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[大天使ブラキエル討滅作戦]オペレーション・ランペイジ

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ブラキエル #オウガ・フォーミュラ

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●死を告げる軍勢と巨大竜
 グリューン樹海。猟兵達とエルフ達が協力したゲリラ作戦によって排除したこの地に、猟書家の長たるオウガ・フォーミュラ、大天使ブラキエルが舞い降りる。

「天上界の扉を開く僅かな可能性……我はこの一手に賭ける」

 す、とブラキエルが片手を挙げれば、そこに降り立つのは無数の妖精の軍勢。手にするのはマスケット銃。さらにその腕は岩のような物質で覆われており、その装甲を通す攻撃を放つことは難しいだろう。

 彼らの目的は唯一つ。

「即ち──この地のエルフを排除し、大樹『メリエス』を確保。天上界への階をここに迎える」

 ブラキエルは次いで指を鳴らす。そこに現れたのは未知の物質「絶対物質ブラキオン」を体表に纏った地を這う巨大竜。

「始めるぞ……我が最後の戦いを!!」

 妖精の軍勢と竜は侵攻を開始する。儀式魔術の成就が叶わぬ今、次善の策を果たすため。

●それは奇跡の援軍
「数が多すぎる! 現状犠牲者が出ていないのが奇跡的なレベルだ!」
「加えてあの竜……我々では歯が立たないか……!」

 妖精の軍勢の数の暴力に、巨大竜の暴威は里に住むエルフ達を劣勢に追い込むには十分だった。斥候術に長け、地の利を得ているエルフ達は辛うじて敵を足止めしているが、竜が一気に前進してしまえばひとたまりもない。彼らは竜と戦うす術を持ち合わせていないのだ。

「竜の侵攻などそもそも我々にとっては想定外だ! グリューン樹海に竜なんていなかったからな!」
「くっ……冒険者ギルドに援軍の要請を! 今からでは間に合うかどうかも怪しいが……」

 だが、その時である。

「ならば、竜は我々が受け持とう」
「……っ! あなた方は!」

 そこに現れたのは、グリューン樹海から程遠くにある森丘の村で、狩りに生きるエルフ達。筋骨隆々の身体を、飛竜の外皮を加工して作った鎧で覆い、剣や太刀、ハンマー、弓矢、槍、双剣などといった様々な武器を手にした百戦錬磨のエルフのハンター達であった。

 彼らは同様に猟書家の手によって放たれたワイバーンを猟兵達と共に狩猟し、村への被害を未然に防いでいる。そう、今ここにゲリラ戦術に長けたグリューン樹海のエルフと、狩人の村のエルフ──猟兵達と轡を並べて戦った強者たちが集ったのである。

「あの巨大竜は我々が引き受けよう。餅は餅屋、ここは竜狩りの専門家の出番……ということだ」

 狩人の村の村長が自慢気に手にした大剣を示す。

「良いか! これより我らが挑むはあの金属の鎧に身を固めた巨竜だ! だが我々はこれまでも様々な竜を狩ってきた! だからこそ、此度の狩猟もやることは同じだ! ……対竜神樹砲の用意を急げ!」

 エルフの狩人たちのうち十数名がグリューン樹海に持ち込んだ巨砲の組み立てを始める。これぞ神樹の葉から抽出したエネルギーによって放つ竜を討つための決戦兵器、エルフの狩人たちが長らく培ってきた竜との戦いの技術の集大成、対竜神樹砲である。

「さぁ……同胞と共に、一狩り行くぞォ!!」

 村長の檄を受けて鬨の声を上げる狩人たち。彼らは一斉に巨大竜へと挑みかかるのであった。そう、そこに竜がいて、住処を脅かすのであれば、竜を狩ることで人々を護る。

「行けるぞ、反撃だ!」
「あぁ、我々も狩人たちに負けていられん! ここが踏ん張りどころだ!!」

 エルフの狩人たちの来援に勇気づけられたグリューン樹海のエルフ達も負けじと闘志を燃やす。これまでも、侵入者を尽く跳ね除けてきた斥候術。ここで森を護れずしてなんとするか。その誇りこそが、劣勢だったエルフ達に大きな力を与える。

 そして、形勢逆転の最後のピース、猟兵もまた、この場へと急行しようとしていた。

●決戦の火蓋は切られた
「オウガ・フォーミュラ指定を受けたオブリビオン、大天使ブラキエルが動いた」

 カクリヨファンタズムの不穏な状況、グリードオーシャンにおけるレディ・オーシャンの活動活発化によって風雲急を告げるグリモアベースは、さらなる慌ただしさを見せていた。あちらこちらで猟兵達にブリーフィングを行う様子が伺える。ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/開発コード[Michael]・f29697)もそのうちの一人であった。

「奴の狙いはグリューン樹海の大樹メリエスを確保し、天上界へ進出を果たすこと。そのために、大樹を護るエルフ達を排除すべくフェアリーで構成された大群を派遣している。さらに攻勢を確実なものとするために合金竜オレイカルコスも投入し、現地ではエルフとの総力戦の様相を呈している」

 だが、グリューン樹海のエルフ達の危機に駆けつけた者たちがいた。それが森丘に住まう狩人のエルフ達である。彼らは猟兵達と共に自分たちが住む村をモンスターの脅威から守り抜いている。グリューン樹海に合金竜オレイカルコスが向かっていることを察知し、同胞の危機を救うために駆けつけたのであった。

「彼らは合金竜オレイカルコスを討つための切札として、神樹の葉を利用する対竜兵器を持ち込んでいる。だが、それでもまだ形勢逆転には不十分だ。そこで我々の出番となる」

 現地のマップが表示される。グリューン樹海のエルフの里は大樹メリエスを取り囲むように位置している。それを取り囲むように、グリューン樹海のエルフ達が防御陣を敷いていた。

「現状、地の利を獲得しているエルフ側が有利ではあるのだが、物量という一点で強引に互角に持ち込んでいるようだ。また、狩人のエルフ達はオレイカルコスの足止めを行って時を稼いでいるようだな。そのため、我々はまず妖精の軍勢を叩いて戦況を有利に持ち込む必要がある。妖精の軍勢は腕を岩のような物質でできた手甲で覆っており、戦闘力を向上させている。加えて数も多いため、グリューン樹海のエルフ達と連携してゲリラ戦を仕掛けると良いだろう」

 グリューン樹海のエルフ達は不意打ちや罠による足止めなどのゲリラ戦術を担当している。また、狩人のエルフ達も対モンスター用の罠を持ち込んでおり、これを利用することも可能だ。

「妖精を撃退した後はオレイカルコスを討つことになる。この個体はブラキエルの手によって強化されており、『絶対物質ブラキオン』なる物質を体表に纏っているようだ。しかし、このブラキオンを突破できる『対竜神樹砲』を狩人のエルフ達が持ち込んでいる。世界樹イルミンスールより株分けされた大樹や神樹には竜殺しの力が宿っており、その竜殺しの力を神樹の葉より抽出、濃縮して砲弾に込め、放つという大型兵器だ」

 この対竜神樹砲によってブラキオンを砕くためには大樹メリエスの葉ができるだけ多く必要となる。戦闘を行いながら、対竜神樹砲のためにメリエスの葉の確保もしっかりと行わなければならない。

「そして、ブラキエル自身は強力なオブリビオンだ。直接戦闘の際には先んじてあちらが動くことになる。対応策を講じなければ敗北は必至となるだろう……こんなところか」

 ジェイミィは集まった猟兵達を見回す。

「この勝利が、猟書家達にとっては大きな打撃となるはずだ。本来猟書家を率いるはずだった書架の王、その後継こそがブラキエルだ。彼を打ち倒すことで、猟書家の足並みはより乱れることになるだろう。……幸運を祈る」

 グリモアを起動し、ポータルを開く。猟兵達は決戦の地、グリューン樹海へと飛び込んでいくのだった。


バートレット
 どうも、バートレットです。
 ついにブラキエルとの決戦です。猟書家との戦いもここから大きく動くことになるでしょう。

 今回は以下のシナリオに登場した人物たちが再登場します。彼らの協力を仰ぎましょう。

・猟書家討伐ミッション[グリューン樹海防衛作戦](https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=30219)より グリューン樹海のエルフ達
・猟書家討伐ミッション[一狩り行こうぜ!大作戦](https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=33335)より 狩人のエルフの皆さん

 第1章では、グリューン樹海を襲撃するフェアリーの軍勢を相手を迎え撃ちます。フェアリー達は腕を岩のような物質で覆っており、グリューン樹海のエルフ達は斥候術に優れているため、背後からの不意打ちや罠を利用した戦術に長けています。また、狩人のエルフ達が持ち込んだ対モンスター用の落とし穴や電流トラップなどを利用することも可能です。彼らと協力して戦うことでプレイングボーナスが得られます。

 第2章では、狩人のエルフ達と共にブラキエルが放った合金竜オレイカルコスを狩猟します。合金竜オレイカルコスは体表を絶対物質ブラキオンで覆っていますが、狩人のエルフ達が持ち込んだ対竜神樹砲であれば、絶対物質ブラキオンを破壊して大ダメージを与えることが可能です。ただし、対竜神樹砲を撃つためにはできるだけ多くの大樹メリエスの葉を集める必要があります。大樹メリエスの葉を集めて対竜神樹砲を撃つことで、プレイングボーナスを獲得できます。

 第3章では、ブラキエル本人との決戦となります。ブラキエルは強力なオブリビオンのため、戦争幹部戦と同様に先制攻撃への対処がプレイングボーナスとなります。ユーベルコードを1回使用するごとに、ブラキエルは1回の先制攻撃権を獲得します。先制攻撃に対処しない場合は判定にマイナスボーナスがかかるため注意してください。

 第1章は公開後即時募集開始です。募集状況はタグをご確認ください。また、その他諸注意につきましてはMSページをご一読ください。

 それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『謎の空兵』

POW   :    妖精の奮闘
敵を【爆破魔法】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
SPD   :    妖精の早撃ち
見えない【マスケット銃の弾丸】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ   :    小さいからと甘く見るな!
【敵合計レベル×5の謎の精兵(妖精)】の霊を召喚する。これは【マスケット銃を使った弾丸】や【魔法】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジェイ・ランス
【POW】※連携、アドリブ歓迎
心情:
オウガフォーミュラ、その先兵ねえ…
猟兵は、世界を救うためにいるんだ。なら、今がその時ってね?そうだろ、ジェイミィちん。
さて、妖精さんの大群か。現地の方々を頼るとするかね~

―――Ubel:Code Schwarz_Löwe_Zerreiβen Dame.

戦術:
UCを発動し、囮とします。重力障壁(オーラ防御)で防御しつつ、回避行動(ダッシュ、フェイント、滑空)
自身は、【世界知識】からの【情報収集】にて樹海の【地形の利用】をし、「グリューン樹海のエルフ達」の協力を仰ぎつつ罠が設置された箇所へ敵をおびき寄せます(罠使い)
その後、全火器の【一斉発射】で【蹂躙】します。



●世界を救うために
「オウガ・フォーミュラ、その尖兵ねえ……。猟兵は、世界を救うためにいるんだ。なら、今がその時ってね? ──そうだろ、ジェイミィちん」

 そう独白しながら、グリューン樹海に降り立ったジェイ・ランス(電脳の黒獅子・f24255)。軽い口調に反して、その決意は固い。

 ジェイは早速戦況を確認する。妖精の大群が押し寄せてきている中で、グリューン樹海のエルフが陽動や不意打ちなどを利用してどうにか対処している状況だ。地の利を得ているエルフはかなり善戦している。ならば、とジェイは即断する。

「現地の方々を頼るとするかねぇ」

 まずは地形を確認。グリューン樹海では過去に他の猟兵が解決にあたった依頼があり、その際にエルフ達の協力でマッピングを行ってあった。加えて先の依頼以降、グリューン樹海のエルフ達は猟兵たちも世界樹メリエスの加護の対象に加えるべく古代魔術を行使。猟兵がこの森で迷うことは最早ありえない。

 グリモア猟兵からはその時のマッピングデータを受け取ってある。念の為電脳魔術で周辺をスキャンしてみたが、マッピングデータとの差はほとんど認められない。

「正確なデータがあって助かったぜ。さてと……おっ、第一村人はっけーん」

 ジェイはちょうど近くで周囲を警戒していたエルフを見つけると、声をかける。

「よっ、苦戦中のようだねぇ」
「む……『神樹の守り手』の一人か! また来てくれるとは!」

 グリューン樹海のエルフ達は、猟兵達を伝承に従い「神樹の守り手」と呼ぶ。エルフはジェイを見て喜びの声を上げると、状況を仔細に説明した。狩人のエルフ達が持ち込んだ罠があるので、それを上手く活用すれば一網打尽にできるだろう、とのことだった。当の狩人のエルフ達は合金竜オレイカルコスを食い止めているので、出来る限り早期に妖精の軍勢を排除する必要があるとも語る。

「よし、委細承知っと。んじゃ、ちょっとお仲間集めてくれるかい。作戦があるんだ」

 ジェイは集まってきたエルフ達に作戦を説明する。これを受けて、早速エルフ達は狩人の罠を仕掛けに森の中へと散っていった。それを確認したジェイは愛用のサーフブレイド「ツェアライセン」をキャバリア形態に変形させ、囮として動かし妖精達の目を引きつける。

 かくして、妖精達はこの誘いに乗った。そのままツェアライセンに向けてマスケット銃の弾丸を浴びせるが、持ち前の機動力の高さによってほとんどの被弾を許さず、わずかに避けきれない弾も重力障壁によって阻まれ、傷一つつかない。ツェアライセンはフェイントを織り交ぜながら回避を続け、徐々に妖精たちを導いていく。そしてその先には。

「もう少し右……そこです、そこで後退!」
「よっし! 落とし穴一丁上がり!」

 妖精たちは次々と落とし穴に足を取られ、地面に身体を埋めていく。実は、ジェイは途中からツェアライセンのコントロールを行う際にエルフの誘導に従っていたのだ。誘導した先にはエルフ達の手によって落とし穴がいくつも仕掛けられており、妖精たちはまんまと引っかかってしまった。

「今だ、皆一斉に行くぜ!」
「はい! よし、弓矢だ! かかれっ!」

 ジェイは電脳魔術で保有するガトリング砲やマシンピストルなどと言った火器を全て転送してくると、これを一斉に妖精たちめがけて撃ち込み蹂躙を開始する。同時にエルフ達も茂みの影から立ち上がり、矢を次々と射かけてゆく。落とし穴で動きを止めた妖精たちは一人、また一人と飽和攻撃の前に沈んでいった。

「上手くいきましたね、ジェイ殿!」
「少し希望が見えてきましたよ!」
「あぁ、皆もお疲れさんだぜー。 そんじゃ次、行くか!」

 ジェイとエルフ達はハイタッチを交わして小さな勝利を喜び合うと、再び別の妖精の一団を罠にかけるべく動き出した。この小さな勝利を積み重ねていくことで、やがて大勢を動かしていく。反撃への大いなる第一歩はかくして踏み出されたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クルル・ハンドゥーレ
アドリブ連携歓迎

願い叶える為に大量虐殺に縋る、やて?
…どつきまわして骸の海に叩き返す
それ以外あれへんわ

おお、ムキムキ同胞や
またよろしゅう!

樹海同胞には此方の攻撃に適した場所(木に囲まれた広場等)への誘導と足止めと依頼
鼓舞+結界術で保護強化

限界突破+先制攻撃で叶うなら先手でUC展開

先手無理→
敵集めてもろたんや、当たるを幸い火焔と雷霆をぶちかます
敵が弱り注意をこちらに惹い
たところで援軍にも攻撃参加要請

範囲攻撃+マヒ攻撃+毒使い+鎧無視攻撃+破魔+フェイントで攻撃
援軍に注意が向きそうならシールドバッシュで吹っ飛ばす
よそ見はあかんよ、浮気には…天誅!
見切り+盾受け+武器受け+カウンターで敵攻撃には対処


バルタン・ノーヴェ
ぱーぷー!(POW アドリブ連携歓迎!)

参戦、バルタン・ノーヴェ! デース!(同業他社カットイン)
陣中見舞いの肉や食糧を携えて来マシター!

ふむ。数が拮抗しているのならば、そのバランスを崩壊させマース!
「カモン、バルタンズ!」「バルバルー♪」「狩りの時間デース!」
各々、用意された武器や罠をもって散開!
グリューンエリフの方々と不意打ちを仕掛けたり、狩人エルフの方々とトラップを仕掛けたり、他猟兵の方のサポートなどに派遣しマース!
良い働きデスネ?
一回の戦闘で一体辺り五百円の出費デスガ。

ワタシは本陣警備を兼ねて、兵糧を作って配布してマース。
ワタシが出向くメインターゲットに備えて、皆様の英気を養いマース!



●猛き狩人達の出陣
 クルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)とバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は、過日において狩人のエルフ達と共に森丘に迫る氷凝鳥とワイバーンを狩猟し、村を守った。2人は今、その狩人のエルフの村長達とグリューン樹海の集落にて再会を果たしていた。

「おぉ! こんな所で再会できるとは思っていなかったぞ、猛き狩人達よ!」
「私らもです、村長さん。またよろしゅう!」
「陣中見舞いの肉や食糧を携えて来マシター!」
「おぉ、かたじけない」

 狩人のエルフ達は今、合金竜オレイカルコス討伐の足止めを行うべく、交代で攻撃を続けている。村長達はちょうど休憩を挟んでいるところであった。挨拶を終えると、グリューン樹海のエルフ達に村長がクルルとバルタンの事を紹介し、来たばかりの2人のために情報交換の場が設けられる。

 村長によれば、対竜神樹砲の準備完了まではまだ時間があり、それまでの間に妖精の軍勢を撃退する必要がある、とのことである。しかし如何せん、グリューン樹海のエルフ達は数の面で不利に立たされている。地の利を活かして互角に持ち込んでいる状況であり、どうにか優勢へと持っていきたいとのことであった。しかし、狩人のエルフ達は対人戦闘経験が無いため手伝うのが難しい。

「となると、まずは樹海の同胞たちのお手伝いやね。お話はわかりました」

 クルルは頷く。猟兵側は様々な敵との交戦経験があるため、その点はカバー可能であろうと請け負う。当座は樹海のエルフ達の手伝いを行う、と方針を定める。

「ふむ。数が拮抗しているのならば、事は単純デース。そのバランスを崩壊させマース! カモン、バルタンズ!」
「バルバルー♪」

 方針決定を受けて早速バルタンがこの場に呼び寄せるのは体長15cmほどの自律型サポートロボット、「ミニ・バルタンズ」。500円のお駄賃をあげれば戦闘もこなす優れものだ。しかもその数105体。

「これだけいれば十分でショー」
「ほほう……」

 エルフ達はミニ・バルタンズの統制の取れた動きに目をむいた。これだけの数がいれば、戦況を有利な状況に変えることは容易だろう。早速、ミニ・バルタンズや樹海のエルフ達を伴って、クルルは前線へと赴いた。

「それにしても……願い叶える為に大量虐殺に縋る、やて?……どつきまわして骸の海に叩き返す、それ以外あれへんわ」

 クルルは内心で、今回の事件を引き起こした元凶の猟書家・ブラキエルに対して憤る。だからこそ一切の容赦を見せる必要はない、とクルルは心に決めた。早速、開けた場所を見つけると、バルタンズに罠を仕掛けさせる。

「ひとまずここを主戦場と定めますわ。同胞の皆さんはバルタンズと協力してできる限りここまで敵さん引っ張ってきてもろてください。直接戦闘は私があんじょうしときます」
「了解です、よろしくお願いします」

 樹海のエルフ達とバルタンズは散っていく。早速妖精の一団を見つけたエルフは、バルタンズと共に不意打ちを仕掛け、木々を伝いながら散発的な攻撃を繰り返してフェアリーたちを挑発し、誘導する。予めクルルが施した結界術が被弾を防いでくれるという安心感は、エルフたちにとって冷静に事を運ぶ助けとなっていた。

 こうして妖精の軍勢が誘導された先では、先手を打ったクルルが霹雷炎獄陣を展開していた。火焔と雷霆が足を踏み入れた妖精たちに容赦なく襲いかかり、その身を次々と焼き尽くしていく。しかし、これをくぐり抜けた先にはバルタンズが仕掛けた罠の数々。電流トラップに足を取られて全身を痺れさせた妖精たちに、待ち構えていた樹海のエルフ達の1グループが弓矢の一斉攻撃を加える。これすらも突破した先に待ち構えているのがクルルであった。

「ここまで来たのは褒めてやるさかい、ありがたく最後の一発頂戴しとき」

 クルルが繰り出す毒やマヒ攻撃の嵐に、妖精たちの生き残りは全て片付けられていく。中には矢を射るエルフを狙おうと方向転換する妖精もいるが、

「おぉっとよそ見はあかんよ、浮気には……天誅!」

 クルルの大盾によるシールドバッシュで横っ面を張られ、目的を達成させることが叶わずに斃れていくのであった。

 クルル達の奮戦の一方、バルタンは後方で戦闘糧食をせっせと作りながら本陣警備に目を光らせる。

「腹が減っては戦は出来ぬ、デース! 皆さんしっかりと英気を養ってくだサーイ!」

 バルタン自身はこの後の戦いに備えて力を温存。ひとまずは兵糧を作るという大事な後方支援を行い、戦闘の合間に訪れたエルフや猟兵達の空腹を癒すという彼女なりの戦い方で、戦況に大きく貢献していた。

 形勢は徐々に、防衛側に傾いていることを戦場の誰もが知覚していた。そして、この流れを止めることは攻撃側には最早無理なことでもあった。何故ならば、相手に一騎当千の猟兵が加わったからである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

董・白
※アドリブや他猟兵との連携はOKです。

【心境】
初めまして、猟兵の董・白ともうします。
この度はご一緒に戦わせていただきたいと思います。
頑張って樹海を守りましょう(エルフたちに深々とご挨拶)
あと、…すみません。樹海での戦いは初めてでして…。
森での行動は修行で何度も歩いてるんですけどね。初めての樹海は先人の話は重要です。

【戦闘】
エルフの方と一緒に行動します。
一緒に罠の方へと誘導したり、動きを止めたりがんばりますね。
お師様からの餞別の雷公鞭と、夜なべして作った霊符です。
雷公鞭の電撃で妖精を纏めて攻撃したり、「破魔」の霊符で動きを止めたりします。
罠の方へ誘導し確実に倒していきますね。


リオン・ゲーベンアイン
OK、わたしもワタシも狩猟民族の家庭に生まれた娘だからね。
手習いとして対モンスター用の落とし穴や電流トラップの作成は習っているよ。他にもサーモグラフィーや超音波ソナー等も万能王の矢を変容させてエルフの皆に渡していくね。

見えないマスケット銃の弾丸はユーベルコードを起動させて魔眼を開眼。
不可視の存在を見る浄眼を作り出していき、マスケット銃の弾丸を視認した後それに雷を雷属性の魔眼で叩き込んで弾き落とすよ。

敵の攻撃を凌いだあとは因果の魔眼を作り出し、放った矢が敵に必中するよう因果を再構成するよ


リルヤ・イルマリネン
●心情
空を飛べて、しかも探知が難しいとなれば、小型ステルス機を相手にしている様なものだ。小兵と侮るつもりはない。

●行動
ゲリラ戦は土地勘を持つ者に頼るのが一番だ。
エルフ達の斥候術を頼り、敵の予想進軍ルートと、その死角をピックアップ。

ブービートラップをエルフ達の罠と共同運用する。
敵がフェアリーなら、指向性散弾地雷や破片手榴弾を転用した物が適切だろうか。
【破壊工作】の基本に則り、先頭を罠や爆弾で足止めしてから最後尾を【爆撃】して身動きを封じ、敵の動きが止まった所を【制圧射撃】で一網打尽にする。

【地形の利用】【迷彩】も活用。
エルフ達の地の利を借りて、多方面から射撃出来る様なキルゾーンを形成したい。



●先達に学ぶ
 グリューン樹海のエルフ達には、「神樹の守り手」の伝承こそ残っているものの、それだけを頼みにして暮らしてきたわけではない。森の危機は可能な限り自分たちで守るという意思と、それを貫くための鍛錬を重ね、技術を脈々と受け継いできたのだ。結果として、彼らの斥候術と非対称戦における戦い方は芸術の域に達していた。だからこそ、大天使ブラキエルの直接侵攻という未曾有の事態を前にしても、犠牲者皆無で猟兵達の到着まで耐え抜くことが出来たのだ。

 故に、一騎当千の猟兵達も彼らから学ぶことは多かった。董・白(尸解仙・f33242)もその一人だ。

「初めまして、猟兵の董・白ともうします。この度はご一緒に戦わせていただきたいと思います。頑張って樹海を守りましょう」
「こちらこそよろしくお願いします、白殿。我々も直接戦闘に関してはあなた方の力を当てにせざるを得ませんからな……」

 彼女はエルフと挨拶を交わすと、申し訳無さそうにある事実を打ち明ける。

「それで……すみません。樹海での戦いは初めてでして……」
「何、気にすることはありません白殿。我々もお手伝いします故、安心して存分に腕を振るって頂きたく」

 白は、森での行動は長年修行で何度も歩いているが、この樹海は勝手が違うためエルフを頼らざるを得ない。大樹メリエスの加護によって草木が異常成長しており、通常の森以上に方向感覚を失いやすくなっているからである。それゆえ、この樹海の住人として樹海全体を把握できているエルフは心強い味方となるのだ。

 リルヤ・イルマリネン(フライングフィン・f02537)もエルフ達の斥候術を頼る一人だった。傭兵としてゲリラ戦の要諦は十分に学んできたつもりである。鉄則の一つこそが土地勘のある者に頼ることである。

「このあたりは獣道になっていて、若干歩きやすくなっているんです。今のところ、敵さんは獣道を素直に通ってますな、よって罠を仕掛けるならこういう獣道が効果的でしょう。それとこっちには前に里が襲われた時、別の守り手さんが残していってくれた人喰い植物のマンイーターをここに植え替えてあるので、上手く誘導したいところです」
「それは良いことを聞いた、是非利用させてもらおう。他には……相手は小柄だ、指向性散弾地雷や破片手榴弾を転用すべきか」

 樹海のエルフの一人が持っている簡易的な地図を見ながら、どこに何があるのか、敵の侵攻ルートはどこが予想されるか、何が戦いに活かせそうかを詰めている。時に撤退してきた狩人のエルフも交えて、保有している罠などの把握も行った。

 一方、リオン・ゲーベンアイン(純白と透明の二つの無垢を司る弓使い・f23867)は樹海のエルフ達のゲリラ戦術をさらに強化するべく、あらゆる宝具に変容する「万能王の矢」を活用して装備を整えていく。

「OK、『わたし』も『ワタシ』も狩猟民族の家庭に生まれた娘だからね。手習いとして対モンスター用の落とし穴や電流トラップの作成は習っているよ。それと、これ持っていって欲しいな。温度で何があるかを把握できるサーモグラフィーに、音で何があるかを感知できる超音波ソナーを用意したんだ」
「これはありがたい、是非使わせてもらいましょう。狩人の同胞が持っている罠も合わせれば敵を一網打尽にしてやれますね」

 罠などの準備が整い、残る妖精の軍勢を森から一掃すべく、3人の猟兵が動き出す。陽動を担当するのは白だ。エルフ達と共に行動して、行軍する妖精たちに陽動目的の攻撃を仕掛けていく。

「お師様からの餞別の雷公鞭と、夜なべして作った破魔の霊符を持ってきました」
「ふむ……では、『引っ張る』役と『追い立てる』役に分かれましょうか。私達が矢を射掛けて注意を引きます。白殿は後ろから攻撃して、妖精達の移動を促して頂きたい」
「わかりました」

 エルフ達は頭上から次々と矢を放つ。これはあえて直接当てないことで、存在を知らしめるために行われていた。そして、白は後ろから雷公鞭を使って妖精たちの後方から集団に対してまとめて電撃を浴びせる。強力な攻撃を背後から受けて、フェアリー達はまず前方にいる敵を排除するのが先決だと、後方の白から逃れるように進軍を開始した。

「……かかりましたね。良い攻撃でした」
「そちらに近づきすぎるようなら、破魔の霊符で止めますね」
「助かります。確実に誘導していきましょう」

 このようにして誘導された先、罠を仕掛けた地点で待ち構えるのはリルヤである。茂みで息を潜め、能動的に作動させるタイプのブービートラップのスイッチを握ってじっと好機を待つ。

「さて……破壊工作の基本に則って、まずは先頭集団の足止めだな……」

 やがて敵集団がやってきた。リルヤはタイミングを図り、第1の罠を作動させる。エルフ達が仕掛けていた頭上から丸太を落とすタイプのトラップで、直撃を食らった先頭の妖精が昏倒する。足を止めた所で、リルヤは第2の罠として後方のエルフ達を指向性爆弾で吹き飛ばした。これで妖精たちは完全に身動きが取れなくなる。

「お見事です!」
「よし、最後の仕上げだ!」

 集団の制圧はリオンが務める。敵の妖精たちが持つマスケット銃は、見えない弾丸を放つのだが、これに対してリオンはきっちりと回答を用意していた。

「刮目せよ、これこそ大洋を統べる水底の主が一人の戴冠宝器。それは全てを見渡し、目にするモノを観測する」

 グリードオーシャンの墜ちたる海嘯、オルキヌス。その万能の魔眼を不可視の存在を見る浄眼として見えない弾丸を視認できるようにする。その上で、妖精の軍勢が抵抗のために放った弾丸を、同様に魔眼を変容させた雷眼から放つ雷撃で逆に撃ち落とすという離れ業をやってのけた。

「よし、今!」
「承知ッ」

 リオンはさらに魔眼を変容させ、因果に介入する魔眼を作り出して、エルフや猟兵が放った攻撃は必ず急所に当たるように因果を再構成。その上で、エルフ達と共に次々と矢を撃ちかけていく。ここにリルヤと白も加わり、あらゆる方向から飽和攻撃を仕掛けるのだった。妖精の軍勢達は逃げ場のないキルゾーンの中で最早何も出来ず、続々とその身を散らしていくしかない。

 こうして、グリューン樹海を襲撃する妖精の軍勢は全て駆逐される。樹海で繰り広げられる決戦は、まずは防衛側の戦術的な勝利によって第一幕を終えるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『合金竜オレイカルコス』

POW   :    合金武装の尾
単純で重い【合金によって武器化された尾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    例え、屍になろうとも金属は死なず
自身が戦闘で瀕死になると【完全合金製のドラゴン】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ   :    合金錬成武具の吐息
【合金で錬成した大量の武器によるブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はガングラン・ガーフィールドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●鉄壁の巨竜、咆哮
 ブラキエルは戦況が不利になったことを悟った。尖兵として差し向けた妖精たちは全滅し、ついに残る手駒は合金竜オレイカルコスのみとなってしまったのだ。

「地の利を活かしてここまで有利に戦いを進めるとは……こちらの出血は覚悟していたが、よもやここまでとは」

 見積もりが甘かったか、とブラキエルは内省する。しかし、まだオレイカルコスは健在であった。もとより全身に金属を纏った種である上に、ありとあらゆる攻撃を無効化する絶対物質ブラキオンによる強化で、その防御力は無敵と言えるレベルにまで高められている。

 ブラキエルは戦場に赴く前に、「友」に別れを告げたことを回想する。

「我が友よ、君の願いは叶わなかった。君は『書架』へと帰るがよい」

 その身を剣に変えた、無二の友たる書架の王・ブックドミネーターはその言葉に従い虚空へと消えた。そして、自らは天上界への階を作るためにこの地、グリューン樹海へと舞い降りたのだ。

「ヴァルギリオスさえ見逃し、あまつさえ封印された愚か者共が、今更地上の危機に扉を開く事もあるまいが……なるほど、猟兵と地上の住人たちだけで十全ということか?」

 だとしたら舐められたものだ、と思う。何としてでもあの愚か者共の目を覚ましてやらねば。そのための一手こそ、この究極の体現たる合金竜オレイカルコスなのだ。

 一方、その合金竜オレイカルコスは、狩人のエルフ達が侵攻を食い止めていた。

「焦るな! 我ら狩人、狩れない竜はいない! 気炎万丈たる我らは負けん!」

 狩人のエルフを纏め上げる村長は周囲のエルフ達を鼓舞しながら、自らも大剣を振るってオレイカルコスに斬りかかる。が、「斬った」という手応えはなく、逆に弾かれてしまい、村長は後ろに大きくノックバックしてしまう。

「っ……!」
「村長! ……ここは俺が!」

 一人のエルフの狩人が村長をかばって前に飛び出す。手にした獲物は一見すると騎士槍のようだが、槍の下に砲口が覗いており、槍と砲を一体化させたような奇妙な構造をしていた。彼が持ち手にある引き金を引くと、砲口から爆風が上がる。火薬を射出して砲口の前で爆発させる機能があるようだ。

「これなら硬さは関係ないはず……だ……!?」

 攻撃を仕掛けた狩人は目を剥く。強烈な爆風と熱を叩きつけられたはずのその表皮には傷一つなかった。どんなに硬い表皮を持っていても、この一撃で突破口を開いてきた実績を持つ彼だからこそ、これがどんなに異常な事態かが理解できた。

「奴に通用する攻撃はあるのか!?」
「やはり……対竜神樹砲しかないか……」

 立ち上がった村長は今回持ち込んだ切り札たる巨砲を脳裏に浮かべた。その時、一人のエルフが木の上を伝いながら村長の下へと駆け込んでくる。

「村長! 対竜神樹砲の組み立てが完了しました!」
「おぉ、待ちかねたぞ!」

 グッドニュースに村長は破顔する。加えて、妖精の軍勢も全滅し、猟兵たちやグリューン樹海のエルフ達も合流できるとのことであった。

「よし、後は対竜神樹砲を放ち、猛き狩人達とこの樹海の同胞たちと共に戦えば……」
「しかし、最後の問題が残っています」

 伝令のエルフは表情を曇らせる。対竜神樹砲を撃つには神樹の葉が必要となる。しかし、その神樹の葉は新鮮なものでなければならない。

「……神樹の葉はここにある。大樹メリエスよ、今だけは我らに力をお貸し頂きたい……!」

 村長は背後を振り返り、そして叫んだ。

「よし、対竜神樹砲の射程距離までオレイカルコスを誘導する!」

 その選択は博打であった。オレイカルコスの誘導は、裏を返せばそれだけ最終防衛ラインにオレイカルコスを近づけるということになる。それだけ余裕がなくなるのだ。しかし、この竜を打ち倒す可能性に賭けるという点では、まさに乾坤一擲の策と言えた。

 神樹の葉が持つ竜殺しの成分を抽出し、砲弾に込めて放つ対竜神樹砲は、本陣でその出番を待っていた。


※第2章に関する補足説明
 第2章のプレイングボーナスは「対竜神樹砲を撃つ」です。手順としては、「枝についている大樹メリエスの葉を十分な数だけ集める」「対竜神樹砲に葉を装填する」「砲弾を撃つ」の3ステップになります。対竜神樹砲の砲撃が命中すれば、絶対物質ブラキオンは神樹の葉から抽出された竜殺しの力によって砕けると同時にオレイカルコス本体にも大ダメージを与えます。また、以降行われる攻撃が通りやすくなります。
 対竜神樹砲は誰でも撃つことが可能です。自分で狙いをつけて撃っても構いませんし、エルフに撃ってもらってもOKです。また、大樹メリエスの葉は枯渇しないものと考えてください。大樹メリエスの葉を枝から集めるには、特に技能等を使わない場合、周囲の木に登る必要があります。大樹の枝と対竜神樹砲は距離が近いですが、対竜神樹砲からオレイカルコスまでは若干距離がある点に注意してください。
 上記の内容をプレイングの参照にしていただければ幸いです。
クルル・ハンドゥーレ
アドリブ連携歓迎

キャバリア搭乗

よっしゃ村長
滅多におらへん竜を狩る機会や
大天使の前座、ありがたく素材にしてまお

限界突破+先制攻撃で先手
UC展開
葉を収集・装填する時間を迷宮で稼ぐ(時間稼ぎ
出口前を曲がり角にし
敵立ち位置・行動・攻撃範囲を狭める事を狙う

出口は対竜神樹砲正面に
竜殺しの嚆矢、発射は頼むで、村長!
発射タイミングは見切りで味方と連携

砲発射後・再準備中は迷宮正面に陣取り
盾受け+武器受け+オーラ防御で防御
結界術で皆に攻撃いかぬようにも

砲被弾後は迷宮の毒と刺も有効やろ?
シールドバッシュ+吹き飛ばしで迷宮から出さぬようにし
フェイント+マヒ攻撃+鎧無視+毒使いで攻撃

ところでこれ、中身食べられるんやろか


ジェイ・ランス
【SPD】※連携、アドリブ歓迎
心情:
なるほど、最終兵器ねえ。葉っぱが必要、と。んじゃあ集めるのと装填は任せてくれ。
発射は……ほかの猟兵に任せるぜ!
―――Ubel:Code schwarzes_Loch Dame.
今回の標的はオレイカルコスちゃんじゃねえ。葉っぱだあ!

戦術:
【世界知識】からの【情報収集】にて樹海の【地形の利用】をし、「大樹メリエスの葉」をUCにて大量に集めて、UCごと対竜神樹砲に込めます。
自身は"慣性制御術式"と"重力制御術式"でのクイックな挙動(空中戦、フェイント、ダッシュ1、滑空)や【残像】を使って、オレイカルコスへの【時間稼ぎ】を行います。


バルタン・ノーヴェ
POW 色々歓迎!

ブラキオンとオレイカルコスの合わせ金属がここまで強固とは、恐れ入りマース!
ここは、役割分担! チームワークを発揮する時間デスネー!
「引き続き頼みマスヨ、バルタンズ!」「バルッ!」

ワタシは前線に出て、準備完了するまでの時間稼ぎを行いマース!
尻尾攻撃は回避やガード(武器受け)して、うろちょろと挑発しマース!
その間にバルタンズには大樹メリエスに登り、葉っぱを確保してくだサーイ!
エルフや他猟兵の方々のサポートデスネ!

準備が出来たら合金竜を対竜神樹砲のベストポジションまで誘導しマス。
お願いしマース、エブリワン!
その後は、砕かれた部位破壊の肉質が柔らかくなったところを、集中攻撃デース!


リオン・ゲーベンアイン
わたしが大樹メリエスの葉を登って集めるよ。装填と射出はお願いするね!
そう言ってアーチャーとしての身軽さで大樹の幹を走って登り、葉を採取する。
そうして十分な数の葉を採取したらUCを起動。
絶対物質ブラキオン。そんな面白そうな物を知ったら無銘の神弓がUCをくみ上げていてね?
そうして葉を包装したブラキオンで出来た神殺しの兵器を矢の形にして砲台の元にいるエルフの足元に打ち込んで届ける。
さぁ、葉を装填して砲弾を打ち出した後戦えるならそれで戦って!
そうして砲弾が撃ち込まれた後、ワタシも弓にブラキオン製の拡張装備を取り付けて神殺しの矢を放って攻撃していく。


董・白
※:アドリブ、連携はOKです。
【心境】
「なんかさらにヤバいのが出てきました。でも倒す手立てがあるのなら絶帝無敵じゃないです。頑張ればきっと大丈夫。」


【行動】
私は「枝についている大樹メリエスの葉を十分な数だけ集める」を担当します。
沢山集めてきます。もう少し耐えてください。
宝貝「太極図」を利用します。
龍脈の流れから大樹への近道と葉が茂っている場所を情報収集しました。手早く回収して対竜神樹砲へ届けてきます。モテるだけ毟ってきました。これを装填してください。

ダメージが通るようになったら雷公鞭と霊符で攻撃に参加します。
破魔の道術。どれだけ通じるかわかりませんが全力で攻撃します。



●神樹の怒り、巨竜に鉄槌を下す
 巨竜の姿を前にして、白はその威容に圧倒される。

「なんかさらにヤバいのが出てきました……! でも倒す手立てがあるのなら絶対無敵じゃないです。頑張ればきっと大丈夫、ですよね」

 なけなしの勇気を絞り出す白の言葉に、一同は頷く。

「よっしゃ村長! 滅多におらへん竜を狩る機会や! 大天使の前座、ありがたく素材にしてまお」
「うむ。猛き狩人たちよ、いざ狩猟開始だ!」

 クルルと狩人の村の村長がそれぞれ檄を飛ばすと、5人の猟兵はそれぞれ事前に取り決めた作戦を実行に移した。

 作戦の骨子は「前衛がオレイカルコスを押し留めている間に出来る限り多くの神樹の葉を集める」ことだった。そのため、エルフの狩人たちとの共闘経験があり、連携が取りやすいクルルとバルタン、機動力が高く遊撃に向いたジェイが前線に立って時間稼ぎを行いつつ、バルタンズ、リオン、白が主体となって葉を集め、装填する。発射役はクルルの提案で、対竜神樹砲の扱いに慣れている狩人のエルフに依頼することでまとまった。

「よっし! クルルちゃん、誘導頼むぜ!」
「任せとき!」

 まずはオレイカルコスの周辺の空間一帯に迷宮を形成。この時迷宮の出口を曲がり角とすることで、オレイカルコスの立ち位置や行動の選択肢、攻撃範囲を狭める事を狙っていく。

「では、ここから先は適度に挑発しまショー! その間に……バルタンズ! お願いしマース!」
「バルバルー!」「バルルー!」
「行ってくるよ!」
「少しの間、耐えてくださいね……!」

 リオンと白がバルタンズを伴い大樹メリエスへと向かうのを見届けると、ジェイとバルタンはエルフの狩人たちと共にオレイカルコスの気を引いて押し留める。

「さぁて、オレイカルコスちゃん! ちょいと俺達と遊ぼうぜ!」
「私達が相手デース!」
「迷宮はきっちり維持しとくさかい、いてこましたれ!」

 慣性制御術式と重力制御術式によるクイック機動や残像を使い翻弄するジェイと、うろちょろと動きながらも敵からの攻撃を的確に受け流すバルタン。クルルは迷宮の維持を最優先にして、前衛をサポートする。エルフの狩人たちも、防御や回避を優先してオレイカルコスの気を引いていた。

「後少しだ! 後少し耐えて対竜神樹砲の発射を待つんだ!」
「反撃のときは近い! 猛き狩人達を信じて、今は臥薪嘗胆の時!」

 その最中、ジェイは電脳ブラックホールを生成する術式を組み立てていた。

「―――Ubel:Code schwarzes_Loch Dame.あっちも手助けしないとな。今回の標的はオレイカルコスちゃんじゃない……葉っぱだぁ!」

 電脳ブラックホールを大樹メリエスの枝の空間座標に生成することで、メリエスの葉の収集と装填を手助けする狙いがあったのだ。

 一方、リオンと白は大樹メリエスの葉を手早く摘み取るべく、大樹メリエス周辺の木に登っていく。

「龍脈探査開始。世界情報収集……終了。うん。大体わかりました。龍脈の流れから大樹への近道と葉が茂っている場所を情報収集しました」
「ありがと、これなら思ったより早く集められそうだね」

 白の宝貝「太極図」による情報収集によって、効率的に葉を収集するポイントを把握し、そのポイントで葉を重点的に集めていく。リオンはアーチャーとしての身軽さを活かした動きで枝から枝へと素早く移動しながら、必要な量の葉を摘み取っていった。バルタンズたちや電脳ブラックホールの助けもあり、発射に必要な量の葉を一気に集め終えて、対竜神樹砲の下へと急行する。

「葉はこのブラックホールごと装填してくれ」

 ジェイの指示に従い、対竜神樹砲の中に集められた葉とブラックホールがセットされ、後は狙いをつけて撃つだけだ。エルフの狩人たちが狙いをつけやすくするため、バルタンがベストポジションへと誘導する。

「さぁ、撃ってください!」

 一方で、リオンは無銘の神弓が生み出した新たなユーベルコードを活用するときが来たことを知る。そう、神弓がブラキオンの組成を読み取ってしまったのだ。

「これは……絶対物質ブラキオンのコピー……!」

 早速神弓の力でブラキオン製の神殺しの兵器を生成、弓の形に変じてエルフ達の下へと届ける。

「砲弾を発射し終えたら、これで戦って!」
「これは……! この上ない助力だ、感謝する!」

 やがて、照準を終えた対竜神樹砲。狩人のエルフの村長はオレイカルコスをしっかりと見据えた。

「よし、機はここに熟した! 対竜神樹砲、撃てぇッ!!」

 轟音と共に放たれる竜殺しの力。それは放物線を描いてオレイカルコスに直撃し、着弾と同時に身体に纏っていた絶対物質ブラキオンが全て砕け散る。同時にオレイカルコスの身体そのものにも衝撃が走り、オレイカルコスは苦悶の咆哮を上げた。

「今だ! 反撃の狼煙はここに上がった! オレイカルコスを討ち取るぞ!」

 エルフ達はリオンから提供された神殺しの武器を手に、一斉にオレイカルコスへと殺到する。加えて、迷宮の壁を構成する荊の毒がオレイカルコスを体内より蝕み始め、じわりじわりと合金竜の命を奪っていく。迷宮正面に陣取ったクルルは、オレイカルコスを迷宮から極力出さず、また攻撃がいかないように盾を構えて受け流しつつ、攻撃を加えていった。

 さらに、肉質が柔らかくなったところ目掛けてバルタンとバルタンズの集中攻撃が加えられ、ジェイも一撃離脱を繰り返しながら着実に弱らせていく。白とリオンも、それぞれ雷公鞭と霊符による破魔の道術と、ブラキオン製の拡張装備を付けた弓から放たれる神殺しの矢で遠距離攻撃を加えていった。

 こうして総力を上げた攻撃を受け、ついにオレイカルコスはその巨体を沈めて絶命する。鉄壁を誇る巨竜の狩猟は、ここに成ったのだ。

 猟兵とエルフ達が竜を討った歓喜の声を上げる中、クルルはひとつ気になることがあった。

「これ……中身食べられるんやろか?」
「fmm...折角デス、お肉貰って調理を試してみマース」

 バルタンにも、これが果たして食用に適するのかは未知数だったが、ひとまずオレイカルコスの肉は後で分けてもらおうと、交渉の算段を立てる。

 妖精の軍勢は壊滅し、巨竜も討たれた。最早邪魔立てするものは存在しない。いよいよ、待ちに待ったブラキエルとの決戦だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『大天使ブラキエル』

POW   :    岩腕
単純で重い【岩石でできた巨大な腕】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    絶対物質ブラキオン
【「絶対物質ブラキオン」の鎧】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、「絶対物質ブラキオン」の鎧から何度でも発動できる。
WIZ   :    大天使の光輪
自身が装備する【大天使の光輪】から【破壊の光】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【徐々に石化】の状態異常を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●決戦、グリューン樹海
「大樹メリエスの怒りが、かの竜を殺したか……」

 ブラキエルは瞑目する。すでに天界への階は閉ざされたも同然。それにしても、対竜神樹砲とは。地上の民はあそこまで猛き力を振るうのか。加えて、猟兵の存在が非常に厄介だ。しかし、まだチャンスは有る。今回の策は全て失敗に終わったものの、猟兵達を葬れば、再び天界への階を迎える好機はいくらでも待つことが出来る。

「故に、これは生存を賭けた戦いだ。生き残るのは我か、猟兵か。その二択を占う」

 大天使ブラキエルはついに自ら、グリューン樹海に足を踏み入れた。目的は唯一つ、猟兵達と決着をつける。ただそれだけだった。

 一方で、グリューン樹海のエルフ達と狩人のエルフ達は、森へ侵入したブラキエルの気配を察知していた。

「どうやら、敵の親玉が動いたようです。目的は神樹の護り手たる皆様の命でしょう」
「猛き狩人たちよ、我らはここで万が一のために守りを固める。だが約束して欲しい、次に姿を現すのはかの大天使ではなく、貴君らであることを」

 生きて還ったら皆で宴を開こう、とエルフ達は告げる。誰一人欠けることは許されない、とも。

 猟兵達は頷くと、ブラキエルがいる樹海外縁部へと厳かに向かう。その身を削ってまで猟兵達に力を貸した大樹が見守る中、グリューン樹海の、ひいてはアックス&ウィザーズ世界そのものの命運が、猟兵達の双肩にかかっていた。
リオン・ゲーベンアイン
UC複製UCか……なら、やりようはいくらでもあるよ。
その1。UCを先に使わない。UCをコピーして攻撃する以上、UCを使わなければ真価を発揮しないからね。
その2。アイテムや技能のみで攻撃対処する。複製するのはUCだからね。アイテムが如何に強力だろうと複製は出来ない。

以上の事から、『白陽矢』と『黒陰矢』を【スナイパー】で鎧の隙間に打ち込んで隙間から弱点を穿ち、ブラキオン関連の過去を封印していくよ。
攻撃自体も黒き夜衣で夜に変貌しながら回避していくね。

先制攻撃を凌いだらUCで鎧の隙間から正確無比に弱点へと二つの宝貝を撃ち込んでいくよ。
無論、頭部が空いているなら頭部も狙う。



●2つの策
 リオンはブラキエルの持つ絶対物質ブラキオンの鎧に対する回答を2つ用意していた。1つはユーベルコードを先に使わないこと。ユーベルコードをコピーして攻撃する以上、ユーベルコードを使わなければ真価を発揮しない。であるならば、ユーベルコードを後から繰り出せばブラキエルのユーベルコードは不発に終わるだろう。もう1つは、アイテムや技能のみで攻撃に対処する。複製するのはユーベルコードであるから、アイテムが如何に強力だろうと複製は出来ない。

 この2点から、リオンは他の猟兵の障害になるであろうブラキオンの鎧を封じるための策に出る。『白陽矢』と『黒陰矢』の2種類の矢をつがえた。狙うのは鎧の隙間だ。

「鎧の隙間が弱点だってことはすでに把握済みだからね!」
「対策は容易ということか。しかしその浅知恵でどこまで対応できるか見ものだな」

 ブラキエルは手から光条を放って攻撃するが、身に纏う「黒き夜衣」の力で自らを「夜」という概念そのものに変じながらこれを躱す。攻撃後の隙を狙って白と黒の矢を撃ち込む。

「その矢を受けた所で……む、これは……!」

 ブラキエルは違和感に気づく。ブラキオンが急速にその力を失っていった。

「黒陰矢は当たった箇所の過去を封じる。白陽矢で隙間をこじ開けて、黒陰矢でブラキオンに関わる過去を封印させてもらったよ」
「っ……目的はブラキオンの無力化か……!」

 これが好機、とばかりにリオンはユーベルコードの行使を始める。今ならコピーされる心配はない。

「全能を下す万能王の腕よ、左手は神殺しを携えろ、右手に握るは摂理をも跪かせる人の意思と心得ろ。今こそ種の意思で運命を撃ち落とせ……!」

 鎧の隙間から正確無比に弱点へと矢を撃ち込む。射程内の空間全てを把握する探知機能によって正確な狙いを実現させ、ブラキオン製の鎧は砕けていく。

「我が守りをこうも突破するか、猟兵」
「その鎧は危険だからね」

 早速、手持ちのカードのひとつがあっさりと消えたことで、ブラキエルはぎりっと奥歯を鳴らす。猟兵、侮りがたし。ブラキエルはこの戦いの行方を思い、自身の敗北を覚悟するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジェイ・ランス
【POW】※アドリブ、連携歓迎
■心情:
大天使ブラキエル殿とお見受けする。なにゆえ、大天使がオブリビオンとなったかは知らぬが、我々が猟兵である以上は相容れぬもの。
その御身、躯の海に還っていただく。

―――Operation:Maßschneiden Lauf

■戦闘:
"慣性制御術式"と"重力制御術式"よって【残像】と共に敵の攻撃を掻い潜り(瞬間思考力、ジャミング、地形の利用、ダッシュ、空中戦、フェイント、滑空)、"事象観測術式"によって【情報収集】で得た【索敵】情報からUCを発動。
対象の【切断】を試みます。

貴公が破壊するモノなら、我々は護るモノ。世界は違えど、我々は防衛機構の役目を全うするのみ。


亞東・霧亥
・先制対策
『戦闘知識』から岩石の脆い部分を見定め『集中力』を研ぎ澄まし、瞬間的な『怪力』と『グラップル』を用いた『部位破壊』で岩石の腕を迎撃。

【UC】
過去の激戦から書架の王『ブックドミネーター』に変身する。

時間凍結氷結晶を纏い、戦闘知識に比例した戦闘力増強と飛翔
能力を得て、ブラキエルと対峙する。
レベル×100kmの速度で動き回り、死角を突いての『不意打ち』や『残像』を囮に『暗殺』を試みる。

変身を解いて、ブラキエルに書架の王の願いについて問う。
今更それを聞いたとて、どうにかなるものではない。
しかし、俺は敵ながら書架の王に敬意を表する。
故に聞かずにはいられない。


バルタン・ノーヴェ
POW 色々歓迎!

ハーイ! 戻ったらオレイカルコスの肉でパーティデスネー!
行ってきマース!
大丈夫、ワタシに秘策あり!

「カモォン! スコール!(と、操縦席に座るミニ・バルタン!)」「バルルー♪」
ブラキエルを相手に、フォースセイバーで白兵戦を挑んでくだサーイ!
体格差を活かしつつ、ワタシのデータを参考にしたパリィ性能を発揮して、抑え込みをお願いしマース!
そうして時間を稼いでもらって、次の手を呼ぶのであります!
「カモン、ビッグ・バルタン!」「BARU-!」

揃ったところで、準備OK!
行きマスヨ! スコール! ミニ・バルタン! ビッグ・バルタン!
三機がかりでブラキエルに連続攻撃を仕掛けるであります!
GO!


クルル・ハンドゥーレ
アドリブ連携歓迎

勝利の宴!
よっしゃ、頑張ろ

ブラキエル
私は私だけの欲をもって
あんたに対峙する
世界を護りたいゆう大層な欲と
皆で宴会したいゆう欲とで、ね


キャバリア搭乗
限界突破+リミッター解除+
瞬間思考力+見切りで敵UCを己の可能な限りの瞬時で見切り
少しでも自分や仲間がまともに浴びぬよう
キャバリアシールドと武器にて盾受け+武器受け+オーラ防御+結界術で全力で防御
石化は浄化で解除

すかさずスナイパー+部位破壊でブラキオンのない箇所めがけUC展開
返杯や
天と根の国からのあんたへの応え、しっかり受け止めてみ!

通常攻撃
フェイント+部位破壊+毒使い+マヒ攻撃+破魔

敵攻撃は冷静に見切り
盾受け+武器受け+カウンター



●大天使、樹海に散る
 絶対物質の鎧を封じられたブラキエル。思えば猟兵達は常に、ブラキエルが仕掛ける全てを排除してきた。元は迷宮災厄戦、彼の親友たる書架の王が倒されたことに端を発する。

 ブックドミネーターの撃破により、猟書家の足並みは乱れ始めた。各オウガ・フォーミュラは独自判断での行動を余儀なくされた上、ブラキエルが自ら天上界への階を迎えるべく、新たなオウガ・フォーミュラの地位を得た。彼の指揮で猟書家たちを動かさざるを得ず、儀式魔術【Q】もブラキエルが行使したが、猟書家たちは次々と猟兵に敗れ、散っていく。

 天上界への階を自ら切り開くべく仕掛けた戦いも、妖精の軍勢はすでに無く、合金竜も大樹の力を受けた一撃を受けて斃れた。今やこうして追い詰められ、敗北が見え始めている状況だ。

「これは我の純粋なる興味なのだが。我をそうまでして阻む理由は何だ。何が諸君らを動かすのだ、第六の猟兵たちよ」

 故に、問うてみる。何が猟兵の原動力となっているのかを。

「そんなん自明や。私は私だけの欲をもってあんたに対峙する」

 いの一番に応えたのはクルルだった。

「世界を護りたいゆう大層な欲と、皆で宴会したいゆう欲とで、ね」

 クルルには、猟兵としてこの魅力的な世界を守りたいという欲があった。もちろん、アックス&ウィザーズだけではなく、他全ての世界を守りたいという欲だ。そして、猟兵の帰りを信じて待つエルフ達がいる。彼らは宴を準備しているのだ。皆で楽しく宴を楽しむためにも、ブラキエルを倒す。エゴだらけだと思うが、それでも理由としては十分だとも思う。

「その通りであります。我々は世界を護る使命がありますが、同時に自ら進んで護りたいという意思を持つものであります。それに……オレイカルコスの肉がどんな味するのか気になりマース。だから生きて戻って確かめマース!」

 バルタンもそれに同調する。世界を護り、美味しいご飯を皆で食べるため。そのためにはブラキエルによって世界を壊されるわけにはいかない。

「もとより、貴公が破壊するモノなら、我々は護るモノ。世界は違えど、我々は防衛機構の役目を全うするのみ。そもそも相容れぬ存在なのだ、我々は」

 黒き機神としての真の姿をさらけ出したジェイもうなずく。オブリビオンと猟兵は互いに相容れぬ存在。世界の過去の残滓たるオブリビオンがいるならば、それを排除して世界の時を前進させなければならない。故に、その存在こそが不倶戴天の敵同士であると。

 ブラキエルは3人の返答に瞑目した。

「我らがもしも相容れぬ存在でなければ……手を取り合う未来もあったのかもしれぬな」

 仮定は無意味だが、どうしてもIFに思いを馳せてしまう。そこが自分の甘いところなのかもしれない。

「……詮無きことか。では、死合うぞ猟兵たちよ」

 ブラキエルは動いた。まずは最も厄介なクルルのキャバリアを排除すべく、石化の呪いの籠もった光を光輪から撃ち込む。

「おぉっとあかんな……!」

 クルルはその攻撃を己の可能な限りの瞬時で思考し、見切る。キャバリアの反応速度もリミッターを解除して向上させ、味方への被弾を抑えるべくシールドと武装を構えて、石化を招く呪詛と破壊の光をすべて引き受け、受け流した。直接のダメージこそ防いでみせたが、呪詛はキャバリアを蝕み始める。クルルはその呪いを浄化することで解除した。

「その攻撃はもう通用せえへんで!」
「だが、これはどうだ……!」

 ジェイ目掛けて放たれる岩石の腕の一撃。しかしジェイは"慣性制御術式"と"重力制御術式"を以て着弾地点を予測、滑空しながらこれを回避する。

「初撃は外したか……」
「しかし地形を変えるほどの一撃……! まともに喰らえばただではすまぬか」

 事象観測術式を使うまでもない、空中に逃れて正解だった。接地したままでは回避したとしても地形の崩壊に巻き込まれていただろう。その威力に内心戦慄する猟兵達。間髪入れずに二撃目が迫る、その時。

 一人の男がその岩石の左腕を砕いた。岩石のわずかな亀裂目掛けて放たれた一撃が、正確無比なまでに岩石そのものの崩落を招いたのだ。

「……!? 何故!?」

 誰何ではなく、その者がここにいる理由を問うブラキエル。それもそのはず、岩石を砕いたその男の正体は──青い髪に赤い瞳、漆黒の衣装を身に纏った男。ブックドミネーター、書架の王だったのだ。

 書架の王の姿をした男は、時間凍結氷結晶を纏って飛翔しながらブラキエルを翻弄する。ブラキエルは動揺のあまり、一瞬の思考の空白状態に陥る。それを見逃さない書架の王は残像を残しながらブラキエルの死角に回り込み、鋭い一撃での不意討ちを与える。

「──ッ! 貴様、猟兵か!」
「その通り」

 書架の王はその姿を変える。正体は黒髪の猟兵、亞東・霧亥(夢幻の剣誓・f05789)。迷宮災厄戦での交戦経験をもとに、自らの姿を書架の王へと変じたのであった。

「今です! ワタシに秘策あり! ……カモン、スコール!!」

 思考の空白は立て続けに連鎖する隙を与える。バルタンが呼び出したのは世界を超えた数奇な運命の果てに彼女を終の主と選んだキャバリア、「エルダーフェンリル」の改造機「スコール」。獣化形態で飛び込んだその機体は、変形して人型になったかと思うとブラキエルのもう片方の腕を抑え込む。

「これ……舵輪残党の強硬派から取り返したエルダーフェンリルやな!? でも誰が乗っとるんや?!」
「ミニ・バルタンに操縦させてマース!」

 コクピットの中ではミニ・バルタンが器用に操縦桿を操りながらスコールを意のままに動かす。スコールにはバルタンの戦闘データがインプットされており、白兵戦能力は原型機より強化されていた。

「機械人形ッ……情報にあったメガリス・キャバリアか……!」
「おや、ご存知でしたかブラキエル殿。光栄でありますな。しかしこれだけではないのデース!」

 バルタンの第二の策、それは機動兵器ビッグ・バルタンと連動した連携攻撃だった。呼び出された機動兵器ビッグ・バルタンはバルタンの姿を模しており、戦術も彼女のものを模している。スコールと周囲に展開したミニ・バルタンたちも含めれば、実質バルタンが4人いるのも同義。

「くっ……だが、だがまだ……!」
「いや、チェックメイトだ」
「せや、もろたでブラキエル! 返杯や、天と根の国からのあんたへの応え、しっかり受け止めてみ!」

 不意討ちによって一気に追い詰められたブラキエル、そこへバルタンたちの連携攻撃を受けて拘束されたところへ、ジェイとクルルがとどめを刺すべくユーベルコードを展開する。

「―――Operation:Maßschneiden Lauf」

 事象観測術式を展開したジェイはツェアライセンを構えると、致命傷となる位置を把握。一気に距離を詰めにかかる。だがブラキエルは持ち前の往生際の悪さを発揮し、その刃から逃れようと石化の呪いを込めた光線を放とうとするが、それを食い止めるのがクルルの一手。

「あまねき旻より赫焉、あまねき黄泉より冥闇――!」

 底根國からの常闇が光線を掻き消し、天之原からの光焔がブラキエルの肩を縫い止める。

「しまっ──」
「終わりだ」

 すれ違いざまにツェアライセンが振り抜かれる。ブラキエルは袈裟懸けに斬られ、派手に血を吹き出させた。ついにその身を横たえるブラキエルを背に、ジェイはツェアライセンを振り払って血を飛ばし、残心する。

「……っ、見事だ、猟兵たちよ。我を倒すとはな……!」
「ひとつ、聞きたいことがある」

 斃れたブラキエルに歩み寄る霧亥。

「手短に頼む……我はもう、骸の海に還るのも時間の問題だからな……」
「では簡潔に。書架の王の望み、それは何だったのだ」

 霧亥の問いに、ブラキエルは弱々しげな笑みを返す。

「……生憎だが、それは我も正確なところを聞かされていない……友は、天上界にこそ彼が求める答えがあると言っていたが、何の問いか、それはついに聞けず終いだった……。折角だ、骸の海で、改めて聞いてみるとするか……」
「まぁ、今更それを聞いたとて、どうにかなるものではない。しかし、俺は敵ながら書架の王に敬意を表する。故に聞かずにはいられなかった」

 霧亥の言葉に、ブラキエルはうなずく。

「なるほど、それ故に、君は彼の姿をとって我と相対したということか……」

 ブラキエルは、納得したように再びうなずくと、満足したような笑みを浮かべて目を閉じる。

「なにゆえ、大天使がオブリビオンとなったかは知らぬが、我々が猟兵である以上は相容れぬもの。このような形で相まみえるしか無かったことが残念だ」
「全くだ……さぁ、戻り給え、猟兵たちよ。勝利の凱歌を待っているものがいるのだろう? ……我も、友の下へ向かうとしよう」

 そう言い残して、ブラキエルは事切れた。
 こうして、ついに、猟兵達はブラキエルを討ち取ったのである。

 その後、猟兵達は帰還前のひとときを、グリューン樹海で過ごす。その日の宴会は盛大に執り行われ、再び訪れた平和と勝利、そして猟兵達の健闘を讃えて、エルフ達と共に大いに飲み、食べ、語り合ったのであった──。

 ──オウガ・フォーミュラ、大天使ブラキエルの完全撃破に成功。
 一人の天使は、友と再会すべく骸の海へと旅立った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月17日


挿絵イラスト