきている。
「よし!全力全開だ!俺たちのとっておきでブラキエルをぶっとばすぜ!あーちゃん!」
「……うん!これで最後なんだから覚悟をきめたよ!やけくそとかそういうんじゃなく。…じゃなく。(小声)(立ち上がり顔をぷるぷると横に振り)ボクと尚くんなら、誰にも負けないんだから!」
 尚人とアイシャは抱き合い、覚悟を決めると、桃色の魔力の風が二人を包み込む。

     「いくぜ!」
     「【愛は】」
「「【すべてに打ち勝つ!!】」」

 ブラキエルが超高速の岩腕を、ミサイルの様に放ってくる。
 それはまるで幾重もの高層ビルが重力を無視して水平に飛んでくるようだった。
「うおおおおお!」
 尚人とアイシャは手をつなぎ、愛の風に乗って飛翔。
 巨大な岩腕の上を走りながらブラキエルに接近していく。
「それーっ!」
 アイシャが杖【イルミンスール】から光のミサイルを連射し、次々と巨岩腕を放つブラキエルの攻撃を、弱めようと怯ませていく。
「捉えたぜ!」
「まだだ…!」
 尚人とブラキエルが至近距離でぶつかり合う。
 愛の力で桃色のオーラを纏ったナイフによる、一度に二度斬りつける斬撃をひたすら放ち続ける尚人。
 それに対しブラキエルは両の腕を密度を凝縮した岩腕によって対応。弾く様に迫り合っていく。
「愛か……良き力だ。だが、天がその力を把握せぬと思うか。」
 ブラキエルがその愛の斬撃に対し、少しずつ押し返していく。
「な、何て奴……手負いみてえに見えるのに!」
「まだ戦えるからこそ、私はここに立つ。……友よ、今一度力を……!」
 カウンターを狙う尚人に対し、ブラキエルが身を翻し、攻撃のテンポを崩させる。
「しまっ」
 振り向きざまの逆カウンターが、ブラキエルの岩腕の一撃が迫りくる。
「尚くん!」
 アイシャが突如、祈るように魔力を解放し発光!
「負けないでーっ!」
「くっ……!?」
 怯んだブラキエル!その隙に尚人はカウンターを回避!
「ああそうだ!こんな所で、負けてたまるかよ!」
 尚人は更なる追撃をかけようとするブラキエルにほんの少しの隙が出来た所を見ると、あえてそこを突かず、振りかぶったナイフに力を籠める。
「いっけえーっ!」
 続き放たれたブラキエルの拳に、真っ向からナイフを突き立てた!
「……!」
 ブラキエルの岩腕が、ひび割れていく。
 それは尚人達の愛の力、そしてこれまでの猟兵達から受けたダメージの蓄積。
 ひび割れた亀裂がブラキエルの身体を伝わっていく。
 気力を振り絞って広げた翼にも亀裂が入っていく。
 胸にも、その顔にも。
「俺達の力、受けてみやがれーっ!」
 アイシャの力を受けた尚人渾身の一撃が、ブラキエルの腕を、体を打ち砕いた!

「…………すまない、友よ…………。」

 石よ、翼よ。
 友の為に、自身の故郷の為に、破滅を私は広げて、飛んだ。
 だが……及ばなかった様だ。
 私は涙を流す事なく、悲しみと遺恨を向けた目で世界を一瞥しよう。しかし即座に、心の内が、安堵の安らかな瞳に切り替わった事を感じた。
 そうか。
 友と同じ所に行くのか。と。
 それもまた、あるいは良いのかもしれないと。

 光と共に、大天使ブラキエルは消滅した。


 やがて、夜は明けた。
 街は破壊の跡が残り、残っていたコカメデューズ達は散っていった。
 サーマ・ナトの住人は石化した者達を起こし、広場に並べて順次治療を行っていた。
 被害は決して少なくはなかった。しかし、人類は大天使の殲滅から、見事免れたのだった。
 この街がかつて存在した、滅びし石の都に再び戻る事はもう無いのだろう。
 朝焼けの光が、街と、疲弊しながらも手を挙げて喜ぶ冒険者達と。
 この戦いで奮闘した妖精達、そして、猟兵達を祝福していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年05月30日
宿敵 『魔鳥コカト』 を撃破!


挿絵イラスト