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銀河帝国攻略戦⑤~戦闘機撃退戦

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●戦艦の危機
「おい、聞いたかよ。解放軍の話を!」
「もちろんだとも。銀河帝国とやりあうんだろ? 俺達の船も解放軍と合流するそうだ」
 ヘロドトスの戦いにより、スペースシップワールドの世界には大きな変化が起きようとしていた。
 銀河帝国と戦うべく、意志を固めた戦艦が解放軍へと合流してゆく。
 この宇宙船もその1つだ。
 若い多くの命をのせながら、戦いへ向け準備を行っていた。

 しかし。敵がその船を見過ごしてくれるわけがない。
 宇宙船の中にけたたましい警報音が鳴り響いた。

「大変です! 銀河帝国の宇宙戦艦です!」
 船内に伝わる伝令の声。宇宙船内には緊張が走った。
 敵戦艦の奇襲を受けたのだ。
「大型の戦艦に後ろを取られました! 逃げ切れません!」
 敵の射程範囲に入ってしまっているのだろう。
 このままでは滅ぼされるのは時間の問題だ。
「流石に簡単に合流させてくれないか……!!」
 若い兵士が舌打ちをする。
「えぇい、それでも武器を取れ! 解放軍になんとしてでも合流するぞ!」
 今度は船長からの声が響いた。

 はたして、この船の行方はいかに――。

●窮地を救え
「ヘロドトスの戦いおつかれさん。しかし、まだ戦いは終わってないぜ」
 グリモアベースで集った猟兵に声をかける男、ジャック(多重人格のグリモア猟兵・f00529)。
 戦いは寧ろ、スタートしたばかりだ。
 銀河帝国と戦うべく、人々は立ち上がったのだから。

「解放軍と合流する船を狙って、帝国戦艦が攻撃を開始した。狙われた人々を守るべく、帝国戦艦を撃墜してほしい」

 その為に、敵の帝国戦艦へ直接猟兵達を転送する、ともジャックは伝えた。
 グリモアを操作すると、敵と戦艦内部が映し出される。
「敵の戦艦はかなりの大きさだ。派手に暴れて構わない。だが問題は『デルタ・ファイター』がいることだな」
 敵の『デルタ・ファイター』は、銀河帝国軍の航宙戦闘機の1つだ。
 航宙戦闘機の数は多い。機動力を重視した攻撃は、決して侮れないだろう。
 また、装甲を貫通する銃撃にも注意が必要だ。

「多くの命がかかってる。ちょいと大変な任務だが、君たちなら出来るさ。よろしく頼むぜ」
 ジャックのグリモアが光りだす。こうして猟兵達は、敵戦艦へと送り込まれた。


滝谷
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 滝谷です。よろしくお願い致します。
 今回はデルタ・ファイター戦となります。強力な敵の1つかと思いますが、派手にやっつけてあげてください。
 最終敵には、敵を滅ぼせば、戦艦も連鎖的に破壊できると思ってください。
 皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『デルタ・ファイター』

POW   :    増援要請
自身が戦闘で瀕死になると【増援飛行隊 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    帝国軍の栄光のために!
【制御不能の高速航行モード 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    対宙銃撃
レベル×5本の【貫通 】属性の【機銃弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ダビング・レコーズ
任務了解です
システム、戦闘モードへ移行
これよりデルタ・ファイターの迎撃行動を開始します

敵機の速力への対策が必要と判断
SF-2エウロスに騎乗し、当機の機能を高速戦闘に対応させます

ユーベルコード、マイクロ・プラズマ・リアクターを発動
プラズマ・ライフルの出力を増強させこれを主兵装とします
攻撃時には主要推進機関と推定される部位を優先的に狙い、機動性能を削ぎます
増援要請を阻止する為、十分な損害を与えた敵機へはプラズマ・バスターによる砲撃を実行し速やかに撃破します

敵機が発射する高貫通性弾頭を脅威度:高と認識
騎乗・ダッシュ技能に依る回避主体の戦闘を行います


荒谷・ひかる
この人たちを、みすみすやらせはしないんだよっ!
精霊さん!お願いっ!

相手は戦闘機なら、つまり精密機械でしょ?
だったら、強力な電磁波をぶつけてあげれば不具合起こすよね、多分!
ということで【エレメンタル・ファンタジア】発動!
大地の精霊さんの「鉄」と雷の精霊さんの「電気」の力を組み合わせて「磁力」を産み出して、
それに「嵐」を組み合わせて「磁気嵐」を敵戦闘機の群れに放射するよ!
EMP対策されてたら効かないかもだけど、流石に量産戦闘機全部それってことはないでしょ!
だめだったら……その辺のデブリとかを磁力の嵐に乗せて攻撃してみる!

纏めてぜーんぶ、お掃除しちゃうんだから!



●戦闘開始

 グリモアの力により敵戦艦へと進入した猟兵達。
 敵のデルタ・ファイターは球体の機器から光を瞬かせ、侵入者への迎撃モードを展開する。

 ウォーマシンのダビング・レコーズ(RS‐01・f12341)は敵との邂逅に素早い対応を見せていた。
「任務了解です。システム、戦闘モードへ移行。これよりデルタ・ファイターの迎撃行動を開始します」
 デルタ・ファイターの移動は通常の戦闘機よりもはるかに早い。
 レコーズはSF-2エウロスに騎乗することで、敵と引けをとらない速度で戦闘を繰り広げていた。

「この人たちを、みすみすやらせはしないんだよっ! 精霊さん!お願いっ!」
 レコーズに遅れて合流したのは荒谷・ひかる(精霊ふれんず癒し系・f07833)。
 既に激しい銃撃戦となっている中、2体の精霊を呼び出した。
「相手は精密機械でしょ? だったら、強力な電磁波をぶつけてあげれば不具合起こすよね、多分!」
「敵機体の分析を開始。――完了。76%の勝率となります」
 精霊の変わりに答えたのは、レコーズだ。
「多くの個体へ、電磁パルスは有効と判断します」
「本当?!」
 礼を言うとひかるが精霊達に合図を送る。
 大地の精霊と雷の精霊が頷くと、周囲へ徐々に力を滾らせる!

『敵ノ増加ヲ確認』
『磁場ノ変化ヲ観測。危険因子ト断定』
『ターゲット変更』
 敵が高速で旋回し、ひかるへ次々と銃口を向ける。速度に対応できない彼女はこのままでは蜂の巣だ。
 だが、それをレコーズが許さない!

「補助動力炉接続、出力再設定完了。――マイクロ・プラズマ・リアクターを発動」

 小型補助動力炉がレコーズの攻撃力を引き上げる!
 彼のプラズマ・ライフルが、高速展開する敵を捕らえた。
 同時に放たれた攻撃。1撃目が敵の攻撃を相殺し、2撃目が本体を破壊する!
 すぐさま敵の他機体が貫通弾を発射する。
 それを素早く回避すると、すれ違いざまに更に一機を破壊した。
「それじゃ、いくよ!」
 磁場の変化を感じレコーズが後退するのと同時に、今度はひかるが攻撃を仕掛ける。

「纏めてぜーんぶ、お掃除しちゃうんだから!」

 エレメンタル・ファンタジア。2体の精霊と、強力な磁気嵐を巻き起こす!
 鉄に電撃をのせたそれは、一瞬にして多くの敵を巻き込んだ!
 激しい機械の破壊音に、次々と敵が墜落してゆく。
 中には敵同士で攻撃しあい爆破されたものもあった。
 強力な貫通弾を、嵐が狂わせたのだ。
 これには敵もひとたまりもない。

 金属片と化した敵の山。2人を取り囲んでいた敵は見事に駆逐された。
 しかし、敵コードを解析したコレーズは、まだ多くの敵が存在することを告げる。
 早速向かおう、と言うひかるの言葉に2人は走り出す。
 一体でも多くの敵を、銀河帝国軍を、撃退する為に!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
航宙戦闘機……空を飛ぶ絡繰りに火縄などを備え付けたもの、という理解で宜しいでしょうか。

サムライエンパイアではありえぬ敵ながら、叩き落せばよいというだけなら遣り様はありましょう。

◆戦闘
弓を構え、【霰】にて目に付く限り射落とさせて頂きましょう。
増援を呼ぶならばそれも纏めて撃破するのみ。

敵の反撃は事前に【見切り】にて回避し、装甲の脆弱な部分を【鎧無視攻撃】で射抜いて確実に漸減を。

あえて敵中に飛び込み、包囲させたと見せかけた上で攻撃を誘発し、その場に伏せるか跳躍するかで対角線上の相手と同士討ちさせるなど攪乱も狙って参ります。

こうして小さな勝利を繋げていけば、巨像とていつかは屠れましょう。


シル・ウィンディア
しかし、どれだけ出てくるんだろうね…
でも、弱音は吐けないよね
後ろには、護る人達がいるからっ!

【空中戦】と【残像】を駆使して
ジグザグに動き、直線的な機動にならない様に注意して動くね
敵の攻撃は【第六感】で感じて、【見切り】で回避を行うよ

攻撃は、二本の光刃剣を二刀流に構えて
【二回攻撃】と【範囲攻撃】で纏めて攻撃っ!
一体落したら、次の一体へ!
【フェイント】も織り交ぜつつ、ターゲットを引き受けるよ

敵が半径23m以内に収まったら、ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラストで一網打尽にするねっ!
【高速詠唱】で隙を少なくして【全力魔法】で思いっきり行きますっ!

さぁ、道を開けてもらうからねっ!!



●数多の敵を破壊せよ
 仲間の入手した情報を元に、猟兵達は敵船館内を侵攻していた。
「しかし、どれだけ出てくるんだろうね……」
 シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)が壁影に身を潜めて偵察する。
 視線の先には、広い通路を塞ぐように『デルタ・ファイター』が群れを成していた。
「航宙戦闘機……空を飛ぶ絡繰りに火縄などを備え付けたもの、という理解で宜しいでしょうか」
 シルの隣から、鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)が話しかける。
 サムライエンパイア出身の彼には、デルタ・ファイターのような敵は珍しく思えた。
「多分、そんな感じだよ」
 シルの同意に頷く景正。なら、敵を叩き落すまで。
 2人は走り出す。敵を殲滅する為に。

 先陣を切ったのはシルだった。
『敵ヲ発見。迎撃シ――』
 振り向く敵だが1歩遅い。ダッシュで間合いをつめたシルが、相手を両断する。
 更に壁をけり、舞うように飛び上がると、短い杖から発した光の刃でもう1体も切り伏せる。
「まずは2体!」
 シルの素早い行動に、敵は完全に不意打ちを受けるかたちとなった。
 ショートする機械音を鳴らしながら、負傷したデルタ・ファイターが点滅を繰り返す。
『増援要請。増援要請』
 次々と増援飛行隊が召喚される。
 また、騒ぎを聞きつけたのか。別の場所からも敵が姿を現した。
 このままでは2人は挟み撃ちだ。
 後ろの敵へ、武器を構えた景正が即座に反応する。

「矢並み繕う籠手の上――たばしる霰が如く」

 剛弓から放たれる連続攻撃、霰(アラレ)がたちまち敵を貫いた。
 機敏な敵の弱点部分を景正の矢が射抜く。的確に、かつ冷静に。
 何機も打ち落とせば、機爆音が鼓膜を打った。しかし。全て仕留めるには至らない。
 数が、多すぎる。
「ならば――シル殿!」
 景正がシルへ向かって走り出す。
 うなづくと、シルも同様に景正へと走り出した。
 ダッシュする2人を、銃を放つ敵達が追いかける。

 そして。
 シルが、景正が、衝突する瞬間。
 景正がスライディングで敵の下を潜り抜け、シルが敵を踏み台にして宙を舞った。

 とっさの事に対応できず、敵は衝突し合い、銃で打ち合い、混乱した。
 その一瞬を、再び景正の『霰』が襲う!
 矢によって動きが止まるデルタ・ファイター。
 シルが落ちてくるのは、敵のど真ん中だ。
 どんなに危険かは、もちろん彼女も知っている。
「――でも、弱音は吐けないよね。後ろには、護る人達がいるからっ!」
 勇気へ、想いへ、数多の精霊達が答える。

「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ……。六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ! ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト!!」

 瞬時の詠唱で放つのは複合属性の魔力砲。全力展開のヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト。
 周囲の敵を一気に魔力が包み込めば、その威力が振動となり戦艦を振るわせた。
 通路を大きく変形させる程の破壊力。シルと景正の連携に耐え切れる敵はいなかった。

 ハイタッチする2人。
 敵船撃破まで、残り、あと僅かとなっていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルヴィリア・ダナード
ヒトが死ぬのって嫌いなの。
赤いもの好きだけど血はダメ。
嫌いなことするのなら、
私が…いいえ、リアが全部ぶっ潰してあげる。


まずは相手がどんな攻撃をしてくるのかじっくり観察を。
勿論、真似するためよ!驚かせてあげるっ。
銃撃、コワっ。
今、何発飛んできたのさ!銃痕を見てひーふーみー…って数え、る…時間なんてないね。
貴方の攻撃はもう十分見たわ!
ミレナリオ・リフレクションで私も同じことしてあげる。
段数はどちらが多いかしら?数が足りなければお得意の2回攻撃で増やすまで、だよ!
精密機械なんでしょ?貫通しちゃったらやばいんじゃないかな!
ドカーンってならないように頑張ってね!


シン・ドレッドノート
連携・アドリブOKです。
敵戦闘機とのドッグファイト、スピードで負けはしませんよ。

「燃えろ、ロード・スカーレット!」
【閃光の紅彗星】を発動し、ノーブル・スカーレットを分離・変形、服の上から体の各部に外部装甲のように装着。続けてウィングを展開、【天翔ける紅彗星】を発動して高速機動戦闘モードに移行します。

「ハンドレット・ガンズ!」
【乱舞する弾丸の嵐】で自身の周囲全方位に複製した真紅熱線銃と精霊石の銃を展開、紅い軌跡を描いて共に高速移動しながら、敵戦闘機を一斉射撃します。

「そこだっ!」
敵の動きは怪盗の単眼鏡の高速演算による【紅影の予告状】で回避しつつ、カウンターの狙撃を敵の未来予測位置に撃ち込みます。


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
宇宙での戦闘は初めて。でもやることは同じよ?

目立たない2、迷彩1でこちらの位置は秘匿。
そしてユーベルコード【千里眼射ち】で一つずつ狙い射ちよ。
「1機撃墜・・・次」

誘導弾11、鎧無視攻撃6、2回攻撃4、スナイパー13、鎧砕き3も活用して一撃一殺。
弓矢でも拳銃弾でも使いようね。



●静寂の狩人
 デルタ・ファイターとの戦いで、猟兵は勝利を収めていた。
 得た数々の情報。磁場嵐によって破壊された敵のセキュリティ。
 幾つか派手な爆音も聞こえてきたが、きっと仲間の勝利の音だろう。

 そして。ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)も侵攻する一人だ。
 物陰に隠れ気配を消すと目標を捕捉する。
「あそこが敵の『コアマシン』がある部分ね」
 戦闘機『デルタ・ファイター』が守り固める扉へ視線を向けるとヴィオレッタは目を細めた。
 コアマシンとは戦艦の心臓ともいえるパーツのことだ。破壊すれば大打撃となる。
 「(宇宙での戦闘は初めて。でもやることは同じよ?)」
 敵に気づかれないギリギリの距離から、相手の様子を観察する。
 すると既に戦闘を始めている猟兵達が目に付いた。

 飛び交う銃撃の中、応戦していたのは、ルヴィリア・ダナード(嘘つきドール・f01782)とシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)だった。
「銃撃、コワっ!」
 鼻先を掠める銃撃に、ルヴィリアがアイアンメイデンの背に隠れる。
 敵の『デルタ・ファイター』は援軍を呼び、既に数が集ってきていた。
「今、何発飛んできたのさ! 銃痕を見てひーふーみー……って」
 数える時間はなかった。それくらいの銃弾が雨のように降り注いでいたのだから。
 涙目でキリッと敵を睨むルヴィリア。
「一瞬の隙があれば、敵を片付けられるのですが」
 傍ではシンが反撃のタイミングを計っている。

「なるほどね。それなら……」
 ヴィオレッタの弓がしなる。彼女はデルタ・ファイターの中から増援信号を出す機体を見つけ出した。
「(10、9、8――)」
 自分の位置が敵に悟られないように。息を殺して的を絞る。
 糸をはじいて一撃一殺の『千里眼射ち』が放たれた。
 矢は死角からしなやかな軌道を描き、敵の胴体を貫通する。
 敵の装甲に小さなヒビを入れての一撃。
 貫かれたデルタ・ファイターは崩れ落ち、敵達は予期せぬ奇襲に錯乱を示す。
「1機撃墜……次」
 2機目を射るべく、すぐに次の矢を補充する。

●反撃の銃声
「こちらの仲間も到着したようですね」
 まだ見ぬヴィオレッタに礼をいい、シンがユーベルコードを展開する。
「ハンドレット・ガンズ!」
 シンの周囲に現れたのは無数の銃たちだ。
 乱舞する弾丸の嵐(ハンドレット・ガンズ)によって真紅熱線銃と精霊石の銃が大量に再現される。
 ただ作り出しただけでは、すぐ破壊されていただろう。しかし仲間の援護があれば話は別だ。

「ターゲット、マルチロック……目標を乱れ撃つ!」

 号令によって始まる一斉射撃。
 敵の弾幕を打ち破るべく、数多の赤い軌道が敵を迎え撃った。
 弾丸で多くの敵を傷つける。しかし、デルタ・ファイターもシンの銃を狙って更なる攻撃を畳み掛けた。

『脅威ヲ確認、高速航行モードヘ移行シマス』
 囁かれた機械音。デルタ・ファイターの速度と火力が更に加速する。

 無差別に周囲を攻撃し始めた敵へ、今度はルヴィリアが対抗した。
「貴方の攻撃はもう十分見たわ!」
 解析は完了した。見合うだけの魔力をルヴィリアが練り上げる。
「(ヒトが死ぬのって嫌いなの。赤いもの好きだけど血はダメ)」
 だから、戦おう。
 守るべき命の為に。
『対宙銃撃、発射』
 無感情な敵の攻撃に、ルヴィリアも技を繰り出した。

「嫌いなことするのなら、私が……いいえ、リアが全部ぶっ潰してあげる!」

 ミレナリオ・リフレクション。それは敵と同じユーベルコードを放つ技。
 弾幕同士が激しくぶつかり合った。
 貫通弾を返された敵は、相殺どころではすまない。
 周囲の増援飛行隊が、扉が、被弾した攻撃で傷ついてゆく。
「ドカーンってならないように頑張ってね!」
「今です、畳み掛けましょう!」
 再びシンの『乱舞する弾丸の嵐(ハンドレット・ガンズ)』による追撃。
 デルタ・ファイターは装甲を剥がされて音を立てて破裂した。
 ルヴィリアも弾数を倍にして、敵の攻撃を防いでゆく。

 そして傷ついた扉へ向けて、ヴィオレッタが弓を向ける。
 僅かにできた貫通孔。その奥に見えた、コアマシンを彼女は見逃さない。
「――チェックメイトよ」
 戦場へ放たれた矢。真直ぐ銃撃の嵐を潜り抜けると、音もなくターゲットを打ち抜いた。

●そして
 爆発の衝撃を虚無の宇宙へ響かせながら、敵の戦艦がゆっくりと傾いてゆく。
 猟兵達によって倒された敵も、闇へ消えてゆく船も、もう2度と動くことはない。

 無事に戦艦を脱出し、猟兵達は連合軍の船で合流と再会を果たしていた。
 みんなのお陰で逃げ切った船も、今頃感謝と喜びで満たされていることだろう。
 けれど、戦いがこれで終わったわけではない。
 これからがスタートなのだ。

「さぁ、次へ進みましょうか」
 シンの声で、再び連合軍の船は動き出す。
 皆という希望をのせて。これから始まる戦争(たたかい)の先へと。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月06日


挿絵イラスト