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神に弓引く反逆の大天使

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ブラキエル #オウガ・フォーミュラ

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●月面
 闇を照らす輝く月。そこにただ一人、他を寄せ付けぬ孤高の輝きを纏う純白の天使が星を見上げていた。
「我が友よ、君の願いは叶わなかった」
 それは無機質な中にも無念を感じさせる声。悠久の時を過ごし枯れ果てた心にも、天上界への扉を開く計画の失敗は落胆をもたらしていた。
「君は『書架』へと帰るがよい。我は、天上界の扉を開く僅かな可能性を実行しよう……もっとも、ヴァルギリオスさえ見逃し、あまつさえ封印された愚か者共が、今更地上の危機に扉を開く事もあるまいが……」
 手にした剣を手放して友に別れを告げ、大天使ブラキエルは翼を広げて飛び立つ。
「あの愚昧な神々を誅するまで、我は戦い続けよう」
 向かうは愚かな人間のひしめく地上。目的はその殲滅だった――。

●グリモアベース
「諸君、猟書家のオウガ・フォーミュラ『大天使ブラキエル』が自ら動き出した」
 険しい顔でバルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が集まった猟兵にとうとう大天使ブラキエルが地上に現れることを告げた。
「皆の活躍で猟書家の攻勢を防ぎ、敵の思惑は阻止することができた。だがまだ諦めてはいないらしい」
 悪足掻きともとれるが、相手はオウガ・フォーミュラ。単騎でも盤面を変える力を持っている。
「大天使ブラキエルは天上界へのアプローチにアックス&ウィザーズで無差別大量虐殺を行うつもりだ。手始めに降り立った町を配下を使って滅ぼしてしまう。それをまずは阻止せねばならん」
 人々を大量虐殺することで天上界への扉を開かせようと企んでいる。止めなければ人の住む町が次々と攻め落とされてしまうだろう。

「配下のオブリビオン軍団を全て倒せば、大天使ブラキエルとの直接対決となる。ブラキエルは倒しても蘇るが20回倒せば完全に滅ぼせる。その内の1回を諸君に担ってもらいたい」
 オウガ・フォーミュラだけあって倒しても倒しても違う場所で復活してくる。だがそれにも限りがある。今までの敵と同じように他の猟兵達と力を合わせ各所で滅ぼすしか倒す手はない。
「オブリビオン軍団は、『魔剣ドラクラ』という呪われた意思を持つ魔剣の群れだ。それがブラキエルによって岩の腕を与えられている。岩の腕は魔剣を握りその力を増幅して振るうようだ。普通のオブリビオンよりも強化されているので気をつけねばならんだろう」
 岩の腕によってユーベルコードが大幅に強化されている。気をつけねば思わぬ痛手を負う可能性がある。
「軍団を倒せば、ブラキエルに辿り着く前に最強の腹心が立ちはだかる。『絶対物質ブラキオン』と呼ばれる未知の単一原子でできた鱗のような鎧を纏った黒竜だ。この鎧は絶対に破壊できない。しかも衝撃をも防いでしまう。倒すには鎧の僅かな隙間を狙うしかない」
 鎧は絶対的な防御力を誇り、あらゆる攻撃を防いでしまう。その隙間を狙いオブリビオン本体を攻撃しなくては勝機はない。

「ブラキエルに強化されたオブリビオンはどれも強敵だ。困難な戦いになるだろうが、それを乗り越えなくてはオウガ・フォーミュラには届かん」
 オウガ・フォーミュラという圧倒的存在を倒すには、それを上回るだけの何かが必要となる。しかし猟兵を見るバルモアの目に不安の色は見られない。そこには強い信頼が籠っている。
「だが今までも困難な戦いを勝利してきた諸君ならば、強敵を打ち破りオウガ・フォーミュラに手が届くだろう。この絶好の機会を逃さず大天使ブラキエルを討て!」
 激励の言葉で締めくくったバルモアがゲートを開き、猟兵は必ず大天使ブラキエルを討ってくると頼もしく世界を渡った。


天木一
 こんにちは天木一です。猟書家最終決戦です!
 オウガ・フォーミュラである大天使ブラキエルとの決戦となります。配下の軍勢を倒し、ブラキエルと決着をつけましょう!

 第1章はアックス&ウィザーズの町を襲おうとしている配下の軍勢を撃退することになります。岩石の腕によってパワーアップしている相手を倒さなくてはなりません。

 第2章は最強の腹心である黒輪竜との戦いとなります。あらゆる攻撃を防ぐ鎧を纏っており、隙間を狙わなくてはダメージを与えられません。困難な戦いになります。

 第3章では、オウガ・フォーミュラ『ブラキエル』との決戦となります。剣を手放していますが、『大天使の光輪』『岩腕』『絶対物質ブラキオン』を駆使し、必ず先制攻撃を行います。
 先制攻撃への対処があればプレイングボーナスを得られます。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
 猟書家との戦いも終盤です。オウガ・フォーミュラ『大天使ブラキエル』を討ち取りアックス&ウィザーズの人々を守ってください!
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第1章 集団戦 『魔剣ドラクラ』

POW   :    ドラゴンクラッシャー
単純で重い【召喚した巨大な剣】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    禁忌の吸血剣
【吸血する】事で【衝撃波を放つ覚醒モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    不可視の霊剣
自身と自身の装備、【斬撃が命中した】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●月夜に降る死の光
「もう春らしくなったなぁ」
「夜でもすっかりあったけぇや。こんな日はエールを飲まなきゃな!」
「おめぇはいっつも飲んでるだろうが!」
 仕事終わりに一杯ひっかける人々で町の酒場は賑わっていた。暖かくなり夜でも窓は開けっぱなしで空に輝く月が見えている。
「月見酒ってな……あれ? なんか月が大きくなってないか?」
「あぁん? もう酔っぱらって………あんだぁ!? 月が落ちてきてる!」
 窓から見上げれば、月の輝きがどんどんと近づいてくるのが視界に入った。

 ――だがそれは月ではない。天高くから月の如き輝きを放つは光輪纏いしオウガ・フォーミュラ『大天使ブラキエル』。その光輪が光を強くすると、空間が歪み無数の剣が召喚される。
「人々を滅ぼせ、我が軍勢よ」
 意志持つ魔剣は頷くようにブンッと切っ先を町に向けた。そこには生活を営む大勢の人々が住んでいる。
 全ての魔剣の柄を岩石の腕が握り、その内に宿す魔力を強化した。
 片腕と剣が流星の如く空から町に降り注ぐ。全ての人を虐殺せんと冷たい月光を受けて輝く魔剣が迫っていた――。


 その恐るべき軍勢を町で迎え撃とうとする者がいる。
 猟兵は月からの侵略者を撃退すべく空より迫る無数の魔剣を見上げ、人々を守る為に立ち向かう。
田抜・ユウナ
呪われた刀剣、か。(背中の妖刀をチラリ)……ウチのと比べれば、可愛いもんね。

【封刃縛妖術:WIZ】
敵は町の上空から、透明化してくるのよね。
じゃあ、《妖刀封じの刀緒『斬鎖』》をめいいっぱい伸長。〈ロープワーク〉で屋根とか煙突にひっかけて蜘蛛の巣状に張り巡らせ、片っ端から触れた相手の魔力を分解してやるわ。
敵の腕力は凄そうだから、紐は張り詰めないようユルユルと。相手の力に抗わず絡みついて、ユーベルコード封印するのが主目的ね。
代償で寿命が減るのは、次も控えてるので〈呪詛耐性〉でなるべく抑える。

私は裏方から目立たず援護。
あとは他の猟兵が決めてくれるでしょ。


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「敵は空から来るのね」

ならサーフブレイドに乗ったサイキックキャバリアで空中で迎え撃つ。
[空中戦][滑空][空中浮遊]で空を舞い、敵の魔剣を可能な限り[結界術][念動力]で動きを封じて町に行かせないわ。

敵の攻撃は[オーラ防御][武器受け][見切り]で凌ぎつつ、なるべく多くの敵を範囲内に収め、可能なら味方や町の人を範囲に入れないようにしつつ、ユーベルコード【蒼き刃の円舞】
青金剛石のチャクラムで自身から95レベルm半径内の敵全員を攻撃するわ。

撃ち漏らしは【射貫き打ち抜く鋒矢】で[スナイパー]付き狙撃するわね。
「逃さないわよ」


村崎・ゆかり
ようやくオウガ・フォーミュラの首に手が届いた。
この機を逃がさず、討滅してやるわ。

「仙術」「高速詠唱」「全力魔法」「範囲攻撃」「結界術」酸の「属性攻撃」で紅水陣を町の上空一帯に展開。
いくら透明になろうと関係無い。降ってくる魔剣を錆び付かせ、岩の手を溶かしてあげる。
突き抜けてきた魔剣は、アヤメに『鎧装豪腕』の使役権限を渡して、「盾受け」や「なぎ払い」で防いでもらう。
頼りにしてるからね、アヤメ。

魔剣の雨が止んだら地上戦。薙刀とアヤメの『鎧装豪腕』で、全部叩き折りましょう。
同時に、町の人たちへ外へ出ないよう大声で呼びかける。

あなたたちには、誰の血も吸わせたりしない! ここで全て朽ち果てなさい!


ゲニウス・サガレン
大量虐殺によって天上界に入ろうとは……いやはや、理解しがたい
それが天使の理ならば、生きるため足掻くのが生物の理というもの

さて、非力な私としては、搦め手で戦わせてもらおうか

アイテム「フライングシュリンプ」&「沈滞の投網」

私が指揮できる、ありったけの有翅エビの大群を動員しよう

UC「眠れる力を呼び起こせ!」
有翅エビの行動を支援する

彼らに沈滞の投網を広げさせ、岩石の腕ごと剣を網にとらえ、ぐるぐると巻いていくんだ
巻き網漁をきつめにやるような感じかな

沈滞の投網は自動修復する金属網だ
切れても直に戻る

その中に次々と腕と剣を捕らえ、網でぐるぐる巻きにしていけば、お互いの腕や剣が邪魔で動きが取れなくなるだろう



●魔剣迎撃
 月光の輝きに照らされた夜空より流れ星のように降って来る魔剣。その柄には無骨な岩石の腕が付いていた。
「呪われた刀剣、か」
 それを見上げていた田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)が、背中の妖刀へチラリと視線を向ける。
「ウチのと比べれば、可愛いもんね」
 封印されていても禍々しい気配が漏れる妖刀に比べれば、あの程度どうということはないと視線を戻した。

「敵は空から来るのね」
 その近くでヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)はサイキックキャバリア【ゲファレナー・エンゲル】に搭乗して、モニター越しに魔剣の降る空を眺めていた。
「なら空で迎撃するわ」
 ゲファレナー・エンゲルがサーフブレイド【へクスベーゼン】に乗って空へと舞い上がる。
「町には行かせないわ」
 迫る魔剣を前にヴィオレッタは結界を張った。降り注ぐ魔剣が結界に捕まって動きを止める。すると結界を切り裂くように岩石の腕が魔剣を振るって、穴を開けそこから突破しようとする。
「腕が厄介みたいね、でもさせないわ」
 そこへヴィオレッタはゲファレナー・エンゲルを突っ込ませ、サーフブレイドをぶつけて魔剣の群れを薙ぎ払う。
(血を……血を奪え……)
 魔剣が血を求めて地上の街に住む人々を襲おうと、自らと岩の腕を透明化してヴィオレッタの視界から消え、強襲しようと降下した。


「ようやくオウガ・フォーミュラの首に手が届いた。この機を逃がさず、討滅してやるわ」
 猟書家にこれ以上好き勝手はさせないと、村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)は意気込んで姿を消す魔剣を見上げた。
「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。魂魄までも溶かし尽くす赤き世界よ、我が呼びかけに応え、世界を真紅に塗り替えよ。疾っ!」
 ゆかりがユーベルコード『紅水陣』を発動し、夜空を覆うように赤い靄が広がる。そこへ魔剣が突っ込むと、強酸性の靄がその刀身を錆び付かせて力を弱め透明化が解ける。さらには魔剣を持つ岩の手も表面が劣化したように溶け始め、ぼろぼろと崩れ落ちていった。
「地上に降りて来るルートに陣を張れば、いくら透明になろうと関係無い」
 自ら罠に飛び込むように魔剣が次々と錆びに塗れて動かなくなり、飛行能力を失って地上に墜落して衝撃で砕け散った。
「知能があるといっても所詮は獣のようなもの。ただ人を襲うことしか考えていないなら簡単に仕留められるわ」
 紅水陣を維持して魔剣が真っ直ぐ地上に降りて来るルートを死地に変えた。
(……征け。我等に与えられた命を遂行するのだ……)
 透明の魔剣は岩石の腕に振られて加速し、強引に赤い靄を突破する。それが赤い靄の弾けるような動きで察知できた。


「透明化してくるのは予想済みよ」
 ユウナは建物の屋根や煙突を利用して、妖刀封じの刀緒【斬鎖】を街の上空に蜘蛛の巣のように張り巡らせていた。気付かずに魔剣が斬鎖に囚われる。
「魔力を分解してやるわ」
 ユーベルコード『封刃縛妖術』を発動し、魔剣の魔力を分解して無力化する。しかしその代償に妖刀の封印が弱まりユウナの体を強い呪詛が蝕んだ。強い効果の代償に寿命が削られる。
「敵の腕力は凄そうね、紐は張り詰めないようユルユルといくわね」
 その苦痛に耐えて術を維持し、魔剣の動きを止めるよりも、絡まってユーベルコードを封印して戦力を下げる事に重点を置く。
「こうして動きを止めれば――」
 ユウナが敵の能力を封じると、そこへヴィオレッタの操縦するゲファレナー・エンゲルが突っ込む。

「平和に暮らす町の人々の元へは行かせないわ」
 ヴィオレッタがユーベルコード『蒼き刃の円』を使い、青金剛石のチャクラムを巨大化して放ち周辺の魔剣を纏めて薙ぎ払う。折られた魔剣はまるで悲鳴のような音を立てて砕け散った。
(……我等の使命は全ての抹殺……ここで手間取っている暇はない……)
 しかし魔剣は次々と空から降り、迎撃網を抜けていこうとする。
「逃さないわよ」
 サーフブレイドで空を疾走し、ヴィオレッタはゲファレナー・エンゲルの質量を活かして勢いよく衝突し魔剣をへし折って吹き飛ばす。


(皆殺しだ……我等に命じられた使命を果たせ……)
 魔剣が巨大化し岩石の腕もまた大きく膨らんで、強引に赤い靄と蜘蛛の巣を突破してきた。
「大量虐殺によって天上界に入ろうとは……いやはや、理解しがたい。それが天使の理ならば、生きるため足掻くのが生物の理というもの」
 ゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)は人として抗おうと、天より降り注ぐ大天使の放った魔剣の軍勢を見上げた。巨大な剣は、人など容易く両断できる力を持っている。あれが地上に降れば街は大惨事となるだろう。
「さて、非力な私としては、搦め手で戦わせてもらおうか」
 そんな恐るべき魔剣の軍勢に対して、ゲニウスは空飛ぶエビの大群【フライング・シュリンプ】を総動員する。
「さあ、漁の時間だ。獲物は空を自在に泳ぐ魔剣。だが空を泳ぐことにかけては皆の方が勝っている。みんなの力で大物を捕まえるとしよう」
 そして演説によってユーベルコード『眠れる力を呼び起こせ!』を発動し、フライングシュリンプはオーラを纏って強化された。
「ではこれを持って、岩石の腕ごと剣を網にとらえ、ぐるぐると巻いていくんだ。巻き網漁をきつめにやるような感じかな」
 ゲニウスが指揮を執り、フライングシュリンプの大群が金属繊維で編み上げた【沈滞の投網】を持ち上げて空に広げる。
(網など貫けばいい……)
 そこへ巨大化した魔剣の群れが突っ込み、容易く貫こうとするが、網は切断されても修復し、全身に巻き付けられて自由を奪われる。
「沈滞の投網は自動修復する金属網だ。切れても直に戻る。自信があったんだろうけど、無策に突っ込んできたのは無謀だったね」
 あっという間に巨大魔剣の群れは腕ごと網に絡め取られ、互いの巨体がぶつかり合って雁字搦めになり自由を失った。


(術者を殺せ……血の雨を降らせよ……)
 魔剣の群れはこの防衛線を張っている猟兵を目指して急降下し、何本かが網に囚われている間に上手くすり抜けて突撃し、放たれた矢のように切っ先が地上の猟兵に迫ってくる。
「抜けてきた魔剣はお願い。頼りにしてるからね、アヤメ」
 ゆかりが式神のアヤメに偶神兵装【鎧装豪腕】の使役権限を渡し、一対の籠手型式神が浮かび上がり地上に降りて来た魔剣を受け止め、殴りつけてへし折る。
「なんだぁ? ひっく、空から星が降って来てるぞぉ!」
「あんだってぇ!?」
 酔っ払い達が降り注ぐ魔剣を星だと勘違いして、窓から顔を出して呑気に眺めていた。
「危ないから建物の外に出ないで!」
「ひゃいっ!」
 大きな声でゆかりが呼びかけ、驚いた顔で酔っ払いは顔を引っ込めた。
(血だ、血を吸い尽くして我等の力とする……)
「あなたたちには、誰の血も吸わせたりしない! ここで全て朽ち果てなさい!」
 ゆかりもまた薙刀【紫揚羽】を振り回し、魔剣を叩き切って最終防衛ラインを守る。

「次も控えてるからね、長々と尖兵を相手にするつもりはないわ」
 ユウナは妖刀からの呪いを呪詛耐性で耐えながら、斬鎖による蜘蛛の巣を街中に広げて、建物の中の人を攻撃しようとする魔剣を捕らえ、岩石の腕の力で暴れようとするのを無力化して援護に徹する。
「あとは他の猟兵が決めてくれるでしょ」
 その予想通りに、ヴィオレッタの駆るゲファレナー・エンゲルが空中で暴れ回って捕まった魔剣を破壊し、ゲニウスは追い込み漁のように回避しようとする魔剣を網に捕まえた。
「大漁大漁。まあいくら捕まえても壊すしかないんだけどね」
「まとめて叩き折るわ」
 ゲニウスが集めた魔剣を地上に引きずり下ろし、ヴィオレッタがゲファレナー・エンゲルを降下させ、網の上から踏み潰して粉砕した。
「これで終わり……って訳にはいかないか」
 ユウナが見上げれば、まだ魔剣の軍勢が空には控えていた。
「どれほどの数がいても蹴散らすだけよ」
 ヴィオレッタは表情を変えずにゲファレナー・エンゲルをまた空に飛ばす。
「こっちもまだまだ戦えるわ」
 ゆかりも薙刀を構えて空を見上げ、オブリビオンは一体も逃がさないと気力を漲らせて疲れを感じさせない。
「では生きるために足掻き続けるとしましょうか」
 ゲニウスはフライングシュリンプを操り、空はこちらのテリトリーだとばかりに踊るように月光の下で舞わせた。

 猟兵達はいつ止むとも知れぬ魔剣の雨を凌ぎ続ける――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夜鳥・藍
どうして天上界へ向かうのに大量虐殺が必要なんでしょう?
魔法陣的なものを動かすのに生贄が必要だから?騒ぎを起こす事で天上界から扉を開かせる?
どちらにしろかなり効率悪いですよね。
それにしても魔剣の群れってなんだか不思議な響き。オブリビオンだからごろごろ復活しててもおかしくないけど、それでもそんなに魔剣がゴロゴロあってたまるもんですか。

相手の攻撃をわざと誘いなおかつ回避できるよう距離を測って、そして相手の攻撃後の隙を狙って鳴神を投擲、念動力で操作し攻撃します。そのまま命中すれば竜王の召喚ができますから。
周辺地形も破壊するほどの攻撃ならば、土煙で攻撃の中心にいる相手の視界も悪くなってるはずし。


エル・クーゴー
●POW



躯体番号L-95
当機は【対空戦闘】に高い適性を発揮します


・『嵐の王・蹂躙円舞』発動
・魔剣が降り注ぎ来る渦中へ飛翔、突っ込んでいく
・常時飛行し継戦することで、地形破壊による足場阻害等の不利を無視

・【空中機動】で敵攻撃の引き付けと回避に専心し、ユーベルコード効果の【誘導弾】をフルオートで投射し続ける

・敵群を広く浅く削りながら、誘導弾の自動照準/着弾箇所を目視で確認、魔剣の脆弱部位を観測する(情報収集+瞬間思考力)
・脆弱部位をあらかた網羅次第『L95式アンチマテリアルライフル』を担ぎ出し、空中で立ち回り続けつつ該当箇所への直接狙撃を敢行(スナイパー+貫通攻撃)、より迅速に魔剣群の殲滅を見込む



●防衛戦
「どうして天上界へ向かうのに大量虐殺が必要なんでしょう?」
 敵の目的を疑問に思いながら、夜鳥・藍(占い師・f32891)は街に降る無数の魔剣を見上げる。
「魔法陣的なものを動かすのに生贄が必要だから? 騒ぎを起こす事で天上界から扉を開かせる? どちらにしろかなり効率悪いですよね」
 どの理由もしっくりこないと首を傾げ、街の中心から少し離れた場所。中央で派手に戦っている他の猟兵達とは違う場所で敵を待ち構えようと移動する。
「それにしても魔剣の群れってなんだか不思議な響き。オブリビオンだからごろごろ復活しててもおかしくないけど、それでもそんなに魔剣がゴロゴロあってたまるもんですか」
 一本でも多くの犠牲が出る。そんなものがそこいらの石ころのように転がっていては堪らないと、藍は敵の落下地点を予測して急ぎ向かった。


「躯体番号L-95。当機は対空戦闘に高い適性を発揮します」
 エル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)は飛翔して、高速で自ら降り注ぐ魔剣の群れへと突っ込んだ。
(敵発見……貫いて地上にゆく……)
 魔剣はまずはエルを仕留めようと、落下しながら少し軌道修正して突っ込む。
「敵が当機をロックオンしました。広域殲滅空戦モードに移行します」
 エルはユーベルコード『嵐の王・蹂躙円舞』を発動し、空戦モードに変身して機動力を高め魔剣の群れを躱す。それを追って魔剣も旋回し、高速で空を自由に飛ぶ空中戦が始まる。
「迎撃します」
 エルは敵を引き付けながら、【L95式アームドフォート】から射撃兵装を幾つも展開し、敵をロックオンして超追尾誘導弾をフルオートで投射して敵を破損させていきダメージが大きくなった魔剣が撃墜されていく。
(……強敵だ。こちらも強化して攻撃する……)
 魔剣は付随する岩石の腕と共に巨大化し、一撃で粉砕する威力でエルに迫った。
「魔剣が自己強化を行使。データ収集を開始」
 エルは【L95式機関砲】や【L95式アサルトライフル】によって弾幕を張り、敵が被弾した時の反応を目視で観測して脆弱部分を特定する。【L95式電脳ゴーグル】に幾つも集まったデータを解析し、魔剣は側面の腹の部分が他よりも脆いと結果を叩き出した。
「脆弱部分を発見。狙撃による攻撃を開始します」
 【L95式アンチマテリアルライフル】を担ぎ出し、飛びながら狙いを付け、敵が旋回する瞬間に丸見えとなった腹に弾丸を発射し、狙い通りに大口径弾を命中させ巨大魔剣を撃ち砕いた。魔剣は粉砕され相方を失った岩石の腕もろとも粉々になって地上に落ちていく。
「該当箇所に命中。完全破壊を確認。継続して狙撃による殲滅を行います」
 腹ならば確実に仕留められるとエルは狙撃を繰り返して魔剣を減らしていく。


(速い……血を……血を啜れ……)
 流星のように降る魔剣は自らの速度を強化しようと、野外に出ている藍を見つけて急降下して襲い掛かった。
「来ましたね、私はここです」
 一般人が狙われないように藍は敵の注意を引いてわざと攻撃を誘い、速さと距離から目測して飛び退いて攻撃を躱す。すると勢いづいた魔剣は次々と地面に突き刺さって土埃を起こしていった。
「この機を逃しません」
 視界が悪くなったところで黒い三鈷剣【鳴神】を投擲し、覚えていた落下に刺さったままの魔剣の腹を叩き切る。そして勢いを念動力で加速させ、次々と魔剣をへし折っていった。
(強化せよ、攻撃に耐える必要がある……)
 魔剣が巨大化し、岩石の腕が地面から引き抜くように力を込めて持ち上げる。そこへ鳴神が命中するが、今度は折れずに傷を付けただけで弾かれた。
「大きくなった分、強度も増したようです。ですが当たれば次の手を打てます」
 藍はユーベルコード『竜王招来』を使い、嵐の王たる竜王を召喚する。風雨と共に雷鳴が鳴り響き、圧倒的存在感を持つ竜王は魔剣など歯牙にも掛けぬ存在感を放っていた。

 オオオオオオオオオォォッ!!

 竜王が天に向かって咆える。すると落雷が起こり巨大化した魔剣達を打ち据え、強化しているにも係わらず容易く粉砕した。


(こ奴らの相手をしていては時間が掛かる……先に我等が主の命を遂行せよ……)
 猟兵を無視して魔剣は地上の明かりの灯る家々に向かって降下する。街に住む生き物の皆殺しの命を果たそうと、殺しやすい一般人を狙っていた。
「魔剣の行動に変化を確認。地上の民家を防衛します」
 その動きを瞬時に察知したエルは、狙撃だけでなく弾幕によって敵の邪魔をし、狙い易い敵は狙撃して吹っ飛ばす。
「生贄でもなんでも、何の罪もない人々を殺させるもんですか」
 敵の狙いが何であれ、絶対に阻止してみせると藍は鳴神を念動力で飛ばして家に直撃する前に迎撃する。それだけで足りぬならばと、鋒両刃造の打刀【青月】を抜いて跳躍し、民家に落下しようとする魔剣を切り払う。
「魔剣の落下位置を予測。軌道修正を行います」
 藍が地上で民家を守ろうと奮闘しているところへ、建物の高さまで先んじて降下したエルが上方向へと弾幕を形成し、魔剣を撃ち落としていった。魔剣の狙いが正確なだけ、少しのずれが建物から逸れて地面に刺さることとなり、そこへ藍が鳴神を当てる事で、竜王の荒ぶる雷撃が確実に魔剣を仕留めていった。
「魔剣の雨が止むまで続けてみせます」
「魔剣群は確実に減少しています。このまま戦闘を継続すれば殲滅が可能です」
 藍とエルは迎撃を続け、建物に多少の被害は出ても人命は守り魔剣を退けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーフィ・バウム
大天使が何を求めたのかは知りませんが、
地上の殲滅等阻止しますよ

さぁ、参りましょう!【勇気】と【覚悟】をもって!

基本は雷の【属性攻撃】を宿す武器で
【なぎ払い】【衝撃波】
多くの敵を巻き込むように打ち込み、
囲まれないよう立ち位置に注意して戦っていきます

【ダッシュ】も駆使し動き回り、
相手に捕まらないよう注意ですよ
そして相手を攪乱しては、硬い体に闘気を撃ち込む
【鎧無視攻撃】です!

闘う中でも相手の強化されたUCには注意
ふつうの攻撃は致命を避けた上で
【オーラ防御】で弾く、あるいは【激痛耐性】で堪えつつ
UCには【見切り】、ぎりぎりで上に【ジャンプ】で
避けてからの
《トランスクラッシュ》のヒップアタックで潰します


霧島・絶奈
◆心情
思惑通りに事が進むと思わない事です

◆行動
透明化する様ですので【聞き耳】を立てると共に、サーマルカメラにても索敵
敵だけでなく斬られた一般人の救助にも活用

索敵しつつ【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別する浮遊機雷」を複数設置
【衝撃波】に乗せ、可能な限り上空にて迎撃出来る様に散布しましょう

散布後は『涅槃寂静』にて「凍結」属性の「細氷」を行使し【範囲攻撃】
凍り付けば捕捉も容易いでしょう

加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
仮に敵のユーベルコードが強化され捕捉が困難となっていようとも…
徹底的面制圧の突破は困難です

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



●地上戦
「大天使が何を求めたのかは知りませんが、地上の殲滅等阻止しますよ」
 ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)が建物の屋根の上に立ち、夜空から降り注ぐ岩石の腕が握る魔剣の軍勢を見上げた。足元では普段と変わらぬ家族の団欒の音が聞こえる。
「さぁ、参りましょう! 勇気と覚悟をもって!」
 ただ普通の生活を送っている人々の平穏を守って見せると、ユーフィは気合を入れて大型武器【ディアボロス】を担いだ。

(街の住人は全て皆殺しだ……)
(主の命を果たせ……全ての生き物を根絶やしにせよ……)
 魔剣は冷たい殺意を明確に持ち、月光の満たす夜空より地上へと透明化して降って来る。
「思惑通りに事が進むと思わない事です」
 サーマルカメラでその様子を確認した霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は、空中に設置しておいた浮遊機雷を爆発させた。
(行け……止まるな……)
 爆発でダメージを受けようとも、魔剣は降下を止めずに地上を目指す。
「機雷だけでは決め手に欠けますか、しかし次の手も既に打ってあります」
 絶奈はユーベルコード『涅槃寂静』を発動し、ダイヤモンドダストを発生させて魔剣の群れを凍りつかせる。体が凍結した岩石の腕のバランスが崩れて軌道が逸れ、魔剣の群れは家屋ではなく地面に突き刺さった。

「地面に刺さったら透明でも丸わかりですよっ!」
 そこへユーフィが飛び掛かり、雷を宿すディアボロスを振り下ろして魔剣を粉砕した。そこから衝撃波が広がり、周囲の凍った魔剣も容易く薙ぎ倒していく。
(凍結を解除する……皆殺しだ……)
 魔剣と岩石の腕が巨大化して表面を覆う氷を割り、ユーフィの胴を断ち切るように横薙ぎに振るう。
「この直撃を受けるのは危険ですっ!」
 ユーフィは跳躍して躱し、頭上からユーベルコード『トランスクラッシュ』を使い、闘気を纏ったヒップアタックで岩石の腕を粉砕し、さらに魔剣を押し潰してバラバラに砕いた。

「巨大な剣ですか、的が大きくなって当て易くなりましたね」
 絶奈も黒剣と白槍を振るい、衝撃波をぶつけて岩石の腕を砕き魔剣をへし折る。
(薙ぎ払え、全てを殺せ……)
 岩石の腕が勢いよく巨大魔剣を振るい、辺りを粉砕するように薙ぎ払う。衝撃波に近くの民家が崩れ落ちた。
「うわっ!? 家が崩れてきたぞ!」
「逃げないと!」
 その家から夫婦が着の身着のままで飛び出してくる。そこへ魔剣はまた一撃を振り抜く。
「人々に被害が出るのは阻止しなくてはなりませんね」
 絶奈は民家との間に割り込み、白槍で重い一撃を受け止める。穂先を地面に突き刺して、吹き飛ばされるのを防いだ。
「此処は危険です。何処か建物に入っていてください」
「わっ、わかった!」
 絶奈が敵に意識を向けたまま指示を出して一般人を逃がす。しかし魔剣は動く者を追うように動き出した。


「それ以上街中で好き勝手に暴れさせませんっ!」
 そこへユーフィが突っ込んでディアボロスを叩き込み、もう一度攻撃を繰り返す前に魔剣を叩き折った。
(殺せ……邪魔するものは排除せよ……)
 魔剣達がユーフィを狙って包囲しようと展開する。
「こっちですっ!」
 ユーフィは囲まれないように駆け出し、敵を街の建物の少ない外側へと引き連れて移動する。
「ここで勝負を決めますっ!」
 民家の無い開けた場所に出ると、ユーフィは反転して闘気を高める。そして振り下ろされる魔剣をディアボロスで受け止め、逆にへし折った。

(死角から刺し殺す……)
 魔剣が透明化して背後からユーフィに襲い掛かる。しかし冷気が辺りに立ち込め、霜が付いて消えていた刀身の輪郭が露わになった。
「姿が消えると分かっていれば此方も警戒すればいいだけの事です」
 敵の透明化に注意していた絶奈は、死角を失くすようにダイヤモンドダストを展開してその範囲に入ったものを問答無用で凍結させる。
「仮に捕捉が困難であろうとも、徹底的面制圧の突破は困難です」
 さらに黒剣と白槍を縦横無尽に振るい、逃れられぬ広範囲に衝撃波を放って不可視の魔剣を叩き落とした。
「このまま押し切りますっ!」
 凍結によって動きを鈍らせた敵が態勢を立て直す前に、ユーフィが突進してディアボロスを横に一閃し、凍った魔剣を粉々に吹き飛ばした。さらに突っ込んで来る魔剣を闘気を纏った肉体で殴り蹴りと弾き返し、怯んだところにディアボロスを叩きつけて粉砕する。
(怯むな……竜の首をも断つ我等が刃を喰らわせるのだ……)
 岩石の腕が巨大魔剣を持ち上げ、ユーフィを一刀両断しようと振り下ろす。しかしその動きは鈍重で、ユーフィは容易くステップして躱した。地面を割る刀身には霜が付き凍り付いていた。
「大きくなれば火力は確かに上がりますが、その分動きも鈍くなります。其れを凍らせれば尚更……」
 絶奈は魔剣が自由に動き回らないように、凍結による機動力の低下を引き起こしていた。
「地上の殲滅を実行しようとする魔剣なんて、全て叩き折りますっ!」
 跳躍したユーフィがディアボロスを落雷のように激しく振り下ろし、電撃が周囲に迸って地上に降りていた魔剣を木っ端微塵に蹴散らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
ついに大将が姿を現したようですが、向こうも形振り構わぬ暴挙に出て来たようですね。

然らば、此方も全力で阻止するのみ。


不安がる住民が近くにいれば、なるべく遠くへ避難するよう促し自身はそのまま撃退へ。

頭上より迫る魔剣の本数を【視力】を凝らして確認後、抜刀して左腕の手の甲を薄く切り付け。

滲んだ血をそのまま魔剣を握る岩石の腕に撒き散らしましょう。

【鬼酔ノ盃】――その呪力で動きを止めさせ、その隙に【怪力】を籠めた【斬撃波】を飛ばし、剣を叩き折りに掛かります。

優先目標は抵抗が激しく構わず飛び込んで来るものや、人々のいる場所に落下してくるものなど。

一振り残さず断ち切り、街もその住民も守り抜きましょう。


グロリア・グルッグ
魔剣の雨が降るだなんて奇妙なお天気ですねぇ。
でしたら爆弾の雨が空に昇って行くのもアリでしょう。
本物のミサイル防衛ってやつを教えてあげますよ!

UCを発動して魔剣の群れに負けないくらいの大量の小型ミサイルを発射します。
ミサイルの火力が決定打になるとは考えていないので、命中もしくは迎撃された際の爆風を利用して敵集団を一か所にまとめるように追い込んでいきます。
敵が透明化しようと爆風には関係ないため、電脳魔術でデータを取りながら敵の位置を計算しましょう。
爆風での誘導が十分に整えば本命の出番。
そう、コイツです(鉄球型プラズマグレネード)
全力魔法で火力を高め、誘導した敵集団にぶん投げて一網打尽!



●折れる魔剣
「ついに大将が姿を現したようですが、向こうも形振り構わぬ暴挙に出て来たようですね」
 自暴自棄ともとれる大将自らが姿を見せた派手な攻勢に、鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)はそれだけ敵が追い込まれているのだと考える。
「然らば、此方も全力で阻止するのみ」
 この攻勢を阻止できれば大将を討ち取る好機となる。全力で敵の殺戮を阻止しようと、降る魔剣を見上げ街の端の方の落下地点に駆け出した。

「魔剣の雨が降るだなんて奇妙なお天気ですねぇ」
 グロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)が夜空を眺め、月光に照らされ落下して来る流星の如き魔剣を確認する。
「でしたら爆弾の雨が空に昇って行くのもアリでしょう。本物のミサイル防衛ってやつを教えてあげますよ!」
 不敵に微笑みユーベルコード『爆撃雨』を発動する。展開した多連装マイクロミサイルを空に向けて発射し、空中で次々と爆発を起こして魔剣の群れを弾幕で迎撃した。
(我々の使命は全ての殺戮……留まっている暇はない……突破せよ)
 魔剣はダメージを受けながらも、爆煙の中から透明化した魔剣が飛び出し地上を目指す。
「元よりミサイルの火力が決定打になるとは考えていません……」
 煙の飛行機雲のような動きから不可視の魔剣の動きを察知し、グロリアは得たデータから落下軌道を電脳魔術で算出した。
「落下位置予測、誘導を行います」
 次々と放つミサイルの爆風を利用し、魔剣を空中で一カ所に集める。
「ここで本命の出番、そう、コイツです」
 グロリアが取り出したのは鉄球型【プラズマグレネード】だった。
「これで一網打尽!」
 全力で魔力を込めて火力を高める。そして大きく振りかぶって集まった敵集団目がけ、グロリアはグレネードをぶん投げた。
 真っ直ぐ飛んだグレネードは魔剣の群れの中心に飛び込むと、夜空に花火を上げたように大爆発を起こして魔剣を鉄屑に変えて吹き飛ばした。

(止まることは許されぬ……使命を果たすのだ……)
 岩石の腕に守られて爆発を突破した魔剣が巨大化しながら地上に落ちる。
「私は空の迎撃を続けます。仕留め損なったのはお任せしますよ!」
「承知」
 まだ空からくる残った敵にミサイルを放ちながらグロリアが声をかけると、短く返答した景正が駆け寄り【濤景一文字】を抜刀して左手の甲を浅く切る。そして地上に降りた魔剣を握る岩石の腕に撒き散らし、灰色の腕に赤い鮮血が点々と付着する。
「鬼心にて、一献差し上げよう」
 ユーベルコード『鬼酔ノ盃』を遣い、己が血液を通して羅刹の呪力を流し込む。すると呪力が内部へ浸透し岩石の腕が動きを止める。
「平穏な街に魔剣など不要――」
 景正が刀を振るうと荒波のように斬撃波が飛び、魔剣の刀身に直撃して叩き折った。しかし次々と剣が降り、景正は留まることなく次に向かう。

「んあっ! 剣が!?」
 酔っ払っていい気分で家に帰ろうとしていた男が、空から降って来る魔剣に驚き尻餅をつく。その頭上に迫る刃を激しい金属音と共に景正が弾き返した。
「此処は既に戦場、空から見えぬ建物の中なら直撃は避けられるでしょう。早く非難を」
 避難を促しながらも景正は空から視線を外さず、落ちて来る魔剣に駆け寄って斬り捨てる。
「あ、ああっ!」
 這う這うの体で男は近くの家へと飛び込んでいった。

「民家に落とさないように誘導しましょう」
 グロリアは建物への直撃コースを取る敵を優先し、ミサイルを撃ち込んで爆風で軌道を変えていく。
「一振り残さず断ち切り、街もその住民も守り抜いてみせましょう」
 落下した魔剣を景正が斬撃波で次々と断ち、砕けた魔剣は意志を失ってただの鉄屑となり、岩石の腕はぼろぼろと崩れて石ころとなる。
(ありえない……我等がこうも簡単に折られていくなど……)
(このままでは主の命を果たせぬ。一人でも多くを道連れにして仕留めよ……)
 残り少なくなった魔剣達は強敵の猟兵ではなく、一般人を狙い民家へと突撃する。
「最期の悪足掻きですねぇ。でも既にロックオンしてますよ」
 グロリアがミサイルを一斉発射して魔剣に直撃させる。魔剣は落下地点を変えられ勢い余って大地に突き刺さる。そこへ景正が斬撃波を放ち、一本残らず魔剣を折っていった。

(おのれ……ならば竜をも断つ質量で潰す……多くの人の血を吸い上げてくれよう)
 最大まで巨大化した魔剣が岩石の腕によって加速し、ミサイル攻撃でも動かせず家の集まった場所に隕石のように降って来る。
「これはちょっと拙いですね」
 グロリアがプラズマグレネードを投げて爆発の衝撃を与えるが、魔剣は少し軌道を逸らしただけで明りの灯る建物の上にまるで切り裂くように横になりながら落下する。このままなら数件の家が潰されるだろう。
「血に飢えた魔剣か、だが今宵其の刃が血に染まることはない」
 落下地点の建物の屋根に跳び乗った景正が刀を下段に構える。そして頭上から迫る魔剣に合わせて剣を斬り上げた。重厚な金属音が鳴り響き、真っ二つになった巨大魔剣が別れて落下し、民家の隣に落ちて土煙を上げた。


 猟兵達が街の各所で迎撃し、鳴り響いていた戦闘音が鎮まり始める。
「魔剣の襲撃は終わったみたいですね」
 グロリアが空を確認すると、もう降り注ぐ無数の魔剣の姿はなく月明かりが良く見えた。
「だが戦いはこれからが本番のようです」
 景正は魔剣よりも強い殺気を感じ、空高くに浮かぶ大天使と次の敵を見上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『黒輪竜』メランシオン』

POW   :    消え失せろ、愚物共!
【天覆う無数の黒輪に収束する極大エネルギー】を向けた対象に、【超広範囲を破壊し尽くす豪雨の如き魔弾】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    我が黒輪に刃向かう愚か者が!
【対象を追跡するレベル×20個の暗黒の輪】【対象の戦意を喪失させる暗黒のブレス】【体に吸着する超高重量高密度の黒い砂礫】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    緩やかに死に逝け、定命の者たちよ。
非戦闘行為に没頭している間、自身の【無数の黒輪が天を覆い、降り注ぐ黒の雨】が【当たった対象を呪詛で侵食する。その間】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アイン・セラフィナイトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●鎧を纏いし黒輪竜
「軍勢の攻勢は失敗か……やはり猟兵の邪魔が入ったか」
「ふんっ、竜を斬る魔剣といっても、所詮は下級の竜を仕留めた程度。予測できた結果だ」
 月のように輝きながら空に浮かぶ大天使ブラキエルの言葉に、傍に現れた巨大なドラゴン『黒輪竜』メランシオンが嘲るように鼻で嗤い地上に散らばる魔剣の残骸を見下ろした。
「では君に猟兵の始末を頼もう」
「任せておけ! 定命の者など我が黒輪の敵ではない!」
「だが猟兵は油断できぬ力を持っている。君にも力を与えよう……あらゆる攻撃を防ぐ絶対物質ブラキオンの鎧だ」
 勇ましく吼える黒輪竜に向けて大天使ブラキエルが手をかざすと、竜の全身に純白の鎧が装着された。
「このようなもの不要だが……まあいい、圧倒的な力で愚物共を粉砕してきてやろう!」
 暗黒の輪を浮かべ、黒輪竜は地上の街に向かって降下を始めた――。


 あらゆる攻撃を防ぐ未知の単一原子でできた鎧を纏う黒輪竜。この強敵を倒すには鎧の僅かな隙間を狙うしか無い。
 さらに戦場は街の上となる。一般人を守りながらの困難な戦いとなるだろう。
 それでも猟兵は敵を倒すことも、人々を守ることも諦めず、夜空に浮かぶ巨大な黒いドラゴンを迎撃すべく武器を持ち戦いに臨む。
村崎・ゆかり
大天使への道を塞ぐ第二の試練か。それじゃ、遠慮なく叩き潰してあげましょうか。

町の上空に「全力魔法」酸の「属性攻撃」「範囲攻撃」「高速詠唱」「結界術」「呪詛」「仙術」「道術」の紅水陣を全力展開。
あたしの紅の雨とあなたの黒い雨、どちらが上か試してあげる。
黒の雨がもたらす呪詛は「呪詛耐性」で対抗する。

紅い靄になった強酸は鎧の隙間にまで入っていくわよ。今は攻撃を遮断出来ても、効果が切れたとき入り込んだ酸があなたを灼く。
ついでに空を飛び回る黒輪も、紅水陣で溶かしておきましょ。放っておいてもろくなことにならない。

待ってなさい、大天使。この竜を討滅したら、次はあなたの番よ! そしてこの世界に平穏を取り戻す!


夜鳥・藍
……なぜか「一番いいのを頼む」という言葉が脳裏に浮かんだのですが、どういう意味でしょうか?

謎の言葉はさておき。
隙間が少ない鎧、フルプレートだと動きにくいのが定石ですけど、厄介な事に向こうは動かなくても攻撃してくるみたいですね。こちらから近づかないと隙間は狙いにくいかしら……。
先程と同様に鳴神を操ってUC竜王召喚、なるべく魔弾は雷撃で相殺するようにします。
その間に私自身を念動力で飛ばして、相手の死角になるような箇所を進み、かつ攻撃を避け黒輪竜に近づきます。そのまま青月で鎧の隙間を狙って刺突攻撃を。
特に強い技能を持っているわけではない私は道具に頼るしかありません。



●黒き雨
「矮小なる人間共! この黒輪竜メランシオンが滅ぼしてくれよう!」
 純白の鎧を纏う『黒輪竜』メランシオンが月光に照らされ、まるで御使いのような姿で街の上へと降下してきた。その存在感は魔剣の比ではない。街ごと人々を消滅させるだけの力を宿しているのが分かる。

「大天使への道を塞ぐ第二の試練か。それじゃ、遠慮なく叩き潰してあげましょうか」
 ゆかりは強固な鎧に身を包む黒輪竜を見上げ、その先に居る大天使までも視界に収めて必ずその場所に手を届かせてみせると決意する。

「……なぜか『一番いいのを頼む』という言葉が脳裏に浮かんだのですが、どういう意味でしょうか?」
 思い浮かんだ言葉に心当たりがなく藍は首を傾げながらも、今は目の前の脅威を排除するのが重要だと意識を集中した。


「人間は減らしてもすぐに増える。ならば纏めて始末するのが一番だ!」
 黒輪竜は空に向かって咆える。すると無数の黒輪が月光を遮り、黒き雨を地上に降り注がせた。それに触れた草木は黒く染まり枯れていく呪詛の雨だった。
「仕掛けてきたわね。雨には雨を――」
 黒い雨がゆかりに触れ、皮膚から呪詛が侵食してくる。それを呪詛耐性で凌ぎながら、ユーベルコード『紅水陣』を発動すると、真っ赤な血のような雨が降り始めた。
「あたしの紅の雨とあなたの黒い雨、どちらが上か試してあげる」
 赤い雨が空に浮かぶ黒輪を腐蝕させ、黒雨の量が減っていく。さらに赤い雨は黒輪竜をも濡らして傷一つ付かぬ鎧の隙間から内部に入って腐らせようとする。しかし咆哮する黒輪竜の肉体はあらゆる攻撃を遮断していた。

「死の雨を凌いだか、人間にしてはやるな」
 黒輪竜が咆哮を止めて地上を見下ろし、街を滅ぼすつもりで放った黒き雨が多少建物を崩している程度の被害に収まっていることに驚く。
「ぬぅっ! 身体が痛む、鱗が溶けていくだと!」
 そして動き出したことで絶対防御が崩れ、赤い雨に濡れていた体が腐蝕を始めた。
「おのれ人間風情が我を傷つけるだと!!」
 痛みに激高した黒輪竜は新たな黒輪を展開し、空気が震える程の魔力を集めて魔弾の雨を降らせた。
「続けての遠距離攻撃ですね。まずは攻撃を防ぐことにしましょう」
 対して藍が黒い三鈷剣【鳴神】を念動力で飛ばし次々と魔弾に当てる。そしてユーベルコード『竜王招来』によって嵐の王たる竜王を召喚して電撃を放射させた。降り注ぐ魔力の雨に、天に昇る龍のように稲妻が走ってぶつかり合い、エネルギーが相殺されて魔弾と雷が弾け飛んでいく。
「竜だと? 我と同格だとでも言うつもりか!」
 黒輪竜の放つ魔力の雨が激しさを増し、竜王もまた電撃を最大火力で放って空が大荒れになる。
「この距離では鎧の隙間を狙いにくそうですね」
 街の上に陣取っている黒輪竜への射線を確保しようと、藍は嵐に紛れるように己が身体を念動力で飛ばした。

「あの巨体の皮膚を腐蝕させるにはまだ足りないみたいね。なら集中して降らせるわ」
 敵の頭上に赤い靄が集まり、雨を集中的に降らせて黒輪竜の身体をずぶ濡れにする。鎧は一切影響を受けていないが、鎧の隙間から染み込んだ赤い雨は竜の強靭な鱗を侵食し、ぼろぼろに脆くして鎧が当たるだけで砕け散った。
「愚民がぁアアアアアア!!」
 痛みを吹き飛ばすように黒輪竜が咆え、赤い靄から繋がる力の流れを辿り地上のゆかりへと視線を向けた。
「許さんぞ!!」
 そちらへ黒輪が方向を合わせ魔力弾を集中して一斉発射する。
「見つかったわね」
 ゆかりはトランプカード状の【霊符『白一色』】を展開して結界を張る。そこへ魔力弾が衝突して爆発が起こり、ゆかりの身体が地面を転がった。
「魔剣と比べて明らかに格上ね、でも負けないわよ」
 衝撃を利用して射線から逃げる間に、ゆかりは赤い靄を頭上に漂わせ魔力弾を防いだ。
「こっちは一人じゃない、こうしてあたしが注意を引けば……」
 見上げればゆかりへと敵の意識が向けられている隙に、藍が黒輪竜の背後へと近づいていた。


「攻撃を受けても鎧には傷一つありませんね、やはり隙間を狙うしかないようです」
 跳躍した藍は鎧の隙間を探し、首にある装甲と装甲の隙間へと打刀【青月】を突き入れる。切っ先が腐蝕によって脆くなっていた鱗を貫き深々と肉を裂いた。
「その程度で我を倒すつもりか!」
 黒輪竜は腕を振るって藍を薙ぎ払おうとする。
「少し浅かったようですね、ですが隙間を狙えばダメージは与えられます」
 腕を回避しながら藍は死角死角へと回り込み、今度は脇腹にある隙間に刃を突き立てた。傷口から血が溢れ純白の鎧を汚す。
「愚か者が!」
 黒輪竜はまとわりつく藍を狙い、魔弾の雨を自分諸共に浴びせる。その攻撃は鎧に弾かれ黒輪竜には届かず、生身の藍にだけ効果をもたらす。
「これは危険です」
 藍は降下して魔弾から逃れる。しかしそれを追うように魔弾は降り注ぐ。そこで藍を守るように竜王が割り込んだ。
「ここまで下がれば、こちらにも手があります」
 迫る魔弾を雷撃で吹き飛ばし、藍の放つ閃光が敵の目を眩ませた。
「無駄な足掻きを」
 黒輪竜は構わず魔弾を放とうとするが、降り続ける赤い雨が少しずつ体を蝕んで動きのキレを失わせていた。

「ちっ、鬱陶しい攻撃だ」
 黒輪竜は赤い雨を嫌がり、魔弾を放ちながらその場を離れた。魔弾の雨の下には多くの民家がある。このままでは多数の死傷者が出るだろう。
「このままでは被害が出てしまいます。建物には落とさせません」
「範囲が広い攻撃は厄介ね!」
 藍が竜王の電撃よって魔弾を撃ち落とし、ゆかりは赤い靄を間に張って威力を弱め街の被害を減らした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ゲニウス・サガレン
【連携歓迎】

黒輪龍か
見る限り、攻撃の範囲が広く、隙が無い……強いな

どこまで歯が立つか分からないが、最善を尽くそう

UC「水魔アプサラー召喚」
出でよ、我が友アプサラー!
龍には魔で対抗しよう
少し厳しい戦いになるが、君の力なくしては彼の龍と戦えない、助けて欲しい

アプサラーは水流を操る
この力で薄い水のドームを作り我々を覆う
これで呪詛の雨からは守られるはずだ

次にその呪詛の雨も水である以上、これを利用する
そのままウォーターカッターのように極細の水流として、ブラキオンの鎧の隙間の貫通を目指そう

問題はこの呪詛入りの水流が、黒輪龍に効果的か、遮断されないか……
私で及ばなければ、他の猟兵の力に期待したい


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
あまり他を守りつつ、というのは得意じゃないの。
そちらは皆に任せて私はできることをしましょう。

街中なら遮蔽物は多そうね。
[迷彩][目立たない]で隠れつつ、集中。
なるべく長距離からユーベルコード【千里眼射ち】を弓矢【射貫き打ち抜く鋒矢】から放つ。

「ピンポイントの隙間しかなくても[スナイパー][誘導弾]付きの矢から逃れられるかしら?」

射撃したらすぐに次の場所へ隠密移動してまた射撃、を繰り返すわね。

敵の攻撃は[見切り][武器受け]でなるべく回避。
命中するようなら[オーラ防御][破魔][呪詛耐性]で凌ぐ。

「確かに私たちは愚かかもしれないけど、何かを為すのはその愚か者なのよ?」



●守る戦い
「我に痛みを与えるとは小癪な人間め、必ず一匹残らず滅ぼしてくれる!」
 黒輪龍が咆哮を響かせ、夜空に浮かぶ無数の黒輪から雨が降り出す。その黒い雨は地上を濡らし、籠められた呪詛によって建物や草木を侵食して腐らせていく。

「黒輪龍か。見る限り、攻撃の範囲が広く、隙が無い……強いな」
 ゲニウスは魔力の雨を降らせる黒いドラゴンを見上げ、街を容易く滅ぼせる強大な力を感じ取る。
「このままでは街が住人ごと滅びてしまう……どこまで歯が立つか分からないが、最善を尽くそう」
 敵から視線を逸らし周囲に目を向ければ、そこには生活の明かりが灯る民家が並んでいる。黒輪竜が好きに暴れれば甚大な被害が出るだろう。それを阻止しようとゲニウスは敵に視線を戻して飼育用の壺を手にした。
「出でよ、我が友アプサラー!」
 龍には魔で対抗しようとユーベルコード『水魔アプサラー召喚』を発動すると、壺から悪魔【アプサラー】が召喚される。アプサラーが何用かと思念で尋ねかけた。
「少し厳しい戦いになるが、君の力なくしては彼の龍と戦えない、助けて欲しい」
 誠心誠意にゲニウスが頼むと、アプサラーが了承して水を放つ。操る水流が薄い水のドームで辺りを覆った。
「アプサラーは水流を操る能力。呪詛の雨もまた水なら操れるはずだ」
 そこに黒い雨が当たるが、水のドームはそれを集め、我が物にすると黒く濁りながら分厚くなっていった。
「なんだ、あれは結界か?」
 黒輪竜はドームに雨が吸収されていくのを見て咆哮を止めた。
「守りが得意な術者がおるようだな。そちらを先に叩かねばならんか!」
 見下ろす鋭い視線が魔力を探り、アプサラーとゲニウスを捉えた。
「そこか!」
 黒輪竜から無数の暗黒の輪が放たれ、全てを切り裂こうと地上を目指す。


「あまり他を守りつつ、というのは得意じゃないの。そちらは皆に任せて私はできることをしましょう」
 ヴィオレッタは防御は他の猟兵に任せ、自らは黒輪竜を倒す事を優先して周囲を見渡した。
「遮蔽物を使って隠れられそうね」
 建物の陰から陰へと移動して、敵の背が見える人気の無い離れた位置で、木々に身を隠して意識を集中する。
 ゆっくりと深呼吸をして集中が高まり、合成弓【射貫き打ち抜く鋒矢】を構える。
「ピンポイントの隙間しかなくても[スナイパー][誘導弾]付きの矢から逃れられるかしら?」
 ユーベルコード『千里眼射ち』が発動し、空飛ぶドラゴンに向けて矢を放った。
「そんな水の膜では我が黒輪には耐えられんぞ!」
 黒輪竜はゲニウスに意識を向け、黒輪の突撃によって分厚い水のドームを切り裂き地上へと攻撃を届かせようとしていた。そこへ背中に針で突いたような衝撃が走る。
「ぐっ? なんだ?」
 長い首を回して背中を見れば、そこには装甲と装甲が重なり垂直に攻撃したのでは決して届かぬ小さな鎧の隙間を、針の穴を通すように精確に通り抜けた矢が深く突き刺さっていた。
「おのれ! 鼠のようにこそこそと隠れている者がいたか!」
 黒輪竜は背後を向いて射手を探す。しかし既にヴィオレッタは身を隠して次の射撃ポイントへと移動していた。
「どこだ!」
 苛立つ黒輪竜が暗黒のブレスを放ち、木々を吹き飛ばす。
「ここよ」
 側面の林に位置どったヴィオレッタが、二の矢を放ち脇腹にある血の付いた傷口に突き刺し、さらに血を垂れ流させ鮮血を広めた。
「そこか!」
 すぐさま黒輪竜が体に付着する黒い砂礫を飛ばし、林を薙ぎ倒し着弾の衝撃波でヴィオレッタを吹き飛ばした。


「こちらから意識が逸れたな、攻撃のチャンスだ」
 ゲニウスはアプサラーに視線を向ける。すると意を察したアプサラーが水を操り黒輪の攻撃で散った水を集め、極細の水流をウォーターカッターのように放った。その水の刃が黒輪竜の血に濡れた脇腹を貫き、血が噴き出すように白い鎧を染め上げた。
「呪詛入りの水流が通じたようだ」
 敵の力を取り込んだ攻撃に効果があるかと、凝視していたゲニウスは安堵の息を吐く。だがすぐに気を抜いている暇はないと敵の動きを観察した。
「我に歯向かうか愚か者が!」
 黒輪竜が攻撃に使っていた黒輪を戻して鋭い水流を弾く盾として防ぐ。そして反撃に口を大きく開けてブレスを放とうとした。
「確かに私たちは愚かかもしれないけど、何かを為すのはその愚か者なのよ?」
 愚かであろうとも立ち向う強き意志を持ち、ヴィオレッタは新たな矢を放つ。軌道を変えて飛ぶ矢は、黒輪竜の口に入り鱗に守られていない口内を貫いた。
「グォオオオオオオオオ!!」
 痛みとそれをもたらした猟兵に対する怒りに咆えた黒輪竜は、咆えて暗黒のブレスを血を流す口から放った。
「このままでは街に被害が出てしまう。アプサラー、街の人々を守って欲しい」
 慌ててゲニウスが頼むと、アプサラーが水のドームを削ってブレスの当たる部分だけ分厚くし、街に落ちる暗黒の力を防いだ。

「我が攻撃を防ぐだと! 矮小な人間が生意気な!」
 ブレスを防がれ、黒輪竜は怒りに任せて今度は無数の黒輪を地上に放った。
「あれが地上に降り注げば多くの人が死んでしまうわね。こちらに引き付けましょう」
 こっちと民家の無い場所から敵の気を引くように姿を見せたヴィオレッタが矢を放ち、敵の鎧の隙間を突いて腹に当てる。
「そこに居たか!」
 その姿を見つけた黒輪竜は、黒輪の目標を変えてヴィオレッタを狙った。
「街の人々に被害が出ないのを優先しよう」
 その動きを見てゲニウスはフォローしようと黒輪を水流のドームで防ぎ、黒輪竜の猛攻を凌ぐように防御に専念する。
 建物が崩れ人々に怪我人を出しながらも、死者だけは出さずに猟兵達は黒輪竜と市街戦を繰り広げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鞍馬・景正
成る程、先の剣たちは前座に過ぎぬと。
しかし我らは奴より遥かに強大な竜を討ち果たしている。

その余裕、剥がれる前に決めさせて頂く。


上空を奪われているのは厄介ですが、それより彼奴の攻撃が街の人々に向けられる方が怖い。

私は地上に留まり、【曇耀剣】による稲妻を限界まで張り巡らした【結界術】で盾になりましょう。

結界の範囲外や他の猟兵たちに攻撃が及べば雷を飛ばして相殺し、被害を防いでいきます。

やがて敵の攻撃が止むか、隙を見出せば反撃に転じて電撃の【斬撃波】を放ちましょう。

甲冑の弱点と言えば首や腋、股、関節部等ですが──それらを纏めて薙ぎ払う巨大な稲妻を浴びせ、どこかの隙間より電流の奔騰を溢れさせましょう。


田抜・ユウナ

赤丸希望
負傷は気にしせず、捨て身で挑む
そのくらいの強敵だとは思ってる


グリモア猟兵曰く、敵の鎧は鱗のような形状
ならば……

用意するのはハンマーとノミ(刃引き)
敵の後方から接近、ノミで鱗を逆撫でするようにして、刃が隙間に挟まったらハンマーで思い切り打ち込んでやる
妖刀の《呪詛》を纏わせ傷口を侵食、《戦闘知識》でなるべく急所に入れたいわね

〈妖刀封じの留め金〉の《封印を解く》で《ドーピング》し、与ダメージと機動力を向上を図る

「見くびるつもりはないけど、本命がこの後に控えてるからね。さっさと終わらせましょう」



●血に染まる白き鎧
「小賢しき人間め! この程度の攻撃で我を倒せるなどと思うな!」
 純白の鎧をところどころ赤く染めながら、黒輪竜が咆えて空気を震わせ威圧する。それだけで街を包む空気が震え、オブリビオンの襲撃に気付き家の中で怯えている人々が気を失った。
「成る程、先の剣たちは前座に過ぎぬと。しかし我らは奴より遥かに強大な竜を討ち果たしている」
 恐るべき殺気を放つドラゴンを見上げ、景正はその脅威を上回る敵を倒してきたと大太刀【鞍切正宗】を抜き放つ。
「その余裕、剥がれる前に決めさせて頂く」
 敵が余裕を保っている間に仕留めようと、敵に負けぬほど鋭い気を放ち威圧に耐え仕掛ける機を見計らう。

「まだ本命との戦いが控えてるけど、負傷を気にしていては勝てる相手ではないか……」
 離れていても敵が放つ殺気は死を予感させるに十分だった。ユウナは捨て身の覚悟で以って強敵に挑まんと気迫で殺気を跳ね返す。
「グリモア猟兵曰く、敵の鎧は鱗のような形状。ならば……」
 ユウナは鎧の隙間を狙う武器としてハンマーと刃引きされたノミを用意して動き出した。


「全てを灰燼に帰す! 街ごと滅びろ!」
 黒輪竜は街ごと猟兵を滅ぼそうと、空を覆うように黒輪を生み出し魔弾の雨を降らせた。
「地上への攻撃は私が盾と成り防ぎましょう」
 広場に立った景正が大太刀を掲げ、ユーベルコード『曇耀剣』を発動する。邪心を持たぬという誓約によって大太刀の封印が解かれ、刀身が眩く輝き稲妻を空に放って結界を張り巡らせた。降り注ぐ魔弾が次々と雷光の結界に当たり弾け飛ぶ。一切の邪心を宿さず、雷神の力を借り受けて人々を守る為に行使する。
「我が死の雨に抗うか! その雷がどれほどのものか試してやろう!」
 黒輪竜は魔弾の数を増やし、稲妻の結界を突破しようとする。
「私を狙うというのなら好都合。当流が守護神、建御雷の力を御見せしよう!」
 対して景正は頭上に掲げる大太刀を持つ手に力を込め、一歩も引かずに稲妻を放射して結界を維持し続けた。

「完全に向こうに集中してるね、この隙に仕掛けるよ」
 後方からユウナは空に浮かぶ黒輪竜に近付き、建物の上に登ってそこから大きく跳躍し、敵の背に飛び乗った。
「何だ?」
 その衝撃に気付いた黒輪竜が長い首を回して振り返る。すると首の付け根あたりに人が張り付いていた。
「もう遅い、思い切り打ち込んでやる」
 すでにユウナは重なる鱗のような鎧の隙間に逆撫でするように刃の無いノミを差し込み、ユーベルコード『無刃の誓い』を発動し刃物を使用しないという誓約によって身体強化してハンマーを全力で叩き込む。するとノミが深く入り込み、黒輪竜の身体に届いた。竜鱗を割って肉にまで先端が達し、血が鎧の隙間から流れ落ちた。
「首の付け根は神経が集まる場所。ここに呪詛を流し込めば……」
 ユウナは妖刀の呪詛をノミに纏わせ、傷口から黒く侵食して神経にまで届かせる。
「ガアアアッ! この我に痛みを与えるだと!!」
 苦悶の声を上げた黒輪竜が激昂し、空中で暴れユウナを振り落とそうとする。
「おっと、効いてるみたいだね」
 ユウナは落とされないように【妖刀封じの留め金】の封印を解き、身体をドーピングしてしっかりと鎧に掴まる。
「鬱陶しいぞ愚物!」
 黒輪竜は自らに魔弾の雨を降らせ攻撃を鎧で弾く。そして邪魔なユウナを撃ち抜こうと背中を上に向けた。
「鎧に守られてるからできる方法だね」
 避けきれぬ魔弾の雨に被弾し、これ以上は危険だとユウナは敵を蹴って飛び出して雨から逃れた。


「此方への攻撃が止んだ。反撃の好機!」
 空で暴れる竜を見上げた景正は、敵の動きを読みながら大太刀に雷を宿す。
「甲冑の弱点と言えば首や腋、股、関節部等──ならば纏めて薙ぎ払うとしよう」
 ユウナが離れた瞬間、景正が大太刀を振り下ろす。すると巨大な電撃の刃が飛び、黒輪竜の身体を両断するように浴びせた。電流が全身に流れ、鎧の隙間から入り込みバチバチと激しい音を鳴らし肉体を破壊していく。
「な、んだとぉ!」
 身体を痺れさせた黒輪竜が、緩慢な動きで地上の景正を睨みつける。
「人間ごときがァ!!」
 そして全ての黒輪の向きを景正に合わせ、魔弾の集中砲火を浴びせた。
「逃げ回れば街に被害が出る……ならば受けるしかあるまい」
 景正は大太刀を下から斬り上げ、稲妻を放って魔弾を防ぐ結界を張り直す。そこへ魔弾が直撃し、激しく閃光を撒き散らした。勢いを弱めない魔弾の雨がどんどん結界を削り、抜けた魔弾が景正を掠め始めた。

「それだけ撃っても尽きないって驚異的な魔力だね」
 魔弾が景正へと集中している間にユウナが戻り、またも敵に飛びつく。
「見くびるつもりはないけど、本命がこの後に控えてるからね。さっさと終わらせましょう」
 そして先と同じ場所、首の付け根にユウナはハンマーを振るってノミを打ち込み、深々と傷を抉り血が噴き出した。
「またか! 愚者が我に傷を付けるなど、許されぬ愚行!」
 黒輪竜は自ら魔弾の集中砲火に飛び込み、激しい魔弾の奔流でユウナを吹き飛ばす。そして振り返りながら落下地点に向けて魔弾を放とうと魔力を高めた。

「強靭な竜といえども傷口を狙えば――」
 景正は背を向けた黒輪竜に向け、大太刀を突き出す。切っ先から矢のように飛んだ稲妻が、首の付け根にある血に濡れた場所に命中した。純白の鎧は雷を弾くが、電流は隙間から入り込み黒輪竜の傷口を刺激し激痛を与える。
「グガアアアアアアアアアアッ!!!」
 鎧を赤く染めながら身体を傾けた黒輪竜が大きく叫び、集めていた魔力が四散した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
驕慢者、なれば貴方は疾く逝くと良いでしょう

◆行動
要は非戦闘行為に「没頭」出来なければ良いわけです

また付近住民には屋内に留まり絶対に雨に打たれない様に警告

【罠使い】として持ち込んだ「魔法で敵を識別する閃光発音筒」を風船に括り付け複数散布
閃光と轟音で集中を乱すだけでなく、其れ自体を黒の雨の傘替わりとしても活用

散布後は『涅槃寂静』にて「死」属性の「濃霧」を行使し【範囲攻撃】
加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
精密に隙間を射抜く技術は無くとも【範囲攻撃】で無理矢理隙間に攻撃を当てると言う手もありますので…

負傷は【呪詛耐性】を高めた【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


白斑・物九郎
●POW



おたくがフォーミュラの懐刀っスか
相手にとって不足はなさそうですわな
喜べ、眼鏡に適いましたでよ
ワイルドハントの王が直々に相手してやりまさァ
(威厳+悪のカリスマで超偉そうにエントリー)


・【ヒート・ビースト】発動、炎を纏い嵐を背負って飛ぶ化け猫へと変じ飛翔(化術+属性攻撃[炎]+天候操作)
・敵の射線を街へ向けさせぬよう、敵よりも上方を立ち回る

・敵攻撃の機先を【野生の勘】で読みながら回避に専心しつつ、弱い部位を探る鬼火の投射でブラキオンの鎧の脆弱箇所を調べる

・鎧の隙間を看破次第、出し抜けに最大戦速を解禁(限界突破)
・該当箇所へ渾身のネコパンチをワン・ツーでブチ込みに行く(暴力+蹂躙+2回攻撃)


グロリア・グルッグ
魔剣の次はドラゴンが降ってきた!
なんてこったここはファンタジーの世界だとでも言うんですか!?
はっ、ここは剣と魔法のファンタジー世界でした…ッ!!

一通りの茶番劇で逆に冷静になります。
私は電脳魔術士ですからね、常にクールでロジカルなのでどんな事態が起きてもあわあわ慌てることなんてないんですよ。

UCを発動して電脳ゴーグルの性能を3倍にします。
必然的に電脳魔術の効果も増えるので、敵の攻撃をすべて計算しながら回避行動に全力を出します。
避けきれない攻撃にはグレネードを投げて相殺しつつ、電脳ゴーグルで敵の弱点である鎧の隙間を計算。
発見すればそこへマイクロミサイルを電脳誘導で放ち、ピンポイントで爆撃です!



●墜ちる竜
「我の身体をここまで傷つけるか、人間風情が!」
 純白の鎧を赤く染めた黒輪竜が手負いとなって猛る。その殺気は空気を震わせ突風を起こした。

「魔剣の次はドラゴンが降ってきた! なんてこったここはファンタジーの世界だとでも言うんですか!?」
 月光を背に咆えるドラゴンを見上げ、慌てたグロリアはまるでファンタジーのようだと錯乱したセリフを口にした。
「はっ、ここは剣と魔法のファンタジー世界でした……ッ!!」
 自分のボケに自分でツッコミを入れる茶番劇を演じながら冷静になって頭を回転させる。
「私は電脳魔術士ですからね、常にクールでロジカルなのでどんな事態が起きてもあわあわ慌てることなんてないんですよ」
 先ほどまでの慌てっぷりなど無かったように、すまし顔でグロリアは電脳ゴーグル【ラプラス】を装着し、ユーベルコード『電脳宝具 ラプラスの魔眼』を発動する。性能が3倍になったゴーグルを使い電脳魔術によって敵の動きを計算していく。
「滅びよ人間! 一匹残さずこの地の命を踏みにじる!」
 無数の暗黒の輪が放たれ、グロリアに向けて襲い掛かる。
「数は多いですが、動きが視えていますよ!」
 まるで未来が視えているように、グロリアは駆け出して横から突っ込んで来る黒輪を回避し、跳躍して胴体を真っ二つにしようとする黒輪から逃れ、木を蹴って追いかけて来る黒輪からも逃れる。


「ふんっ、我が黒輪から逃げ切れると思うな!」
 黒輪竜がさらに黒輪を放とうとしたところに声がかかる。
「おたくがフォーミュラの懐刀っスか。相手にとって不足はなさそうですわな」
 声の元に目を向ければ、威厳を放つ白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)が堂々と地上に身を晒して立っていた。
「喜べ、眼鏡に適いましたでよ。ワイルドハントの王が直々に相手してやりまさァ」
 自分の方が上だと物九郎は悪のカリスマとして超偉そうに頭上のドラゴンを見下して嗤った。
「彼我の差も分からぬ愚者が!」
 怒気の籠った声を発し、黒輪竜は黒輪を浮かべて魔力を溜める。
「挑発に乗ってきたようでさァ」
 物九郎はユーベルコード『ヒート・ビースト』を発動し、全身が炎に包まれその姿を化け猫へと変じ、炎を纏って嵐を背にして空へと飛翔する。
「獣に変身したか、だが無駄なことだ!」
 黒輪竜が黒輪の向きを調整し、空中を飛ぶ物九郎へと数え切れぬ魔弾を発射し、流星雨が流れるように空を光が覆う。
「街に被害を出す訳にはいきませんでさァ」
 敵の頭上を取るように上昇し、物九郎は敵の攻撃を空に向けさせて地上の被害を防ぐ。
「誰の許しを得て我の頭上を取っている!」
 傲慢に言い放った黒輪竜は魔弾を放ち、撃墜しようと弾幕の激しさが増す。
「当てられるもんなら当ててみるんですな」
 野生の勘で機先を読み、物九郎は回避に専心しながら合間に鬼火を放って敵の鎧にぶつける。そうして鎧の隙間を探していった。


「ちょこまかと! ならば空より降る滅びの雨でその火ごと消し去ってやろう!」
 黒輪竜が咆哮を上げ、空高くに黒輪が展開し呪いの黒い雨を降らせた。
「驕慢者、なれば貴方は疾く逝くと良いでしょう」
 絶奈は己が絶対的な強者であると驕るドラゴンを見上げ、雨が降り始めると辺りの建物を見渡した。雨が当たると、建物が黒く染まり朽ちるようにぼろぼろになっていく。放っておけばあっという間に建物が崩れ、中の人々も同じように呪詛にやられてしまうだろう。そして咆哮を上げているところに物九郎が鬼火を叩き込むが、あらゆる攻撃が遮断されてしまう。
「住民は竜の殺気に中てられて気を失っているようですね。今は好都合です」
 気絶しているなら外に出る心配はないと、絶奈は敵に視線を戻す。
「あらゆる攻撃が無効化されるようですが、要は非戦闘行為に『没頭』出来なければ良いわけです」
 風船に括り付けて空に飛ばしておいた閃光発音筒を起爆させ、空で派手な光と音が連続で起こる。
「グァッ! なんだこの騒音は!」
 閃光と轟音に黒輪竜の咆哮が途切れ、黒い雨が止み始める。
「光も音も攻撃ではありません。故に無敵の防御を突破することが出来るのです」
 絶奈は続けてユーベルコード『涅槃寂静』を発動し、死を宿す濃霧で敵を包み込み鎧の隙間から内部に浸透し肉を腐らせていった。
「身体が痛む、この霧か!」
 黒輪竜は暗黒ブレスを吐いて霧を散らしその場から離れる。


「鎧の隙間を計算し終えました! ここからは反撃です!」
 グロリアがグレネードを投げて追って来る黒輪を纏めて吹き飛ばし、多連装マイクロミサイルを一斉発射した。電脳誘導によりそれぞれのミサイルがピンポイントで鎧の隙間がある場所を爆撃していった。
「グォオオオオッ!!」
 鎧の隙間から抜けた衝撃が次々と打撃を与え、黒輪竜は空中でよろめいて高度を落とした。
「何だこれは……我が力を落とす程の傷を負っているというのか?」
 信じられないと黒輪竜は己が傷だらけの身体を見下ろした。純白だった鎧は鮮血で汚れ、赤黒くなり始めている。
「ファンタジーならドラゴン退治なんてお約束イベントですよ」
 グロリアが続けてミサイルを発射し、関節部の隙間を狙って着弾させて新たな傷を刻んでいく。傷が深くなると黒輪竜の動きが目に見えて鈍っていった。
「おのれぇ!」
 黒輪竜が黒い砂礫を放つと、グロリアは慌てて飛び退き地面に大穴が穿たれた。

「鎧の隙間を見つけたらこっちのもんでさァ」
 ミサイル攻撃された場所へ物九郎が最大戦速を解禁して接近し、血で汚れていた左腕の付け根の部分にネコパンチをワン・ツーでブチ込んだ。するとぐちゃりと肉が潰れ、腕が捻じ曲がって動かなくなった。
「獣がぁ!!」
 叫ぶ黒輪竜が魔弾を発射するが、物九郎はすぐに距離を取って躱す。
「我の腕をよくも! その身をひき肉にしてくれよう!」
 黒輪竜は物九郎を追い駆け、次々と魔弾を発射する。
「火力は高いようでございますが、当たらなけりゃ意味はないですわな」
 物九郎は背後からの殺気を感じ、それを反射的に避けていく。敵が怒る程に機先を感じ取りやすくなっていた。

「竜だけあって耐久力も高いようです。致命傷と成り得る場所は……」
 絶奈が胴体で最も傷の深そうな場所を探し、首の後ろの付け根が最も鎧が赤く汚れているのを確認した。
「あの場所を集中して狙ってみましょう」
 空に浮かんだ絶奈は背後から黒剣と白槍を振るい、衝撃波を飛ばして首に叩きつける。ほとんどは鎧に弾かれたが、僅かな隙間を通った衝撃が首の傷を深くした。
「愚者共! この黒輪竜たる我を倒そうというのか! 思い上がるな!!」
 黒輪竜がブレスを放ち、絶奈はオーラのバリアを張って防ぐ。

「なるほど、一点集中でいきましょう!」
 グロリアは絶奈の狙いを悟り、同じように首の付け根を狙ってマイクロミサイルを連続発射した。次々と着弾したミサイルが爆発を起こし、首の肉が飛び散って激しい出血が鎧を下半身まで赤く染めた。
「矮小な人間があちこちに!! 何もかも滅びろ!!」
 猟兵の連携に苛立つ黒輪竜は黒輪を展開し、魔弾の雨を降らせようと残りのエネルギーを全て集める。
「そうはさせやせんよ」
 物九郎が背後からネコパンチを叩き込み、強い衝撃で首の傷をぐちゃっと大きくした。
「我を愚者が追い詰めるだと! そんなもの許せるものか!」
 黒輪竜は首の深い傷によって傾いた頭を向け、大きく息を吸ってブレスを至近距離から放とうとする。
「ダメージは蓄積されてます! 後少しですよ!」
 敵が瀕死の状態だと計算したグロリアがグレネードを眼前に投げ込み、爆発を起こして敵の視界を潰した。
「では障害を退け大天使への道を拓きましょう」
 敵がこちらを見失っている隙に絶奈が槍を投擲し、首の付け根の傷口に突き刺した。
「こんなもので、竜の王である我を倒せるものか!!」
 大きな傷を負いながらも、魔力宿る強靭な肉体は槍を貫通させずに止めていた。
「竜よりもワイルドハントの王の方が上でさァ」
 物九郎が突き刺さったままの槍の石突に右ネコパンチを思い切り叩きつけ、穂先が喉の方から飛び出る。
「グァッ、ハッ………」
 さらに左ネコパンチが槍を押し込み、黒輪竜の首が根元から千切れた。
「ば、かな……愚者が、我を討つというのか………」
 無数の黒輪が消滅し、力を失った黒輪竜は地に墜ち、街の広場に墜落して地震のように建物を揺らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『大天使ブラキエル』

POW   :    岩腕
単純で重い【岩石でできた巨大な腕】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    絶対物質ブラキオン
【「絶対物質ブラキオン」の鎧】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、「絶対物質ブラキオン」の鎧から何度でも発動できる。
WIZ   :    大天使の光輪
自身が装備する【大天使の光輪】から【破壊の光】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【徐々に石化】の状態異常を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大天使ブラキエル
「黒輪竜すらも討たれたか」
 ゆっくりと、月が落ちてくるようにその身体から光を放つ大天使ブラキエルが地上へと近づく。
「やはり猟兵が我が行く手を阻む脅威となったか。ならばこの手で屠るしかあるまい」
 魔剣の群れや黒輪竜、それらを遥かに上回るプレッシャーが放たれる。荒々しい闘気ではない。静かに眠るような死を与える冷たい殺気。普通の人間ならば見ただけで心の臓が止まってしまいそうな気配が漂っている。それは空に浮かぶ月のような圧倒的な存在感を持っていた。
「猟兵を殺せば天上界の扉が開く可能性もあるかもしれぬ。戦い続けると決めたのだ。あらゆる手段を試してみるとしよう」
 人々の住む街の上に、死の化身のようにオウガ・フォーミュラが降臨した。

 大天使ブラキエルは確実に先制攻撃を行い猟兵を仕留めようとしてくる。猟兵は街にできるだけ被害が出ないようにそれを凌ぎ、オウガ・フォーミュラを打倒しなくてはならない。
 魔剣やドラゴンよりも困難な戦いとなる。しかし今までも多くの強敵を倒してきた猟兵は、その胸に勇気を宿して戦いに挑む。

 どちらかが滅ぶまで終わらぬ、月夜の死闘が始まろうとしていた――。
村崎・ゆかり
いよいよご降臨ね、大天使。いい加減、自分の敗北を認めなさい。

機甲式『GPD-331迦利』顕現。先端に「オーラ防御」を張って、岩腕の一撃を受け止め「受け流し」て。
まだ動けるかしら、『迦利』? とにかく休んでなさい。まだ手を借りる必要があるかもだし。

いい天気ね。ちょっと熱くなってみましょうか。
「全力魔法」炎の「属性攻撃」「衝撃波」「破魔」「浄化」を乗せた、不動明王火界咒。
全身を鎧っていても、視界の確保などは必要なはず。そうした鎧の隙間から、火炎を入り込ませるわ。

『迦利』もダメージが抜けたら復帰させて、「レーザー射撃」「弾幕」で牽制させましょ。
さあ、そろそろ悪あがきも終わりの時間よ、大天使!


夜鳥・藍
すごく目のやり場に困る方ですよね。できればその体勢のまま動かないで欲しいです。
(猟兵となって一か月半ですが、見た目の印象から空とぶ猥褻物と認識しています)

住民がいなければ建物の影に隠れて光をやり過ごすところですが、この状況ではそれもできないですね。
鳴神を投擲、念動力で操作し囮とし、私は静かに彼の真下、影になりそうな場所に移動しましょう。光が彼自身から発しているものでないなら、彼自身の影ができるでしょうから。
影の元が光源に近いので完全な影にならずとも、腕が動けるだけの時間ができるぐらい弱くなれば十分です。
雷公鞭・青月を振りかざしUCを発動、なるべく雷を収束させブラキエルに集中させます。


ゲニウス・サガレン
【連携歓迎】

大天使!
人に似た姿をしていながら、これほど人間が睥睨される存在だと実感させられる存在はいない。

だが、生物は可能性を見続けるもの。

アイテム「沈滞の投網」&「陸生珊瑚の浮遊卵」

沈滞の投網に街の瓦礫を取り込み、浮遊卵の浮遊力で浮かせる。
急ごしらえの盾だが、光で攻撃してくるなら、直射されなければ可能性はある!

例え、傷や石化を負っても指示が出せれば反撃を試みよう。

UC「水魔アプサラー召喚」
今回は君に頼ってばかりだ!すまない、友よ。
天使が敵なら魔に祈る他ない。

水流に瓦礫を取り込み濁流とする。
これで幾重もの防御膜を展開、彼の天使の光の効果を阻害しつつ、死角からウォーターカッターで翼を狙う!



●天より降り注ぐ光
「いよいよご降臨ね、大天使。いい加減、自分の敗北を認めなさい」
 ゆかりは神々しい光を放つ大天使ブラキエルを見上げる。だが手勢を失い夜空に浮かぶそれは孤独な輝きに見えた。
「我はまだ此処に存在している。我が在り続ける限り敗北ではない」
 ブラキエルは岩石でできた巨大な腕を生み出し、隕石が落ちるように頭上から振り下ろした。
「機甲式『GPD-331迦利』顕現」
 逆三角形型の機甲式式神【GPD-331迦利(カーリー)】を浮かべ、先端にオーラを纏わせ岩石の一撃を受け止める。だが凄まじい衝撃で機甲式にひびが入った。そのまま押し切られる前に、機甲式は角度をつけて勢いを受け流し、拳を地面に叩きつけさせた。しかし爆発するような衝撃波が発生してゆかりの身体が吹き飛び、地面を転がって受け身を取る。
「まだ動けるかしら、『迦利』? とにかく休んでなさい。まだ手を借りる必要があるかもだし」
 泥だらけになりながらもゆかりは起き上がって機甲式に声をかけ、今度は自分の番だと白紙のトランプを投げつけユーベルコード『不動明王火界咒』を発動する。
「いい天気ね。ちょっと熱くなってみましょうか」
 トランプから最大火力で大量の炎が噴き出し、紅蓮がブラキエルの身体を包み込む。
「炎の魔法か。ならば吹き消せばいいだけのこと」
 ブラキエルが翼を羽ばたかせる。すると凄まじい風が起こり炎を掻き消そうとした。それが普通の炎であったならどれほどの火勢であろうとも吹き飛んで消えていただろう。
「そう簡単に不動明王の火が消せると思わないことね」
 しかし絡みつき不浄を灼く炎は散り散りになってもまた集まり、もう一度ブラキエルを覆い、全身を焼き尽くそうと高熱を放った。
「炎を自在に操る性質を持ってるのか」
 ブラキエルはオーラで輝く翼で己が身を包み、盾として炎を防ぐ。翼が傷つくが炎が身体を焼くのを防いだ。


「すごく目のやり場に困る方ですよね。できればその体勢のまま動かないで欲しいです」
 まだ猟兵となってから一か月半の藍は、見た目の印象から敵を空飛ぶ猥褻物と認識した。
「我が光で消え去れ……」
 ブラキエルの頭上に大天使の光輪が目も眩むほど輝き、執拗に攻撃してくる火を消し去り、さらに破壊光線が地上へと降り注ぐ。それは猟兵目掛けて光の矢のように落ちてきた。
「住民がいなければ建物の影に隠れて光をやり過ごすところですが、この状況ではそれもできないですね」
 目を細めた藍は黒い三鈷剣【鳴神】を投擲して念動力で飛ばして囮にし、自らは静かに敵の真下に移動する。
「光が彼自身から発しているものでないなら、彼自身の影が死角となるはずです」
 影に入り込むと目を晦ます光が弱くなる。しかし鳴神が光線に当たって弾き飛ばされると、無差別にばら撒かれた光線が近くに着弾し、余波で藍の脚が少しずつ石に変わり始めた。
「反撃するためにも腕は動くように守らなくてはいけませんね」
 藍は右腕を身体で庇い、左腕で打刀【青月】を持って頭部を守ってできるだけ光線に当たらぬように身を屈めて光線の雨を凌いだ。


「大天使!」
 天に輝く光輪より光の雨を降らせる天使をゲニウスは見上げた。
「人に似た姿をしていながら、これほど人間が睥睨される存在だと実感させられる存在はいない」
 その神々しい姿を視界に入れるだけで体が震える。人の姿でありながらその在り様は全く別の存在であると本能が知らしめるのだ。
「だが、生物は可能性を見続けるもの。自らよりも強大な敵を乗り越えてこそ未来はある」
 強き意思で以ってゲニウスは震えを止め、【沈滞の投網】を手にして辺りの瓦礫を取り込み、【陸生珊瑚の浮遊卵】を付着させて膨らんだ卵が網を浮かせた。
「急ごしらえの盾だが、光で攻撃してくるなら、直射されなければ可能性はある!」
 その下に隠れたゲニウスが、網の防御膜に光が照射されるのを見た。すると網と瓦礫が一緒に石化を始め、光は輝きを弱めながらも網を貫いてゲニウスを照らす。
「急造の防御では完全には防げないか」
 咄嗟に光を遮るように右腕を上げると、腕の肘から先が石へと変わった。
「だけど、これならまだ戦える」
 反対の無事な左腕でゲニウスは飼育用の壺を取り出した。
「今回は君に頼ってばかりだ! すまない、友よ。天使が敵なら魔に祈る他ない」
 壺から水が噴き出し悪魔【アプサラー】が召喚される。その視線が天使を貫き、相手にとって不足なしと水流が地面を流れ、辺りの瓦礫や土塊を回収して濁流となる。それが空中を流れて防御膜を広く展開した。
「その程度で我の光は防げぬ、石と化して果てよ」
 ブラキエルが放つ輝きが強くなり、濁流を石と化していく。しかし濁流は流れる事で完全に石になって流れが止まる前に新しい水に変え、光線に耐えた。


「水の流れが光を遮っている間に、燃やし尽くしてあげるわ」
 ゆかりがまた炎を操り、大天使の背後から襲わせ背中を焼いた。
「炎など通じぬと理解できぬか」
 ブラキエルが先と同じようにオーラを纏わせた翼で己を包む。
「翼で身を守ろうとも、隙間から火炎を入り込ませるわ」 
 生き物のように羽の僅かな間から入り込んだ炎が中で集まり、大きな炎と化してブラキエルの肉体を焼き白い肌を黒く焦がした。
「ほう、我が守りを破るか。では炎を操る者を排除する必要があるな」
 ブラキエルが振り向き、ゆかりに向けて光線を強める。空中を流れる水が石のオブジェと化し、光はゆかりの元へと届く。
「そう簡単に排除できると思わないことね」
 ゆかりは飛び退き、立っていた場所が石と化し、周辺を石化させていく大地から逃れる。

「空飛ぶ猥褻物に反撃を始めましょう」
 藍は右手で帯電した雷公鞭を振るい、少し石化をし始まる左手で刀を掲げユーベルコード『宝貝「雷公天絶陣」』を発動して空より雷を降り注がせる。幾つもの雷が束なり、大きな稲妻となってブラキエルに落ちた。
「天の力で我を討つつもりか。光よ、天の嘶きを防げ」
 ブラキエルは頭上に浮かべた光輪のエネルギーでそれを防ぐ。しかし次々と雷は落ち、光輪を抜けた雷光がブラキエルに伝わり体を痺れさせる。
「少しすれば元に戻る。次の一撃で全てを石に変えるとしよう」
 するとブラキエルは翼で身を包んで力を溜め、光輪から放たれる光線が減っていった。
「効果があったようですね。皆さん、今がチャンスです」
 感電を継続しようと藍は稲妻を維持しながら仲間達に声をかけた。

「あの守りにも使っている翼を狙おう」
 ゲニウスは最大限まで水を圧縮し、ウォーターカッターとして射出した。鋭い刃となった水は、左の翼の根本を狙い、オーラの守りを切り裂いて巨大な翼を断ち切った。
「我の翼を断つとは、やはり猟兵は侮れぬ」
 落下していく散る羽を見下ろし、ブラキエルは光輪を激しく輝かせる。
「上手くいったけど、怒らせたようだ」
 ゲニウスが攻撃に備えて全力で水流を操り防御膜を展開していく。そこへ今までよりも強い光が照射され、防御膜は次々と石に変わっていった。

「『迦利』もそろそろ復帰できるわね、動けるなら牽制しなさい」
 ゆかりが檄を飛ばすと、迦利からレーザーが連続で放たれ弾幕を張って敵を妨害する。
「さあ、そろそろ悪あがきも終わりの時間よ、大天使!」
 その間にゆかりは炎を敵に向け、翼を失った左側から燃え上がらせた。ブラキエルは左腕で障壁を張るが、それを破り腕が燃え上がった。

「我にこれほどの傷をつけるとは、なればこそ力持つ猟兵を殺せば門が開く可能性は十分にあるというもの」
 ブラキエルは光輪より光を放ち、黒くなった左腕に当てて炎を消し飛ばし、さらに雨のように降り注いで猟兵を狙い地上を石へと変えていく。
「これは防ぎきれない!」
「一旦下がりましょう」
 ゲニウスが展開する防御膜を破られて声を上げ、藍は雷撃で光線を遮りながら後退する。
「仕留め切れなかったわね、でも確実にダメージは与えられたわ」
 ゆかりは火傷を負い傷ついた大天使の身体を見上げ、さらに炎を放ってその場を離れた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

プリンセラ・プリンセス
連携・アドリブ可

相手の先制攻撃は○第六感○見切り○幸運○ダッシュ○武器受け、命中した時の○激痛耐性で凌ぐ。
凌いだら朋友の呼び声発動。呼び出す相手は黒斑物九郎、エル・クーゴー。
コレは呼び出す相手は影法師や作りものではない。本人だ。
事前に声をかけてあるし、何なら同一戦場。
そして呼び出したからにはユベコの効果にて能力も底上げされる
このユベコならコピーされたとしてもオブリビオンに友はいないので呼び出せない。呼び出せそうな配下は討伐済。居たとしても集団敵で一山幾ら。
ならば害はない。
呼び出せたらこちらも攻撃に加わる。○部位破壊○鎧砕きで軽機関銃による○援護射撃で攻撃する。


白斑・物九郎
●POW



ワイルドハント、白斑物九郎
大天使を狩りに来た

天上界なんざ知りませんけども、骸の海なら案内してやれまさァ


●対先制
・岩腕が落ち来ても周辺被害が少なく見積もれる場所へ【ダッシュ】で移動
・岩腕の一撃の軌跡と、それにより巻き起こる地形変動とを【野生の勘】で見越し、回避ざま、跳ね上がる地盤や瓦礫等をも利して「岩腕を駆け上がり」ブラキエルへ迫る(地形の利用+軽業)


●反撃
・『モザイク状の空間』より砂嵐を巻き起こし、それを推力に大跳躍(天候操作+ジャンプ)
・ブラキエルへ最接近ざま『心を抉る鍵(真)』を叩き込む(怪力+暴力)

・攻撃命中を以って【砂嵐の王と狩猟の魔眼】本命の航空火力を畳み掛けさせ【蹂躙】せん


グロリア・グルッグ
ようやく大天使のお出ましですね。
お互いに譲れないもののため、命を懸けて戦いましょう。

敵は受け止めたUCをコピーしてくる。
ならば攻撃ではなく移動UCで攻めていきましょうか!
天使である貴方はその背中の翼で飛ぶのではなく、自分の『脚』を駆使して何もない空間を跳び回ったことがおありで?
私は死ぬほど訓練したので余裕ですが、超高速な空中戦は頭の回転が超速くないと身体が追いつきませんよ。

プラズマブーツの機能やジャンプ&ダッシュ技能で強化した騎兵走法で縦横無尽に駆け回りながら空中戦を仕掛けます。
一定の距離を保ってミサイルやグレネードで爆撃しながら、一瞬の隙を突いて全力魔法で強化した飛び蹴りをお見舞いです!



●負けられぬ戦い
「ワイルドハント、白斑物九郎。大天使を狩りに来た」
 輝く光輪を宿す大天使ブラキエルを見上げ、物怖じせずに物九郎が名乗りを上げた。
「天上界なんざ知りませんけども、骸の海なら案内してやれまさァ」
 先のドラゴンよりも強大な力をひしひしと感じながらも、狂暴な笑みを浮かべて戦いに挑む。
「彼我の差が分からぬ訳ではあるまい。それでも挑むは戦士の性か。ならば一撃で力の差をその身に教えてやろう」
 巨大な岩石の腕が作り出され、星が落ちるように振り下ろされる。当たれば一撃で人の身体など粉砕されてしまうだろう。
「どれだけ威力があろうとも、それだけ大振りなら見切れまさァ」
 物九郎は横に跳んで、落ちて来る岩石の拳を躱した。すると地面が拳を叩き込まれた衝撃で激しく爆発して揺れる。衝撃波が放射状に広がり瓦礫を散弾のように撒き散らした。
「こりャ思ったよりも威力がありやすわ」
 躱し切れないと、モザイク状の空間から取り出した巨大な魔鍵【心を抉る鍵(真)】を前方で旋回させて散弾を防ぐ。そうして多少の被弾しながらも致命傷を避けて攻撃を凌いだ。


「ようやく大天使のお出ましですね。お互いに譲れないもののため、命を懸けて戦いましょう」
 ただそこに居るだけで息苦しい程の威圧を放つ大天使に、今までも何度も強敵と戦ってきたグロリアは怯まず接近する。
「敵は受け止めたUCをコピーしてくる。ならば攻撃ではなく移動UCで攻めていきましょうか!」
 ユーベルコード『騎兵走法』を発動して足元に電脳魔術で魔法陣を描き、グロリアは空を駆け出す。
「速いな。接近される前に潰すとしよう」
 岩石の腕を横に薙ぎ払う。壁が迫るように突っ込んで来る腕をグロリアは宙を蹴って跳躍して躱し、多連装マイクロミサイルを発射する。無数の小型誘導ミサイルが逃げ場を塞いで多方向から迫り、ブラキエルの元で大爆発を起こした。
「無駄な事を、この絶対物質ブラキオンの鎧はその程度では貫けん」
 いつの間にか鎧に身を包んだブラキエルは、グロリアと同じように宙を蹴って加速する。そしてグロリアを握り潰そうと岩石の腕を伸ばした。
「天使である貴方はその背中の翼で飛ぶのではなく、自分の『脚』を駆使して何もない空間を跳び回ったことがおありで?」
 岩石の腕が空を切り、上に下に右に左にと予測できぬ機敏な動きでグロリアは華麗に空を駆け抜ける。
「私は死ぬほど訓練したので余裕ですが、超高速な空中戦は頭の回転が超速くないと身体が追いつきませんよ」
 空中を自在に高速移動出来るということは、その中から最も適した選択肢を瞬時に選ばなくてはならないということ。それに慣れたグロリアと、コピーしただけのブラキエルでは機動力の差があった。
「確かに一理ある。慣れるには少し時間がかかりそうだ。だが敵を滅ぼすのにこの術だけを使わねばならぬ決まりはない」
 飛翔するブラキエルは岩石の腕を振り抜き、空中で広範囲に衝撃波を放ってグロリアを吹き飛ばした。


「目に見える猟兵は端から全て叩き潰すとしよう」
 ブラキエルが岩石の腕を、今度は虫でも潰すように振り下ろして衝撃波を地上に放つ。そこにはプリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)の姿があった。
「ただ己の目的の為に、無辜の民を殺めようとする邪悪な天使には負けません!」
 プリンセラは飛び退いて衝撃波から逃れる。地面にぶつかった衝撃波は周囲に拡散し、【聖剣オストラコン】で防ごうとするプリンセラの身体を後方へと弾いた。
「まだ、戦えます!」
 剣を地面に突き刺して耐えたプリンセラは、悠然と浮かぶ大天使を見上げる。
「友誼を結びし友よ、その力をここに!」
 そして詠唱ノートを開くとユーベルコード『朋友の呼び声』を発動し、ページが消えると共に黒斑物九郎とエル・クーゴーを傍に呼び出した。
「コレが呼び出す相手は影法師や作りものではない。本人だ。友がいるというのならコピーしてみるがいい!」
 頼もしい友と並び、プリンセラは胸を張って敵に言い放った。
「このユーベルコードはコピーしても使えぬか……だが一人二人増えようが意味はない」
 友を呼び出すユーベルコードの使用を諦め、ブラキエルは鎧を消して攻撃を重視し新たに岩石の腕を増やして拳を地面に叩きつける。猟兵は散開して躱すが、土や石が礫となって人を穿つ速度で飛び散った。
「迎撃を開始します」
「全部撃ち落としましょう!」
 エルが機関銃やアサルトライフルで弾幕を張り、プリンセラも【5.56mm軽機関銃】を連射して土塊を消し飛ばし、辺りにもうもうと土煙が上がった。


「今度はこっちの番でさァ」
 その中から物九郎は巨大な岩石に腕を駆け上がり、ブラキエルの元へと突っ込む。
「自ら死地に飛び込むか」
 ブラキエルは白い右腕を掲げ、光を矢のように放つ。物九郎は岩石の腕を蹴って跳躍し、衝撃で飛んだ瓦礫を足場にしてさらに跳び、足元に開いたモザイク状の空間から砂嵐を巻き起こして推力に変え、一気にブラキエルの懐に飛び込んだ。
「こいつを叩き込んでやりまさァ!」
 勢いを乗せて巨大な魔鍵を胸に突き刺す。胸の中心を狙った一撃は、ブラキエルの右手に掴まれ勢いを弱める。しかし物九郎は渾身の力で押し込み右胸に突き刺さった。血が溢れ白い肌が赤く染まっていく。
「これ程の傷を負うとは、やはり猟兵は脅威となり得る。確実に消さねばならぬ」
 強く魔鍵を握って物九郎に冷たい視線を向け、岩石の腕を己が手のように動かし、物九郎を掴もうとする。
「まだこれで終わりじゃありやせん。ここからが本番でさァ!」
 物九郎が上を見ると、そこには飛行するエルの姿があった。
「ターゲット、ロック。支援砲撃開始」
 エルはアームドフォートの砲撃を開始し、ブラキエルの周辺で爆発を起こす。衝撃で手の力が緩んだ瞬間に、物九郎は敵を蹴って魔鍵を引き抜き距離を取る。それと同時に砲弾が直撃し、ブラキエルの高度が下がった。

「猟兵とはここまでの力を秘めていたか。これでは我が軍勢では歯が立たぬも道理か」
 自らの負傷を見下ろし、残った右翼で体を守りながらブラキエルは態勢を立て直す。
「されど、我は負けぬ。大望果たすまで戦い続けようぞ」
 ブラキエルは岩石の右腕を盾にして、左腕で薙ぎ払い衝撃波でエルを撃ち落とす。
「こっちも世界を守るという大望がありますから、絶対に負けられません!」
 自分達が負ければ街の人々は全滅し、他の街そして世界にまで被害が広がると、グロリアは空を駆けてながらミサイルをお見舞いしてやる。
「人など幾ら死のうと世界を渡れば幾らでも居よう。この世界の者には我が望みの為に死んでもらう」
 何の躊躇いもなくブラキエルはこの世界の人々を滅ぼすと宣言し、グロリアに向けて岩石の両腕を伸ばした。追い込むような動きに、グロリアはグレネードを投げて爆発を起こし、煙幕にして攻撃をすり抜ける。

「自らの欲望の為に世界を滅ぼすなんて、許される行為ではありません!」
 怒りを籠めてプリンセラが軽機関銃をぶっ放し、敵の身体に当ててあちこちに弾痕を穿つ。
「世界は力ある者が支配する。それが世の理。我を止めたくば我が力を越えてみせよ」
 ブラキエルは岩石の右腕でガードし、左腕を振り回して辺りに衝撃波を飛ばした。
「岩石の腕のガードがこの銃では破れません!」
 プリンセラは続けて銃を撃ち続けるが、岩石の上での表面を削る事しかできない。
「ならこいつで抉じ開けてやりまさァ」
 敵が銃弾に気を取られている間に、もう一度跳び上がった物九郎が岩石の腕に魔鍵を突き立てる。そして鍵を開けるように捻じると腕が粉砕された。
「今です!」
「全弾発射」
 そこへプリンセラと地面ギリギリで撃墜を免れたエルが銃弾を叩き込み、大天使の白い肌を赤く染め上げていった。
「我を倒すには力が足りぬ。勝利を手にするのは我だ」
 傷付きながらもブラキエルが残った岩石の腕を大きく振り上げた。
「いいえ、勝つのは我々です!」
 その隙だらけのところへ、プラズマブーツの推進力で最高速度に加速したグロリアが突っ込み、流星のように飛び蹴りを放って敵の腹を抉った。遥か彼方まで吹き飛びすような衝撃を、右翼を広げて受け流しブラキエルは口から血を吐き僅かに後退したところで制止した。
「我の道を阻む者よ、世界から消え失せよ」
 岩石の腕が振り下ろされ、大爆発が起こって猟兵達を薙ぎ払った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

鞍馬・景正
……あらゆる策を尽くして戦い続けるというのは良し。
だが無辜の民を贄にする所業、断じて許し難い。

貴殿の野望、ここで断ち切らせて頂く。


腕の直撃は避けねばなりませんが、ただ躱せば街に被害が及びましょう。

故に【鬼騎乗崩】にて馬に【騎乗】し、建物を足場に跳躍してブラキエルの頭上へと飛翔。

敵の目標を上空へと逸らしつつ、拳を打ち込む瞬間を【見切り】ましょう。

そして直撃の寸前で馬上から飛び降り、そのまま腕に移らせて頂く。
払い落されるより早く接近し【怪力】の一刀をブラキエルに叩き込むか、間に合わぬなら【斬撃波】を。

仮にこちらより町の破壊を優先するなら矢を射込み、落下の勢いを乗せた太刀でその隙を狙うまで。


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
大天使の先制攻撃はこちらのユーベルコードをコピーするのね。
どうぞどうぞ、私の使うユーベルコード【因果応報の鏡】も敵のユーベルコードをコピーするの。
「つまりお互いユーベルコードは何も発動しない千日手かしら?」

ならば後は地力の勝負ね。
サイキックキャバリア【ゲファレナー・エンゲル】でサーフブレイドに乗って空中戦を挑む。
と言っても空中に[結界術]で結界を張り、そこに連動した罠を[罠使い]で設置。簡単な爆弾でも仕掛けておこうかしら。
敵の攻撃は[見切り][オーラ防御]で凌ぎつつ、[マヒ攻撃]でちくちくと戦闘力を奪ってあげるわ。

「私のキャバリアの名前は堕天使というのも、皮肉なところよね」


霧島・絶奈
◆心情
貴方自身の消滅が扉を開く鍵やもしれません
…愉しみましょう、この『逢瀬』を

◆行動
先制攻撃対策として【オーラ防御】を展開
石化が始まったら再展開

更に持ち込んだ「大判の遮光シート」で全身を防護
加えて別の遮光シートを【衝撃波】に乗せ敵方向に展開

光とは全方位より来るものですが…
貴方の場合は光輪を始点とする故に対処も叶います

先制攻撃対処後は『涅槃寂静』にて「死」属性の「濃霧」を行使し【範囲攻撃】
加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
更に【衝撃波】に乗せ【罠使い】として持ち込んだ「魔法で敵を識別するサーメート」を複数投射

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


田抜・ユウナ
真の姿(装備欄参照)開放
両眼をグリモアと同化
UCによって視力強化、処理能力を向上

先制攻撃は、《視力》《見切り》《戦闘知識》で軌道を予測。大きさ速さで劣るのを補うように、最低限の挙動によってギリギリで回避
防御は捨てて、全意識を回避に向ける
……迷うなかれ、失敗した時は死ぬだけよ!

回避後、地形破壊で飛び散る瓦礫を超視力で把握
宙の瓦礫を足場にしたり遮蔽に使ったりして敵に接近
途中、トップスピードを見切られたあたりで、〈悪刀の怨念〉の《封印を解く》《ドーピング》で反動度外視、全開の二段加速で隙をこじ開け、「チェェストォォォ!」と乾坤一擲の飛び蹴り

負傷上等
捨て身で挑む



●墜ちる天使の輝き
「この傷……現状では我の方が不利か。だがまだ勝算は残されている」
 ブラキエルは白き体を自らの血で赤く染めながらも、その目は冷静に勝利への道筋を見出そうとしていた。

「……あらゆる策を尽くして戦い続けるというのは良し。だが無辜の民を贄にする所業、断じて許し難い」
 景正は戦いで石化したり崩れた建物を見渡し、これ以上好きにはさせないと、民家の無い開けた場所に姿を晒す。
「貴殿の野望、ここで断ち切らせて頂く」
 そう宣言して腰に差した【濤景一文字】の柄に手を掛けると、勢いよく建物を駆け上がってさらに上へと跳躍した。
「我が望みを阻みたいなら、この一撃を凌いでみせよ」
 ブラキエルが巨大な岩石の腕を放ち、景正を殴り潰そうとする。
「まずは初撃を凌ぐ」
 景正は拳の打ち込みを見切り、刀を抜き打つと岩石の拳に当てて軌道を逸らす。拳は空を切り唸りを上げて通り過ぎた。しかし直撃せずとも吹き荒れる衝撃波に身体が煽られ、態勢を崩して屋根の上に着地した。


「あれが大天使の力か……ならこっちも最初から本気でいくわ」
 強力な敵の力を目の当たりにしたユウナが真の姿を開放し、千里眼の両眼をグリモアと同化して視力強化、処理能力を向上させる。
「行くよ」
 そして地上を駆け出し、大天使の足元へと近づく。
「そちらにも潜んで居たか。粉砕せよ」
 岩石の巨大な腕が大きく振り上げられ、ユウナを地面にめり込ませる勢いで落ちて来た。隕石が落ちて来るような一撃を、ユウナは見上げながらも足を止めずに前に進む。
「……迷うなかれ、失敗した時は死ぬだけよ!」
 防御は捨てて全意識を回避に向け、軌道が変えられないギリギリまで引き付けると横に跳躍した。落ちて来た拳は地面にめり込み、爆発を起こしてクレーターを作った。その衝撃によって瓦礫が散弾のように撒き散らされる。
「我、時ノ果テヲ覗ク者。我、地ノ果テヘト渡ス者。彼ノ血ヲ継グ者ナリ」
 ユウナはユーベルコード『千里眼覚醒』を使い、千里眼をさらに強化して世界がスローモーションになったように神経が研ぎ澄まされる。
「大天使に至る道は……ここだ!」
 世界の全てを見通す眼が瓦礫を足場にしたルートを見つける。ユウナは飛び上がり、瓦礫を次々と跳躍してブラキエルの元へと到達した。
「接近を許したか」
 ブラキエルが残った右翼で身を包み、守りの態勢に入る。
「そんなもの貫いてみせるわ!」
 ユウナがトップスピードからさらに【悪刀の怨念】の封印を解き、身体能力をドーピングして飛び蹴りを放った。二段加速からの蹴りは羽を散らし守りを抉じ開けた。しかしその場には既にブラキエルの姿はない――。
「認めよう。猟兵とは我を討つ力を持つ存在だと。故に全力で屠る」
 声が頭上から聴こえる。顔を上げれば鎧を纏ったブラキエルが上昇し、ユウナを見下ろしていた。


「潰れよ」
 岩石の腕がもう一度振り上げられ、空中のユウナに叩きつけられようとする。
「大きい腕ね、でも私のキャバリアも負けてないわ」
 サイキックキャバリア【ゲファレナー・エンゲル】に搭乗したヴィオレッタが、サーフブレイドに乗って空を滑り大天使に突っ込んだ。そしてサーフブレイドを岩石の腕にぶつけ、軌道を逸らして攻撃を外させた。
「邪魔が入ったか。どのような兵器を使おうと、同じ技を使えば容易く破壊できる」
 猟兵のユーベルコードをコピーして反射しようと、鎧を装着したブラキエルは待ち構える。
「どうぞどうぞ、私の使うユーベルコード【因果応報の鏡】も敵のユーベルコードをコピーするの」
 コックピットでヴィオレッタは微笑み、正面に敵を捉えて操縦桿を倒した。
「つまりお互いユーベルコードは何も発動しない千日手かしら?」
 キャバリアが突っ込むと、ブラキエルは飛んで横に躱す。
「絶対物質ブラキオンが機能していない……成程、こちらと同種のユーベルコードを使用しているのか」
 僅かな思考で正答に辿り着いたブラキエルは、ならばと鎧を外してその力を岩石の腕に回し、さらに巨大化させてキャバリアすらも押し潰すサイズに変えた。
「攻勢に切り替えたみたいね。でもいくら威力があっても当たらなければ意味がないわ」
 ヴィオレッタはキャバリアを旋回させるように動かす。すると岩石の腕を唸りを上げて横薙ぎに振り抜かれた。それがキャバリアに当たる前に、結界にぶつかり爆発が起こる。
「何だ……結界」
 ブラキエルが目を凝らせば、ヴィオレッタのキャバリアが動き回った場所に結界が張られ、仕掛けられた簡易爆弾が岩石に触れて爆発を起こしていた。
「それを使った罠か。だがこの程度では少し命を長らえたにすぎん」
 岩石の腕は構わず辺りの爆弾を爆発させていく。しかし爆発に紛れ、ヴィオレッタは接近してサーフブレイドを大天使に叩き込む。
「罠に気を取られ過ぎたか」
 ブラキエルは輝くオーラを展開して攻撃を受け止める。
「私のキャバリアの名前は堕天使というのも、皮肉なところよね」
 ヴィオレッタはキャバリアの出力を上げ、押し切ってバリアを割り大天使を吹き飛ばした。


「大天使たる我がこうも押されるとは、やはり猟兵は未知なる力を持っている。猟兵の殲滅こそが扉を開く鍵となるかもしれん」
 ブラキエルが口の端を上げ、初めて感情らしきものを見せて猟兵を殲滅せんと光輪を輝かせる。
「貴方自身の消滅が扉を開く鍵やもしれません……愉しみましょう、この『逢瀬』を」
 対して絶奈は身を守るオーラを張る。そして大判の遮光シートを纏い、さらに辺りに衝撃波でシートを浮かべ頭上に展開した。
「光あれ」
 ブラキエルが手を天に掲げる。すると眩く輝く光輪より光の雨が降り注いだ。それが当たると遮光シートが石化する。しかし宙に浮いて続く光を遮断した。だがそれも長くは続かない。次々と光を当てられた石化したシートが砕け、絶奈の元へと届く。
 オーラのバリアに触れると光が弾けるが、どんどんオーラが削られ、身に纏う遮光シートにも触れて石化を始めた。
「光とは全方位より来るものですが……貴方の場合は光輪を始点とする故に対処も叶います」
 絶奈は石化したシートを頭上に飛ばして光線を僅かな間遮り、オーラを頭上一点に集中して張り直す。全力の力を込めてオーラを維持していると、眩しかった光が収まり雨が止んだ。
「凌げたようです。此処からは反撃と参りましょう」
 絶奈はユーベルコード『涅槃寂静』を発動し、死の気配を纏う濃霧を発生させた。黒き霧は上空の敵を包み込み、体を侵食し白き肌を黒く染めて腐らせる。
「この霧は死に誘う効果を持っているのか、厄介な攻撃をする」
 ブラキエルは岩石の腕を自分の周りで振り回し、衝撃波で濃霧を吹き飛ばした。


「守りに入ったか、此処が攻めに転じる好機」
 景正は愛馬【夙夜】を呼び出して騎乗すると、ユーベルコード『鬼騎乗崩』を発動して具足で覆い、疾走させて建物に駆け上がり、屋根を蹴って勢いをつけ空を駆け上って大天使に接近する。
「猟兵は個体でも強いが、連携すると強さが増す。確実に一体ずつ潰さねば危険な相手だ」
 ブラキエルは猟兵の強さに警戒し、まずは景正を仕留めようと岩石の腕で拳を放つ。巨大な拳は馬に乗った景正よりも大きく、当たれば一撃で粉砕してしまうだろう。
「駆け抜けるとしましょう夙夜」
 景正が声をかけると馬が嘶き、速度を上げて腕の一撃を掻い潜る。そして巻き起こる衝撃波に乗って加速し、空高く登って降下することで速度を上げてブラキエルへと肉薄した。
「躱されたか、ならば石となって果てるがいい」
 ブラキエルが光輪を輝かせて光線を放とうとする。しかしそこに掛け声が響く。
「チェェストォォォ!」
 ユウナが乾坤一擲の飛び蹴りを叩き込み、敵の顔面を蹴りつけて吹き飛ばした。そこへ駆け抜ける景正が敵の首を獲ろうと斬撃を放つ。しかしそれは岩石の手によって阻まれた。岩の指が何本も飛び、景正の乗る馬は駆け抜けていく。

「我が防戦に追い込まれるとは。だが戦いの機は入れ変わるもの。この危機を越えれば我が攻め手となる」
 連続攻撃を受けながらも、ブラキエルは冷静に戦場の流れを読み取り、岩石の腕を防衛に使いオーラを纏って守りに入る。
「ではその守りを貫けばこちらの勝利というわけね?」
 ヴィオレッタがキャバリアを加速させ、自らよりも大きい岩石の腕に全速力でサーフブレイドをぶつける。その衝撃で大きく岩石が砕け散った。
「再生すれば問題はない」
「まだ終わりじゃないわよ」
 ヴィオレッタは接触時に爆弾を設置し、離れると同時に起爆し岩石の腕を吹き飛ばした。
「下がらねばならんか」
 ブラキエルが後方に移動しようとすると、背中に焼けるような痛みが走る。
「これは……先ほどの死の霧か」
 振り返れば辺りが濃霧に覆われ、ブラキエルの逃げ道を塞いでいた。
「此処で一気に押し切らせてもらいます」
 絶奈は両手に持った黒剣と白槍を振るい、衝撃波を放って敵にぶつける。
「この程度ならば突破してみせよう――何?」
 ダメージを負いながらもブラキエルは濃霧を突破しようとする。しかしそこで爆発が起こり炎を浴びて後退させられた。
「獲物を追い込むには幾重にも仕掛けを施すものです。其れが強敵ならば尚更のこと……」
 絶奈が飛ばしたサーメートが爆炎によって敵の不意を突き、その場に押し留めた。

「我が窮地に追い詰められるとは、だがこれが門を開く為の試練だというのなら乗り越えてみせよう」
 ブラキエルは残った力を使い、光輪より光を全方向に放って猟兵の接近を阻止する。
「ここまでくればどちらの意思が強いかの勝負ね。絶対に負けないわ」
 ヴィオレッタがキャバリアを突っ込ませ、光線を浴びて石化させながらも衝突し、質量という暴力を叩き込んで光輪を粉砕しブラキエルを撥ね飛ばした。
「常に強者であった貴方と、強者と戦い続けてきた我々。窮地において何方が強いのかなど明白でしょう」
 続けて絶奈が槍と剣を振るって衝撃波を放ち、敵が態勢を立て直す間を絶えない。
「オウガ・フォーミュラである我を上回るなど、猟兵とはいったい……」
 ブラキエルは力を振り絞り、もう一度岩石の腕を構成して盾にしようとする。
「この一撃で決めてみせる!」
 矢のように捨て身で飛び込んだユウナが飛び蹴りを叩き込み、岩石の腕を貫通しブラキエルの胸にぶち込んだ。心臓が破裂しブラキエルは大量の血を吐き出す。
「ごふっ……我でなければ即死だったな」
 致命傷とも思える傷を負いながら、ブラキエルは衝撃で吹き飛び地上に落下して仕切り直そうとしていた。
「止めを刺すまで油断はしない。貴殿の息の根を確実に止めさせて頂く」
 景正は馬で空を飛び、落ちて来る敵の下を駆け抜けながら、振りかぶった刀を一閃する。
「……ここまでのようだ……天にこの手は………届かぬか――」
 ブラキエルの身体は真っ二つに両断され、二つに別れて流星のように墜落して消滅した。


 大天使が倒れると、石化していて家々も元に戻り始め、中で被害を受けていた人々も怪我人は出ているが死者は出ていないようだった。
「街の人も無事みたいね……良かった」
 戦いが終わり、街の被害を確認するために出歩き始めた人々を見たユウナが安堵する。
「形振り構わぬ攻撃でしたが、住民は守り抜くことができましたね」
 景正も街はあちこちで破壊された痕があるが、人の犠牲者が出なかったことを喜んだ。
「この街は守れたわね。世界が守れるかは他の戦いの結果次第となるけれど……」
 同じように他の場所で行われている大天使との戦いを思い、ヴィオレッタは遠くを見通すように満月の輝く夜空を見上げる。
「他の戦場も大丈夫でしょう。我々は今までもオウガ・フォーミュラとの戦いに勝利してきました。其の経験は今回も活かされるはずです」
 勝利の度に成長してきた猟兵ならば今回も勝てると、絶奈は振り向き帰途につく。
 他の猟兵達もその言葉に同意し、勝利の吉報を待とうとグリモアベースへと帰還した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月15日
宿敵 『『黒輪竜』メランシオン』 を撃破!


挿絵イラスト