14
郷愁のヘヴンズ・ドア

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ブラキエル #オウガ・フォーミュラ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
🔒
#大天使ブラキエル
🔒
#オウガ・フォーミュラ


0




「我が友よ、君の願いは叶わなかった。君は『書架』へと帰るがよい」
 大天使ブラキエルは失望と共に、手にしていた剣を虚空へと消し去る。アックス&ウィザーズの骸の月が沈黙した今、天上界への到達という野望は潰えたかに思えた。
 だが、まだ天上界の扉を開く僅かな可能性が残されている。
 ブラキエルは睫毛を伏せ、ゆっくりと月面から下降をはじめた。目指すは地上。最後の可能性を賭けた戦いの幕を開けるため、彼は降臨する。
「……もっとも、ヴァルギリオスさえ見逃し、あまつさえ封印された愚か者共が、今更地上の危機に扉を開く事もあるまいが……」

「つまり、大天使ブラキエルの目的とは『無差別大量虐殺』によって地上に危機をもたらすことなのですわ」
 黒弗・シューニャ(零・f23640)によれば、大天使ブラキエルを『20回』倒すまでこの計画は止まらないという。

「アックス&ウィザーズの荒野はいまや大天使ブラキエルの召喚した無数のオブリビオン軍団であふれていますわ。しかも、この軍団にはユーベルコードの破壊力を増す『岩石の腕』が移植されていて、集団戦にも関わらずかなりの強敵となっておりますの」
 彼らが目指すのは周辺地域の街や村だ。
 到達を許せば虐殺・根絶やしにされるのは確実。なんとしてもそれまでに掃討しなければならない。
 だが、あまりにも敵の数が多すぎる――猟兵にとっては雑魚であろうと、一匹でも逃せば住民たちにとっては脅威だ。
「幸い、援軍がありますわ! 以前に皆さまが救った方々が協力を申し出てくださいました。きっと、何とかなりますわ!」

 現地で合流することになるのは、シャルムーンのクレリックであるサラスという少女、エギュレのパラディン騎兵団、リリパットの行者達、そして『輝石の欠片』を持つ、天空城で出会った冒険者たち。

「彼らの協力があれば周辺地域やそこに住む人々に被害を出すことなく大天使ブラキエルを倒すことも不可能ではないと思いますの。ただ、彼らでは主力のオブリビオンや大天使ブラキエルには太刀打ちできませんわ。アックス&ウィザーズの命運は皆さまにたくすしかないのですわ……!」
 初戦で勝利を収めれば、大天使ブラキエルは更なる刺客を放ってくるだろう。絶対に破壊できない鎧に身を固めたこの腹心を撃破した時が、本当の始まり。
 ――かつて、アックス&ウィザーズの神々に仕えていたとされる『七大元素の一、ブラキオン』を司る大天使との戦いが幕を開けるのだ。


ツヅキ
 プレイング受付期間:公開時~4/29 12:00頃まで。

 プレイングの内容なタイミングによっては他の参加者とまとめて執筆する場合があります。共同プレイングかけられる場合は、お相手の呼び名とIDもしくは団体名を冒頭にお願いします。

●第1章 集団戦
 荒野にあふれ出た『ドロゥプス』の掃討です。個々は弱いものの、一匹でも逃せば住民にとっては脅威となります。

 プレイングボーナス:援軍と共に戦う。
 協力してくれるのは、以下のシナリオで登場した者たちです。

 「茨のメサイア」(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=30494)
 ・クレリックの少女…サラス。回復呪文が使える。

 「氷風のアルコーン」(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=31161)
 ・エギュレのパラディン…騎士団。無敵城塞による防御を得意とする。

 「空と城と宝と―Ark-」(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=30632)
 ・冒険者たち…勇者の青年、拳士の少女、僧侶の少年、弓使いの女。通常レベルのモンスターなら倒せる力がある。

 「名も無き名で呼んで」(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=33517)
 ・リリパットの行者…楽器使いで、眠らせたり怒らせたりと敵の感情を操作する曲を奏でる。

●第2章 ボス戦
 『絶対物質ブラキオン』の鎧を纏った大天使ブラキエルの腹心との戦いです。『輝石の欠片』をうまく使えば弱体化できるかもしれません。

 プレイングボーナス:鎧の隙間を狙う/アイテムを使う。

●第3章 ボス戦
 大天使ブラキエルとの決戦です。

 プレイングボーナス:先制攻撃に対抗する。

 次章の受付は前章完結の当日から翌日辺りが目安です。雑記で案内しますので、ご確認をいただけましたら幸いです。
187




第1章 集団戦 『ドロゥプス』

POW   :    ダンス
【ダンス】を給仕している間、戦場にいるダンスを楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
SPD   :    留まらせる
【瞳】から【ウインク】を放ち、【「可愛い」と感じさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    眠らせる
【スマイル】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。

イラスト:透人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

小宮・あき
アドリブ連携歓迎

こんにちは、私の可愛いドロゥプス。
ふわふわぽよぽよ草原で跳ねてるあなたに、
可愛さで胸を射抜かれて、宿敵になりました。
だから。こんなところで人を襲うあなたは、私見たくないよ。

リリパットの行者に共闘、いえ共演を依頼します。
アックス&ウィザーズは何度も訪れた地。
この世界の有名な曲は大体わかります。
合わせるわ、1曲お願いします。

歌唱70、ダンス59。時折ハーモニカで楽器演奏72。
歌は、実はUC【ブレス】
英語で歌いましょう、ドロゥプスには意味が判らないはず。

戦闘力が上がった状態で、手持ちマスケット銃をくるくる回して。
まるでバトンのように、踊ってみせながら、スナイパー88&零距離射撃89。


七那原・望
お久しぶりなのです、サラスさん。
敵の数はかなり多いですし、みんなの力を貸してくれませんか?

【果実変性・ウィッシーズアリス】でねこさん達の【多重詠唱】【全力魔法】の【幻覚】で敵の同士討ちを狙います。

許可を得てから援軍のみんなに魔法で能力を【限界突破】させつつ、幻覚を掛け、敵が可愛くないと思うようにします。

リリパットの行者さんには敵の同士討ちを加速させるように感情の操作を、パラディンのみんなには敵の侵攻を抑える為の戦線の維持を、サラスさんにはパラディンの回復を、冒険者達にはわたしと共に敵の殲滅をお願いします。

アマービレで呼んだ追加のねこさん達も含め、持てる全ての戦力による【集団戦】で徹底抗戦です!


シズホ・トヒソズマ
アドリブ・連携OK

遂に手が届く所まで来ましたね大天使!
今度こそこの世界からフォーミュラの脅威を消して見せます!
と、まずはこっちを何とかしないと

◆早業で人形を◆操縦
人形はUCで性能を強化

まず数への対策
王劾で炎獣を大量召喚し◆拠点防御で防衛させます
後はリザの◆吹雪属性範囲攻撃で大量攻撃
不定形でも凍らせれば砕けます

ウインクはマジェスの光で目晦ましして防いだり
リリパットの人に眠らせて貰ったりして防いでいきましょう

岩石の腕は凍らせても動かすことはできて防御や攻撃はできますね
ですが、そこをマジェスの光熱剣や炎獣の炎による◆焼却で攻撃すれば
温度の急激変化で岩も脆くなる!
そこを一気に攻撃します!



「きゅ、きゅっ」
 匍匐前進、たまに跳躍、ときには転がりながら――ドロゥプスの大群は近隣の街へと迫りつつあった。激しく警鐘が鳴り、騒然とする住民たちとは対照的にのんびりとした様子で進撃する彼らの前で、小宮・あき(人間の聖者・f03848)はひらりと服の裾をつまんで優雅なお辞儀を披露する。
「こんにちは、私の可愛いドロゥプス」
 微笑みは、戦いの始まりを告げる鬨の合図。
 周囲に隠れていたリリパットの行者が一斉に楽器を弾き鳴らした。軽快なる綺想曲。木立の枝葉が風に囀る音さえも旋律を彩る飾りに変えて、あきは“ブレス”を吹き込んだハーモニカを奏でる。
「きゅ?」
 いったい、なんと歌っているのだろう。
 確かにこの世界の曲でありながら、歌でありながら言葉だけが聞き取れない。
「これは……異国の言葉……?」
 耳を澄ませるサラスにも、この明るく高揚感のある調べが仲間の士気と能力を高めるものであることがわかった。
「お久しぶりなのです、サラスさん」
 七那原・望(封印されし果実・f04836)が駆けつけてすぐに、サラスは嬉しそうに目を輝かせる。
「あなたは……! 再びお目にかかれて光栄です」
「いまから援軍のみんなに魔法で幻覚をかけます。そうすれば、あのウインクもただ目を閉じるだけのものでしかなくなります」
 望はサラスたちが頷くのを待って、金色の王笏を一振りした。
「お、おお……本当だ、何も感じないぞ!」
 狂喜するパラディンたちに望は頷き、
「みんなは戦線の維持をお願いします」
「承知した」
「リリパットの行者さんにはねこさん達の援護をお願いできますか?」
「はい!」
 彼らは望の呼び出した4匹の猫に混ざって、幻覚の音色を奏で始める。ひとつ呪文が増える度に魔法陣が増え、ひとつ旋律が足される度に一段階大きくなった。
「きゅきゅー!」
「っきゅ、きゅっ!」
 互いを敵と誤認したドロゥプスがぽかすかと互いにぶつかり合う。
「始まりましたね!」
 シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)が躍るように大剣を振れば、一斉に召喚された炎獣の大群が寄り集まって壁を作った。
 急には止まれず、次々とぶつかっては押しとどめられてゆく――そこへ2体の人形が躍りかかった。
「リザ、マジェス!」
 シズホの操り糸に吊られたリザの体から、雪と氷の結晶が嵐となって吹き荒れる。
「さあ、今ですよ!」
 すかさず、リリパットの奏でる旋律が音色を変えた。
「きゅ…ぅ……」
 ゆったりと穏やかな音色に眠気を誘われたドロゥプスは凍り付きながら動きを止めて、ひとつの巨大な塊となって荒野に聳え立つ。
「どこかから見ているのでしょう、大天使? これしきの相手で私たちを止められると思っているのであれば、甘い!」
 マジェスの持つ剣が爆発的に温度を上げ、一気に氷ごと敵を砕いた。同時に炎獣たちもそろって炎を吐き出し、凍った敵を脆くも破壊せしめる。
「どうですか、私の作ったドールズの力は!」
 遠く、街の方角から大地を揺るがすような歓声が上がった。
 いまや、ドロゥプスの大群の何分の一かが瓦解していた。望がタクトを振るごとに鳴り響く鈴の音がねこさん達の援軍を呼び寄せ、押し返した陣地を新手のドロゥプスが埋め尽くす前に詠唱を開始。
「きゅっきゅ!」
「ドロゥプス……」
 あきは、きゅっと握りしめた手持ちのマスケット銃をバトンのように放り投げる。
 後ろ手に受け止めた銃口がリズミカルに火を噴いた。そうして、あきの腕の周りを八の字に回りながら二度、三度と銃声が響き渡る。
「還ろう、ドロゥプス。ここはあなたがいるべきところではありません」
 タンッ、タ、タ。
 リズム。
 踊るリズム、回るリズムと銃声がぴたり、重なった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
かつて御縁のあった方が危機に陥っているようなのではせ参じたのだ。

敵への対策の第一はダンスを楽しむ事。すなわち今回はダンスをしながら敵と戦う事になる。そしてわたしのやるダンスは剣舞。二刀流を構え、舞い踊るように敵を斬りまくる。存在感を出して敵を多くおびき寄せるためにも、むちゃくちゃどハデにいくのだ。

ひさしぶりのサラスちゃんはわたしの回復を頼むのだ。多数の敵を相手にしなきゃならんし、できれば第一章からボロボロにはなりたくない。章またげば体力回復してそうだけどそれはそれ。
楽器使いくんは派手に音楽を頼む。わたしの気合も入るというもの。
パラディンたちと冒険者たちはわたしが討ち漏らした敵を頼む。


上野・修介
※アドリブ、連携歓迎

「推して参る」

調息、脱力、『観』据える。
周囲の敵味方の数と配置、地形状況等を確認。
目付は広く、自身を含め戦場全体を俯瞰するように。

雑魚とは云え数が多い。
下手に行動を制限されれば押し切られるだろう。

なので先ずは挑発。
「雑魚か。数だけは多いようだが準備運動にもならないな」
続けてリリパットの行者に敵の怒りの感情を高めて貰い、ダンスを出来ない精神状態に陥らせる。

UC:攻撃重視
戦闘の立ち回りは基本ヒット&アウェイ。
極力援軍に被害が出ない様にアサルトペンや石の投擲による牽制と挑発をいれて自身にヘイトを集めつつ、足を止めず常に動き回り、被弾と包囲を回避。

一体ずつ確実に、残らずここで殲滅。


パルピ・ペルポル
僅かな可能性に賭けたくなるのもわかるけど、無差別大量虐殺とか許せるわけないでしょ。

リリパットの行者に協力を依頼するわ。名前を尋ねてもいいかしら。

徳用折り紙セットで乗るのにちょうどいいサイズの折り鶴作ったからこれで一緒に空中からしかけましょ。
予め雨紡ぎの風糸を網にしておいて、行者に怒らせる曲で気を引いて集めてもらって一網打尽にして。
そこで眠らせる曲に変更して敵を大人しくさせたら糸を引き絞って切り裂くとしましょう。
逃れた敵を逃がさないように、以前から徳用(巨大)折り紙セットで作りだめしておいた折り鶴をはじめとした犬や猫やドラゴンといった立体動物たちを展開して、一匹たりとも逃がさぬよう攻撃させるわ。



「かつて御縁のあった方が危機と聞いて――」
「推して参る」
「無差別大量虐殺とか許せるわけないでしょ」
 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は刀を手に斜面を滑り降り、上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)はゆっくりと首を巡らせて周囲の地形を俯瞰する。
 そして、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は自作の折鶴に息を吹き込んで膨らませるとリリパットの行者を乗せてふわりと浮かびあがった。
「名前を尋ねてもいいかしら」
「アミュレです!」
「それじゃ、アミュレ。あそこに敵を追い込んでやりましょう」
「はい!」
 リリパットの奏でる音色が、不意に激しさと速さを増してドロゥプスの不定形な体に刺激を与える。
「――きゅ!」
 かんかんに怒った彼らは、他には目もくれずにパルピたちを目指して突っ込んだ――よもや、その前に不可視の糸で編まれた網が仕込まれていたとも知らずに。
「「「きゅ、きゅ、きゅっ!!」」」
 さらに後ろから、どすんっ、どすんっと仲間の体にぶつかって団子状態になったところへ眠りの曲で動けなくなってもらう。
「あとは――」
 パルピが軽く合図するだけで網が一斉に絞られ、一網打尽。
「雑魚か。数だけは多いようだが準備運動にもならないな」
 修介はリリパットの行者が怒りの音色を奏でているタイミングで戦場に飛び込むと、拳ひとつで敵の陣形を切り崩していった。
「そら、こっちだ」
「きゅー!」
 投げつけたアサルトペンを頭に刺した個体が襲いかかるのをいなし、引き付けたまま後退。他から引き離したところで止めを食らわせ、また次の標的を求めて敵陣に飛び込む。
「それ、ふむ、やっととと!」
 ――体全体で拍を取り、麗刃は舞いを踏みながら敵をたたっ斬る。
「なかなかいい感じだ。その調子で頼むぞ」
「はい!」
 荒野の赤い岩石の上がリリパットの行者たちの舞台であった。彼らが小さいけれど精巧な楽器を奏でるごと、麗刃のステップがキレを増す。いつしか、誘われるように寄ってきたドロゥプズの群れが麗刃を中心に巨大な螺旋を描き始めていた。
「まるで、流れるような動きだわ」
 サラスは治癒の魔力を込めた杖で麗刃を援護しながら、感嘆の声でつぶやいた。
 まずは一太刀、そのまま回転を加えて逆の刃で二太刀を与え――曲がテンポを速めれば、それに合わせて麗刃の剣閃もだんだんと派手になってゆく。
「はぁっ!」
「せい!」
 真っ二つになってもまだ動いているドロゥプスに止めを刺すのはパラディンや勇者の役割だ。
「きゅー……、きゅっ」
「なんだ、ドロゥプスちゃんてば疲れてきちゃったのか? わたしはサラスちゃんのおかげで体力満タン。まだまだ止まらぬのだ!」
 いまや戦場には大きな流れが生まれていた。かたや麗刃が引き連れる螺旋、かたや修介の突き崩す穴。
「はっ!」
 修介は確実に敵を潰し、息も乱さずに次を撃つ。
「随分と敵の数も減ってきたようだな」
「はい! 私たちももっと頑張ります!」
「頼みます」
 危険を顧みずに演奏するリリパットの行者たちに軽く頭を下げ、修介は足を止めることなく敵を倒し続けた。
「これは折り紙で作ったのですか?」
 たずねるリリパットにパルピは頷き、
「ええ、徳用だからたくさんあるわよ」
 作りだめしておいたのは折鶴だけではなく、犬や猫――それにドラゴンまで多彩な立体動物たちが生き生きとした動きで立ち上がる。
「さあ、遠慮はいらないわ!」
 パルピが命じると、即席の軍団となったそれらは方々へ散って援軍と一緒に残党狩りを開始した。これにはたまらず、逃げ出そうとしていたドロゥプスも諦めて戦場に戻るより他ない。
「一匹たりとも逃がさないんだからね。僅かな可能性に賭けたくなるのもわかるけど、やっていいことと悪いことがあるわよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

長坂・由有子
ろくでもない奴だのう。死ぬ気も今んところ無いし、退場のお手伝いさせていただこうかしらね。

さて、ファランクスといこうかね。騎士団さんお力添え、お願いしていいかしら?
無敵城塞で敵を止めて、ある程度まとめて、そこを伸ばした槍でズドン。
矢面に立たせて申し訳ない気持ちもあるが、自分たちの世界は自分たちで守ってもらう必要はあると思う。

ある程度数が減ったら前に出て追い散らしにかかる。
私らがいるんで多少は安心できるぞ、早々虐殺なんぞはさせないぞ、と、しっかり示しておかないと。
私は命の守護者なるぞ…なんてうそぶくのも有りかしらね。


月白・雪音
…遂に大天使を捉えましたか。
天上界への残された道筋…、それがこの地の民が命を散らすものなれば、
今この時を以てその道を断たせて頂きます。

――この地の民は、容易に殺められる程に弱くは有りません。


UC発動、怪力、グラップル、残像を用いての高速格闘戦にて状況展開
エギュレの騎士団の防御、治癒の心得のある者の治癒での協力を要請し防衛線を築き、
天空城の冒険者達と連携しつつ敵性を掃討
防衛線を抜ける敵はリリパットの行者による演奏にて眠らせ
動きを止めて即座に仕留める
敵のUCには落ち着きにて精神を凪に保ち惑わされぬように

…確かに可愛らしくはありますが…、
岩の腕など生やしていては愛嬌も掻き消えるというものです。



 まったく、ろくでもないやり方にもほどがある――長坂・由有子(願身不復生王家・f17688)は駆けつけたパラディンたちと挨拶を交わし、軽く打ち合わせた。
「心得た」
「矢面に立たせて悪いんだけどね」
「いや、これが我々の本懐ゆえに」
 彼らは次々に盾を構え、街への行く手を閉ざすための壁となる。
「あとは――」
 由有子の手元で蒔絵柄の際立つ槍が存在感を増した。
「奴らがまとまって足を止めたところを仕留めるだけよ」
 隙の無い構えから放たれる一撃は、通常の3倍。瞬く間にドロゥプスたちは槍に射抜かれ、薙ぎ払われ、掃討されてゆく。
「彼らパラディンの支援をお願いします」
 月白・雪音(月輪氷華・f29413)が告げると、シャルムーンのクレリックであるサラスは力強く頷いた。
「頑張ります」
「敵が防衛線を抜けるようなことがあれば……」
 意を得たりと、リリパットの行者が楽器を鳴らす。
「眠らせる、ですね!」
 雪音は薄っすらと雪化粧した牡丹のように微笑み、冒険者たちと連れ立って敵の群れのただ中に躍りかかった。
「――速い」
 思わず、拳士の少女が感嘆してしまうほどの動きである。
(「断つ」)
 ただそれだけを胸に、雪音は闘う。
「……確かに可愛らしくはありますが……、岩の腕など生やしていては愛嬌も掻き消えるというものです」
 敵の誘惑を凪の声色で断ち、関節を極めた腕の付け根から“それ”を断つ。纏わりつく不定形の体を掴み取り、握り潰して仮初の命を断つ。
(「そして――」)
 感じる。
 それほど離れてはいない場所からこちらの様子を窺う天上由来の存在の気配を。
 自らの故郷に至るために残された道筋を、最後に賭ける僅かな可能性という名のその道を――断つ。
「――この地の民は、容易に殺められる程に弱くは有りません」
 聞こえるはずだ、誇り高く戦う者らの声が。
「うん、よし」
 彼らの士気の高さに由有子は自らも槍を掲げ、凛と叫んだ。
「戦いはこちらが押しているぞ! 恐れずに前へ出ろ、私は命の守護者なるぞ……!!」
「おおっ!!」
 怒号のような呼応と共に、パラディンたちは一気に前線を押し上げた。追われ、逃げ場を失ったドロゥプスが一体、また一体と槍に貫かれて消える。
 もはや、猟兵側の優位は間違いようのないものと思われた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

尭海・有珠
【蒼と花】
レイリと

無差別大量虐殺とは穏やかじゃない
行くぞ、殲滅であれば私の得手だ
良ければサラス、後方にて回復を頼みたい
私達は身を削りがちだからな、はは

氷の≪剥片の戯≫を広く、敵に向けて撃ち込む
範囲は広く、威力はできる限り載せ多重展開で数で押す
回り込まれそうな際は、その動きに向けて撃ち込む
押し込まれた時は近場に厚めに展開
ユーべルコードが間に合わない程近ければ剣で弾き、サラスのことも守りつつ戦おう

レイリの揶揄には眉間に皺を寄せ
「うるさい、お前に当たっても知らないからな!」
遠慮はなしに、レイリが近くであろうと氷の薄刃を降りそそがせてやる
ことが全て済んだらゆっくり眠らせて貰うから
今は眠気は堪えないとな


雨煤・レイリ
【蒼と花】
有珠ちゃんと

守ることが俺の本懐
サラスさんのことも勿論守るけれど
俺達が敵を倒して周辺地域の人を守るために…回復の力を貸して欲しい

行くよ、朱忌……遠慮せず、全部喰らえばいい
俺は前に出て、有珠ちゃんが討ち漏らした個体、離れて範囲攻撃では狙いにくい個体を主に狙っていく
≪朱喰≫で強化した腕で確実に一体ずつ仕留めていくね
一撃で仕留められなければ、群れの中に吹き飛ばし、他と纏めて有珠ちゃんに任せるね

範囲攻撃の中にあって討ち漏らしたものがあれば
「有珠ちゃん、魔法の精度下がってるんじゃないの」
って発破かけちゃう
俺のことは気にしないでくれればいいんだ
痛みがある方が意識はまだ鮮明に保っていられそうだから



「はは、敵の殲滅が目標か――」
 尭海・有珠(殲蒼・f06286)の周囲にずらりと刃を連ねる剥片の冷気によって、乾いた大地を真白い霜が覆った。
「さてサラス。君は回復が得手と聞いたが?」
「はい、お任せください」
「それは頼もしい。私達は身を削りがちだからな」
 流し目を向けられた雨煤・レイリ(花綻・f14253)は耳の付け根辺りを軽くかき、柔らかく微笑む。
「癒してもらったぶんは、ちゃんとお返しするよ。サラスさんも、周辺地域に住む人々も……そしてこの世界も」
「……はいっ!」
 サラスの返事を背に、有珠は指揮棒を振るかの如き仕草で剥片を解き放った。――数十、いや数百にも及ぶ氷刃が一斉に敵を斬り裂いて飛翔。
「きゅぅっ!」
「なんの!」
 咄嗟に進路を変更した群れを目がけ、方向を切り替えた氷刃の連なりが敵の体ごと地面に突き刺さってゆく。
「行くよ、朱忌……遠慮せず、全部喰らえばいい」
 氷刃が陽光を反射して煌めく空にかざした爪先の朱。それが染み渡るようにレイリの腕へと広がって、遂には巨大な腕と成った。
「そ、ぉれっと」
 身軽に戦場を駆けては、刃から逃れた個体を一体ずつ狩り出した。
「有珠ちゃん、魔法の精度下がってるんじゃないの」
 柔らかい体に爪先を引っ掛けるようにして射程圏内へと放り投げて寄越すレイリがそんなことを言うので、有珠は心外だと言わんばかりに柳眉を逆立てる。
「うるさい、お前に当たっても知らないからな!」
 宣言通り、手加減なしに降り注ぐ剥片の中をレイリは嬉しそうに駆け抜ける。耳を、頬を、腕を掠める痛みはむしろ、鮮明に意識を保つために必要なものだから。
「名誉の痛みってやつかな」
 深々と爪を突き立てたドロゥプスの死骸を地面に薙ぎ払い、次、と笑う。
「ちゃんと起きてる、有珠ちゃん?」
「お前に言われるまでもない!」
 きゅっと唇を噛み締め、有珠は霜の降りた大地を踏み締めた。
「……帰ったら寝床に直行してやる。それまでの我慢だ。なに、これしきの眠気など耐えてみせるさ――」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『絶影』

POW   :    音もなく
【クナイ】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    影もなく
【直刀】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    命を詰める
【暗器】による素早い一撃を放つ。また、【自ら血を抜く】等で身軽になれば、更に加速する。

イラスト:猫家式ぱな子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は長坂・由有子です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「へえ、やるね。ドロゥプスの行進はここでピリオド……か」
 どこからともなく聞こえる声と、迸る暗器がドロゥプスの死骸で埋もれた荒野に突き刺さる。
 まるで、そこから先に進めば殺すと言わんばかりに漆黒のクナイがその存在を主張していた。
「俺は大天使ブラキエルの腹心たる『絶影』。彼を止めたければ先に俺を倒すことだ。もっとも、こうしている間にも彼はこの辺を吹っ飛ばすための準備を進めているわけだが……」
 気づけば、クナイから10mほど離れた向こうに黒づくめの男が立っている。指先でクナイを弄び、鋭い隻眼でこちらを睨んだ。
 その唯一色彩を帯びる左目だけを残して、絶影の体を『絶対物質ブラキオン』なる『未知の単一原子でできた鎧』が覆いつくす……!

「あれはどんなユーベルコードでも砕くことはできない。ゆえに、通常の攻撃は鎧の隙間を狙うしかないそうだ」
 勇者は真剣な顔で言い、大切に持っていた輝石の欠片――天空城で見つけたアイテムを猟兵たちに渡した。
「ただし、このアイテムを使えばあの鎧にもダメージが入るようになる。君たちの武器か、あるいは拳など体のどこかにそれをかざしてくれ。輝石の加護が宿り、絶対物質ブラキオンを打ち砕く力が授かるはずだ……!」
大豪傑・麗刃
ここは輝石の欠片を使い、わたしのもっとも得意とする刀で対抗するべきだろう。奇しくもきみと同じ武器だな。
さて刀と刀のぶつかりあいで勝敗を決めるのは?力?技量?運?それも状況においては正答になりうるが、ここは速度を模範解答とさせていただこう。きみも白兵戦専門ぽいし速度には自信ありそうだねえ。なあPTAくん。
違った?ごめんごめん絶望くん。

きみのその得物。つまりきみはこう言いたいのだね。
勝ったな、と。

……
うん知ってた。きみみたいなのはネタに対して塩対応かボケ殺しだって。違うなら苦戦以下かボツもやむなし。
そんなつまらない男だから、ほらきみの自慢の速度は1/5になってしまったではないか。
あとは斬るのみ。



 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)が輝石の欠片を白刃にかざすと、それは淡い光となって刀に同化した。
「なるほどこれで斬ればよし、と。奇しくもきみと同じ武器だな」
 さて、と麗刃は咳払いして続ける。
「刀と刀のぶつかりあいで勝敗を決めるのは? 力? 技量? 運?」
 いずれも状況においては正答になりうるが――、
「ここは速度を模範解答とさせていただこう。きみも白兵戦専門ぽいし速度には自信ありそうだねえ。なあPTAくん」
 敵の、唯一鎧から覗く瞳がぴくりと細まった。
「違った? ごめんごめん絶望くん」
「――」
 殺気が増す。
 だが、麗刃は止まらない。
「きみのその得物。つまりきみはこう言いたいのだね。勝ったな、と」
 麗刃がおどけるほどに絶影の纏う気が殺気立ち、緊張感が高まって――いかない。
 さすがに彼も何かおかしいと気づいたようだ。なにか言いかけるように唇を開くが、それすらもどこか億劫そうに見える。
「お前、もしかして」
「どうやら、わたしの技が決まったようだな」
 麗刃の親指が鯉口を切り、神速で間合いを詰めると同時にその自慢の鎧ごと袈裟に斬った。
「きみみたいなのはネタに対して塩対応かボケ殺しだって相場が決まっているからな」
「結構、頭がいいんだね。意外だ」
「ギャグ道とはボツを恐れぬ挑戦心。だろう?」
 そう、麗刃の技とはネタに笑わぬものの行動速度を5分の1にするという伸るか反るかの一撃であった。
 賭けに勝った麗刃は言う。
「つまらない男はモテないぞ、絶影くん」

大成功 🔵​🔵​🔵​

シズホ・トヒソズマ
アドリブ、連携、OK

成程……なら、ありがたく使わせて貰いましょうか
とはいえ有効になっても鎧自体も硬い筈。なら、諸共に貫かせて貰いましょう。

人形は◆早業で◆操縦

敵の攻撃をデザイアキメラで◆オーラ防御◆盾受けで前面を防御
そしてバルの◆スナイパー軌道変化弾で敵の左目を狙い狙撃
とはいえ目狙いではそりゃ当たりにくいし敵も自称腹心
これは当たればいいなくらいで、私が目を狙うしかないと相手に思わせる心理的罠

相手が加速して防御の無いこちらの背後を取った時に
輝石の加護と共にUCを発動!
敵の幻影を作り出し盾にして攻撃を受け止めます
流石に鎧までは再現できないでしょうが幻影へのダメージは鎧の防御を貫通し貴方自身へ至る!


上野・修介
※アドリブ、連携歓迎
敵は強者
一瞬の恐れ、迷い、侮りが即、死に繋がる

故に

――為すべきを定め、心を水鏡に

調息、脱力、敵を観据える。

輝石の加護は拳に付与。
正面から真っすぐ踏み込む、と同時にアサルトペンを左目狙いで投擲。
その対処から反応速度を確認。
防御を固めながら、左右へフェイントを掛けつつ間合いを詰めることで接近時の攻撃に対処。

視線と殺気、体幹と重心の向き、関節の駆動から敵UCの発動を見切り、衝突の直前で地を打撃し、急ブレーキを掛けて敵UCを遣り過ごすし、組み付いてUCによる投げ技を掛ける。
鎧が強固だろうと、中に臓腑と脳があるならそれごと揺らし叩きつければ問題ない。
更に追い打ちに下段突きを叩き込む。



「成程……まさか、このアイテムにそんな効果があるとは思いもよりませんでしたね」
 シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)は渡された欠片を握り込み、颯爽と操り糸を舞わせた。
「!!」
 激突は刹那に行われる。
 絶影の暗器を弾いたのは布翼を翻した人形の展開した防御壁だ。同時にもう一体の人形が無防備な左目目がけて銃の引き金を引く――当然、避けられても想定内。
「本命は――」
 ここだ、とシズホは輝石の欠片を取り出した。
 タイミングはただ一つ、自ら流血した絶影がシズホの死角に飛び込んできたまさにその時。
「ッ!?」
 眩い閃光が絶影の視界を覆った。突き出した暗器は確かに手ごたえがある。
「だが、これは――こいつは」
 輝石の加護、ブラキオンを無効化する輝きを纏った絶影自身の幻影が暗器を受け止め、にやりと笑っている。
「引っかかりましたね」
 シズホは操り糸を手繰り寄せ、高らかに告げた。
「幻影へのダメージは鎧の防御を貫通し貴方自身へ至る! さすがにご自分の一撃は効きましたでしょう?」
「ちっ!」
 とっさに手で押さえた脇腹から、想定外の流血が零れ落ちた。態勢を立て直さなければ――まるでその思考を読み取ったかのように真っ直ぐ踏み込む者がある。
「!!」
 アサルトペン。
 だが、ただの投擲だ。しかし、後々への布石でもある。反射的に首を傾けてかわした絶影の動きを上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)はしっかりと覚える。
 敵は、強い。
(「恐れるな、迷うな、侮るな」)
 ――そして、心は水鏡と成る。
「ッ、!!」
 恐ろしい競り合いが至近距離で始まった。
 僅か30cmの間合いにて繰り広げられる、クナイと拳の応酬。たった一撃が恐ろしいまでの威力を誇る絶影の技を、修介は激突する直前で大地を後方に蹴ることで紙一重に避ける。
 そして、僅か一瞬で前に身を乗り出し、相手の体をすくうように組み付いて投げ技を放った。
「無駄だ、この鎧は無敵――」
 絶影はしかし、見る。
 しっかりと鎧ごと体を抱え上げる修介の拳が輝いていた。輝石の加護。直後、一瞬の浮遊感の後に背中から地面に叩き付けられる。
 そうだ。
 いくら鎧が強固であろうと、中に臓腑と脳があるならそれごと揺らしてやるだけ――!!
 追い打ちの下段突きを叩き込むと、鎧を構成していた物質がガラスのように弾けた。
「ば、かなッ……!」
「どうやら、侮ったのはそちらのようだったな」
 再び、調息。
 修介は舞う砂埃を吹き飛ばし、泰然とそこに佇んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

七那原・望
ありがとうなのです。輝石の欠片、使わせてもらいますね?
輝石の欠片の力を自身に宿し、前方270度にオラトリオとセプテットの【一斉発射】、更に【多重詠唱】【全力魔法】【弾幕】【乱れ撃ち】の【範囲攻撃】、面による攻撃で敵の逃げ場をほぼ塞ぎます。
同時にスタッカートに【限界を超えて】【魔力を貯め】、光【属性】の【衝撃波】を放つ準備を。

……えぇ、お前ほどの実力者ならそう抜けて来るでしょう。わたしならそうする。そうしたくなるようにわざと脱出ルートを用意したし、背後に隙を見せたのですから。

【第六感】と【野生の勘】で敵の行動を【見切り】、クナイが届く前に【早業】で【絶・蘇威禍割】で【カウンター】です。


ユーフィ・バウム
《輝石の欠片を拳にかざします》
絶対物質もこれで砕けるようになったでしょうか

鎧がなくとも強敵でしょう、
油断なく、けれど臆せず【勇気】を以て挑みます

風の【属性攻撃】を宿す拳から【衝撃波】を浴びせ
機先を制すことを試み
【ダッシュ】で動き、相手の背後をとっては――
取れなくても!【鎧砕き】の重い打撃を撃ち込みます
【グラップル】で捕まえ投げを打ち
【踏みつけ】ることなどでもダメージを与えます

敵の攻撃は【見切り】避け
あるいは自慢の【オーラ防御】で凌ぎます
【気合い】十分、悪しき者に、砕けはしないッ

相手がUCを狙い30cmに迫ったら――
ここは私にとっても間合い!
【トランスバスター】を相手の接近に合わせ打ち込みます!



 七那原・望(封印されし果実・f04836)が大切そうに受け取った欠片を胸の前に掲げると、白光に包み込まれた望の体と翼が神々しいまでの輝きを帯びた。
「覚悟の程はよろしいですか?」
「!!」
 それは、あまりにも容赦のない光景であった。
 望を起点とする前方270度全てを射程に捉えた一斉射撃は目を開くことすら拒絶するほどの弾幕となって絶影に襲いかかり、同時に多重展開された超高出力の魔法が合間を埋めるように爆ぜる。
「ち――」
 あの欠片さえなければ、それでもブラキエルに与えられた鎧が絶影を守っただろう。
 だが、現実はそうではなかった。躱さねば、損傷を受ける――!
「まだですよ」
「!?」
 望の両手にある双剣。黒白の刃が打ち鳴らされる時、そのスタッカートが極限まで貯め込んだ魔力を輝ける衝撃波へと変えて解き放つ。
「――甘いな」
 直撃する直前、己の最速をもって射程圏外へ抜け出した絶影の耳は信じがたい台詞を聞いた。
「……えぇ、お前ほどの実力者ならそう抜けてくるでしょう」
 そこは、唯一空けておいた残りの後方90度。直角にひらけた望の背後を取れるであろう絶影の実力を見切っていたからこその――罠。
「“そうしたく”なりますよね。わたしならそうする」
「ほざけ!」
 絶影の手をクナイが離れる――刹那、閉ざされた視界を分かつように何かが一閃した。
「剣――!?」
「ええ。そして、一は全となる」
 最初の一刀がつけた太刀傷を中心として、鎧にヒビが入った。そこへ無数の剣閃が殺到する。
「まさか……ッ!?」
「いきます!」
 ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)の握り締める拳が輝石の加護によって眩しく輝いた。
「はッ!」
 ――風だ。
 ユーフィの突き出した拳が衝撃波を呼び、絶影を巻き込んで激しく吹き荒れる。
「今度はこちらの番です」
 絶影の背後をとったユーフィの、重たく剛毅な一撃が鎧を砕いて本体にまで到達。
「く――」
 そのまま、ユーフィは絶影の体を組み敷くと地面に投げ付けながら抑え込み、豪快に踏み潰した。
「なかなか、やる……!」
 至近距離でもつれ合う二人は激しく戦いながら地面を転がった。互いの体の位置を入れ替えつつ、クナイと拳が錯綜する。
 ふたりの距離は、たった30cm。
「ここは私にとっても間合い!」
 この時を待っていたとばかりにユーフィはありったけの気合を込めた拳を撃ち込んだ。
「な――!?」
 確実に急所を捉えていたはずのクナイが逸らされる。
「この、気は……!?」
「悪しき者に、砕けはしないッ」
 絶影の顎を撃ち抜いたユーフィの拳が天を突き、破壊された絶対物質ブラキオンが乾いた音をたてて飛び散った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月白・雪音
…天空城の輝石。これを以てすればあの鎧に痛手を与えられるのですね。
――なれば此れは私では無く、貴方がたが纏うべきものです。


輝石の効果は勇者達の有する武器へも纏わせて、
相手への攻めのメインは勇者達によるものとして
自分はUC使用にて野生の勘、見切りで勇者達への攻撃を予測し阻害しつつ
部位破壊での隙間狙い、あるいは怪力、グラップルによる関節狙いの絞め技にて
相手の動きの阻害を中心に動く


…私共は如何なる時も参じる事が叶う者ではありません。
この地が危機に陥る時、それを守るは貴方がた『勇者』の役目です。
故にこの大地を脅かす者は貴方がたの手で討ちなさい。

――あの天に座する者は、必ずや我々が堕として見せましょう。



 天に輝く太陽のひとかけらから生まれたかのような、持っているとじんわりとした温かさを覚えるそれを月白・雪音(月輪氷華・f29413)は勇者の手に乗せ、そっと握らせた。
「此れは私ではなく、貴方がたが纏うべきものです」
「え? いや、しかし――」
 勇者の言葉が途中で切れる。
 雪音はすぐさま察し、驚くべき反応速度で絶影の突いた直刀を蹴り飛ばした。
「はやく、輝石を武器へ」
 鎧の隙間を狙う手刀を、絶影は紙一重で躱す。だが、雪音はそれを放つと同時に彼の懐へ潜り込んでいる。
「――!!」
 とった。
 動けないよう、足の関節を複雑に極めてしまう。
「討ちなさい」
 勇者たちは、はっと息を呑んだ。
 雪音はこう言っているのだ。
 ――貴方がたの手で、この地を守りなさい。
 いつでも、雪音たちが危機に参じる事が叶うとは限らない。この地が危機に陥る時、戦うのは『勇者』の役目なのだから――。
「ああ……!!」
 輝石の加護を受けた剣を、弓を、拳を構え、勇者たちは絶影を倒すために力強く飛びかかった。
「どけ……っ!」
 抵抗する絶影を抑え込み、雪音は「いいえ」と首を振る。
「――あの天に座する者は、必ずや我々が堕として見せましょう。貴方は一足先に骸の海へと還り、友が来たるのを其処でお待ちなさい」

大成功 🔵​🔵​🔵​

パルピ・ペルポル
ふむ。どうやら同業者ぽいわね。わたしは元だけど。

輝石の欠片で最低でも穢れを知らぬ薔薇の蕾とあと雨紡ぎの風糸に加護をつけておきましょう。

徳用折り紙を通常サイズに切って作った万羽鶴を周囲に展開、さらにそれを有為なる写しで増やして戦場一杯に埋め尽くしましょう。ダメージはないけど邪魔でしょ。
間に雨紡ぎの風糸も展開しておけばかなり動きにくいんじゃないかしら。
折り鶴のいくつかに穢れを知らぬ薔薇の蕾を忍ばせておいて、敵にぶつけさせるわ。自分でもこっそり投げつけるけど。
穢れを知らぬ薔薇の蕾を有為なる写しで増やして一気に絡みつかせて締め上げて。
そちらに気をとられた隙に鎧に覆われていない左目を狙いましょう。


小宮・あき
アドリブ連携歓迎。

鎧の隙を縫う事もできなくはないですが、アイテムがあるならそちらをお借りしたいわ。
愛用の武器マスケット銃にかざし、加護をいただきましょう。
イニシャルにキスをして、UC発動。

発動条件の舌打ちと共に、ダッシュ91。
地面を蹴るようジャンプ65しながら急速接近。
ピンクの髪色を燃える炎の色に変え、瞳の殺気67は恐怖を与える88よう。

早業73の先制攻撃68で、隙間を縫うようスナイパー88射撃。
クイックドロウ87の早撃ちで鎧無視攻撃85のフェイント68を入れつつ、
念のため隙間にも零距離射撃89の保険付き。

私の可愛いドロゥプスの駒のように使った事、許しませんから。

援護射撃65で仲間のサポート。


徳川・家光
「どうやら、僕らの切り札に気付いたようですね、絶影」
 光る石をかざしながら、絶影に言い放ちます。

「そう、この輝石は絶対物質を打ち破る。言い換えれば、これを奪えば、君はまたその鎧の中に守られる。さあ、来るが良い」
 そうして、カウンター(後の先)の構えで、露骨に「輝石を取りに来たお前に反撃を入れますよ」という姿勢をします。

 しかしその目的は時間稼ぎ! すでに飛ばしていた「大奥の叫び」で、鎧の継ぎ目を見つけるための、時間稼ぎだったのです。

 見つけた後は、カウンターに失敗して輝石を取られたと見せ、かわしざまにスキマに斬撃を挟み込み、後続が追撃しやすいよう、そのスキマを広げます。刀は折れても構いません。



 絶影からは自分と同じ匂いがする――パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は、「ただし」と彼とは違う点もまた見出していた。
「わたしは『元』なのよね。さあ、この万羽鶴の大群を抜けてこられるかしら?」
 空を、大地を、戦場を満たすのはパルピの放つ折鶴の群れであった。その折り目にはこっそりと輝石の加護を受けた薔薇の蕾が忍ばせてある。
「それだけじゃないね」
 絶影が軽く直刀をかざすと見えない糸が絡みつく。知らずに突っ込めば、あっという間に捕縛されて身動きが取れなくなるというパルピの得意技だ。
「ご名答。これだけ張り巡らされたら、自慢の速さも発揮できないんじゃない?」
 すると、絶影は鎧で包まれた指先を糸に添わせた。軽く触れた途端、超高温で溶かされたように鎧の部分が溶けてしまう。
「そう、これが僕らの切り札ですよ、絶影」
 徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)は輝石の欠片を額の辺りにかざし、にこりと微笑んだ。
「さっきのでわかったでしょう? この輝石は絶対物質を打ち破る。言い換えれば、これを奪えば、君はまたその鎧の中に守られる」
 さあ、来るが良い――家光は構えた剣先を探るように揺する。悠々としながらも隙の無い構えだ。
「――」
 あの誘いに乗って踏み込んだら、やられる。
 絶影が迷ったのは時間にしてほんの数瞬。しかし、その“間”を作る事こそが家光の目的であった。
「……ふふッ」
「!」
「見つけましたよ、絶影」
 刹那、戦場に満ちる大奥たちの熱き叫び――「家光さま!」声の限りに愛を込め、彼女らは告げる。
「左目でございます!」
 しまった、と絶影は襲撃を取りやめて身を引きかけた。指先が輝石に引っかかり、家光の手から転がり落ちる。
「おっと」
 家光はわざと態勢を崩したふりをして、すかさず身を捻った。そのまま敵の暗器を躱し、唯一生身を晒した鎧の隙間へと白刃を捻じ込む。
「はッ!」
「あ、あぁッ……!!」
 刀が折れるのも構わず、力を込めて隙間をこじ開ける。砕けた刃が弾け飛ぶ中、家光はすかさず飛び退いて振り返った。
「いまのうちに、追撃を!」
「――いきますよ」
 小宮・あき(人間の聖者・f03848)がマスケット銃に弾を込める音が応え、かざした輝石の加護が光となって銃身に付与される。
 愛する人の頭文字に口づけ、舌打ち――恐るべき速さで、駆けた。
「!?」
「逃がさないわ!」
 弾かれたように、パルピは複製した薔薇の蕾を一斉に叩きつける。怯んだ隙に糸を引き絞り、左目を覆う絶影の手を強引に引き剥がした。
「くッ……」
 大地を蹴り跳ぶごと、迫るあきの髪が炎の如き色彩を帯びてゆく。照準を覗く瞳は殺気に満ち、獲物の足を恐怖に竦ませる。
「私の可愛いドロゥプスを駒のように使った事、許しませんから」
 連続で引き絞るトリガー、鈍い音を立てて鎧にめり込む弾丸。フェイントを挟んで接敵。
 ――絶影の血濡れた視界を、真っ暗な銃口の闇が塞いだ。
「骸の海で懺悔しなさい」
 あきは低く囁き、トリガーを引く指に力を込める。荒野に轟いた銃声は遠く、大天使ブラキエルの耳にまで届いた。
「ああ……」
 己の出番が近いことを悟り、彼は悼むように金色の睫毛を震わせる。決戦は、近い。
 ――もう、あと僅かで。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

尭海・有珠
【蒼と花】
じゃあ、押し通れと云うのなら、遠慮なくやるか
お前を倒して、腹心とやらもさっさと倒せば良いんだからな

輝石の欠片を杖に使う
これが技に反映されるのかどうかは分からんが
「ちゃんと追えよ、レイリ」
私は距離を取り、
軽口叩いて≪暁の流星≫を放ち、敵を追わせる
軌道と、次弾の軌道をずらしながら、相手の動きを絞らせる
当たれば儲けだが、私の狙いはレイリが攻撃を当て易くさせること
此方に攻撃が来ようものなら剣を抜いて反撃する
鎧さえ砕けば本体を狙うのだが

辺りを吹っ飛ばすなど軽く言ってくれるものだな
人も田畑も何も無い場所であれば好きにしろというところだが
命ある場所を、お前達に好き勝手にされる謂れはないだろうからな


雨煤・レイリ
【蒼と花】
ここで倒さなきゃ、脅威がなくならないというのなら
俺は、君も倒すよ

輝石の欠片はこの右の拳に。朱忌と共に力とさせて貰うね
「有珠ちゃんの腕が良ければ、俺も楽できるんだけど」
俺はひとっ跳びに前に出て、鎧の隙間にこの爪を捻じ込むことが目的
攻め気味に行くなら、≪朱喰≫で右腕を強化し
有珠ちゃんの魔力弾は避けてくれると信じて、敵に迫る
まあ当たっても、痛みがあるくらいならどうってことない

澄ました顔をしてられるのも今の内だよ
鎧を破壊し、敵そのものも殴り切り裂く
君を倒して俺達は先に行く

そこに生きてる人達がいるのに、ほんと好き勝手なこと言うよね
俺達がそんなことさせはしないから、諦めて。



 カチャリと尭海・有珠(殲蒼・f06286)の手元で真鍮色の蔓茨が軽やかな音を立てる。海の宝珠を抱いた仕込み杖は輝石の加護に包まれ、有珠の解き放つ魔弾の流星を輝かしき閃光と変えた。
「ちゃんと追えよ、レイリ」
「はいはい」
 雨煤・レイリ(花綻・f14253)は加護を宿した右手の指を順番に握り締め、彼女らしい軽口にこう応えた。
「有珠ちゃんの腕が良ければ、俺も楽できるんだけど」
「それはこっちの台詞だ!」
 爆発的な魔弾の奔流が有珠の手元から放たれると同時に、渾身の力で大地を蹴るレイリ。
「――!!」
 暗器と朱忌の激しい鍔迫り合いは、互角。
「でも、まだ上がるよ」
 レイリの右腕が更に異形度を増す。
 顔のすぐ横をぎりぎりのタイミングで魔弾が避けた。思わず笑みが零れる。味方だと認識してくれるなんて、“有り難い”ことだ。
「いくら私でも当てるわけがなかろうが」
 有珠は少しだけ拗ねるように唇を尖らせ、再び澪棘を振りかざす。弧を描いて飛翔する魔弾は正確無比に絶影を追い詰め、徐々に行動可能範囲を狭めていった。
「こいつ……ッ」
 どちらか一方だけなら、躱すことも不可能ではなかったかもしれない。反撃することも出来たはず。
 だが、両者を同時に相手取ってしまっては――。
「君の負けだよ」
 遂にレイリの爪先が鎧の隙間を捉え、露出した左目ごと三本の傷跡を刻みつけた。
「ちッ――」
「君を倒して俺達は先に行く」
 この右腕、朱忌と共に世界を滅ぼす脅威の芽を摘むために。
「できるものなら!」
 絶影の繰り出す暗器はしかし、有珠の繰り出す魔弾に鎧を砕かれた衝撃で地面に落ちた。
「よし!」
 ここぞと、鎧の砕けた箇所に絞って魔弾を思いっきり叩き込む。容赦無しの連打であった。
「く……!!」
「流石に効いたようだな」
 有珠は唇を引き締め、これ以上の狼藉は許さぬと啖呵を切った。
「さっきは確か、辺りを吹っ飛ばす……などと言ってくれたな。人も田畑も何も無い場所であれば好きにしろというところだが、あいにくと命ある場所がある。好き勝手な跳梁を許すなど、言語道断。――レイリ!」
「わかってるよ、有珠ちゃん」
「!?」
 先ほどつけた鎧の傷を広げるようにレイリの爪先が激しく舞った。絶対物質であったはずのブラキオンが砕かれる――!!
「馬鹿な……ッ」
 愕然と目を見開く絶影にレイリは告げた。
「好き勝手なことを言うのもここまで。俺達がそんなことさせはしないから、諦めて」
 その視線が見つめる先には、静謐なる波音を湛え、行くべき道を指し示す有珠の杖。
「押し通るさ、遠慮なくな。お前を倒して、腹心とやらもさっさと倒してやるさ――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

長坂・由有子
『いらん事してるんで、私はそれを止める。
私は肺に穴開けられたけど気にしてない。
お前さんがもし、あの件で何かしら思うところがあるなら手加減ヨロシク』
そんな内容を挑発交じりで。他に対して意識がないがしろになんねーかな。

これ見よがしに片目を開けおってから。
すばしっこいアイツに長柄ぶん回しても相性よくないし主武器は蛍光灯。
接近してズドン、が戦法のひとつ。そこにカウンター気味に空いた眼を黄金衝で狙う。
「お前にやられた背中や肺はすっかり治ったぞ。お前のやった事は全部無駄だったてことさ」
もういっちょ挑発、背中を狙って組み付くか関係なく刺される前提。


人数かけてすりつぶす、お前もやってきたやつだぞ?



「やれやれ、まさかこんなところで大天使の片棒担いでるとはね」
 長坂・由有子(願身不復生王家・f17688)は肩を竦め、もう塞がった胸の傷を親指で示す。
「ここ、肺に穴開けてくれたことは覚えるよね? 私は気にしてないけど、お前さんがもし、あの件で何かしら思うところがあるなら――」
 ――無音。
 挨拶代わりに突き出されたクナイと、なぜか由有子の手に馴染む蛍光灯が至近距離で嚙み合った。
「またやられにきたわけ?」
 挑発に乗ってきた。
 由有子はクナイを払いのけ、今度はこちらから打って出る。名が体を示す通り、奴はすばしっこい。ゆえに、取り回しやすいこの得物を選んだという次第だ。
「どうだろうね。あの時の借りをチャラにしてやる代わりに、手加減ヨロシクってのはどう?」
「却下」
 構わず躍りかかってくる絶影がクナイを放つ瞬間、由有子も蛍光灯を槍のように突き出すも、まだ浅い。狙いはあの左目だ。もっと近くにおびき寄せなければ届かない。
「お前にやられた背中や肺はすっかり治ったぞ。お前のやった事は全部無駄だったてことさ」
「なら、もう一度風穴を開けてやるよ」
 チャンスは一回だけ、由有子は絶影が気配を消して背後に回り込む瞬間を逃さなかった。
「――な」
 肩越しに繰り出した由有子の貫手が絶影の左目を潰し、そのまま眼球をくりぬくような動きをする。脇腹に激痛が走ったが、見て見ぬふりをした。
 絶影は見誤ったのだ。
 これは一対一の戦いではない。これまでの戦闘によって蓄積した傷が自慢の速さを殺していたことに気づかぬほど、目の前の女に心を乱されていた。
「人数かけてすりつぶす、お前もやってきたやつだぞ?」
「ち……」
 引きずり出した眼球を握り潰すと同時に、絶影がその場に頽れる。
「最後に言いたいことは?」
「……別に。終わったことさ、全て」
「そうだね」
「ああ」
 消えてゆく過去を見送って、由有子は髪をかき上げた。荒野の風はひどく乾いていて、どこか空々しい。
「じゃあね、絶影。今度こそゆっくり眠りなよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『大天使ブラキエル』

POW   :    岩腕
単純で重い【岩石でできた巨大な腕】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    絶対物質ブラキオン
【「絶対物質ブラキオン」の鎧】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、「絶対物質ブラキオン」の鎧から何度でも発動できる。
WIZ   :    大天使の光輪
自身が装備する【大天使の光輪】から【破壊の光】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【徐々に石化】の状態異常を与える。

イラスト:藤本キシノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「……骸の月を沈黙させ、今また我が腹心を倒し……そうまでして天上への扉を開かせんとするか、猟兵よ」
 一見しては穏やかな声色の中に滲むのは怒りであった。かつて暮らした天上界への懐かしき郷愁の情によって希釈された微かな怒りが、彼を荒野の大地に引き摺り下ろしたのである。
 大天使ブラキエル――。
 友たる書架の王の意思を継ぎ、懐かしの天上界を目指すもの。
「既に我が手に剣は無い。もはや、神々にも愛想が尽きた。恨むのなら扉を閉ざした彼らを恨め、猟兵よ。それでも尚、戦うというのなら。せめて苦しまぬよう、一瞬で終わらせてやろう……」
プリンセラ・プリンセス
連携・アドリブ可

「自らのエゴの為に人々を殺めるなどさせるわけには参りません!」

先に相手のユベコが発動する。それはいい。
だが鎧といっても隙間がなくては動くことはできない。その隙間が狙い目。
相手の攻撃を○第六感で○見切り、○幸運も動員して○武器受けし、命中したなら○激痛耐性で耐え、
相手の攻撃で鎧の可動部分を○審美眼○瞬間思考力で見極め、その箇所に●隠し剣・穿ち隼を○スナイパー○鎧無視攻撃を乗せて叩きこむ。
威力を高める為に○斬撃波で刺し込んだ後の威力上昇を見込む。

穿ち隼は姉の技だ。だがユーベルコードであるならプリンセラの人格でも遜色なく使える
およそ100分の一秒。いかに大天使といえども!



「なるほど、言いたいことはそれだけですか?」
 プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)はその手に聖剣を携え、風の如く戦場を駆けた。
「自らのエゴの為に人々を殺めるなどさせるわけには参りません!」
「……ほう」
 試すように差し向けられた絶対物質ブラキオンの礫をかいくぐり、脇差を一閃。
 ――隼だ。
 あの力強い羽搏きを思わせる投擲が大天使ブラキエルを捉えた瞬間、彼の身を包み込んだ鎧が真価を見せた。刃が届くよりも先に、その効果を先取りして放ち返す。
(「――けど、それは想定済」)
 プリンセラが攻撃を躱し切ると、ブラキエルは僅かに目を瞠った。
「どうやら、よい運を持っているらしいな。それに、勘と目もよい」
「それだけではありません!」
 瞬時に鎧の可動部分を見極め、今度こそ穿ち隼を叩き込む。狙いはただ一点――右の関節部!!
 どうか、見ていて下さい。
 愛する姉がどうやってこの技を放っていたのか、プリンセラの体は覚えている。
 それも、今の自分であればその威力は――。
「――およそ100分の一秒。いかに天使といえども!」
「!!」
 命中した鎧の繋ぎ目が衝撃で軋む。
「まだです!」
 さらなる斬撃波が襲いかかり、深々と根本まで突き刺さる。小さく、囁くようにプリンセラは姉の名を呼んだ。
 力を貸してください、と。
「この世界を、守るために……!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
さてわたしがSPD系を使う場合、相手の先制は何だろう?ユベココピーしようにもコピーすべきユベコをわたしはまだ使ってないわけだし。まあ何が来てもいいように、第六感で攻撃来るのを察知し、物理攻撃は武器受け、非物理ならオーラ防御を早業で繰り出す。最後に頼れるのは覚悟と気合い。

先制を抜けたら改めて勝負だブラキオサウルスくん!
違った?ごめんブラジャーくん。

うん知ってた。きみみたいなのはネタに対して塩対応かボケ殺しだって(天丼)違うなら苦戦以下かボツもやむなし。で遅くなった敵を斬る。
そういやきみはわたしのユベコをコピーするそうではないか。よろしい是非わたしに見せて欲しいのだ。大天使のやる最高のギャグを!!



「さてここで問題だ。きみは絶対に先制してみせるマンであるらしいが、ユベココピーしようにもコピーすべきユベコをわたしはまだ使ってない。その心は?」
「ふむ……」
 大天使ブラキエルは大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)の疑問にしばしの間思案してから、こう返した。
「おそらくだが、この鎧にきみのユーベルコードが到達した際にコピー。その効果が我に影響を齎す前にきみの元へ発動し返される……これをもって先制と成す。という流れでどうだろうか?」
「ほほう、ではさっそくやり返してもらおうかなブラキオサウルスくん!」
 ――説明しよう。
 麗刃がギャグを給仕している間、戦場にいるギャグを楽しんでいない対象全ての行動速度が五分の一にされてしまうのである!
「是非わたしに見せて欲しいのだ。大天使のやる最高のギャグを!!」
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――すまない、何も思いつかなかった」
「文字数まで無駄にして最低だなブラジャーくん!!」
 突っ込みの剣閃が持ってきた刀の数だけ閃き、鎧ごと叩っ斬る。どうやら輝石の加護は未だ健在であるらしかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

パルピ・ペルポル
神を恨め、ね。
顔も名前も存在も認識してないのを恨むのはちょっと難しいかしら。

大天使の光輪からの破壊の光は巨大折り鶴と古竜の骨のマン・ゴーシュを盾にしてかつオーラ防御も重ねて防ぐわ。
そして「迷いの森へようこそ」
この鬱蒼と茂った森の中ではそちらの体躯ではさぞかし動きづらいでしょうね。

木々の間に雨紡ぎの風糸を蜘蛛の巣のごとく張り巡らせて。
穢れを知らぬ薔薇の蕾を投げつけて茨をめぐらせて。
あとは鎧の隙間を探しておきましょう。薔薇が目印となるよう。
わたしの力なんて知れたものだけど、だからといってなめてかからないことね。
僅かでも相手の動きを束縛できれば、他の猟兵が有効打を叩き込んでくれるでしょう。


上野・修介
※アドリブ、連携歓迎

「……さて」

先手は相手にありで飛行能力持ち。
こちらの得物は徒手格闘。

――為すべきは既に定まっている

「アンタが何のためにこんなことをしているかは知らない。だが無関係な人々の命が脅かされるならそれを砕く」

――推して参る。

相手の体格と得物、周囲の状況、彼我の距離を確認。
低い姿勢で突貫し、頭上からの振り下ろし攻撃による迎撃でのUCを誘う。
視線と殺気、体幹と重心の向き、関節の駆動から間合いと呼吸を読んで敵UCの発動を見切り、直前で地面を殴って急停止して初撃を回避。
透かさず振り下ろされた『岩の腕』にUCを叩き込んで破壊。
さらに震脚によって得た勁を全関節の螺旋に乗せて相手に拳を叩き込む。



「神を恨め、ね」
 ――まるで天罰を気取る大天使にパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)はどこまでも抗う。
「悪いけど、存在を認識もしてない相手を恨むのはちょっと難しいわ」
 降り注ぐ破壊の光を、パルピは巨大な折鶴と古竜の骨のマンゴーシュに気膜を被せた即席の盾で防いだ。
「……さて」
 上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は僅かな一瞬で標的までの距離を確認。
 相手の体格、得物……それに周囲の状況。少なくとも大天使ブラキエルはこちらを倒すことを周辺地域の破壊よりも優先する気になってくれたようだ。
(「やはり、あの岩の腕が気になるな」)
 既に修介は覚悟を決めた。
 ――為すべきは、ただ一つ。
「アンタが何のためにこんなことをしているかは知らない。だが無関係な人々の命が脅かされるならそれを砕く」
「ほう……」
 修介と大天使ブラキエルの交戦は、あまりにも激しい破壊の激突となった。
 天より振り下ろされる巨大な岩腕が大地を砕く瞬間、修介は全身の神経を研ぎ澄ませた。
 ――推して参る。
 どこか憂いを帯びた瞳、纏う物の一切ない体の動きを把握するのは難しくなかった。
「捉えた」
 関節の駆動すら読み切って、低い姿勢を保ったまま突貫。前へ。大天使ブラキエルが微かに息を呑む気配すら、感じる――直撃する寸前、地面を殴って急停止。
「はあっ!!」
 目標は岩の腕そのものだった。
「!!」
 砕け、飛び散る岩の破片。
 一瞬、大天使ブラキエルの視界が遮られた直後、周囲にはそれまでの荒野とは打って変わった緑あふれる景色が広がる。
「迷いの森……?」
「そうよ」
 パルピは挑戦的に頷き、誘うように森を飛び交う。追う岩の腕に見えない風糸が絡みつき、茨が巻き付いた。
「――そこね?」
 周囲を飛び、探していたものを見つけたパルピの投げ付けた薔薇の蕾がその生命力を吸って花開いた。
「わたしの力なんて知れたものだけど、だからといってなめてかからないことね」
 ありったけの勁を――先ほどの震脚によって得たそれが修介の全関節の螺旋に漲る。
「まさか、よもや――」
 薔薇を目印に叩き込んだ拳は鎧の継ぎ目を砕き、大天使ブラキエルの本体にまで到達する。
「無駄よ、その糸は絶対に千切れないわ」
 パルピは言い切った。
 深い森の木々に阻まれ、己の武器たる腕を振り回すこともままならない相手に告げる。
「さあ、もう一瞬はとうの昔に過ぎ去ったわよ。わたしたちをなめてかかったことを悔いながら逝くことね」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

七那原・望
個人的には天上界そのものに興味がないわけではありません。
ただ、お前達は天上界の扉を開く為にサラスさん達の生命をただの燃料のように消費しようとした。
そして今、自暴自棄を起こして今度は無為な大量虐殺をしようとしている。
そんな事、それなりの良識と能力があるなら妨害しないはずないでしょう?

お返ししましょう。恨むなら自分達の非道な行動の数々を恨むのですね。

さて、それに一度でも当たればわたしはおしまいですね。
第六感と野生の勘を活かしてしっかり動きを見切って躱さないと。
カウンターのチャンスはきっと一度きり。岩腕を躱した直後、その腕に絶・蘇威禍割を叩き込み、その腕ごと粉砕しましょう。

苦しんで終わりなさい。


シズホ・トヒソズマ
アドリブ、連携、歓迎

ついに会えましたね大天使!
これ以上のこの世界への影響はヒーローとして必ず止めてみせます!

人形を◆早業で◆操縦

クロスリベルで強化した反応で敵の攻撃を◆見切り
岩腕の攻撃を回避
回避不能の物はデザイアキメラの◆オーラ防御◆盾受けで防御
反撃の銃弾に見せかけライアから種を射出し岩石に打ち込み大気中の水分も岩に集めて種の成長を促進
種の発芽で岩を貫き動きを止めた隙にUC発動

復帰した岩腕の攻撃をウサギロボのバリアで防御し反射
その隙に猿ロボを対岩石特化破砕振動発射機に変形させ岩腕を粉砕
バイクロボに◆騎乗し大天使に接敵
シュヴァルツヴィアイスで動きを未来予測
回避し◆呪詛の偽三呪剣を突き刺します



「痴れ事を……」
 七那原・望(封印されし果実・f04836)は杖を捧げ持ち、大天使ブラキエルの前に自らの姿を晒した。
「天上界に興味がないわけではありません、が……お前のように傲慢なやり方を前にして、それなりの良識と能力があるなら妨害しないはずないでしょう?」
 ただ、天上界への扉を開く。そのためだけに罪なき者たちの生命を燃料のように消費しようとした罪深き者に真っ当な怒りを抱く権利など――たとえ神が許そうと、望は決して認めはしない。
「そこに直りなさい、無為なる大量虐殺者よ」
 望はぴたりと杖の先を差し向けた。
「お前のしたこと、全てお返ししましょう。恨むなら自分達の非道な行動の数々を恨むのですね」
「面白い」
 大天使ブラキエルは短く告げ、異形の両腕を重々しく持ち上げる。
「――来る!」
 シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)は両手を颯爽と広げ、人形たちをまるで生きているかのように操った。
「ここで会ったが百年目、ついに会えましたね大天使! これ以上の狼藉はヒーローとして必ず止めてみせます!」
 巨腕型強襲人形『クロスリベル』が起動した途端、シズホの反応速度は敵の動きを見切れるほどに向上する。
 シズホは更にデザイアキメラを前に出してバリアを展開、望はもはや予知に近しい第六感に野生の勘の補正をかけた確信的なまでの回避行動によって敵の攻撃を空振りに終えると、一気に反転攻勢に出た。
「さあ、ライア! あなたの番です!」
 岩腕に撃ち込まれた植物の種が大気中の水分を吸収する。やがて臨界点に達すると同時に発芽した勢いで岩を貫き、大天使ブラキエルに少なくない驚きを与えた。
「我の腕が止められた? だが、まだ反対の腕が――」
「いいえ、もはやお前がその腕を振りかざす時は来ません」
 弧を描いて腕の背面に回り込んだ望はブラキエルの視界外に入った刹那、瞬く間に無数の剣閃を叩き込んでそれを粉砕してしまった。
「なん……だと――?」
 いや、腕だけではない。
 大天使ブラキエルごと、彼らが与えようとした痛みや苦しみを乗せて“割った”のである。
「精々、苦しんで終わりなさい」
「小癪な真似を……」
 ふ、と望が微笑を浮かべた。
「お前の敗因は驕りですね、大天使」
「たああっ!!」
「!?」
 また動き出した腕をウサギロボのバリアで防ぎ、飛びかかった猿ロボが対岩石特化破砕振動発射機に空中変形してそれを破砕した。
 シズホ自身はバイクロボに騎乗し、己の持ち得る力を使い切った上で突貫――シュヴァルツヴィアイスは予測する。
「私たちの――勝ちです!」
 突き刺した呪剣は深々と大天使ブラキエルの急所を貫いた。天輪の輝きが急速に衰え、花々は枯れ、美しい姿が老い始める。
「すまない……我が友、よ――」
 ヴン、と空間が閉じるように収束して後には何も残らなかった。遠く、街の空から大砲の上がる音が猟兵たちに届いた。幾つも、何度も。
 それは猟兵たちの勝利を祝うため、街の住民たちの感謝の気持ちが込められた祝砲の音であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月08日
宿敵 『絶影』 を撃破!


挿絵イラスト