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宝人、来たれり

#グリードオーシャン #シーシアス・アヴァリシア #猟書家の侵攻 #猟書家 #メガリスボーグ #戦艦島

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●これが我が強欲
「……これがこの船の、か……」
 剣や弓、盾、宝石などが組み合わされてできており、その体に帽子と外套、そして仮面を纏った男。彼は大砲のようなものの前に一人立つ。
「これは我が『腕』がよいか。それとも『脚』か? ふむ……」
 仮面の奥で二色の双眸がぎらつく。その瞳も二色の美しい宝石だ。
 彼は……それはもう『男』でも、そして『人』でもなかった。その名は『シーシアス・アヴァリシア』。力を求め体をメガリスに取り換え続け、とうとう元の体をすべて失ってしまった者。
「やはり、『胸』にするか」
 そう言ってその大砲をもぎ取り、己の胸に押し当てるシーシアス。大砲は元々あったメガリスを押し出し、まるでそこが本来あるべき場所だったかのようにぴったりとそこに嵌った。
 それと同時に、周囲から巨大な駆動音が上がり、地鳴りが起こる。
「この船を纏い、彼の地を攻め落とそう。それが我の……『今』の野望故」

●それはいつから『我』であったか
「皆々様、お集まりいただきありがとうございます」
 シャイニー・デュール(シャイニングサムライ・f00386)が集まった猟兵たちに一礼する。
「カルロス・グリードが倒れフォーミュラ亡き世界となったグリードオーシャンに、此度猟書家の来訪が確認されました。オウガ・フォーミュラはあのレディ・オーシャンに」
 それはかつてはヒーローズアースを襲い、サムライエンパイアを水に沈めんとし、そして今度は偽の骸の月を持ってグリモアベースに攻め入らんとする女。世界をまたいでの跳梁の第一人者とも言えるその名に、猟兵たちはそれぞれ怒りや呆れ、あるいは闘志を露にする。
「此度は猟書家の一人『シーシアス・アヴァリシア』なる者が相手にござる。現状グリードオーシャン唯一の新顔にござるな」
 他の猟書家と違い羅針盤戦争に出現しなかった存在。一体如何様な者なのか。
「彼は元は生身の体でしたが、力を求め体をメガリスに置き換え続けた結果元の体の一切を失ってしまい、それでもなおさらなる力を求めて界渡りを望む歪んだ強欲を持つ者。あるいはその名や目的すらも、どこかで入れかえたものなのかもしれませぬがな」
 最早本人にも自分が分からないのでは、シャイニーは固い顔でそう告げる。
「ともあれ、彼はグリードオーシャンにいくつかある『戦艦島』の一つ『シーホール』の動力であるメガリスを己の体に取り込み、島全体を自分の支配下に置いてしまいました。このまま彼は戦艦を動かし、グリモアベース強襲のための攻撃艦にするつもりのようで」
 レディ・オーシャンの目的はグリードオーシャンの支配ではなくグリモアベースの陥落であり、それは猟兵全ての完全敗北を意味する。その手勢となると言うのならば、決して許して置ける存在ではないだろう。
「今回彼が抑えたのはスペースシップワールドの宇宙戦艦であった戦艦島。彼はここの動力でありエネルギー源となっているメガリスを己の体に組み込み、島全体の操作権を一手に握ってしまいました。皆さんにはこの島に乗り込み、シーシアスとその配下たちを倒し島の発進を阻止していただきたい」
 さすがに何百年と動いていなかっただけあり、本来の機能を取り戻すには時間がかかるようだ。
「まずは島の内部にいるシーシアスの配下、『メガリスに狂う男たち』を相手していただきます。彼らはシーシアスが不用としたメガリスをお零れとして貰うために従っており、そのメガリスによって海水を操りつつ強靭な肉体も合わせて戦ってきます。元は一般人でありましたが、すでにオブリビオンと化してしまいました故容赦は無用、切り捨ててくださいませ」
 欲に狂って人を止めた愚かな海賊……ある意味グリードオーシャンでは珍しくもない存在だ。
「彼らを蹴散らし動力部へと辿り着けば、そこにいるシーシアスとの決戦にござる。彼は自身を構成するメガリスをフル活用した本来の力に加え、取り込んだ船の動力であるメガリス『波動砲』を武器として使ってきます。これはチャージに応じて無限に威力が上がる破壊光線……即ち『アルカナ・ブラスター』に近い効果を持っております。言うなればユーベルコードを二つ同時に使えるようなもの。どうかご油断召されぬよう」
 元の実力が高い所に掟破りの二連ユーベルコードだ。十分に対策を練る必要があるだろう。
「戦艦内部は広いうえに入り組んでおり、初見では迷ってしまうことは必至。ですがここにはかつての乗組員の子孫であるメガリスボーグ海賊団『スーパースターズ』が住んでおります。原住民である彼らの案内があれば、迷わず進むどころか逆に敵を奇襲にかけることもできましょう。彼ら自身もそれなりの実力者でありますので、戦闘面においても力になってくれるかと」
 さすがに集団型はともかくシーシアスと渡り合う力はないが、戦闘補助の面では大いに役立ってくれるだろう。
「今だ消えぬグリードオーシャンにさらなる火種を撒き、さらにはグリモアベースまで狙うという不埒千万なレディ・オーシャン一味。その一人であるこの愚かな機械を、どうぞ成敗してきてくださいませ」
 シャイニーはそう言って深々と頭を下げ、鉄甲船を操作するのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。グリードオーシャンにマイ宿敵の猟書家が湧きました。
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『プレイングボーナス(全章共通)……メガリスボーグ戦士団と協力する』

 舞台は島になるくらい広い戦艦の内部であり、そこに精通するメガリスボーグたちの協力を得ることで迷うことなく進むこともできます。また戦力としても共闘できますので、やりたいことに合わせて指示を出してください。

 第一章では『メガリスに狂う男たち』との集団戦。彼らとは戦艦内部の各所で戦いとなりますが、彼らもまた戦艦の構造を把握していないので、地形利用などは余り行ってきません。実力も一人ずつは左程高くないので、メガリスボーグたちも直接戦闘に参加させられます。また構造を把握していないとはいえ流石にスルーは出来ないので、戦闘はきちんと行ってください。

 第二章では猟書家『シーシアス・アヴァリシア』との戦闘です。彼は能力値に対応した行動に加え、メガリス『波動砲』の力で『アルカナ・ブラスター』を使用してきます。こちらは使用能力値に関係なく、かつ自由なタイミングで発射してきますのでご注意ください。彼を倒せば船の振動は止まり、戦艦の発進を阻止できます(メガリスは島のエネルギー源として使われているので、持ち帰りは出来ません)。ちなみに男性的な性格と口調ですが、そもそもの性別や元種族は不明です。忘れている可能性すらあります。

 以下、メガリスボーグ軍団詳細。
 『スーパースターズ』と名乗る海賊団で、この戦艦『シーホール』の乗組員の子孫たち。全員がメガリスを体に埋め込んでおり、人体改造そのものへの忌避観は薄い。年齢、性別は色々だが、種族はウォーマシンやブラックタールなどスペースシップワールド系が中心。サブジョブもスペースシップワールドのものばかり。
 島の地表部は港などに使い、内部では宇宙船の機能を不完全ながら使って食料や武器を製作し暮らしている。不完全ながらレーザー銃やスペースバイクも所持している。メガリス『波動砲』については船の機構の動力ということは知っているが、適切に使えば船自体を航行させられることまでは知らない。

 割と真面目なバトル寄りですが、そこはプレイング次第ということで。
 それでは、本物の自分をアピールするプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『メガリスに狂う男たち』

POW   :    ハトウカトラス
自身の身体部位ひとつを【海水の刃】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
SPD   :    ケンカコンフリクト
【粗雑な肉弾戦】による素早い一撃を放つ。また、【水に濡れた服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    ウズマキジャベリン
自身に【海水】をまとい、高速移動と【拳から水流のドリル】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かつては星々の大海を航行し、今は一つの島としてグリードオーシャンの大洋に浮かぶ戦艦『シーホール』。今はその内部を居住区や特殊な工芸品……スペースシップワールド時代の品の工房として使われているその船に、招かれざる客が現れた。
「ここを守り切ればメガリスを下さるって頭のお言いつけだぁ、気合入れていくぜ!」
 早々に制圧した動力部の前に陣取る男たち。一見すれば軽装の海賊たちだが、その体の各所には異形の部位……メガリスが埋め込まれていた。
「だがここに住んでるやつもメガリスをたんまり隠し持ってるって話じゃねぇか……我慢できねぇ、行ってくるぜ!」
 さらに一部の者は、島内のメガリスを自ら強奪すべく複雑な船の中に繰り出した。場合によってはボスにも知らせず自分で掠め取る気なのだろう。最もそれをボスが看過するかどうかは別の話だろうが、欲に目がくらんだ彼らはそこまで考えられないのかもしれない。
 一方その頃。
「なんだこれは……地鳴り……いや、島が動いている……!?」
 彼らはこの船がまだ宇宙にあったころの乗組員の子孫。だがこの島に他所には無い特別な装置があるということは知っていても、この船が未だに動くとは夢にも思っていなかった。
「大将、まずいぞ! 侵入者がいる! それも……中からだ!」
「なんだと!?」
 モニターに向かっていたクリスタリアンが、巨体のウォーマシンに告げる。自分たちでも油断すれば迷ってしまう広大な島の中に溢れかえる、突如湧いて出た多数の生体反応。普段は迷ってしまった間抜けを探すための機能が、今は島の危機を知らせていた。
「とにかく、迎え撃つぞ! どこのどいつか知らないが、俺たち『スーパースターズ』に喧嘩を売ったことを後悔させてやる!」
 異物を排除するため、船の奥へと進んでいくメガリスで武装した島民たち。
 彼らの後に続き、邪魔者を蹴散らしながら最奥に至る道を迅速に進むのだ!
イスラ・ピノス
落ち着いたと思ったら次の問題に繋がっちゃう。
まー、あることだよね。
でも僕も守ると決めたことに変わりはないよ。
今回もしっかり守ろう。

にしてもこの島すごいよね。
僕の知る島とは大分勝手が違うから素直にスーパースターズさん達に合流しに行くよ。
助けに来たよってことと、迎撃にあたって敵の反応のある場所と道案内…というより僕が同行させて貰うかな?お願いするね。

戦いの方だけどそちらも水の扱いは得意そうだね。
張り合っちゃおー!そーちゃんおいで!
海水の刃や水流のドリルは吸収し、肉弾戦はそーちゃんボディで受け流して反撃!
スーパースターズさん達が安心して攻めやすいようにそーちゃんを前に出して守っていくね。



 予想外の場所からの敵襲に浮足立つ戦艦島『シーホール』。それ故に、島外からの来訪者になど気を配っている様子は誰にもなかった。
「落ち着いたと思ったら次の問題に繋がっちゃう。まー、あることだよね。でも僕も守ると決めたことに変わりはないよ。今回もしっかり守ろう」
 だから、イスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)が島に訪れたことも誰も気にも留めてはいなかった。
 だが、それはそれでイスラにとっても余り都合のいいことではない。島を見回し、イスラはその形状に一人驚いていた。
「にしてもこの島すごいよね」
 グリードオーシャン育ちの彼女にとっては見慣れぬものばかりで構成された島。どこに何があるか一目見てわかるようなものでは到底なく、確実に進んでいくためには地形に明るい者の手助けは不可欠だろう。
 だからこそ、彼女は混乱している現地の海賊団『スーパースターズ』に臆することなく声をかけた。
「こんにちは、助けに来たよ」
 突如現れたよそ者に当然ながら胡乱気な目を向けるスーパースターズたち。だが、彼らのリーダー格と思しきウォーマシンが進み出る。
「……猟兵、か」
 彼が口にしたその名に、周囲がざわつく。
「七大海嘯が死んだってのにまだいるとはな」
「死んだからこそ、とも言えるよ。実際この騒動はそれが原因だ。迎撃にあたって敵の反応のある場所と道案内……というより僕が同行させて貰うかな? お願いするね」
 ならば話が早いとばかりに、彼にその旨を告げて協力の仕方を提案するイスラ。それに従い、先鋒を務める一団に彼女を加え進軍するよう、リーダーは指示を出した。
 先遣隊長のブラックタールが、モニター役らしきクリスタリアンと数言交わした後、イスラを率いて艦内へと向かう。
「こちらです。はぐれないように」
 彼のその言葉通りに、知らなければ迷いそうな同じ風景を歩くことしばし。前方から荒々しい足音共に、体に異物を埋め込んだ男たちが現れた。
「あっちから来やがったか……まあいい、手間が省けたぜ!」
 分かりやすい悪役台詞と共に、男たちは自らの腕を海水の刃へと変化させた。話し合う気もなく出会えば即襲い掛かる、その短絡さはある種いかにも彼ららしい行動だ。
「そちらも水の扱いは得意そうだね。張り合っちゃおー!」
 相手が水使いということで、イスラの士気は特別上がる。そして、その士気は元々ある相手との実力差をさらに広げることにもなるのだ。
「そーちゃんおいで!」
 【ソーダジャイアント】でソーダ水の巨人そーちゃんを召喚するイスラ。3メートル強と本来室内で呼ぶには大きすぎる体格だが、ウォーマシンに合わせてあるためか室内としては広い廊下で問題なく動き回れる。
「は、やっちまえ!」
 それに臆することなく切りつける男たち。だが、水に水で切りつける、その愚行の結果を彼らは考えることは出来なかったのか。
 その身に当たった海水の刃を容易に吸収し、さらにその手足を太くするそーちゃん。水を吸う程強くなる彼にとって、水使いである男たちなどまさに餌でしかない。吸いきれないほどの水を使われればまた話は違うかもしれないが、男たちにそこまでの技量はないのは分かり切っていたことだ。
「さ、敵の攻撃は全部そーちゃんが食べちゃうからね。スーパースターズさん、思いっきりやって!」
 盾として立ちはだかるそーちゃんの後ろで、イスラが指示を出す。それに合わせ、スーパースターズは各々の持つユーベルコードやメガリスをフル活用し安全圏から攻撃した。
 敵が無理に抜けようとすればそーちゃんがその巨大な腕で殴り飛ばし、盾になりつつ攻撃の妨げにはならないよう味方に対してはその巨体を十二分に生かす。
 イスラの流れ、泳ぐような動きに合わせ巨体を巧みに動かすそーちゃん。その動きに、ただ荒々しいだけの男たちの海水は飲み込まれ消えていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、動き出したみたいですねぇ。

まずは海賊団の方に接触、状況を説明し協力を申し出ましょう。
そして『相手のあつまっている場所』を尋ね、そこまでの案内をお願いしますねぇ。
その際『潜伏用のメガリス』が見られたり、『屋根裏』等、私の体型で通れるような不意打ち出来る様な場所が有れば最良ですが。

『FBS』を四肢に嵌め飛行、到着と同時に【秤濤】を発動し『魅了』と『超重力波』による[範囲攻撃]を行いますぅ。
『海水の刃』も重力の影響は受けますし、この[重量攻撃]で押さえつけてしまえば、『飛行している相手』への攻撃は難しいでしょう。
後は『FRS』『FSS』の[砲撃]で仕留めて参りますねぇ。


リン・ベルナット
グリモアベースを強襲するだなんて大変!なんとしても防がないとね!

艦内は複雑な構造らしいからまずは内部の構造を聞いてみよう。
メガリスボーグの人たちから内部の構造を聞いたらユーベルコードを発動!
クラウチングスタートの構えから一気にダッシュするよ!

その後はダッシュしながら内部を走り回って中で迷っている敵たちに攻撃を仕掛けよう!
迷っている敵に一気に接近して先制攻撃を仕掛ければきっと奇襲みたいな感じで攻撃できそうだしね
攻撃時はバトンロッドでバンバン殴りまくるよ!

敵の攻撃は武器受けの防御とジャンプによる回避で対処するね。
相手は素早い肉弾戦が得意みたいだけど私の足の速さでを活かした戦い方で圧倒しちゃうよ!



 内側からの強襲という未曽有の事態をまずは一度抑え込んだスーパースターズの面々。だが、敵は次々と島……船の中枢部から湧き出してきている。恐らく残った者も、先に出た者に宝を横取りされるのを恐れ動き始めたのだろう。
 まだ何とか操作を奪われていないモニターでそれを確認し、敵の増援を告げるクリスタリアンの男。
「成程、動き出したみたいですねぇ」
「グリモアベースを強襲するだなんて大変! なんとしても防がないとね!」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)とリン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)も状況説明の傍らその報告を聞き、相手が本格的に攻めだしたことを悟る。今は先走った配下が勝手な行動をとっているだけだが、それに手間取ってボスに時間を与えてしまえばこの船は完全に乗っ取られ、グリモアベース攻撃のための戦艦とされてしまうのだ。
「あんたたちが手伝ってくれるってことは分かった。だが、どうやって迎え撃つ?」
「そうですね、まずはこの船の構造を……」
「あ、私もそれ聞きたい!」
 二人は特に大きな敵の一団がいる場所への行き方を聞く。そしてそれを聞くと同時に、リンはこのモニタールームの入り口部分で大きく身をかがめ、クラウチングスタートの姿勢を取った。
「オン・ユア・マークス!……駆け抜けるよ!」
 一瞬にしてその体がスプリンタースーツ姿に変じ、爆発的な勢いで駆け出していくリン。【フォームチェンジ・スプリンター】の力で圧倒的スピードを手に入れた彼女は、直線と直角で構成された艦内すらも軽々駆け抜け、あっという間に敵の元へたどり着くことだろう。
「それでは、私はこちらを」
 一方るこるはブラックタールの海賊に声をかけ、彼に道を付けてもらうよう頼む。その道の条件を聞いたその海賊は、彼女の作戦をより詳しく聞き、そしてその協力を約束するのであった。

「一つ、二つ……三つ!」
 船内を駆け回るリンは、まずは迷っている敵を見つけてはすれ違いざまにバトンロッドで殴打、撃破を確認したらそのまま走り去るという奇襲戦法を取っていた。
 迷ってうろうろしている所に猛スピードで現れた相手がいきなり攻撃してくるのだ。コンキスタドール化したとはいえ集団型で、それも足並みがそろっていないとなれば碌な抵抗もできず打ち倒されるのも当然だろう。彼らの得意とする粗雑な肉弾戦も、その粗雑さ故に早く動く相手には反応しづらいし、相手を認識した時には既に倒されているのだから服を脱いでのスピードアップも図れない。
「よーし、こいつでとりあえずは最後!」
 そのままばらけていた海賊をチェックポイントの如く全て打ち倒していき、事前に分かっていた散逸した敵を倒したと確認してからリンは『ゴール』へと一目散にかけていくのであった。

 そしてその『ゴール』地点。そこは第二波とも言える集団の本隊だ。
「バカが勝手に先走ったが……どうせどこかでおっ死んでるだろうよ」
 そう言う自分たちも先走ったバカの集団でしかないのだが、群れている故に強気なのかメガリス強奪を目指し集団で進んでいく男たち。
 だがある場所についたところで、男たちは一斉に膝を曲げ腰を落とし、艦の床にへばりついた。
「大いなる豊饒の女神、その御力の欠片による裁きをお与え下さい」
 その理由は、彼らの真上のダクトに潜んでいたるこるの使った【豊乳女神の加護・秤濤】。それの興す超重力空間に囚われ、男たちはその場に釘づけにされたのだ。
 るこるが海賊に尋ねたのは、『自分の体でも入れる潜伏場所』。圧巻の厚みを誇るるこるが入れる狭い場所となると大分限られてくるが、やはり元は何もかもが大きく作られている超巨大戦艦。その巨体を収められる場所も相応にあり、るこるはブラックタールの案内でそこを進んで敵集団の上で待ち伏せを駆けたのだ。
「ぐっ……どこだ……上か……!」
 体に海水を纏い、強引に立ちあがろうとする男たち。相手の場所を察しているというよりは上くらいしか隠れられそうなところがない故のあてずっぽうだろうが、重力を受けた水は重く自慢の超スピードもその力を十全には活かせない。
 それでも上に水のドリルを放射線としたその時。
「ゴール、見つけた!」
 通路の奥から、猛スピードでリンが走ってきた。敵にのみ効果を見せる重力に彼女は捕らわれることはなく、動けない海賊たちを次々とバトンロッドで仕留めていく。
「やっ、はっ、てやあっ!」
 三段跳びの如くリズミカルに跳ねながら敵を打ち据えつつ、敵のやっとの反撃はジャンプで躱すリン。
「お見事ですねぇ、それでは、こちらもぉ」
 ゴールの祝砲とでも言わんばかりに、るこるがダクトの点検孔からおりて浮遊兵装による砲撃を浴びせてとどめるかけていく。
「ありがと! そっちも凄かったよ!」
 そしてリンも、バトンロッドを床に突き立て堂々たる勝利のポーズ。
 その圧倒的な攻撃と、それ以上に圧巻の二人の肉体に重力波のもう一つの効果である魅了込みで見とれつつ、男たちは床に這いつくばり消えていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

モアナ・ティアレ
「私が隙を作るので、援護をお願いしますわ♪」
メガリスボーグ達に協力要請♪

「きゃあっ!?」
全裸に、タオル1枚な姿で
わざと敵に見つかりますわ♪
入浴中に異常に気付き
慌てて逃げていたふりですの♪

「た、助けて……命だけは……!」
タオルで隠しきれない爆乳をはじめ
スタイル抜群の美しい裸体♪
濡れた色っぽい姿で命乞いして【誘惑】♪

敵はタオルを奪い、私の裸を眺めたり
爆乳を揉んだりしながら
メガリスの場所を聞くと思いますわ♪

「あぁんっ……いただきますわ♪」
喘ぎつつ、微笑み
『水精霊の誘惑』で【生命力吸収】♪

後は、援護してもらい戦闘♪
吸収した力で自身を強化♪
裸で敵に爆乳をムニュっと押しつけ
【グラップル】投げ飛ばしますわ♪



 二度目の敵襲も凌ぎ、少しずつ体制の整ってきた海賊団『スーパースターズ』。
 だが、雑魚をいくら倒しても船の動力と操作権を奪われていることに変わりはない。モニタールームの機器もいつ使えなくなるか分からないし、こちらから打って出る必要があるのは明らかであった。
「私が隙を作るので、援護をお願いしますわ♪」
 モアナ・ティアレ(海花姫・f26952)がその攻勢をかける手伝いをすると、彼らに先立ち敵のいる場所へと出ていった。
「大丈夫かあれ……」
 その背に海賊たちの不安の声を受けながら。

 やがてモアナは小集団の敵反応があった場所へと差し掛かる。複数の人の気配を感じたところで、とりわけ焦るような表情を作り、まっすぐそちらへと走っていった。
「きゃあっ!?」
 敵前に出たところで慌てたような声を上げるモアナ。突然の人の登場もだが、それ以上にモアナの姿に男たちは驚いた。
「何だこいつ……何で裸?」
 モアナの姿は、全裸にバスタオルを一枚撒いただけというもの。入浴中に異常に気付き慌てて逃げていたふりをするための格好だ。
「た、助けて……命だけは……!」
 怯えたように言うモアナ。その際にもさりげなくタオルをずらして爆乳を露出させ、抜群のスタイルが見えるように合わせ目もあえて緩めて中が見えるようにする。
 濡れた肢体と弱々しい命乞い。もちろんこれは演技なのだが、欲望に忠実な男たちはそれにあっさりと引っかかる。
「俺たちが欲しいのはメガリスだからよ、殺しゃしねぇよ……言うことをきけばな」
 そう言って荒っぽくモアナを抱き寄せ、その爆乳を揉みしだく男。
「とりあえずじっくりメガリスの場所を聞かせて貰おうじゃねぇか。このはしたない体にな」
 別の男がタオルの下方に手を突っ込み、尻を揉みながらその奥へも手を差し入れていく。
 モアナはご喰わずに抵抗するように身をよじるが、頬は紅潮し、口から甘い声を漏らす。
「ああっ……あっ……あん……」
 相当な好きものなのか、あるいは殺されたくない一心で媚を売っているのか、どちらにしても楽しませてもらおう……そう考え、モアナを弄ぶ男たち。
「あぁんっ……いただきますわ♪」
 だから、行為中にモアナの【水精霊の誘惑】で生命力がどんどん吸い取られて行っていることにもまるで気づく様子はなかった。
 やがて男たちの動きが大分鈍った時。
「今ですわ♪」
 モアナの笑顔と共に、大量のレーザー光線が男たちに打ち込まれた。
「一時はどうなるかと思ったけど、本当に効くんだな!」
 それを撃ったのは、ブラスターガンナーの力を持つ者中心のスーパースターズの面々。誘惑して、奇襲させる。単純な囮作戦とも言えるが、単純に欲に突き動かされる男たちには極めて効果的だった。
「くそ、このアマ……」
 男たちもモアナを投げ捨て攻撃しようとするが、生命力を吸われた体が変じた海水の刃は小さく弱々しい。
「そんなにぐったりしちゃって……最後までサービスしますわ♪」
 その萎えた刃を抑えつつ男の顔を爆乳で挟みつつ組みつき、そのままブラスターの射線へ投げ飛ばすモアナ。
 そしてその男が撃ちぬかれるのを待つことなく、さらに次の男を胸で挟み、地獄に落ちる前の最後の天国を味わわせてやる。
 こうして欲に突出した男たちは、最後に別の欲に溺れながら昇天させられて行くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベアトリス・ミラー
※ホークと行動
アドリブOK

「あの後、行方が分からずどうなったのかと」
アリスラビリンスでの一件で戻ったと思ったらいなくて探し回るはめに。
「まあ無事ならよかったのですが、状況は分かっています?」
把握しているらしく、あとは行動のみと。
誘い込む組、待ち伏せ組、背後からの襲撃組の三組に分かれて迎撃すると。
「では私は背後から攻める役に」
作戦が始まれば戦乙女を呼び出し、相手の退路を断ってから挟撃へと。
集団戦術による援護を行いつつ対処しましょう。


ホーク・スターゲイザー
※ミラーと行動
アドリブOK

海賊たちに状況を説明して作戦を立てる。
合流したら説明をしておく。
「彼らに助けられた。危機が迫っている以上、放っては置けない」
恩返しのために迎撃作戦を立てていると話し、役割を決める。
数人が誘い込み役に回り、多くは迎撃や襲撃になると説明。
「相手の情報が無くてな」
相手の目的等の情報を得て、作戦を開始。
敵を誘い込み、分岐した場所で散り散りになる。
ミラーの封じ込めと合わせて各個撃破を行い、手が空いたら他の援護に回る。
功夫を始めとした格闘戦術で叩き、ジャストガードによる受け流しからカウンターを繰り出す。
「くれてやるかどうか疑わしいものだが」



 猟兵たちの活躍によって、散逸していた配下の男たちはほとんどが倒された。残るは最後まで敵中枢部近くに残った、比較的『忠実な』男たちだけだ。
 その男たちを撃破する役目は、二人の猟兵が担う。
「あの後、行方が分からずどうなったのかと」
 ベアトリス・ミラー(クリエイター・f30743)がやれやれというようにそう言う。アリスラビリンスで共に戦った仲間。その相手が依頼終了と同時に姿を消し、色々と探し回ることになったとその相手に言っているのだ。
「まあ無事ならよかったのですが、状況は分かっています?」
 ベアトリスが話す相手、ホーク・スターゲイザー(過去を持たぬ戦士・f32751)は、それまで状況説明をしていた海賊たちから彼女の方へと向き直った。
「彼らに助けられた。危機が迫っている以上、放っては置けない」
 だから恩返しのために迎撃作戦を立てていたのだという説明。つまりは状況はすべて把握しているということというその答えに、ベアトリスはならばいいという風に頷いた。
 ならばあとは行動のみ。具体的な動き方を自分たちと海賊たちでどう分担するかを決める。
 大まかな案としては、数人が誘い込み役に回り、多くは迎撃や襲撃になる形。
「相手の情報が無くてな」
 それに対し現地とモニターを何度か往復したクリスタリアンが、自分が見てきた相手の印象と特徴を答えた。曰く相手は全員メガリスで武装しているがそれでもなおそこまで強いわけではない。欲深く短絡的で、メガリスをちらつかせればすぐに乗ってくる。総じて身勝手であまり仲間意識もない。ただし直接的な破壊力は侮れず、また水の操作に長けている。
「ならば私は誘い込みにかかろう」
「では私は背後から攻める役に」
 そしてスーパースターズたちには各所に伏せてもらい、敵が逃げない抑えとなって貰う。
 そうして段取りを決め、敵の位置を最後に確認してから二人は海賊たちを伴ってモニタールームから出る。それと同時に、ついにここの操作も乗っ取られたかぶつりと全てのモニターがダウンしたのであった。

「さて、お前たちが欲しいものがここにあるが」
 スーパースターズの案内で辿り着いた中枢部前。ホークはメガリスボーグたちのメガリスをこれ見よがしに男たちに見せつけた。その分かりやすい挑発に、男たちは苛立ちの表情を見せる。
「誰も戻って来ねぇと思ったら……そういうことかよ。やっちまうぞ!」
 欲よりも敵襲の方で怒り、ホークたちに詰め寄る男たち。だが動機が何であれ、釣りだせたのならそれで成功だ。
 適当にあしらいつつ、少しずつ後退していくホークたち。いきなり逃げるのではなく徐々に下がることで、相手にも釣りだされていることを気づかせないようにする。
 やがて複数分岐する場所に来たところで、全員が一斉に散り散りになって通路へと駆けこんだ。
「くそっ、待ちやがれ……」
 各々一番近い通路に入り、やはりバラバラに散らばる男たち。そして分散した先には、スーパースターズたちがそれぞれ伏兵として待ち構えていた。
「撃て!」
 リーダー格のウォーマシンの号令で射撃を始めるメガリスボーグ達。艦内謹製のレーザー銃や、埋め込んだメガリスを用いた射撃攻撃に男たちは一斉に打ち倒されていく。
「ふざけやがって……ぶっ飛ばす!」
 男は服を破り脱ぎ捨て、凄まじい気負いで殴り掛かった。その勢いはメガリスボーグたちの射撃すら突っ切るほどで、直撃すれば力あれど一般人ではただでは済むまい。
「ぶっ飛ばされるのはそちらだ」
 その拳を、割って入ったホークが受け流した。功夫の動きで相手を征し、ごくわずかな防御のみで相手の攻撃を反らしてはカウンターの一撃で次々と相手を撃破していく。
 そしてその場が制圧できれば次の場所へと、ホークは移動し待ち伏せ組のサポートへと当たっていた。
「ち、ちくしょう……頭に報告だ、何とかしてもらうぞ!」
 勝手に勇んだことなど忘れ、ボスの控える中枢部へと逃げだしていく男たち。だが、来たはずのその道は既に、ベアトリスと彼女の呼び出した【クイーン・フォース】によって塞がれていた。
「どうせ逃げるとは思っていました」
 相手は所詮矜持なき荒くれ。不利になれば逃げて当然。そしてそんな連中に、自分の兵たちが負けるはずはない。揺るがぬ無敵の体の戦乙女の姿となった兵は、男たちとはまるで違う統制の取れた集団戦術の下、隙間なく通路を塞ぎ相手の攻撃を跳ね返しながら敵を押し返していく。
「こ、こっちに……」
 もう一度反転しようとするが、そこにはすでに分岐で合流した多数のメガリスボーグたちと、それを率いるホークの姿が。
 完全に決まった挟撃。あとはもう一方的な掃討の時間だ。
 瞬く間に倒された男たちは、オブリビオンとなった者の常として消滅していく。
「お、俺の……メガリス……」
 最後まで欲望をあからさまにしたまま、最後の一人が消滅した。
「くれてやるかどうか疑わしいものだが」
 彼らの首領は果たして本当に、お下がり程度でもメガリスを男たちに下賜してやるつもりがあったのか。
「まあ、利用できればそれでいい、ということだったのではないかと」
 ベアトリスもそれについては甚だ疑問に思いつつ、その答えを唯一知るであろう存在……当の本人が控える中枢部の方を見た。
 本当の脅威は、すぐそこにいる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『シーシアス・アヴァリシア』

POW   :    我が武器は勝利の剣、天之麻迦古弓、アスカロン
自身の【顔の仮面と体の宝石のメガリス】が輝く間、【剣と弓や換装した斧、盾、槍等のメガリス】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD   :    我が光はファントム、ドラコナイト、スヤマンタカ
装備中のアイテム「【体を構成する全てのメガリス】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ   :    我が衣はメロウの帽子、パランギーナ、イージスの盾
【今の相手には役に立たなさそうなメガリス】を脱ぎ、【相手に極めて有効なメガリスで構成された体】に変身する。武器「【新たなメガリス(形状、名称は毎回変わる)】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。

イラスト:タヌギモ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠シャイニー・デュールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 戦艦島『シーホール』の中枢部。かつては戦艦としてのエンジンルームであり、今はこの島の心臓部であるその場所に、異形の人型が立っていた。
「我が胸のこれにてこの船は動いている。然らばこの船は我か? それともただ纏っただけの外被か? そも、我と彼の境界とは?」
 その人型は、誰に聞かせるでもなく誰も答えぬ問いを放つ。
「答えてくれなくともよい。必要なら自ら探し『入れかえ』よう。空駆ける船ならばコホリン・ドゥリューはいらないか。ならばしばしそこが空く」
 外でたった今繰り広げられていた戦いなど知らぬげに独り言のように語り掛けるそれは、剣とつながった腕を払って自身のマントを捲り上げる。
「あれは……!」
 それを見たウォーマシンが、変わらぬはずの顔色が変わったかのような声を上げた。その胸から伸びる巨大な砲。それはまさしくこの島の力の源たるメガリス、『波動砲』に他ならない。
「彼の地グリモアベース。あの王笏すら目指しもしなかったその地に次の我はあろうかや。ならば彼の者の代わりに我が目指そう。我は『今』それを望む」
 その言葉と共に、胸の波動法に強大なエネルギーがチャージされていく。
 彼こそが『シーシアス・アヴァリシア』。新たに現れた猟書家にして、己の全てをメガリスへと入れかえた者。
 猟兵よ、この己を失った愚か者にグリモアベースの地を踏ませるな!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
一度全てを外し、残ったものが貴方では?

『FBS』を四肢に嵌め飛行、【接穣】を発動し『強化』と『即時修復付与』を行いますねぇ。
『FRS』は私の後方に配置、『波動砲』を狙って『島の方々』と共に牽制を行いチャージを妨害しましょう。
同時に『FMS』のバリアと『FSS』のシールドを、其々多重になる様展開し【武器】や『砲』に備えますねぇ。
『FMS』『FSS』の防御面も強化済ですし、破壊されても『続く攻撃』までに『即時修復』しての再防御が可能ですから、『角度の調整』等による威力の分散を重ねれば、防ぐことは可能でしょう。
後は、攻撃後の隙を狙い『FRS』『FSS』の[砲撃]で叩きますぅ。



 グリードオーシャンに突如現れたオブリビオン、『シーシアス・アヴァリシア』。己の全てをメガリスへと置き換えたその存在は、どこまで本気か、それさえ分からぬような調子で己の存在を虚空に問う。
「一度全てを外し、残ったものが貴方では?」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)のその答えにも、シーシアスの表情は変わらない……変わりようがない。
「では君は心臓と脳を切り離したときどちらが己か決められるか? 生憎我にはもうどちらもない。それ故に君で試させて貰おう」
 そう言ってシーシアスは右手に繋がった剣をるこるへと向けた。
 そしてそれと同時に、その胸に埋め込まれた大砲……メガリス『波動砲』にエネルギーがチャージされ始める。
「大いなる豊饒の女神、豊かなる器を今一度、新しき力へとお導き下さい」
 るこるは戦輪をはめ浮遊しながら、【豊乳女神の加護・接穣】を発動。自身の装備を強化し全てに修復能力を持たせる。その上で、砲台『FRS』を後方に、防御能力のある二種を前方に配置することで相手の攻撃に備えた。
「右手はこのままでいいだろう。左手は……これを投げるか。勝つまで戻らぬ勝利の剣、穿つまで追い続けるブリューナク」
 シーシアスの仮面の奥、目に当たる宝石がきらめき、その両の手からメガリスが放たれた。右手の剣が腕ごと飛び、左手は弓を手放し骨のようになっていた腕の中心の槍が取れる。二つの武器はるこるの張った防壁に打ちかかり、その兵装たちを瞬く間に破壊した。打ち壊される端から兵装は直っていくが、それと同時にまたあっという間にメガリスが兵装を壊していく。
 敵を倒すまで自動で動き続ける武器の名を冠したメガリスに、己の寿命と引き替えに9倍の攻撃回数を与えたシーシアス。まさか本物ではあるまいが、自動追尾兵器の攻撃回数が増えたという事実だけで十分厄介なのは確かだ。
 だが、それは自動故に邪魔者である防御兵器を優先して破壊し続けている。強化と復活によって猟書家のメガリスとも渡り合えるほどになった防御ならば易々とは完全に突破されまい。その間に狙うのは、敵の真なる攻め手の妨害。
「皆さん、いきますよぉ」
 るこるの合図でFRS、そして背後に控えていたスーパースターズの射撃部隊が一斉にシーシアスの胸……『波動砲』に向けて撃ちかけた。
「発射!」
 その攻撃に相対するように、波動砲を放つシーシアス。無数の射線と巨大な光線がぶつかり合い、まばゆい光が当たりに広がる。
「ぬぅっ!」
 牽制射撃であったものに思わず反応し撃たれたチャージ不十分な光線は、多数の射撃に相殺され敵への致命打を与えられずに終わる。波動砲も彼の体を構成するメガリスであるはずなのだが、何かの条件が満たされていないのか光線は倍加することはなく、一射きりで終わっていた。
 そして波動砲の欠点、それは酷似するユーベルコード【アルカナ・ブラスター】の弱点がそのまま当てはまる。
「再チャージ開始、耐衝撃防御態勢……」
 再び波動砲にエネルギーを溜め始めるシーシアス。チャージに応じて無限に威力が上がる。それは言い換えればチャージに時間をかけられなければ威力を確保できず連射性は皆無に等しいということ。それがアルカナ・ブラスター、そして波動砲の弱点であった。
 それを補うための攻撃回数増加であり、自動追尾メガリスだったのだろう。だがそれも、同じように無限に再生し続けるるこるの防壁とのいたちごっこに止められた。
 そして相手が次のチャージを終えるまで待つほど、るこるもスーパースターズも悠長ではなかった。
「続けていきますよぉ」
「任せろ、狙い撃ちは得意分野だ!」
 FRSとスーパースターズの射撃がシーシアスの胸を再度襲う。シーシアスは仕方なく迎撃に砲を撃つが、さらにチャージ不足の光線は今度は敵弾を完全に消すことすらできず、その身に幾許かの被弾を許した。
 そのまま再生の合間を縫ってのFSSも含め、絶え間なく撃ちかけられる射撃がチャージの間も与えず波動砲に不得手な連射を強い、それを乗り越えてはメガリスの体を削っていく。
 奪って付け加えただけの体は本人のメガリス操作の力を享受することもできず、ただ削り合いの時間を無暗に引き延ばすだけであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
その体じゃ愛の営みも出来ないわね……
貴方に教えてあげる。
愛の力こそが最強なのよ

『挽歌・果てなき航路』で私と同じ強さの
カルロス様と515人のメロディア様を召喚し
自身に憑依【ドーピング】
517倍の戦闘力・未来予知・不死を得た私は
相手の攻撃や搦め手を常に先読みし【衝撃波・早業】で阻止

時止め等は予知できないけど
静止した世界には私も入門済み。
【第六感・戦闘知識】で【見切り】静止した世界に【ハッキング】

私に効くとすれば
美女に化けての誘惑・抱擁・UC封印からの波動砲だけど
抱擁【怪力・捕縛】し返し【化術】で波動砲をおっぱいに変え
舌で【慰め・生命力吸収】
仮に男でも女の子として愛せば女の子になる。そういうものよ♥



「その体じゃ愛の営みも出来ないわね……貴方に教えてあげる。愛の力こそが最強なのよ」
 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)がシーシアスの体を見てそう言った。確かにその体には一切の生身の部分はなく、あらゆる生物的な活動が不可能……あるいは不要にも見える。
「我が求めるはメガリスのみ。愛というメガリスがあるなら考えぬでもない」
 感情の窺えぬ声でそう答え、右手の剣を振るシーシアス。ドゥルールはそれを動いて躱し、間合いの外に出る。
「骸の海・強欲の海を越え、愛の海にて永遠の未来を!!」
 愛を不要というのなら、この大海にて最も愛し合ったオブリビオンたちを見せよう。そう言わんばかりに、ドゥルールは【挽歌・果てなき航路】を発動した。
 このエンジンルームを埋め尽くすかの如く、巨大な海賊船が姿を現す。
「……どういう絡繰りか」
 そこに乗っているものを見た時、シーシアスは眉があるならそれを寄せていたような声を出す。そこにいたのは白き鎧をまとった『四の王笏』カルロス・グリード、そして無数のその妻、メロディア・グリードであった。
 その霊たちはシーシアスに攻めかかるのではなく、すぐに消え失せドゥルールの中へと入りこんだ。強力な死霊を取り込みその力を得るのはドゥルールの得意技だが、今回はフォーミュラとその伴侶を大量に、その強化幅は普段以上である。
「哀れなる強欲、奪われしは奪う者にとって最大の屈辱よ。それが愛なるもの故だというならば、やはり我にそれはいらぬ」
 シーシアスはドゥルールに向けて左手の弓を撃った。天さえにも届く矢を射るという名を持つその強弓は神速の矢を放つが、それが撃たれた時既にドゥルールはその場にいない。
「その攻撃は分かっていたわ」
 僅かに射線からずれた場所に現れるドゥルールに今度は剣が突き出されるが、それも降られるより早く動き躱される。
「詳しくはないが、四の王笏ができたという予知か。然らば如何な早さも強さも意味を成すまい。剣も弓もいらぬ。未来は時がたたねば来ぬ」
 シーシアスは左手の弓を捨て、時計型のメガリスを取り出した。そしてその時計の上部を押すと、周囲の動きが全て止まった。
「未来は時が流れねば来ない。他のメガリスが使えなくなる故まるで使いどころもないと思っていたが……取っておくものだ」
 恐らく代償多大な時間停止効果だろう。他のメガリスを捨てて取り出した時計のメガリスを片手に、もう片手に残った剣を単なる刃物として振り上げるシーシアス・
 それが突き出されるその瞬間、止まった時の中ドゥルールは強引に動き、それをかわした。
「……何?」
「止まった時の中には私も入門済みよ。これだけ強化して動くのがやっとというのは凄いけど」
 時を止めるユーベルコードならドゥルールも持っている。それの応用で何とか動き、致命の一撃は躱した。とはいえ敵もユーベルコードで置き換えたメガリスを用いた技。憑依による強化された体でも消耗は大きく、ドゥルールはシーシアスの胸に倒れ込むように抱き着く。だがそこは、もう一つのメガリス『波動砲』のある場所。
「結局は力技が一番か、手練手管が虚しくなる」
 接近してきたドゥルールを吹き飛ばすべく、時間停止を止めてメガリスを再稼働、波動砲にエネルギーをチャージさせるシーシアス。
「私に効くとすれば美女に化けての誘惑・抱擁・UC封印からの波動砲だけど……」
 その胸を、避けることなくドゥルールはまさぐった。それに反応するように波動砲の形が変わり、シーシアスにないはずの生身の体……女性の乳房へと形が変わる。
「なっ!?」
「仮に男でも女の子として愛せば女の子になる。そういうものよ♥」
 その部位から生命力吸収を駆けるドゥルール。化術で変えたもの故ユーベルコード相当のメガリスを完全に止めることは出来ないが、それでも最早無縁であった生身の感触に、集中は乱れ波動砲のチャージは遅れる。
「だがこの距離なら……放て!」
 このまま好きにさせてはとシーシアスはチャージもそこそこに波動砲を放ち、ドゥルールはとっさに顔を離して口内への接射という危険極まる一撃を何とか外した。
 さすがにこれ以上メガリスに顔を近づけるのは危険と、ドゥルールは化術の効果を残したままシーシアスから離れていく。
「我の元が何であったにせよ……このような感覚があるならやはり肉など不要よ……」
 それを見送り、術の効果が切れるまでシーシアスは己の胸を忌々し気に見るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リン・ベルナット
体中に取り付けたメガリスに波動砲、強力な武器を沢山持ってるみたいだけど鍛えられた体で打ち破ってみせるよ!

まずは波動砲の対処だね。
対策としては撃ってきた瞬間にユーベルコードで回避をしてみようと思うんだ。
それまで平面的な動きをしてきた相手が空中をダッシュするっていう立体的な動きをしてくるのは予想外だろうしうまく避けられそうだよね!

回避したらそのまま接近して攻撃に移るけど、相手の技の効果的に不利な戦いを強いられそうなんだよね。
だから、相手が接近戦向けのメガリスでできた体に変化したらジャンプして一気に距離をとってジャベリンモードのバトンロッドで槍投攻撃を行うよ!
遠距離攻撃もできる所を見せてあげるね!


イスラ・ピノス
あれが問題の、だね。
人がメガリスだかメガリスが人だか…みたい。
島の為にも僕らの為にも止めよう!

といっても正面から普通にいっても分が悪そうだね。
他の皆の協力して攻めていこう。
こういう時は相手の力を削っていって隙を作るのが良さそうかな。
相手の力って言ったら勿論メガリス。
泡の招待状での奪取を狙ってみるよ。
完全に身体の一部になっちゃってるようなのは厳しそうだけど、武器として使ったり換装したもの、相手に合わせて脱いだやつとかから狙って。
削れるかチャレンジしていくよ!
すぐに使えそうなメガリスならその場限りで僕が使えるかも挑戦!
少しでも成功すれば牽制になるし上手くいえば大当たりもあるかもしれない!
頑張るよ!



 例え戦いの中傷ついてもその部位を交換してしまえば外見上の負傷は消えるし、全てが作り物のその顔からは当然のように表情は読み取れない。シーシアスのその生物らしさの窺えない姿を、イスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)はじっと見る。
「あれが問題の、だね。人がメガリスだかメガリスが人だか……みたい。島の為にも僕らの為にも止めよう!」
 相手がどんな存在だろうと、成すべきことに変わりはない。その意思の元に相手と向かい合うイスラ。
「体中に取り付けたメガリスに波動砲、強力な武器を沢山持ってるみたいだけど鍛えられた体で打ち破ってみせるよ!」
 また本来自分の体ではないものに体を置き換え続け、鍛えられる肉体そのものを失ってしまった敵に、リン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)はそう宣言して向き合った。自分の体を一切持たない相手は体を交換しない限り、どれほどの研鑽や経験も力にはならない。そんな相手に己の肉体を誇りとする自分が負けるわけにはいかないと、リンは身体能力の全てを持って相手をするつもりであった。
「体は鍛えられねど思考は常に進化する。思い付きだがこれはどうだ?」
 二人の意思に答えるかのように、シーシアスは波動砲をほぼノーチャージで放った。細く弱いが、最低限の破壊力だけは保証された光線が抜き打ち状態でリンに向けて放たれる。リンはそれを素早く横に動いて避けるが、連射された波動砲がそれを追い一か所に留まることを許さない。
 威力を犠牲に本来不得手とする連射を行う胸の波動砲。だが、シーシアスの瞳にあたる宝石が輝くと、目に見えてその光線に込められたエネルギーが増大した。メガリス強化能力で威力を補ったと思われるその射撃を、リンは素早く動いて躱し続ける。
「正面から普通にいっても分が悪そうだね。他の皆と協力して攻めていこう。こういう時は相手の力を削っていって隙を作るのが良さそうかな……よろしく!」
 イスラは周囲にいるスーパースターズに呼びかけ、協力を依頼する。それに答え、スーパースターズは一斉にブラスターや射撃武器のメガリスをシーシアスに向けて撃ちかけた。それは無理矢理連射している波動砲の狙いを乱し、撃ち続けるのを困難にさせる。
「敵は早く、多い。一丁の強弓は役に立たぬか。然らば小さき剣を振るおう。ヘルメスのハルペーよ、幸運と狡知をその逞しき腕に乗せ敵を切れ」
 それに合わせ、シーシアスは左手に持っていた巨大なクロスボウを捨て、左手事態を短く湾曲した刃に変えた。その左手の動きはすさまじく早く、無理な連射をしていた波動砲に代わり鋭い動きでリンを追い、さらには一瞬離れたすきにイスラやスーパースターズにもその刃を向けた。
「おっと、一気にスピードアップだね。でも負けないよ!」
 その動きにリンもペースを上げ、刃を回避し続ける。
 そして状況に合わせメガリスを切り替えパワーアップするシーシアスの戦い方に、イスラはやはりと自分の考えの正しさを確信した。
「相手の力って言ったら勿論メガリス……おいでませ!」
 イスラはシーシアスに向けて【泡の招待状】を投げつけた。触れた者を奪う炭酸水がシーシアスにかかるが、それは右手に接続された剣で無造作に切り払われる。
「我からメガリスを奪えると思ったか? メガリスは即ち我よ」
 収納場所を超える大きさの者は盗めないその飛沫は、シーシアス本人と接続されている剣を奪うことは出来ない。そのままシーシアスはリンの方へと胸を向け、今度は十分にチャージした波動砲をそちらへ向けはなった。
「道がなくても私の足はどこまでも突き進むよ!」
 左右に動いても躱せない。それほどに太くなった光線を、リンは空中を文字通りに『駆けて』飛び越えた。【道なき道を駆ける】の力で空中を地面と同じように走れるようになったリンは、持ち前の鍛え上げた瞬発力でシーシアスへと詰め寄った。
「来るか……!」
 ハルペーでリンを迎え撃つシーシアス。素早い近接戦を本領とするその武器は接近戦でなおリンの速さに追いすがれ、バトンロッドを抜いたリンと高速で五分に撃ち合い続ける。
「やっぱりインファイトも強いね……でも」
「できたよ、こっちはいける!」
 イスラの声に、リンはシーシアスの硬い体を踏み台に大きく跳躍した。そうして空いた体の前には、巨大なクロスボウを構えたイスラの姿が。
「体にくっついたものは奪えなくても、こちらは行けると踏んでたよ! さあ、あなたの言う一丁の強弓の威力、見せてもらうよ!」
 その声と共に、イスラはクロスボウ……シーシアスの手放したメガリス『天之麻迦古弓』を放った。イスラはもとより彼の体を奪えるとは思っていなかった。本当の狙いは脱ぎ捨てたメガリスの方。天まで届くというその強弓は、シーシアスの頑健な胸を射抜き、波動砲の接続も緩めそのチャージを一時的に散らした。
「遠距離攻撃もできる所を見せてあげるね!」
 そうして体勢を崩したシーシアスに向けて、ジャベリンに変化させたバトンロッドをリンが思い切り投げつける。本来遠く飛ばすための力を、直線で相手に突き刺すために込めたその槍は、強弓が貫いた場所の隣をもう一つ穿ち、彼の体から波動砲をより引き剥がした。
「少しでも成功すれば牽制になると思ったけど……大当たりだったみたいだね!」
「私も負けてらんないからね。もっとポイント高い所に当てなきゃ!」
 力強き矢に穿たれた宝の寄せ集めの体が大きく揺らぐ。例え生身の体がなくとも傷つけることは出来る。体なき命を尽きさせることは不可能ではないと、豊かなる褐色の肉体を持つ二人は示したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ホーク・スターゲイザー
※ミラーと行動
アドリブOK

「あれと正面切って戦うのは得策ではないな」
隠れて対処法を模索する。
「見た目は華麗だが人そのものだな、あれは」
我欲の為の綺麗事や嵌める為の演技等、美しく見えるが実態は醜悪で爛れた怪物。
「あれは何を得ようとしたのか……道を見失ったか」
考えを切り替え、相手を討つ術を模索。
ミラーのUCで偽物を作り出し、迷彩で忍び寄り奇襲を仕掛ける作戦で攻める提案をする。
「あれを奪い返すのであれば、誰かが近づく必要がある」
危険な役は自分の勤めと行動を開始する。
武神の覇気を刀に形成して対処、隙を突いて一閃を繰り出す。


ベアトリス・ミラー
※ホークと行動
アドリブOK

「そうですね。でも隠れていてもなにも」
あの波動砲を何とかできなければ。
「欲に呑まれた者、先人たちのように」
キマイラの先人たちも同じように欲に呑まれて終わりを迎えたと。
「あれにかんしてはもう手遅れなので倒す方法を」
提案として出されたのが私達の姿を模した兵士を出すと。
海賊たちにも協力、と言っても回避を最優先に攪乱役として。
ホークさんに合わせて戦乙女を突撃させ一気に畳みましょう。
始まったら迷彩で隠れて見つからない様にします。



 猟書家シーシアスが陣取る中枢室の前、突入を前に相手の様子を窺う者がいた。
「あれと正面切って戦うのは得策ではないな」
 ホーク・スターゲイザー(過去を持たぬ戦士・f32751)がシーシアスの様子を盗み見て言う。全身を無数のメガリスで武装し、相手によってそれを切り替える柔軟性と対応力の広さはこちらの手を見せる程に不利になると、そう考えるホーク。
「そうですね。でも隠れていてもなにも」
 ベアトリス・ミラー(クリエイター・f30743)も様子を窺いながらも、どこかで相手にかかっていかなければならないことを考える。
「あの波動砲を何とかできなければ」
 差し当たっての問題は、この船の操作系を乗っ取っている原因であり、二連続でユーベルコードを放つ力の元になっているメガリス『波動砲』。それを奪還することが大きな目的であるのだ。
「見た目は華麗だが人そのものだな、あれは」
 無数のメガリスに飾られ、宝の塊とも言えるその外見。だが、異形と化すまで力と宝を求め続けた者のなれの果てと考えれば、欲に取りつかれた浅ましき人、実態は醜悪で爛れた怪物とも言える。
「あれは何を得ようとしたのか……道を見失ったか」
「欲に呑まれた者、先人たちのように」
 既になきキマイラフューチャーの先人たちも、世界を作り替え続けた末にいつの間にかいなくなった。今はオブリビオンとして現世に顕現するのみ。
「あれにかんしてはもう手遅れなので倒す方法を」
 とかく、今は相手を倒すことを考える時。
 それに関しては相手の攻撃の的を散らしつつ、本命の一撃を叩き込むという作戦を考案するホーク。
「呼び出す兵の姿は変えられるか?」
「自在とはいきませんが、迷彩と肉体改造の応用で一時のごまかし程度なら」
 ベアトリスは【クイーン・フォース】の兵を呼び出し、彼女たちをホークとベアトリスに似た姿に仮装させる。じっくり見れば本物との区別は容易に突くが、動き回っている状態で初対面の相手なら騙すことができるだろう。
 その兵たちを最初に突入させることで、シーシアスとの戦いは始まった。
「まだ来るか。だがいかにこようと我がメガリスは尽きぬ。戦え勝利の剣。唸れアスカロン」
 体の宝石を輝かせ、右手の剣と背に負った槍を振り回すシーシアス。それは怒涛の勢いで二人に扮した兵を攻撃するが、想像を糧にする無敵を持つ兵はいくら攻撃されても傷つくことはない。その手ごたえを訝るうち、さらに二人に扮した別の兵がまた室内へと乱入してきた。
「囮……否、こいつらもか」
 さらに弓のメガリスを射かけそれらを迎え撃つも、やはり効果はない。さらに今度は後方に控えていたスーパースターズのメンバーまでもが乱入し、エンジンルーム内を人で満たして混乱状態に陥れた。
「次から次と……何が目的だ」
 苛立ったようにメガリスを振り回し、乱射するシーシアス。攻撃回数は9倍となっているが、多量の人数を一気に投入したことで一人当たりに向く攻撃の数は減り、一人一人が全力を出せば何とかしのげる程度までは分散させることができていた。
 偽物と多量の人数による攪乱と足止め。だが、シーシアスにはこれらを纏めてなぎ払う手段がある。
「目障りな……だが既にエネルギー充填率は100%を突破。射線上の者程度ならまとめて消せる」
 胸の波動砲には十分なエネルギーがある。それで前の敵を纏めてなぎ払うべく、それを発射戦とするシーシアス。
 だがその瞬間、それまで攪乱に動いていた海賊たちが一斉にその場を退いた。そしてそこを突っ切るのは今まで何度かエンジンルームに入って来たマントの男……否、今度は仮装した偽物ではない、ホーク自身であった。
「あれを奪い返すのであれば、誰かが近づく必要がある」
 ならば危険を負うその役目は自分と、攪乱に紛れつつ様子を窺っていたホーク。波動砲の発射に合わせ斬り込み、その射線を突っ切りながら覇気を刀の形にし相手の体に向かって突き出した。
「遅い!」
 それと交差するよう、溜めきられた波動砲が放たれた。太い光線が部屋を貫き、逆側の壁に大穴を開ける。光に包まれるエンジンルーム内。そして。
「……ここが我が心臓か。否、そのようなものはとうにない。では、なぜ……」
 シーシアスの胸を、覇気の刀が貫いていた。その穴から波動砲が零れ落ちる。そしてそれが地に落ちると同時に、彼を構成していたメガリスは全てばらばらになって辺りにぶちまけられ、そして粉々に砕けて消えた。
 ホークもまた全身から煙を立たせながら膝をつく。隠れて海賊への指示に徹していたベアトリスが慌てて駆け寄るが、どうやら致命傷という程の負傷ではないようで一安心だ。
「あの光線を受けてそれで済むとは」
「あれ以上溜められていたら危険だった」
 シーシアスの残骸の中、一つだけ残った波動砲を見てホークが呟く。
 やがて戦艦島の鳴動は止まり、スーパースターズ達から鬨の声が上がった。
 こうして戦艦島『シーホール』を襲った脅威は去った。だが、グリードオーシャンに偽の骸の月が浮かび、グリモアベース侵略の計画が始まったと言うのもまぎれもない事実。混迷極まる戦いが、また一つ始まったのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年05月06日


挿絵イラスト