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銀河帝国攻略戦⑤~パスタ何するものぞ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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#銀河帝国攻略戦


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「グチョ、グチョグチョグチョ」
「グチョーラグチョ、グチョーチョ」
「グチョ、グチョグチョチョ!!」
 銀河帝国が放った巨大な宇宙戦艦が、スペースシップワールドを駆け抜ける。目的は解放軍の宇宙艇、それを宇宙のチリに変えることだ。
 …しかし、その宇宙戦艦の搭乗員達はなんだか帝国軍らしくないような…。ピンク色の触手めいたものがうねうねと蠢いており、いくつもの目玉がぎょろぎょろと辺りを見回している。
 そう、これこそ銀河帝国の秘密兵器、空飛ぶいちご味スパゲッティモンスターだ!
 帝国軍の誰かが遊び心で連れてきたモンスターなのだが、ここに来るまでの間に一悶着あったらしく、帝国軍全てを平らげて増殖してしまったのである。
「グチョ、グチョグチョ、グーチョ!」
 この船は既に自動操縦で、進路は決まってしまっている。この怪物たちが解放軍の船とかち合ってしまったら、恐ろしいいちご味パンデミックがおきかねない…。

「…というわけで、今すぐ向かって欲しいんですのよ」
 グリモア猟兵のペパシア・ドロキペがグリモアベースに集まった猟兵たちに向けてそのようなことを言う。
「まあ、やることはいつもと同じ怪物退治ですわ。でも今回は銀河帝国攻略戦における、非常に大事な任務であるということを覚えていて欲しいのですわよ。」
 失敗は許されませんわ。と、ペパシアは続ける。
「とにかくまず、わたくしが皆さんを直接このスパゲッティ戦艦の内部に送り込みますので、大暴れしちゃってください!…そして敵を殲滅したら戦艦を爆破させて脱出ですの!解放軍の皆さんを助けてあげてください!」
 よろしくお願いしますわ!と、グリモア猟兵は敬礼のポーズを取った。


森の人
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 はい、というわけで空飛ぶいちご味スパゲッティモンスターです。
 戦艦内にわんさか溢れかえるモンスターを退治して、解放軍を救いましょう!以上!
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第1章 集団戦 『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』

POW   :    いちご味
【鼻腔をつく爽やかないちごの香り】が命中した対象を爆破し、更に互いを【味の固定概念への疑問】で繋ぐ。
SPD   :    できたてパスタぁ!
【汁気を出すことで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ   :    空を飛ぶ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フィーナ・ステラガーデン
(アドリブ、アレンジ、連携大歓迎)
・心情
スパゲティがいると聞いて飛んできたわよ!!
って想像と違うわああ!?何でこんな名状しがたい見た目になってるのよ!?
だいたいイチゴ味ってどういうことよ!?なぜイチゴ!なぜイチゴ味にしてしまったのよ!?
他あるでしょ他!トマトとか!!
あー・・もういいわよ!あんたら焼き払ってやるわ!
(この上ない悲しみとこの上ない怒りを抱える)

・行動
とりあえず【属性攻撃】で杖から火球を打ち出しつつ
数が集まるように誘導するわ!
様子を見て数が集まったら一気にUCで【範囲攻撃】【高速詠唱】【全力魔法】を乗せて消し炭にしてやるわよ!


竹城・落葉
 おおー、いちご味のスパゲッティか!う、旨そうだ……。こいつらは帝国軍の奴らを食したようだが、今度は貴様らが食される番だ!食べ物は食べ物らしく、大人しく腹に収まるが良い!
 我は名物竹城を手に『支柱一閃』で切り伏せるぞ。結構な数らしいから、【2回攻撃】と【早業】で次々に倒していこう。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で戦うぞ。
 さて、どうやら敵は『いちご味』というユーベルコードを使うようだな。しかし、その技は我には効かぬ!何故なら、我のマイブームはオブリビオンを食す事。故に、味の固定概念など、最初から無に等しいわ!
 という訳で、倒した先から、こいつらを食していくぞ。味はマスター殿に一任する。


セゲル・スヴェアボルグ
なるほど、今日の昼飯はあれと言うことでいいんだな?
違うのか?そうか、まぁ流石に食べきれんか。
甘いものは好きだが、甘ったるい食事は勘弁願いたいしな。

味の固定概念か何だか知らんが、生クリームでも添えてデザートとして出直してからにしてもらおう。
苺には豊富なビタミンCが含まれ、絞ったレモンよりもその含有量は多い。
だが、ビタミンCは水溶性のため、茹でることにより失われてしまうので、パスタとしての利用は栄養的にも些か疑問だ。
なので、油で炒めることをお勧めする。
故に、朱竜回禄で焼くとしようか。こんがり焼けば、多少は甘さも抑えられるだろう。



 ピンク色の触手が蠢く戦艦内部…、猟兵達はその一室に飛ばされた。元は食糧貯蔵庫だったのだろうか、ひんやりとした室内には宇宙食が入ったたくさんのダンボールが積み上げられている。
 いちご味スパゲッティモンスターには食事をする習慣はないのだろうか。ダンボールは多くが手付かずで、この部屋にいるモンスターもわずか数体だけである。
「どうやらグリモア猟兵は比較的安全な場所へ転送してくれたみたいだな」
 ドラゴニアンのセゲル・スヴェアボルグ(f00533)は、着いていきなりの襲撃イベントが起こらなかったことに安堵する。
「グチョ?グチョグチョ…グチョチョ!」
 食料庫内で佇んでいたモンスターたち、いきなり現れた猟兵の集団にびっくり仰天である。混乱しながらも、体からいちご臭を発して威嚇をする。
「そしてこれが『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』か…。なるほど、今日の昼メシはアレということでいいんだな?」
 舌なめずりをするセゲル。
「え?スパゲッティがもうでてきたの?どれどれ?」
 わくわくした表情で、ダンピールのフィーナ・ステラガーデン(f03500)が後ろを振り向く。すると目の前にぬっと現れたのは触手と目玉だけで構成されたなんとも言い難い塊である。
「って、想像と全然違うわあああああ!?」
 なんでこんなに名状しがたい形状になってるのよ!スパゲッティがあるって聞いたから来たのに!!絶叫するフィーナに反応して、モンスター達があたふたあたふた動き出す。そして早速、いちご味の強烈な香りボムをフィーナに向けて打ち出した!
「わあまずいまずい!刺激させちゃったかしら……だってあまりにも名状しがたかったから…」
 香りボムをしゃがんで避けるフィーナ。するとさっきまで頭があった位置でそれが爆発する。辺り一面がストロベリー臭で包まれた。
 …そのストロベリーの香り分子を、背後に現れた人物は胸いっぱいに吸い込んだ。
「おお!なんて美味そうな香りだ!」
 剣客風の人物、竹城・落葉(f00809)は恍惚とした表情でその香りを楽しむ。いちごソースの甘酸っぱい匂いが空腹の身にはたまらない!落葉はゴクリと生唾を飲み込み、狩人の眼差しでモンスター達を見つめた。
「ええ…アンタ本気で言ってるの…?」
 フィーナがそんな落葉を信じられないような目で見つめる。いちご味スパゲッティよ?『いちご味』『スパゲッティ』よ!?
「もちろん、我のマイブームはオブリビオンを食す事だ。普段の食事に比べればあの程度、ご馳走に見えるわ」
 落葉はそう答えると、早速食事に取り掛かろうと武器を構える。得物の銘は『名物竹城』、切れ味鋭い…バールのようなものだ。
 すり足でモンスターにそろりそろり近づく落葉。すると殺気に当てられ興奮した触手たちが動き出し、落葉に訳の分からない言語を叫びながら飛びかかっていき──【支柱一閃】! 落葉が真横に振った武器に衝突した途端、敵は真っ二つに切断される。有無を言わさぬ落葉必殺の技だ。物言わぬ2つの麺の塊と姿を変えてしまったスパゲッティモンスター。それを落葉は拾い上げ、宣言通りムシャムシャと貪り食った。
「…うむ、大味だな」
 味の自己主張があまりにも強すぎる。渋い顔を一瞬した落葉だが、次の瞬間には冷静な表情に戻り、未だ目の前を漂う第二陣の獲物に向かっていくのだった。

「うへぇ…信じられない」
 フィーナが眉をひそめてそんな様子を見つめる。いつの間にか隣にやってきていたセゲルも腕を組んで、その言葉に同意した。
「ああ、甘ったるい食事をああもたくさん…、胸焼けしないか心配だ」
「…そっち!?」
 そしてセゲルは、部屋の入り口にあるカードキー式の扉に顔を向ける。物音に気づいたモンスター達が集まり、ドン!ドン!と、向こう側から体当たりをしているようで、今にもこじ開けられそうだ。そうしたらたくさんのスパゲッティモンスターがこの部屋を埋めつくし、いちご味がこの空間を満たすことだろう。
「…甘いものは好きだが、そんなにいっぱいは食えんよ。何とかしなくてはな」
「なんでみんな食べること前提なのよ…。いちご味スパゲッティってそんなに魅力的に見える…?」
「ふむ、そうだな…」
 何か考えるような素振りを見せるセゲル。
「そもそも苺には豊富なビタミンCが含まれ、絞ったレモンよりもその含有量は多い。だが、ビタミンCは水溶性のため、茹でることにより失われてしまうので、パスタとしての利用は栄養的にも些か疑問だ。だから…」
 いちごソースは油で炒めることをオススメする。と、セゲルは結論を述べた。
「それって今言わなきゃいけないことだったかしら!?」
 フィーナが突っ込みを入れると同時に、入り口の扉が破壊される。そして、大量の空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター達が侵入してきた!!
 しかしセゲルは慌てることなく、その敵襲に向かって立ちはだかる。
「つまり言いたかったのは、…こんがり焼いてやろうということだ。せっかく沢山集まってきてくれているわけだしな」
 そうすれば少しは甘みも抑えられるだろう。そう呟いてセゲルは大きく口を開いた。──【朱竜回禄(ブランド・カタストロフ)】──灼熱の息吹が放たれる。乱入者達は多数の目を丸くして逃れようとうねうね動くが、触手同士が絡まりあい、後ろから押されるばかりで身動きが取れない。火炎放射を真正面から浴びたモンスター達は、叫び声をあげることも出来ずに黒焦げになった。
「…む?火力を上げすぎたな…」
「あーー!もういいわよ!私も焼き払ってやるわ!」
 フィーナは頭を振って意識をリフレッシュさせると、1歩前に出て杖を構える。そしてフラストレーションを晴らすように全力で魔力を込め、必殺のユーベルコードを発動!
「其は全てを飲み込む黒き炎、我が眼前にー………ええぃまだるっこい!!詠唱省略!焼きつくせえぇぇえ!!」
 【喰らう灼熱の黒炎(スゴクアツイクロイホノオ)】!漆黒の炎が杖から迸り、目の前の触手たちを残さず飲み込む!!
 火炎が晴れた時、目の前にうじゃうじゃいたモンスター達は1匹残さず消滅してしまっていた。
「あーすっきりした!!」

 こうして入り口前の敵は全滅し、戦艦内への道は開けた。進め猟兵たちよ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

澪織・梅
いちご味が何ですか、パスタが何だと言うのですか!
唐揚げはもっと美味しいんですっ!

唐揚げを食しパワーを上げてパスタをしばき倒します!

いちごの香りは唐揚げを食べて防ぎます、もし可能なら戦いながら【情報収集】して香りの死角を見つけて回避していきます。

摩擦抵抗を下げられたら【戦闘技術】を駆使し滑りながらも戦闘する方法で対抗します。

空を飛ぶ敵には【クィックドロー】で迎撃です。

敵に隙があらば記憶消去銃を使い【催眠術】を掛け、いちごより唐揚げの方が良いと洗脳して同士討ちを狙います!

【アドリブ歓迎】【連携歓迎】


満月・双葉
…ナニコレ気持ち悪っ
焼きましょう。そして帰ってナポリタン食べよう。

攻撃は第六感や野生の勘も利用し見切り、見切れぬものは盾受けや武器受け、オーラ防御で受ける

戦場を把握し地形の利用で効率的に殲滅します
忍び足で目立たぬ動きを心がけ、利用できる死角は利用し、残像を見せる早業で騙し討ちする
多彩な攻撃で次を予測させず翻弄する
桜姫でなぎ払い、吹き飛ばす
スナイパーですので銃で遠くから打てますし零距離射撃も得意です
御札の呪詛で恐怖を与えたり、催眠術で自傷させたり目潰ししたり
大根で鎧砕きし更に傷口を抉ったり
馬の置物を投擲して気絶攻撃を放ったり

仕上げは美しく、ユーベルコードで焼き討ちしてしまいましょう。


四樫・マコル
【アドリブ、合わせ歓迎】

キモいっすー!!!!!!!!!!!
なんなんすかあのキモキモ生物は~!!!
あんなの触れられただけであたし失神しちゃうっすよ!!
でもでもでもでもこいつら倒さないと宇宙がピンチっす!!
なんとかして倒すっすよー!!

とりあえず攻撃に当たるわけにはいかないっすから
『囮操作(エスケープゴート)』で囮召喚っす!!
標的が囮にいって「時間稼ぎ」している間に
あたしのおやつの「折刃-ORIZIN-」を折り折りして…
出来たっす!マコルちゃん特性紙ダガーっす!!
作ったやつからどんどんあのパスタモンスターに投げつけてやるっす!!
使い捨てだから汚れるのも気にならないっす!!


ニオク・イグズヴィ
あー、こういうのなんて言うんだっけ
山登り?
帝国軍もこんなんで自滅してたら世話ねぇな
ま、モンスターの脅威はホンモノだし、ちゃちゃっと平らげるとしますかね

○SPD
シーブズ・ギャンビットで攻撃
【2回攻撃】で【傷口をえぐる】
触手モンスターとはいえ、コアっつーか根元となる部分はあるだろ
そこを狙って致命傷を与えられるよう、試みよう
あわよくば【暗殺】が成功すりゃいいんだが……ま、そこは運しだいだな

しかし、スパゲッティモンスターとブラックタールの戦いって、どこのB級映画だか
汁気で摩擦抵抗減らすのはいいが、足滑らせねぇように気をつけな!
滑る足はねぇかもだけど!

(アドリブ、アレンジ可です)



 食料庫を抜け出し、戦艦の廊下を走り抜ける猟兵一行。やがて、一行は広間に足を踏み入れる。帝国軍が休んだり食事をしたりビンゴゲームをしたり、そういう用途で使われていたはずの大広間は今は見る影もない。見渡す限りスパゲッティモンスターだらけだ!!「グチョグチョ」「グチョ?」「グーチョグチョ!」彼らは一斉に侵入してきた猟兵達をじろりと見つめる。そして次の瞬間、汁気を出しながら襲いかかってきた!
「キモイっすーーーー!!!」
 ゾゾゾゾゾッ!鳥肌を立たせたシーフのキマイラ、四樫・マコル(f00620)が叫び声をあげる。
「ほんとなんなんすかあのキモキモ生物は!あんなの触れられただけであたし失神しちゃうっすよ!!」
「何コレ気持ち悪っ…」
 満月・双葉(f01681)が同じく鳥肌を立てながらマコルの言葉に同意する。
「でもでも、こいつら倒さないと宇宙がピンチっす…!何とかして倒すっすよー!」
「そうですね。焼きましょう。さっさと焼き払って帰ってナポリタン食べましょう」
「…今後ナポリタン見てオエッてならないことを祈るっすよ…」
 そして戦闘が始まった。スパゲッティたちの触手が2人に迫る!それらをなんとか転げ回って避ける2人。
「テーブルの下に隠れるっす!!」
 マコルが広間に数多く設置してある大きなパーティ用のテーブルを指さす。持っていた武器の大根を振り回して目玉を潰していた双葉はコクリと頷いてその提案に乗った。
 1、2の3!でテーブルの下へ転がり避難する2人。それをうねうね追いかける空飛ぶいちご味スパゲッティモンスターだが、スパゲッティの性質としてテーブルの下を覗くことが出来ない。床に落ちたらその時点でスパゲッティは食品ではなくなってしまうからだ。
「このままじゃ終わらないっすよー!お姉さん!あたしが今から囮を作るのでその間時間稼ぎをお願いするっす!!」
「…わかった」
 双葉はそうして伏せながら、ゆっくりと銃を取り出して構える。
 パシュッ パシュッ
 狙いを定めると、周りに集まってきた触手たちを百発百中!目玉を潰されたスパゲッティモンスター達はふらふらと墜落し、やがて動かなくなる。
「…敵はそんなに強くないけど…、キリがないですね」
 銃を撃ち続けながら、いつまで続ければいいのかとため息を吐く双葉。すると、その肩をマコルがトンと叩いた。
「?」
「…もう心配ないっすよ!これを見るっす!」
 マコルのユーベルコード、【囮操作(エスケープゴート)】。囮用ガジェットを即席で作り出す技だ。
 作り出されたガジェットは大きな皿のような形をしている。それがやがてふわふわと浮き上がって移動し始めると、別のテーブルの上へと着地する。
「名付けて『空飛ぶスパゲッティ用ソーサーくん』っす!」
 テーブルの上に鎮座する大きな白い皿。それを見つけたスパゲッティモンスター達はうずうずと体を揺すり始める。
「スパゲッティは皿に乗るものっす!いつまでも空飛んでるんじゃないっすよ!!」
 そしてモンスター達はグチョグチョ言いながら一斉に皿型ガジェットの上へと集合した。なんだか喜んでいるように感じる。
「…変な生き物ですねえアレ。…でもこれで、もう隠れていなくても良さそうですね」
 テーブルの下から出てくる2人。
「そして今こそ反撃の時っす!」
 マコルはカバンから1枚の紙を取り出した。ヤギのキマイラである彼女にとって最高のおやつであり頼れる武器もである、『折刃-ORIZIN-』だ。これを慎重に折り折りし、出来上がったのは使い捨ての折り紙ダガー!これをやたらめったらに投げつけまくる!
「食らえっすーーー!」
 麺の体をズタズタに切り裂かれるスパゲッティモンスター。皿の上で動けないまま、見る見るうちに弱っていく。
「…上手いこといきましたね。さて、とどめは僕に任せてください」
 そうして、双葉はユーベルコードを発動させる。初めの目論見通り、最後はグルテン一粒残すことなく焼き払ってしまおうというつもりだ。
 【美華呪(ノロワレタハナ)】…、薔薇の形をした20幾つの華麗な炎を召喚する。その薔薇をそっと掬うと、双葉は山盛りのスパゲッティに差し込んだ。…薔薇は生命力を吸収して赤々と咲き誇る!マコルがその薔薇のあまりの美しさに見とれている間に、静かにスパゲッティの集団は息を引き取った。

─────────────

「帝国軍もこんなんで自滅していたら世話ねぇよなあ」
 ワラワラと湧き出てくる触手たちをうへぇーっといった顔で眺めながら、愛用のダガーを回して手遊びをしているのはブラックタールの猟兵、ニオク・イグズヴィ(f00312)だ。
 いちご味を撒き散らしながら威嚇をする触手たちに囲まれていながらも、落ち着いた表情は崩さない。
「ま、モンスターの脅威はホンモノなわけだし、ちゃちゃっと平らげるとしますかねっ」
「…脅威なんてとんでもない!いちご味のパスタなんて恐るるに足りませんよ!」
 そんなニオクの言葉に、威勢よく切り込んできたのは歳若い少女の猟兵、澪織・梅(f02562)だ。
「から揚げはもっと美味しいんです!パスタなんかには負けませんよ!…もぐもぐっ!」
 そして、梅はポケットにしまっておいたから揚げを取り出しておもむろに食す。ジューシーな肉汁が口いっぱいに広がった。…これぞ梅のユーベルコード、【どうか、唐揚げの力を我が元に(ソトガワカリカリニクジュウジュワァ)】の発動条件である!!
「はぁー……やっぱりから揚げは美味しいです。…さて、腹ごしらえ完了です!ばりばり行きますよー!」
 元気いっぱいになった梅は、空飛ぶスパゲッティを見上げて威勢よく構えた!
「…お嬢ちゃん、怪我だけはしないようにな。今から俺暴れるから、離れておくんだぜ?」
 そんな梅の様子に心配になったニオクがつい声をかける。
「わたしは大丈夫です!2人で力を合わせて切り抜けましょう!」
 そうして戦闘が始まった!
 スパゲッティモンスターはわらわらと2人に距離をつめて迫ってくる。そして急に体から汁気を迸らせたかと思うと、そこら一帯を水浸しにし始めた!
「む、ツルツル滑らせて戦闘しにくくしちまおうって腹か。ヤツら浮かんでるもんな、確かに有効な手だぜ…」
 戦場を自分たちに有利な形に変えたスパゲッティたち、自信満々なグチョ語を高らかに放つと、何匹かが同時に迫ってきた!
「…だが、甘いぜ」
 そう、いちご味は甘かった。目にも止まらぬスピードで手を動かすニオク。次の瞬間、バタバタとスパゲッティ達は墜落して行った。
 【シーブズ・ギャンビット】、ダガーによる高速の一撃である。百戦錬磨のニオクのダガー捌きは、その一撃で確実にモンスター達の急所を貫いていた。
「…麺状の体とはいえ、触手を束ねている『核』となる部分は絶対にある。…正しかったな」
 そのままニオクはダガー片手に、スパゲッティの群れへと飛びかかる。嵐のようなニオクの猛撃が、スパゲッティの包囲陣を切りすすめていく!!
「グチョ!!グチョグチョー!!」
 焦ったスパゲッティたち、ニオクの嵐から逃れながら目をつけたのは小さな少女の澪織・梅だ。こちらならいちご味で陥落出来るだろうと思ったスパゲッティたちは、いちごの香りを彼女に向けて解き放った!
「…から揚げを食べたので効きません!!」
 そう、いちご味パスタがから揚げに勝てる道理はなかった。梅はいちごの香りを手をパタパタやって消し去る。彼女の鼻腔を満たしているのはから揚げをジューシーさだけだ。そこにパスタが取り入る余地など1ミリもない!
 そして梅はスパゲッティたちに向かって走り出した。先程の汁気により摩擦係数が極端に下がった戦場ではあるが、類まれなる戦闘技術により梅は平衡感覚を保ったまま、むしろスピードスケートのようにして戦場を駆け巡る。
 自分たちのアイデンティティたるいちご味が効かないとは思っていなかったスパゲッティたち。あれだけ自信を持っていた味が通用しない…!?その感情の揺れ動きは、梅が付け入るには十分なものだった。
「この際です!あなた方もから揚げ派に鞍替えしちゃいなさい!」
 梅は記憶消去銃を取り出し、その銃口をスパゲッティの群れに向ける。
 びびびびび!銃から放たれた催眠波が、スパゲッティ達に命中する!
 あ、あれ?ひょっとしていちご味って大したことない?…それよりから揚げの方が美味しいのでは?…から揚げ万歳!から揚げ万歳!
 そんなから揚げ催眠に陥ってしまったスパゲッティたち。から揚げ派たちは、他のいちご味スパゲッティの存在を許すことが出来ない!やがてスパゲッティたちはもつれ合い、同士討ちが始まった!
「…ふぅ、またしてもから揚げが一番だということが証明されてしまいました。やはりから揚げって凄い…」
「…なんだかわからんが、そっちも終わったみたいだな。お互い、無事に済んで良かったぜ。」
 ダガーに付いたいちご汁を拭いながら現れるニオク。どうやら、周りにいたスパゲッティ達はほぼほぼ片付いたようだ。
 こうして、広間を占拠していた大量のスパゲッティ達は姿を消した。
 さぁ!ほかの部屋を探しに行こう!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

須賀原・あすむ
この前退治に行ったのにまたイチゴスパゲッティ・・・こいつを作った奴の顔が見たいね!

ドラゴニアンチェインを撃ち込んで複数体を鎖で繋ぎ鎖で一まとめにして壁などに叩きつけます。生きていたら増殖防止で止めを刺していきます。

またスペースシップのMAPで動力炉を確認し、持ち込んだスイッチ式の爆弾で動力炉に設置します。イチゴスパゲッティが殲滅できた辺りで起爆します


ノトス・オルガノン
※アドリブや絡み歓迎です

……遊び心とは……?
否、今となっては関係ないな
自ら産み出したもので滅ぶ、良くある話だ
死体に鞭打つことは止めておこう

さて、これ以上は好き勝手出来ないよう、ここで終わらせてやる

・WIZ
ユーベルコード【White Lily】を使用
その目、潰させてもらう

折角だ、その身も細切れにしてやろう
……臭いが充満しそうだが。


アリス・イングランギニョル
これはまた面妖な……むしろ珍妙? 怪奇?
ホラー小説……いや、パニックムービーなんかのが似合いそうかな?
とはいえ、やることは変わらないさ

幸い?なんだか美味しそうな香りはするし、ここは彼らに任せよう
狼さんと猟師さんを呼んだら、他の猟兵たちと一緒に暴れ回ってもらうよ
もちろん、ボクは危なくないように後ろの方に隠れているさ
猟師の銃で動きを止めた所を狼がばくんと食べてしまおう
随分と高くまで跳び跳ねるみたいだけど、この艦の中じゃ活かしきれないんじゃないかな?
落ち着いて、動きを見極めて対応させるよ

【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】



「こっちこっち!みんな着いてきて!」
 先頭に立って猟兵達を率いるのは須賀原・あすむ(f03833)だ。船内で手に入れた地図を片手に、ある場所を目指して突き進む。
「次の角を右……あった、あの扉だよ!」
 猟兵達は大きな白い扉の前で立ち止まる。あすむの地図によると、この場所が船の動力炉だ。ここに爆弾を設置して、戦艦を木っ端微塵に爆発する目的である。
 しかし扉は固く閉ざされており、猟兵達の侵入を阻んでいる。考えてみれば船の最も重要な部分である故、侵入者を歓迎するような仕組みでは困るわけである。帝国軍による最新式のロックが扉にはかかっているようだ。
「ここを爆破するのが一番手っ取り早いんだけどなあ…そう簡単にはいかないかあ」
「ふむー…今回のミッション、怪奇小説やパニックムービーと言ったような雰囲気だったけど、ここに来てスパイ小説じみてきたね…」
 ヤドリガミの女性、アリス・イングランギニョル(f03145)が少し考え込む。
「とはいえ…やることは変わらないか」
 そしておもむろにユーベルコードを発動する。【赤ずきん(ロートケプフェン)】…力技が必要な時にはうってつけのユーベルコードだ。
「さぁ、ボクの頭巾を紅く、朱く。真っ赤に染め上げて頂戴な?」
 アリスがそう口ずさむと同時に、2つの存在が姿を現す。召喚されたのは唸り声をあげる獰猛な狼と、銃を持った鋭い目付きの猟師さんだ。
 その猟師は、アリスが何事かを命じると直ぐに動き出した。猟銃の矛先を白い扉へと向け、一発、二発…。
 もはやロックは意味をなさない。なぜなら人が通れるほどの大きな穴が扉にぶち空いてしまったからだ。
「…プロである猟師さんにこういう荒っぽい力業を任せるのはどうかとも思ったんだけど、まあ、解決できて良かったよ」
 アリスが「さぁ、みんな入って」と動力炉へ続く穴を指し示す。そうして穴をくぐった猟兵達が見たものとは……
 空飛ぶいちご味スパゲッティモンスターだ!
「……閉ざされていたエリアに何故こいつが?」
 ノトス・オルガノン(f03612)が険しい顔でスパゲッティモンスターを見つめる。戦艦の動力源、エネルギーコアに何匹も吸い付いている。触手を張り巡らし、ギョロギョロと目を動かすモンスター、その姿は先程までのスパゲッティモンスターと比べると一回りも二回りも大きく見える。エネルギーを吸い取って力を高めているのだろうか。
「相手はスパゲッティだからね…、通気口なんかの僅かな隙間から体をくねらせて侵入してきたんじゃないかな…」
 と、あすむが自分の考えを口に出す。
「とにかく戦闘に移ろう。…奴め、じっとこっちを睨んで………っ!来るぞっ!」
 殺気を感知したノトスが後方に跳ぶ。その瞬間、スパゲッティモンスターの汁気たっぷりの触手がムチのように伸び、さっきまで立っていた地面を打ち据えた。
「パワーアップしてるぞ…!皆、気をつけろ!」

「グーチョグチョグチョ!!!」
 モンスターたちが吠える。そして触手をエネルギーコアから外すと、空中を浮遊して猟兵達を狙いだした。
「猟師さん!」
 アリスが後方から自身の仲間に呼びかけると、それに応じて即座に猟師が弾丸を放つ。壁を壊すほどの威力の弾丸だが、その真価は獣を撃ち殺す時に発揮される。猟師とはそういうものだ。
「グチョォァ!」
 弾丸をその麺でできた体に受け、触手と目玉を弾き飛ばされるモンスター。だがしかし、瀕死のスパゲッティは最後っ屁と言わんばかりに、いちご味の香り爆弾をアリスの方向へ打ち出してきた!
「…狼さん!」
 落ち着いてアリスはもう一匹の相棒を呼んだ。そして機械類の陰から飛び出した狼は歯を剥き出しにすると、その爆弾ごとスパゲッティモンスターを噛み砕く!
「ガルルァ!!」
 そのまま狼は麺をくちゃくちゃと咀嚼して、ゴクリと全てを飲み干してしまう。なんとも悪食な狼であるが、この麺類の敵に対してこれほど頼りになる味方も他にいないだろう。
「ありがとう狼さん…。…よし、このままの勢いで殲滅戦だ!」
 アリスは思いっきり暴れ回るよう仲間に指示を出した!

「しかしなんなのだろうなこの生命体は…」
 ノトスは敵の攻撃を躱しながら、謎のスパゲッティについて思いを馳せる。
「帝国軍が戯れに連れてきた存在…はた迷惑な…。…いや、」
 今となっては関係ないな。生み出したものによって滅ぼされるなんて話は敵味方関係なく、よくあるものだ。死人に鞭打つ真似はすまい、とノトスは自らを戒める。
 汁気たっぷりの触手攻撃をひらりと避けるとノトスは、シンフォニアたる証の武器、シンフォニックデバイスを敵軍に向けて構え直した。
「これ以上好き勝手させるわけにはいかないな。…ここで終わらせてやる」
 瞬間、いちごの香りで溢れかえった室内を、別の花の香りがかき消した。白百合の芳醇な甘い香り、気がつけば一面、百合の花が咲き乱れている。
 スパゲッティモンスターはキョロキョロと目をしきりに動かして、その信じ難い光景を見回している。
「まずはその目、潰させてもらう。No.496……うるわしき、白の花。咲き誇れ!」
 満開の白百合は、ユーベルコード、【White Lily】によるものだ。ノトスのシンフォニックデバイスが姿を変えた花びらの群れは、やがて曲に合わせて舞い踊るダンサーのように風に乗って動き出すと、スパゲッティモンスターに向かって勢いよく射出された!
「グチョァー!?」
 鋭利な花びらによって目をズタズタに切り裂かれるスパゲッティ。視覚を失い、やたらめったらに触手で攻撃を行うモンスターだが…、そんなものが当たるはずもなく。
「…ここまでだ。さようなら、謎のスパゲッティくん」
 そして、花びらの嵐はスパゲッティモンスターをあとかたもなく切り刻んだ。
 …風が止み、花びらも消える。ノトスはただ、後にはいちごの残り香だけが漂っているのを感じていた。

「この間倒したばかりなのに…本当に生命力の強いイチゴスパゲッティだこと…。こいつを作ったやつの顔が見てみたいね!」
 以前もスパゲッティと戦ったことがあるというあすむ、もはやあしらい方は慣れたものである。
 空を飛んで追いかけてくる何十匹ものスパゲッティモンスター、そのいちご味の攻撃を躱しながらあすむは、一番効果的にユーベルコードを使えるタイミングを推し量る。
「グチョーー!」
 業を煮やしたスパゲッティモンスターの1匹が追いかけるのを止め、いちご味の香りを噴出させて辺りをいちご味で包み込もうとし始める。
「あっ、それはまずいよ!」
 くるっと後ろを振り返って立ち止まるあすむ。隙ができたとばかりにモンスターは触手を伸ばしてくる。が、それを見たあすむは、計算通りと言った表情でにっこり笑った。
「ボクを追いかけるのに夢中になって、一列に整列してくれちゃってるね。…つまり、攻撃するなら今だ!」
 【ドラゴニアン・チェイン】。あすむが体から迸らせたドラゴンオーラが、後を着いてきていたスパゲッティ達を皆包み込んだ。…そして次の瞬間、大爆発が起きる。爆炎に包まれたスパゲッティ達は悲鳴をあげつつもまだやる気満々のようで、怒りを露わにしてこちらを睨んでいる。
「睨んだって無駄だよ。もう自由は封じたからね!」
 大量に浮かんでいたスパゲッティモンスター達、それらをあすむは、ドラゴニアン・チェインでひとまとめに繋げてしまっていた。そして、
「よーい…しょっと!!」
 鎖の端っこを掴んだあすむ。そのままそれをグルグルと回すと、ハンマー投げの容量でスパゲッティ達を放り投げた!
 放り投げられた先に待っていたもの、それは宇宙船のエネルギーコアだった。コアに衝突し、体をへしゃげさせてしまうだけでなく、そのままコアに鎖が巻きついてしまうスパゲッティ御一行。これがはなからあすむの狙いだった。
「初めっからここは爆破するって決めていたから」
 そしてついにあすむはコアに爆弾を取り付ける。
「一緒に爆破してしまえば手間が減っていいよね !」
 あすむは最高の笑顔を浮かべると、爆弾のスイッチを思いっきり押した!

 その後、爆発するスペースシップから猟兵達は見事な脱出を決めた。
 解放軍の命を救い、戦争の戦力をまたひとつ増やすことが出来た猟兵達。これから帝国軍はどう動きを見せるのだろうか…。それはまだわからないが、とにかく…、一件落着である!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト